JP3648069B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中間トレイと、この中間トレイに用紙をスイッチバックさせるためのスイッチバック手段とを備え、用紙の両面に画像形成を行うことができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
用紙の両面に画像を形成するためには一面に画像が形成された用紙を一回反転させて画像形成位置に移動させ、反転した用紙に画像を形成する必要がある。そのため、従来から用紙を反転させるスイッチバック機構を設けていた。用紙の反転が要求されるのは前記両面画像形成の他に表裏を反転した形で排紙することが要求される反転排紙の2つの場合があり、両者の相違は、前者が用紙を反転した後、画像形成部側に用紙を搬送するのに対し、後者は反転後排紙トレイ側に搬送する点にある。このように両者は反転後の動作が異なることから、前記スイッチバック機構は前記動作を行わせるための各搬送経路に独自に設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、画像形成装置のデジタル化に伴い、ノンスタックインターリーフ両面機能が実現し、1つのスイッチバック機構によって反転排紙と両面画像形成とが可能となり、従来よりも低コストで画像形成装置を提供できるようになった。しかし、両面のコピー(画像形成)の生産性を向上させるため、両面時にスイッチバック部と画像形成部までの両面経路において、用紙を停止させる必要がでてきた。すなわち、ノンスタックインターリーフ両面モードの場合は、給紙部と両面再給紙との交互給紙となるため、両面再給紙側に用紙を常に待機させておかないと紙間が空いてしまい、コピー(画像形成)の生産性が落ちることになる。特に、大量高速機では、全体の搬送パスが長くなり交互給紙中の紙間が空かないようにするには、用紙を停止させる箇所を多くする必要がある。さらに、必要に応じて前記スイッチバック部分で用紙を停止させなくてはならない。そのため、反転排紙時には常に駆動し続け、両面時の用紙停止時のみ駆動を停止させる、もしくは駆動力の伝達を断つような駆動系が必要となる。
【0004】
また、ノンスタックインターリーフ両面モード実行中にジャムが発生すると、特に指定がない限り制御装置は用紙搬送系や画像形成系の駆動を即時切断するため、用紙搬送系のいたるところに用紙が残り、ジャム処理が大変な作業となる。
【0005】
この発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、画像形成の生産性とジャム処理の操作性の向上とを図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、用紙の片面に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって片面に画像が形成された用紙を中間トレイにスイッチバックさせるスイッチバック手段と、反転排紙時及び両面複写時ともに前記スイッチバック手段を使用して両面複写を行わせる制御手段とを備えた画像形成装置において、前記中間トレイからの出口部の搬送コロに、通電時は駆動源からの駆動力の伝達を断ち、非通電時は前記駆動力を伝達するクラッチを設けたことを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段において、前記制御手段は、反転排紙時には前記クラッチを非通電状態にして駆動力を伝達させ、両面複写時の用紙停止時には前記クラッチを通電状態にして駆動力の伝達を断つことを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第1の手段において、前記制御手段は、用紙ジャム時には少なくとも駆動源のイナーシャによって搬送コロが回転する可能のある間、前記クラッチへの通電を持続することを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第1の手段において、前記搬送ローラの駆動にあらかじめ設定した値以上の負荷が加わったときに前記搬送コロへの駆動力の伝達を阻止するトルクリミッタを設けたことを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第1の手段において、前記中間トレイにスイッチバック時に用紙搬送方向と直交する方向の位置を規制する規制手段を設け、前記制御手段は、用紙ジャム時には前記規制手段による規制幅を紙幅よりも大きく設定することを特徴とする。
【0011】
なお、以下説明する実施形態においては、前記スイッチバック手段には、スイッチバックローラ対103a,103b、中間トレイからの出口部の搬送コロには搬送コロ107が、クラッチにはクラッチ108が、制御手段には図示しないROMに格納されたプログラムにしたがって所定の制御を実行する図示しないCPUが、トルクリミッタにはトルクリミッタ118が、規制手段にはジョガーフェンス104がそれぞれ対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。同図において、画像形成装置は2段にわたる給紙カセット1a,2aから用紙をピックアップして搬送する第1及び第2の用紙搬送装置1,2と、これらの用紙搬送装置1,2のいずれかから搬送されてきた用紙にトナー像を転写する感光体ドラム3と、用紙に転写されたトナー像を定着する定着装置4と、定着された用紙を図示しない排紙トレイ側に直接搬送する排紙搬送系5、定着された用紙を中間トレイ105側に搬送する中間搬送系6、及び中間トレイ105から再度感光体ドラム3側に用紙を搬送する再給紙系7の各搬送路とから基本的に構成されている。なお、感光体ドラム3の周面に沿って帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング、除電などの各機能を有する装置が配置され、電子写真プロセスによって画像を形成するようになっているが、これらの各装置は公知のものなので、ここでの説明は省略する。
【0014】
排紙搬送系5と中間搬送系6とは分岐爪8によって搬送経路が選択され、分岐爪が図示反時計方向に回動して図示下側の経路が解放されたときには、中間搬送系6に用紙は導かれ、図示時計方向に回動して上側の経路が解放されたときには、排紙搬送系5に用紙は導かれる。中間搬送系6には中間トレイ105に用紙を導く第1の経路6aと、中間トレイ105から排紙搬送系5に用紙を導く第2の経路6bとが設けられ、中間トレイ105から排紙搬送系5に用紙を導く場合には、切り換え爪106によってスイッチバックした用紙の排紙経路が選択される。なお、中間搬送系6には、分岐爪8側から中間トレイ105側に沿って搬送コロ対119,120、中間トレイ入口コロ対101,102が設けられ、中間トレイ105の出口側に搬送コロ対107が設けられ、排紙搬送系5または再給紙系7に用紙の搬送が行えるようになっている。
【0015】
再給紙系7には水平搬送部110が設けられ、複数の搬送コロ対109によって用紙搬送装置1,2と共通の垂直搬送路100に用紙を送り出し、レジストローラ100aを経て感光体ドラム3の転写位置に用紙を再給紙することが可能となっている。なお、搬送コロ107と前記中間トレイ入口コロ102とによって搬送コロ対が構成される。
【0016】
大略上記のように構成された画像形成装置では、第1又は第2の給紙トレイ1a,2aのいずれかから用紙搬送装置1,2を介して給送された感光体ドラム3の転写位置で感光体ドラム3上に形成された画像が転写され、定着装置4で定着される。定着された用紙は反転しない場合には、分岐爪8を時計方向に切り換えて直接排紙搬送系5に搬送し、排紙トレイに排紙する。一方、反転排紙の場合、または両面コピー(両面画像形成)の場合には、分岐爪8を反時計方向に切り換えて中間搬送系6の搬送路に送り込み、搬送コロ対119,120を経由して中間トレイ入口コロ対101,102を経て中間トレイ105に進入させる。中間トレイ105内に搬送された用紙はスイッチバックローラ103a,103b対によってスイッチバックされ、搬送コロ対107,102側に送り込まれ、排紙搬送系5あるいは再給紙系7に搬送される。その際、搬送方向に対して直交する方向の位置を規制するジョガーフェンス104と称される規制部材によってジョギング動作、所謂幅方向の揃え動作が実行される。なお、中間トレイ105に用紙が進入する際、中間トレイ入口コロ対101,102の用紙搬送方向上流側に配置された両面入口センサ113によって中間トレイ105への用紙の進入を検知し、用紙の先端検知及び後端検知をトリガとして、用紙搬送方向下流側のジョガーフェンス104、スイッチバックローラ103a,103bは動作する。
【0017】
その後、反転排紙の場合には、搬送コロ対107,102によって搬送される用紙を切り換え爪106の搬送経路の切り換えにより第2の経路6bを介して排紙コロ12方向へ搬送する。また、搬送コロ107の同軸上には、図10及び図11に示すようにクラッチ108が設けられている。このクラッチ108は、通電時は連結を切って搬送コロ107にモータの駆動力を伝達しないように機能し、非通電時にはクラッチ108を連結してモータの駆動力を搬送コロ107に伝達して用紙の搬送を可能にするものである。したがって、前述の反転排紙の場合には通電が切られ、搬送コロ107が回転して用紙の搬送が行われる。なお、画像面を下にして画像形成済みの用紙を頁順に積層するため、このような構成の画像形成装置では、通常は反転排紙となっている。一方、両面時には、切り換え爪106の切り換えによって再給紙系7の水平搬送部110へ搬送され、搬送コロ109によって前記給紙部100をへて再給紙され、裏面に画像を形成し、そのまま、排紙搬送系5に送られ、排紙コロ12から排紙トレイに排紙される。
【0018】
ノンスタック両面機能での両面時の用紙搬送の流れは以下のようになる。
【0019】
図2は頁の画像形成順を示す説明図、図3ないし図7はそのときの用紙の搬送状態を示す説明図である。頁の画像形成順は「1」、「3」、「5」、「7」、「2」(1枚目の裏面)、「9」、「4」(2枚目の裏面)、「11」、「6」(3枚目の裏面)、「13」、「8」(4枚目の裏面)、「15」、「10」(5枚目の裏面)・・・というように以後、表面に画像が形成される新しい用紙と裏面に画像が形成される次の用紙とが交互に感光体ドラム3の転写装置9に供給され、この順で画像形成が行われ、用紙の両面に画像が形成される。
【0020】
具体的には、図3に示すように、まず、用紙搬送装置1,2のいずれかから用紙を4枚連続して搬送し、表側の面に画像を形成(1,3,5,7頁)し、中間トレイ105に進入させる。そして、スイッチバックローラ103a,103bでスイッチバックさせた後、切り換え爪106を切り換えて用紙を水平搬送部110へ搬送する。1枚目(1頁目P1)の用紙は、図4に示すように裏面に画像形成するためにそのまま転写装置9側に送られ、裏面(2頁目P2)に画像形成を行った後、そのまま排紙搬送系5の排紙コロ12側に搬送され、排紙される(図5)。
【0021】
2枚目(3頁目P3)及び3枚目(5頁目P5)の用紙は水平搬送部110の所定位置で停止し、待機している。そのため、水平搬送部110の駆動には、クラッチなどの動力伝達、伝達停止機構が用いられ、停止及び待機可能な構成となっている。また、4枚目(7頁目P7)の用紙は、用紙先端が搬送コロ対107,102のニップに咥えられた状態で停止し、その状態で待機している。搬送コロ107の同軸上には、図10に示すようにクラッチ108が設けられている。このクラッチ108は、搬送コロ対107,102のニップ位置で用紙が停止、待機するときには通電状態となって駆動力が搬送コロ107に伝達されないように構成されている。
【0022】
1枚目の裏面(2頁目P2)に画像が形成された後は、図5に示すように用紙搬送装置1,2から5枚目(9頁目P9)の用紙を供給して画像を形成し、そのまま中間トレイ105に進入させる。9頁目P9に画像を形成した後は、図5ないし図6に示すように水平搬送部110で待機していた2枚目の用紙が裏面画像形成のためそのまま転写装置9部に搬送され、2枚目の裏面である4頁目P4に画像を形成し、そのまま排紙搬送系5から排紙される。次いで、6枚目(11頁目P11)が用紙搬送装置1,2から供給され、11頁目P11に画像を形成した後、11頁目P11の用紙は中間トレイ105に搬送される。引き続き、図7に示すように水平搬送部110で待機していた3枚目の用紙が転写装置9部に搬送され、裏面(6頁目P6)に画像が形成された後、そのまま排紙搬送系5を経て排紙される。この動作が前述のようにして交互に繰り返される。
【0023】
さらに詳細に上記動作について説明する。
【0024】
図16のタイミングチャートに示すように、中間トレイ105に進入してくる用紙は両面入口センサ113によって用紙先端が検知される。両面入口センサ113によって用紙先端の進入が検知されると同時にジョガーフェンス104は紙幅位置から幅方向に広がった位置に所定距離移動する。そして、用紙後端が両面入口センサ113の検知位置を抜けるのを検知したら所定時間後にジョガーフェンス104は紙幅位置まで戻り、用紙の搬送方向と直交する方向の位置(整列位置)を規制し、用紙位置を整える。なお、ジョガーフェンス104は用紙サイズ毎に前記整列位置からの移動距離があらかじめ設定されている。ジョガーフェンス104のホームポジション位置はどこでもよいが、フェンス幅が最大限広がる位置が望ましい。
【0025】
図8はジョガーフェンス104を示す平面図、図9は図8A方向矢視図である。ジョガーフェンス104はステッピングモータ111とタイミングベルト114によって駆動され、搬送方向に対して直交する方向に往復動するため、ガイドロッド112に沿って摺動するスライダ116に固定されている。図8において、ステッピングモータ111が反時計回りに駆動すると、ジョガーフェンス104は紙幅(整置幅)に対して開く方向、言い換えればジョガーフェンス間の距離が拡大する方向に移動し、ホームポジションセンサ115によってジョガーフェンス104のフィラー部104aが検知されると停止する。
【0026】
中間トレイ105に進入した用紙は、スイッチバックローラ103a,103bによって搬送コロ対107,102側へ搬送され、次工程へ進む。スイッチバックローラ103a,103bは、この実施形態では、図1に示すように駆動ローラ103aが用紙の下側に配置され、搬送コロ対107,102側へ用紙が送り込まれる方向に常時回転している。従動ローラ103bは図示しないDCソレノイドにより上下動する。すなわち、スイッチバックで次搬送路へ用紙を搬送するときにDCソレノイドがオンし、従動ローラ103bによって駆動ローラ103aに一定の圧を与えるようになっている。この場合の駆動、従動関係は任意である。
【0027】
従動ローラ103bのDCソレノイドのオン/オフタイミングは、図16のタイミングチャートに示すように、用紙後端が両面入口センサ113を抜けるのを検知したら、所定の遅延時間が経過するとオンする。その際、ジョガーフェンス104が紙幅位置に移動した後にオンするように遅延時間を設定することが望ましい。オフタイミングはあらかじめオン時間を設定したおき、そのオン時間が経過するとオフする。例えば図13においてスイッチバック後の7頁目P7の用紙の動きは、搬送コロ対107,102近傍に設けられた反転センサ117によって検知され、下流側に5頁目P5の用紙が存在するので、所定時間後に停止させるために前記クラッチ108に通電する。この5頁目P5の用紙の搬送が開始されると、7頁目P7の用紙も同時にもしくは所定時間遅れて搬送が開始され、前記クラッチ108は非通電状態になる。これにより、搬送コロ107に図10に示すように本体側出力カップリング121からギア機構122を連結することによって動力が伝達される。クラッチ108は搬送コロ軸107aの同軸上に設けられ、前記ギア機構122から搬送コロ軸107aに対する動力の伝達を断接する。
【0028】
また、図11に示すように搬送コロ107にはトルクリミッタ118が設けられ、コロ部と軸部(搬送コロ軸107a)との間にある一定値以上の負荷が加わると搬送コロ107と軸部107aとが滑って搬送コロ軸107aからの駆動力が搬送コロ107に伝達されたないようにしている。なお、この実施形態では、搬送コロ部107にトルクリミッタ118を設けているが、前記クラッチ108のギア部に設けてもよい。
【0029】
このように搬送コロ107の駆動伝達部にクラッチ108を設けたときのジャム処理は以下のようになる。
【0030】
例えば、図13に示すように7頁目の用紙が停止して待機しているときにジャムが発生すると、用紙搬送系の搬送動作は即停止され、そのために用紙搬送系への通電が即断ち切られる。すると、当然前記クラッチ108への通電もオフとなるが、このクラッチ108は電源オフで駆動力伝達オンなので、搬送コロ対107,102に駆動力が伝達される状態となる。一方、搬送系の電源はオフとなるので、クラッチ108がつながったとしても用紙は搬送されないはずであるが、実際には、図示しない駆動モータのイナーシャによって搬送されることになる。一方、先行紙の5頁目の用紙は停止しているので、クラッチ108がつながった状態で搬送される7頁目の用紙の先端部が前記5頁目の用紙の後端部に衝突する可能性がある。そこで、この実施形態では、前記駆動モータのイナーシャによって用紙が搬送される間クラッチ108へ通電し、7頁目の用紙を停止させておく。
【0031】
また、図14に示すように定着搬送系及び両面搬送系(図示M)を1つの駆動源、言い換えれば1つの駆動モータによって駆動するように構成し、さらに、この系内にジャム処理用のノブ130を設けた場合、前述の駆動即断のジャムが発生したときには、中間トレイ105よりも搬送方向上流側の搬送路に残った残紙は中間トレイ105に前記ノブ130を操作して排出する。しかし、両面コピーのため水平搬送部110に5頁目の用紙が停止している場合、前記ノブ操作によって7頁目の用紙を移動させると、7頁目の先端が5頁目の後端に衝突し、負荷が大きくなってそれ以上ノブを回せなくなり、7頁目の用紙Sを送ることができなくなる。一方、図15に示すように中間トレイ105の出口部でアコーディオン状のジャムが発生した場合、ノブ130を操作しても負荷が大きくなり、それ以上、回せなくなる。
【0032】
このような状況になると、クラッチ108には設計値以上の負荷が加わり、クラッチ108が破損するおそれがある。そこで、前述のトルクリミッタ118を設けておけば、クラッチ108が破損することはなく、中間トレイ105の出口部で搬送されずに停止していた用紙はノブ130の操作によって中間トレイ105側への搬送が可能になり、ジャム処理の操作性が向上する。また、このとき、ジョガーフェンス104を紙幅よりも広く位置まで広げておけば、ノブ130の操作によって中間トレイ105に送り込む用紙がジョガーフェンス104に当接または接触することなくスムーズに進入できる。これによってジャム処理性の向上も図ることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば次に述べるような効果を奏する。
【0034】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、中間トレイからの出口部の搬送ローラに、通電時は駆動源からの駆動力の伝達を断ち、非通電時は前記駆動力を伝達するクラッチを設けたので、両面画像形成時に前記クラッチに通電して中間トレイからの出口部で用紙を停止させることが可能になり、ノンスタックインターリーフ両面機能実行時に給紙部と両面再給紙部から紙間を空けずに交互給紙が行える。これにより画像形成の生産性を向上させることができる。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、反転排紙時には前記クラッチを非通電状態にして駆動力を伝達させ、両面複写時の用紙停止時にはクラッチを通電状態にして駆動力の伝達を断つので、クラッチのオン時間が短くなり、これによってクラッチの寿命を延ばすことが可能となり、もって信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、用紙ジャム時には少なくとも駆動源のイナーシャによって搬送ローラが回転する可能のある間、クラッチへの通電を持続するので、中間トレイからの出口部で停止している用紙がジャム発生時に先行紙の後端と衝突して生じる2次的なジャム発生を防止することができる。
【0037】
請求項4記載の発明によれば、搬送ローラの駆動にあらかじめ設定した値以上の負荷が加わったときに搬送ローラへの駆動力の伝達を阻止するトルクリミッタを設けたので、ジャム処理時に余計な負荷がクラッチに加わって破損することを防止することができるとともに、中間トレイに残用紙を進入させるときのジャム処理の操作性を向上させることができる。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、中間トレイにスイッチバック時に用紙搬送方向と直交する方向の位置を規制する規制手段を設け、用紙ジャム時には前記規制手段による規制幅を紙幅よりも大きく設定するので、中間トレイよりも搬送方向上流側の残用紙を中間トレイに排出する際の規制部材と残用紙との干渉を抑制することが可能となり、ジャム処理の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送系を主に示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行するノンスタック両面画像形成の画像形成の頁順を示す説明図である。
【図3】用紙搬送経路における用紙の位置を示す説明図で、1枚目の用紙が中間トレイに待機し、4枚の用紙が搬送経路に存在している状態を示す。
【図4】用紙搬送経路における用紙の位置を示す説明図で、1枚目の用紙の裏面に画像形成が行われ、5枚目の用紙が搬送装置側に待機している状態を示す。
【図5】用紙搬送経路における用紙の位置を示す説明図で、5枚目の用紙の表面に画像形成が行われ、2枚目の用紙が中間トレイから取り出されている状態を示す。
【図6】用紙搬送経路における用紙の位置を示す説明図で、2枚目の用紙の裏面への画像形成が完了し、6枚目の用紙が搬送装置側から搬送されている状態を示す。
【図7】用紙搬送経路における用紙の位置を示す説明図で、3枚目の用紙の裏面に画像形成が行われ、7枚目の用紙が搬送装置側から搬送されている状態を示す。
【図8】中間トレイに設けられたジョガーフェンスとその駆動機構を示す平面図である。
【図9】図8におけるジョガーフェンスとジョガーモータを示す正面図である。
【図10】中間トレイ出口に設けられた搬送ローラとその駆動軸に設けられたクラッチ及び画像形成装置本体側からの動力駆動系を示す要部斜視図である。
【図11】図10における搬送ローラ部に付設されたトルクリミッタを示す平面図である。
【図12】図10におけるクラッチ部に布設されたトルクリミッタを示す平面図である。
【図13】ジャム発生時における中間トレイ出口部での用紙の状態を示す図である。
【図14】ジャム発生時における搬送経路全体の用紙の状態を示す図である。
【図15】中間トレイ出口部でのジャム処理の様子を示す図である。
【図16】中間トレイに関連する機構の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,2 用紙搬送装置
3 感光体ドラム
4 定着装置
5 排紙搬送系
6 中間搬送系
7 再給紙系
8 分岐爪
9 転写装置
100 垂直搬送路
103a,103b スイッチバックローラ
104 ジョガーフェンス
105 中間トレイ
106 切り換え爪
107 搬送コロ
108 クラッチ
110 水平搬送部

Claims (5)

  1. 用紙の片面に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって片面に画像が形成された用紙を中間トレイにスイッチバックさせるスイッチバック手段と、反転排紙時及び両面複写時ともに前記スイッチバック手段を使用して両面複写を行わせる制御手段とを備えた画像形成装置において、
    前記中間トレイからの出口部の搬送コロに、通電時は駆動源からの駆動力の伝達を断ち、非通電時は前記駆動力を伝達するクラッチを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、反転排紙時には前記クラッチを非通電状態にして駆動力を伝達させ、両面複写時の用紙停止時には前記クラッチを通電状態にして駆動力の伝達を断つことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、用紙ジャム時には少なくとも駆動源のイナーシャによって搬送コロが回転する可能のある間、前記クラッチへの通電を持続することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記搬送ローラの駆動にあらかじめ設定した値以上の負荷が加わったときに前記搬送コロへの駆動力の伝達を阻止するトルクリミッタを設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記中間トレイにスイッチバック時に用紙搬送方向と直交する方向の位置を規制する規制手段を設け、前記制御手段は、用紙ジャム時には前記規制手段による規制幅を紙幅よりも大きく設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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