JP3904130B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機等に代表される画像形成装置に係り、特に1枚ずつ搬送されるシートをスイッチバックさせ、シート面を反転させて排出するシート反転装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成部から送り出されたシートを排紙ローラへ導く送紙路と、送紙路から分岐して設けられた引込み路と、引込み路から分岐して設けられ引込み路に引き込まれたシートを送紙路へ導く反転路とを備えた画像形成装置については、従来から種々構成が提案されている。上記構成の他に、引込み路と反転路とを1つの搬送路で兼用させて単一の搬送路内でシートの引き込みおよび反転を行わせる構成のものも知られているが、単一搬送路内でシートの引き込みおよび反転を行わせる場合には、先行シートと後続シートとの搬送間隔を十分に取る必要があるため装置のスループットが低下してしまうという欠点がある。これに対しシートの引き込みと反転とを個々の搬送路、即ち引込み路と反転路とで行うようにした構成の場合は、シートの搬送間隔を狭めることが可能になり装置のスループット向上の点で有利と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように引込み路と反転路を備えた画像形成装置においては、少なくとも2箇所に分岐点が設けられる。即ち、送紙路と引込み路の分岐点と、引込み路と反転路の分岐点とが設けられることになる。分岐点には一般的に回動可能なゲート部材が設けられるのだが、それぞれの分岐点にゲート部材を設けたのでは構成ならびに制御の複雑化、ならびにコスト高を招いてしまうという欠点が生じていた。
【0004】
また、搬送されてくるシートがカールを帯びている場合には、反転したシートの端部が分岐点などで引っ掛かったり、うまく反転路側に搬送されずに再び引込み路へ逆送されてしまい搬送ジャムが生じてしまう等の問題も発生していた。特に画像形成装置が熱定着により画像をシート上に定着させるレーザビームプリンタ等である場合には、加熱作用によりシートに大きなカールが生じるため装置の信頼性を落とす要因となっている。搬送ジャムを防止する方策としては、逆送防止のために分岐点上流側の引込み路出口の隙間をできるだけ狭めることが有効であるが、引込み路の隙間を調整する調整機構が別に必要となったり、マイラシート等の可撓性シート部材からなる戻り防止弁の設置が必要となり、組み立て性の低下およびコスト高を招いてしまうという欠点が生じていた。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、カールを帯びたシートに対しても装置のスループットを損なうことなく確実にシート反転を実現することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、画像形成部(6,7,8,9,10,11)から送り出されたシートを排紙ローラ(23)へ導く送紙路(18)と、前記送紙路から分岐して設けられた引込み路(19)と、前記引込み路から分岐して設けられ前記引込み路に引き込まれたシートを前記送紙路へ導く反転路(22)とを備えた画像形成装置において、前記引込み路と反転路との分岐点(E1)に対しシート引込み方向下流部に、前記引込み路と前記反転路との合流点(E2)を設け、該合流点において前記引込み路を前記反転路に対して40°未満の交差角度をなして合流され、さらに前記合流点に対しシート引込み方向下流部の引込み路上に屈曲部もしくは湾曲部(E3)を備えることに達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0008】
図3において、1は画像形成装置、2は用紙後処理装置であり、用紙後処理装置2は画像形成装置1の後段に接続されている。本実施例において、画像形成装置1としては、感光体を用い、周知の電子写真プロセスにより用紙上にトナー像を記録形成するレーザプリンタが例示されている。また、用紙後処理装置2としては、プリンタ1から排出された用紙にステープル処理を施すことが可能なフィニッシャが例示されている。
【0009】
プリンタ1において、3,4,5は用紙収容部であり、用紙を一枚ずつ堆積収容している。6は感光ドラムで、コントローラ(図示せず)からの信号に基づいて矢印の方向へ回転を始める。感光ドラム6が回転を開始すると、コロナ帯電器7によって感光ドラム6表面は均一に帯電される。帯電した感光ドラム6には露光装置8から出射されたレーザビームによって静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置9の位置に到達するとトナーによって現像され、感光ドラム6上にトナー像として可視化される。この様にして形成されたトナー像は転写器10により用紙収容部3,4,5または後述する戻し路20から送り出されてきた用紙に転写される。11は定着装置であり、本実施例において定着装置11は、互いに圧接させた熱ローラ11aと加圧ローラ11bとから構成されており、熱ローラ11aと加圧ローラ11bとの圧接部において用紙を挟持搬送するとともに、用紙に加熱加圧作用を付与し転写されたトナー像を用紙に定着させる。定着装置11から送り出された用紙は、搬送ローラ12によって搬送され、ゲート13の位置に応じてプリンタ1上部に設けられた排紙トレイ14か、あるいは搬送ローラ15側へ選択的に搬送される。
【0010】
搬送ローラ15側へ搬送された用紙は、ゲート16の位置に応じて排紙口17か、あるいは後述する引込み路19側へ選択的に搬送される。
【0011】
ここで、プリンタ1内に構成された用紙搬送路に関し、以下の説明においては、便宜上、次の様に定義しておくこととする。
【0012】
まず、用紙収容部3,4,5−画像形成手段6,7,8,9,10,11−搬送ローラ12−搬送ローラ15−排紙口17を連絡する用紙搬送路18を「送紙路」と呼ぶ。
【0013】
また、19は「引込み路」と呼ぶこととし、前記画像形成手段に対し用紙搬送方向下流側の送紙路18から分岐して設けられており、ゲート16の切り替え制御により搬送ローラ15から送り出されてきた用紙を選択的に引き込む。
【0014】
また、20は「戻し路」と呼ぶこととし、引込み路19の途中に設けられた分岐点21から分岐し、その終端を前記画像形成手段に対し用紙搬送方向上流側の送紙路18に合流させて設けられている。
また、22は「反転路」と呼ぶこととし、ゲート16および分岐点21間における引込み路19の途中から分岐し、その終端をゲート16に対し用紙搬送方向下流側の送紙路18に合流させて設けられている。
【0015】
なお、図3において、23は排紙ローラ、24は引込み路19上に設けられた搬送ローラ、25および26は引込み路19上に設けられた正転/逆転切り替え可能な搬送ローラである。
【0016】
上記構成により、用紙の印刷面を上に向けたままの状態で用紙をプリンタ1からフィニッシャ2へ排出させる場合(以下、「排出モード1」と称する。)は、定着装置11から送り出された用紙を送紙路18に沿ってそのまま排紙口17から排出し、フィニッシャ2側へ送り出す。
【0017】
また、用紙の印刷面を下に向けた状態で用紙をプリンタ1からフィニッシャ2へ排出させる場合(以下、「排出モード2」と称する。)は、定着装置11から送り出された用紙をゲート16の案内により引込み路19に引き込み、用紙後端が引込み路19内の適所に設けたセンサ位置(図示せず)に到達したタイミングで、搬送ローラ25および搬送ローラ26を引き込み時とは逆方向に回転させて、用紙を反転路22を経由させて排紙ローラ23側へ搬送し、排紙口17から排出してフィニッシャ2側へ送り出す。
【0018】
また、用紙の両面に印刷を行う場合は、定着装置11から送り出されてきた用紙を引込み路19へ引き込み、この引き込んだ用紙を戻し路20に送り出すことによって、片面印刷済の用紙を再び画像形成手段に送り込み、これによって両面印刷が実行される。
【0019】
なお、図3において、3a,4a,5aは用紙収容部3,4,5に収容された用紙を繰り出すピックローラ、3b,4b,5bは一般にフィードローラとリタードローラから構成されることで知られる給紙ローラ対である。給紙ローラ対3b,4b,5bは、ピックローラ3a,4a,5aによって繰り出された用紙が複数枚重なった状態で搬送されるのを防止しながら用紙を一枚ずつ送紙路18へ供給する機能を有する。27,28,29,30は送紙路18内の用紙を搬送する搬送ローラ、31は感光ドラム6上に形成されたトナー像を用紙へ転写させるタイミングに同期させて、用紙の搬送を行うレジストローラである。また、32,33,34,35は、戻し路20内の用紙を搬送する搬送ローラである。
【0020】
次にフィニッシャ2の構成を説明する。フィニッシャ2は、その搬入口36がプリンタ1の排紙口17と連絡するように接続される。フィニッシャ2内には、搬入口36と排紙トレイ37とを連絡する搬送パス38と、搬送パス38上に設けられた分岐点(ゲート39近傍)と排紙トレイ40とを連絡する搬送パス41と、搬送パス38および搬送パス41内の用紙を排紙トレイ37,40に向けて搬送する搬入ローラ42および搬送ローラ43,44,45,46,47が設けられている。なお、48は排紙トレイ37側に排出された用紙束に対しステープル処理を施すステープラを示す。
【0021】
上記構成により、フィニッシャ2は、プリンタ1の排紙口17から送り出されてきた用紙を搬入口36から導入し、ステープル処理が必要な場合は、用紙を排紙トレイ37側へ搬送し、作業用トレイ49上に用紙を積み重ねて行き、所定枚数の用紙が積載されたならば、ステープラ48によりステープル処理を行い、排出装置(図示せず)によりステープル処理された用紙束を排紙トレイ37上へ排出する。
【0022】
また、ステープル処理を必要としない場合は、ゲート39により用紙を搬送パス41側へ案内し、搬送ローラ45,46,47により排紙トレイ40上へ用紙を排出する。ここで、ゲート39は後述する用紙排出信号がローレベルからハイレベルに変化した時を契機とし、コマンド信号線によって送信された用紙後処理方法で指定された用紙排出先に用紙を搬送する方向へ動作する。
【0023】
なお、排紙トレイ37,40は、いずれも矢印方向へ昇降移動可能に設けられており、トレイ上の用紙積載量に応じてフィニッシャ2の各排出口に対し各トレイの上面が、予め設定された位置関係をなすように制御される。
【0024】
上記プリンタおよびフィニッシャからなるプリンタシステムにおいて、プリンタ1に設けられたピックローラ3a,4a,5a、給紙ローラ対3b,4b,5b、搬送ローラ27,28,29,30、レジストローラ31、感光ドラム6、定着装置11を構成する定着ローラ対11a,11b、搬送ローラ12,15,23,24,25,26および戻し路20内に設けられた搬送ローラ32,33,34,35の用紙搬送速度は約17.5インチ/秒(約444.5mm/秒)に設定されている。なお、搬送ローラ12,15は、一方向クラッチを内蔵しており、搬送ローラ対12,15の駆動軸の速度よりも大なる速度でローラ外周が回された場合には搬送ローラ12,15は駆動軸と切り離されて回転可能となるように構成されている。
【0025】
また、排紙ローラ23および搬送ローラ25,26の用紙搬送速度は、約17.5インチ/秒に設定された第1の用紙搬送速度と、約33インチ/秒(約838.2mm/秒)に設定された第2の用紙搬送速度とで切り替え可能に設定されている。さらに、排紙ローラ23の用紙搬送速度は、後述するフィニッシャ2の搬入ローラ42の用紙搬送速度である約22.83インチ/秒(約580mm/秒)に設定された第3の用紙搬送速度にも切り替え可能に設定されている。
【0026】
そして、プリンタ1から、用紙を上述の排出モード1にて排出する場合は、定着ローラ対11a,11b、搬送ローラ12,15および排紙ローラ23を感光ドラム6と同じ速度の約17.5インチ/秒の用紙搬送速度(以下、17.5インチ/秒の用紙搬送速度を「V1」とも記載する)で駆動させて用紙搬送を行い、排紙ローラ23の用紙搬送速度を所定のタイミングでV1から約22.83インチ/秒(約580mm/秒)の用紙搬送速度に切り替える(以下、22.83インチ/秒の用紙搬送速度を「V3」とも記載する)。用紙搬送速度V1からV3への切り替えは、例えば用紙先端がフィニッシャ2の搬入ローラ42に対して上流の所定の位置を通過したタイミングを契機に行われる。
【0027】
また、プリンタ1から、用紙を排出モード2にて排出する場合は、用紙後端が引込み路19内の所定位置に到達したタイミングを契機に、搬送ローラ25,26を引き込み時とは逆方向に回転させて、且つ、搬送ローラ25,26および排紙ローラ23の用紙搬送速度をV1から33インチ/秒の用紙搬送速度に切り替える(以下、33インチ/秒の用紙搬送速度を「V2」とも記載する)。ここで、排出モード1と排出モード2とで用紙搬送速度を切り替えている理由は、排出モード2の場合は、定着装置11を通過後の用紙を一旦、引込み路19に引き込んでから反転路22を経て、送紙路18へ戻す工程を必要とするためであり、装置のスループットを排出モード1と同等にするためである。
【0028】
用紙反転後、排紙ローラ23の用紙搬送速度を所定のタイミングでV2からV3に切り替える。用紙搬送速度V2からV3への切り替えは、例えば用紙後端が搬送ローラ25を通過した後であって用紙先端がフィニッシャ2の搬入ローラ42に対して上流の所定の位置を通過したタイミングを契機に行われる。
【0029】
これに対し、フィニッシャ2の搬入ローラ42、搬送ローラ43,44,45,46,47の用紙搬送速度は全て一定の値に設定されている(本実施例においては、約22.83インチ/秒(約580mm/秒)に設定している)。
【0030】
プリンタ1とフィニッシャ2はインタフェース信号線を介して通信可能に接続されている。インタフェース信号線は、プリンタ1から搬送されてくる用紙の種類や、フィニッシャ2での用紙の後処理方法等の情報(排紙トレイの選択、ステープル処理の要否、ステープルする位置等)をシリアル転送方式により送信するコマンド信号線と、プリンタ1からフィニッシャ2に用紙が排出される際に電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化することで用紙の排出を連絡するハード信号を扱う用紙排出信号線等からなる。
【0031】
印刷が開始するとプリンタ1より、上記印刷用紙の種類や後処理方法の情報をコマンド信号線によってフィニッシャ2に送信し、その用紙がフィニッシャ2に排出される時には用紙排出信号線がローレベルからハイレベルに変化する。フィニッシャ2は、用紙排出信号のハイレベルへの変化を契機に、用紙の印刷開始とともに送信された用紙後処理方法の情報で指定された用紙後処理を開始、実行する。
【0032】
次に、スイッチバック反転時の用紙受け渡しの様子を図2を用いて説明する。図2に示すローラは、プリンタ1の定着ローラ対11a,11bと、搬送ローラ対12,15,24と、反転ローラ対25と、排紙ローラ対23と、戻し路20内に設けられた搬送ローラ対32である。図2において、L1は搬送ローラ対24から反転ローラ対25に至る搬送経路の平均長さである。L2は反転ローラ対25から排紙ローラ対23に至る反転路22を通る搬送経路の平均長さである。L3は反転ローラ対25から搬送ローラ対32に至る搬送経路の平均長さである。
【0033】
また、同図においてMは搬送ローラ対24から所定位置P1に至る搬送経路の平均長さである。Nは搬送ローラ対24から所定位置P2までの搬送経路の長さである。
【0034】
なお、本実施例においては、L1が約140mm、L2が約170mm、L3が約150mm、Mが約27mm、Nが約100mmに設定されている。ここで、L1,L2,L3は用紙の搬送を確実に行うために画像形成装置で取り扱うシートの最小長さ以下に設定してある。
【0035】
まず、片面印刷済み用紙をフェースダウン排出する場合の用紙受け渡しの様子について、用紙間隔3.5インチ(約88.9mm)で連続して搬送されるレターサイズ用紙(長さ8.5インチ:約215.9mm)を用いて行う場合を例示して説明する。
【0036】
このプロセスにおいて、用紙の後端が所定位置P1に到達してから反転した用紙の後端が反転ローラ25を通過し、再度反転ローラ25が停止し、再逆転するまでに要する時間T1は、反転ローラ25が停止・逆転に要する時間をtmm秒、用紙長をLmmとすると、T1=(L+M−L1)/V2+2t=322.8mm秒となる。用紙後端がP1に到達した時間から後続用紙先端が反転ローラ25に到達するまでに要する時間T2は、用紙間隔をQとすると、T2=(L1−M+Q)/V1=454.2mm秒となる。この結果、T1<T2であるため、反転ローラ25に同時に2枚の用紙が存在することなく受け渡しが可能になる。
【0037】
次に、両面印刷を行う場合の用紙受け渡しの様子について、用紙間隔3.5インチ(約88.9mm)で連続して搬送されるレターサイズ用紙(長さ8.5インチ:約215.9mm)を用いて行う場合を例示して説明する。このプロセスにおいて、用紙後端が所定位置P2に到達してから反転した用紙の後端が反転ローラ25を通過し、再度反転ローラ25が停止し、再逆転するまでに要する時間T3は、T3=(L+N−L1)/V1+2t=595.7mm秒となる。用紙後端がP2に到達した時間から後続用紙先端が反転ローラ25に到達するまでに要する時間T4は、両面印刷済みの用紙は引込み路19に引き込まれずに、送紙路18から排紙口17に排出されるために、次に引込み路19に引き込まれてくる用紙との間隔は2Q+Lとなるために、T4=(L1−N+2Q+L)/V1=975.7mm秒となる。この結果、T3<T4であるため反転ローラ25に同時に2枚の用紙が存在することなく受け渡しが可能となる。
【0038】
次に、引込み路19の分岐点におけるシート端部の振り分けの様子を所定位置P1近傍を例に図1を用いて説明する。
【0039】
図1において、引込み路19はP1上流の用紙ガイド端E1で反転路22と分岐している。また、P1から下流に距離Sの点E2で反転路22と反対方向にP1上流の搬送面に対して40°未満の交差角度θで屈曲し、P1上流の搬送面から距離D移動した搬送面に点E3で連絡して形成している。
【0040】
交差角度を40°未満とすることで、突入角度が大きくなる方向にカールの生じた用紙であっても、E2点で折れが発生することなくE2点下流へのスムーズな搬送を達成している。ここで、Yは搬送ローラ対24により引込み路19に引き込まれた用紙である。Y1は用紙YがP1に到達する直前の状態である。Y2は用紙YがP1に到達した後、引込み路19下流に設けられた反転ローラ25(図2参照)により反転した直後の状態である。Rは用紙Yが熱定着により印刷した場合に生じたカールの半径を示す。図1ではシートの反りによる復元力を利用した構成で問題となる逆送搬送ジャムが生じ易いカールの方向で示している。
【0041】
上記のように構成した搬送経路では、用紙Yは引込み路19のE2,E3,E4点により積極的にカールと逆方向に姿勢が規制されているため、E2,E3,E4の経路では用紙にカール方向と反対方向のたわみ角が生じる。この結果、E2から上流の用紙端部は、E1点を離れた時にE2点に生じたたわみ角だけ反転路22側を指向する。経験的にはレーザビームプリンタ等の熱定着により生じるカールの半径はR30mm以上であるため、近似的にはE2,E3,E4を通る円弧に対してE2で接するR30mmの円弧がE1より反転路22側を通るように搬送路の位置関係を規制することで、進入路への逆送ジャムは解消できる。なお、当然ながら上記搬送路の位置関係は両面印刷のための分岐点であるP2近傍にも適用可能である。
【0042】
以上のようにスイッチバック反転のための搬送経路の長さおよび形状、ならびに反転ローラ25と排紙ローラ23および戻し路20の搬送ローラ対の用紙搬送速度を関係づけることにより、カールしたシートでも装置のスループットを損なうことなく確実にスイッチバックできる安定したシート搬送が可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、カールを帯びたシートに対しても装置のスループットを損なうことなく確実にシート反転を実現することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置のスイッチバック反転機構部の用紙受け渡しの様子を示す説明図。
【図2】本発明の画像形成装置における用紙受け渡しの様子を示す説明図。
【図3】本発明の画像形成装置を用いたシステムの全体構成図。
【符号の説明】
16…ゲート、18…送紙路、19…引込み路、22…反転路、23…排紙ローラ、24…搬送ローラ対。
Claims (1)
- 画像形成部(6,7,8,9,10,11)から送り出されたシートを排紙ローラ(23)へ導く送紙路(18)と、
前記送紙路から分岐して設けられた引込み路(19)と、
前記引込み路から分岐して設けられ前記引込み路に引き込まれたシートを前記送紙路へ導く反転路(22)とを備えた画像形成装置において、
前記引込み路と反転路との分岐点(E1)に対しシート引込み方向下流部に、前記引込み路と前記反転路との合流点(E2)を設け、該合流点において前記引込み路を前記反転路に対して40°未満の交差角度をなして合流され、さらに前記合流点に対しシート引込み方向下流部の引込み路上に屈曲部もしくは湾曲部(E3)を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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