JP3647663B2 - オゾン水製造装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水電解法を用いたオゾン水製造装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、殺菌、漂白等の目的で用いられるオゾンが溶解している水(以後、オゾン水と称す)を得る方法として、水中に高濃度気体オゾンを曝気させて、オゾンを溶解させるオゾン曝気法が一般に知られている。また、その他の方法として、水を電気分解する際に陽極側に発生するオゾンを、電気分解中の水に直接溶解させてオゾン水を得る水電解法がある。上記のオゾン曝気法は、大量のオゾン水を得るのに適しており、現在、オゾン水製造装置の主流となっているが、高濃度のオゾン水は得られず、しかも装置が大型で取り扱いが煩雑であるという欠点がある。一方、水電解法は、装置が小型で取り扱いも簡易であり、原料となる水が安価で入手しやすく、消費電力も小さいという利点を有する。
【0003】
図3は、特開平8−134677号公報で提示された従来の水電解法を用いたオゾン水製造装置を示す要部断面図である。図において、1は固体電解質膜、22は固体電解質膜1の一面に重ねられた陽極、3は固体電解質膜1の他面に重ねられた陰極、4は陽極22に重ねられたラス網、5は陰極3に重ねられたラス網、6は陽極22及びラス網4を覆う陽極ジャケットで、6aは陽極側水流入口、6bは陽極側水流出口、7は陰極3及びラス網5を覆う陰極ジャケットで、7aは陰極側水流入口、7bは陰極側水流出口である。なお、矢印は、水が流れる方向を示している。
固体電解質膜としては、例えば、アメリカ du Pont社より Nafion の商品名で製造販売されている水素イオン導電性のパーフルオロカーボンスルホン酸膜からなるポリマー電解質膜が用いられる。水素イオン導電性はこの膜に含水させることによって発現する。
従来のオゾン水製造装置の動作を説明する。固体電解質膜1の一面と他面とに重ねられた陽極22と陰極3の間に直流電圧を印加することにより、陽極側水流入口6aより流入した原料水が電気分解され、酸素と水素イオンとオゾンを発生し、発生したオゾンは水に溶解してオゾン水となり、酸素と共に陽極側流出口6bより流出する。一方、水素イオンは、固体電解質膜1を通過して陰極側に移動し、陰極上で電子と結合して水素となり、気泡となって陰極側水流出口7bより流出する。陰極側水流入口7aから供給される水は、陰極で生成する水素の気泡と共に系外に流出させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオゾン水製造装置においては、陽極22の材料としてAu(金)、Pt(白金)等の貴金属触媒を用いることは公知であり、前述の特開平8−134677号公報では、陽極22として、Ptの線を編んで構成した金網を使用している。しかしながら、オゾン発生触媒機能を有する貴金属を陽極22として用いたオゾン水製造装置は高価になるという問題があり、特に、工業的に大量のオゾン水を製造する際にはその影響が大きい。さらに、陽極22として使用する貴金属製の金網を工業的に均質に製作するためには、ある程度の大きさのものを製作せざるを得ず、小型のオゾン水製造装置を少量製作する際にも、使用量以上の金網を製作する必要があり、これも低コスト化を妨げる一因となっていた。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、水電解法を用いたオゾン水製造装置において、陽極に貴金属を使用しない安価なオゾン水製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるオゾン水製造装置は、一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜と、陽極と陰極の間に直流電圧を印加する電源装置と、一端に陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器と、一端に陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたものである。
また、導電性樹脂として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いたものである。
また、チタン酸化物は、少なくともTi4O7もしくはTi5O9を含むものである。
【0007】
また、一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜と、陽極と陰極の間に直流電圧を印加する電源装置と、一端に陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器と、一端に陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するルテニウム酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたものである。
また、導電性樹脂として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いたものである。
また、ルテニウム酸化物は、少なくともRuO2を含むものである。
【0008】
また、一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜と、陽極と陰極の間に直流電圧を印加する電源装置と、一端に陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器と、一端に陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有する鉄酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたものである。
また、導電性樹脂として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いたものである。
また、鉄酸化物として、フェライトを用いたものである。
【0009】
また、一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜と、陽極と陰極の間に直流電圧を印加する電源装置と、一端に陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器と、一端に陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物の中から2種類以上を含み多数の細孔を有する混合層を用いたものである。
また、導電性樹脂として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いたものである。
【0010】
また、本発明に係わるオゾン水製造装置の製造方法は、水素イオン導電性ポリマー電解質膜の一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられ、陽極と陰極の間に直流電圧を印加して、陽極側に供給された水を電気分解しオゾン水を得るオゾン水製造装置の製造方法であって、オゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物のうち少なくとも1種類に粉末を、パーフルオロカーボンスルホン酸の有機溶媒溶液もしくは有機溶媒と水との混合溶媒溶液中に分散させる工程と、粉末が分散したパーフルオロカーボンスルホン酸の有機溶媒溶液もしくは有機溶媒溶液と水との混合溶媒溶液を水素イオン導電性ポリマー電解質膜の片面に塗布後、乾燥させ、多数の細孔を有する陽極の一部または全部を形成する工程を含んで製造するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1であるオゾン水製造装置の電解槽を示す断面図である。図において、1は水素イオン導電性ポリマー電解質膜であり、一方の膜面に陽極2、他方の膜面に陰極3が設けられている。4、5はそれぞれ陽極2、陰極3に重ねて設けられたラス網、6は陽極側外容器である陽極ジャケットで、一端に陽極2側への水流入口である陽極側水流入口6a、他端にオゾン水流出口である陽極側水流出口6bを有する。また、7は陰極側外容器である陰極ジャケットで、一端に陰極3側への水流入口である陰極側水流入口7a、他端に水素含有水の流出口である陰極側水流出口7bを有する。なお、陽極2と陰極3の間には、電源装置(図示せず)の出力端が接続され、直流電圧が印加されるように構成されている。また、図中、矢印は、水が流れる方向を示している。
本実施の形態では、陽極2の一部または全部に、オゾン発生触媒機能を有し、貴金属よりも安価なチタン酸化物を用いたものである。また、チタン酸化物は、特に限定するものではないが、TiO2-X なる組成で表されるように非化学量論組成のもの、例えばTi4 O7 あるいはTi5 O9 で表されるもの、あるいはこれらの混合物が望ましい。
また、本発明に用いられる水素イオン導電性ポリマー電解質膜としては、フッ素系のカチオン交換膜、特にパーフルオロカーボンを骨格とするカチオン交換膜が好ましく、この中でも末端基としてスルホン酸基またはカルボン酸基またはスルホン酸基とカルボン酸基の両方を備えたものが好ましく、さらに、耐酸性特性に重点をおく場合にはスルホン酸基を備えたものが好ましい。
【0012】
本実施の形態によるオゾン水製造装置の動作を説明する。水素イオン導電性ポリマー電解質膜1の一方と他方の膜面に設けられた陽極2と陰極3の間に直流電圧を印加することにより、陽極側水流入口6aより流入した原料水が電気分解され、酸素と水素イオンとオゾンを発生し、発生したオゾンは水に溶解してオゾン水となり、酸素と共に陽極側流出口6bより流出する。一方、水素イオンは、水素イオン導電性ポリマー電解質膜1を通過して陰極側に移動し、陰極上で電子と結合して水素となり、気泡となって陰極側水流出口7bより流出する。陰極側水流入口7aから供給される水は、陰極で生成する水素の気泡と共に系外に流出させる。
【0013】
なお、本実施の形態による陽極2及び陰極3は、水素イオン導電性ポリマー電解質膜1を隙間なく覆っているのではなく、多数の細孔を有している。これは、電極から発生するガスをこの細孔を通して電極背面(ポリマー電解質膜と接している面の反対側)に速やかに離脱させるためである。従来例では、陽極22として貴金属の金網を用いていたが、必ずしも金網である必要はない。多数の細孔を有する陽極2及び陰極3は、それぞれ水素イオン導電性ポリマー電解質膜1に対して接触部と非接触部を有しており、陽極側水流入口6a及び陰極側水流入口7aより流入した水は、それぞれ陽極2または陰極3に接触すると共に、細孔によって水素イオン導電性ポリマー電解質膜1にも直接接触するように構成されている。
【0014】
次に、本実施の形態におけるオゾン水製造装置の製造方法として、多数の細孔を有する陽極2の形成方法を図2を用いて説明する。まず、陽極2の材料であるオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、例えばTi4 O7 の粉末を、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の有機溶媒溶液もしくは有機溶媒と水の混合溶媒溶液(例えば Aldrich Chemical 社から市販されている Nafion solution)に均一に分散させる。次に、上記の粉末が分散したパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液を、水素イオン導電性ポリマー電解質膜1の片面に積層させながら塗布する(図2(a) )。図において、8は、チタン酸化物の粉末が分散されたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液の塗布層を示している。その後、これを乾燥させると、溶媒成分が蒸発し、多数の細孔10を有する陽極2が形成される(図2(b) )。図において、9はパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂とチタン酸化物よりなる混合層、10は溶媒成分が蒸発した後に形成される細孔である。本実施の形態によれば、多数の細孔10を有する陽極2を、サイズの大小を問わず、容易且つ均質に製造することが可能である。なお、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液にチタン酸化物を混合分散させる際、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンの水懸濁液などを混合することも有効である。
【0015】
以上のように、本実施の形態によれば、陽極2の一部または全部に、オゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物を用いることにより、チタン酸化物が十分な触媒機能を発揮し、高濃度で安定したオゾン水を製造することができ、オゾン発生触媒機能を有する陽極としてAu、Pt等の貴金属を用いていた従来装置に比べ、安価なオゾン水製造装置を得ることが可能である。
【0016】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2であるオゾン水製造装置は、陽極の一部または全部に、白金よりも酸素過電圧が高く、したがって白金よりもオゾン発生触媒機能が高いルテニウム酸化物を用いたものである。オゾン発生触媒機能が高いことからルテニウム酸化物の必要量は白金よりも少なくなり、従来に比べ安価に陽極が得られる。また、ルテニウム酸化物は、特に限定するものではないが、少なくともRuO2 を含むものが望ましい。なお、本実施の形態によるオゾン水製造装置の構成及び動作は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態における陽極の形成方法は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液中に均一に分散させる陽極2材料として、ルテニウム酸化物の粉末を用いること以外は、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態においても、ルテニウム酸化物が十分な触媒機能を発揮し、高濃度で安定したオゾン水を製造することができ、且つ従来装置よりも安価なオゾン水製造装置が得られる。
【0017】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3であるオゾン水製造装置は、陽極の一部または全部に、オゾン発生触媒機能を有し、貴金属やチタン酸化物よりも安価な鉄酸化物、例えばフェライトを用いたものである。なお、本実施の形態によるオゾン水製造装置の構成及び動作は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態における陽極の形成方法は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液中に均一に分散させる陽極2材料として、鉄酸化物の粉末を用いること以外は、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態においても、鉄酸化物が十分な触媒機能を発揮し、高濃度で安定したオゾン水を製造することができ、且つ従来装置よりもさらに安価なオゾン水製造装置が得られる。
【0018】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4であるオゾン水製造装置は、陽極の一部または全部に、オゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物の中から2種類以上を組み合わせてなる混合物を用いたものである。なお、本実施の形態によるオゾン水製造装置の構成及び動作は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態における陽極の形成方法は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液中に均一に分散させる陽極2材料として、チタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物の中から2種類以上の粉末を組み合わせて用いること以外は、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態においても、チタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物の中から2種類以上を組み合わせてなる混合物が十分な触媒機能を発揮し、高濃度で安定したオゾン水を製造することができ、且つ従来装置よりも安価なオゾン水製造装置が得られる。
【0019】
【実施例】
実施例1.
以下に、本発明によるオゾン水製造装置の具体的実施例について図1を流用して説明する。なお、本実施例におけるオゾン水製造装置の構成及び動作は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
まず、水素イオン導電性ポリマー電解質膜1として、厚さ2mm、6cm×6cmのパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜を用いた。この水素イオン導電性ポリマー電解質膜1の一方の膜面に、上記実施の形態1に示した製法で、Ti4 O7 の粉末を均一に分散させたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液を塗布後、乾燥させ、4.5cm×4.5cmの陽極2を形成した。水素イオン導電性ポリマー電解質膜1の他方の膜面には、白金メッキを施した4.5cm×4.5cmのラス網を陰極3として設けた。直接に水素イオン導電性ポリマー電解質膜1と接触しないラス網4、5としては、チタン製のものを用いたが、陰極側のラス網5はステンレス製等でも良い。
【0020】
同様に、陽極2としてRuO2 及びフェライトを用いた電解槽をそれぞれ作成し、流体機器や電源、コントローラ等と組み合わせ、運転を行った。電気分解の原料水としては、軟水装置を通した水道水を用いた。
本実施例において作成された3種類のオゾン水製造装置を運転して得られたオゾン水濃度の一例を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
以上のように、本実施例において作成されたTi4 O7 、RuO2 及びフェライトのいずれの陽極2を用いたオゾン水製造装置においても、十分に実用可能な濃度のオゾン水が安定して得られた。さらに、これらの電極材料を2種類以上組み合わせてなる混合物を陽極2として用いた場合にも、同様の効果が期待できる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、水素イオン導電性ポリマー電解質膜の一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられ、陽極と陰極の間に直流電圧を印加して、陽極側に供給された水を電気分解しオゾン水を得るオゾン水製造装置において、陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物のいずれかまたは2種類以上を含み、多数の細孔を有する混合層を用いることにより、高濃度で安定したオゾン水が得られ、且つ陽極として貴金属を用いていた従来装置よりも安価なオゾン水製造装置を得ることが可能である。
【0024】
さらに、本発明によるオゾン水製造装置の製造方法によれば、オゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物のうち少なくとも1種類の粉末を分散させたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液を、水素イオン導電性ポリマー電解質膜の片面に塗布後、乾燥させることにより、陽極の一部または全部を形成するようにしたので、溶媒成分が蒸発した後に形成される多数の細孔を有する陽極を、サイズの大小を問わず、容易且つ均質に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1であるオゾン水製造装置の電解槽を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1であるオゾン水製造装置の陽極の製造方法を示す図である。
【図3】 従来のオゾン水製造装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 水素イオン導電性ポリマー電解質膜、2、22 陽極、3 陰極、
4、5 ラス網、6 陽極ジャケット、6a 陽極側水流入口、
6b 陽極側水流出口、7 陰極ジャケット、7a 陰極側水流入口、
7b 陰極側水流出口、
8 チタン酸化物の粉末が分散されたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液の塗布層、
9 パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂とチタン酸化物よりなる混合層、
10 細孔。
Claims (12)
- 一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜、
上記陽極と上記陰極の間に直流電圧を印加する電源装置、
一端に上記陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器、
一端に上記陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、
上記陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたことを特徴とするオゾン水製造装置。 - 上記導電性樹脂は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であることを特徴とする請求項 1 記載のオゾン水製造装置。
- 上記チタン酸化物は、少なくともTi4O7もしくはTi5O9を含むことを特徴とする請求項1記載のオゾン水製造装置。
- 一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜、
上記陽極と上記陰極の間に直流電圧を印加する電源装置、
一端に上記陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器、
一端に上記陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、
上記陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するルテニウム酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたことを特徴とするオゾン水製造装置。 - 上記導電性樹脂は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であることを特徴とする請求項4記載のオゾン水製造装置。
- 上記ルテニウム酸化物は、少なくともRuO2を含むことを特徴とする請求項4記載のオゾン水製造装置。
- 一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜、
上記陽極と上記陰極の間に直流電圧を印加する電源装置、
一端に上記陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器、
一端に上記陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、
上記陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有する鉄酸化物とを含み多数の細孔を有する混合層を用いたことを特徴とするオゾン水製造装置。 - 上記導電性樹脂は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であることを特徴とする請求項7記載のオゾン水製造装置。
- 上記酸化物は、フェライトであることを特徴とする請求項7記載のオゾン水製造装置。
- 一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられた水素イオン導電性ポリマー電解質膜、
上記陽極と上記陰極の間に直流電圧を印加する電源装置、
一端に上記陽極側への水流入口、他端にオゾン水流出口を有する陽極側外容器、
一端に上記陰極側への水流入口、他端に水素含有水流出口を有する陰極側外容器を備え、
上記陽極の一部または全部として、導電性樹脂とオゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物の中から2種類以上を含み多数の細孔を有する混合層を用いたことを特徴とするオゾン水製造装置。 - 上記導電性樹脂は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であることを特徴とする請求項10記載のオゾン水製造装置。
- 水素イオン導電性ポリマー電解質膜の一方の膜面に陽極、他方の膜面に陰極が設けられ、上記陽極と上記陰極の間に直流電圧を印加して、上記陽極側に供給された水を電気分解しオゾン水を得るオゾン水製造装置の製造方法であって、
オゾン発生触媒機能を有するチタン酸化物、ルテニウム酸化物及び鉄酸化物のうち少なくとも1種類の粉末を、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液中に分散させる工程、
上記粉末が分散したパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液を上記水素イオン導電性ポリマー電解質膜の片面に塗布後、乾燥させ、多数の細孔を有する上記陽極の一部または全部を形成する工程を備えたことを特徴とするオゾン水製造装置の製造方法。
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