JP3646954B2 - 建造物の耐火被覆構造及び工法 - Google Patents

建造物の耐火被覆構造及び工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、非耐火外壁と、この非耐火外壁の近くに配設した梁或いは柱などの構造部材に対して耐火被覆を施す建造物の耐火被覆構造及び工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築基準法では、耐火構造建築物の各構成部材に対して耐火性能を設定しており、例えば、柱や梁には1〜3時間の耐火性能を要求し、カーテンウォール(非耐火外壁)によって外壁を施工する場合には、30分〜1時間の耐火性能をカーテンウォールに要求している。
【0003】
図5に示すものは、カーテンウォールにより構成した外壁と、この外壁の近くに配設した梁材の耐火構造を示すものである。図中符号2で示すH型鋼からなる梁材は、その外周にロックウールを吹き付けて所定厚さの耐火被覆層4を設けている場合が多い。また、梁材2の室外側には、梁材2上の床版6に固定金具8を介して固定した外壁用耐火ボード10を配設しており、この外壁用耐火ボード10の外側にカーテンウォール12を建て込んでいる。これにより、梁材2の火災時の耐火性を耐火被覆層4が所定時間確保し、カーテンウォール12の火災時の耐久性を外壁用耐火ボード10が所定時間確保している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5で示した従来の耐火被覆構造は、外壁用耐火ボード10とそれに対向する梁材2との間の距離(図5の符号Aで示す領域の距離)が狭いので、梁材2にロックウールを吹き付ける場合には十分なスペースを確保することができず、吹付け作業の遅延に繋がるおそれがある。
【0005】
また、この構造では、梁材2の略全周にロックウールを吹き付ける際に、カーテンウォール12にロックウールが飛散する場合があるので、飛散防止シートが必要となる。そのため、作業の前段階に多くの時間と手間が費やされてしまう。
【0006】
また、図示しないが、カーテンウォールにより構成した外壁と、この外壁の近くに配設した柱との耐火構造も、柱材と外壁耐火ボードとの間にロックウールを吹き付ける十分なスペースを確保することができないので、吹付け作業の遅延に繋がるおそれがあり、また、飛散防止シートが必要となるので、耐火被覆作業の前段階に多くの時間と手間を費やしてしまう。
【0007】
そこで、この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐火性能を十分に確保して耐火被覆材を配設するとともに、飛散防止シート等の配設作業の軽減化を図ることが可能な建造物の耐火被覆構造及び工法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の発明は、非耐火外壁と、この非耐火外壁の近くに配設した梁或いは柱などの構造部材に対する耐火被覆構造であって、前記構造部材の室外側を向く面を覆う第1耐火板材と、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第1耐火板材に積層した第2耐火板材と、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を覆う耐火被覆層とを備えた構造である。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、非耐火外壁と、この非耐火外壁の近くに配設した梁或いは柱などの構造部材に対する耐火被覆工法であって、前記構造部材より室外側の位置に非耐火外壁を建て込んでいく工程と、前記構造部材の室外側を向く面を第1耐火板材で覆う工程と、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を第2耐火板材で覆う工程と、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周に耐火被覆層を配設する工程とを備えた工法である。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の建造物の耐火被覆工法において、前記構造部材より室外側の位置に非耐火外壁を建て込む工程を行い、次いで、前記構造部材の室外側を向く面を第1耐火板材で覆い、前記第2耐火板材を、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第1耐火板材に積層する工程を行い、次いで、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を耐火被覆層で覆う工程を行うことを特徴とする工法である。
【0011】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項2記載の構造物の耐火被覆工法において、前記非耐火外壁を建て込む前に、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第2耐火板材を一体に配設し、或いは前記非耐火外壁に前記第1耐火板材及び前記第2耐火板材の両方を一体に配設する工程を行い、次いで、前記非耐火外壁を前記構造部材より室外側の位置に建て込んでいき、この建て込みの際に、前記非耐火外壁に前記第2耐火板材のみが一体に配設されている場合には前記第1耐火板材により前記構造部材の室内側を覆う工程を行い、次いで、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を前記耐火被覆層で覆う工程を行う工法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、図5に示した構成と同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0013】
図1は、カーテンウォール(非耐火外壁)12により構成した外壁と、カーテンウォール12の近くに配設した梁材(構造部材)2との耐火被覆構造を示す第1の実施形態である。
【0014】
この実施形態は、床版6の室外側Soと、梁材2の下側フランジ2aの室外側So側とに固定金具14a、14bを介して梁材用耐火ボード(第1耐火板材)16が固定されており、この梁材用耐火ボード16によって梁材2の室外側Soを向く外周を覆っている。そして、この梁材用耐火ボード16に外壁用耐火ボード(第2耐火板材)10が層状に固定され、この外壁用耐火ボード10の室外側Soにカーテンウォール12が建て込まれている。ここで、前記外壁用耐火ボード10は、カーテンウォール12の窓以外の内側面を覆っている。
【0015】
また、梁材用耐火ボード16に覆われてない梁材2の室内側Si側の外周には、ロックウールを所定厚さに吹きつけた耐火被覆層18が設けられている。
なお、前記梁材用耐火ボード16及び外壁用耐火ボード10としては、石綿セメントパーライト板、セラミック系けい酸カルシウム板、スレートボード、パルプセメント板、木毛セメント板、木片セメント板、石こうボード、ロックウールボードや各種サイディングボードが使用されている。
【0016】
上記構造によると、梁材2の室外側Soを梁材用耐火ボード16及び外壁用耐火ボード10が覆い、梁材2の室内側Siを耐火被覆層18が覆っているので、梁材2の火災時の耐火性を所定時間確保することができ、カーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10が覆っているので、カーテンウォール12の火災時の耐火性を所定時間確保することができる。したがって、耐火性能を十分に確保した耐火被覆構造を提供することができる。
【0017】
次に、図1に示した耐火被覆構造の施工手順として、2種類の施工手順(第1の施工手順、第2の施工手順)が考えられる。なお、第1の施工手順が、本発明の請求項3に記載した工法に相当し、第2の施工手順が、本発明の請求項4に記載した工法に相当している。
【0018】
先ず、第1の施工手順は、梁材2の耐火被覆作業(ロックウールの吹付け作業)より先に、梁材2の室外側Soにカーテンウォール12を建て込む。次いで、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を覆うように外壁用耐火ボード10を配設する。次いで、外壁用耐火ボード10に重ね合わせるように、床版6及び梁材2の下側フランジ2aに配設した固定金具14a、14bに梁材用耐火ボード16を固定して梁材2の室外側Soを覆う。そして、最後に、梁材2の室内側Siの外周にロックウールを所定厚さに吹きつけて耐火被覆層18を設ける。
【0019】
この第1の施工手順によって耐火被覆構造を施工すると、外壁用耐火ボード10に対向する梁材2の外周は梁材用耐火ボード16により覆われており、図5で示した従来構造のような狭いスペースでのロックウールの吹きつけ作業を行う箇所がなくなる。また、梁材2の室内側Siのみにロックウールを吹付けるのでカーテンウォール12に飛散するロックウールが少なく、飛散防止シートが軽微となる。したがって、省力化及び時間短縮を図りながら耐火被覆作業を行うことができる。
【0020】
また、梁材2の耐火被覆作業に先行して梁材2の室外側Soにカーテンウォール12を建て込んでいるので、落下防止用の安全柵等を梁材2の室外側Soに設ける必要がなく、作業安全性を確保して耐火被覆作業を行うことができる。
【0021】
また、第2の施工手順は、カーテンウォール12を建て込む前に、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10で覆う。次いで、この外壁用耐火ボード10の内側面に梁材用耐火ボード16を積層する。次いで、外壁用耐火ボード10及び梁材用耐火ボード16を積層状態に固定したカーテンウォール12を、梁材2の室外側Soに建て込む。この際、カーテンウォール12に固定されている梁材用耐火ボード16により梁材2の室外側Soを覆い、床版6及び梁材2の下側フランジ2aに配設した固定金具14a、14bで梁材用耐火ボード16を固定する。そして、最後に、梁材2の室内側Siの外周にロックウールを所定厚さに吹きつけて耐火被覆層18を設ける。
【0022】
この第2の施工手順によって耐火被覆構造を施工すると、カーテンウォール12の建て込みと同時に、外壁用耐火ボード10及び梁材用耐火ボード16の配設作業が完了するので、さらに省力化及び時間短縮を図りながら耐火被覆作業を行うことができる。
【0023】
また、梁材2の室内側Siの耐火被覆作業に先行して室外側Soにカーテンウォール12を建て込んでいるので、落下防止用の安全柵等が不要となり、作業安全性を確保して耐火被覆作業を行うことができる。
【0024】
なお、この第2の施工手順において、カーテンウォール12を建て込む前に、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10で覆い、次いで、カーテンウォール12を建て込んだ後に、梁材用耐火ボード16を配設して梁材2の室外側Soを覆う工程を行うと、軽量なカーテンウォール12を建て込むことができるので、施工性が向上する。
【0025】
次に、図2は、カーテンウォール12により構成した外壁と、この外壁の近くに配設した柱材(構造部材)20の耐火被覆構造を示す第2の実施形態である。この柱材20は四角型鋼管により構成されている。
【0026】
この実施形態は、柱材20の室外側Soに固定金具22a、22bを介して柱材用耐火ボード(第1耐火板材)24が固定されており、この柱材用耐火ボード24によって柱材20の室外側Soを向く外周を覆っている。そして、この柱材用耐火ボード24に外壁用耐火ボード(第2耐火板材)10が層状に固定され、この外壁用耐火ボード10の室外側Soにカーテンウォール12が建て込まれている。ここで、前記外壁用耐火ボード10は、カーテンウォール12の窓以外の内側面を覆っている。
【0027】
また、柱材用体ボード24に覆われてない柱材20の室内側Si側の外周には、ロックウールを所定厚さに吹きつけた耐火被覆層26が設けられている。
上記構造によると、柱材20の室外側Soを柱材用耐火ボード24及び外壁用耐火ボード10が覆い、柱材20の室内側Siを耐火被覆層26が覆っているので、柱材2の火災時の耐火性を所定時間確保することができ、カーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10が覆っているので、カーテンウォール12の火災時の耐火性を所定時間確保することができる。したがって、耐火性能を十分に確保した耐火被覆構造を提供することができる。
【0028】
次に、図2に示した耐火被覆構造の施工手順も、図1で示した耐火被覆構造と同様に、2種類の施工手順(第1の施工手順、第2の施工手順)が考えられる。
すなわち、第1の施工手順は、柱材20の耐火被覆作業(ロックウールの吹付け作業)より先に、柱材20の室外側Soにカーテンウォール12を建て込む。次いで、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を覆うように外壁用耐火ボード10を配設する。次いで、外壁用耐火ボード10に重ね合わせるように、柱材20の側面に配設した固定金具22a、22bに柱材用耐火ボード24を固定して柱材20の室外側Soを覆う。そして、最後に、柱材20の室内側Siの外周にロックウールを所定厚さに吹きつけて耐火被覆層26を設ける。 この第1の施工手順によって耐火被覆構造を施工すると、図1で示した第1の実施形態と同様に、狭いスペースでのロックウールの吹きつけ作業を行う箇所がなくなり、カーテンウォール12に飛散するロックウールも少なくなるので、省力化及び時間短縮を図りながら耐火被覆作業を行うことができる。
【0029】
また、第2の施工手順は、カーテンウォール12を建て込む前に、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10で覆う。次いで、この外壁用耐火ボード10の内側面に柱材用耐火ボード24を積層する。次いで、外壁用耐火ボード10及び柱材用耐火ボード24を積層状態に固定したカーテンウォール12を、柱材20の室外側Soに建て込む。この際、カーテンウォール12に固定されている柱材用耐火ボード24により柱材20の室外側Soを覆い、柱材20の側面に配設した固定金具22a、22bで柱材用耐火ボード24を固定する。そして、最後に、柱材20の室内側Siの外周にロックウールを所定厚さに吹きつけて耐火被覆層26を設ける。
【0030】
この第2の施工手順によって耐火被覆構造を施工すると、図1で示した第1の実施形態と同様に、カーテンウォール12の建て込みと同時に壁用耐火ボード10及び柱材用耐火ボード24の配設作業が完了するので、さらに省力化及び時間短縮を図りながら耐火被覆作業を行うことができるまた、柱材20の室内側Siの耐火被覆作業に先行して室外側Soにカーテンウォール12を建て込んでいるので、落下防止用の安全柵等が不要となり、作業安全性を確保して耐火被覆作業を行うことができる。
【0031】
なお、この第2の施工手順において、カーテンウォール12を建て込む前に、このカーテンウォール12の窓以外の内側面を外壁用耐火ボード10で覆い、次いで、カーテンウォール12を建て込んだ後に、柱材用耐火ボード24を配設して柱材20の室外側Soを覆う工程を行うと、軽量なカーテンウォール12を建て込むことができるので、施工性がさらに向上する。
【0032】
次に、図3及び図4は、図1及び図2で示した第1及び第2の実施形態の変形例である。
図3に示す第1の実施形態の変形例によると、梁材2の室外側Soを覆っている梁材用耐火ボード16とカーテンウォール12との間に、梁材用耐火ボード16より大きな形状としてカーテンウォール12に沿って上下方向に延びる外壁用耐火ボード(第2耐火ボード)28を固定している。
【0033】
この大きな外壁用耐火ボード28の上下方向の寸法L1 や厚さを、予想される火災時の加熱に耐えるように適宜設定すると、カーテンウォール12の火災時の耐火性がさらに向上する。さらに、梁材用耐火ボード16の厚さを前記外壁用耐火ボード28と同様に適宜設定すると、梁材2の耐火性が向上する。
【0034】
また、図4に示す第2の実施形態の変形例によると、柱材20の室外側Soを覆っている柱材用耐火ボード24とカーテンウォール12との間に、柱材用耐火ボード24より大きな形状としてカーテンウォール12に沿って水平方向に延びる外壁用耐火ボード(第2耐火ボード)30を固定している。
【0035】
この大きな外壁用耐火ボード30の水平方向の寸法L2 や厚さを、予想される火災時の加熱に耐えるように適宜設定すると、カーテンウォール12の火災時の耐火性がさらに向上する。さらに、柱材用耐火ボード24の厚さを外壁用耐火ボード30と同様に適宜設定すると、柱材2の耐火性が向上する。
【0036】
なお、図1から図4の各実施形態では、梁材2又は柱材20の室内側Siの外周を覆う耐火被覆層18、26を、ロックウールの吹き付けにより形成しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、例えば、ひる石等の吹付け工法、軽量耐火板の貼付工法、軽量モルタルやパーライトモルタルの塗り工法により耐火被覆層18、26を形成しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
また、図1及び図3の実施形態ではH型鋼を梁材2として説明し、図2及び図4の実施形態では四角型鋼管を柱材20として説明したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、他の鋼材、例えばI形鋼、丸形鋼管、角形鋼管を梁材、柱材としても、それら梁材、柱材の室外側So側に耐火ボードを配設している構造であれば、同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
また、各本実施形態では、カーテンウォール12と梁材2或いは柱材20との間に二枚の耐火ボードを配設しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、梁材2或いは柱材20を被覆する耐火ボードとカーテンウォール12を被覆する耐火ボードとを備えている構造であれば、3枚以上の耐火ボードであっても同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
また、外壁用耐火ボード10、28、30、梁材用耐火ボード16及び柱材用耐火ボード24の厚さは、耐火時間に応じて適宜設定される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の建造物の耐火被覆構造によると、構造部材の室外側を、第1耐火板材とこの第1耐火板材に積層した第2耐火板材が覆っており、構造部材の室内側を耐火被覆層が覆っているので、構造部材の火災時の耐火性を所定時間確保することができる。また、非耐火外壁の窓以外の内側面を第2耐火板材が覆っているので、非耐火外壁の火災時の耐火性を所定時間確保することができる。したがって、耐火性能を十分に確保した耐火被覆構造を提供することができる。
【0041】
また、請求項2記載の建造物の耐火被覆工法によると、構造部材の室外側を第1耐火板材により覆っているので、従来の耐火被覆工法のように狭い作業スペースで耐火材を配設する箇所がなくなる。このため、省力化及び時間短縮を図りながら耐火被覆作業を行うことができる。ここで、構造部材を覆う耐火被覆層を形成するためにロックウール等の耐火被覆材を吹付ける工法を行ったとしても、構造部材の室内側のみにロックウールを吹付けるので、非耐火外壁に飛散するロックウールが少ない。そのため、飛散防止シートを軽減して作業を行うことができる。
【0042】
また、請求項3記載の発明によると、請求項2記載の効果を得ることができるとともに、構造部材の耐火被覆作業に先行して構造部材の室外側に非耐火外壁を建て込んでいるので、落下防止用の安全柵等を構造部材の室外側に設けなくても、安全性を十分に確保して耐火被覆作業を行うことができる。
【0043】
さらに、請求項4記載の発明によると、請求項2記載の効果を得ることができるとともに、非耐火外壁を建て込む前に、非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら第2耐火板材のみを一体に配設しておくと、非耐火外壁を建て込む際の軽量化を図って施工性を向上させることができる。また、非耐火外壁を建て込む前に、この非耐火外壁に第1耐火板材及び第2耐火板材の両者を一体に配設しておくと、被覆作業及び施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非耐火外壁により構成した外壁と、この外壁の近くに配設した梁に対する耐火被覆構造を示す建造物の鉛直方向の要部断面図である。
【図2】本発明に係る非耐火外壁により構成した外壁と、この外壁の近くに配設した柱に対する耐火被覆構造を示す建造物の水平方向の要部断面図である。
【図3】図1で示した耐火被覆構造の変形例を示す建造物の鉛直方向の要部断面図である。
【図4】図2で示した耐火被覆構造の変形例を示す建造物の水平方向の要部断面図である。
【図5】非耐火外壁により構成した外壁と、この外壁の近くに配設した梁に対する従来の耐火被覆工法を示す建造物の鉛直方向の要部断面図である。
【符号の説明】
2 梁材(構造部材)
10 外壁用耐火ボード(第2耐火板材)
12 カーテンウォール(非耐火外壁)
16 梁材用耐火ボード(第1耐火板材)
18、20 耐火被覆層
20 柱材(構造部材)
24 柱材用耐火ボード(第1耐火板材)
28、30 外壁用耐火ボード(第2耐火板材)
So 室外側
Si 室内側

Claims (4)

  1. 非耐火外壁と、この非耐火外壁の近くに配設した梁或いは柱などの構造部材に対する耐火被覆構造であって、
    前記構造部材の室外側を向く面を覆う第1耐火板材と、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第1耐火板材に積層した第2耐火板材と、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を覆う耐火被覆層とを備えたことを特徴とする建造物の耐火被覆構造。
  2. 非耐火外壁と、この非耐火外壁の近くに配設した梁或いは柱などの構造部材に対する耐火被覆工法であって、
    前記構造部材より室外側の位置に非耐火外壁を建て込んでいく工程と、前記構造部材の室外側を向く面を第1耐火板材で覆う工程と、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を第2耐火板材で覆う工程と、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周に耐火被覆層を配設する工程とを備えたことを特徴とする建造物の耐火被覆工法。
  3. 前記構造部材より室外側の位置に非耐火外壁を建て込む工程を行い、次いで、前記構造部材の室外側を向く面を第1耐火板材で覆い、前記第2耐火板材を、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第1耐火板材に積層する工程を行い、次いで、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を耐火被覆層で覆う工程を行うことを特徴とする請求項2記載の建造物の耐火被覆工法。
  4. 前記非耐火外壁を建て込む前に、前記非耐火外壁の窓以外の内側面を覆いながら前記第2耐火板材を一体に配設し、或いは前記非耐火外壁に前記第1耐火板材及び前記第2耐火板材の両方を一体に配設する工程を行い、次いで、前記非耐火外壁を前記構造部材より室外側の位置に建て込んでいき、この建て込みの際に、前記非耐火外壁に前記第2耐火板材のみが一体に配設されている場合には前記第1耐火板材により前記構造部材の室内側を覆う工程を行い、次いで、前記第1耐火板材に覆われていない前記構造部材の室内側の外周を前記耐火被覆層で覆う工程を行うことを特徴とする請求項2記載の構造物の耐火被覆工法。
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