JP3646454B2 - 画像投影用スクリーン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像投影用スクリーンに適用されるスクリーンの構造に係わるものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】
画像投影用スクリーンの一種である透過型スクリーンは、一般にフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートを組み合わせたものであり、このようなレンズシートの周辺を固定したとしてもレンズシートのたるみが生じやすく、スクリーンに投影される画像の劣化が起こり、所望のスクリーン特性が得られない。
【0003】
従来、この問題を解決するためにレンチキュラーレンズシートの周辺部をくわえ具によってくわえ、くわえ具はコイルスプリング及びアジャスターを介してテンションをかけてフレームに固定する方法(特開昭60ー154940)や、スクリーンの上辺を固定すると同時に下辺に重錘を固着することによってテンションを与えスクリーンの平面性を維持する取付方法、スクリーンの周辺部を固定した状態で加熱処理を施し、しかる後、スクリーンの表面を急冷し、収縮させてスクリーンを密着させる方法(特開昭63ー212926)等が提案されている。
【0004】
又、剛性の不十分な薄い布又は合成樹脂フィルムからなるスクリーン基材に銀インキ、パールインキ等で反射層を設けた画像投影用スクリーンの一種である反射型スクリーンにおいても、スクリーン基材がたるむことを防止するために、上記と同様にスクリーンの周辺部をくわえ具によってくわえ、くわえ具はコイルスプリング及びアジャスターを介してテンションをかけてフレームに固定する方法や、スクリーン基材の上辺を固定すると同時に下辺に重錘を固着することによってテンションを与え、スクリーンの平面性を維持する取付方法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
透過型スクリーンにおいては、近年、ファインピッチ、薄型、大サイズのスクリーンが要求されてきており、それに伴って薄型のレンチキュラーレンズシートが提案されている。
【0006】
例えば、レンチキュラーレンズの反対形のレンズ面が形成されたロール金型に光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂を塗布し、一例としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のレンズの支持体となる透明基材フィルムを連続的に供給し、光硬化型樹脂に紫外線を照射した後、支持体フィルムに光硬化型樹脂の硬化物によるレンチキュラーレンズが一体となった厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズが開発された。
【0007】
このフィルム状のレンチキュラーレンズシートは光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂を使用することにより、ファインピッチで高精度のレンズ形状を有する薄型のフィルム状のレンズシートが連続的に量産できる。
しかしながら、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの組み合わせたスクリーンを透過型プロジェクタに取り付ける際、厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズシートの場合、剛性が不十分な為、しわ、撓み等が生じないように均一に張った状態で取り付けることが難しい。
【0008】
従来の技術によれば、重錘やコイルスプリング等によってスクリーンに張力を与えて、スクリーンの平面性を維持する取付け方法では、レンチキュラーレンズシートが大型に伴い重錘や、スプリング及びアジャスターの個数が増え、治具が大掛かりになってしまう。また、薄型に伴ってテンションの微調整が難しくなると同時に一旦取付けた後、レンズシートの伸縮によって張力が変化した場合の調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0009】
一方、スクリーンの周辺部を固定した状態で加熱処理を施し、しかる後、スクリーンの表面を急冷し、収縮させてスクリーンを密着させる方法が提案されているが、この方法は特許公報に記載されているように、平面性を保持する為にはスクリーンの厚さが2〜4mm程度の厚さで効果が発現されるが、本発明における剛性が不十分なフィルム状のスクリーンにおいては、この方法ではその効果が期待できない。
【0010】
反射型スクリーンの場合も、同様に重錘やコイルスプリング等によってスクリーン基材に張力を与えて、スクリーン基材の平面性を維持する取付け方法では、スクリーンが大型に伴い重錘や、スプリング及びアジャスターの個数が増え、治具が大掛かりになってしまう。また、薄型に伴ってテンションの微調整が難しくなると同時に一旦取付けた後、スクリーン基材の伸縮によって張力が変化した場合の調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0011】
本発明はこのような状況を鑑み、大サイズで、しかも、フィルム状の剛性のないレンチキュラーレンズ或いは反射型のスクリーン基材を具備する薄型スクリーンの平面性を保持する簡便で、安価な構造の画像投影用スクリーンを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてなる透過型スクリーンにおいて、
レンチキュラーレンズシートが、剛性の不十分な透明基材フィルム上に、光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部が形成されており、
前記レンチキュラーレンズシートの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成である画像投影用スクリーンである。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明は、レンチキュラーレンズシートの透明基材フィルムがポリエチレンテレフタート(PET)であり、熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが少なくとも一軸方向に延伸処理を施されたフィルムである請求項1に記載の画像投影用スクリーンである。
【0014】
本発明の請求項3記載の発明は、熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが、レンチキュラーレンズシートの側縁にホットメルト樹脂の熱融着により接合、固定した構成である請求項1又は請求項2に記載の画像投影用スクリーンである。
【0015】
本発明の請求項4記載の発明は、観察側最前面に透明合成樹脂からなる保護板を設けた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像投影用スクリーンである。
【0016】
本発明の請求項5記載の発明は、剛性の不十分なスクリーン基材からなる反射型スクリーンにおいて、
前記スクリーンの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成である画像投影用スクリーンである。
【0017】
【作用】
厚さ0.5mm以下のような剛性の不十分なフィルム状のレンチキュラーレンズシートを取り付ける取付部の上下側縁部と左右側縁部の4辺を熱収縮性の合成樹脂フィルムが加熱処理によって収縮することにより、フィルム状のレンチキュラーシートに縦横2方向に均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でレンチキュラーレンズシートが取り付けられる。
【0018】
しかも、従来の重錘やコイルスプリング等によってレンチキュラーレンズシートに引っ張り応力を与えてスクリーンの平面性を維持する取付け方法では、環境の温湿度変化、特に温度変化によってレンチキュラーレンズシートの伸縮によって応力が変化した場合、取付け後の微調整を必要とし、調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0019】
それに対して、本発明の熱収縮性の合成樹脂フィルムを介してフィルム状のレンチキュラーレンズシートに均一な引っ張り応力が与える取付け方法では熱収縮性の合成樹脂フィルム部分を加熱処理を施せば良く、簡便で、安価な構造の透過型スクリーンを提供できる。
【0020】
【実施例】
以下に図面を参照して本発明による透過型スクリーンの実施例を説明する。
先ず、始めに本発明に適用されるフィルム状のレンチキュラーレンズシートは厚さが50〜500μのレンズを支持する透明基材フィルムであるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに約2000〜3000CPSの粘度を有する紫外線硬化性樹脂を一例としてドクターブレード法によって50〜100μ程度の厚さに均一に塗布し、レンチキュラーレンズの逆形状のレンズ面が形成されたロール成形型と加圧ロールからなる一対の成形ロールを通してレンチキュラー形状を形成すると同時に紫外線を照射して樹脂を硬化させた後、透明基材フルムと一体に成形し、金型から剥離し、フィルム状のレンチキューレンズシートを製造する。
【0021】
一方、剛性のあるフレネルレンズシートは従来の製造法によってアクリル樹脂、スチレンーアクリル共重合によるMS樹脂等の基材にフレネルレンズ形状と逆形状のレンズ面を有する金型を使用し、熱プレス成形によってレンズ面を転写したフレネルレンズシートが製造できる。
【0022】
図1に本発明による透過型スクリーンの構造の一実施例を示し、図2は図1のxーxの断面を示す。
透過型プロジェクションテレビに使用される透過型スクリーンは従来のアクリル樹脂基材を使用した剛性のあるフレネルレンズシート(1)と前述した製造法で製造したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを透明基材フィルムとした厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズシート(2)から構成する。
【0023】
フィルム状のレンチキュラーレンズシート(2)の取付部の上下側縁部と左右側縁部の4辺にホットメルト樹脂層を形成しておき、熱融着により熱収縮性の合成フィルムを接着させる。該熱収縮性の合成樹脂フィルム(3)の他側端を金属又はプラスチック製のスクリーン保持枠(4)にレンチキュラーレンズ押え部材(5)で固定する。そして、熱収縮性の合成樹脂フィルムを介してフィルム状のレンチキュラーレンズシートを固定されたスクリーン保持枠を乾熱トンネル中で、熱収縮性の合成樹脂フィルムの収縮率、収縮条件に応じて、通常、100℃以下の温度で加熱時間1分以下の条件で加熱処理し、熱収縮性の合成樹脂フィルム(3)を収縮せしめ、フィルム状のレンチキュラーレンズシートに均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でスクリーン保持枠に固定される。
【0024】
次に、剛性のあるフレネルレンズシート(1)の上下側縁部と左右側縁部の4辺を接着剤、粘着テープ等により金属又はプラスチック製のレンチキュラー押え部材(5)に密着固定したフレネルレンズシート(1)をレンチキュラーレンズシート(2)の上に重ね合わせ、フィルム状のレンチキュラーレンズシート側に押圧する様にフレネルレンズ押え部材(6)で固定する。
【0025】
図3は、請求項4記載の構成である透過型スクリーンを示す。
前述した構成のスクリーンの観察側前面に透明合成樹脂からなるアクリル樹脂等に耐擦傷性、反射防止、紫外線吸収、帯電防止、着色等のスクリーンとしての機能を付与した保護板(11)を保護板押え部材(12)を介してスクリーン保持枠(4)に固定すると同時にビス等で透過型プロジェクタのキャビネット(図示せず)に取り付ける。
【0026】
図4は、本発明の反射型クリーンの構成を示す。
無彩色の布又は不透明な塩ビ、PETのようなプラスチックシートをスクリーン基材(20)とし、スクリーン基材上にパールインキ、銀インキ等の反射性が高い反射層(21)を有するスクリーンシートの上下側縁部と左右側縁部の4辺に各々熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)を接着剤、感熱接着剤等で接合する。該熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)の他側端を金属又はプラスチック製のスクリーン保持枠(24)にスクリーン押え部材(23)で固定する。そして、熱収縮性の合成樹脂フィルムを介しスクリーン基材が固定されたスクリーン保持枠を加熱処理し、熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)を収縮せしめ、スクリーン基材に均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でスクリーン保持枠(24)に固定される。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム状のレンチキュラーレンズシート又は反射型スクリーンの側端部の4辺に熱収縮性の合成樹脂フィルムを接合、固定し、該熱収縮性の合成樹脂フィルムの他端をスクリーン保持枠に固定し、加熱処理によって収縮せしめた合成樹脂フィルムを介して縦横2方向に薄型、大面積であっても均一な引っ張り応力を与えることが出来、しわ、撓み等の生じない状態で固定された画像投影用スクリーンを得ることができる。
【0028】
観察側前面に耐擦傷性、反射防止、紫外線吸収、帯電防止、着色等のスクリーンとしての機能を付与した保護板を設けることでこれらの機能を有する画像投影用スクリーンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型スクリーンの取付け方法の一例を示す平面図である。
【図2】xーx線上より見た図1の断面図である。
【図3】図1の透過型スクリーンに保護板を取付けた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の反射型スクリーンの取付け方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フレネルレンズシート 2…レンチキュラーレンズシート
3…熱収縮性の合成樹脂フィルム 4…スクリーン保持枠
5…レンチキュラー押え部材 6…フレネルレンズ押え部材
7、8…ビス
11…透明合成樹脂からなる保護板 12…保護板押え部材
20…反射型スクリーン基材 21…反射層
22…熱収縮性の合成樹脂フィルム 23…スクリーン基材押え部材
24…スクリーン保持枠
【発明の属する技術分野】
本発明は画像投影用スクリーンに適用されるスクリーンの構造に係わるものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】
画像投影用スクリーンの一種である透過型スクリーンは、一般にフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートを組み合わせたものであり、このようなレンズシートの周辺を固定したとしてもレンズシートのたるみが生じやすく、スクリーンに投影される画像の劣化が起こり、所望のスクリーン特性が得られない。
【0003】
従来、この問題を解決するためにレンチキュラーレンズシートの周辺部をくわえ具によってくわえ、くわえ具はコイルスプリング及びアジャスターを介してテンションをかけてフレームに固定する方法(特開昭60ー154940)や、スクリーンの上辺を固定すると同時に下辺に重錘を固着することによってテンションを与えスクリーンの平面性を維持する取付方法、スクリーンの周辺部を固定した状態で加熱処理を施し、しかる後、スクリーンの表面を急冷し、収縮させてスクリーンを密着させる方法(特開昭63ー212926)等が提案されている。
【0004】
又、剛性の不十分な薄い布又は合成樹脂フィルムからなるスクリーン基材に銀インキ、パールインキ等で反射層を設けた画像投影用スクリーンの一種である反射型スクリーンにおいても、スクリーン基材がたるむことを防止するために、上記と同様にスクリーンの周辺部をくわえ具によってくわえ、くわえ具はコイルスプリング及びアジャスターを介してテンションをかけてフレームに固定する方法や、スクリーン基材の上辺を固定すると同時に下辺に重錘を固着することによってテンションを与え、スクリーンの平面性を維持する取付方法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
透過型スクリーンにおいては、近年、ファインピッチ、薄型、大サイズのスクリーンが要求されてきており、それに伴って薄型のレンチキュラーレンズシートが提案されている。
【0006】
例えば、レンチキュラーレンズの反対形のレンズ面が形成されたロール金型に光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂を塗布し、一例としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のレンズの支持体となる透明基材フィルムを連続的に供給し、光硬化型樹脂に紫外線を照射した後、支持体フィルムに光硬化型樹脂の硬化物によるレンチキュラーレンズが一体となった厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズが開発された。
【0007】
このフィルム状のレンチキュラーレンズシートは光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂を使用することにより、ファインピッチで高精度のレンズ形状を有する薄型のフィルム状のレンズシートが連続的に量産できる。
しかしながら、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの組み合わせたスクリーンを透過型プロジェクタに取り付ける際、厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズシートの場合、剛性が不十分な為、しわ、撓み等が生じないように均一に張った状態で取り付けることが難しい。
【0008】
従来の技術によれば、重錘やコイルスプリング等によってスクリーンに張力を与えて、スクリーンの平面性を維持する取付け方法では、レンチキュラーレンズシートが大型に伴い重錘や、スプリング及びアジャスターの個数が増え、治具が大掛かりになってしまう。また、薄型に伴ってテンションの微調整が難しくなると同時に一旦取付けた後、レンズシートの伸縮によって張力が変化した場合の調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0009】
一方、スクリーンの周辺部を固定した状態で加熱処理を施し、しかる後、スクリーンの表面を急冷し、収縮させてスクリーンを密着させる方法が提案されているが、この方法は特許公報に記載されているように、平面性を保持する為にはスクリーンの厚さが2〜4mm程度の厚さで効果が発現されるが、本発明における剛性が不十分なフィルム状のスクリーンにおいては、この方法ではその効果が期待できない。
【0010】
反射型スクリーンの場合も、同様に重錘やコイルスプリング等によってスクリーン基材に張力を与えて、スクリーン基材の平面性を維持する取付け方法では、スクリーンが大型に伴い重錘や、スプリング及びアジャスターの個数が増え、治具が大掛かりになってしまう。また、薄型に伴ってテンションの微調整が難しくなると同時に一旦取付けた後、スクリーン基材の伸縮によって張力が変化した場合の調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0011】
本発明はこのような状況を鑑み、大サイズで、しかも、フィルム状の剛性のないレンチキュラーレンズ或いは反射型のスクリーン基材を具備する薄型スクリーンの平面性を保持する簡便で、安価な構造の画像投影用スクリーンを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてなる透過型スクリーンにおいて、
レンチキュラーレンズシートが、剛性の不十分な透明基材フィルム上に、光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部が形成されており、
前記レンチキュラーレンズシートの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成である画像投影用スクリーンである。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明は、レンチキュラーレンズシートの透明基材フィルムがポリエチレンテレフタート(PET)であり、熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが少なくとも一軸方向に延伸処理を施されたフィルムである請求項1に記載の画像投影用スクリーンである。
【0014】
本発明の請求項3記載の発明は、熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが、レンチキュラーレンズシートの側縁にホットメルト樹脂の熱融着により接合、固定した構成である請求項1又は請求項2に記載の画像投影用スクリーンである。
【0015】
本発明の請求項4記載の発明は、観察側最前面に透明合成樹脂からなる保護板を設けた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像投影用スクリーンである。
【0016】
本発明の請求項5記載の発明は、剛性の不十分なスクリーン基材からなる反射型スクリーンにおいて、
前記スクリーンの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成である画像投影用スクリーンである。
【0017】
【作用】
厚さ0.5mm以下のような剛性の不十分なフィルム状のレンチキュラーレンズシートを取り付ける取付部の上下側縁部と左右側縁部の4辺を熱収縮性の合成樹脂フィルムが加熱処理によって収縮することにより、フィルム状のレンチキュラーシートに縦横2方向に均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でレンチキュラーレンズシートが取り付けられる。
【0018】
しかも、従来の重錘やコイルスプリング等によってレンチキュラーレンズシートに引っ張り応力を与えてスクリーンの平面性を維持する取付け方法では、環境の温湿度変化、特に温度変化によってレンチキュラーレンズシートの伸縮によって応力が変化した場合、取付け後の微調整を必要とし、調整、取扱いが難しく、作業性が悪く、煩雑になる。
【0019】
それに対して、本発明の熱収縮性の合成樹脂フィルムを介してフィルム状のレンチキュラーレンズシートに均一な引っ張り応力が与える取付け方法では熱収縮性の合成樹脂フィルム部分を加熱処理を施せば良く、簡便で、安価な構造の透過型スクリーンを提供できる。
【0020】
【実施例】
以下に図面を参照して本発明による透過型スクリーンの実施例を説明する。
先ず、始めに本発明に適用されるフィルム状のレンチキュラーレンズシートは厚さが50〜500μのレンズを支持する透明基材フィルムであるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに約2000〜3000CPSの粘度を有する紫外線硬化性樹脂を一例としてドクターブレード法によって50〜100μ程度の厚さに均一に塗布し、レンチキュラーレンズの逆形状のレンズ面が形成されたロール成形型と加圧ロールからなる一対の成形ロールを通してレンチキュラー形状を形成すると同時に紫外線を照射して樹脂を硬化させた後、透明基材フルムと一体に成形し、金型から剥離し、フィルム状のレンチキューレンズシートを製造する。
【0021】
一方、剛性のあるフレネルレンズシートは従来の製造法によってアクリル樹脂、スチレンーアクリル共重合によるMS樹脂等の基材にフレネルレンズ形状と逆形状のレンズ面を有する金型を使用し、熱プレス成形によってレンズ面を転写したフレネルレンズシートが製造できる。
【0022】
図1に本発明による透過型スクリーンの構造の一実施例を示し、図2は図1のxーxの断面を示す。
透過型プロジェクションテレビに使用される透過型スクリーンは従来のアクリル樹脂基材を使用した剛性のあるフレネルレンズシート(1)と前述した製造法で製造したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを透明基材フィルムとした厚さ0.5mm以下のフィルム状のレンチキュラーレンズシート(2)から構成する。
【0023】
フィルム状のレンチキュラーレンズシート(2)の取付部の上下側縁部と左右側縁部の4辺にホットメルト樹脂層を形成しておき、熱融着により熱収縮性の合成フィルムを接着させる。該熱収縮性の合成樹脂フィルム(3)の他側端を金属又はプラスチック製のスクリーン保持枠(4)にレンチキュラーレンズ押え部材(5)で固定する。そして、熱収縮性の合成樹脂フィルムを介してフィルム状のレンチキュラーレンズシートを固定されたスクリーン保持枠を乾熱トンネル中で、熱収縮性の合成樹脂フィルムの収縮率、収縮条件に応じて、通常、100℃以下の温度で加熱時間1分以下の条件で加熱処理し、熱収縮性の合成樹脂フィルム(3)を収縮せしめ、フィルム状のレンチキュラーレンズシートに均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でスクリーン保持枠に固定される。
【0024】
次に、剛性のあるフレネルレンズシート(1)の上下側縁部と左右側縁部の4辺を接着剤、粘着テープ等により金属又はプラスチック製のレンチキュラー押え部材(5)に密着固定したフレネルレンズシート(1)をレンチキュラーレンズシート(2)の上に重ね合わせ、フィルム状のレンチキュラーレンズシート側に押圧する様にフレネルレンズ押え部材(6)で固定する。
【0025】
図3は、請求項4記載の構成である透過型スクリーンを示す。
前述した構成のスクリーンの観察側前面に透明合成樹脂からなるアクリル樹脂等に耐擦傷性、反射防止、紫外線吸収、帯電防止、着色等のスクリーンとしての機能を付与した保護板(11)を保護板押え部材(12)を介してスクリーン保持枠(4)に固定すると同時にビス等で透過型プロジェクタのキャビネット(図示せず)に取り付ける。
【0026】
図4は、本発明の反射型クリーンの構成を示す。
無彩色の布又は不透明な塩ビ、PETのようなプラスチックシートをスクリーン基材(20)とし、スクリーン基材上にパールインキ、銀インキ等の反射性が高い反射層(21)を有するスクリーンシートの上下側縁部と左右側縁部の4辺に各々熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)を接着剤、感熱接着剤等で接合する。該熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)の他側端を金属又はプラスチック製のスクリーン保持枠(24)にスクリーン押え部材(23)で固定する。そして、熱収縮性の合成樹脂フィルムを介しスクリーン基材が固定されたスクリーン保持枠を加熱処理し、熱収縮性の合成樹脂フィルム(22)を収縮せしめ、スクリーン基材に均一な引っ張り応力が与えられ、しわ、撓み等のない平面性の良好な状態でスクリーン保持枠(24)に固定される。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム状のレンチキュラーレンズシート又は反射型スクリーンの側端部の4辺に熱収縮性の合成樹脂フィルムを接合、固定し、該熱収縮性の合成樹脂フィルムの他端をスクリーン保持枠に固定し、加熱処理によって収縮せしめた合成樹脂フィルムを介して縦横2方向に薄型、大面積であっても均一な引っ張り応力を与えることが出来、しわ、撓み等の生じない状態で固定された画像投影用スクリーンを得ることができる。
【0028】
観察側前面に耐擦傷性、反射防止、紫外線吸収、帯電防止、着色等のスクリーンとしての機能を付与した保護板を設けることでこれらの機能を有する画像投影用スクリーンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型スクリーンの取付け方法の一例を示す平面図である。
【図2】xーx線上より見た図1の断面図である。
【図3】図1の透過型スクリーンに保護板を取付けた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の反射型スクリーンの取付け方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フレネルレンズシート 2…レンチキュラーレンズシート
3…熱収縮性の合成樹脂フィルム 4…スクリーン保持枠
5…レンチキュラー押え部材 6…フレネルレンズ押え部材
7、8…ビス
11…透明合成樹脂からなる保護板 12…保護板押え部材
20…反射型スクリーン基材 21…反射層
22…熱収縮性の合成樹脂フィルム 23…スクリーン基材押え部材
24…スクリーン保持枠
Claims (5)
- フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてなる透過型スクリーンにおいて、
レンチキュラーレンズシートが、剛性の不十分な透明基材フィルム上に、光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部が形成されており、
前記レンチキュラーレンズシートの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成であることを特徴とする画像投影用スクリーン。 - レンチキュラーレンズシートの透明基材フィルムがポリエチレンテレフタート(PET)であり、熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが少なくとも一軸方向に延伸処理を施されたフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の画像投影用スクリーン。
- 熱収縮性を有する合成樹脂フィルムが、レンチキュラーレンズシートの側縁にホットメルト樹脂の熱融着により接合、固定した構成である請求項1又は請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
- 観察側最前面に透明合成樹脂からなる保護板を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像投影用スクリーン。
- 剛性の不十分なスクリーン基材からなる反射型スクリーンにおいて、
前記スクリーン基材の側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成であることを特徴とする画像投影用スクリーン。
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JP05155597A JP3646454B2 (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | 画像投影用スクリーン |
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JPH10246918A JPH10246918A (ja) | 1998-09-14 |
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JP05155597A Expired - Fee Related JP3646454B2 (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | 画像投影用スクリーン |
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1997
- 1997-03-06 JP JP05155597A patent/JP3646454B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH10246918A (ja) | 1998-09-14 |
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