JP3646283B2 - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム支持体上に感光層を有する感光性平版印刷版の該アルミニウム支持体の該感光層を設ける面を砂目に加工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性平版印刷版は親水性の支持体上に感光層を設けたもので、該感光層を画像様に露光した後、現像処理により感光層を画像様に除去し、除去されないインク受容性の感光層を画像部とし、感光層が除去されて該支持体が露出した部分を非画像部とする平版印刷版が得られる。このような平版印刷版用支持体としては通常親水性の高いアルミニウム板が用いられ、さらなる親水性を得るために感光層を設ける面を粗面化する。この粗面化を含む表面処理工程を砂目処理工程と称する。
【0003】
アルミニウム板の砂目処理工程は、アルカリ溶液により化学研磨を行う脱脂工程、酸性溶液による中和工程、酸性溶液中で交流電解により電気化学的に粗面化を行う電解粗面化工程、アルカリ溶液により化学研磨を行うデスマット工程、酸性溶液による第2中和工程、酸性溶液中で直流電解により酸化皮膜を得る陽極酸化処理工程、各種薬液により表面改質,親水化処理を行う後処理工程等が含まれている。粗面化処理はサンドブラストやブラシ研磨に代表される機械研磨及び電解粗面化並びにこれらを組み合わせて用いることが知られている。
【0004】
これらの処理工程には各種の薬液が用いられるが、各処理工程で用いられる薬品の種類及び濃度はそれぞれ異なるため、処理を受けながら搬送されてゆくアルミニウム板に付着した処理液が次の処理工程の処理槽へ持ち込まれた場合、該処理槽中の処理液は前の処理工程から持ち込まれた薬液との化学反応により処理液の劣化が起こり目的とする処理の阻害となる。これを防止するため各処理槽の間にはアルミニウム板に付着して前工程から持ち出された処理液を洗い流す水洗工程を設けることが一般的に行われている。
【0005】
このような各処理工程での処理は化学反応又は電気化学反応により行われるため各処理工程で最適の処理温度が存在する。一般的には化学反応によりアルミニウム板を処理する脱脂工程、デスマット工程及び後処理工程を高温の処理とし、直接アルミニウム板表面を処理しない中和工程や、電気化学的に処理を行う電解粗面化工程及び陽極酸化処理工程は常温処理とする。水洗処理も常温で処理する。また、平版印刷版はポジ版,ネガ版,高耐刷版など各種の品種があり、これらの支持体もそれぞれの特徴に応じたものが要求される。更に各種の板幅の製品も必要とされ多品種の生産が要求される。これらを単一の製造ラインで生産する場合、品種及び板幅に応じて平版印刷版用支持体の各表面処理工程である脱脂工程、電解粗面化工程、陽極酸化処理工程、デスマット工程、後処理工程の処理量を変更する必要がある。
【0006】
脱脂工程、デスマット工程、後処理のように化学反応により処理を行う場合の処理量は、処理時間と薬液温度、濃度などの処理強度により決定されるが、処理時間は処理槽サイズが固定であるため搬送速度のみによって決定される。処理時間を変更するために搬送速度を変更すると支持体処理工程で処理槽サイズと搬送速度により処理時間が決定される全工程の処理量が変化してしまうため、各工程で目標の処理が行える条件に変更することが必要となってしまう。従って、化学反応により処理を行う工程では、処理量の変更は薬液温度、濃度の処理強度を変更することによって行われる。
【0007】
電気化学反応の場合の処理量は処理時間と電気強度により決定されるが、処理時間は化学反応により処理を行う場合と同様に処理槽サイズが固定であるため搬送速度のみによって決定される。従って処理量の変更は通常電気強度を変更することによって行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
脱脂工程で高温処理されたアルミニウム板は処理温度を管理していない第1水洗工程、第1中和工程、第2水洗工程を通過しても高温のまま電解粗面化工程に突入する。この結果電解粗面化工程の初期の段階で粗面化処理が不均一となり、かつ電気化学反応が遅れるため目的の粗度を得るためには必要以上の電気エネルギーを与える必要がある。
【0009】
また電解粗面化工程である程度低温化したアルミニウム板は低温のまま第3水洗工程を通過しデスマット工程へ突入する。デスマット工程での処理の初期段階ではアルミニウム板の表面が低温であるため溶解反応は遅く、目的のアルミニウム溶解量を得るためには必要以上の薬液濃度、又は処理時間を設けてやる必要がある。
【0010】
デスマット工程で高温処理されたアルミニウム板は処理温度を管理していない第4水洗工程、第2中和工程を通過しても高温のまま陽極酸化処理工程に突入する。この結果陽極酸化処理工程の初期の段階で電流の集中が起こり焼けと呼ばれる局所的に酸化皮膜の成長した部分が発生する。一度焼けが発生すると均一な酸化皮膜の形成は不可能になる。また電流集中が激しい場合にはアルミニウム板の酸化反応による発熱もあり搬送中のアルミニウム板が溶断してしまうこともある。また電気化学反応が遅れるため目的の酸化皮膜量を得るためには必要以上の電気エネルギーを与える必要がある。
【0011】
陽極酸化処理工程である程度低温化したアルミニウム板は低温のまま第5水洗工程を通過し後処理工程へ突入する。後処理工程の処理の初期段階ではアルミニウム板の表面が低温であるため反応速度は遅く、目的の反応量を得るためには必要以上の薬液濃度、又は処理時間を設けてやる必要がある。
【0012】
従って、本発明の第1の目的は、上記のような故障のない均一な処理を、必要以上の薬液濃度とする必要がなくエネルギー的に効率よく行うことができる平版印刷版用支持体の製造方法を提供することである。
【0013】
また、アルミニウム板の粗面化処理は、上記のように、感光性平版印刷版の品種に対応して変える必要がある。アルミニウム板の上記粗面化処理において、品種切り替えのために各工程の処理条件を同時に変更した場合、変更作業中に支持体製造工程内にある処理中のアルミニウム支持体は切り替え前の条件と、切り替え後の処理条件が混在する条件で処理されることになり、切り替え前後のどちらの目標とも異なる処理状態となり製品としては不適格品となる。このときのアルミニウム板のロスは、支持体製造工程が多岐にわたり非常に長いことから非常に大きなものとなってしまう。同様の問題がアルミニウム板の板幅変更時にも生じる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記第1の目的は下記(1)〜(3)の構成によって達成される。
【0018】
)アルミニウム板を機械研磨する処理工程、化学研磨する処理工程及び/又は電気化学的に粗面化する処理工程を含む処理工程により平版印刷版用支持体を得る製造方法であって、上記処理工程の少なくとも隣接する2つの処理工程の間に水洗工程を有する平版印刷版用支持体の製造方法において、該水洗工程の少なくとも1つの水洗工程の水洗水の温度を該水洗工程の次の処理工程の処理温度の±10℃以内とし、かつ該水洗工程を複数個の水洗槽によるものとし、該各水洗槽の処理温度が該水洗工程の前の処理工程に近い水洗槽から該水洗工程の次の処理工程に近い水洗槽に順次上昇又は下降することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
【0025】
以下、本発明について詳述する。
【0026】
図1は砂目処理工程のフローチャートである。該砂目処理は次のような工程を順次経て行なわれる。
【0027】
コイル状のアルミニウム板をアンワインダーにより繰り出し、脱脂工程Aでアルカリ性の薬液に浸漬することによりアルミコイルの圧延時に表面に付着している油分、樹脂分を溶解除去する。ここで用いられるアルカリ性溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液が用いられる。
【0028】
次に、第1中和工程Bで、酸性水溶液の処理液にアルミニウム板を浸漬させ中和反応により表面のアルカリ成分を除去する。
【0029】
次に、電解粗面化工程Cで、アルミニウム板と対向する位置に配置した電極板とアルミニウム板の間に酸性電解液を介して電流を流すことにより粗面化を行う。ここで用いられる酸性電解液は硝酸又は塩酸又はこれらを含む各種の酸が用いられる。使用される電流は一般的には商用交流電流が用いられるが、矩形波,ノコギリ波,台形波の様に波形を加工した交流電流も用いられる。
【0030】
粗面化されたアルミニウム板は、電解粗面化工程Cでアルミニウム表面に生じたスマットを除去するために、デスマット工程Dでアルカリ性溶液からなる処理液に浸漬処理される。該アルカリ性溶液としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液が用いられる。次に、第2中和工程Eで、酸性水溶液にアルミニウム板を浸漬させ中和反応により表面のアルカリ成分を除去する。
【0031】
次に、アルミニウム板は陽極酸化処理工程
Fに搬送され、酸性溶液中でアルミニウム板と対向する電極板との間に直流電流を通じることによりアルミニウム表面に酸化アルミニウム層を形成する陽極酸化処理が施される。ここで用いられる酸性溶液としては硫酸又は燐酸又はこれらの混酸が用いられる。直流電流はアルミニウム板が陽極となるように通電する。
【0032】
陽極酸化処理が行われたアルミニウム板は、必要に応じ後処理工程Gで封孔処理、親水化処理等の表面改質処理を施して平版印刷版用支持体として完成する。
【0033】
上記各処理工程において、各処理は薬液や電解液(以下これらを「処理液」と総称することがある)を容れた処理槽にアルミニウム板を浸漬して行われる。これらの各処理槽の間には必要に応じて水洗処理を行う水洗工程A1,B1,C1,D1及びF1を設け次工程への処理液の持ち込みを防止する。
【0034】
上記各処理工程の処理液はその目的に応じて処理温度が管理されている。しかしながら、処理液の温度を管理していても、処理槽に突入するアルミニウム板の温度が処理温度と異なると、処理槽突入直後のアルミニウム板のごく近傍の温度は目標とする処理温度と異なる温度で化学反応又は電気化学反応が行われるため、所定の時間処理しても反応量の過不足が生じたり、好ましくない処理が行われたりする。
【0035】
脱脂工程はアルカリ水溶液によりアルミニウム板表面を溶解処理する工程であるから、反応速度をある程度稼ぐために処理温度は常温より高い温度に設定される。しかしながら所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると突入直後の反応速度は所定の反応速度より更に速く、所定の時間の処理では必要以上にアルミニウム板を溶解してしまう。また急激な反応開始によりアルミニウム板表面で均一に溶解反応が進行せず、ムラ状の溶解が発生し完成された平版印刷版用支持体の品質に不均一を生じる。また溶解反応により発生する熱、気泡のアルミニウム板近傍からの除去が困難になり、安定した反応の継続、処理槽内の温度分布の管理が困難になる。所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入するとアルミニウム板の処理槽突入直後の反応速度が遅く、所定の時間の処理では必要量のアルミニウム板溶解量を達成できない。
【0036】
第1中和工程では酸性水溶液により脱脂工程でアルミニウム板表面に付着したアルカリ成分を中和、除去する工程であり、処理温度は通常常温付近に管理されている。所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると突入直後の反応速度は速く、所定の時間の処理では中和反応が終結後もアルミニウム板が処理槽から出ておらず、アルミニウム板そのものへの酸性水溶液による作用が始まる。第1中和工程で用いられる酸が硝酸又は塩酸の様に溶解性の高い酸の場合はアルミニウム表面の溶解が始まり、その溶解反応はアルミニウム板中のアルミニウムと不純金属で反応速度が異なるためアルミニウム板表面は不均一に溶解される。この状態で電解粗面化処理を施された処理面は中和工程で生じた不均一性を維持、又は増大させて粗面化されてしまうため、完成された平版印刷版用支持体の品質に故障点として不均一を生じる。第1中和工程で用いられる酸が硫酸の様に酸化性の高い酸の場合はアルミニウム表面に酸化皮膜を形成し始め次工程の電解粗面化処理開始時の電流の流れを阻害し、大電圧が必要となる。
【0037】
第1中和工程に所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると所定の処理時間では中和反応が終結せず次工程の電解粗面化処理工程にアルカリ成分を持ち込むことになり、電解粗面化処理工程の酸性水溶液と中和反応を起こす。これにより酸性が低下し、処理液の電気伝導度が低下、必要電力の増加が発生、更に通電状態の変化に伴い目的の粗面が得られなくなる。
【0038】
電解粗面化処理工程は電気化学反応によりアルミニウム表面を溶解、粗面化処理する工程であるがその反応速度は単位時間当たりの通電量に支配されるため処理液温度は通常常温付近に管理されている。所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入するとアルミニウム板近傍は高温となるため処理液の電気伝導度は上昇し、結果として処理槽突入直後のアルミニウム板表面へ電流が集中し、電流密度が上昇する。また所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入するとアルミニウム板近傍は低温となるため処理液の電気伝導度は低くなり、結果として処理槽突入直後のアルミニウム板表面へは電流が流れにくく、電流密度が低くなる。電気化学反応による粗面化処理では電流密度により形成される粗面の1単位であるピットの大きさが異なり平版印刷版支持体として完成された後の保水性、感光層との接着性、印刷時のインクによる汚れ性などに大きく影響する。このため一定の電流密度又は処理中の変化を意図的に十分管理された状態で処理することが望ましく、温度変動による処理の変動は極力避けなければならない。
【0039】
デスマット処理工程は脱脂工程同様アルカリ水溶液により電解粗面化工程でアルミニウム表面に生じるスマットの除去及び電解粗面化工程で形成した粗面の1単位であるピットの形状調整をアルミニウム板表面を溶解処理することにより行う工程であるから、反応速度をある程度稼ぐために処理温度は常温より高い温度に設定される。しかしながら所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると突入直後の反応速度は所定の反応速度より更に速く、所定の時間の処理ではスマットの除去後必要以上にアルミニウム板を溶解してしまう。また急激な反応開始により均一に溶解反応が進行せず、電解粗面化工程でアルミニウム板表面に形成した粗面を局所的に溶解し粗度の高い部分と低い部分に不均一化されてしまう。このような状態では平版印刷版支持体として完成された後の保水性、感光層との接着性、印刷時のインクによる汚れ性などに不均一を生じる。また溶解反応により発生する熱、気泡のアルミニウム板近傍からの除去が困難になり、安定した反応の継続、処理槽内の温度分布の管理が困難になる。所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入するとアルミニウム板の処理槽突入直後の反応速度が遅く、所定の時間の処理では必要量のスマット除去、アルミニウム板溶解量を達成できず、目的の粗度を得ることができない。
【0040】
第2中和工程では酸性水溶液によりデスマット工程でアルミニウム板表面に付着したアルカリ成分を中和、除去する工程であり、処理温度は通常常温付近に管理されている。所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると突入直後の反応速度は速く、所定の時間の処理では中和反応が終結後もアルミニウム板が処理槽から出ておらず、アルミニウム板そのものへの酸性水溶液による作用が始まる。第2中和工程で用いられる酸は通常次工程の陽極酸化処理工程で用いられる硫酸が用いられるが、硫酸の様に酸化性の高い酸の場合はアルミニウム表面に酸化皮膜を形成し始め次工程の陽極酸化処理開始時の電流の流れを阻害し、大電圧が必要となる。第二中和工程で用いられる酸が硝酸又は塩酸の様に溶解性の高い酸の場合はアルミニウム表面の溶解が始まり、その溶解反応はアルミニウム板中のアルミニウムと不純金属で反応速度が異なるためアルミニウム板表面は不均一に溶解される。また電解粗面化処理工程、デスマット処理工程で目的の形状が得られた粗面の突端部を選択的に溶解し、目的の粗面形状が損なわれる。これら目的外の溶解を生じた部分は完成された平版印刷版用支持体の品質に故障点として不均一を生じる。
【0041】
第2中和工程に所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると所定の処理時間では中和反応が終結せず次工程の陽極酸化処理工程にアルカリ成分を持ち込むことになり、陽極酸化処理工程の酸性水溶液と中和反応を起こす。これにより酸性が低下し、処理液の電気伝導度が低下、必要電力の増加が発生、更に通電状態の変化に伴い目的の酸化皮膜が得られなくなる。
【0042】
陽極酸化処工程では電気化学反応によりアルミニウム表面に陽極酸化皮膜を形成する工程であるがその反応速度は単位時間当たりの通電量に支配されるため処理液温度は通常常温付近に管理されている。陽極酸化皮膜の成長はアルミニウム表面で複数箇所から成長し始めやがてセルと呼ばれる結晶構造の集合体として形成される。セルの中央にはポアと呼ばれる孔が存在する。酸化皮膜の密度、単位面積当たりのセルの数、すなわちポアの数、ポアの径は陽極酸化処理時の電流密度に大きく左右され、平版印刷版支持体として完成された印刷版の耐刷性、感光層との接着性、印刷時のインクによる汚れ性にかかわる。所定の温度より高すぎる温度でアルミニウム板が陽極酸化処理工程の処理槽に突入するとアルミニウム板近傍は高温となるため処理液の電気伝導度は上昇し、結果として処理槽突入直後のアルミニウム板表面へ電流が集中し、電流密度が上昇する。また所定の温度より低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入するとアルミニウム板近傍は低温となるため処理液の電気伝導度は低くなり、結果として処理槽突入直後のアルミニウム板表面へは電流が流れにくく、電流密度が低くなる。陽極酸化処理工程では一定の電流密度又は処理中の変化を意図的に十分管理された状態で処理することが望ましく、温度変動による処理の変動は極力避けなければならない。また処理温度が局所的に高くなっている場合は電流集中により急激に酸化皮膜が成長し酸化反応による発熱でアルミニウム板の焼け、更には溶断を起こすこともある。
【0043】
後処理工程では各種の処理液により化学反応、吸着などにより表面改質する工程で、処理手段により処理液の最適温度はまちまちであるが、一般的には常温より高い温度で処理する場合が多い。所定の温度より高すぎる温度、或いは低すぎる温度でアルミニウム板が処理槽に突入すると反応の過不足が生じ、目的の表面改質ができない。また処理液の種類によっては一定温度以上或いは以下でないと殆ど反応の進行しないものもあり一定の処理温度又は処理中の変化を意図的に十分管理された状態で処理することが必要である。
【0044】
図5は、従来の通常のアルミニウム板の砂目処理工程の各処理槽の管理温度と処理中のアルミニウム板の表面温度の時間に対する変化を、縦軸が温度、横軸が時間のグラフで示したものである。図5及び後述する図2〜図4及び図7において、太い実線はアルミニウム板の表面温度を示し、細い実線は処理槽中の処理液の設定温度を示す。また、図中で太い実線と細い実線が重なる部分は太い実線のみで示してある。
【0045】
砂目処理工程における各処理槽の処理液の温度は、従来、脱脂工程A、デスマット工程D及び後処理工程Gは高温に設定されており、第1中和工程B、電解粗面化工程C、第2中和工程E及び陽極酸化処理工程Fは常温に設定されており、第1水洗工程A1、第2水洗工程B1、第3水洗工程C1、第4水洗工程D1及び第5水洗工程F1は温度管理がなされていない。このような砂目処理工程では、脱脂工程Aで脱脂工程Aの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第1水洗工程A1、第1中和工程B及び第2水洗工程B1を通過しても電解粗面化工程Cの設定温度より高温のまま電解粗面化工程Cに突入する。この結果、電解粗面化工程Cの初期の段階で粗面化処理が不均一となり、かつ電気化学反応が遅れるため目的の粗度を得るためには必要以上の電気エネルギーを与える必要がある。また、電解粗面化工程Cで電解粗面化工程Cの設定温度まで低温化したアルミニウム板は低温のまま第3水洗工程C1を通過しデスマット工程Dへ突入する。デスマット工程Dでの処理の初期段階ではアルミニウム板の表面が低温であるため溶解反応は遅く、目的のアルミニウム溶解量を得るためには必要以上の処理液濃度、又は処理時間を設けてやる必要がある。
【0046】
デスマット工程Dでデスマット工程Dの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第4水洗工程D1、第2中和工程Eを通過しても高温のまま陽極酸化処理工程Fに突入する。この結果陽極酸化処理工程Fの初期の段階で電流の集中が起こり焼けと呼ばれる局所的に酸化皮膜の成長した部分が発生する。一度焼けが発生すると均一な酸化皮膜の形成は不可能になる。また電流集中が激しい場合にはアルミニウム板の酸化反応による発熱もあり搬送中のアルミニウム板が溶断してしまうこともある。また電気化学反応が遅れるため目的の酸化皮膜量を得るためには必要以上の電気エネルギーを与える必要がある。
【0047】
陽極酸化処理工程Fで陽極酸化処理工程Fの設定温度まで低温化したアルミニウム板は低温のまま第5水洗工程F1を通過し後処理工程Gへ突入する。後処理工程Gの処理の初期段階ではアルミニウム板の表面が低温であるため反応速度は遅く、目的の反応量を得るためには必要以上の処理液濃度、又は処理時間を設けてやる必要がある。
【0048】
図2は発明の実施形態の1例における砂目処理工程の各処理槽の管理温度と処理中のアルミニウム板の表面温度の時間に対する変化を示したものである。脱脂工程A、デスマット工程D及び後処理工程Gは高温に設定されており、第1中和工程B、電解粗面化工程C、第2中和工程E及び陽極酸化処理工程Fは常温に設定されており、第1水洗工程A1、第2水洗工程B1、第3水洗工程C1、第4水洗工程D1及び第5水洗工程F1はそれぞれ次工程の処理温度と同じ温度に管理されている。
【0049】
脱脂工程Aで脱脂工程Aの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第1水洗工程A1、第1中和工程B及び第2水洗工程B1が常温に設定されているため急激に低温化し、電解粗面化工程Cには電解粗面化工程Cの設定温度である常温で突入する。この結果電解粗面化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、均一な粗面が得られ、余分な電気エネルギーを与えることなく目的の粗度が得られる。
【0050】
また電解粗面化工程Cで電解粗面化工程Cの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第3水洗工程C1で加熱され、デスマット工程D突入時にはデスマット工程Dの設定温度まで加熱されている。このためデスマット処理は常時管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的のアルミニウム溶解量が得られる。
【0051】
デスマット工程Dでデスマット工程Dの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第4水洗工程D1、第2中和工程Eで急激に低温化し、陽極酸化処理工程Fには陽極酸化処理工程Fの設定温度である常温で突入する。この結果陽極酸化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、電流の集中による焼けや局所的な酸化皮膜の成長や溶断は発生しない。また余分な電気エネルギーを与えることなく目的の酸化皮膜量を得ることができる。
【0052】
陽極酸化処理工程Fで陽極酸化処理工程Fの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第5水洗工程F1で加熱され、後処理工程G突入時には後処理工程Gの設定温度まで加熱されている。このため後処理は常時管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的の反応量を得ることができる。
【0053】
図3は発明の実施形態の1例における砂目処理工程の各処理槽の管理温度と処理中のアルミニウム板の表面温度の時間に対する変化を示したものである。脱脂工程A、デスマット工程D及び後処理工程Gの各処理液は高温に設定されており、第1中和工程B、電解粗面化工程C、第2中和工程E及び陽極酸化処理工程Fの各処理液は常温に設定されており、第1水洗工程A1、第2水洗工程B1及び第4水洗工程D1はそれぞれ次工程の処理温度と同じ温度に管理されている。第3水洗工程C1の設定温度は、第3水洗工程C1の前の処理工程である電解粗面化工程Cの設定温度と第3水洗工程C1の次の処理工程である脱脂工程Aの設定温度の平均値より第3水洗工程C1の次の処理工程である脱脂工程Aの設定温度に近い温度に設定されている。第5水洗工程F1の設定温度は、第5水洗工程F1の前の処理工程である陽極酸化処理工程Fの設定温度と第5水洗工程F1の次の処理工程である後処理工程Gの設定温度の平均値より第5水洗工程F1の次の処理工程である後処理工程Gの設定温度に近い温度に設定されている。
【0054】
脱脂工程Aで脱脂工程Aの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第1水洗工程A1、第1中和工程B、第2水洗工程B1が常温に設定されているため急激に低温化し、電解粗面化工程Cには電解粗面化工程Cの設定温度である常温で突入する。この結果電解粗面化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、均一な粗面が得られ、余分な電気エネルギーを与えることなく目的の粗度が得られる。
【0055】
また電解粗面化工程Cで電解粗面化工程Cの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第3水洗工程C1で加熱され、デスマット工程D突入時には第3水洗工程C1の設定温度であるもののデスマット工程Dの設定温度との差は僅かであり短時間でデスマット工程Dの設定温度まで加熱される。このためデスマット処理は殆どの時間管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的のアルミニウム溶解量が得られる。
【0056】
デスマット工程Dでデスマット工程Dの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第4水洗工程D1、第2中和工程Eで急激に低温化し、陽極酸化処理工程Fには陽極酸化処理工程Fの設定温度である常温で突入する。この結果陽極酸化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、電流の集中による焼けや局所的な酸化皮膜の成長や溶断は発生しない。また余分な電気エネルギーを与えることなく目的の酸化皮膜量を得ることができる。
【0057】
陽極酸化処理工程Fで陽極酸化処理工程Fの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第5水洗工程F1で加熱され、後処理工程G突入時には第5水洗工程F1の設定温度であるものの後処理工程Gの設定温度との差は僅かであり短時間で後処理工程Gの設定温度まで加熱される。このため後処理は殆どの時間管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的の反応量を得ることができる。
【0058】
図4は発明の実施形態の1例であり、アルミニウム板の砂目処理工程の各処理槽の管理温度と処理中のアルミニウム板の表面温度の時間に対する変化を示したものである。脱脂工程A、デスマット工程D及び後処理工程Gは高温に設定されており、第1中和工程B、電解粗面化工程C、第2中和工程E及び陽極酸化処理工程Fは常温に設定されており、第1水洗工程A1、第2水洗工程B1及び第4水洗工程D1はそれぞれ次工程の処理温度と同じ温度に管理されている。第3水洗工程C1は2つの水洗層から成り、それぞれの設定温度は、第3水洗工程C1の前の処理工程である電解粗面化工程Cの設定温度と第3水洗工程C1の次の処理工程である脱脂工程Aの設定温度の間で段階的となるように設定してある。第5水洗工程F1は2つの水洗層から成り、それぞれの設定温度は、第5水洗工程F1の前の処理工程である陽極酸化処理工程Fの設定温度と第5水洗工程F1の次の処理工程である後処理工程Gの設定温度の間で段階的となるように設定してある。
【0059】
脱脂工程Aで脱脂工程Aの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第1水洗工程A1、第1中和工程B及び第2水洗工程B1が常温に設定されているため急激に低温化し、電解粗面化工程Cには電解粗面化工程Cの設定温度である常温で突入する。この結果電解粗面化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、均一な粗面が得られ、余分な電気エネルギーを与えることなく目的の粗度が得られる。
【0060】
また電解粗面化工程Cで電解粗面化工程Cの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第3水洗工程C1の2つの水洗層で順次加熱され、デスマット工程Dの処理温度に近づく。デスマット工程D突入時のアルミニウム板温度は第3水洗工程C1の2つ目の水洗層の設定温度であるもののデスマット工程Dの設定温度との差は僅かであり短時間でデスマット工程Dの設定温度まで加熱される。このためデスマット処理は殆どの時間管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的のアルミニウム溶解量が得られる。
【0061】
デスマット工程Dでデスマット工程Dの設定温度と同等の高温となったアルミニウム板は第4水洗工程D1、第2中和工程Eで急激に低温化し、陽極酸化処理工程Fには陽極酸化処理工程Fの設定温度である常温で突入する。この結果陽極酸化処理は常時管理された処理温度で処理が進行し、電流の集中による焼けや局所的な酸化皮膜の成長や溶断は発生しない。また余分な電気エネルギーを与えることなく目的の酸化皮膜量を得ることができる。
【0062】
陽極酸化処理工程Fで陽極酸化処理工程Fの設定温度まで低温化したアルミニウム板は第5水洗工程F1の2つの水洗層で順次で加熱され、後処理工程Gの処理温度に近づく。後処理工程Gに突入時のアルミニウム板の温度は第5水洗工程F1の2つ目の設定温度であるものの後処理工程Gの設定温度との差は僅かであり短時間で後処理工程Gの設定温度まで加熱される。このため後処理は殆どの時間管理された処理温度で、設定通りの溶解反応で処理が進行し、目的の反応量を得ることができる。
【0063】
発明において、機械研磨する処理工程は、公知のサンドブラストやブラシ研磨に代表される機械的にアルミニウム板の表面を研磨する処理工程である。粗面化の手段として、電解粗面化処理の替わりにサンドブラストやブラシ研磨の機械研磨を用いることができる。サンドブラストは直径が10〜500μmの砂を水に分散させたスラリーを高圧でアルミニウム板表面に吹き付けることによりアルミニウム板表面を粗面化する手段である。ここで用いられる砂は酸化アルミニウム粉や天然の火山灰が用いられる。ブラシ研磨はブラシでアルミニウム板の表面を擦ることで粗面化する手段で、上記のスラリーを事前にアルミニウム板の表面に乗せておくことが一般的である。ブラシはナイロン性、金属性の物が一般的に用いられる。機械研磨は電解粗面化処理と併用することもできる。
【0064】
機械研磨処理は化学反応を伴わないため、通常、常温で処理されるが、表面に付着したスラリーが次工程に持ち込まれて汚染しないめに機械研磨の後に水洗工程を設けることが望ましい。
【0065】
明において、化学研磨する処理工程は化学反応のみによってアルミニウム板の表面を溶解処理する工程を意味し、アルカリ水溶液でアルミニウムを溶解する脱脂工程とデスマット工程が化学研磨する処理工程に該当する。
【0066】
発明において、水洗水の温度を前記のように調節する手段としては常法を適用することができる。
【0067】
発明によれば、図2に一例を示した請求項1に係る発明よりも加温すべき水洗水の熱エネルギーが少なくて済む利点がある。
【0068】
次に、請求項4〜8に係る発明について説明する。
【0069】
請求項4〜8に係る発明は、平版印刷版用支持体の品種及び板幅の切り替え時に砂目処理工程に含まれる各処理工程の処理条件を、切り替わる品種及び板幅に適合するように変更して各処理工程の処理量を適切なものとするものであるが、平版印刷版用支持体用アルミニウム板の砂目処理工程は多岐に渡るため、処理量の意味は各処理工程で異なる。アルカリ溶液中にアルミニウム板を浸漬処理する脱脂工程、デスマット工程ではアルミニウム溶解量であり、酸性溶液中でアルミニウム板とアルミニウム板に対向する電極板との間に交流電流を通電することによりアルミニウム板の表面を粗面化させる電解粗面化工程ではアルミニウム板の電解研磨量であり、酸性溶液中でアルミニウム板とアルミニウム板に対向する電極板との間に直流電流を通電することによりアルミニウム板の表面に酸化皮膜を形成する陽極酸化処理工程では酸化皮膜量であり、各種薬液中にアルミニウム板を浸漬処理する後処理工程ではアルミニウム板の表面の変質量や薬液の吸着量が先の処理量を意味する。
【0070】
平版印刷版はポジ版,ネガ版,高耐刷版など各種の品種があり、砂目の品質もこれらの支持体もそれぞれの特徴に応じたものが要求される。更に各種の板幅の製品も必要とされる。これらを単一の製造ラインで生産する場合、品種及び板幅に応じてアルミニウム板の各表面処理工程である脱脂工程、電解粗面化工程、陽極酸化処理工程、デスマット工程及び後処理工程の処理量を変更する必要がある。
【0071】
アルミニウム板の砂目処理においては、アルミニウム原反1巻きの処理が終了すると次のアルミニウム原反の巻きにつなぎ変え、搬送速度に応じたアキューム機構により処理の中断、処理速度の変化を起こすことなく連続的に処理を継続する。
【0072】
アルミニウム板の接合は同種のアルミニウム板を接合することもあるが、場合によっては板幅の異なるもの、板厚の異なるものを接合することもある。アルミニウム板のつなぎ方は種々の方法が提案されており、特公平2−452591号,特開平3−32478号に記載されている超音波融着或いは粘着テープと併用したものや、特開昭64−27776号,特開昭64−27777号,特開平1−9978号,特開平1−163569号,特開平1−192473号,特開平1−197064号,特開平1−205872号,特開平1−309782号,特開平2−37968号,特開平2−52199号,特開平2−55672号,特開平2−55673号,特開平2−59174号,特開平2−59175号,特開平2−75469号,特開平2−99275号,特開平2−151368号,特開平2−200380号,特開平2−211979号,特開平2−211982号,特開平3−8575号,特開平3−8594号,特開平3−32466号,特開平3−81084号,特開平3−90280号,特開平3−106565号,特開平3−106589号,特開平3−133574号各公報に記載されている溶接により接合する方法が挙げられる。
【0073】
品種変更及び板幅変更に伴う各工程の処理条件の変更は各工程で独自に行い、搬送されるアルミニウム板上の条件変更点の通過に応じて順次変更してゆく。各工程の条件変更は条件変更点が条件を変更中の工程の処理槽を通過中に完了することが好ましく、これにより条件変更時に生じるアルミニウム板のロスは条件変更を行っている工程の処理槽に浸漬されている長さだけとなり、実質的には条件変更を行った処理工程の中で最も処理長の長い処理槽に浸漬されている長さのアルミニウム板だけがロスとなる。
【0074】
請求項4〜8に係る発明において、処理条件の変更は処理強度の変更により行う。具体的には、脱脂工程、デスマット工程及び後処理工程のように化学反応により処理を行う工程では処理液温度及び処理液濃度の何れか又は両方を変更することにより条件変更を行うことができる。ただし条件変更は先に述べたように条件変更点が条件を変更中の工程の処理槽を通過中に完了することが好ましことから変更に時間のかかる処理液温度の変更を行うより処理液濃度を変更する方が容易である。
【0075】
具体的な手段を図6を用いて説明する。図6は、化学反応を伴う処理を行う処理装置の概略構成図である。図6において、アルミニウム板1は、支持ロール2に支持されて処理槽3に容れられた処理液4中を搬送されて該処理液4により処理される。処理液4は処理液循環系5により循環され、排出機構6により排出できるようになっていいる。処理液4には、水7及び処理液4より処理剤を高濃度に含有する薬液8が補充される。
【0076】
化学反応により処理を行う工程の処理液は通常以下のような流れとする。処理槽内の処理液はアルミニウム板を処理することにより消耗し、これに伴い新しい薬液を供給する。供給される薬液の濃度CSは処理時の目標値である濃度C1より高くしておき、同時に水を供給することにより処理槽内の処理液の濃度をC1に保つ。このような手段をとるのは、処理槽中の薬液濃度の思わぬ変動に対して供給される薬液と水の量のバランスを調節することにより処理槽中の処理液濃度を一定に保つために行うものであり、更に供給するために備蓄しておく薬液の量を少なくすることが可能となる。処理槽からは薬液が抜き取られ、一部を消耗した薬液として排出し、一部は循環流として処理槽に戻される。処理槽に戻された循環流は処理槽内の処理液濃度、処理液温度を均一化するために処理液を撹拌する流れとなる。
【0077】
処理条件の変更時はこの機構を利用し、供給する薬液と水の流量比を変更することにより行う。薬液と水の流量比の変更は図7の(2)、(3)に示すように初期の流量比QS1:QW1から一度QS3:QW3へ大きく変動させ、最終的にQS2:QW2とすることで図7(1)に示すように急速に処理液濃度を変更前の濃度C1から変更後の濃度C2に変更することができる。図7の(1)は、縦軸が処理液中の処理剤の濃度、横軸が時間、(2)は、縦軸は供給する薬液の流量、横軸が時間、(3)は、縦軸は供給する水の流量、横軸が時間である。更に処理槽内の薬液の濃度を素早く均一化するために循環流の流量を高めることが好ましい。更に条件変更時のみに使用する循環機構又は撹拌機構を設けることが望ましい。
【0078】
電解粗面化工程や陽極酸化処理工程では通電する電気量が処理量を決定するため、電源より供給する電気量を変更することにより処理量を変更する。この場合の条件変更は簡便に行うことができるため、条件変更点が条件を変更中の工程の処理槽を通過中に完了することは容易である。ただし必要に応じて化学反応により処理を行う工程で用いた処理液の強制的な入れ替えによる処理液濃度、温度の変更を併用することができる。
【0079】
ポジ版とネガ版の切り替えや、標準品と高耐刷版の切り替えには全工程の条件を変更することが必要となることが多いが、同品種で板幅のみ変更する場合には、化学反応により処理を行う脱脂工程、デスマット工程及び後処理工程では処理条件の変更は必要が無く、単に消耗する薬液の量が変化するだけであるから全体の新しい処理液の供給量と排出量のバランスのみを変更すれば良く変更は容易である。電解粗面化工程と陽極酸化処理工程では通電する電気量が処理量を決定するため、板幅の変更に伴う処理槽中の処理面積変更に応じて電源より供給する電気量を変更することが必要である。
【0080】
搬送されるアルミニウム板上の条件変更点の各処理工程への突入の認識は、アルミニウム板の搬送速度と処理長の関係から時間管理により行うこともできるが、アルミニウム板の表面粗面化による平版印刷版用支持体の製造工程では連続的に処理を続けるために原反アルミニウムを処理中につなぎながら処理を続け、板幅の変更は勿論品種の切り替えもこのつなぎ部分で行うことが一般的であることからつなぎ部分を検出することにより条件変更点の通過を認識することが好ましい。つなぎ部分の検出にはつなぎ方が溶接、接着などにより最適な手段は異なるが、一般的には接触式センサー,変位センサー、板幅を変更する場合には透過型センサーなどの光学センサーなど各種のセンサーを用いることがでる。
【0081】
また、つなぎ部分の検出を平版印刷版用支持体の製造条件制御系にフィードバックすることにより予め予定されていた製造計画に基づき処理条件を自動的に変更してゆくことができる。
【0082】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。以下の実施例において、実施例1〜3及び比較例1は発明の実施例及び比較例、実施例4及び5並びに比較例2及び3は発明の実施例及び比較例である。
【0083】
実施例1
アルミニウム板に次の処理工程からなる砂目処理を施した。
【0084】
脱脂処理:水酸化ナトリウム100g/l,85℃,60秒
第1水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
第1中和処理:塩酸1g/l,25℃,10秒
第2水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
電解粗面化処理:塩酸15g/l,25℃,電流密度80A/dm2,30秒
第3水洗処理:蒸留水,50℃,10秒
デスマット処理:水酸化ナトリウム100g/l,50℃,10秒
第4水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
第2中和処理:硫酸100g/l,25℃,10秒
陽極酸化処理:硫酸200g/l,25℃,直流3A/dm2,60秒
第5水洗処理:蒸留水,85℃,10秒
後処理:酢酸アンモン10g/l,85℃,30秒
実施例2
アルミニウム板に次の処理工程からなる砂目処理を施した。
【0085】
脱脂処理:水酸化ナトリウム100g/l,85℃,60秒
第1水洗処理:蒸留水,35℃,10秒
第1中和処理:塩酸1g/l,25℃,10秒
第2水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
電解粗面化処理:塩酸15g/l,25℃,電流密度80A/dm2,30秒
第3水洗処理:蒸留水,40℃,10秒
デスマット処理:水酸化ナトリウム100g/l,50℃,10秒
第4水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
第2中和処理:硫酸100g/l,25℃,10秒
陽極酸化処理:硫酸200g/l,25℃,直流3A/dm2,60秒
第5水洗処理:蒸留水,75℃,10秒
後処理:酢酸アンモン10g/l,85℃,30秒
実施例3
アルミニウム板に次の処理工程からなる砂目処理を施した。
【0086】
脱脂処理:水酸化ナトリウム100g/l,85℃,60秒
第1水洗処理:蒸留水,35℃,10秒
第1中和処理:塩酸1g/l,25℃,10秒
第2水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
電解粗面化処理:塩酸15g/l,25℃,電流密度80A/dm2,30秒
第3水洗処理:第1水洗槽;蒸留水,30℃,5秒,第2水洗槽;蒸留水,40℃,5秒
デスマット処理:水酸化ナトリウム100g/l,50℃,10秒
第4水洗処理:蒸留水,25℃,10秒
第2中和処理:硫酸100g/l,25℃,10秒
陽極酸化処理:硫酸200g/l,25℃,直流3A/dm2,60秒
第5水洗処理:第1水洗槽;蒸留水,40℃,10秒,第2水洗槽;蒸留水,75℃,10秒
後処理:酢酸アンモン10g/l,85℃,30秒
比較例1
アルミニウム板に次の処理工程からなる砂目処理を施した。
【0087】
脱脂処理:水酸化ナトリウム100g/l,85℃,60秒
第1水洗処理:蒸留水,常温供給無制御, 10秒
第1中和処理:塩酸1g/l,25℃,10秒
第2水洗処理:蒸留水,常温供給無制御,10秒
電解粗面化処理:塩酸15g/l,25℃,電流密度80A/dm2,30秒
第3水洗処理:蒸留水,常温供給無制御,10秒
デスマット処理:水酸化ナトリウム100g/l,50℃,10秒
第4水洗処理:蒸留水,常温供給無制御,10秒
第2中和処理:硫酸100g/l,25℃,10秒
陽極酸化処理:硫酸200g/l,25℃,直流3A/dm2,60秒
第5水洗処理:蒸留水,常温供給無制御,10秒
後処理:酢酸アンモン10g/l,85℃,30秒
上記の電解粗面化処理における粗面化均一性、デスマット処理におけるアルミニウム溶解量、陽極酸化処理における酸化皮膜均一性及び酸化皮膜量、及び後処理における反応量を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0088】
【表1】
Figure 0003646283
【0089】
表1中、粗面化均一性の欄の記号の意味は下記である。
【0090】
◎:表面粗さ測定によるRaのばらつきが5%未満
○:表面粗さ測定によるRaのばらつきが5%以上10%未満
△:表面粗さ測定によるRaのばらつきが10%以上20%未満。
【0091】
表1中、酸化皮膜均一性の欄の記号の意味は下記である。
【0092】
◎:顕微鏡観察による酸化皮膜厚さのばらつきが5%未満
○:顕微鏡観察による酸化皮膜厚さのばらつきが5%以上10%未満
△:顕微鏡観察による酸化皮膜厚さのばらつきが10%以上20%未満。
【0093】
実施例4
品種No.1(標準耐刷ポジ型感光性平版印刷版用)の製造から品種No.2(高耐刷ポジ型感光性平版印刷版用)の製造への処理条件変更を脱脂処理工程、電解粗面化処理工程、デスマット処理工程及び陽極酸化処理工程の各処理工程へのつなぎ部分の進入を光学式の変位センサーにより検出し、つなぎ部分の通過に合わせて順次変更した。脱脂処理工程及びデスマット処理工程の条件変更は処理液濃度を変更し、図6の装置を用いて行いて図7に示した条件変更により行った。また、電解粗面化処理工程及び陽極酸化処理工程の条件変更は、通電する電気量を変更することにより行った。変更前後の条件と条件変更に伴い各工程で生じたアルミニウム板のロス長さを下記表2に示す。
【0094】
【表2】
Figure 0003646283
【0095】
その結果得られたアルミニウム支持体の品質を検査したところ、条件変更の前後何れの目標にも達せずロスとなったアルミニウム板の長さは処理長の長い電解粗面化工程の処理長+αの12mであった。
【0096】
実施例5
1030mm幅の製品の製造から830mm幅の製品の製造への処理条件変更を電解粗面化処理工程、陽極酸化処理工程へのつなぎ部分の進入を光学式の透過型センサーにより検出し、つなぎ部分の通過に合わせて順次変更した。電解粗面化処理工程、陽極酸化処理工程の条件変更は通電する電気量を変更することにより行った。変更前後の条件と条件変更に伴い各工程で生じたアルミニウム板のロス長さを表3に示す。
【0097】
【表3】
Figure 0003646283
【0098】
その結果得られた支持体の品質を検査したところ条件変更の前後何れの目標にも達せずロスとなったアルミニウム板の長さは処理長の長い電解粗面化工程の処理長+αの12mであった。
【0099】
比較例2
品種No.1の製造から品種No.2の製造への処理条件変更を脱脂処理工程、電解粗面化処理工程、デスマット処理工程、陽極酸化処理工程の各処理工程で同時に行った。変更前後の条件を下記表4に示す。
【0100】
【表4】
Figure 0003646283
【0101】
その結果得られた支持体の品質を検査したところ条件変更の前後何れの目標にも達せずロスとなったアルミニウム板の長さは全工程の処理長+αの55mであった。
【0102】
比較例3
1030mm幅の製品の製造から830mm幅の製品の製造への処理条件変更を電解粗面化処理工程、陽極酸化処理工程の各処理工程で同時に行った。変更前後の条件を下記表5に示す。
【0103】
【表5】
Figure 0003646283
【0104】
その結果得られた支持体の品質を検査したところ条件変更の前後何れの目標にも達せずロスとなったアルミニウム板の長さは電解粗面化処理工程から陽極酸化処理工程の処理長+αの28mであった。
【0105】
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明によれば、粗面化の不均一、焼け、搬送中のアルミニウム板の溶断等の故障のない均一な粗面化処理を、必要以上の薬液濃度とする必要がなくエネルギー的に効率よく行うことができる平版印刷版用支持体の製造方法が提供される。
【0106】
請求項4〜8に係る発明によれば、品種(ポジ版、ネガ版、標準品、高耐刷品等)の切り替え及び板幅変更時のアルミニウム板のロスを削減することができる平版印刷版用支持体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜8に係る発明が適用されるアルミニウム板の一般的な砂目処理工程のフローチャートである。
【図2】請求項1〜3に係る発明の実施態様の1例の砂目処理工程における各処理槽の処理液の設定温度とアルミニウム板の表面温度との関係を示すグラフである。
【図3】請求項2に係る発明の実施態様の1例の砂目処理工程における各処理槽の処理液の設定温度とアルミニウム板の表面温度との関係を示すグラフである。
【図4】請求項3に係る発明の実施態様の1例の砂目処理工程における各処理槽の処理液の設定温度とアルミニウム板の表面温度との関係を示すグラフである。
【図5】図1に示す砂目処理工程における従来の各処理槽の処理液の設定温度とアルミニウム板の表面温度との関係を示すグラフである。
【図6】砂目処理工程における化学反応を伴う処理を行う処理装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】砂目処理工程において化学反応を伴う処理を行う処理装置の一例における処理液の濃度変化の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
3 処理槽
4 処理液
A 脱脂工程
A1 第1水洗工程
B 第1中和工程
B1 第2水洗工程
C 電解粗面化工程
C1 第3水洗工程
D デスマット工程
D1 第4水洗工程
E 第2中和工程
F 陽極酸化処理工程
F1 第5水洗工程
G 後処理工程

Claims (1)

  1. アルミニウム板を機械研磨する処理工程、化学研磨する処理工程及び/又は電気化学的に粗面化する処理工程を含む処理工程により平版印刷版用支持体を得る製造方法であって、上記処理工程の少なくとも隣接する2つの処理工程の間に水洗工程を有する平版印刷版用支持体の製造方法において、該水洗工程の少なくとも1つの水洗工程の水洗水の温度を該水洗工程の次の処理工程の処理温度の±10℃以内とし、かつ該水洗工程を複数個の水洗槽によるものとし、該各水洗槽の処理温度が該水洗工程の前の処理工程に近い水洗槽から該水洗工程の次の処理工程に近い水洗槽に順次上昇又は下降することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
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