JPH09168843A - 平版印刷版用支持体の製造方法及び装置 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法及び装置

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JPH09168843A
JPH09168843A JP32896795A JP32896795A JPH09168843A JP H09168843 A JPH09168843 A JP H09168843A JP 32896795 A JP32896795 A JP 32896795A JP 32896795 A JP32896795 A JP 32896795A JP H09168843 A JPH09168843 A JP H09168843A
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plate
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molten metal
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JP32896795A
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Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Hirokazu Sakaki
博和 榊
Kinya Matsuura
欣也 松浦
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷版用支持体製造時にアルミニウム板
の圧延方向に連続的又は断続的に出現するスジ状の面質
欠陥の発生を抑制する。 【解決手段】 アルミニウムを溶解し、溶湯供給ノズル
から一対の冷却ロール間隔を0.1mm〜3.0mmの
内の所定の数値に維持しながら、アルミニウム溶湯を溶
湯供給ノズルに供給して冷却ロールを通し、板状のアル
ミニウムを連続鋳造圧延した後、冷間圧延、熱処理の何
れか又は両方を1回以上行なって厚さ0.1mm〜0.
5mmのアルミニウム薄板を作り、さらに矯正を行なっ
てアルミニウム支持体を粗面化し、平版印刷版用支持体
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は双ロール連続鋳造法
を用いて平版印刷版用アルミニウム支持体を製造する方
法及びその装置に関する。特にアルミニウム板の圧延方
向に連続的又は断続的に発生するスジ状の面質欠陥を排
除して面質の良好な平版印刷版用アルミニウム支持体を
製造する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷版用アルミニウム支持体、とくにオ
フセット印刷版用支持体としてはアルミニウム板(アル
ミニウム合金板を含む)が用いられている。一般にアル
ミニウム板をオフセット印刷版用支持体として使用する
ためには、感光材料との適度な装着性と保水性を有して
いることが必要である。このためにはアルミニウム板の
表面を均一かつ緻密な砂目を有するように粗面化しなけ
ればならない。この粗面化処理は製版後実際にオフセッ
ト印刷を行ったときに版材の印刷性能や耐刷力に著しい
影響をおよぼすので、その良否は版材製造上重要な要素
となっている。
【0003】印刷版用アルミニウム支持体の粗面化方法
としては、交流電解エッチング法が一般的に採用されて
おり、電流としては、普通の正弦波交流電流、矩形波な
どの特殊交番波形電流が用いられている。そして、黒鉛
等の適当な電極を対極として交流電流により、アルミニ
ウム板の粗面化処理を行うもので、通常一回の処理で行
われているが、そこで得られるピット深さは全体的に浅
く、耐刷性能に劣るものであった。このため、その直径
に比べて深さの深いピットが均一かつ緻密に存在する砂
目を有する印刷版用支持体として好適なアルミニウム板
が得られるように、数々の方法が提案されている。その
方法としては、特殊電解電源波形を使った粗面化方法
(特開昭53−67507号公報)、交流を使った電解
粗面化時の陽極時と陰極時の電気量の比率(特開昭54
−65607号公報)、電源波形(特開昭55−253
81号公報)、単位面積あたりの通電量の組合わせ(特
開昭56−29699号公報)などが知られている。ま
た、機械的な粗面化との組みあわせ(特開昭55−14
2695号公報)なども知られている。
【0004】一方、アルミニウム支持体の製造方法とし
ては、アルミニウムのインゴットを溶解保持してスラブ
(厚さ400〜600mm、幅1000〜2000m
m、長さ2000〜6000mm)を鋳造し、スラブ表
面の不純物組織部分を面削機にかけて3〜10mmづつ
切削する面削工程を経た後、スラブ内部の応力の除去と
組織の均一化の為、均熱炉において480〜540℃、
6〜12時間保持する均熱化処理工程を行い、しかる後
に熱間圧延を480〜540℃で行う。熱間圧延で5〜
40mmの厚みに圧延した後、室温で所定の厚みに冷間
圧延を行う。またその後組織の均一化のため焼純を行い
圧延組織等を均質化した後、規定の厚みに冷間圧延を行
い、平坦度の良い板にするため矯正する。この様にして
作られたアルミニウム支持体を平版印刷版用支持体とし
ていた。
【0005】しかしながら、電解粗面化処理の場合は特
に対象となるアルミニウム支持体の影響を受けやすく、
アルミニウム支持体を溶解保持→鋳造→面削→均熱とい
う工程を通して製造する場合、加熱、冷却をくり返し、
面削という表面層を削り取る工程があったとしても、表
面層に金属合金成分などのばらつきを生じて平版印刷版
としては得率低下の原因となっていた。
【0006】これに対して、本出願人は先にアルミニウ
ム支持体の材質のバラツキを少くし、電解粗面化処理の
得率を向上させることによって品質の優れた得率のよい
平版印刷版を作れる方法として、アルミニウム溶湯から
鋳造、熱間圧延を連続して行い、薄板の熱間圧延コイル
を形成させた後、冷間圧延、熱処理、矯正を行ったアル
ミニウム支持体を粗面化処理することを特徴とする平版
印刷版用支持体の製造方法を提案した。(特開平3−7
9798号公報) また本願出願人らは先に、アルミニウム溶湯から双ロー
ルで直接板状に連続鋳造圧延した後、冷間圧延、熱処
理、矯正を行ったアルミニウム支持体を粗面化処理する
際、溶湯供給ノズル先端での温度差を規定する方法(特
開平6−262308号公報)や、鋳造開始温度を規定
する方法(特開平7−40017号公報)を提案した。
【0007】また、一般的にアルミニウム溶湯から双ロ
ールで直接板状に連続鋳造圧延をする際には、一対の冷
却ロール(双ロール)表面にグラファイトを含む液をス
プレイで吹き付けることが知られている。(Light
Metal Age誌 1975年October号
p19記載) また、アルミニウム溶湯から双ロールで直接板状に連続
鋳造圧延する際に用いる溶湯供給ノズルに関しては、例
えばLight Metal Age誌 1975年O
ctober号の6頁に概略形状が記載されており、さ
らに詳細形状については特公昭52−23327号、特
開平2−290652号、特開平1−215441号、
特開昭62−248543号、特開昭61−1456
号、イギリス国特許GB2198976号、米国特許U
S4716956号、カナダ国特許CA619491号
等が公知の特許として知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述の種
々提案されている方法、及び先に提案した本出願人らの
製造方法を用いても、アルミニウム板の圧延方向に連続
的又は断続的に現出するスジ状の面質欠陥が発生するこ
とがある。これは、図10に示すように、冷却ロール表
面にスプレイで噴霧されたグラファイトを含む潤滑材が
溶湯供給ノズルの方に付着・蓄積し、特に厚く蓄積した
部分が溶湯供給ノズルから逆に冷却ロール4表面を部分
的にこすり、冷却ロール表面の潤滑材塗布が不均一11
を発生する。従って、連続鋳造板Pにもスジ状欠陥12
が形成されて不均一面になるという不具合を発生し、製
造得率が低下する問題があった。本発明の目的は、アル
ミニウム板の圧延方向に連続的又は断続的に出現するス
ジ状の面質欠陥の発生を抑制し、製造得率のすぐれた平
版印刷版用支持体を製造する方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、双ロール
連続鋳造装置を用いて鋳造の際に発生する不均一状態と
平版印刷版用アルミニウム支持体の面質欠陥の関係を鋭
意研究して来た結果本発明を見出したものである。即
ち、本発明の上記目的は、アルミニウムを溶解し、溶湯
供給ノズルから一対の冷却ロール間にアルミニウム溶湯
を供給し板状のアルミニウムを連続鋳造圧延した後、冷
間圧延、熱処理の何れか又は両方を1回以上行なって厚
さ0.1mm〜0.5mmのアルミニウム薄板を作り、
さらに矯正を行なったアルミニウム支持体を粗面化する
平版印刷版用支持体の製造方法において、溶湯供給ノズ
ルと冷却ロールとの間隔を0.1mm〜3.0mmの内
の所定の数値に維持して連続鋳造圧延する方法によって
達成される。
【0010】更に、この方法を実施する装置として、ア
ルミニウムを溶解し、溶湯供給ノズルから一対の冷却ロ
ール間にアルミニウム溶湯を供給して板状のアルミニウ
ムを連続鋳造圧延した後、冷間圧延、熱処理の何れか又
は両方を1回以上行なって厚さ0.1mm〜0.5mm
のアルミニウム薄板を作りさらに矯正を行なったアルミ
ニウム支持体を粗面化する平版印刷版用支持体の製造装
置であって、冷却ロールの軸方向両端部位置に前記溶湯
供給ノズル先端部から各ロール方向に延び、ノズル先端
部から高さ0.1mm〜5.0mm,幅5mm〜50m
mの突条部を設けた構成としている。
【0011】更に、溶湯供給ノズルに設けた各突条部の
各冷却ロールに対向する面に、該冷却ロールの回転方向
にほぼ沿って、少なくとも1本以上の溝を設けた構成と
することもできる。本発明において双ロールを用いてア
ルミニウム溶湯から直接板状に鋳造して薄板のコイルを
形成させる方法としては、ハンター法、3C法等の薄板
連続鋳造技術が実用化されている。
【0012】本発明の方法は、上述のような平版印刷版
用支持体の製造方法において、溶湯供給ノズルと冷却ロ
ール間のクリアランスを0.1mm以上の所定値に維持
することによって、冷却ロールと溶湯供給ノズルで必要
部分に関して接触を防ぐこととなる。つまり、冷却ロー
ル表面にスプレイで噴霧されたグラファイトを含む潤滑
材が溶湯供給ノズルの方に付着、蓄積し、特に厚く蓄積
した部分が取って返して冷却ロール表面を部分的にこす
り、冷却ロール表面の潤滑材塗布が不均一になり連続鋳
造板の不均一になるという不具合を防ぐものである。そ
してその方法を実現するためには、溶湯供給ノズルの剛
性を向上し、かつノズルの位置決め精度を出すことで鋳
造中の冷却ロールとのクリアランスを精度よく保つもの
が採用できる。
【0013】また、溶湯供給ノズルの冷却ロールと対向
する面において、冷却ロール軸方向両端部位置でのノズ
ルに高さ0.1〜5.0mm,幅5〜50mmの突条部
を設け、その突条部を冷却ロールに接触させることで、
溶湯供給ノズルの必要部分自体は非接触とし、冷却ロー
ルとのクリアランスを一定に保つ装置によって、より簡
易な構成によってクリアランスの維持をおこなうことが
できる。更には、突条部に冷却ロールの回転方向にほぼ
沿って、少なくとも1本の溝を設けた構成によって、冷
却ロールと接触する突条部において冷却ロールに塗られ
た潤滑材がその位置からしごき出されてノズルの非接触
部側に押し出され、更に流れ出すことを防ぐため、潤滑
材を逃がす作用を提供することもできる。上述の構成に
よって、圧延方向に連続的又は断続的に現出するスジ状
の面質欠陥を排除して、面質の良好な平版印刷版用支持
体を得率よく製造することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】図面を用いて本発明に係わるアル
ミニウム支持体の製造方法及び装置の実施形態について
更に具体的に説明する。図1は本発明に係わるアルミニ
ウム支持体の製造方法及び装置の全工程を示す概念図で
ある。図2(a),図3(a),図4(a)は本発明の
第一、第二、第三実施形態それぞれの要部である冷却ロ
ールとノズルの位置関係を示す断面図である。図2
(b),図3(b),図4(b)は図2(a),図3
(a),図4(a)それぞれに対応して、各図の矢印X
1,X2,X3の矢視図である。
【0015】溶解保持炉1は、Alインゴットや母合金
が溶解保持される。この溶解保持炉1から溶湯供給ノズ
ル3を通って双ロール連続鋳造機2に送られる。この
際、図2(a)等に示した冷却ロール4とノズル3の隙
間であるクリアランス6が一定になるようにする。連続
鋳造中は溶湯の圧力によるノズルの変形、及び熱膨張に
よるノズルの変形を考慮しなければならず、図2で示し
た第一実施形態は剛性の高いノズルを採用している。
【0016】又、図3で示した第二実施形態は、溶湯供
給ノズル3の冷却ロール4と対向する面において、冷却
ロール4の軸方向両端より50mm以内の位置でノズル
3に高さ0.1〜5.0mm,幅5〜50mmの突条部
31を設け、冷却ロール4とノズル3間のスペーサとし
ている。図3(b)からわかるように、冷却ロール4の
軸方向両端位置のノズル3に配置された突条部31の間
では非接触部32が形成され、クリアランス6として所
望の値を維持することになる。
【0017】図4においては第三実施形態を示してお
り、各突条部31の各冷却ロール4に対向する面に冷却
ロール4の回転方向にほぼ沿って溝33を設けて、潤滑
材の逃げ道を溶湯供給ノズル3に設けた構成とすること
ができる。図5、図6にはこの溝33の形態として、溶
湯供給ノズルを図4(a)に示した矢印Yの矢視図によ
って示している。図5では、溝33は冷却ロール4の回
転方向に完全に沿った状態で各突条部31に設けられて
いる。図6では、溝33は斜めに切ってあり、冷却ロー
ル4表面の潤滑剤の逃げ道を設け、各突条部31によっ
て押し退けられた潤滑剤が溶湯供給ノズル3の両サイド
に運ばれるようになっている。
【0018】コイラー5で巻取った後は引続いて図7、
図8、図9にそれぞれ示すように冷間圧延機8、熱処理
工程9、矯正装置10にかけてアルミニウム支持体を製
造する。以下に製造条件について更に詳しく説明する。
溶解保持炉1ではアルミニウムの融点以上の温度に保持
させる必要があり、その温度はアルミニウム合金成分に
よって適時変化する。一般に750℃以上である。ま
た、アルミニウム溶湯の酸化物発生の抑制、品質上有害
となるアルカリ金属の除却策として、適宜不活性ガスパ
ージ、フラックス処理等が行なわれる。
【0019】引き続き溶湯供給ノズルを経て、双ロール
連続鋳造機2のような鋳造機によって鋳造される。その
際溶湯供給ノズルと冷却ロールのクリアランスを0.1
mm以上に保つことで冷却ロールからの潤滑材付着を防
ぐ。このクリアランスはノズルの剛性によって適宜選定
され、また、潤滑材の塗布量によっても適宜選定される
必要がある。なぜなら冷却ロールに潤滑材が多量に塗布
されるとその塗布厚みによって見かけ上冷却ロールの直
径が大きくなりノズルと接触しやすくなるためである。
【0020】鋳造方式にはハンター法、3C法等があ
る。鋳造温度は方式、合金によって異なるが、700℃
付近が用いられる。ハンター法、3C法を採用した場
合、溶湯を凝固させると共に双ロール間で圧延加工を行
なうことができる。この様にして得られた板材を冷間圧
延機8によって、規定の厚みに圧延する。その際、結晶
粒の大きさをそろえるため、中間焼純等の熱処理工程9
を行い、更に冷間圧延機8をさし挟んで行ってもよい。
つぎに矯正装置10によって矯正を行ない、所定の平面
性を与え、アルミニウム支持体を作り、これを粗面化す
る。また、矯正は最後の冷間圧延に含めて行うこともあ
る。
【0021】本発明における平版印刷版用支持体の粗面
化の方法は機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗
面化及びそれらの組合わせ等各種用いられる。機械的な
砂目立て法としては、例えばボールグレイン、ワイヤー
グレイン、ブラッシグレイン、液体ホーニング法などが
ある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解
エッチング法が一般的に採用されており、電流として
は、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波など、特殊交
番電流が用いられている。またこの電気化学的砂目立て
の前処理として、苛性ソーダなどでエッチング処理をし
ても良い。
【0022】また電気化学的粗面化を行う場合、塩酸ま
たは硝酸主体の水溶液で交番電流によって粗面化される
のが良い。以下詳細に説明する。先ず、アルミニウム支
持体は、まずアルカリエッチングされる。好ましいアル
カリ剤は、苛性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸ソーダ、炭
酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、グルコン酸ソーダ等であ
る。濃度0.01〜20%、温度は20〜90℃、時間
は5sec〜5min間の範囲から選択されるのが適当
であり、好ましいエッチング量としては0.1〜5g/
2 である。
【0023】特に不純物の多い支持体の場合、0.01
〜1g/m2 が適当である。(特開平1−237197
号公報)。引き続き、アルカリエッチングしたアルミニ
ウム板の表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残
存するので、必要に応じてデスマット処理を行っても良
い。いずれの場合も、アルミニウム板の圧延方向に連続
的又は断続的に発生するスジ状の面質欠陥がある場合は
上記苛性ソーダなどによるエッチング処理を行った際に
スジ状の面質欠陥として現れる。
【0024】前処理は上記の通りであるが、引き続き、
本発明として塩酸、または硝酸を主体とする電解液中で
交流電解エッチングされる。交流電解電流の周波数とし
ては、0.1〜100Hz、より好ましくは0.1〜
1.0又は10〜60Hzである。液濃度としては、3
〜150g/リットル、より好ましくは5〜50g/リ
ットル、浴内のアルミニウムの溶解量としては50g/
リットル以下が適当であり、より好ましくは2〜20g
/リットルである。必要によって添加物を入れても良い
が、大量生産をする場合は、液濃度制御などが難しくな
る。また、電流密度は、5〜100A/dm2 が適当で
あるが、10〜80A/dm2 がより好ましい。また、
電源波形としては、求める品質、使用されるアルミニウ
ム支持体の成分によって適時選択されるが、特公昭56
−19280号、特公昭55−19191号各公報に記
載の特殊交番波形を用いるのがより好ましい。この様な
波形、液条件は、電気量とともに求める品質、使用され
るアルミニウム支持体の成分などによって適時選択され
る。
【0025】電解粗面化されたアルミニウムは、次にス
マット処理の一部としてアルカリ溶液に浸漬しスマット
を溶解する。アルカリ剤としては、苛性ソーダなど各種
あるが、pH10以上、温度25〜60℃、浸漬時間1
〜10secの極めて短時間で行うことが好ましい。
【0026】次に硫酸主体の液に浸漬する。硫酸の液条
件としては、従来より一段と低い濃度50〜400g/
リットル、温度25〜65℃が好ましい。硫酸の濃度を
400g/リットル以上、又は温度を65℃以上にする
と処理槽などの腐食が大きくなり、しかも、マンガンが
0.3%以上あるアルミニウム合金では、電気化学的に
粗面化された砂目が崩れてしまう。また、アルミニウム
素地の溶解量か0.2/m2 以上エッチングされると、
耐刷力が低下して来るので、0.2g/m2 以下にする
ことが好ましい。
【0027】陽極酸化皮膜は、0.1〜10g/m2
より好ましくは0.3〜5g/m2を表面に形成するの
が良い。陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によ
って種々変化するので一概には決定されないが、一般的
には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70℃、
電流密度0.5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、
電解時間1秒〜5分の範囲が適当である。
【0028】このようにして得られた陽極酸化皮膜を持
つ砂目のアルミニウム板はそれ自身安定で親水性に優れ
たものであるから、直ちに感光性塗膜を上に設ける事も
出来るが、必要により更に表面処理を施す事が出来る。
たとえば、先に記載したアルカリ金属珪酸塩によるシリ
ケート層あるいは、親水性高分子化合物よりなる下塗層
を設けることができる。下塗層の塗布量は5〜150m
g/m2 が好ましい。次に、このように処理したアルミ
ニウム支持体上に感光性塗膜を設け、画像露光、現像し
て製版した後に、印刷機にセットし、印刷を開始する。
【0029】
【実施例】
〔実施例−1,−2,−3,比較例−1)図1に示した
連続鋳造装置を用い溶解保持したアルミニウム溶湯を溶
湯供給ノズル3から双ロール連続鋳造機2に供給し厚さ
約7mm、幅200mmの板を連続鋳造した。この際、
鋳造前状態の冷却ロールとノズルのクリアランスが鋳造
中には熱変形と溶湯の圧力のために狭くなるため、まず
鋳造前のクリアランスに対する鋳造中の冷却ロールとノ
ズルとの接触有無を調べて鋳造中のクリアランス=ゼロ
の条件を求めた。その条件を基準にして冷却ロールとノ
ズルとのクリアランス設定を行い実施例、比較例を作成
した。
【0030】ここで出来た幅200mm厚さ約7mmの
板についてスジムラの発生を調べた。同時に鋳造終了後
に装置から取外した溶湯供給ノズルを観察し、潤滑材付
着状況を調べた。引続き鋳造板を冷間圧延で1.5mm
厚まで圧延し、480℃10時間の熱処理を行ない、さ
らに冷間圧延で0.3mm厚に仕上げ矯正を行なった。
このようにして出来たアルミニウム板を用い、圧延方向
のスジ発生有無を調べるため、15%苛性ソーダ水溶液
で、エッチング量が5g/m2 になる様に温度50℃で
エッチングし、スジ発生状況を確認した。結果は表1に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1のように、鋳造中の冷却ロールと溶湯
供給ノズルのクリアランスを0.1mm〜3.0mmの
範囲にすることで溶湯供給ノズルへの潤滑材過剰付着を
防ぎ、スジ発生を防止できた。
【0033】〔実施例−4,−5,比較例−2)幅方向
両端部から10mmの位置に高さ1mm,幅10mmの
突状部を設けた図3に示す溶湯供給ノズルを用い突条部
を冷却ロールに接触させて幅200mm厚さ7mmの板
を鋳造し、実施例−4の試料をつくった。また、突条部
の高さを1mmとし、かつ突条部に深さ0.5mmの溝
を図6のように斜めのカットで構成した溶湯供給ノズル
を用い、溝付き突条部を冷却ロールに接触させて幅20
0mm厚さ7mmの板を鋳造し実施例−5の試料をつく
った。突条部を持たない溶湯供給ノズルを用い、鋳造開
始前の状態で冷却ロールとのクリアランスを1mmあけ
て幅200mm厚さ7mmの板を鋳造し比較例−2の試
料をつくった。以上の試料を用いて実施例−1,−2,
−3、比較例−1と同じ評価を行なった。結果は表2の
ようになった比較例−1は鋳造開始前のクリアランスは
1mmであったが、鋳造中にはクリアランス0になって
いた。
【0034】
【表2】
【0035】表2のように突条部を設けた溶湯供給ノズ
ルは突条部近傍を除き潤滑材過剰付着を防ぎスジ発生を
防止できた。また、突条部に溝を設けた溶湯供給ノズル
は突条部での潤滑材の逃げ道があるため、突条部近傍を
含めて潤滑材過剰付着を防ぎ、スジ発生を防止できた。
溝形状は突条部上の過剰な潤滑材を逃がす効果があれば
本実施例は図4,図5,図6の形状に限定されない。上
記のように、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法に
よって製造された平版印刷版は、アルミニウム板の圧延
方向に連続的又は断続的に発生するスジ状の面質欠陥を
排除して面質の良好な平版印刷版用アルミニウム支持体
を製造できる。
【0036】更にアルミニウム支持体の製造工程が安定
し合理化されたことによる原材料コストの低減の効果も
大きく、特に平版印刷版用支持体の品質向上及びコスト
低減に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の連続
鋳造工程の一実施例の工程の概略図。
【図2】(a)本発明の第一実施形態の要部である冷却
ロールと溶湯供給ノズルの位置関係を示す断面図。 (b)図2(a)の矢印X1の矢視図。
【図3】(a)本発明の第二実施形態の要部である冷却
ロールと溶湯供給ノズルの位置関係を示す断面図。 (b)図3(a)の矢印X2の矢視図。
【図4】(a)本発明の第三実施形態の要部である冷却
ロールと溶湯供給ノズルの位置関係を示す断面図。 (b)図4(a)の矢印X3の矢視図。
【図5】溝の一実施形態を示し、図4の矢印Yから見た
溶湯供給ノズルの矢視図。
【図6】溝の他の実施形態を示し、図4の矢印Yから見
た溶湯供給ノズルの矢視図。
【図7】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の冷間
圧延工程の概略図。
【図8】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の熱処
理工程の概略図。
【図9】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の矯正
装置の概略図。
【図10】圧延方向に連続的又は断続的にスジ状の欠陥
が発生する状況を示す図。
【符号の説明】
1 溶解保持炉 2 双ロール連続鋳造機 3 溶湯供給ノズル 31 突条部 32 非接触部 33 溝部 4 冷却ロール 5 コイラー 6 クリアランス 7 潤滑材供給スプレー 8 冷間圧延機 9 熱処理工程 10 矯正装置 11 冷却ロール上の潤滑材塗布不均一部 12 連続鋳造板上の面質欠陥部(スジ状)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを溶解し、溶湯供給ノズル
    から一対の冷却ロール間にアルミニウム溶湯を供給して
    板状のアルミニウムを連続鋳造圧延した後、冷間圧延、
    熱処理の何れか又は両方を1回以上行なって厚さ0.1
    mm〜0.5mmのアルミニウム薄板を作り、さらに矯
    正を行なったアルミニウム支持体を粗面化する平版印刷
    版用支持体の製造方法において、 前記溶湯供給ノズルと前記冷却ロールとの間隔を0.1
    mm〜3.0mmの内の所定の数値に維持して連続鋳造
    圧延することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アルミニウムを溶解し、溶湯供給ノズル
    から一対の冷却ロール間にアルミニウム溶湯を供給して
    板状のアルミニウムを連続鋳造圧延した後、冷間圧延、
    熱処理の何れか又は両方を1回以上行なって厚さ0.1
    mm〜0.5mmのアルミニウム薄板を作りさらに矯正
    を行なったアルミニウム支持体を粗面化する平版印刷版
    用支持体の製造装置において、 前記冷却ロールの軸方向両端部位置に前記溶湯供給ノズ
    ル先端部から各ロール方向に延び、ノズル先端部から高
    さ0.1mm〜5.0mm,幅5mm〜50mmの突条
    部を設けたことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記溶湯供給ノズルに設けた前記突条部
    の前記各冷却ロールに対向する面に、該冷却ロールの回
    転方向にほぼ沿って少なくとも1本の溝を設けたことを
    特徴とする請求項2に記載の平版印刷版用支持体の製造
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103658179A (zh) * 2013-11-30 2014-03-26 邹平齐星工业铝材有限公司 铝铸轧方法

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