JP3645863B2 - 樹脂押出成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両や建築物に装着される長尺状の樹脂押出成形品に関し、詳しくは、固形充填材を混入した熱可塑性樹脂主体の成形材料から成る樹脂押出成形品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂材料を押出成形することによって得られる長尺状の成形品(以下「樹脂押出成形品」という。)は、種々の用途の装飾材或いは構造材として自動車等の車両や建築物に用いられている。
そのような樹脂押出成形品は、一般に、長尺状の樹脂成形体から成る本体部(構造上の主体となる部分をいう。以下同じ。)と、用途に応じた形状で本体部表面に形成された付属部とから構成されている。例えば、車両に装着される各種装飾モールディングやウェザーストリップのなかには長尺状本体部の外表面に耐候性のよいカバー(表皮)層を備えたものがある。また、車両用ウェザーストリップの一種であるドアガラスランには、移動する窓ガラスと接して摺動する柔軟なシールリップの接触部が長尺状本体部の一部に付属部として形成されている。
かかる付属部のうち、本体部の外側に長手方向に形成される樹脂製付属部(例えば上記カバー層やシールリップ)は、いわゆる共押出しや多段押出しによって本体部と一体的に形成される。例えば、特開2000−327848号公報には、オレフィン系熱可塑性エラストマーから成る本体部の一部に、柔軟性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーから成る付属部(リップ)を共押出しによって形成した車両用ウェザーストリップが記載されている。
【0003】
近年、省資源・リサイクルの観点から或いは樹脂成形体の強度向上の観点から、木粉、タルク、ガラス繊維等の粉状(粒状を含む)及び/又は繊維状の固形充填材を比較的高率に含有する樹脂押出成形品が製造され使用されている。かかる樹脂押出成形品は、マトリックス成分たる熱可塑性樹脂に、粉状及び/又は繊維状の固形充填材を混入して成る樹脂成形材料を押出成形することによって製造される。
【0004】
ところで、図15に示すように、粉状及び/又は繊維状の固形充填材5を含有する成形材料を用いて通常の押出成形により得られた樹脂成形体1では、その固形充填材5の含有率が高くなるほど当該固形充填材5が表面に突出し、結果、マトリックス(樹脂)成分4が希薄である粗い表面1aが形成される傾向にある。かかる表面1aが粗化した樹脂成形体においては、次のような不具合があった。すなわち、かかる表面粗化の樹脂成形体を本体部とし、その表面に熱可塑性樹脂から成る付属部を一体的に形成しようとする場合、当該表面が粗であるために一般的な熱溶着のみでは十分な強度の接合ないし固着が得られない場合があった。このため、付属部の剥離防止を確実にするには接着剤の塗布等の接合補強手段を別途講じる必要があった。しかし、そのような接合補強手段を講じることは、当該本体部及び付属部から成る樹脂押出成形品の製造コスト高や生産効率低下の要因になるため好ましくない。また、粗化した表面に比較的薄く表面が平滑な付属部(カバー層等)を一体的に形成しようとする場合、当該粗化表面の凹凸が反映されてカバー層の表面までもが粗い面となる虞があり好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような固形充填材を含有する樹脂押出成形品に関する課題を解決すべく創出されたものであり、その目的とするところは、固形充填材の含有率が比較的高率であっても表面が平滑な樹脂成形体を製造することであり、かかる固形充填材を高率に含有する樹脂成形体の平滑表面に高い接合力で所望する形状の付属部を形成して成る樹脂押出成形品を提供することである。また、他の目的は、そのような樹脂押出成形品を好ましく製造し得る製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記課題を解決すべく提供される請求項1の発明は、熱可塑性樹脂をマトリックスとする樹脂押出成形品であって、長尺状の本体部と、その本体部の外側に長手方向に形成された一又は二以上の付属部とを備えている。その本体部は粉状及び/又は繊維状の固形充填材と熱可塑性樹脂とを主体とする本体部成形材料から構成されている。そして、少なくとも表面の一部は該固形充填材の突出を抑えて熱可塑性樹脂に富む平滑面を有している。一方、付属部は前記本体部とは異なる組成であり、前記本体部と一体化した状態で該本体部の外側に形成されている。
ここで前記本体部は、オリフィスを有するダイと、該オリフィスに連通し内壁面が平滑に形成された成形材料流路を有するサイジング装置と、を用いて成形されたものである。前記成形材料流路は、本体部の横断面形状と略同一の横断面形状に形成された整形流路部と、前記オリフィスと整形流路部との間に配置されるとともに該整形流路部に向かって横断面積が拡大していく拡大流路部とを備える。そして、前記本体部は、前記オリフィスから押し出されてきた溶融状態の本体部成形材料を前記拡大流路部の内壁面に圧接させつつ該内壁面に接する表面側から固化させていくことにより該内壁面を転写して平滑な表面が形成され、且つ、前記サイジング装置の下流側に配置された引抜装置によって前記ダイ内部の溶融した状態の本体部成形材料の圧力が所定のレベルに維持されるように前記サイジング装置から排出される本体部に相当する樹脂成形体に引抜力を与えてその排出速度を調節した押出により成形されて成る。
なお、本明細書において「熱可塑性樹脂」とは、熱可塑性を示す合成樹脂、ゴム及びエラストマーを包含する用語である。
また、本明細書において「固形充填材」とは、それを含む成形材料の主成分(マトリックス成分)たる熱可塑性樹脂が溶融し得る温度域(即ち押出成形の際に常用される温度域)において、溶けたり分解したりせず固体状態を保ち得る充填材をいう。
【0007】
かかる構成の樹脂押出成形品は、固形充填材を含有するにも拘わらず、本体部の表面に平滑な面が形成されている。この平滑面では固形充填材の突出(露出)が抑えられている結果、従来の粗化表面よりもマトリックス(樹脂)成分に富んでいる。即ち、樹脂成分の存在比率が従来の粗化表面よりも高い。このことにより、固形充填材を高率に含有するにも拘わらず、付属部に対する本体部の樹脂接触面積が十分に確保される。
従って、請求項1の樹脂押出成形品によると、高率に固形充填材を含有させられることと、所望する形状の付属部(例えば上記カバー層やリップ)を高い接合強度で本体部の外側に形成することとを共に実現することができる。すなわち、本発明の樹脂押出成形品は、見栄えと質感に優れるとともに省資源・リサイクルに資する樹脂押出成形品である。さらに、安価な固形充填材を使用すればコストダウンを図ることができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の樹脂押出成形品において、前記付属部の少なくとも一つは前記固形充填材を実質的に含有しないか若しくはその含有率が前記本体部よりも低いことを特徴とした樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項2の樹脂押出成形品によると、請求項1の発明の効果に加えて、美観に優れた平滑な表面を有する付属部が提供されるという効果が得られる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の樹脂押出成形品において、前記付属部の少なくとも一つが前記本体部を構成する熱可塑性樹脂よりも軟質の熱可塑性樹脂から構成された樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項3の樹脂押出成形品によると、請求項1又は2の発明の効果に加えて、本体部よりも柔軟性に優れた付属部が提供されるという効果が得られる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載の樹脂押出成形品において、前記付属部の少なくとも一つが前記本体部の表面の少なくとも一部を長手方向に被覆するカバー層を形成している樹脂押出成形品である。
かかる構成の樹脂押出成形品では、固形充填材を含有する樹脂成形体(本体部)の表面の特性及び/又は質感を上記カバー層によって改変することができる。すなわち、樹脂成形体の表面の物理的特性や質感はそこに含有される固形充填材の材質や含有量に影響され得るところ、上記カバー層を形成することで樹脂押出成形品の表面の特性や質感を上記カバー層のものに置き換えることができる。
このため、例えば高吸水性の木粉を多量に含む本体部であっても、吸水性の低いカバー層を当該本体部の表面に形成することにより、樹脂押出成形品(本体部)自体の吸水(早期劣化、腐食の原因となり得る)を未然に防止することができる。また、彩色や模様を施したカバー層を形成することにより、樹脂押出成形品の装飾性を高めることができる。また、カバー層の形成によって樹脂押出成形品の靭性を向上させることも可能である。
従って、請求項4の樹脂押出成形品によると、請求項1〜3のいずれか一の発明の効果に加えて、用途に応じた表面特性及び/又は装飾性を実現し得るという効果が得られる。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の樹脂押出成形品において、前記カバー層の表面に凹凸模様(典型的にはシボ又はエンボス)が施されている樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項5の樹脂押出成形品によると、請求項4の発明の効果に加えて更に表面の装飾性を高めるという効果が得られる。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載の樹脂押出成形品において、前記付属部の少なくとも一つが前記本体部から突出した突条形状に形成されている樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項6の樹脂押出成形品によると、高い接合強度で突状付属部が形成されている結果、請求項1〜5のいずれか一の発明の効果に加えて、機械的強度の高い突状付属部(上記リップ等)が提供されるという効果が得られる。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載の樹脂押出成形品において、前記本体部と接して形成された付属部の表面に更に他の付属部が重ねて形成されている樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項7の樹脂押出成形品によると、請求項1〜6のいずれか一の発明の効果に加えて、用途に応じて複数の付属部を備えた多機能な樹脂押出成形品が提供されるという効果が得られる。例えば、本構成の樹脂押出成形品の好適例として、カバー層とリップとが重ねて形成された車両用ウェザーストリップ(ドアガラスラン等)が挙げられる。かかる樹脂押出成形品は、固形充填材が高率で含有されて成る高強度の本体部に加えてカバー層による装飾性とリップによるシール性とを兼備することができる。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載の樹脂押出成形品において、前記本体部及び付属部をそれぞれ構成する熱可塑性樹脂が相互に相溶性を有している樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項8の樹脂押出成形品によると、請求項1〜7のいずれか一の発明の効果に加えて、熱溶着によって強固に接合された本体部と付属部とが容易に提供されるという効果が得られる。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一に記載の樹脂押出成形品において、前記本体部を構成する熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であり、前記付属部を構成する熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマーである樹脂押出成形品である。
かかる構成の請求項9の樹脂押出成形品によると、請求項1〜8のいずれか一の発明の効果に加えて、リサイクル性が容易であるという効果が得られる。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一の樹脂押出成形品において、前記本体部に含有される固形充填材がセラミック粉、カーボン粉、植物粉(木粉等)、セラミックファイバー、カーボンファイバー及び植物ファイバーから成る群から選択される一種又は二種以上であり、本体部における該固形充填材の含有率は5〜95質量%である樹脂押出成形品である。
かかる構成の樹脂押出成形品では、本体部に固形充填材を上記比率で含有させることにより、樹脂成形材料の使用を低減すると共に本体部自体の機械的強度の向上が図られている。従って、請求項10の樹脂押出成形品によると、請求項1〜9のいずれか一の発明の効果に加えて、よりいっそうのコストダウンが実現されるという効果が得られる。
【0017】
また、本発明によると、上述した本発明の樹脂押出成形品を好適に製造する方法が提供される。
すなわち、請求項11の発明は、長尺状の本体部とその本体部の長手方向に形成された一又は二以上の付属部とを備えた樹脂押出成形品を製造する方法であって、以下の(a)工程及び(b)工程を包含する。すなわち、(a)工程は、粉状及び/又は繊維状の固形充填材と熱可塑性樹脂とを主体にする本体部成形材料を用いた押出によって、該固形充填材の突出を抑えて熱可塑性樹脂に富む平滑な表面を有する本体部を成形する工程である。ここで該工程は、押出機と、本体部の横断面形状よりも小さい開口形状のオリフィスを有する第1のダイと、サイジング装置とが連結された押出成形装置を用いて行われる。また、該オリフィスに連通するサイジング装置の成形材料流路は、その内壁面が平滑に形成され、本体部の横断面形状と略同一の横断面形状に形成された整形流路部と、前記オリフィスと整形流路部との間に配置されるとともに該整形流路部に向かって横断面積が拡大していく拡大流路部とを備えている。そして、前記オリフィスから押し出されてきた溶融状態の本体部成形材料を前記拡大流路部の内壁面に圧接させつつ該内壁面に接する表面側から固化させていき、ここで前記拡大流路部を通過するときに前記内壁面を転写して平滑な表面が形成され、且つ、前記整形流路部を通過する迄には所望する横断面形状の本体部が成形されるようにして該押出が実施される。また、前記サイジング装置の下流側に引抜装置を配置し、その引抜装置によって前記サイジング装置から排出される本体部に相当する樹脂成形体に引抜力を与えてその排出速度を前記ダイ内部の溶融した状態の本体部成形材料の圧力が所定のレベルに維持されるように調節する。
一方、(b)工程は、前記サイジング装置から排出された本体部に相当する樹脂成形体と、熱可塑性樹脂を主体とする付属部成形材料とを所定の開口形状のオリフィスを有する第2のダイに供給し、表面の少なくとも一部に溶融状態の付属部成形材料が付与(典型的には固着)された状態の該樹脂成形体を第2のダイのオリフィスから押出すことによって、本体部の表面上に所定の横断面形状の付属部を一体化した状態で形成する工程である。
【0018】
かかる構成の樹脂押出成形品製造方法では、第1のダイと上記拡大流路部及び整形流路部を有するサイジング装置とを連結した押出成形装置を用いて上述のように(a)工程を実施することにより、表面平滑な樹脂成形体(本体部)を形成することができる。(a)工程で得られる平滑面は固形充填材の突出(露出)が抑えられている結果、上記従来の粗化表面よりもマトリックス成分に富んでいる。このことにより、固形充填材を高率に含有するにも拘わらず、付属部に対する本体部の樹脂接触面積が十分に確保されている。また、前記排出速度を前記ダイ内部の溶融した状態の本体部成形材料の圧力が所定のレベルに維持されるように調節することにより、押出機の吐出量の変動が発生した際にも平滑な表面を有する樹脂押出成形品(本体部)を製造するのに好適な圧力レベルを維持しつつ成形材料の流れを安定化させることができる。そして(b)工程において、樹脂接触面積が十分に確保された本体部の平滑面上に所望する形状の付属部を形成することができる。
従って、請求項11の製造方法によると、高率に固形充填材を含有させることと、所望する形状の付属部(例えば上記カバー層やリップ)を高い接合強度で本体部の外側に形成することとを共に実現した樹脂押出成形品(即ち上述の本発明に係る樹脂押出成形品)を製造することができる。
【0019】
また、請求項12の発明は、請求項11の樹脂押出成形品製造方法において、前記サイジング装置の下流側に引抜装置を配置し、その引抜装置によって前記サイジング装置から排出される樹脂成形体に引抜力を与えてその排出速度を調節することを包含する方法である。
かかる構成の製造方法では、上記引抜装置を稼動させることによって、サイジング装置内を移動する成形材料(即ち固化途上にある長尺成形体)に対して引張り力(引抜力)が加えられる。かかる引張り力は流路部内を移動する本体部成形材料の流路内壁面との摩擦力に抗して固化した表層部分に伝達されることとなり、当該表層部分を拡大流路部の内壁面から引き剥がす力として作用する。引張り方向(即ち押出方向)と拡大流路部の内壁面形成方向とが非平行で交差する関係にあるからである。このため、例えば押出機からの成形材料の吐出量を増大させてもサイジング装置の成形材料流路内で詰まったりせずに固化途上の材料をスムーズに移動させることができる。
従って、請求項12の製造方法によると、請求項11の発明の効果に加えて、樹脂成形体(本体部)のスムーズな排出(引抜き)が実現され、高い生産性で所望する形状の樹脂押出成形品を製造し得るという効果を有する。
【0021】
また、請求項12の発明は、請求項11の樹脂押出成形品製造方法において、前記拡大流路部が上記第1のダイのオリフィスの軸芯方向に対して0.2〜10°の角度を有して拡大するように形成されている方法である。
かかる構成の製造方法では、拡大流路部の内壁面に圧接される成形材料の圧力を好適なレベルに維持しつつ当該成形材料の押出しが行われる。このため、請求項12の製造方法によると、請求項11の発明の効果に加えて、平滑な表面を有する本体部を安定的に製造するという効果を有する。
【0022】
また、請求項13の発明は、請求項11又は12の樹脂押出成形品製造方法において、前記拡大流路部が前記第1のダイのオリフィスの開口形状に対して略相似的形状を維持しつつ前記整形流路部に向かって横断面積が次第に拡大していることを特徴とする方法である。
かかる構成の製造方法では、拡大流路部の内壁面に圧接される成形材料の圧力を拡大流路部のほぼ全域において好適なレベルに維持することができる。このため、請求項13の製造方法によると、請求項11又は12の発明の効果に加えて、表面全体が高度に平滑である本体部を一層容易に製造し得るという効果が得られる。
【0023】
また、請求項14の発明は、請求項11〜13のいずれか一の樹脂押出成形品製造方法において、前記(a)工程で得られた本体部の表面の少なくとも一部分であって前記付属部成形材料から成る付属部が形成される領域を包含する部分に、本体部と付属部とを一体的に接合するためのプライマーを付与する工程が行われる方法である。
かかる構成の請求項14の製造方法によると、請求項11〜13のいずれか一の発明の効果に加えて、本体部と付属部との接合をより一層強固なものとすることができるという効果が得られる。特に相互に非相溶性である熱可塑性樹脂を主体とする本体部と付属部との接合強度を向上させることができる。
【0024】
また、請求項15の発明は、請求項11〜14のいずれか一の樹脂押出成形品製造方法において、前記(b)工程で得られた本体部及び付属部から成る樹脂成形体について更に以下の押出工程、すなわち、該樹脂成形体と熱可塑性樹脂を主体とする付属部成形材料とを、所定の開口形状のオリフィスを有する別のダイに供給し、表面の少なくとも一部に溶融状態の付属部成形材料が付与された状態の樹脂成形体を該ダイのオリフィスから押出す工程、を一回又は複数回行うことによって、本体部の外側に本体部とは組成の異なる二以上の付属部を段階的に形成する方法である。
かかる構成の製造方法によると、上記追加の押出工程を行うことにより、本体部の外側に異なる二以上の付属部を連続的に形成することができる。このため、請求項15の製造方法によると、請求項11〜14の発明の効果に加えて、性状の異なる二以上の付属部が一体に形成されて成る多機能性及び/又は高機能性の樹脂押出成形品を製造し得るという効果を有する。
【0025】
また、請求項16の発明は、請求項11〜15のいずれか一の樹脂押出成形品製造方法において、前記(b)工程及び/又は前記押出工程において前記溶融状態の付属部成形材料が前記樹脂成形体の表面に付与される前に、その付属部成形材料が熱溶着可能な温度域であって前記本体部内部の固化状態が保持され得る温度域まで該樹脂成形体の表面を加熱する処理が少なくとも一回行われる方法である。
かかる構成の製造方法では、上記加熱によって、本体部を構成する樹脂と付属部を構成する樹脂との接合が容易となる。このため、請求項16の製造方法によると、請求項11〜15の発明の効果に加えて、本体部と付属部との接合をより一層強固なものとし得るという効果が得られる。
【0026】
また、本発明の製造方法として好ましい他の一つの方法は、請求項11〜16のいずれか一の樹脂押出成形品製造方法において、前記付属部の表面の少なくとも一部に凹凸模様を施す工程が行われる方法である。
かかる構成の製造方法によると、請求項11〜16の発明の効果に加えて、所望する凹凸模様(典型的にはシボ又はエンボス)が形成され、表面の装飾性が高められた樹脂押出成形品を製造し得るという効果が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば本発明に係る樹脂押出成形品の構造上及び/又は組成上の特徴)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば多段押出に関する一般的な事項)は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0028】
本発明の樹脂押出成形品は、長尺状の本体部と、その本体部の外側に長手方向に形成された一又は二以上の付属部とを有しておればよく、その他のエレメントの有無や部分的構造に関して特に制限はない。例えば、本体部又は付属部の外形や横断面形状は、用途や被装着物(装着部位)の形状によって決定され得る設計事項であり、特に制限はない。
【0029】
本体部は、マトリックス成分となる種々の熱可塑性樹脂と粉状(粒状を含む)及び/又は繊維状の固形物充填材とを主体として構成された成形材料から形成される。特に限定するものではないが、かかる熱可塑性樹脂の好適例としては、比較的硬質のポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
環境に対する配慮から塩素等のハロゲンを含まない樹脂が好ましく、リサイクル性等の観点からポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が特に好ましい。また、種々の熱可塑性エラストマーを熱可塑性樹脂として好適に使用することもできる。リサイクル性等の観点から例えばハードセグメントがオレフィン系樹脂であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が好ましい。
【0030】
一方、本体部の外側に設ける付属部の組成は用途に応じて適宜異なり得るものであり、特に限定されるものではない。例えば、付属部が車両用ウェザーストリップ(ガラスラン材等)およびモールディング(ルーフモール等)の表面を被覆するカバー層やガラス、パネル等に接触する摺動用リップのようなものである場合、本体部を構成する熱可塑性樹脂よりも柔軟な軟質樹脂を主体とする成形材料を用いるとよい。軟質PVCや種々の熱可塑性エラストマーがそのような付属部を構成するマトリックス成分たる熱可塑性樹脂として好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)等が挙げられ、特にコスト安、成形容易性、リサイクル性の点からTPOが特に好ましい。スポンジゴム等も適用可能である。
【0031】
また、高い接合強度を容易に実現できるという観点から、本体部を構成する樹脂成分と同一の樹脂成分または高い相溶性を有する樹脂成分を主体とする成形材料の使用が好ましい。例えば本体部成形材料としてオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)をマトリックス成分とするものを用いる場合、付属部(例えば上記カバー層やリップ)を形成するための成形材料としては同一のオレフィン系樹脂(ポリプロピレン等)又は性状が近似するオレフィン系樹脂や熱可塑性エラストマーを主体とする成形材料が好適である。
【0032】
本体部成形材料及び必要に応じて付属部成形材料に加えられる粉状及び/又は繊維状固形充填材は、安定した物性を有するもの(典型的には従来から充填材として使用されているもの)であれば特に制限なく使用することができる。なお、ここで粉状とは、樹脂成形や強度保持に支障のない程度に細かい塊状物(繊維状の細長いものを除く)を指す用語であり、特定の粒径のものや形状に限定されない。例えば、細かい板状、棒状、球状、粒状又は中空状の破砕物はいずれも本明細書における粉状固形充填材の範疇に包含される。
【0033】
本発明の実施にあたって好適な固形充填材として、セラミック粉(タルク等の種々の無機化合物粉を包含する。以下同じ。)、カーボン粉、木粉、セラミックファイバー、カーボンファイバーが例示される。あるいは、鉄粉等の金属粉や植物等(例えば木綿)から成る繊維状有機物粉であってもよい。好ましいセラミック粉としては、酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩等の粉状物(典型的には粒径1〜1000μm)が挙げられる。ケイ酸塩としてはタルク、クレー、マイカ、ガラスビーズ等があり、強度向上の観点から特にタルクが好ましい。酸化物としてはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、軽石等が挙げられる。炭酸塩としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、セラミックファイバーの好適例としては、直径が0.1〜500μm程度のガラスファイバー、ボロンファイバー、炭化ケイ素ファイバーが挙げられ、ガラスファイバーが特に好ましい。
【0034】
本体部成形材料或いは付属部成形材料における固形充填材の含有量(率)は、用いる充填材の種類および最終的に得られた樹脂押出成形品の用途に応じて異なり得る。典型的には、本発明の製造方法によると、固形充填材の含有率が30質量%以上(例えば30〜50質量%)、好ましくは40質量%以上(例えば40〜60質量%)である表面平滑な本体部を有する樹脂押出成形品を製造することができる。
また、本体部成形材料及び付属部成形材料には、熱可塑性樹脂、固形充填材の他に、種々の補助成分を含有させることができる。かかる補助成分としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、難燃剤等が挙げられる。
【0035】
本体部成形材料及び付属部成形材料は、特別な操作を行うことなく従来公知の種々の方法によって調製することができる。
【0036】
次に、本発明に係る樹脂押出成形品を製造する好適な一実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、本実施形態に係る押出製造ライン(多段押出成形装置)の概要を示す説明図である。
本実施形態では、図4に示すような、横断面ブリッジ状の本体部102と、その表面に形成された第1の付属部に相当するカバー層104と、その表面に形成された第2の付属部に相当するリップ106とから成る樹脂押出成形品(即ち建材の一種である外装用胴差し材)100を製造する場合を説明する。
本体部102は、好ましくは、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂(典型的には40〜60質量%)と木粉等の粉状固形充填材(典型的には60〜40質量%)とから成る成形材料から形成される。特に制限するものではないが、粉状の固形充填材としては、平均粒径1〜1000μm程度のものを用いるのが好ましい。また、カバー層104は、好ましくは、ポリプロピレン樹脂を主体とする成形材料から形成される。リップ106は、好ましくは、軟質のTPO(例えばPP+EPDM)を主体とする成形材料から形成される。
便宜上、以下の説明では本体部のみならず本体部を構成する成形材料そのものに言及する場合にも、溶融状態又は固化状態を問わず本体部(樹脂成形体)と同一の符号を付与するものとする。各付属部についても同様である。
【0037】
図1に示すように、本製造ラインの上流側には、押出機10と該押出機10の先端に連結された第1のダイ20及びサイジング装置30が備えられている。かかる押出機10(以下「第1押出機10」という。)と第1のダイ20とサイジング装置30は、上述した(a)工程を行うための押出成形装置を構成するユニット(以下「本体部成形用ユニット」という。)であり、上記本体部102を押出成形する。
【0038】
サイジング装置30の下流側には、別の押出機(以下「第2押出機40」という。)と連結した第2のダイ46が配置される。第2押出機40は、第1押出機10と同様、ホッパ41とその材料を溶融しつつ先端方向に送出する加熱シリンダ42とが備えられている。
これらは上述した(b)工程を行うための押出成形装置を構成するユニット(以下「第1付属部成形用ユニット」という。)であり、本体部102の外側にカバー層104を押出成形する。
【0039】
さらに、その下流側には、別の押出機(以下「第3押出機50」という。)と連結した第3のダイ56が配置される。第3押出機50は、第1及び第2押出機10,40と同様、ホッパ51とその材料を溶融しつつ先端方向に送出する加熱シリンダ52とが備えられている。
これらは(b)工程の後に行われる追加の押出工程を実施するための押出成形装置を構成するユニット(以下「第2付属部成形用ユニット」という。)であり、カバー層104の外側に更にリップ106を押出成形する。
なお、第2付属部成形用ユニットは、樹脂押出成形品の本体部102の外側に二つめの付属部(ここではリップ106)を形成する場合に使用する構成ユニットであり、本体部102の外側に一の付属部(ここではカバー層104)のみ形成する場合には、当該構成ユニットを設けなくてもよい。一方、第2付属部成形用ユニットと同様の構成のユニットを複数、タンデムに下流側に配設することにより、樹脂押出成形品の本体部外側に第三、第四或いはそれ以上の付属部を逐次形成することが可能となる。
【0040】
さらに、第3のダイ56の下流側には、本発明の実施における好適な付加的装置として、引抜装置60、冷却装置65、引取装置70及び切断装置68等が備えられている。これら付加的装置群については後述する。
【0041】
先ず、本体部成形用ユニットについて説明する。
第1押出機10は、一般的な単軸押出機であり、上記したペレットその他の形状の本体部成形材料102を供給するホッパ11とその材料を溶融しつつ先端方向に送出する加熱シリンダ12とが備えられている。加熱シリンダ12の先端12aには、第1のダイ20が取り付けられている。
【0042】
図2に示すように、このダイ20の内部には、シリンダ12の流路14に連通する流路22が形成されている。流路22の後半部分(下流側)は、前半部分(上流側)よりも径の小さいランド部26を構成している。そのランド部26の先端には、成形材料を排出する開放口即ちオリフィス27が形成されている。このオリフィス27の形状は、本体部102の横断面形状(図4)よりも小さく且つ相似形状となるように形成されている。また、流路22(少なくともランド部26)の内壁面24は、平滑な面となっていることが好ましい。
一方、ダイ20の外面及び本体内部には、流路22,26を流れる成形材料を加熱するためのバンドヒータ23及びパイプヒータ21がそれぞれ設けられている。また、サイジング装置30と接触する面(典型的にはオリフィス27周囲)には断熱部(本実施形態では非接触の空間部)28が設けられている。本実施形態に係る第1のダイ20では、かかるバンドヒータ23によって、流路22,26を含むダイ20全体を加熱することができる。さらに、パイプヒータ21及び断熱部28によって、連結するサイジング装置30によりダイ20の熱が奪われて溶融樹脂の粘度が上がったり固化するのを防止してランド部26及びオリフィス27周辺を所望する適温の溶融状態に保つことができる。
【0043】
図2に示すように、サイジング装置30の内側には、オリフィス27に連通する成形材料流路31が形成されている。図示されるように、かかる流路31の後半部分(下流側)は、本体部102の横断面形状と略同一の横断面形状に形成された整形流路部33を構成しており、流路31の前半部分(上流側)は、該整形流路部33に向かって横断面積が拡大していく拡大流路部32を構成している。そして、かかるサイジング装置30の整形流路部33の末端(下流側)の排出口38から、所望する最終形状の本体部102が押し出される。
本実施形態においては、かかる拡大流路部32は、上記オリフィス27の開口形状に対して略相似的形状を維持しつつ整形流路部33に向かって横断面積が次第に拡大(断面形状も次第に拡大)するように形成されている。
また、サイジング装置30内の成形材料流路31(拡大流路部32及び整形流路部33の内壁面32a,33a)は、鏡面加工が施され、表面粗さ(最大高さ:Rmax)が0.1〜1μm程度の平滑な面となっている。
かかる流路32a,33aの平滑度(粗さ)は、得ようとする製品(樹脂成形体)の表面粗さ(例えば最大高さRmaxを指標とする)と同一かそれ以下にしておくのが好ましい。これにより、後述するように平滑な表面の成形品が得られ且つ成形材料が流路内を下流に移動するときの流路内面32a,33aとの摺動抵抗が減少される。
【0044】
サイジング装置30の本体内には、本実施形態に係る冷却手段として複数の冷媒用通路34,35a,35b,35cが成形材料流路31(拡大流路部32及び整形流路部33)を囲むようにして設けられている。これら冷媒用通路34,35a,35b,35cのそれぞれに水等の冷媒を通すことによって、サイジング装置30の内部を所望する温度まで冷却することができる。
以上の構成の結果、かかるサイジング装置30を備えた本体部成形用ユニットによると、多量の固形充填材を含有する成形材料からでも優れた平滑表面を有する高精度の本体部102を製造することができる。以下、このことを説明する。
【0045】
第1押出機10から押し出された本体部成形材料102は、樹脂成分が溶融し且つ固形充填材が分散した状態(典型的にはスラリー又はペースト状態)で、第1のダイ20のオリフィス27からサイジング装置30の成形材料流路31に押し出される。その際、成形材料流路31の内面を、本体部成形材料102のマトリックス成分(熱可塑性樹脂)の融点を下回る温度(好ましくは熱変形温度以下)に調節しておく。このことによって、サイジング装置30の成形材料流路31に押し出された成形材料102を表面側から冷却し、表面から中心方向に向かって固化させていくことができる。なお、この時点での固化は、外部から力を加えることによって変形可能な固化状態である。
また、オリフィスから押し出された成形材料(具体的には熱可塑性樹脂成分)は、第1押出機10側からの押圧力によって拡大流路部32の平滑な内壁面32aに圧接されることとなり、当該内壁面32aの平滑性は成形材料の表面に転写される。このことから、表面が当該内壁面32aに圧接されながら固化した樹脂成形体(本体部)102では、内壁面32aの平滑性を反映して、図16に示すような固形充填材5の突出が物理的に阻止されて且つマトリックス成分4に富む平滑な表面102aが形成される。このとき、本発明に係る拡大流路部32は整形流路部33に向かって横断面積が拡大している結果、固化したばかりの表面と当該流路の内壁面32aとの間に生じる摩擦を低減し得、スムーズな成形材料の流動を実現する。このため、拡大流路部32で形成された固化表面の平滑性を維持することができる。
【0046】
ところで本発明の実施にあたっては、オリフィス27から押し出された溶融状態の本体部成形材料102が拡大流路部32を通過する時点において、その表面部分が既に固化されているとともに該表面が流路の内壁面に圧接された状態が維持されるように(好ましくは拡大流路部32を通過した時点で成形材料102の内部に溶融部分が残存するように)、サイジング装置30の成形材料流路31の温度および成形材料102の移動速度(押出速度)を適当に調節するとよい。その調節の目安となる好適例を図3に示す。
【0047】
図3で示す点線は本体部成形材料102の固化状態と溶融状態の境界を模式的に示したものであり、点線よりも図面向かって左側(上流側)が溶融状態を示し、点線よりも図面向かって右側(下流側)が固化状態を示す。即ち図3は本体部成形材料102が表層部分から中心方向に徐々に固化しつつサイジング装置30内を流れることを良く示している。また、図3中のP10を付した矢印は溶融部分の圧力を示し、P1〜P9を付した矢印は拡大流路部32又は整形流路部33の内壁面32a,33aに向かって作用する押圧力を示す。
【0048】
かかる図3に示すような状態を保って押出を行うことにより、固形充填材は、流路の内壁面32a,33aを越えて突出することがなく、実質的に埋め込まれた状態で表面側が固化するので突出が見られず、平滑でマトリックス(樹脂)成分に富む表面を有する樹脂成形体(本体部)を形成することができる。
すなわち、図3の点線位置から明らかなように、オリフィス27を通過した本体部成形材料102は冷却された拡大流路部32の内壁面32aに接触して表面部分から徐々に固化しはじめるが、その内部(中心部分)が溶融状態を保っている。このとき、未だ固化していない溶融部分は液状なので、その押圧力(P10)は当該溶融部分の全域・全方向に均等に作用する。そこで、かかる押圧力(P10)を利用し、固化した表面を拡大流路部32又は整形流路部33の内壁面32a,33aに圧接して内壁面32a,33aに密接させることができる。
【0049】
但し、固化した部分の表面から拡大流路部32又は整形流路部33の内壁面32a,33aに向かって作用する圧力(P1〜P9)は、当該固化層の厚み等(即ち溶融部分の押圧力(P10)の伝わり具合)に左右されるため、オリフィス27に近接する部分(P9)がほぼP10に近い最大となり、下流側にいくほど即ち溶融部分から離れた部分ほど小さくなる。即ち、図3において押圧力は典型的にはP9>P8>・・・>P2>P1と小さくなっていく。
そこで、平滑な表面と正確な横断面形状を安定して継続的に形成するため、拡大流路部32を通過した時点(換言すれば整形流路部33に導入された時点)において、固化表面を整形流路部33の内壁面33aに圧接し得る圧力(P1〜P3)が依然として存続し得るように溶融部分(中心部分)の固化していく状態を調整する。これにより、整形流路33内では、その内壁面33aに表面が圧接された状態で下流側に向けて移動してゆくので、成形品の外形状は流路33の内壁面形状(即ち製品形状)と同一に形成される。
【0050】
なお、図3に示すようにオリフィス27から流速V1で押し出された本体部成形材料102は、拡大流路部32において流路の横断面積が拡大する結果、上記流速V1よりも遅い流速V2で当該流路部32を流れる。このことからも、拡大流路部32の内壁面32aの転写効率を向上させることができる。
【0051】
以下、図3に示すような状態を具現化するための、成形材料102の移動速度(押出速度)およびサイジング装置30内の流路31の温度調節に関する好適な一具体例を説明する。
例えば、本体部成形材料102としてマトリックスがポリプロピレンその他のオレフィン系熱可塑性樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマーを主体として構成され、固形充填材が木粉等の植物粉である場合、当該熱可塑性樹脂の融点よりもやや高い温度域(典型的には180〜280℃)に第1のダイ20の温度を調節する。かかるダイ温度の調節は、上記パイプヒータ21及びバンドヒータ23を適宜作動させることより容易に行い得る。
【0052】
一方、サイジング装置30の拡大流路部32は、成形材料の表面固化と内部溶融状態の併存を図るため、融点よりも低く且つ可塑性を有する温度域(ポリプロピレンでは典型的には20〜150℃)に調節する。
これに対してサイジング装置30の整形流路部33は、成形材料の形状整形を目的とするため、可塑性を失う温度域(典型的には10〜100℃)に調節する。かかるサイジング装置30内の拡大流路部32及び整形流路部33の温度の調節は、これら流路32,33の周囲に設けられた上記冷却用通路34,35a,35b,35cに適当な温度の水やオイル等の冷媒を流すことにより容易に行い得る。
【0053】
ところで、本発明に係る樹脂押出成形品の表面平滑性をさらに向上させるためには、整形流路部33の温度を一定とせず、拡大流路部32に近い上流域をやや高めの温度に設定し、それよりも下流域は比較的低めの温度に調節するとよい。このような冷却温度勾配を設けることによって、成形材料内部の溶融部分を整形流路部33の上流域でも維持し、図3の矢印P10で示すように、当該上流域において残存溶融部分からの押圧力(P10)によって、整形流路部33の内壁面33aに成形材料を圧接することができる。これにより、本体部表面のより高度な平滑化と形状寸法の正確化を実現することができる。
例えば、ポリプロピレンをマトリックス成分とする場合、図2における整形流路部33の周壁部に設けられた3つの冷却用通路35a,35b,35cのうち、最も拡大流路部32寄り(上流側)にある通路35aには50〜95℃程度の冷媒(例えば温水)を流す。他方、それよりも下流側にある残りの冷却用通路35b,35cには20℃以下の冷媒(例えば10〜15℃程度の冷却水)を流す。こうすることにより、整形流路部33の上流側(通路35a周辺)では、押圧力(P10)によって内壁面33aの転写が効率よく行われるとともに、整形流路部33の下流側(通路35b,35c周辺)において成形材料全体の形状整形と固化を完了させることができる。
【0054】
なお、本体部の表面を好適に平滑化するのに好ましい拡大流路部内壁面32aに対する成形材料102の圧力は、成形材料のダイ流路22内における圧力及びオリフィス27からサイジング装置内流路31への吐出圧に反映(影響)される。さらにはダイ20及びオリフィス27の形状、樹脂成分の種類、固形充填材の含有率等によっても異なり得る。従って、拡大流路部内壁面32aに対する成形材料102の好適な圧力は、使用する樹脂の種類や固形充填材の含有率、あるいはダイ流路及びオリフィスの形状や成形材料の押出速度等を考慮しつつ、個々具体的に決定することとなる。
【0055】
特に限定するものではないが、ポリプロピレン等のオレフィン系硬質樹脂の含有率が40〜50質量%であり、木粉、タルク等の固形充填材の含有率が60〜50質量%である成形材料の場合、拡大流路部32の内壁面32aに対して1〜20MPa程度の圧力が加わるように、成形材料のダイ流路22内の圧力を設定することが好ましい。
【0056】
また、拡大流路部32及び整形流路部33における成形材料の流速(押出速度)は、上述したようなダイ20及びサイジング装置30の温度設定に対して、本体部成形材料102が拡大流路部32を通過する時点において、その表面部分が既に固化されているとともに該表面が流路の内壁面に圧接された状態が維持されるように決定される。当業者であれば、かかる押出速度の設定は、上記温度設定の他、押出成形品の大きさ、樹脂成分の種類、熱容量等を勘案して容易に決定することができる。
【0057】
以上に例示したような温度、押出速度等の調節によって、整形流路部33の下流側端末においては成形材料102の中心まで固化を完了させ、表面平滑な本体部102をサイジング装置30の排出口38から排出させる。
以上に説明したように、本実施形態に係る本体部成形用ユニットによると、固形充填材を高率に含有しても表面平滑な本体部(図16参照)を成形することができる。
【0058】
次に、第1付属部成形用ユニットについて説明する。
図6に示すように、サイジング装置30の流路31内において固化・成形された本体部102は、第2のダイ46に連続して供給される。
図7に示すように、第2のダイ46は、上型46aとガイド用下型39aとから構成されており、その二つの金型46a,39の間隙が成形材料(成形体)の流路47に相当する。かかる流路(以下「第1付属部成形用流路」という。)47の横断面形状は、本体部102と所望するカバー層104とを合わせた横断面形状と一致する。
第1付属部成形用流路47は第2押出機のシリンダ42と連通しており、当該シリンダ42内で溶融された付属部(カバー層)成形材料104が当該流路47内に供給される。一方、図1及び図7に示すように、かかる流路47には、下型39に載置された状態で本体部102も導入される。
以上の構成により、第2押出機40のシリンダ42から供給された溶融状態のカバー層成形材料104は、本体部102が導入された後の第1付属部成形用流路47の空間に充填されることとなり、図7に示すように、本体部102の表面にカバー層104が形成された状態で、第2のダイ46の図示しない押出し口から押し出される。
上述のとおり、本発明の実施においては、本体部102の表面が樹脂成分に富む平滑面を形成しており(図16)、供給されたカバー層成形材料中の樹脂成分と本体部表面の樹脂成分との接触面積を大きくとることができる。このため、本体部102の外側に高い接合強度でカバー層104を形成することができる。この効果は、特に本体部102を構成する樹脂成分とカバー層104を構成する樹脂成分とが相溶性を有する場合に顕著である。
【0059】
また、本体部102を構成する樹脂成分とカバー層104を構成する樹脂成分とが非相溶性である場合には、第2のダイ46に供給する前の本体部102の表面(少なくともカバー層を形成しようとする部分を包含する部分)に適当なプライマー付与を行うことにより、上記相溶性を有する場合と同様に高い接合強度でカバー層104を本体部102の外側に接合することができる。例えば、ポリプロピレン樹脂(本体部マトリックス)とPP(ポリプロピレン樹脂)をハードセグメントとするTPO(カバー層マトリックス)とを接合する場合、市販されているPP接合用の溶剤型プライマー(十条ケミカル(株)等から入手できる。)を本体部表面に塗布し、乾燥することにより本体部の表面にプライマー乾燥皮膜を形成することができる。本発明の製造方法によって得られる本体部102の表面は平滑であるため、その上面に平滑なプライマー皮膜を形成することができる。これにより、本来融着し難い樹脂の組合せであっても、本体部102の外側に高い接合強度でカバー層104を形成することができる。
なお、かかるプライマー処理自体は、従来公知の材料・手法によればよく、特に制限するものではない。
【0060】
次に、第2付属部成形用ユニットについて説明する。第2のダイ46から押し出された樹脂成形体(本体部102+カバー層104)は、第3のダイ56に連続して供給される。
図8に示すように、第3のダイ56は、成形型56aとガイド用下型39bとから構成されており、成形型56aの一部には目的とするリップ106の横断面形状に対応する流路(以下「第2付属部成形用流路」という。)57が形成されている。成形型56aの下型39bに面する側面は、下型39bに載置された樹脂成形体(カバー層104)の側面と接するように形成されているとともに、第2付属部成形用流路に通じる開放口58が設けられている(図8)。
一方、第2付属部成形用流路57は第3押出機50のシリンダ52と連通しており、当該シリンダ52内で溶融された付属部(リップ)成形材料106が当該流路57内に供給される。
以上の構成により、第3押出機50のシリンダ52から供給された溶融状態のリップ成形材料106は、上記開放口58を介してカバー層104の表面に供給される。そして、図8に示すように、第2付属部成形用流路57の断面形状に対応する横断面形状のリップ106がカバー層104の表面の一部に形成された状態で、第3のダイ56の図示しない押出し口から押し出される。
なお、リップを構成する熱可塑性樹脂の種類によっては、第3のダイに樹脂成形体(本体部102+カバー層104)を導入する前に上記カバー層成形時と同様の適当なプライマー付与処理を行ってもよい。
【0061】
以上に説明したとおり、本体部成形用ユニット、第1付属部成形用ユニットおよび必要に応じて第2付属部成形用ユニットを使用するいわゆる多段押出によって、図4に示す本体部102とカバー層(第1付属部)104とリップ(第2付属部)106とから成る本実施形態に係る樹脂押出成形品(外装用胴差し材)100を製造することができる。
【0062】
次に、本実施形態に係る製造ラインにおいて、第2付属部成形用ユニットの下流側に設けられた上記付加的装置群について説明する。
図1に示す引抜装置60は、第3のダイ56から樹脂押出成形品100を引き抜く装置である。図示されるように、本実施形態に係る引抜装置60は、内蔵する駆動源(典型的には回転数制御可能なモータ)によって回転駆動する一対のローラ62,63(図9)を備えている。図1に示すように、樹脂押出成形品100は、これらローラ62,63に圧接されて挟まれた状態でそれらの回転速度に応じて第3のダイ56から引き抜かれる。
かかる引抜装置60を設けることによって、サイジング装置内の摩擦が大きくても安定して成形材料(樹脂成形体)を押し出すことができる。
また、ローラ62,63の回転速度を制御することによって、ダイ内の圧力を一定に保つために引抜速度を制御することができる。
なお、引抜装置60は、図9に示すように、サイジング装置30の直後に配置することができる。この場合には、押出成形品に引抜力を効果的に伝えられて、より安定した押出成形が可能である。
【0063】
引抜装置60の下流側に配置された冷却装置65は、樹脂押出成形品100を冷却する冷却槽66及び該冷却槽に冷却水を供給する冷却水供給源67を備えている。この配置により、第3のダイ56から引き抜かれた樹脂押出成形品100をすぐに冷却槽66に導入し、成形品全体を完全に冷却することができる。
冷却装置65の下流側には引取装置70および切断装置(典型的には回転ソーやプレス型)68が配置されており、冷却装置65(冷却槽66)を通過してきた樹脂押出成形品100を所望する長さに切断することができる。
【0064】
以下、上記製造ライン(図1)に従って行われる多段押出において、特に好ましい実施形態とそれによる効果を説明する。
先ず、本体部成形用ユニットにおいて特に好ましいいくつかの形態とそれによって得られる効果を説明する。
本体部成形材料としてポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系硬質樹脂主体のものを使用する場合、上記拡大流路部32を第1のダイ20のオリフィス27の軸芯方向(材料の流れる方向)に対して0.2〜10°程度の角度を有して拡大するように形成するとよい。
かかる拡大率は、ポリプロピレンその他のポリオレフィン系硬質樹脂の自然膨張率を下回る。ここで自然膨張率とは、ダイ20内で圧縮された樹脂成分が上記オリフィス27から押し出された直後に当該圧縮状態が開放されて膨張するときの膨張の大きさをいう。具体的には、膨張した成形材料の断面積をオリフィスの断面積で割った値として表すことができる。
かかる拡大率の拡大流路部32を設けたことにより、自然膨張率が比較的低い上記硬質樹脂を主体とする成形材料であっても、オリフィス27から押し出された直後から拡大流路部32の内壁面32aに確実に圧接させることができる。このため、表面の平滑化を容易に実現し得る。
ポリプロピレン等のオレフィン系硬質樹脂をマトリックス成分として固形充填材を効率に含有させる樹脂成形体は、省資源、リサイクル等の経済的側面、本体部の機械的強度の保持等の性能的側面のいずれにも優れており、本発明の樹脂押出成形品における本体部として好ましい。
【0065】
また、拡大流路部32の内壁面32aに対する成形材料102の圧力レベルを調節する方法として好ましい一つの形態を図9に示す。
すなわち、本実施形態では、第1のダイ20の流路22の側壁に圧力センサ80を設ける。このセンサ80は、別途設けた制御装置(典型的にはCPU等を備えて成るマイコン部)82と電気的に接続する。さらに制御装置82は、上記引抜装置60のローラ62,63を回転駆動させる駆動源(典型的にはACサーボモータ等の高精度モータ)64とも電気的に接続する。そして、かかる制御装置82を引抜装置60のローラ62,63を駆動させるためのモータドライバとして機能させる。かかる構成の結果、ダイ流路22の内壁面にかかる本体部成形材料102の圧力を測定し、その測定値をベースにして引抜装置60の駆動源(モータ)64を制御し、ローラ62,63の回転速度を調整することができる。この結果、ダイ流路22を流れる本体部成形材料102の圧力を安定化させ、延いては拡大流路部32の内壁面32aに対する成形材料102の圧力を本体部の表面平滑化に適する好適な範囲に自動的に維持することができる。
【0066】
例えば、一具体例として、以下のような制御を行うことができる。
すなわち、図1の製造ライン稼働中(即ち多段押出し中)、制御装置82は、圧力センサ80からの圧力検知信号を所定のクロック周期で継続して受信する。そして、受信した圧力検知信号が予め設定した圧力レベル(例えば7±0.1MPa:以下「初期圧力レベル」という。)に相当するときは、初期設定されている引抜速度(例えば3M/分:以下「初期引抜速度」という。)で樹脂押出成形品100を引き抜くようにモータ64の出力制御を行う。
しかし、何らかの原因によって、初期圧力レベルよりも高い圧力を示す圧力検知信号が受信された際には、初期引抜速度よりも高い引抜速度が実現されるようにローラ62,63の回転速度を上げるためのモータ64の出力制御を行う。このことにより、拡大流路部32の内壁面32aに対する成形材料102の圧力が適正レベル(例えば1±0.5MPa)よりも上がってしまうことを防止することができる。
【0067】
一方、何らかの原因によって、初期圧力レベルよりも低い圧力を示す圧力検知信号が受信された際には、初期引抜速度よりも低い引抜速度が実現されるようにローラ62,63の回転速度を下げるためのモータ64の出力制御を行う。このことにより、拡大流路部32の内壁面32aに対する成形材料102の圧力が上記適正レベルよりも下がってしまうことを防止することができる。
このように作動する引抜装置60のモータ64駆動制御系を設けることによって、拡大流路部32の内壁面32aに対する成形材料102の圧力を本体部の表面平滑化に適する好適な範囲に自動的に維持することができる。なお、かかるモータ駆動制御系の構築は、あえて詳述するまでもなく、従来周知のマイコン制御技術に基づいて容易に構築することができる。同様に、ダイ20やサイジング装置30の温度調節は、ダイ20やサイジング装置30の壁部に温度センサを設けておき、上記圧力制御と同様の制御系を構築することにより、容易に行うことができる。
【0068】
次に、第1付属部成形用ユニット及び/又は第2付属部成形用ユニットに関する好適な一実施形態について説明する。
図9に示すように、本実施形態では、第2のダイ46の上流側及び/又は第3のダイ56の上流側に樹脂成形体の表面の少なくとも一部(但し付属部を形成する表面を包含する。)を加熱するための加熱器(典型的には熱風ブロワ、赤外線ヒータ等)90,91を設置する。これにより、第2のダイ46又は第3のダイ56に導入する前に、樹脂成形体(即ち本体部102又はカバー層104)の表面を所定の付属部成形材料が熱溶着可能な温度域であって本体部102内部の固化状態は保持され得る温度域まで該樹脂成形体の表面を加熱する処理をおこなう。例えば、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を主体とした樹脂成形体であれば、熱風ブロワ90,91から約200℃の熱風を樹脂成形体表面にあてて当該表面のみを微視的に溶融させることができる。
これにより、第2のダイ46又は第3のダイ56で当該溶融表面上に供給された付属部成形材料との接着性が向上し、高強度で接合した付属部(カバー層104及び/又はリップ106)を本体部102の外側に容易に形成することができる。
なお、接着性の向上に関しては、上記加熱手段に限られず、例えば、コロナ放電等のプラズマ放電加工、レーザ加工等を施すことによって、樹脂成形体の表面の接着性を向上させてもよい。
【0069】
また、他の好適な一実施形態として、上記引抜装置60のローラ62,63の表面に凹凸形状を設けてもよい。これにより、樹脂押出成形品100を引き抜く際の圧接によって、当該樹脂押出成形品100の表面(典型的にはカバー層104の表面)の少なくとも一部に長手方向に上記凹凸形状を転写した凹凸模様(典型的にはシボ又はエンボスと呼ばれる模様)を形成することができる。
また、ローラ62,63の表層部にヒータ(図示せず)を内蔵させておき、圧接する際に樹脂押出成形品100の表面を加熱してもよい。かかる加熱状態での圧接によって、凹凸模様の形成をより一層容易に行うことができる。
また、引抜装置60とは別に、上記目的のためにシボ(エンボス)加工用ロールを引抜装置60の上流又は下流に配備してもよい。
【0070】
以上に説明したいずれかの実施形態或いはそれらのいくつかを組み合わせた実施形態によって、図4に示す建材の他、種々の形状・組成の樹脂押出成形品を製造し提供することができる。以下、本発明の実施によって提供され得る樹脂押出成形品の好適な形態のいくつかを図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に例示する樹脂押出成形品は、いずれも図示された横断面形状に基づいて設計された形状のオリフィス(ダイリップ)を有する適当なダイを本体部成形用ユニット及び付属部成形用ユニットにそれぞれ配備すると共に、使用する成形材料(本体部成形材料及び付属部成形材料)の組成に応じて、ダイ流路及びサイジング装置内の成形材料流路の温度並びに押出速度を適切に設定すればよく、上述した製造ライン(図1、図9)と同様のコンセプトの多段押出によって製造することができる。
【0071】
図10は、自動車の外装用(アウター)ベルトモール110の一種である。このベルトモール110は、断面略コ字状の本体部112と、その外面に形成されたカバー層114と、そのカバー層114の表面に形成された計2つのシールリップ116a,116bと、その表面に形成された高摺動性付与のためのリップカバー層118a,118bと、本体部112から上記シールリップ116a,116bと同方向に突出する形状の遮蔽リップ115とから構成されている。
本体部112は、好ましくは、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂(典型的には60〜90質量%)とガラスファイバー等の繊維状固形充填材(典型的には10〜40質量%)とから成る成形材料から形成される。特に制限するものではないが、繊維状の固形充填材としては、平均直径2〜20μm、平均長さ1〜5mm程度のものを用いるのが好ましい。
カバー層114は、好ましくは、ポリプロピレン樹脂を主体とする成形材料から形成される。遮蔽リップ115及びシールリップ116a,116bは、好ましくは、軟質のTPO(例えばPP+EPDM)を主体とする成形材料から形成される。また、リップカバー層118a,118bは、超高分子量ポリエチレンを主体とする成形材料から形成される。
【0072】
かかる樹脂押出成形品110は、例えば、図1に示す製造ラインの第3のダイ56と引抜装置60の間に、上記の第1または第2付属部構成ユニットと同様の付属部構成ユニット(第3付属部構成ユニット)を配備した多段押出によって製造することができる。すなわち、先ず、本体部構成ユニット(例えばダイ流路の温度200〜270℃、樹脂圧力1.0〜1.5MPa、押出速度0.1〜0.15m/分)で本体部112を成形し、次いで、第1、第2及び第3付属部構成ユニットを用いて、本体部112の外側にカバー層114、遮蔽リップ115とシールリップ116a,116b、そしてリップカバー層118a,118bを順次成形していくとよい。なお、上記シボロール等を適宜配備することにより、例えばカバー層114の表面に凹凸模様を形成することもできる。
なお、例えば、シールリップ116a,116bとリップカバー層118a,118bの成形温度が同等のときは第2付属部構成ユニットでこれらを同時に押し出すこともできる。
【0073】
図11は、自動車の内装用(インナー)ベルトモール120の一種である。このベルトモール120は、長板状の本体部122と、その一側面に形成された計2つのシールリップ126a,126bと、その表面に形成された高摺動性付与のためのリップカバー層128b,128cと、本体部122の端部から上記シールリップ126a,126bと反対方向に突出する形状の遮蔽リップ125とから構成されている。
本体部122は、好ましくは、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂(典型的には40〜60質量%)とタルク等の粉状固形充填材(典型的には60〜40質量%)とから成る成形材料から形成される。特に制限するものではないが、粉状の固形充填材としては、平均粒径1〜50μm程度のものを用いるのが好ましい。また、遮蔽リップ125及びシールリップ126a,126bは、好ましくは、軟質のTPO(PP+EPDM)を主体とする成形材料から形成される。また、リップカバー層128a,128bは、超高分子量ポリエチレンを主体とする成形材料から形成される。
かかる樹脂押出成形品120も、上記ベルトモール110と同様(但し、第1付属部構成ユニットによるカバー層形成はない。)の多段押出によって製造することができる。
【0074】
図12は、自動車のシートレールカバーとして用いられるモールディング130の一種である。このモールディング130は、長板状の本体部132と、その底面に突出して形成された取付片132aと、その本体部の一方の端面に形成された遮蔽リップ136とから構成されている。本体部132と取付片132aとは一体に形成される。
本体部132及び取付片132aは、好ましくは、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂(典型的には60〜90質量%)とガラスファイバー等の繊維状固形充填材(典型的には40〜10質量%)とから成る成形材料から形成される。一方、リップ136は、好ましくは、軟質のTPO(PP+EPDM)を主体とする成形材料から形成される。
かかる樹脂押出成形品130も、上記ベルトモール110と同様の多段押出(但し、リップ136上へのカバー層形成はない。)によって製造することができる。
【0075】
図13は、上記シートレールカバー用途のモールディング130の一変形例であって、本体部142の表面(取付片142a形成面とは反対の表面)にカバー層144を設けたものである。かかるカバー層144は、好ましくは、ポリプロピレン樹脂を主体とする成形材料から形成される。この例では、カバー層144の上面にリップ146が形成される。
かかる樹脂押出成形品140も、上記ベルトモール110と同様(但し、リップ146上へのカバー層形成はない。)の多段押出によって製造することができる。
【0076】
図14は、建築用デッキ材として用いられる樹脂押出成形品150であり、角柱状の本体部(中心部)152と、その外側に形成されたカバー層(表層)154とから構成されている。
本体部152は、好ましくは、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂(典型的には40〜60質量%)と木粉等の粉状固形充填材(典型的には60〜40質量%)とから成る成形材料から形成される。一方、カバー層154は、好ましくは、ポリプロピレン樹脂等の硬質樹脂を主体とする成形材料から形成される。
かかる樹脂押出成形品150も、上記本体部構成ユニット及び第一付属部構成ユニットを用いた多段押出によって製造することができる。
【0077】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を実施するための押出製造ライン(多段押出設備)の一例を示す概略説明図である。
【図2】 一実施形態に係る押出製造ラインの本体部成形用ユニットの要部を示す縦断面図である。
【図3】 第1のダイのオリフィスから拡大流路部に導入された成形材料の状態を説明する断面図である。
【図4】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図5】 図1におけるV−V線(要部)断面図である。
【図6】 図1におけるVI−VI線(要部)断面図である。
【図7】 図1におけるVII−VII線(要部)断面図である。
【図8】 図1におけるVIII−VIII線(要部)断面図である。
【図9】 本発明の製造方法を実施するための押出製造ライン(多段押出設備)の一例(一部)を示す概略説明図である。
【図10】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図11】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図12】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図13】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図14】 一実施形態に係る本発明の樹脂押出成形品の構造を示す横断面図である。
【図15】 固形充填材の含有率が高い従来の樹脂成形体の表面構造の一例を模式的に示す断面図である。
【図16】 本発明によって提供される樹脂成形体の表面構造の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂成形体
1a 粗面
4 マトリックス(樹脂成分)
5 固形充填材
10,40,50 押出機
20,46,56 ダイ
27 オリフィス
30 サイジング装置
31 成形材料流路
32 拡大流路部
33 整形流路部
60 引抜装置
62,63 ローラ
64 サーボモータ
65 冷却装置
68 切断装置
70 引取装置
80 圧力センサ
82 制御装置
90,91 加熱器
100,110,120,130,140,150 樹脂押出成形品
102,112,122,132,142,152 本体部
104,114,144,154 カバー層
106,115,116a,116b,125,126a,126b,136,146 リップ
118a,118b,128a,128b リップカバー層

Claims (16)

  1. 熱可塑性樹脂をマトリックスとする樹脂押出成形品であって、
    長尺状の本体部と、その本体部の外側に長手方向に形成された一又は二以上の付属部とを備えており、
    前記本体部は粉状及び/又は繊維状の固形充填材と熱可塑性樹脂とを主体とする本体部成形材料から構成されているとともに、少なくとも表面の一部は該固形充填材の突出を抑えて熱可塑性樹脂に富む平滑面を有しており、
    前記付属部は前記本体部とは異なる組成であり、前記本体部と一体化した状態で該本体部の外側に形成されており、
    ここで前記本体部は、オリフィスを有するダイと、該オリフィスに連通し内壁面が平滑に形成された成形材料流路を有するサイジング装置と、を用いて成形されたものであり、前記成形材料流路は、本体部の横断面形状と略同一の横断面形状に形成された整形流路部と、前記オリフィスと整形流路部との間に配置されるとともに該整形流路部に向かって横断面積が拡大していく拡大流路部とを備え、
    前記本体部は、前記オリフィスから押し出されてきた溶融状態の本体部成形材料を前記拡大流路部の内壁面に圧接させつつ該内壁面に接する表面側から固化させていくことにより該内壁面を転写して平滑な表面が形成され、且つ、前記サイジング装置の下流側に配置された引抜装置によって前記ダイ内部の溶融した状態の本体部成形材料の圧力が所定のレベルに維持されるように前記サイジング装置から排出される本体部に相当する樹脂成形体に引抜力を与えてその排出速度を調節した押出により成形されて成る、樹脂押出成形品。
  2. 前記付属部の少なくとも一つは、前記固形充填材を実質的に含有しないか若しくはその含有率が前記本体部よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂押出成形品。
  3. 前記付属部の少なくとも一つは、前記本体部を構成する熱可塑性樹脂よりも軟質の熱可塑性樹脂から構成されている、請求項1又は2に記載の樹脂押出成形品。
  4. 前記付属部の少なくとも一つは、前記本体部の表面の少なくとも一部を長手方向に被覆するカバー層を形成している、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  5. 前記カバー層の表面には凹凸模様が施されている、請求項4に記載の樹脂押出成形品。
  6. 前記付属部の少なくとも一つは、前記本体部から突出した突条形状に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  7. 前記本体部と接して形成された付属部の表面に更に他の付属部が重ねて形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  8. 前記本体部及び付属部をそれぞれ構成する熱可塑性樹脂は、相互に相溶性を有している、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  9. 前記本体部を構成する熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であり、前記付属部を構成する熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマーである、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  10. 前記本体部に含有される固形充填材は、セラミック粉、カーボン粉、植物粉、セラミックファイバー、カーボンファイバー及び植物ファイバーから成る群から選択される一種又は二種以上であり、本体部における該固形充填材の含有率は5〜95質量%である、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂押出成形品。
  11. 長尺状の本体部とその本体部の長手方向に形成された一又は二以上の付属部とを備えた樹脂押出成形品を製造する方法であって、以下の工程:
    (a)粉状及び/又は繊維状の固形充填材と熱可塑性樹脂とを主体にする本体部成形材料を用いた押出によって、該固形充填材の突出を抑えて熱可塑性樹脂に富む平滑な表面を有する本体部を成形する工程、
    ここで該工程は、押出機と、本体部の横断面形状よりも小さい開口形状のオリフィスを有する第1のダイと、サイジング装置とが連結された押出成形装置を用いて行われ、
    該オリフィスに連通するサイジング装置の成形材料流路は、その内壁面が平滑に形成され、本体部の横断面形状と略同一の横断面形状に形成された整形流路部と、前記オリフィスと整形流路部との間に配置されるとともに該整形流路部に向かって横断面積が拡大していく拡大流路部とを備えており、
    前記オリフィスから押し出されてきた溶融状態の本体部成形材料を前記拡大流路部の内壁面に圧接させつつ該内壁面に接する表面側から固化させていき、
    ここで前記拡大流路部を通過するときに前記内壁面を転写して平滑な表面が形成され、且つ、前記整形流路部を通過する迄には所望する横断面形状の本体部が成形されるようにして該押出が実施されるとともに、前記サイジング装置の下流側に引抜装置を配置し、その引抜装置によって前記サイジング装置から排出される本体部に相当する樹脂成形体に引抜力を与えてその排出速度を前記ダイ内部の溶融した状態の本体部成形材料の圧力が所定のレベルに維持されるように調節する
    および
    (b)前記サイジング装置から排出された本体部に相当する樹脂成形体と、熱可塑性樹脂を主体とする付属部成形材料とを所定の開口形状のオリフィスを有する第2のダイに供給し、表面の少なくとも一部に溶融状態の付属部成形材料が付与された状態の該樹脂成形体を第2のダイのオリフィスから押出すことによって、本体部の表面上に所定の横断面形状の付属部を一体化した状態で形成する工程;
    を包含する、樹脂押出成形品製造方法。
  12. 前記拡大流路部は、前記第1のダイのオリフィスの軸芯方向に対して0.2〜10°の角度を有して拡大するように形成されている、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記拡大流路部は、前記第1のダイのオリフィスの開口形状に対して略相似的形状を維持しつつ前記整形流路部に向かって横断面積が次第に拡大している、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記(a)工程で得られた本体部の表面の少なくとも一部分であって前記付属部成形材料から成る付属部が形成される領域を包含する部分に、本体部と付属部とを一体的に接合するためのプライマーを付与する工程が行われる、請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記(b)工程で得られた本体部及び付属部から成る樹脂成形体について更に以下の押出工程:
    該樹脂成形体と、熱可塑性樹脂を主体とする付属部成形材料とを、所定の開口形状のオリフィスを有する別のダイに供給し、表面の少なくとも一部に溶融状態の付属部成形材料が付与された状態の樹脂成形体を該ダイのオリフィスから押出す工程;
    を一回又は複数回行うことによって、本体部の外側に本体部とは組成の異なる二以上の付属部を段階的に形成する、請求項11〜14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 前記(b)工程及び/又は前記押出工程において、
    前記溶融状態の付属部成形材料が前記樹脂成形体の表面に付与される前に、その付属部成形材料が熱溶着可能な温度域であって前記本体部内部の固化状態が保持され得る温度域まで該樹脂成形体の表面を加熱する処理が少なくとも一回行われる、請求項11〜15のいずれかに記載の製造方法。
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