JP3764136B2 - 車両用装飾縁部材、及びその製造方法 - Google Patents

車両用装飾縁部材、及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体の開口縁や突出端縁等の部材の縁に沿って取付けられる長尺状の装飾縁部材、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の装飾縁部材としては、内部に魚骨状の金属芯材を埋設した軟質ポリ塩化ビニール樹脂の押出成形材が広く使用されている。そして、装飾縁部材は、部材の縁に取付けられることにより、突出縁を覆って危険を防止すると共に、部材の装飾性を向上させる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−33953号公報
【0004】
前記ポリ塩化ビニール樹脂の押出成形材からなる装飾縁部材は、物理的、化学的特性は優れているが、不要になったときに焼却すると有害ガスを発生する恐れがあるとして、最近はこれに替えて熱可塑性エラストマー材料、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー材料(以下、「TPO」という)の使用が増加してきている。しかしながら、TPOはその材料中にポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂を混入したものなので、接着性に乏しく、一般的に塗布等のコーティング処理が困難である(即ち、後に塗装膜の剥離が生じ易い)。
【0005】
一方、装飾縁部材は前述したように装飾性を併せて要求されるので、TPO材料の押出成形材単独では、その装飾要求品質を満たせない。このため、最近では、TPO押出成形材表面を加飾する方法が種々提案されている。その一つとして、表面にコロナ放電等の処理を施して、その後に必要によってはプライマー層を形成し、その上に装飾層を接着や処理する方法がある。他の方法では、装飾縁部材本体とは異色を呈するエラストマー材料を共押出成形で一体的に押出す方法である。
【0006】
前者の方法では、別途の処理を必要とするために工程が複雑となり、また処理条件の管理に厳密さと煩雑さを伴う。後者の方法では、複数の押出成形機を必要とするため、製造設備が大掛かりとなるだけでなく、装飾部に複数の異なる色や模様を要求されるときには、それらの変更に伴う作業に多くの時間を要する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡単な方法で製造できて装飾性の高い装飾縁部材、及びその製造方法の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、熱可塑性エラストマー材料から押出成形された長尺状の装飾縁部材本体と、前記装飾縁部材本体とは別体に作られて表面が装飾縁部材本体の表面とは異なる模様及び/又は色彩を呈する布状のカバー部材とからなり、前記カバー部材が装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に接合して積層一体化された車両用装飾縁部材であって、前記カバー部材は、装飾縁部材本体のエラストマー材料と相溶性を有する材料から成る繊維を規則的に織った織布、又は同繊維を不規則的に絡み合わせた不織布から成り、前記繊維の織り目又は絡み合いで内部の繊維同士間に不規則方向を向き、かつ不規則形状の無数の間隙を有して通気可能であり、且つ予め厚さ方向に部分的に圧縮されて他の部分の厚さよりも薄くなった薄肉部分による複数の凹部が表面に規則的又は不規則的に形成され、前記カバー部材は、装飾縁部材本体の表面に接合され、この接合部分でカバー部材の繊維が前記装飾縁部材本体のエラストマー材料と熱融着して固着されていると共に、前記カバー部材に予め形成された複数の凹部が表面に露出して、薄肉部分の凹部と他の部分とが互いに色調の異なる模様として視認可能となっていることを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、カバー部材は、上記構成によって、裏面側の繊維が装飾縁部材本体に熱融着により強固に接合固着され、カバー部材の繊維は織られて一体化し、又は一体的に絡み合っているので、装飾縁部材本体とは異なる色彩又は模様を呈するカバー部材が装飾縁部材本体にしっかりと固着された車両用の装飾縁部材が得られる。カバー部材の織布又は不織布には、融着前に表面に予め所定の模様形成されているので、所望の模様がついた装飾縁部材が容易に得られる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記カバー部材の織布又は不織布の中の不規則方向を向き、かつ不規則形状の無数の間隙内に前記装飾縁部材本体エラストマー材料の一部が入り込んで固化しアンカー作用によってカバー部材は装飾縁部材本体の表面に機械的にも固着されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、装飾縁部材本体の表面とカバー部材とは、装飾縁部材本体エラストマー材料とカバー部材の裏面側の繊維との融着に加えて、上記アンカー作用によって機械的にも接合されるので、両者の固着状態は、強固で、かつ安定化している。また、エラストマー材料で形成された装飾縁部材本体と、カバー部材を構成する織布又は不織布との組み合せによっては、融着強度が小さい場合でも、前記アンカー作用による固着によって、装飾縁部材本体に対するカバー部材の接合(固着)強度が低下することがない。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記カバー部材の繊維同士は、カバー部材の厚さ方向で僅かに移動及び/又は変形可能であることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の上記作用効果に加えて、取付時において、長尺な装飾縁部材の軸線を曲げて取付けたり、或いは取付使用状態において、カバー部材に厚さ方向の圧縮力又は引張力が作用しても、カバー部材を構成する繊維同士がカバー部材の厚さ方向において僅かに移動又は変形して、カバー部材に発生する応力を緩和し、装飾縁部材の曲げ変形にカバー部材が良好に追随する。このため、装飾縁部材を曲げる際には、カバー部材の表面に亀裂やしわが発生せず、また曲げ作業が容易となる。これに対してカバー部材が 伸縮しない場合には、装飾縁部材の曲げ作業の際に表面に亀裂やしわが生じ易く、使用状態において内部に限度を超えた応力が生じる部分では、装飾縁部材本体からカバー部材の部分剥離が発生し易い。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記カバー部材繊維同士は、カバー部材の面方向で僅かに移動及び/又は変形可能であることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、カバー部材は面方向で伸縮性が付与されるために、面方向の圧縮力等が作用しても、面方向に移動して曲げ変形に追随する。また、請求項3の後段の作用効果が一層顕著に奏される。
【0016】
【0017】
【0018】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、前記カバー部材は、装飾縁部材本体の表面とは異色を呈するように処理された繊維で形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明の上記作用効果に加えて、カバー部材繊維は予め着色されていて、後工程での着色処理が不要となるため、製造工程が簡略化される。また、後工程での着色に比較して、複数の着色の選択が容易である。
【0020】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、前記カバー部材繊維は、装飾縁部材本体の材料よりも硬度が高い材料から成ることを特徴としている。
【0021】
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明の上記作用効果に加えて、装飾縁部材の表面カバー部材の硬度が他の部分(装飾縁部材本体)の硬度よりも高いために、装飾縁部材の表面の耐磨耗性が高められる。
【0022】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、前記カバー部材繊維は、装飾縁部材本体の材料よりも摩擦係数が小さいことを特徴としている。
【0023】
請求項の発明によれば、請求項1ないしのいずれかの発明の上記作用効果に加えて、例えば、サンシェードと接することのある条件で、又は接して使用されるサンルーフトリムのように、装飾縁部材の表面が他の部材と摺動して使用されても、カバー部材と相手部材との間の摩擦及び摺動抵抗を減少させられる。
【0024】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、前記装飾縁部材本体は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで成形され、カバー部材は、オレフィン系樹脂繊維で成形されていることを特徴としている。
【0025】
請求項の発明によれば、請求項1ないしのいずれかの発明の上記作用効果に加えて、オレフィン系樹脂繊維はオレフィン系熱可塑性エラストマーと相溶性を有するので、両者は良好に融着して良好な接合が得られる。また、他の多くの樹脂に比較して比重が小さいので、軽量な装飾縁部材が得られる。
【0026】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、前記装飾縁部材は、切断された長手方向の端末同士が融着で接合されて環状をなし、両端末の接合部において、装飾縁部材本体同士及びカバー部材同士が突合せ状態で融着されていることを特徴としている。
【0027】
請求項の発明によれば、請求項1ないしの発明の上記作用効果に加えて、カバー部材は、切断された端末同士でも融着接合されているので、切断端末から剥がれが生じない。また、装飾縁部材の本体同士も融着接合されているので、両端末は強固に接合される。
【0028】
また、請求項10の発明は、熱可塑性エラストマー材料から押出成形した長尺状の装飾縁部材本体と、前記装飾縁部材本体とは別体に作られて表面が装飾縁部材本体の表面とは異なる模様及び/又は色彩を呈する布状のカバー部材とからなり、前記カバー部材装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に接合して積層一体化させた車両用装飾縁部材の製造方法であって、加熱溶融した熱可塑性エラストマー材料を押出成形型のオリフィスから押し出し所定の横断面形状の前記装飾縁部材本体を成形している途中において、前記装飾縁部材本体のエラストマー材料と相溶性を有する材料からなる繊維を規則的に織った織布、又は繊維を不規則に絡ませた不織布からなって、内部に不規則方向を向き、且つ不規則形状の無数の間隙を有して通気可能であり、且つ予め厚さ方向に部分的に圧縮して他の部分の厚さよりも薄くさせた薄肉部分による複数の凹部を表面に規則的又は不規則的に形成し、前記薄肉部分の凹部と他の部分とが互いに、色調の異なる模様として視認され得るテープ状のカバー部材を連続して供給し、前記装飾縁部材本体エラストマー材料カバー部材と融着可能な温度のときに前記装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に前記カバー部材の前記凹部が前記装飾縁部材本体の表面に露出するように配置して接触させ、前記装飾縁部材本体の表面を向く側のカバー部材の繊維を装飾縁部材本体の表面に熱融着させて接合し積層一体化させることを特徴としている。
【0029】
請求項10の発明によれば、カバー部材は、上記した繊維により形成されていて、装飾縁部材本体の押出成形時に発生するガスを透過させ得るので、装飾縁部材本体とカバー部材との間にガス溜り発生せずに、接合強度均一にした状態で、装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部にカバー部材を積層一体化さた装飾縁部材が得られる。また、使用するカバー部材は、予め薄肉部分の凹部と他の部分とで色調が異なる模様が付与されているため、カバー部材と装飾縁部材との接合後にカバー部材に凹模様を施す工程が不要となる。
【0030】
また、請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記カバー部材を前記押出成形型内に供給して、前記成形型内で装飾縁部材本体を成形した後に、又は成形途中において、前記装飾縁部材本体に圧着さて融着により接合し、積層一体化することを特徴としている。
【0031】
請求項11の発明によれば、請求項10の発明の上記作用効果に加えて、カバー部材は、加熱された成形型内を通過する途中で(即ち、成形途中で)、前記成形型の熱予め加熱され、更に装飾縁部材本体との接触時に、前記装飾縁部材本体の熱裏面側の繊維が溶融するため、融着による接合が良好に行われて、装飾縁部材本体にカバー部材が積層一体化される。また、前記接合の際に、装飾縁部材本体表面の材料と接する裏面側の繊維は、加熱溶融し又は融着に十分な温度に加熱されるが、多数の繊維内の空気の間隙が断熱層として作用するために、カバー部材の表面側繊維には裏面側繊維程に熱が伝わらない。この結果、カバー部材は、全体が溶かされたり、或いはカバー部材の表面が劣化されたりすることはない。
【0032】
また、請求項12の発明は、請求項10の発明において、装飾縁部材本体押出成形型から押し出、装飾縁部材本体の表面がカバー部材と融着可能な温度を保っているときに、カバー部材前記装飾縁部材本体に供給して、形状保持された状態の装飾縁部材本体に圧着させて融着により接合積層一体化することを特徴としている。
【0033】
請求項12の発明によれば、請求項10の上記作用効果に加えて、カバー部材、成形型から押し出された装飾縁部材本体と接させる時に、装飾縁部材本体からカバー部材の裏面側の繊維が部分的に溶融し、融着による接合が良好に行われて、装飾縁部材本体にカバー部材が積層一体化される。このため、溶融温度が比較的低い繊維からなるカバー部材であっても、融着接合ができる
【0034】
また、請求項13の発明は、請求項10ないし12のいずれかの発明において、装飾縁部材本体にカバー部材接合する時、カバー部材を装飾縁部材本体に圧着状態で接触させて、装飾縁部材本体エラストマー材料の一部を流動させて、前記流動させた材料をカバー部材の繊維間の前記間隙に喰い込ませて固化させアンカー作用により接合し、積層一体化することを特徴としている。
【0035】
請求項13の発明によれば、請求項10ないし12のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、装飾縁部材本体材料の一部を流動させてカバー部材繊維間の間隙内に入り込ませる。この結果、装飾縁部材本体とカバー部材と、融着による固着(接合)に加えて前記アンカー作用により機械的にも固着さるので、両者の接合強度が更に向上する
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。最初に、本発明に係るサンルーフトリム(装飾縁部材)Tが取付けられる車両のサンルーフRの部分について説明し、その後にサンルーフトリムTの構造、及びその製造方法について説明する。図1は、本発明に係るサンルーフトリムTが取付けられるサンルーフRの部分を主体に示した車両の斜視図であり、図2は、図1のX−X線拡大断面図であり、図3は、サンルーフトリムTの部分拡大斜視図である。
【0037】
図1及び図2に示されるように、車両のルーフパネルPに設けられたサンルーフRは、車両の前後方向Qに沿って移動する略四角形状の窓板2によりルーフパネルPに形成された略四角形状のルーフ開口1を開閉する構成である。サンシェードボード3は、窓板2を通して車内に入り込む太陽光線を車内に取り入れたり遮蔽したりするために窓板2とは独立して移動する構成になっている。ルーフパネルPは、車外側に配置されるルーフアウターパネルP1 と車内側に配置されるルーフインナーパネルP2 とで構成される。ルーフアウターパネルP1 は、ルーフ開口1の部分において、車内側に折れ曲がった周壁部4と、該周壁部4の下端部からルーフ開口1の側に更に折れ曲がったフランジ部5とを有している。一方、ルーフインナーパネルP2 のルーフ開口1に入り込んだパネル端部6は、前記ルーフアウターパネル(補強パネル)P1 のフランジ部5と重なり合ってフランジ重合部7を形成している。このフランジ重合部7は、ルーフ開口1の内部に入り込んで、フランジ重合部7の縁は全体形状が四角形枠状となっている。
【0038】
前記サンシェードボード3は、不透明部材で構成され、透明の窓板2の車内側に窓板2と所定の間隔を保ってほぼ平行に配置されて、その目的と作用は前述の通りである。ガラス等の透明材で形成された窓板2は、その全周縁にシール材Sが取付けられて閉じたとき気密及び水密を保持して案内レール(図示せず)に案内支持されて、車両の前後方向Qに移動する。このシール材Sは、断面コの字状の取付基部11と、ルーフアウターパネルP1 の周壁部4のほぼ上端部の突出部4aに弾接してシール作用を果たすシール部12と、前記取付基部11の下面から斜外下方に向けて一体に形成されて、ルーフアウターパネルP1 とシール材Sとの間に雨水が入ったときに、水滴を外方に流す遮蔽リップ部13とで構成される。
【0039】
サンルーフトリムTは、オレフィン系の熱可塑性エラストマー材料から押出形成された長尺材T’(図7参照)を所定長に切断してトリム中間品T'' (図9参照)を形成して、後述の方法により、長手方向の両端面を一体に接合して前記ルーフ開口1のフランジ重合部7の全体形状に対応可能な環形枠状にして使用される。サンルーフトリムTは、トリム本体20と、このトリム本体20のほぼ全表面に一体に積層されるカバー部材30とで構成される。なお、日本国内で入手可能な「オレフィン系の熱可塑性エラストマー材料」としては、エーイーエスジャパン株式会社の商品名「サントプレーン」、三井化学株式会社の商品名「ミラストマー」、住友化学株式会社の商品名「住友TPE」、リケンテクノス株式会社の商品名「レオストマー」等が挙げられる。
【0040】
トリム本体20は、断面略U字状をなしていて、前記フランジ重合部7に取付けられる取付基部21と、この取付基部21の反開口側から斜外下方(取付状態では、斜車内側)に向けて一体に設けられた延長リップ22とで構成される。断面略U字状の取付基部21には、同じく断面略U字状をした金属ストリップ等からなり、魚骨状に打ち抜かれた補強用の芯材23が埋設され、前記取付基部21の対向内側面には、それぞれ複数の保持リップ24,24が対向して設けられている。
【0041】
前記カバー部材30は、トリム本体20を形成するオレフィン系のエラストマー材料と相溶性を有するオレフィン系樹脂繊維を規則的に織った織布又は同繊維を不規則的に絡み合わせた不織布からなり、テープ状をなしている。このカバー部材30は、トリム本体20の押出形成時において、取付基部21を構成する車外側側片21aから延長リップ22に至る部分の表面に熱融着により積層一体化されて、表面に露出し(図3参照)、カバー部材30の幅方向の両端部は、取付基部21の車外側側片21a及び延長リップ22の各端縁からそれぞれ内側に折り曲げられている。なお、延長リップ22と車内側側片21bとの間の溝部には、天井トリム材25の縁部が後に差し込まれ、延長リップ22が前記縁部に覆い被さって縁部を覆うと共に支持する。
【0042】
トリム本体20の車外側側片21aから延長リップ22に至る部分の表面に、前記繊維を織った織布、又は同繊維を不規則的に絡み合わせた不織布からなるカバー部材30が熱融着により固着されて積層一体化されているのは、以下の理由による。即ち、トリム本体20を形成する熱可塑性エラストマーはオレフィン系樹脂を含みカバー部材30を形成する樹脂繊維31はオレフィン系であって両者は相溶性を有していて、トリムTの中間品T''の製造時に両者は熱融着により良好に接合するためである。また、図6に示されるように、前記織布又は不織布は、前記繊維の織り目又は絡み合いで内部の繊維同士間に不規則方向を向き、かつ不規則形状の無数の間隙32を有していて通気可能であり、トリム本体20の車外側側片21aから延長リップ22に至る部分を形成するエラストマー材料の一部20aが前記間隙32内に入り込んで固化して生ずるアンカー作用によって、カバー部材30は、トリム本体20の表面に機械的に固着されていることにもよる。なお、図6において直線L1 は、トリム本体20とカバー部材30との見かけの境界の溶着部を示し、カバー部材30内を横断する実線L3 は、間隙32内に入り込んだ材料の先端面を示す。
【0043】
カバー部材30を構成する繊維同士は、カバー部材30の厚さ方向及び面方向の一方に僅かに移動し、或いは変形するか、或いはその双方が可能となっている。このため、後述するように、環状に接合するとき、及びルーフ開口1のフランジ重合部7に取付けるときに、所定長のトリム中間品T''を四角形枠状に曲げ変形させる必要があるが、この変形を支障なく行える。また、図3ないし図6に示されるように、カバー部材30のうち車室内から最も見られ易い表面側には、部分的に厚さ方向に圧縮されて、他の部分よりも薄くなった多数の薄肉部300によって表面に作られた多数の凹部30a(以下、単に「薄肉部30a」という)が模様となって現れ視認される。このため、薄肉部30aでは、この部分の繊維を透過して、トリム本体20の表面の色(地色)と繊維の色とが合わさって見えると共に、薄肉部30a以外の部分(残りの厚肉部)では、繊維の色のみが、或いは繊維の色を主体にした色が見える。このように、カバー部材30は、部分圧縮により色調の異なる模様として目視(認識)され得るために、模様を必要とする部分で、必ずしも異色に処理した繊維を前もって配列する必要がなくなる。なお、図6において、直線L2 は、カバー部材30に圧縮した模様を形成する前の厚さを示す線である。
【0044】
カバー部材30は、トリム本体20の表面とは異色を呈するように予め着色、染色等の処理をされた繊維で形成することにより、即ち、予め望みの色に着色された繊維を選択使用することにより、後工程での着色処理が不要となって、製造工程を簡素化することもできる。このようにして、カバー部材30繊維の色を選択する方法は、後工程で着色するのに比較して、着色が容易で、かつその選択範囲が広くなる。
【0045】
なお、上記実施形態では、サンシェードボード3は、サンルーフトリムTとの隙間をできるだけ小さくするように設定されているので、サンシェードボード3の開閉時にトリム本体20の車外側面に接合されたカバー部材30に接触する可能性のある構成である。よって、カバー部材30を形成する繊維の材料としての硬度は、トリム本体20の材料よりも高くすると共に、サンシェードボード3に対する摩擦係数をトリム本体20の材料よりも低くなる材料を選択することが好ましい。これにより、サンルーフトリムT全体の耐磨耗性が高められると共に、サンシェードボード3との間の摩擦力及び摺動力を減少させて、サンシェードボード3がサンルーフトリムTに接触して開閉移動しても、サンシェードボード3は、長期間に亘ってスムーズに移動可能となる。
【0046】
サンルーフトリムTを構成するトリム本体20の全表面に前記カバー部材30を積層一体にして接合すると、車両の天井部において突出状態となっている延長リップ22の突出先端縁がカバー部材30で覆われるために、カバー部材30の色や模様を前述した天井トリム材の表面の色や模様と一致又は類似させておけば、天井の開口縁部分が一体化して目視され、天井トリム材の表面の色や模様と異なるものとすれば、天井の開口縁部分が際立った強調部として目視されるので、目的に応じた装飾性が高められる。
【0047】
次に、前記サンルーフトリムTの製造方法について説明する。図7は、サンルーフトリムTの製造装置の概略図であり、図8は、図7のZ−Z線拡大断面図である。図7において、サンルーフトリムTの製造装置は、押出成形ダイ41とカバー部材供給装置42とカバー部材折曲げ装置43と取付基部折曲げ装置44と冷却装置45と引取装置46とを備えている。押出成形ダイ41は、加熱されて溶融状のTPO材料が連続供給されて、取付基部21の断面が略V字状に拡開されたトリム本体形成予定部20'(図8参照)を押出形成するものである。カバー部材供給装置42は、表面に模様を形成するための多数の薄肉部が形成された長尺帯状のカバー部材30を作り、前記押出成形ダイ41に供給するための装置である。カバー部材折曲げ装置43は、前記トリム本体形成予定部20’の表面に溶着して接合されたカバー部材30の幅方向の両端縁を内側に折り曲げて同様に溶着接合するための装置である。取付基部折曲げ装置44は、前記トリム本体形成予定部20' の延長リップ22’と拡開状態の取付基部21’を段階的に折り曲げて断面略U字状に形成するための装置である。冷却装置45は、長尺状となって連続して押出成形されるサンルーフトリムTの長尺材T’を冷却するための装置であり、引取装置46は、前記長尺材T’を引き取るための装置である。なお、図6において、47は、押出成形ダイ41の上流側に配置したアンコイラで、フープ状に巻回された芯材23を引き出して、押出成形ダイ41に連続して供給する。押出成形ダイ41に供給された芯材23は、押出されるトリム本体形成予定部20’に一体的に埋設される。
【0048】
長尺帯状をしたカバー部材30を押出成形ダイ41に連続供給するためのカバー部材供給装置42は、原反から所定の一定幅にスリットされたカバー部材30のアンコイラ51と、前記カバー部材アンコイラ51から引き出されたカバー部材30の表面側に多数の薄肉部を形成して模様を付与するための一対の模様付与ローラ52a,52bと、前記押出成形ダイ41の押出口の直前の部分に配置されて、この押出成形ダイ41から連続して押し出される直前のトリム本体形成予定部20’の表面に相対的に前記カバー部材30を押し付けて一体に接合させるために、軸Cを中心に回転するカバー部材接合ローラ53とを備えている。また、一対の模様付与ローラ52a,52bの一方のローラ52aの外周面には多数の模様付与凸部52a’が形成されている。また、一対のローラ52a,52bは同一速度で矢印方向に共に駆動回転される。一方のローラ52aはスチール等の熱伝導の高い硬質材料で作られて加熱されていて、他方のローラ52bは耐熱性のシリコンゴム等の柔軟材で作られていて、両ローラ52a,52bが回転するときに前記凸部52a’の一部が他方のローラ52bの周面に部分的に喰い込むように両ローラ52a,52b間の距離が設定されている。なお、上記に代えて、予め薄肉部を形成しておいたカバー部材を用意してダイ41に供給してもよい。この場合は両ローラ52a,52bは不要となる。
【0049】
図示しない押出機からオレフィン系熱可塑性エラストマーの溶融材料が押出成形ダイ41に連続して供給されて、この押出成形ダイ41の内部において徐々にトリム本体形成予定部20’が形成されて、押出成形ダイ41押出口(オリフィス)の直前に配置されたカバー部材接合ローラ53の部分において、図8に示されるように、前記トリム本体形成予定部20’の表面には、カバー部材30が被覆されてトリム本体形成予定部20’に接合される。カバー部材接合ローラ53に供給されるカバー部材30は、加熱された押出成形ダイ41の内部を通過する間に、この成形ダイ41から熱を受けて予め加熱されており、更にトリム本体形成予定部20’との接触時に、トリム本体形成予定部20’からの熱を受けるため、カバー部材30の裏面側の繊維は部分的に溶融しているか、又はトリム本体形成予定部20’と接触したときに溶融するのに十分な温度に加熱されている。これによりトリム本体形成予定部20’の表面へのカバー部材30の融着による化学的接合が良好に行われる。更に、カバー部材30とトリム本体形成予定部20’との接合部においては、トリム本体形成予定部20’を成形する熱可塑性エラストマーの溶融材料は圧縮が開放されるため、カバー部材30の側に向けて幾分膨張し、カバー部材30の樹脂繊維31同士間の不規則形状の間隙32内に入り込んで固化するのでアンカー作用が生じて、両者20',30は機械的にも接合される。このように、異なる2種類の接合が相乗することにより、トリム本体形成予定部20’にカバー部材30は強固に接合して積層一体化される。
【0050】
なお、溶融材料が押し出されたトリム本体形成予定部20’は固化するまでに表面からガスを放出し、発泡剤を含む場合には特に顕著となってガスを放出するが、カバー部材30が通気可能であるためガスはカバー部材30を通過するので、カバー部材30の裏面にガス溜りが発生することがない。このこともトリム本体形成予定部20’へのカバー部材30の接合強度を低下させないことにつながる。
【0051】
カバー部材30とトリム本体形成予定部20’との接合の際に、カバー部材30の裏面側におけるトリム本体形成予定部20’と直接接触する裏面側の繊維は、接触時にトリム本体形成予定部20’の熱により加熱されて溶融するが、カバー部材30多数の繊維内の空気の間隙が断熱層として作用する。この結果、カバー部材30の表面側繊維は、その裏面側繊維程に加熱されないために、カバー部材30は、全体が溶かされたり、或いは表面が劣化することがない。図に示されるように、カバー部材アンコイラ51から引き出されたカバー部材30は、一対の模様付与ローラ52a,52bを通過する間に、繊維の熱変形温度以上に加熱されたローラ52aからの熱によってカバー部材30は軟化し、全体が僅かに圧縮されると共に、カバー部材30の表面側は、一方の模様付与ローラ52aの外周面に設けられた多数の模様付与凸部52a’によって他の部分よりも大きく圧縮されて塑性変形し、図4及び図5に示すような多数の薄肉部(凹部)30aが形成される。
【0052】
図8に示されるように、押出成形ダイの押出口からは、トリム本体形成予定部20’の表面側にカバー部材30が一体に接合された状態で連続して押し出され、その直後に、カバー部材折曲げ装置43によって、カバー部材30の幅方向の両端縁がそれぞれ内側に折り曲げられて前述と同様に溶着し、トリム本体形成予定部20’の車外側側片21a’及び延長リップ形成予定部22’の各端縁が前記カバー部材30の幅方向の端部によって被覆される。その後に、取付基部折曲げ装置44によって、トリム本体形成予定部20’の拡開状態の取付基部21’の各側片21a’,21b’を段階的に折り曲げて断面略U字状に形成される。最後に、冷却装置45を通過する間にサンルーフトリムTの長尺材T’は、徐々に冷却されて、引取装置46の通過後に所定の長さに切断され製造装置から取り出される。
【0053】
このようにして形成されたサンルーフトリムTの長尺材T’は、ルーフ開口1のフランジ重合部7の周長に対応する長さに切断されてトリム中間品T''となる。次に、全体を環形状となるように、前記トリム中間品T''の長手方向の両端面を突き合わせて一体に接合すると、完成品である環状のサンルーフトリムTが得られる。
【0054】
なお、上記実施例の製造方法においては、押出成形ダイ41の内部にカバー部材30を供給しているが、押出成形ダイ41からトリム本体形成予定部20’が押し出された直後に、表面にカバー部材30を一体に接合することも可能である。この場合には、図7で2点鎖線で示されるように、カバー部材アンコイラ51’を設け、更にカバー部材接合ローラ53’、カバー部材折曲げ装置43’を押出成形ダイ41の下流側に配置し、かつカバー部材30の接合を安定化させるために、前記カバー部材接合ローラ53’が配置された接合位置に、トリム本体形成予定部20’を支持する支持台(図示せず)を設置する。この場合には、サンルーフトリムTの長尺材T’の製造に際して、溶融温度がトリム本体形成予定部20’の成形温度より比較的低い繊維からなるカバー部材であっても接合可能となり、押出成形ダイ41の内部にカバー部材接合ローラ53を配置する必要がなくなるために、押出成形ダイ41の構造が簡単となる。
【0055】
また、前記の実施形態ではトリム本体形成予定部20’の拡開状態の取付基部21’の各側片21a’,21b’を折り曲げる加工を冷却前に行う方法について説明したが、この折り曲げ加工は冷却後に行うこともできる。トリム本体形成予定部20’の厚さが比較的厚いものでは、冷却後に折り曲げ加工を行うことが好ましい。
【0056】
次に、上記のようにして形成されたサンルーフトリムTの長尺材T’を所定長に切断してトリム中間品T''を得て、図9に示されるように、切断した前記トリム中間品T''を環状に曲げて長手方向の切断端末同士を突き合わせて両端面を熱融着により一体に接合(その端末接合部を「J」で図示してある)すると、全体形状が環状の製品であるサンルーフトリムTが形成される。
【0057】
サンルーフトリムTのカバー部材30の織布又は不織布を構成している繊維同士は厚さ方向及び面方向の双方において僅かに移動可能であり、或いは変形可能であるので、即ち、厚さ方向及び面方向の双方において伸縮可能であり、前記トリム中間品T''をわん曲させて環状のサンルーフトリムTを形成する場合、そのわん曲部の外側及び内側では、それぞれ引張応力及び圧縮応力が発生する。カバー部材30の繊維同士がカバー部材30の厚さ方向又は面方向に僅かに移動又は変形するので、トリム中間品T''を曲げる際には、表面に亀裂やしわが発生せず、またその曲げ作業が容易となる。これに対して、カバー部材30が伸縮しない場合には、トリム中間品 ''の曲げ作業の際にトリム中間品 '' 表面に亀裂やしわが生じ易く、使用状態において内部に限度を超えた応力が発生する部分で、トリム本体からカバー部材部分剥離し易い。
【0058】
最後に、図10ないし図13を参照してトリム中間品T''の長手方向の両端末同士を接合する方法について説明する。図10に示されるように、長尺状のトリム中間品T''の長手方向の両端末部が1mm程度だけ保持金型61の端面61aから突出するようにしてトリム中間品T''を保持する(その突出量が「Ta'' 」で示されている)。この状態で図11に示すようにトリム中間品T''の両端末面Tb'' を、予め両端末面Tb'’の間に配置されトリム中間品T''の溶融温度以上の温度に加熱した熱板62の両面に当てることにより、トリム中間品T''の両端末部(カバー部材30を含む)を加熱溶融させる。次に、図12に示すようにトリム中間品T''の両端末面Tb'' の間から熱板62を後退させる。その後、図13に示すように直ちに対向配置された一対の保持金型61を突き合わせて、トリム中間品T''の両端末部を溶着接合する。この後脱型することにより、トリム中間品T''が環状に形成されて、製品であるサンルーフトリムTが得られる。上記の接合工程において、カバー部材30の端末同士も互いに溶着されるので、カバー部材30の端末からの剥がれが防止され、繊維のほつれも防止できる。
【0059】
上記実施形態では、車両用装飾縁部材として、「サンルーフトリム」を例に挙げて、その構成と製造方法について説明したが、本発明の実施の対象は、「サンルーフトリム」に限られず、同様の目的で使用される他の縁部材に実施可能である。他の縁部材の例示としては、車両側面の開閉ドアと車体パネルとの間に配置されるウェザーストリップ、開閉トランク部分に使用されるウェザーストリップ(トランクシール)等が挙げられる。
【0060】
【発明の効果】
本発明に係る装飾縁部材によれば、カバー部材は、上記構成によって、裏面側の繊維が装飾縁部材本体に熱融着により強固に接合固着され、カバー部材の表裏の各繊維は織られて一体化し、又は一体的に絡み合っているので、装飾縁部材本体とは異なる色彩又は模様を呈するカバー部材全体が装飾縁部材本体にしっかりと固着された車両用の装飾縁部材が得られる。カバー部材の織布又は不織布には、融着前に表面に予め所定の模様が形成されているので、容易に所望の模様がついた装飾縁部材が得られる。
0061
また、本発明に係る装飾縁部材の製造方法によれば、カバー部材は、上記した繊維により形成されていて、装飾縁部材本体の押出成形時に発生するガスを透過させ得るので、装飾縁部材本体とカバー部材との間にガス溜りを発生させずに、ほぼ全体の接合強度を均一にした状態で、装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部にカバー部材を積層一体化させた装飾縁部材が得られる。また、使用するカバー部材は、予め薄肉部分の凹部と他の部分とで色調が異なる模様が付与されているため、カバー部材と装飾縁部材との接合後にカバー部材に凹模様を施す工程が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るサンルーフトリムTが取付けられるサンルーフRの部分を主体に示した車両の斜視図である。
【図2】 図1のX−X線拡大断面図である。
【図3】 サンルーフトリムTの取付前の部分拡大斜視図である。
【図4】 カバー部材30の部分正面図である。
【図5】 図4のY−Y線断面図である。
【図6】 サンルーフトリムTのトリム本体20とカバー部材30との接合部の拡大断面模式図である。
【図7】 本発明に係るサンルーフトリム用長尺材T’の製造装置の概略図である。
【図8】 図7のZ−Z線拡大断面図である。
【図9】 サンルーフトリムTの平面図である。
【図10】 トリム中間品T''の長手方向の両端末部が1mm程度だけ保持金型61の端面61aから突出するようにしてトリム中間品T''を保持した状態の図である。
【図11】 トリム中間品T''の両端末を熱板に当てて加熱溶融させた状態の図である。
【図12】 一対の保持金型61の間から熱板62を後退させた状態の図である。
【図13】 一対の保持金型61を突き合わせた状態の図である。
【符号の説明】
J:サンルーフトリムの端末接合部
T:サンルーフトリム(装飾縁部材)
T'':トリム中間品
20:トリム本体(装飾縁部材本体)
30:カバー部材
30a:カバー部材の薄肉部(凹部)
31:カバー部材を形成する繊維樹脂
32:繊維樹脂間の間隙
41:押出成形ダイ

Claims (13)

  1. 熱可塑性エラストマー材料から押出成形された長尺状の装飾縁部材本体と、前記装飾縁部材本体とは別体に作られて表面が装飾縁部材本体の表面とは異なる模様及び/又は色彩を呈する布状のカバー部材とからなり、前記カバー部材が装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に接合して積層一体化された車両用装飾縁部材であって、
    前記カバー部材は、装飾縁部材本体のエラストマー材料と相溶性を有する材料から成る繊維を規則的に織った織布、又は同繊維を不規則的に絡み合わせた不織布から成り、前記繊維の織り目又は絡み合いで内部の繊維同士間に不規則方向を向き、かつ不規則形状の無数の間隙を有して通気可能であり、且つ予め厚さ方向に部分的に圧縮されて他の部分の厚さよりも薄くなった薄肉部分による複数の凹部が表面に規則的又は不規則的に形成され、
    前記カバー部材は、装飾縁部材本体の表面に接合され、この接合部分でカバー部材の繊維が前記装飾縁部材本体のエラストマー材料と熱融着して固着されていると共に、前記カバー部材に予め形成された複数の凹部が表面に露出して、薄肉部分の凹部と他の部分とが互いに色調の異なる模様として視認可能となっていることを特徴とする車両用装飾縁部材。
  2. 前記カバー部材の織布又は不織布の中の不規則方向を向き、かつ不規則形状の無数の間隙内に前記装飾縁部材本体エラストマー材料の一部が入り込んで固化しアンカー作用によってカバー部材は装飾縁部材本体の表面に機械的にも固着されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用装飾縁部材。
  3. 前記カバー部材の繊維同士は、カバー部材の厚さ方向で僅かに移動及び/又は変形可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用装飾縁部材。
  4. 前記カバー部材繊維同士は、カバー部材の面方向で僅かに移動及び/又は変形可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  5. 前記カバー部材は、装飾縁部材本体の表面とは異色を呈するように処理された繊維で形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  6. 前記カバー部材繊維は、装飾縁部材本体の材料よりも硬度が高い材料から成ることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  7. 前記カバー部材繊維は、装飾縁部材本体の材料よりも摩擦係数が小さいことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  8. 前記装飾縁部材本体は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで成形され、カバー部材は、オレフィン系樹脂繊維で成形されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  9. 前記装飾縁部材は、切断された長手方向の端末同士が融着で接合されて環状をなし、両端末の接合部において、装飾縁部材本体同士及びカバー部材同士が突合せ状態で融着されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用装飾縁部材。
  10. 熱可塑性エラストマー材料から押出成形した長尺状の装飾縁部材本体と、前記装飾縁部材本体とは別体に作られて、表面が装飾縁部材本体の表面とは異なる模様及び/又は色彩を呈する布状のカバー部材とからなり、前記カバー部材装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に接合して積層一体化させた車両用装飾縁部材の製造方法であって、
    加熱溶融した熱可塑性エラストマー材料を押出成形型のオリフィスから押し出し所定の横断面形状の前記装飾縁部材本体を成形している途中において、前記装飾縁部材本体のエラストマー材料と相溶性を有する材料からなる繊維を規則的に織った織布、又は繊維を不規則に絡ませた不織布からなって、内部に不規則方向を向き、且つ不規則形状の無数の間隙を有して通気可能であり、且つ予め厚さ方向に部分的に圧縮して他の部分の厚さよりも 薄くさせた薄肉部分による複数の凹部を表面に規則的又は不規則的に形成し、前記薄肉部分の凹部と他の部分とが互いに、色調の異なる模様として視認され得るテープ状のカバー部材を連続して供給し、前記装飾縁部材本体エラストマー材料カバー部材と融着可能な温度のときに前記装飾縁部材本体の表面の少なくとも一部に前記カバー部材の前記凹部が前記装飾縁部材本体の表面に露出するように配置して接触させ、前記装飾縁部材本体の表面を向く側のカバー部材の繊維を装飾縁部材本体の表面に熱融着させて接合し積層一体化させることを特徴とする車両用装飾縁部材の製造方法。
  11. 前記カバー部材を前記押出成形型内に供給して、前記成形型内で装飾縁部材本体を成形した後に、又は成形途中において、前記装飾縁部材本体に圧着さて融着により接合し、積層一体化することを特徴とする請求項10に記載の車両用装飾縁部材の製造方法。
  12. 装飾縁部材本体押出成形型から押し出、装飾縁部材本体の表面がカバー部材と融着可能な温度を保っているときに、カバー部材前記装飾縁部材本体に供給して、形状保持された状態の装飾縁部材本体に圧着させて融着により接合積層一体化することを特徴とする請求項10に記載の車両用装飾縁部材の製造方法。
  13. 装飾縁部材本体にカバー部材接合する時、カバー部材を装飾縁部材本体に圧着状態で接触させて、装飾縁部材本体エラストマー材料の一部を流動させて、前記流動させた材料をカバー部材の繊維間の前記間隙に喰い込ませて固化させアンカー作用により接合し、積層一体化することを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の車両用装飾縁部材の製造方法。
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