JP3645732B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば中間転写ドラムを用いたカラー画像形成装置等のような画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置としては、例えば、特許第2758522号に係る特許公報に開示されたものがある。この従来の画像形成装置は、コロナ電極を有する転写チャージャーのハウジング(シールドケース)の開口部の両側に、互いに平行な一対のグリッド電極を配置すると共に、その一対のグリッド電極間に、被転写材の搬送方向に対して水平面内で傾斜し、かつ搬送方向に進むに従って拡開するような位置関係にハウジングの長さ方向半分ずつに配置された2群の電極線を接続して設けることにより、被転写材の進行方向先端部の両側の角部がその電極線の下に侵入することを防止しようとするものである。
【0003】
このような従来の転写チャージャーは、それに印加するバイアス電圧の極性を転写チャージャーと逆のタイミングで切り替えることにより、被転写材を画像担持体から分離させる分離チャージャーとしても用いることが可能なものであり、このような用い方をする分離チャージャーも公知となっているものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の転写チャージャーは、そのハウジングの開口部に設けた一対のグリッド電極間に多数本の電極線又は絶縁線が設けられた構造なので、これを上記分離チャージャーとして用いた場合は、その多数本の電極線又は絶縁線により放電均一性が劣化し、図5に実線で示すように電流値が安定しないため放電ムラが生じるので、被転写材を画像担持体から分離させることができないおそれがあるという問題がある。
【0005】
このために、分離チャージャーの開口部には電極線やこれに類する部材を何も設けないで、100%開放状態にしておくことが望ましい。ところが、このように分離チャージャーの開口部を開放状態にしておくと、今度は次のような問題が生じる。すなわち、画像形成装置によっては、被転写材を画像担持体から分離させることを容易にするために、被転写材の搬送方向において転写位置の手前側に塑性変形機構を設けて、被転写材がトナー画像を転写される側の面が凸側となって湾曲するように、被転写材を塑性変形機構により塑性変形するようになっているものがある。
【0006】
このような画像形成装置においては、湾曲の度合が強過ぎて、転写後に被転写材が進行するとき画像担持体と反対側に湾曲して、その先端が分離チャージャーのシールドケース内にその開口部から落ち込んでいき、そこでジャム(紙詰り)が起こったり、被転写材がシールドケース内の分離電極に接触してせっかく画像担持体から転写した転写画像が飛散、破壊する転写抜けが起きるおそれがあるという問題が出てくる。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、確実に被転写材を画像担持体から分離させることができるだけでなく、被転写材の先端が分離チャージャーのシールドケース内に落ち込んで紙詰りや転写抜けが起きることを防止することができる画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による画像形成装置は、
表面にトナー画像を形成するための画像担持体と、
前記トナー画像を被転写材に転写させるための転写手段と、
被転写材を前記画像担持体から分離させるための分離手段と、
を備えた画像形成装置において、
被転写材の搬送方向において前記転写手段よりも手前側に、被転写材の画像形成する側の転写面が凸側となって所定の曲率半径を有して湾曲するように被転写材を塑性変形させる塑性変形手段を備え、
前記分離手段が、
被転写材に対してコロナ放電を行う放電電極と、この放電電極の周囲に配置されその開口部がほぼ全面開放されたシールドケースを有し、
被転写材が前記転写手段と前記画像担持体との間に挟まれて転写された後の進行方向への被転写材の軌跡よりも重力方向下方側に前記放電電極が配置され、
前記シールドケースの、前記放電電極に関して前記転写手段と反対側の下流側壁部が、被転写材の軌跡の先端との接触開始点におけるこの軌跡の接線と前記下流側壁部の内面とのなす角度が90°を越えて、被転写材の搬送路の一部を兼ねるように形成された構成としたものである。
【0009】
このような構成の画像形成装置によれば、分離手段のシールドケースの開口部がほぼ全面的に開放された構造となっているので、放電ムラが起きるのを防いで、確実に被転写材を画像担持体から分離させることができる。また、被転写材が転写手段と画像担持体との間に挾まれて転写された後の進行方向への被転写材の軌跡よりも、重力方向下方側に放電電極が配置され、シールドケースの、放電電極に関して転写手段と反対側の下流側壁部が、被転写材の軌跡の先端との接触開始点におけるその軌跡の接線と、シールドケースの下流側壁部の内面とのなす角度が90°を越えて、被転写材の搬送路の一部を兼ねるように下流側壁部を形成したため、被転写材の先端が分離チャージャーのシールドケース内に落ち込んで紙詰りや転写抜けが起きることを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1ないし図4は、本発明による画像形成装置の第1の実施の形態について説明するために参照する図である。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカラー画像形成装置の構成図である。このカラー画像形成装置には、感光体ドラム1、スコロトロン帯電器等の帯電装置2、レーザー光ユニット3、各色毎の4個の現像装置4a〜4d、転写前除電ランプ5、クリーニング装置6、主除電ランプ7、中間転写体ドラム8、転写ローラー9、分離チャージャー10、一対のレジストローラー12,13が設けられている。
【0012】
図1に示すカラー画像形成装置において、感光体ドラム1の感光面は帯電装置2(帯電手段)により帯電され、この帯電された感光体ドラム1の感光面には、その表面電荷を画像情報に基づいてレーザー光ユニット3(露光手段)により露光されて静電潜像が形成される。
【0013】
この静電潜像は4つの現像装置4a〜4d(現像手段)により、例えばマゼンタ(赤)、イエロー(黄)、シアン(青)のカラートナーと、ブラック(黒)のトナーを用いて順に現像され、この現像の度にカラートナー画像は中間転写体ドラム8(画像担持体)の表面上に順に一次転写されて、最終的に中間転写体ドラム8上に4色のカラートナー画像が多重転写されるようになっている。
【0014】
感光体ドラム1から円周表面にカラートナー画像を多重転写された中間転写体ドラム8は、転写ローラー9(転写手段)との間に挾まれて送られる転写用紙15(被転写材)に、その多重のカラートナー画像を二次転写するようになっている。カラートナー画像を二次転写された転写用紙15は、転写ローラー9と中間転写体ドラム8との間を通過した後、分離チャージャー10(分離手段)により転写時に印加された帯電を消去されて中間転写体ドラム8から分離し、矢印F方向に送られて図示しない定着装置によりフルカラー画像として定着される。
【0015】
また中間転写体ドラム8の直径は、70〜240mmφ位の大きさが用いられる。中間転写体ドラム8の直径が小さすぎるとA4サイズの多重転写像を形成できなくなるため、70mmφ以上であることが好ましく、このように中間転写体をドラム形状にすることにより色ズレも低減することができる。
【0016】
また、分離チャージャー10は、AC鋸歯放電器で形成し、印加電圧をDC+1.2kV、AC11Vpp、周波数1kHzのものを用いることができる。なお、この分離チャージャー10には、ワイヤー形式等の他の形式の放電器を用いることもできる。
【0017】
一対のレジストローラー12,13(塑性変形手段)のうち、転写用紙15の画像を転写する側の面15aの裏面15bに接するレジストローラー12は、金属等の剛体により形成された剛体ローラーであり、その直径は3〜12mmφに設定される。
【0018】
転写用紙15の画像を転写する側の面15aに接するレジストローラー13は、ゴムのような弾性体により形成された弾性ローラーであり、その直径は18〜26mmφである。そして、レジストローラー13の軸線部の剛体の芯金13aの直径は12mmφ〜16mmφであり、その芯金13aの直径はレジストローラー12の直径より大きい。このように芯金13aの直径を大きくすることで、レジストローラー12から高い荷重がかかっても、芯金13aが撓むのを抑えることができる。
【0019】
このような一対のレジストローラー12,13を転写用紙15が通ることにより、転写用紙15の搬送方向の転写ローラー9よりも手前側において、転写用紙15の画像を転写する側の面15aが凸側となって湾曲するように転写用紙15を塑性変形させることができる。
【0020】
このため、中間転写体ドラム8の直径が大きい場合でも、レジストローラー12,13によって、転写用紙15の画像を転写する側の面15aを凸側にして湾曲するように転写用紙15を塑性変形させることにより、中間転写体ドラム8から転写用紙15が剥離しにくくなるのを防止することができる。
【0021】
図1及び図2に示すように、分離チャージャー10の放電電極10bの周囲の箱型のシールドケース10aは、その中間転写体ドラム8側の開口部にはそれをふさぐような部材は何も設けられておらず、全面開放されているので、図5に破線で示すように電流値が安定する。このため、シールドケースの開口部に電極線等の部材が設けられた場合のように放電ムラが生じるのを防止して、確実に転写用紙15を中間転写体ドラム8から分離させることができる。
【0022】
このような分離チャージャー10とレジストローラー12,13を用いたため、中間転写体ドラム8から転写用紙15が剥離し易くなると共に、転写用紙15が中間転写体ドラム8と転写ローラー9との間の転写位置を通過して進行するとき、分離チャージャー10の放電作用により効果的に転写用紙15を除電することができ、転写用紙15は中間転写体ドラム8に静電吸着されることはない。
【0023】
このため、図1,図2に破線で示すように、転写用紙15の先端部は、その弾性力と重力によって決まる軌跡Aを描きながら進行することになる。このような転写用紙15の軌跡Aよりも重力方向下方側に放電電極10bが来るように、分離チャージャー10が配置されるようになっている。このため、転写用紙15が放電電極10bに接触することを防止して、せっかく中間転写体ドラム8から転写された転写画像が飛散、破壊して転写抜けが起きることを防止することができる。
【0024】
また分離チャージャー10のシールドケース10aの、放電電極10bに関して転写ローラー9と反対側の下流側壁部10cが、転写用紙15の湾曲した軌跡Aの先端との接触開始点における軌跡Aの接線Lと、下流側壁部10cの内面とのなす角度θが90°を越える、すなわち鈍角となって、転写用紙15の搬送路の一部を兼ねるように形成されている。具体的には、図2中の上記角度θは、90°<θ≦180°の範囲内に設定される。
【0025】
このため、図2に示すように、転写用紙15の先端部を搬送装置18上にスムーズに移行させることができ、転写用紙15が分離チャージャー10のシールドケース10a内に落ち込むことによる紙づまりを防止することができる。なお、シールドケース10aは導電材料のみにより形成してもよいが、導電材料と共に絶縁材料を併用して形成してもよく、例えば、下流側壁部10cの先端を絶縁材料とするように形成してもよい。
【0026】
図3は、転写ローラー9の中心から放電電極10b迄の水平距離をX軸にとり、中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離をY軸にとって、白い四角のプロットのグラフは中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離が6mm、白い丸のプロットのグラフは中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離が15mmの場合を示している。
【0027】
また同図において、黒い四角のプロットは転写用紙15がレジストローラー12,13により湾曲に変形されたその湾曲の曲率半径が30mm、黒い丸のプロットはその湾曲の曲率半径が50mm、黒い三角のプロットはその湾曲の曲率半径が200mm、×のプロットはその湾曲の曲率半径が∞(無限大、すなわち湾曲が無い)の場合を示している。
【0028】
このような図3のグラフにおいては、転写ローラー9の中心から分離チャージャー10の放電電極10b迄の水平距離の範囲、すなわち2本の縦の破線の間の範囲は、後述するように14〜32mmの範囲(後述では12〜30mmの範囲)内が適正距離であり、中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離の範囲は、白い四角のプロットのグラフと白い丸のプロットのグラフとの間に挾まれた上下方向の範囲、すなわち後述するように、6〜15mmの範囲内が適正距離であることが分かっている。
【0029】
このため、図3のそれらの2本の縦の破線と、白い四角と白い丸のプロットの2本のグラフの間に挾まれた、ほぼ菱形の領域内、かつ黒や×のプロットの各グラフの線の各々より図中左側の各々の領域内が、転写ローラー9の中心から分離チャージャー10の放電電極10b迄の水平距離や、中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離の選択可能な適正領域となる。
【0030】
このため、黒い四角より黒い丸のプロットのグラフ線の場合の方が、分離チャージャー10の放電電極10bの位置として選択可能な適正領域が広く、また、黒い丸よりも黒い三角のプロットのグラフ線の場合の方が上記選択可能な適正領域が広く、さらに、黒い三角よりも×のプロットのグラフ線の場合の方が上記選択可能な適正領域が広いことが分かる。よって、転写用紙15の湾曲の曲率半径が50mm以上の場合は、その曲率半径が30mmのときよりも、分離チャージャー10の放電電極10bの位置の選択範囲が広くなるので好ましいことが分かる。
【0031】
ところで、転写ローラー9の半径は通常5〜15mmであり、分離チャージャー10の放電電極10bと転写ローラー9とは4〜6kVの電位差に設定されるので、放電電極10bと転写ローラー9の表面との距離は少なくとも7mm以上は離す必要がある。
【0032】
一方、この放電電極10bと転写ローラー9の表面との距離を15mm以上に設定すると、転写用紙15がシールドケース10a内へ落ち込み易くなると共に、中間転写体ドラム8から分離後の転写用紙15の搬送性が悪化する。よって、放電電極10bと転写ローラー9の中心との距離Xは、前述のように、
12≦X≦30(mm)
が適正範囲である。
【0033】
また、中間転写体ドラム8から放電電極10b迄の垂直距離、すなわちZ軸方向の距離は、分離電流の均一性と分離電圧から決定される。すなわち、分離チャージャー10の放電電極10bと中間転写体ドラム8上の転写用紙15との最接近距離が6mm以下であると、分離電流の均一性が低下する他に、場合によってはリーク電流による中間転写体ドラム8の劣化が生じる。
【0034】
一方、上記Z方向の距離が15mm以上だと、分離チャージャー10への入力電圧が異常に高くなり、しかもそれでも必要な分離電流が得られなかったり、オゾン発生量の増大、電源のコストが高くなるなどの問題が生じる。よって、分離チャージャー10の放電電極10bと中間転写体ドラム8の間の垂直距離Zは、前述のように、
6≦Z≦15(mm)
が適正範囲である。
【0035】
上記転写用紙15の湾曲の曲率半径については、それを制御する方法について説明する。転写用紙15の湾曲の塑性変形の程度は、レジストローラー12,13の各条件の設定で制御することができる。すなわち、レジストローラー12,13間の線圧Fを、
4.77(e1/R)1/3≦F≦18.3(e1/R)1/3
として、レジストローラー12の半径r2を、
1.5≦r2≦6(mm)
となるように設定すると、転写用紙15の中間転写体ドラム8からの分離に必要な湾曲が可能となる。
ここで、
1:レジストローラー13の弾性体のヤング率
R=r12/(r1+r2):等価半径
1:レジストローラー13の径
2:レジストローラー12の径
【0036】
このときのレジストローラー12,13による、転写用紙15の最小曲率半径raは、
a=kEPP 3/(F3R)1/2
で表されることを見出した。
ここで、
k:比例定数
P:転写用紙15のヤング率
P:転写用紙15の厚み
F:レジストローラー12,13間の線圧
R:等価半径
【0037】
また、レジストローラー12,13を通過後の転写用紙15は、その曲率半径raが、
b=raP/(hP−2raεC
で表されるような残留歪みrbを生じている。
ここで、
P:転写用紙15の厚み
εC:臨界歪み(転写用紙15が弾性変形から塑性変形に移行する歪み)
よって、転写用紙15の曲率半径はレジストローラー12,13のローラー半径と線圧によって制御できることがわかる。
【0038】
本発明では、転写用紙15をレジストローラー12,13によって湾曲するように塑性変形させ、その曲率半径を、転写用紙15を中間転写体ドラム8から分離するのに必要な範囲において、分離チャージャー10のシールドケース10a内への落ち込みに対しても、問題のない範囲を明らかにしたことを特徴としている。
【0039】
このために塑性変形手段のレジストローラー12の径及び線圧の範囲と、放電電極10bの位置関係を明らかにして、従来の多数の電極線のような落下防止部材を使用しなくとも、転写用紙15のシールドケース10a内への落ち込みを防止し、かつ転写用紙15の分離性・搬送性を安定化することができる。
【0040】
図4は、転写ローラー9の中心から転写用紙15の搬送方向下流側への水平距離(X軸)と、湾曲した転写用紙15の先端における湾曲の接線L(図2参照)と水平線との間の角度(Y軸)との関係を、転写用紙15の湾曲の異なる曲率半径毎にプロットしてグラフに示したものである。
【0041】
すなわち、黒い四角のプロットは転写用紙15がレジストローラー12,13により塑性変形された湾曲の曲率半径が30mm、黒い丸のプロットはその湾曲の曲率半径が50mm、黒い三角のプロットはその湾曲の曲率半径が200mm、×のプロットはその湾曲の曲率半径が∞(無限大、すなわち湾曲が無い)の場合を示している。同図によれば、湾曲の曲率半径が大きいほど上記接線Lと水平線との間の角度は小さくなることがわかる。
【0042】
シールドケース10aの下流側壁部10cの最上部が、転写終了後の転写用紙15を搬送する搬送装置18上の搬送路の最上高さ近くまで下から伸びるように形成し、転写終了後の転写用紙15の後端がシールドケース10aの上方を通過する際に、転写用紙15の後端の軌跡よりも重力方向下方側に放電電極10bが配置されたため、転写用紙15の後端部が分離チャージャー10のシールドケース10a内に落ち込んで放電電極10bに接触して転写抜けが起きることを防止することができる。
【0043】
なお、上記実施の形態においては画像担持体としてカラー画像形成装置の中間転写体ドラム8の場合について説明したが、本発明は画像担持体としてモノクロの画像形成装置の感光体ドラムの場合にも適用することができる。
【0044】
また、上記実施の形態においては塑性変形手段としてレジストローラーを用いた場合について説明したが、本発明はレジストローラー以外の塑性変形手段を有する画像形成装置置にも適用することができる。また本発明は塑性変形手段を有しない画像形成装置にも適用することができる。
【0045】
また、上記実施の形態においては分離チャージャー10のシールドケース10aの開口部が100%開放状態のものについて説明したが、本発明は、分離チャージャー10のシールドケース10aの開口部には、何か部材を設けてもそれが0.1mm未満の太さであれば放電ムラは低減できるので、0.1mm未満の太さであれば線部材等の部材を設けることも可能である。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について具体的に述べてきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて、その他にも各種の変更が可能なものである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、分離手段のシールドケースの開口部がほぼ全面的に開放された構造となっているので、放電ムラが起きるのを防いで、確実に被転写材を画像担持体から分離させることができる。
【0048】
また、被転写材が転写手段と画像担持体との間に挾まれて転写された後の進行方向への被転写材の軌跡よりも、重力方向下方側に放電電極が配置され、シールドケースの、放電電極に関して転写手段と反対側の下流側壁部が、被転写材の軌跡の先端との接触開始点におけるその軌跡の接線と、シールドケースの下流側壁部の内面とのなす角度が90°を越えて、被転写材の搬送路の一部を兼ねるように下流側壁部を形成したため、被転写材の先端が分離チャージャーのシールドケース内に落ち込んで紙詰りや転写抜けが起きることを防止することができる。
【0049】
また本発明によれば、シールドケースの下流側壁部を被転写材の搬送路の一部として用いるので、安定した搬送性が得られる。また、塑性変形手段のレジストローラー12,13の径、とりわけ剛体ローラーであるレジストローラー12の径と、その線圧範囲を最適化したことで、転写用紙15の過度の湾曲を防止でき、結果的に転写用紙15がシールドケース10a内に落ち込むことを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】図1における画像形成装置の要部を示す拡大図である。
【図3】転写用紙の湾曲の曲率半径に対する分離チャージャーの放電電極の適正な配置領域を示すグラフである。
【図4】転写用紙の湾曲の曲率半径に対する転写後の転写用紙の先端部の接線と水平線との間の角度を示すグラフである。
【図5】分離チャージャーのシールドケースの開口部に0.1mm以上の太さの部材が有る場合(実線のグラフ)は放電ムラを生じ、0.1mm以上の太さの部材が無い場合(破線のグラフ)は放電ムラは生じないことを示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
3 レーザー光ユニット
4a〜4d 現像装置
5 転写前除電ランプ
6 クリーニング装置
7 主除電ランプ
8 中間転写体ドラム
9 転写ローラー
10 分離チャージャー
10a シールドケース
10b 放電電極
10c 下流側壁部
12,13 レジストローラー
13a 芯金
15 転写用紙
15a 画像を転写する側の面
15b 画像を転写する側の面の裏面
18 搬送装置

Claims (3)

  1. 表面にトナー画像を形成するための画像担持体と、
    前記トナー画像を被転写材に転写させるための転写手段と、
    被転写材を前記画像担持体から分離させるための分離手段と、
    を備えた画像形成装置において、
    被転写材の搬送方向において前記転写手段よりも手前側に、被転写材の画像形成する側の転写面が凸側となって所定の曲率半径を有して湾曲するように被転写材を塑性変形させる塑性変形手段を備え、
    前記分離手段が、
    被転写材に対してコロナ放電を行う放電電極と、この放電電極の周囲に配置されその開口部がほぼ全面開放されたシールドケースを有し、
    被転写材が前記転写手段と前記画像担持体との間に挟まれて転写された後の進行方向への被転写材の軌跡よりも重力方向下方側に前記放電電極が配置され、
    前記シールドケースの、前記放電電極に関して前記転写手段と反対側の下流側壁部が、被転写材の軌跡の先端との接触開始点におけるこの軌跡の接線と前記下流側壁部の内面とのなす角度が90°を越えて、被転写材の搬送路の一部を兼ねるように形成された
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 記塑性変形手段により湾曲するように変形された被転写材の湾曲の曲率半径を50mm以上に設定し、
    前記分離手段の放電電極の位置と前記画像担持体の表面との垂直距離を6〜15mmの範囲内に設定し、
    前記放電電極の位置と前記転写手段の転写ローラーの中心との水平距離を12〜30mmの範囲内に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記シールドケースの下流側壁部の最上部が、転写終了後の被転写材の搬送路の最上高さ近くまで下から伸びるように形成し、
    転写終了後の被転写材の後端が前記シールドケースの上方を通過する際に、被転写材の後端の軌跡よりも重力方向下方側に前記放電電極が配置された
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
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