JP3645666B2 - 高温炉の補修装置及び補修方法 - Google Patents

高温炉の補修装置及び補修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉や製鋼炉、コークス炉などの高温域で使用する高温炉の炉壁の亀裂や剥離といった損傷箇所(又は補修対象部位という)を補修する高温炉の補修装置及び補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高温炉の炉壁を補修して、その延命化を図るため、特公平5−17277号公報や、特公平5−65553号公報、特公平3−9955号公報、特開平5−311173号公報に、高温炉の炉壁をテレビカメラや光ファイバー等の撮像手段を用いて観察すると共に、該観察により発見された損傷箇所にモルタル等の補修材料や溶射材料を放出して補修する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報記載の技術では、未だ、以下の課題を有していた。
▲1▼特公平5−17277号や特公平5−65553号公報記載の方法では、図5に示すように、コークス炉の炉壁59を観察する光ファイバー50の先端と、該炉壁59の損傷箇所に補修材料を吹き付ける補修材吹き付けノズル51の先端とを、保護管52の下端部に形成された覗き窓52aに向けた状態で、上、下に離間配置している。
【0004】
ところが、炉壁59と保護管52との離隔距離Lが変わると、炉壁59の損傷箇所、光ファイバー50の焦点位置、及び補修材吹き付けノズル51の吹き付け中心との位置合わせが困難となり、補修が困難になるという問題があった。
また、光ファイバー50の先端、及び補修材吹き付けノズル51の先端を、同じ覗き窓52aに向けているため、たとえ、上、下に離間配置していても、損傷箇所に向けて補修材料を吹き付けたときの跳ね返りが光ファイバー50の先端部に付着し易く、このため、撮像品質の劣化や、補修材料の熱収縮による破損が生じるという問題があった。
【0005】
また、▲2▼特公平3−9955号公報では、図6に示すように、保護管53の先端部を回動可能にして、損傷箇所の補修を行う装置が提案されているが、この場合も、前記と同様、テレビカメラ54のヘッドと、補修材吹き付けノズル55の先端を、同じ向きでその半径方向に離隔配置しているため、前記と同様、炉壁59と保護管53との離隔距離が変わると、炉壁59の損傷箇所、テレビカメラ54の焦点、及び補修材吹き付けノズル55の吹き付け中心の位置合わせが困難になるという問題があった。
【0006】
また、前記と同様、テレビカメラ54のヘッドと、補修材吹き付けノズル55の先端を、同じ方向に向けているため、たとえ、その半径方向に離隔配置しても、補修の際の跳ね返りがテレビカメラ54のヘッドに付着するという問題があった。
さらに、▲3▼特開平5−311173号公報記載の装置では、図7に示すように、保護管56の先端を屈曲可能とし、テレビカメラ57のヘッドと補修材吹き付けノズル58の先端を離して補修しているが、前記と同様、炉壁59と保護管56との離隔距離Lが変わると、炉壁59の損傷箇所、テレビカメラ57の焦点、及び補修材吹き付けノズル58の吹き付け中心との位置合わせが困難になるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、高温炉の炉壁の損傷箇所、前記炉壁状況を観察する撮像手段の焦点、前記損傷箇所に補修材料を吹き付ける補修材吹き付け手段の吹き付け中心の位置合わせを確実に行って、前記損傷箇所の補修を確実に行うことができると共に、補修の際の補修材料の跳ね返りにより観察手段が使用不可能となるのを防止できる安価で簡単な構造からなる高温炉の補修装置及び補修方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う請求項1記載の高温炉の補修装置は、高温炉内に進退及び回転駆動可能で、しかも、端部には異なる位相角度で撮像窓と材料放出窓とが設けられた保護管と、前記保護管内に配置され、前記撮像窓から前記高温炉内の炉壁を撮像する撮像手段と、前記保護管内に配置され、前記材料放出窓から前記炉壁の損傷箇所である補修対象部位に向けて補修材料を放出する補修材吹き付け手段とを有している。
請求項2記載の高温炉の補修装置は、請求項1記載の高温炉の補修装置において、前記異なる位相角度は、前記保護管の軸心を中心に90〜180°の範囲内である。
請求項3記載の高温炉の補修装置は、請求項1又は2記載の高温炉の補修装置において、前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して前記補修対象部位の図心を求め、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求める演算手段を有している。
【0009】
請求項4記載の高温炉の補修方法は、高温炉内に進退及び回転駆動可能で、しかも、端部には異なる位相角度で撮像窓と材料放出窓とが設けられた保護管と、該保護管内に配置され、前記撮像窓から前記高温炉内の炉壁を撮像する撮像手段と、前記保護管内に配置され、前記材料放出窓から前記炉壁の損傷箇所である補修対象部位に向けて補修材料を放出する補修材吹き付け手段と、前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して前記補修対象部位の図心を求め、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求める演算手段とを有する補修装置を用いて、前記高温炉の補修を行う方法であって、前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して、極度に明るい部分又は極度に暗い部分である補修対象部位の図心を演算し、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求めて、前記保護管を回転及び必要に応じて進退し、前記補修材吹き付け手段を前記図心に向けて補修材料の吹き付けを行う。
請求項5記載の高温炉の補修方法は、請求項4記載の高温炉の補修方法において、前記補修材吹き付け手段によって補修材料の吹き付けを行った後、再度、保護管を回動させて、吹き付けを行った後の前記炉壁又はその周りの炉壁を撮像し、次の補修対象部位を検知して補修を行う工程を繰り返して、前記高温炉の補修を行う。
【0010】
ここで、高温炉とは、高炉や製鋼炉、コークス炉、加熱炉、熱処理炉等の製錬や精錬、加熱処理等を行うものをいう。また、保護管とは、たとえ、高温炉内に挿入しても、破損や溶損等を抑制できるものをいい、通常、水冷管等が使用される。また、保護管の表面には耐火物層を設けてもよい。
また、保護管に設けられる撮像窓、及び材料放出窓は、保護管の軸心を中心に90〜180°の範囲で位相角度を異ならせて離間配置するのが望ましい。
これは、前記位相角度が90°未満になると撮像窓内に配置される撮像手段に補修材料が跳ね返って付着し易くなり、また、前記位相角度が180°を超えても前記と同様補修材料が付着し易くなるからである。
【0011】
また、撮像窓や材料放出窓には、補修材料の跳ね返りの付着を防止するフードを設けてもよく、更に、撮像窓には、透明又は半透明のガラス板や赤外線カットオフフィルター等の防護板を設けてもよい。
また、撮像手段とは、テレビカメラや、集光レンズ及び該集光レンズで結像された像を伝送する光ファイバー等をいう。
また、補修材吹き付け手段とは、粉粒状のセメントと水とを混合しながら吹き付けるものや、粉粒状のモルタルを吹き付けるもの等をいう。
【0012】
そのほか、金属酸化物の粉末にガラス原料粉末を混合したものや、前記金属酸化物の粉末中に更に金属粉末を加えたもの等を吹き付けるもの、更に、粉粒状のモルタルを高温の燃焼炎で溶融しながら吹き付けるもの等も使用できる。
また、補修材吹き付け手段は、保護管内に補修材料を溜めるタンクを設けて、外部から水等の圧送用液体や空気等の圧送用ガスを供給することにより、吹き付けてもよいし、また、外部から補修材料を圧送用液体や圧送用ガスと共に送給してもよい。
【0013】
また、本発明の補修装置では、例えば、コークスを窯だしするとき等、高温炉内が暗いときに使用する場合を考慮して、保護管内に、高温炉内を明るく照らし出すライトガイドや、レーザ光照射手段等を設けてもよい。
また、本発明の補修装置では、コークス炉上の炉団方向に敷設されたレール上を移動する第1の移動台車と、該第1の移動台車上面の炉長方向に敷設されたレール上を移動する第2の移動台車とを備えた走行台車や、多彩なステアリング機能を有する走行台車を備えてもよい。
また、本発明の補修方法では、例えば、コークス炉の補修を行う場合、石炭を乾留するときだけでなく、コークスを窯だしするときにも行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
【0015】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態に係る高温炉の補修装置10の全体構成について説明する。
図示するように、本実施の形態に係る高温炉の補修装置10は、高温炉の一例であるコークス炉14内に進退可能でかつその軸心を中心に回転駆動可能、しかも、その端部には異なる位相角度で撮像窓11aと材料放出窓11bとが設けられた保護管11と、該保護管11内に配置され、撮像窓11aからコークス炉14内の炉壁26を撮像する撮像手段12と、前記保護管11内に配置され、材料放出窓11bから炉壁26の補修対象部位に向けて補修材料を放出する補修材吹き付け手段13とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0016】
まず、図1を参照して高温炉の一例であるコークス炉14の全体構成について説明する。
図1に示すように、コークス炉14は、石炭を乾留する炭化室14aと、炭化室14aを高温に加熱する燃焼室14bとが、炉長方向に交互に配置されると共に、これらの下部に、燃焼室14bで燃焼する燃料や空気を予熱する蓄熱室(図示せず)が配置された周知構造からなっている。
そして、炭化室14aの上部には石炭装入口14c、燃焼室14bの上部には点検口14dがそれぞれ開口されており、この点検口14dから燃焼室14b内に保護管11が出し入れ可能になっている。
【0017】
次に、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る高温炉の補修装置10の具体的構成について説明する。
図1に示すように、前記保護管11は、例えば、ステンレス鋼板等の耐熱性鋼板からなる長尺な三重構造の中空円筒状となっており(図2参照)、冷却水供給手段15によって冷却水が還流されるようになっている。そして、該保護管11の上端部に連結された回転駆動手段の一例である電気モータ16によってその軸心を中心に回転駆動されると共に、コークス炉14上に配置された昇降手段17により昇降可能となっている。
【0018】
また、前記昇降手段17は、図1に示すように、前記保護管11と同じか又はそれ以上の長さを有する長尺なねじ棒17aと、該ねじ棒17aの両端部をそれぞれ回転自在に軸支する軸支部17bと、ねじ棒17aの一端に連結された回転駆動手段の一例である電気モータ17cと、ねじ棒17aにその一端が螺着されると共に、他端が保護管11の上端部に固着された連結部17dとを有している。なお、前記上方の軸支部17bは図示しない支柱により支持されている。
【0019】
また、前記保護管11内には、図2に示すように、撮像手段の一例であるテレビカメラ12が下方を向いて固定配置されており、その下方に約45°傾斜して配置されたミラー18、及び撮像窓11aを介して、図中矢視する如く炉壁26を撮像できるようになっている。
そして、該テレビカメラ12により撮像された画像は、図1に示すように、モニターテレビ19に結像されるようになっており、オペレータがオンラインで炉壁26の状況を観察できる。一方、演算手段20にも伝送されるようになっており、ここでデジタル処理して補修対象部位の図心を求め、補修材吹き付け手段13の吹き付け中心を求めることができるようになっている。
【0020】
そして、図1に示すように、演算手段20により算出された補修材吹き付け手段の吹き付け中心に基づいて、制御部24が電気モータ16、17cを制御するようになっている。また、該制御部24は、冷却水供給手段15や後述する補修材供給手段22をも制御するようになっている。
【0021】
また、保護管11内には、図2に示すように、該保護管11の軸心を中心に撮像窓11aから180°偏倚した位置に設けられた材料放出窓11bに配置された補修材吹き付け手段の一例である補修材吹き付けノズル13に連通すると共に、その基端部側が補修材供給手段22に連通する補修材供給管21が配置されている。
【0022】
なお、撮像窓11aの撮像中心軸と材料放出窓11bの吹き付け中心軸は一致している。即ち、保護管11の下端からの各中心軸の離間距離は同じ(L1 =L2 )となっている。また、撮像窓11a及び材料放出窓11bには、補修材量の跳ね返りを防止するフード23、23aが設けられている。
【0023】
続いて、図1〜図3を参照して、以上のように構成された高温炉の補修装置10を用いてコークス炉を補修する方法について説明する。
まず、電気モータ17cを駆動して、コークス炉14の燃焼室14b内に保護管11を入れた後、電気モータ16を駆動して、撮像窓11aを炉壁26の方に向け、テレビカメラ12の焦点を合わせる。
次に、保護管11を炉壁26の上下、左右、前後に動かしながら、テレビカメラ12で炉壁26を撮像する。
そして、炉壁26の中で極度に明るい部分や極度に暗い部分をモニターテレビ19で発見したら、その部分がテレビカメラ12の画角内、即ち撮像範囲内に入るように調整する。
【0024】
次に、テレビカメラ12でその部分を撮像して記憶し、この記憶された画像信号をデジタル変換して明度が256階調に白黒画像に変換する。変換された画像の明暗度0〜255の指標にのうち、例えば、50%(128)を閾値として、これより明るい領域Sを補修対象部位25とする(図3参照)。そして、この領域Sの補修対象部位25中に指標128〜255の明暗度を有する画素領域(f(i,j))が分布していることから、下記式(1)及び式(2)により補修対象部位25の重心を算出する。
【0025】
【数1】
Figure 0003645666
【0026】
【数2】
Figure 0003645666
【0027】
次に、前記式(1)及び式(2)により算出された補修対象部位25の重心(X1,Y1)が、テレビカメラ12の画角中心になるように、保護管11の撮像窓11aの位置を調整する。
そして、補修対象部位25の重心とテレビカメラ12の画角中心を合わせた後、保護管11をその軸心を中心に180°回動し、そのまま補修材料の吹き付けを行って、補修対象部位25の補修を行う。
【0028】
この際、撮像窓11a及び材料放出窓11bが180°反対向きなので、ミラー18やテレビカメラ12のヘッド部等に補修材料の跳ね返り(又はスプラッシュという)等の汚れが付くのを防止することができる。
また、補修対象部位25の重心に向かって補修材料を吹き付けるので、例えば、補修対象部位25の端の方を吹き付ける場合に比べて、補修材料の拡散を利用することにより、補修対象部位25全体に万偏なくかつ短時間に確実な補修を行うことができる。
【0029】
更に、撮像窓11aの撮像中心、及び材料放出窓11bの吹き付け中心が同軸線上となっているので、演算手段20で算出された補修対象部位25の重心(又はテレビカメラ12の画角中心)と補修材吹き付けノズル13の吹き付け中心が狂うのを防止でき、確実な補修を行うことができる。
その後、再度、保護管11を180°回動させて、吹き付けを行った炉壁26又はその周辺を撮像し、極度に明るい部分や極度に暗い部分を発見したら、前記と同様の操作を繰り返して補修を行う。
【0030】
以上のように本実施の形態に係る高温炉の補修装置10及び補修方法においては、保護管11の撮像窓11aと材料放出窓11bとをその軸心方向に180偏倚した位置に離隔配置するだけでなく、それぞれフード23、23aを設けたので、補修対象部位25に補修材料を吹き付ける際に、その跳ね返りがテレビカメラ12やミラー18等の撮像系を汚すのを確実に防止することができる。
【0031】
また、補修対象部位25の重心に向かって補修材料を吹き付けるので、補修対象部位全体に万偏なくかつ短時間に確実な補修を行うことができる。更に、撮像窓11aの撮像中心、及び材料放出窓11bの吹き付け中心が同軸線上となっているので、確実な補修を行うことができる。
【0032】
また、従来、図4に示すように、コークス炉の炉壁26に発生する亀裂は、燃焼室14bから炭化室14a側に向かって分岐するようなものであったため、特公平3−9955号公報記載の装置のように、炭化室14a側から補修すると、多大な補修時間を要したが、本実施の形態では、コークス炉14の炉壁26を燃焼室14b側から補修材料を吹き付けて補修するので、補修時間を極めて短縮することができ、作業性を向上できる。
【0033】
また、炭化室14a側から補修する場合、炉壁26や亀裂内にカーボンが付着しているため、このカーボンを一旦バーナー等で燃焼除去する必要があったが、この燃焼除去作業を省略でき、補修時間を更に短縮して、作業性を向上できる。更に、補修を行った後、コークスの窯だしを考慮して、炉壁面の凹凸をなくす作業も必要であったが、これも省略することができる。
【0034】
従って、コークス炉14では、石炭を乾留する際に約千度以上の高温まで昇温され、できたコークスを外部に押し出す際には常温近い低温まで降温されるというヒートサイクルを受けることにより、炉壁26に剥離又は亀裂等の損傷が発生し易いだけでなく、石炭を乾留する際に該石炭が膨張する膨張圧や、コークスを窯だしする際に該コークスとの摩擦によって生じる損傷が酷くなり易く、このため、短命化が進むという問題があったが、これを抑制して、長寿命化を図ることができる。
【0035】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変容例も含むものである。
例えば、炉壁の損傷は主として目地部分に起こり易いので、目地の位置を予め記憶しておき、撮像中心が目地上を走行させるよう、昇降手段及び回転駆動手段を駆動すれば、さらに炉壁の補修時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、保護管11内にテレビカメラ12を設置したが、保護管11内に光ファイバー(図示せず)を配設すると共に、保護間11の基端側にテレビカメラ12を設置して像を転送して撮像してもよい。
また、本実施の形態では、テレビカメラ12から伝送される画像信号を、明暗度0〜255の指標に対し50%(128)を閾値として、これを基準にデジタル処理したが、これに限定されず、種々の値を閾値とすることも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1〜3記載の高温炉の補修装置においては、保護管の撮像窓と材料放出窓を位相角を変えて離隔配置したので、安価でかつ簡単な構造により、補修対象部位に補修材料を吹き付ける際の跳ね返りが撮像手段に付着して撮像品質が劣化したりするのを防止することができる。
従って、炉壁の補修対象部位を確認して、確実に補修することができ、高温炉の延命化を図ることができる。
【0038】
特に、請求項2記載の高温炉の補修装置においては、撮像窓及び材料放出窓は、保護管の軸心を中心に90〜180°の範囲でその位相角度が異なるので、前記跳ね返りの確実な抑制効果を図ることができ、前記と同様、炉壁の補修対象部位の確実な補修を行って高温炉の延命化を図ることができる。
請求項3記載の高温炉の補修装置においては、撮像手段によって撮像した画像をデジタル処理して補修対象部位の図心を求め、補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求める演算手段を備えるので、補修材料を吹き付ける際の拡散を利用して補修対象部位全体に万偏なく吹き付けを行うことができ、確実な補修を行って、前記と同様、高温炉の延命化を図ることができる。
【0039】
請求項4、5記載の高温炉の補修方法においては、前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して、極度に明るい部分又は極度に暗い部分である補修対象部位の図心を演算し、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求めて、前記保護管を回転及び必要に応じて進退し、前記補修材吹き付け手段を前記図心に向けて補修材料の吹き付けを行うので、補修材料を吹き付ける際の拡散を利用して補修対象部位全体に万偏なく吹き付けを行うことができ、確実な補修を行って、前記と同様、高温炉の延命化を図ることができる。
【0040】
特に、請求項5記載の高温炉の補修方法においては、補修材吹き付け手段によって補修材料の吹き付けを行った後、再度、保護管を回動させて、吹き付けを行った後の前記炉壁又はその周りの炉壁を撮像し、次の補修対象部位を検知して補修を行う工程を繰り返して、前記高温炉の補修を行うので、確実な補修を行って高温炉の延命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高温炉の補修装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】同高温炉の補修装置の保護管の説明図である。
【図3】補修対象部位の説明図である。
【図4】コークス炉の炉壁に発生する亀裂の説明図である。
【図5】従来のコークス炉炉壁の補修方法の説明図である。
【図6】従来のコークス炉炉壁の遠隔補修装置の説明図である。
【図7】従来のコークス炉炉壁の補修装置の説明図である。
【符号の説明】
10 高温炉の補修装置 11 保護管
11a 撮像窓 11b 材料放出窓
12 テレビカメラ(撮像手段)
13 補修材吹き付けノズル(補修材吹き付け手段)
14 コークス炉(高温炉) 14a 炭化室
14b 燃焼室 14c 石炭装入口
14d 点検口 15 冷却水供給手段
16 電気モータ(回転駆動手段) 17 昇降手段
17a ねじ棒 17b 軸支部
17c 電気モータ(回転駆動手段) 17d 連結部
18 ミラー 19 モニターテレビ
20 演算手段 21 補修材供給管
22 補修材供給手段 23 フード
23a フード 24 制御部
25 補修対象部位 26 炉壁

Claims (5)

  1. 高温炉内に進退及び回転駆動可能で、しかも、端部には異なる位相角度で撮像窓と材料放出窓とが設けられた保護管と、
    前記保護管内に配置され、前記撮像窓から前記高温炉内の炉壁を撮像する撮像手段と、
    前記保護管内に配置され、前記材料放出窓から前記炉壁の損傷箇所である補修対象部位に向けて補修材料を放出する補修材吹き付け手段とを有していることを特徴とする高温炉の補修装置。
  2. 前記異なる位相角度は、前記保護管の軸心を中心に90〜180°の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の高温炉の補修装置。
  3. 前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して前記補修対象部位の図心を求め、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求める演算手段を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の高温炉の補修装置。
  4. 高温炉内に進退及び回転駆動可能で、しかも、端部には異なる位相角度で撮像窓と材料放出窓とが設けられた保護管と、該保護管内に配置され、前記撮像窓から前記高温炉内の炉壁を撮像する撮像手段と、前記保護管内に配置され、前記材料放出窓から前記炉壁の損傷箇所である補修対象部位に向けて補修材料を放出する補修材吹き付け手段と、前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して前記補修対象部位の図心を求め、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求める演算手段とを有する補修装置を用いて、前記高温炉の補修を行う方法であって、
    前記撮像手段によって撮像された画像をデジタル処理して、極度に明るい部分又は極度に暗い部分である補修対象部位の図心を演算し、前記補修材吹き付け手段の吹き付け中心を求めて、前記保護管を回転及び必要に応じて進退し、前記補修材吹き付け手段を前記図心に向けて補修材料の吹き付けを行うことを特徴とする高温炉の補修方法。
  5. 前記補修材吹き付け手段によって補修材料の吹き付けを行った後、再度、保護管を回動させて、吹き付けを行った後の前記炉壁又はその周りの炉壁を撮像し、次の補修対象部位を検知して補修を行う工程を繰り返して、前記高温炉の補修を行うことを特徴とする請求項4記載の高温炉の補修方法。
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