JP3645506B2 - コーヒー豆の炭焼焙煎方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー豆の炭焼焙煎方法と焙煎されたコーヒー豆に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒーの品質価値は、焙煎工程までで約7割が決まると言われている。特に、焙煎工程は、コーヒー生豆にはなかった苦味やコーヒーらしい特徴が現れ、化学的にもっとも変化する重要な工程である。
従来よりコーヒーの焙煎方法としては、完全熱風式、半熱風式及び直火式が知られている。
【0003】
このうち完全熱風式は、ガス等の火力で熱した500℃ほどの高温の空気を焙煎機(ロースター)に送り込み、この熱風によりコーヒー生豆を4〜18分間焙煎する方法であり、焙煎時にコーヒー生豆が直接火に触れることはない。
また、半熱風式は、ガス等の火力が直接豆に触れないように焙煎機内部の釜を鉄板で囲い、間接的にコーヒー生豆に触れるガス等の火力及びその火力で熱した200〜400℃ほどの熱風により、コーヒー生豆を4〜18分間焙煎する方法である。
【0004】
完全熱風式と半熱風式焙煎は、コーヒー生豆に対して高い熱カロリーを与えるため、豆から水分をとる力が強く、豆の膨張も早い。しかも、熱がコーヒー豆の芯まで速やかに達するため、その分焙煎時間も短かくなる。さらに、豆に直接火があたらないため、焙煎後のコーヒー豆の表面がきれいに仕上るという長所を持つ。しかし、焙煎工程によって生ずるはずのコーヒー本来の香りが弱いといった欠点を有する。
また、直火式は、焙煎機内の釜が網で囲まれており、ガス等の火力が直接豆に触れる状態で、コーヒー生豆を4〜18分間焙煎する方法である。直火式は香ばしくいコーヒー本来の特徴的な香りが強く得られる一方で、豆に火を通すための熱管理に熟練を要する等の欠点を有する。
【0005】
一方、熱源として、炭を用いる炭焼焙煎という方法もある。炭焼焙煎の方法は、ダンパー(排気装置)のダクトを開いた状態で、コーヒー生豆を火持ちの良い炭を用いて15分間ほど直火焙煎した後、急激に冷却する方法である。
しかし、この炭焼焙煎方法では、焙煎時間が短いため焙煎されたコーヒーに炭焼特有の味わいや香りを十分に得ることはできない。
また、従来の焙煎方法は、熱源がガス等の火力や熱せられた空気であることから、炭が持つほどの遠赤外線効果が得られないため、焙煎されたコーヒー豆は組織の膨張が少なく、コーヒー豆の水分含有率が高くなる。このため、炭焼焙煎方法で焙煎されたコーヒーに比べて香りも少なく、抽出効率も低下するという問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は炭焼焙煎について種々の検討した結果、コーヒー生豆を炭火によって長時間かけて焙煎することによって、炭焼特有の味わいや香りが得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の目的は、香ばしい炭焼特有の味わいや香りを有し、しかも焙煎後のコーヒー豆組織がよく膨張し、水分含有率が低く、抽出効率の優れた焙煎コーヒー豆を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、コーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー生豆を14〜18分間焙煎する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状態で炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を2〜13分間焙煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工程を含むことを特徴とするL値での焙煎色が14.0〜25.0である焙煎コーヒー豆の製造方法である。
請求項記載の本発明は、第1工程及び第2工程の焙煎に用いる炭火が白炭と中白炭の混合物に由来する炭火である請求項記載の方法である。
請求項記載の本発明は、請求項1記載の方法で得られたL値での焙煎色が14.0〜25.0である焙煎コーヒー豆である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明はコーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙煎機のダンパーを閉じた状態で100%炭火の熱によりコーヒー生豆を14〜18分間焙煎する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状態で100%炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を2〜13分間焙煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工程を含む焙煎コーヒーの製造方法であり、該焙煎コーヒー豆のL値での焙煎色は14.0〜25.0を示すものである。
本発明の炭焼焙煎方法に用いる焙煎機としては、通常の炭焼焙煎に用いられている焙煎機であれば、特に制限されることはない。
【0009】
本発明のコーヒー豆の炭焼焙煎方法においては、焙煎を2段階で行う。すなわち、焙煎機のダンパーを閉じた状態で100%炭火の熱によりコーヒー生豆を14〜18分間焙煎する第1工程、及び焙煎機のダンパーを開いた状態で100%炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を2〜13分間焙煎する第2工程を採用することとする。
焙煎の第1工程においては、焙煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー生豆を焙煎するが、これにより炭の遠赤外線効果によりコーヒー生豆の芯まで熱が伝わり、煎りむらのない焙煎ができる。
また、第1工程に続き、第2工程を行うことによって、従来の1段階の炭焼焙煎では得られない利点、例えば長時間の焙煎が可能となり、香味が改善され、後味のキレが良い製品を得ることができる。
【0010】
第1工程における焙煎温度は80〜200℃、好ましくは120〜160℃であり、焙煎時間は14〜18分間である。また、焙煎機のダンパーは閉じた状態で焙煎を行うことが好ましい。ダンパーを閉じた状態とすることで、焙煎機内は空気の流れが止まり、比較的低温の炭火で焙煎を長時間行うことができる。その結果、コーヒー豆の組織の膨張に伴い、水分含有率が低下して良質の香りが発現するようになる。また、品種が異なるコーヒー豆の混合物を焙煎した場合、コーヒー豆全体の水分含量が均一化され、第2工程での煎りムラの解消に有益である。
【0011】
第2工程における焙煎温度は120〜230℃、好ましくは160〜200℃であり、焙煎時間は2〜13分間である。焙煎機のダンパーは開いた状態で焙煎を行うことが好ましい。ダンパーを開いた状態とすることで、焙煎機内は熱風が流れてコーヒー豆をはじけさせ、水分の気化と共に異臭も除かれるため、コーヒー特有の香りが生成する。
なお、本発明による第1工程と第2工程の焙煎時間が短いと、期待する効果が十分に得られないので、合計で20分間以上とすべきである。
また、第1工程及び第2工程における熱源としては、炭を用いる。焙煎方法としては完全熱風式、半熱風式又は直火式のいずれでもよく、特に直火式がコーヒー豆の香味の点から好ましい。
【0012】
焙煎の第1工程及び第2工程に用いる炭の種類については特に制限はないが、コーヒー豆の焙煎に必要な熱量を供給し得るもので、かつ火持ちが良く、温度の調節がし易い炭が好ましく、具体的には白炭や中白炭が挙げられる。また、これらの炭は、単独で用いる他、混合して用いることもでき、特に硬く火力が弱いが燃焼時間の長い白炭ともろいが火力が強く燃焼時間の短い中白炭を混合して使用することが好ましい。その場合の白炭と中白炭の混合割合は30〜70%:70〜30%、好ましくは45〜55%:55〜45%である。白炭や中白炭としては、長崎県対馬産が好適である。
【0013】
焙煎の第2工程が終了した焙煎コーヒー豆は、直ちに急冷する。これにより、予熱による焙煎コーヒー豆の過加熱を防いで焙煎の進行を止め、好ましい焙煎状態を保つことができる。
上記したように焙煎の第1工程、第2工程及び焙煎後の急冷する工程を経た焙煎コーヒー豆は、L値14.0〜25.0の焙煎色を有している。ここで、L値での焙煎色とは、焙煎されたコーヒー豆の粉砕サンプルをダブルビーム方式(交照測光方式)を採用する測色色差計ZE−2000(日本電色工業株式会社製)を用いた反射測定から算出される焙煎色を意味する。L値測定の一態様を、以下に示す。
【0014】
焙煎されたコーヒー豆は、細引きに粉砕することのできるカットミル(たとえばシルバーカットミル等(カリタ株式会社製))で細引きに粉砕する。
次に、粉砕したコーヒーサンプルを、測色色差計ZE−2000(日本電色工業株式会社製)の反射試料台中の丸セルに入れ、タッピングを行う。続いて、この機器を始動させて、反射率測定を行いL値を表示させる。L値が低いほど焙煎色は暗色、すなわち深煎りであることを示す。
本発明の方法によって焙煎された焙煎コーヒー豆はL値が14.0〜25.0であり、浅煎りから深煎りのものとなる。
【0015】
【実施例】
以下に、実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
ブレンドしたコーヒー生豆(ブラジル産アラビカ種、コロンビア産アラビカ種、インドネシア産ロブスター種及びエチオピア産モカ種)20kgを用い、炭焼焙煎を行った。焙煎機として、TYPE R-120(富士珈機株式会社製)を用いた。
焙煎の第1工程では、長崎県対馬産白炭50%と長崎県対馬産中白炭50%を混合した炭を用い、焙煎機のダンパーを閉じた状態で、16分間直火焙煎を行った。
続いて、第2工程では、上記と同じ混合炭を用い、ダンパーを開いた状態で、9分間直火焙煎を行った。第2工程の焙煎終了後、直ちに急冷して焙煎の進行を停止させて焙煎コーヒー豆を得た。
【0016】
焙煎コーヒー豆のL値の測定は、第2工程終了直後及び急冷後の焙煎コーヒー豆をサンプルとして、以下の方法で測定した。まず、焙煎コーヒー豆をシルバーカットミル(カリタ株式会社製)で細引きに粉砕した。
次に、粉砕したコーヒーサンプルを、測色色差計ZE−2000(日本電色工業株式会社製)の反射試料台中の丸セルに入れ、タッピングを行った。続いて、この機器を始動させて反射率測定を行い、L値を表示させた。その結果、焙煎コーヒー豆はいずれも17.5のL値を示した。
【0017】
さらに、焙煎コーヒー豆粉砕物より調製したコーヒー抽出液について、コーヒーの官能検査に精通している官能検査員(男性)7名による官能検査を実施した。官能検査は、焙煎コーヒー豆粉砕物から常法により抽出して得たコーヒー抽出液について、味わい、苦味の強さ、後味のキレ、コクの有無、香りの良さ、香りの強さ、炭の香りの強さ及び総合評価の8項目について各検査員が5段階で評価したものの平均値を求めた。各項目の評価は5段階で行い、例えば味わいの場合は、かなり深いを5、深いを4、普通を3、少し薄いを2、薄いを1として評価した。官能検査の結果を第1表に示す。
【0018】
比較例1
実施例1と同じブレンドコーヒー生豆を用い、完全熱風式焙煎方法を行ったこと以外は、実施例1と同様に行った。なお、焙煎機として、コーヒーロースター TYPE R-100 (完全熱風式)(ドイツ・プロバット社製)使用した。
ブレンドしたコーヒー生豆130kgをコーヒーロースターに投入し、ガスの火力により熱せられた熱風で15分間焙煎を行った。焙煎終了後、直ちに急冷して焙煎の進行を停止させ、焙煎コーヒー豆を得た。
次いで、実施例1と同様に、L値の算出及び焙煎コーヒー豆粉砕物より調製したコーヒー抽出液についての官能検査を行った。焙煎コーヒー豆はいずれも17.5のL値を示した。また、官能検査の結果を第1表に示す。
【0019】
【表1】
第1表
Figure 0003645506
【0020】
表から明らかなように、実施例1の焙煎コーヒーは、官能検査を行ったすべての項目において比較例1の焙煎コーヒーよりも好ましい評価を得ており、コーヒーの官能的特徴である味わいに深みがあることが明らかとなった。
また、炭火による遠赤外線効果によりコーヒー豆の芯まで焼けていることの指標である苦味は強いこともわかった。しかも、後味にキレがあり、炭火で焙煎を行ったことによる特有の香りが加わっていることが判明した。
さらに、香りの質も良く、強く感じ取られ、炭の香りが明確に感じ取られていることが明らかとなった。
以上のことから、コーヒー生豆を本発明にしたがい2段階の焙煎を行い、炭焼による焙煎時間を長くすることにより、特有の味わいや香りを有する良質のコーヒーが得られることが明らかとなった。
【0021】
実施例2、比較例2
この例では、実施例1及び比較例1と同様に焙煎して得た焙煎コーヒー豆について、その膨張度合を検討した。
まず、900ml容の測定容器の中に、ごまをすりきりで一杯になるまで入れた後、このごまを一旦別の容器に移した。次に、測定容器の中に、実施例1又は比較例1で得た焙煎コーヒー豆100gを入れ、その上からごまを測定容器内に戻した。測定容器内にごまを隙間が生じないように入れ、容器にすりきりで一杯となるように入れた。
先に入れた焙煎コーヒー豆のために測定容器に入りきらなかったごまの体積をメスシリンダーで測定し、この測定値に基づいて焙煎コーヒー豆の体積を求め、膨張度合を算出した。また、コーヒー生豆の体積と比較することによって焙煎コーヒー豆の膨張率を求めた。結果を第2表に示す。
表から明らかなように、本発明の方法で焙煎されたコーヒー豆は、従来の完全熱風式焙煎方法で焙煎されたコーヒー豆よりも体積が大きく、膨張度合が高いことが明らかとなった。
【0022】
【表2】
第2表
Figure 0003645506
【0023】
実施例3、比較例3
この例では、実施例1及び比較例1と同様にして得た焙煎コーヒー豆のpHについて経時的変化を調べた。
実施例1又は比較例1と同様にして得た焙煎コーヒー豆100g以上を、シルバーカットミル(カリタ株式会社製)で細引きに粉砕し、コーヒー粉末を得た。次に、コーヒーマシン(メリタFKM242)を用いて、コーヒー粉末100gに熱湯2200ccを注いで抽出を行った。こうして得たコーヒー抽出液について、抽出終了後から0、20、40又は60分間約80℃にて保温保管した。しかる後、該抽出液を室温まで冷却し、pHを以下の方法で測定した。
pHの測定は、電極法により実施した。コーヒー抽出液のpH測定結果を第3表に示す。
【0024】
【表3】
第3表
Figure 0003645506
【0025】
第3表から明らかなように、コーヒー抽出液のpHは、従来法である完全熱風式で焙煎した比較例3のものよりも、本発明の方法で焙煎を行った実施例3のものの方が高値を示す傾向が認められた。
以上のことから、本発明の炭焼焙煎方法と従来の完全熱風式焙煎方法とでは、コーヒー抽出液のpHの経時的変化に差があることがわかり、コーヒー生豆を本発明にしたがって2段階の焙煎を行い、かつ炭焼による焙煎時間を長くすることにより、コーヒー抽出液のpHの経時的変化を抑制できるので、コーヒー抽出液の劣化を抑える効果が期待できることが明らかとなった。
【0026】
実施例4、比較例4
この例では、実施例1及び比較例1と同様にして得た焙煎コーヒー豆の水分含有率について検討した。
これらの焙煎コーヒー豆の水分含有率を、ハロゲン乾燥方法による重量損失から算出することにより求めた。すなわち、コーヒー焙煎豆4gをHG53ハロゲン水分計(メトラー・トレド社製)のサンプル受け皿に均等になるよう入れ、セットした。次に、乾燥温度125℃、乾燥時間30分間に乾燥条件を設定し、重量損失を測定した。得られた数値に基づいて、焙煎コーヒー豆の水分含有率を算出した。結果を第4表に示す。
【0027】
【表4】
第4表
Figure 0003645506
【0028】
第4表から明らかなように、本発明の方法で焙煎した方が、従来の完全熱風式で焙煎した場合よりも、焙煎コーヒー豆の水分含有率が低い。このことから、本発明の方法は焙煎コーヒー豆の保存性に優れている上に、良質の香りを保持できることがわかる。
【0029】
実施例5、比較例5
この例では、実施例1及び比較例1と同様にして焙煎して得たコーヒー豆から調製したコーヒー粉末の抽出効率について検討した。
まず、焙煎コーヒー豆をシルバーカットミル(カリタ株式会社製)にて細引きに粉砕し、コーヒー粉末を得た。次に、コーヒーマシン(メリタFKM242)を用いて、一定量のコーヒー粉末を2200ccの熱湯で抽出を行った。得られたコーヒー抽出液の可溶性固形分(屈折計示度)、すなわちBrixを測定した。Brixの測定は、糖用屈折計を用いて実施した。なお、使用するコーヒー粉末の量を一定とするため、実施例4において算出した水分含有率をもとに、コーヒー粉末の使用量を決定し、実施例5の場合は99.9g、比較例5の場合は100gを用いた。Brixの測定結果を第5表に示す。
【0030】
【表5】
第5表
Figure 0003645506
【0031】
表から明らかなように、本発明の方法によって得た焙煎コーヒー豆の方が、従来の完全熱風式焙煎方法によって得た焙煎コーヒー豆よりもBrix値が高く、抽出効率が高いことが判明した。
【0032】
試験例1
炭焼焙煎方法が及ぼすコーヒーの品質について検討した。すなわち、第1工程を行わず、焙煎開始時より焙煎機のダンパーを開いた状態で、炭火の熱により12分間焙煎を行う従来の炭焼焙煎方法で得られた焙煎コーヒー豆(従来品)と実施例1に示した本発明の方法により得た焙煎コーヒー豆(本発明品)との比較を行った。
得られた焙煎コーヒー豆は、常法にしたがってコーヒー粉末を調製し、これらから熱湯で抽出したコーヒー抽出液について、実施例1と同様に官能検査を実施した。結果を第6表に示す。
表から明らかなように、本発明品に由来するコーヒー抽出液の方が総合的に品質が優れていることがわかった。
【0033】
【表6】
第6表
Figure 0003645506
【0034】
試験例2
この例では、焙煎時に用いる炭の種類による影響について調べた。すなわち、実施例1と同様に長崎県対馬産木炭(白炭50%と中白炭50%の混合炭)を用い、実施例1と同様の条件で焙煎して得た焙煎コーヒー豆(本発明品)と中国産備長炭(銘柄:荒上小)を用いて実施例1と同様の条件で焙煎して得た焙煎コーヒー豆(対照品)から、試験例1と同様の方法で得たコーヒー抽出液について、実施例1と同様に官能検査を実施した。結果を第7表に示す。
表から明らかなように、本発明品に由来するコーヒー抽出液の方が総合的に品質が優れていることがわかった。
【0035】
【表7】
第7表
Figure 0003645506
【0036】
【発明の効果】
本発明により、2段階焙煎法による従来法よりも長時間の焙煎を行うコーヒー豆の炭焼焙煎方法が提供される。
本発明の方法によって得られる焙煎コーヒー豆は、コーヒー豆の煎りムラが解消され、かつコーヒー豆の組織の膨張率が向上し、豆に含まれていた水分が従来法よりも多く除かれるため、保存性に優れている上に、該焙煎コーヒー豆から得られるコーヒー抽出液の官能検査において、従来の炭焼焙煎コーヒー豆に由来するものに比べて炭焼コーヒー特有の味わいや香りが深く、良質であるとの評価が得られた。

Claims (3)

  1. コーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー生豆を14〜18分間焙煎する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状態で炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を2〜13分間焙煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工程を含むことを特徴とするL値での焙煎色が14.0〜25.0である焙煎コーヒー豆の製造方法。
  2. 第1工程及び第2工程の焙煎に用いる炭火が白炭と中白炭の混合物に由来する炭火である請求項記載の方法。
  3. 請求項1記載の方法で得られたL値での焙煎色が14.0〜25.0である焙煎コーヒー豆。
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