JP3645148B2 - 乳化分散剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は乳化分散剤に関する。さらに詳しくは、脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩を含有する乳化分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂肪族系アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物を硫酸化して得られる硫酸エステル塩は、ビニル系重合体エマルション製造のための乳化重合用乳化分散剤、並びにロジンおよびロジン誘導体の水系エマルション製造用の乳化分散剤などに使用されている。
これらの脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩としては、従来、未精製の脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物を硫酸化したもの、または必要により未反応脂肪族系アルコールもしくはさらにアルキレンオキサイドの低付加モル数の成分を蒸留などの精製により除去したものを硫酸化したものなどが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の硫酸エステル塩を乳化分散剤として使用した乳化分散物(エマルションなど)は、乳化安定性が悪いことおよび起泡性が強いことなどの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物を硫酸化することにより、乳化分散能に優れ、かつ低起泡性の乳化分散剤が得られ、本発明に到達した。
【0005】
すなわち、本発明は、下記(i)および(ii)を満たす脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A)の硫酸エステル塩(B)を含有することを特徴とする、樹脂工業用,繊維工業用,医薬用,化粧品(洗浄剤を除く)用,農薬用,建設工業用,アスファルト用,セメント用,流出油処理用もしくは塗料用の、乳化分散剤;該乳化分散剤を使用してなる乳化分散物;該乳化分散剤の存在下で乳化重合する方法;該方法により得られる樹脂エマルション組成物;該乳化分散剤を含有してなるロジンおよび/またはロジン誘導体エマルション組成物;および該ロジンおよび/またはロジン誘導体エマルション組成物を含有してなるサイズ剤である。
(i)脂肪族系アルコール(a)のアルキレンオキサイド(b)付加物であって、下記一般式(1)で表される化合物の1種または2種以上の混合物からなる。
R1−(OA)k−OH (1)
[式中、R1は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Aは炭素数2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1〜50となる0または1以上の整数]
(ii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが下記関係式(2)または(3)を満たす。
Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(2)
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139 (但し、v≧10)(3)
[但し、vは脂肪族系アルコール(a)1モル当たりに付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、上記一般式(1)でのkの平均に相当する。]
【0006】
【発明の実施の形態】
上記一般式(1)において、R1 は、脂肪族系アルコール(a)(本明細書中、脂肪族系アルコールとは、脂肪族アルコールと脂環式アルコールの両者を含むものとする。)の残基であり、炭素数が通常8〜24の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基など)または脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、多環炭化水素基など)を表す。R1 は、直鎖状と分岐状など2種以上の基の混合物であってもよい。炭素数8未満では、十分な乳化分散能が得られず、炭素数が24を超えると乳化分散能が劣り、好ましくない。
【0007】
R1の具体例としては、アルキル基としては、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、セチル、ステアリル、ノナデシル、2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル基などが挙げられる。アルカジエニル基としては、リノレイル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、オクチルシクロヘキシル、ノニルシクロヘキシル基などが挙げられる。多環炭化水素基としては、アダマンチル基などが挙げられる。
【0008】
一般式(1)中、Aは炭素数2以上、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4、特に好ましくは炭素数2または3のアルキレン基を表し、(OA)の部分は、炭素数2以上のアルキレンオキサイド(b)の付加により形成される。このようなアルキレンオキサイド(b)としては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−または2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドなどが挙げられる。好ましくはEOおよび/またはPOである。
【0009】
一般式(1)中、kは(b)の付加モル数に相当し、平均が1〜50となる整数であり、好ましくは2〜40、さらに好ましくは2〜20である。kが50を超えると、十分な乳化分散性能が得られない。
【0010】
前記脂肪族系アルコール(a)は、R1 残基を与えるものであり、炭素数が通常8〜24(好ましくは12〜18)のアルコールであり、天然アルコールでも合成アルコール(チーグラーアルコール、オキソアルコールなど)でもよい。
具体例としては、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコールなどの飽和脂肪族アルコール;オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール、リノレイルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコール;エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアルコール、ノニルシクロヘキシルアルコール、アダマンチルアルコールなどの脂環式アルコールが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用出来る。これら脂肪族系アルコールは1級または2級が好ましく、さらに1級が好ましい。また、アルキル基部分は直鎖状でも分岐状でもよい。特に好ましくはドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコールである。
【0011】
(A)としては、工程が煩雑でないことから、(a)と(b)から直接製造されたものであることが好ましい。ここで、「直接製造された」とは、上記付加物が、精留などにより未反応アルコールや付加モル数の異なるものを分別する操作なしで、直接得られたものであることを意味する。但し、分別を目的としないで、簡単な操作で未反応アルキレンオキサイドや低沸点物をストリッピングしたものは分別操作に含まれない。
【0012】
また、本発明で、(A)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが上記関係式(2)または(3)を満たす必要がある。
これらの式で、Ln(v)はvの自然対数を意味し、vは脂肪族系アルコール(a)1モル当たりに付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、前記一般式(1)でのアルキレンオキサイドの付加モル数であるkの平均に相当する。(以下同じ)
関係式(2)または(3)を満たさない、すなわち分子量分布が広くなると、乳化分散剤としたときに、充分な乳化分散能が得られず、また起泡性も強くなる。
また、Mw/Mnは下記関係式(2')または(3')を満たすことが好ましい。
Mw/Mn≦0.031×Ln(v)+1.000(但し、v<10) (2')
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.129(但し、v≧10)(3')
【0013】
一般式(1)においてAがエチレン基のみである場合、即ち、脂肪族系アルコール(a)にエチレンオキサイドのみを付加した場合には、Mw/Mnが関係式(6)または(7)を満たすことが好ましい。
Mw/Mn≦0.020×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(6)
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.116(但し、v≧10)(7)
関係式(6)または(7)を満たす場合、即ち分子量分布が狭くなると、乳化分散剤としたときに、良好な乳化分散能と低起泡性が得られる。
また、この場合、Mw/Mnは下記関係式(6')または(7')を満たすことがさらに好ましい。
Mw/Mn≦0.018×Ln(v)+1.015 (但し、v<10) (6')
Mw/Mn≦−0.023×Ln(v)+1.113(但し、v≧10)(7')
【0014】
さらに(A)は、vが12以下の場合に下記関係式(4)において分布定数cが2.0以下であることが好ましい。関係式(4)は、下記Weibullの分布則の式(8)から導き出される式である。cは好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.7以下である。分布定数cの値が小さい、すなわち未反応の脂肪族系アルコールの含有量が少ないほど分子量分布が狭いことを意味する。 なお、この式は、未反応の脂肪族系アルコール(a)の量が検出限界(0.001質量%)以上の場合に適用される式であり、(A)の場合はアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が12モル程度まで適用可能である。cが2を超えると、乳化分散剤としたときに、充分な乳化分散能が得られず、また起泡性も強くなる。
c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (4)
v=c×Ln(n00/n0)−(c−1)×(1−n0/n00) (8)
これらの式で、Ln(n00/n0)は(n00/n0)の自然対数を意味し、vは上記に同じ、n00は反応に用いた脂肪族系アルコール(a)のモル数、n0 は未反応の脂肪族系アルコール(a)のモル数を表す。
【0015】
本発明において、上記(A)としては、さらに下記一般式(1’)で表される化合物が乳化分散能の点で好ましい。
R1−[(OC2H4)m/(OD)n]−(OC2H4)p−OH (1’)
[式中、R1 は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Dは炭素数3または4のアルキレン基;mは平均が0〜5となる0または1以上の整数、nは平均が0〜5となる0または1以上の整数、pは平均が1〜40となる0または1以上の整数であり、(m+n+p)は平均が1〜50となる整数であり、(m+p)/(m+n+p)は平均0.5以上である。{(OC2H4)m/(OD)n}は、m≠0,n≠0のときブロック付加またはランダム付加を表す。]
【0016】
上記一般式(1’)中、(OC2H4)の部分は、EOの付加により形成される。Dは炭素数3または4のアルキレン基を表し、(OD)の部分は、炭素数3または4のアルキレンオキサイドの付加により形成される。このようなアルキレンオキサイドとしては、PO、1,2−もしくは2,3−ブチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0017】
上記一般式(1’)中、mは平均が0〜5となる0または1以上の整数であり、さらに好ましくは0〜3の整数である。nは平均が0〜5となる0または1以上の整数であり、さらに好ましくは0または1である。pは平均が1〜40となる0または1以上の整数であり、さらに好ましくは1〜20である。(m+n+p)は平均が1〜50の整数であり、さらに好ましくは2〜30である。(m+p)/(m+n+p)は平均0.5以上であり、さらに好ましくは0.7以上である。0.5以上であると、乳化分散剤としたときの乳化分散能が良好となる。{(OC2H4)m/(OD)n} の部分は、ブロック付加〔(OC2H4)m、(OD)nの順〕 でもランダム付加でもよいが、さらに好ましくはブロック付加である。
【0018】
本発明において、(A)としては、以下に述べる方法により製造された(A1)または(A2)であることが好ましい。
すなわち、分布定数cが2.0以下の付加物を与える触媒(d)の存在下、前記脂肪族系アルコール(a)にアルキレンオキサイド(b1)を平均1〜2.5モル付加して得られる脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A1)であるか、(A1)にさらにアルカリ触媒(f)の存在下でアルキレンオキサイド(b2)を付加反応させてなる脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A2)であるのが好ましい。
【0019】
上記アルキレンオキサイド(b1)および(b2)としては、炭素数2以上のアルキレンオキサイドが挙げられる。具体例としては、一般式(1)におけるOAを形成するアルキレンオキサイド(b)の例として前記したアルキレンオキサイドが挙げられ、2種以上を併用してもよい。2種以上用いる場合は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加である。これらのうちで好ましくは、EOおよび/またはPOである。
【0020】
触媒(d)としては、得られるアルキレンオキサイド付加物の分布定数cが2.0以下となるものを用いる。好ましくはcが1.0以下、さらに好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.45以下となるものである。分布定数cが2.0を超えるものを用いると、乳化分散剤とした場合に、乳化分散能が低下する。また、起泡性が強くなり問題となることがある。
【0021】
触媒(d)の具体例としては、過ハロゲン酸もしくはその塩、硫酸もしくはその塩、燐酸もしくはその塩、および硝酸もしくはその塩が挙げられる。塩を形成する場合の金属は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属以外のものが好ましく、2価または3価の金属が好ましい。
これら金属として好ましくは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu、Alであり、より好ましくは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba、Alであり、特に好ましくは、Mg、Zn、Alである。過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭素、沃素が挙げられ、塩素が好ましい。
したがって、(d)としては、2価もしくは3価の金属(特に、Mg、ZnおよびAlから選ばれる金属)の過塩素酸塩が好ましい。また、(d)に2価もしくは3価の金属アルコラートを併用してもよい。金属アルコラートのアルキル基としては、アルコールとして留去し易い低級(炭素数1〜4)アルキル基、または原料脂肪族系アルコールと同一組成のアルキル基が挙げられる。これらの触媒は1種でもよいが、2種以上の触媒〔たとえば、過塩素酸マグネシウム/硫酸マグネシウム7水塩=95/5〜50/50、過塩素酸マグネシウム/過塩素酸アルミニウム=99/1〜30/70(いずれも質量比)〕を併用した方が好ましい。
【0022】
触媒(d)の使用量としては、反応速度と経済性の点から、(a)と(b1)の合計100質量部当たり、0.001〜1質量部が好ましい。さらに好ましくは0.003〜0.8質量部、特に好ましくは0.005〜0.5質量部である。
【0023】
(a)に(b1)を付加して得られるアルキレンオキサイド付加物(A1)に、アルキレンオキサイド(b3)を付加させる際に用いる触媒は、アルカリ触媒(e)である。
アルカリ触媒(e)としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。好ましいのは水酸化カリウム、水酸化セシウムである。
触媒(e)の使用量としては、反応速度と経済性の点から、(A1)と(b2)の合計100質量部当たり、0.0001〜1質量部が好ましい。さらに好ましくは0.001〜0.8質量部である。
【0024】
(a)と(b1)を反応させる場合の反応条件としては、(a)と(d)を混合し、窒素置換を行った後、−0.8〜5kgf/cm2 Gで、80〜200℃で(b1)を導入し、所定量の(b1)を投入後、80〜200℃で反応系内の圧力が平衡になるまで熟成を行う方法などが挙げられる。
このようにして得られたアルキレンオキサイド付加物(A1)に、アルカリ触媒(e)を添加し、アルキレンオキサイド(b2)を、上記と同様の方法で反応することで、脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A2)が得られる。
【0025】
本発明における硫酸エステル塩(B)は、上記▲1▼および▲2▼を満たす(A)の硫酸エステル塩であれば、特に限定されないが、下記一般式(5)で表される塩の1種以上であることが乳化分散能の点から好ましい。
R1−(OA)k−OSO3M (5)
式中、R1 は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Aは炭素数2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1〜50となる0または1以上の整数;Mはカチオンを表す。
一般式(5)におけるMのカチオンとしては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムおよびリチウム)、アンモニウム、並びにアルキル、アラルキルおよびヒドロキシアルキル(炭素数1〜18)置換アンモニウム(トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、モノヒドロキシエチルアンモニウムおよびジヒドロキシエチルアンモニウムなど)などが挙げられる。
【0026】
本発明における硫酸エステル塩(B)は、生成した脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A)をそのまま硫酸化し、水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いて中和することによって得られる。中和度は通常95〜110%であり、中和物のPH(硫酸エステル塩の5質量%水溶液)は、通常5〜9である。硫酸化の方法としては、例えば(i)クロロスルホン酸を用いる方法、(ii)サルファンを用いる方法、(iii)スルファミン酸を用いる方法、(iv)硫酸を用いる方法が挙げられる。(ii)のサルファンについては、乾燥窒素等で希釈して用いる。
反応温度は、(i)(ii)の場合は、通常0〜70℃、好ましくは10〜50℃である。(iii)(iv)の場合は、通常50〜150℃、好ましくは60〜130℃である。
反応形態は、(i)〜(iv)いずれの場合についても、連続反応およびバッチ式反応の両方が可能である。
【0027】
硫酸化反応の終点は、56100/(硫酸エステルまたはその塩の分子量)で表される酸価(AV)が、理論値の70〜110%となる点であり、好ましくは80〜105%となる点である。
また、結合硫酸量を測定しても終点が確認でき、(80×100)/(硫酸エステルまたはその塩の分子量)で表される結合硫酸量が、理論値の70〜110%となる点、好ましくは80〜105%となる点である。
【0028】
本発明の硫酸エステル塩(B)からなる乳化分散剤は、乳化分散能に優れる。また、▲1▼および▲2▼を満たす脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A)中にはその原料の脂肪族系アルコールが少ないので、その硫酸エステル塩中にも少なく、水系エマルションの泡立ちも少ないものとなる。
【0029】
本発明の(B)を含有する乳化分散剤は、単独で乳化分散剤として用いてもよいが、必要により、本発明の効果を妨げない量の本発明以外のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤を配合することができる。
乳化分散剤中の界面活性剤有効成分(固形分換算)の配合割合(質量%)は、本発明の硫酸エステル塩(B)が、好ましくは10〜100%であり、さらに好ましくは20〜100%である。(B)以外のアニオン性界面活性剤を用いる場合、(B)との合計量に対して、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下であり、かつアニオン性界面活性剤の合計の配合割合が上記範囲内であることが好ましい。また、ノニオン性界面活性剤は、(B)との合計量に対して好ましくは90%以下であり、さらに好ましくは0〜80%である。カチオン性界面活性剤は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは0〜3%である。両性界面活性剤は、好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは0〜30%である。
また、本発明以外の界面活性剤は、上記のように予め配合して使用しても、または乳化分散工程の途中で別々に添加してもよい。この場合の添加量の割合は、上記の配合する場合と同様である。
【0030】
具体的には、(B)以外のその他のアニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸またはその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有する本発明の(B)以外のエーテル硫酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウムなど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホコハク酸塩[モノもしくはジアルキルスルホコハク酸エステルジもしくはモノナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)モノもしくはジアルキルスルホコハク酸エステルジもしくはモノナトリウム等]、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]、反応基を有する硫酸エステル塩およびスルホン酸塩[アルキル(炭素数3〜18)(メタ)アリルスルホコハク酸塩、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(アルキレン基はエチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブッロクでもよい)モノメタクリレート硫酸エステル化物塩、その他(1)、(2)、(3)で示される化合物等]などが挙げられる。
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダム、ブロックでもよいを示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダム、ブロックでもよいを示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
(式中、R’、R”の一方は−CH2CH(OH)CH2OCH2=CH、他方はフッ素原子で置換されてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示す。)
【0031】
ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8,重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテルおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
【0032】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。これらの1種または2種以上が使用出来る。
【0033】
本発明の硫酸エステル塩(B)および必要により他の界面活性剤からなる乳化分散剤は、液体、ペースト、固体、粉末など種々の形態で使用することができるが、液体およびペーストが使いやすく好ましい。
液体およびペースト状で使用する場合、本発明の硫酸エステル塩(B)の含有率は3〜100質量%、とくに10〜100質量%が好ましく、(B)を含む界面活性剤の合計量は5〜100質量%、とくに10〜100質量%が好ましい。
本発明の乳化分散剤において、(B)を含む界面活性剤以外の成分は、水または/および水溶性有機溶媒であり、好ましくは水である。該水溶性有機溶媒としては、低級1価アルコール[エタノール、n−およびiso−プロピルアルコール、n−、iso−およびsec−ブチルアルコールなど]、炭素数2〜9のグリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールなど]および炭素数3〜9のトリオール[グリセリンなど]などが挙げられる。
本発明の乳化分散剤を含有する液体またはペースト中の水または/および水溶性有機溶媒は、好ましくは0〜95質量%、さらに好ましくは0〜90質量%であり、水および水溶性有機溶媒を併用する場合は、水/水溶性有機溶媒=50/50〜99.5/0.5質量比が好ましく、さらに好ましくは70/30〜98/2質量比である。
【0034】
本発明の乳化分散剤は、従来から公知の添加剤の1種以上と併用することができる。このようなものとしては、保護コロイド剤および/または増粘剤として作用する高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸塩(アルカリ金属塩、有機アミン塩、第4級アンモニウム塩など;重量平均分子量3,000〜3,000,000)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール(重量平均分子量2,000〜200,000)およびグアーガムなどが挙げられる。これらの添加剤は、乳化分散の工程の最初、または途中の工程のいずれに添加してもよい。
本発明の(B)を含む乳化分散剤と、これらの添加剤との割合(質量比)は、広範囲(たとえば100:0〜10:90)に変えることができるが、100:0〜70:30、とくに99:1〜80:20が好ましい。
【0035】
本発明の乳化分散剤は、下記の用途に、使用される:合成および天然樹脂工業分野での乳化分散剤[エチレン性不飽和単量体の乳化重合用乳化分散剤並びにロジンおよび/またはロジン誘導体用の乳化分散剤など]、繊維工業用乳化分散剤[紡績油剤用乳化分散剤、柔軟仕上剤用乳化分散剤、撥水剤用乳化分散剤および分散染料用乳化分散剤など]、医薬および化粧品(洗浄剤を除く)用乳化分散剤[油溶性薬品用乳化分散剤、化粧クリーム用乳化分散剤およびローション用乳化分散剤など]、農薬乳化剤[マシン油用乳化分散剤、リンデン乳剤用乳化分散剤およびマラソン乳剤用乳化分散剤など]、建設工業用乳化分散剤[アスファルト用乳化分散剤、セメント用分散剤、セメント流動性改良剤、およびその他の建設工業用乳化分散剤]、並びにその他の用途[流出油処理用乳化分散剤および塗料用の顔料分散剤]。
【0036】
本発明の乳化分散剤を各種のエチレン性不飽和単量体の乳化重合用乳化分散剤として使用する場合、単量体としては、下記(イ)〜(ホ)が挙げられる。
【0037】
(イ)エチレン性不飽和炭化水素;脂肪族エチレン性不飽和炭化水素[イソブチレン、ジイソブチレン、オクテン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン等]、脂環式エチレン性不飽和炭化水素[シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン等]、芳香族エチレン性不飽和炭化水素[スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等]など、
【0038】
(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステル
炭素数1〜50のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等、
【0039】
(ハ)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体およびその塩;(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸等;並びに、これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩、
【0040】
(ニ)スルホン酸基または硫酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体およびこれらの塩;ビニルスルホン酸(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、スチレンスルホン酸(塩)、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸(塩)、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(塩)、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(アルキレン基としてはエチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物(塩)、ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物(塩)、[上記における塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩が挙げられる]
【0041】
(ホ)その他のエチレン性不飽和単量体
水酸基含有単量体[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、含窒素単量体[アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなど]、4級アンモニウムカチオン基含有単量体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)]、エポキシ基含有単量体[グルシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなど]、ハロゲン元素含有単量体[ 塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、クロロプレン等]、ビニルエステル、ビニルエーテルおよびビニルケトン類[ 酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ビニルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトンなど]など。
【0042】
本発明の乳化分散剤がエチレン性不飽和単量体の乳化重合用乳化剤として使用される場合の使用方法としては、公知の方法があげられる。
例えば、水系媒体(水、または水と上記の水溶性有機溶媒の混合溶媒など)中に、単量体100質量部(以下、部はすべて質量部を示す)に対して乳化分散剤0.1〜15部[乳化分散剤中の(B)およびその他の界面活性剤の合計]、好ましくは0.5〜10部、さらに単量体100部に対して0.1〜3部の重合開始剤を加え、必要により連鎖移動剤(各種メルカプタン類、例えばドデシルメルカプタンなど)0.1〜5部、PH調整剤(炭酸水素ナトリウムなど)0.05〜2部を添加し、反応容器の空間部分を不活性ガス(窒素など)で置換した後、昇温し、仕上がりエマルションが20〜70質量%の濃度になるような単量体の量を滴下することによって、乳化重合することができる。また、重合終了後に、必要により希薄なアンモニア水などでエマルションのPHを5〜9に調整してもよい。重合温度は通常40〜90℃であり、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は通常2〜12時間であり、好ましくは3〜8時間である。重合開始剤としては、例えば、水溶性過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、水溶性過酸化物(過酸化水素など)、レドックス開始剤(過酸化水素などの過酸化物と第一鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などの還元剤との組み合わせなど)が使用できる。
【0043】
本発明の乳化分散剤を使って乳化重合して得られる樹脂エマルションは従来の乳化分散剤を使用して得られる樹脂エマルションに比較して、重合工程中に生成する凝集物が少なく、重合転化率が高く、低気泡性で、化学安定性および機械安定性が良好である。
【0044】
本発明の乳化分散剤は、ロジンおよび/またはロジン誘導体用の乳化分散剤としても使用できる。乳化分散する対象となるロジンとしては、ウッドロジン、ガムロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられ、ロジン誘導体としては、水素化ロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、ホルムアルデヒド変性ロジン、これらの各種ロジンと不飽和カルボン酸[フマール酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(メタ)アクリル酸など]との付加反応生成物あるいはこれらの各種ロジン系化合物とアルコール(n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどの1価アルコール;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールなど)とのエステルおよびこれらの2種以上との混合物が挙げられる。
【0045】
ロジンおよび/またはロジン誘導体を水中に乳化分散させ、水性エマルションを得るに際して必要な本発明の乳化分散剤の使用量は、ロジンおよび/またはロジン誘導体の質量に対し、通常0.5〜10質量%(以下、%はすべて質量%を示す)であり、好ましくは1.5〜6%である。本発明の乳化分散剤を用いてロジンおよび/またはロジン誘導体を乳化分散させる方法としては、必要により有機溶剤(トルエン、ベンゼンなど)を加えて溶融したロジンおよび/またはロジン誘導体に本発明の乳化分散剤を混合し、次いで必要により加熱および加圧下で水を徐々に添加して転相乳化した後、必要により有機溶剤を除去する方法;ロジンおよび/またはロジン誘導体、本発明の乳化分散剤、水および/または有機溶剤(トルエン、ベンゼンなど)を必要により加熱および加圧下で混合し、ホモジナイザーなどの乳化機を通し乳化した後、必要により有機溶剤を除去する方法などが挙げられる。これらの乳化分散方法において、本発明の乳化分散剤の添加方法としては、最初に全量を添加してもよく、乳化分散工程の進行に伴って連続または分割して添加してもよい。
【0046】
本発明の乳化分散剤を用いてロジンおよび/またはロジン誘導体の乳化分散を行うと、泡立ちが少なく、かつ貯蔵安定性が良好なエマルションが得られる。
【0047】
本発明の乳化分散剤を用いて得られたロジンおよび/またはロジン誘導体の水性エマルションは、製紙用サイズ剤(内添サイズ剤など)として使用することができ、泡立ちが少ないために製紙工程のうちの抄紙系における発泡が少ないので、優れたサイズ効果発揮できる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。部は重量部を示す。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による分子量の測定、ガスクロマトグラフ(GC)による未反応の脂肪族アルコールの含有量の測定および高速液体クロマトグラフ(HPLC)による脂肪族アルコール硫酸エステル塩の測定は次の通り。
【0049】
【0050】
《 GCの測定条件》
カラム シリコンGE−SE30
検出器 :FID
Injection :280℃
昇温速度 :100〜250℃/10℃毎分
内部標準 :オクタノール
《HPLCの測定条件》
カラム :Shimapack CLC−ODS
溶離液 :メタノール/水=80/20
流速 :1ml/min
注入量 :30μl
検出器 :RI,UV
【0051】
製造例1
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール186部(1モル)、過塩素酸マグネシウム0.32部および水酸化マグネシウム0.03部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド(以下、EOと略記)88部(2モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。EOの付加重合に要した時間は10時間であった。
反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.020[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値;1.031]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物中の3.98%(0.0586モル)であった。(定数c=0.558)
反応物をガラス容器に移し、温度を20℃に保ちながら、クロルスルホン酸120部(1.03モル)を徐々に滴下した。同温度で2時間脱塩酸を行った後、水酸化ナトリウム41.2部(1.03モル)を水1110部に溶解した水溶液で硫酸エステルを中和し有効成分25%を含有する硫酸エステル塩(X−1)を得た。
(X−1)の分子量分布と未反応ラウリルアルコール硫酸エステル塩をGPCの測定条件−1およびHPLCの測定条件により測定した結果、Mw/Mnは1.020[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.031]、未反応ラウリルアルコールの硫酸エステル塩は、4.0%(0.0522モル)(分布定数c=0.524)であった。
【0052】
製造例2
製造例1と同様の容器に、ラウリルアルコール186部(1モル)、過塩素酸マグネシウム0.32部および水酸化マグネシウム0.03部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO176部(4モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。EOの付加重合に要した時間は15時間であった。
反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.040[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.052]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物中の1.45%(0.028モル)であった。(定数c=1.044)
反応物をガラス容器に移し、温度を20℃に保ちながら、サルファン80部(1.0モル)を徐々に滴下した。同温度で2時間攪拌を行った後、水酸化ナトリウム40.0部(1.0モル)を水1374部に溶解した水溶液で硫酸エステルを中和し有効成分25%を含有する硫酸エステル塩(X−2)を得た。
(X−2)の分子量分布と未反応ラウリルアルコール硫酸エステル塩をGPCの測定条件−1およびHPLCの測定条件により測定した結果、Mw/Mnは1.040[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.052]、未反応ラウリルアルコールの硫酸エステル塩は、1.50%(0.0242モル)であった。(分布定数c=1.10)
【0053】
製造例3
製造例1と同様の容器に、ラウリルアルコール186部(1モル)、過塩素酸マグネシウム0.05部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO88部(2モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。(定数c=0.558、未反応ラウリルアルコール3.98%)得られた反応物に水酸化カリウム1.3部を加えプロピレンオキサイド(以下,POと略記)116部(2モル)次いでEO264部(6モル)の順に130℃にて反応を行った。反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.076[一般式(3)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.079]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは認められなかった。
反応物をガラス容器に移し、実施例1と同様の方法で硫酸エステル化、中和を行い有効成分25質量%の硫酸エステル塩(X−3)を得た。
(X−3)をGPCの測定条件−1によって測定した結果、Mw/Mnは1.076であった。
【0054】
比較製造例1
製造例1と同様の容器に、ラウリルアルコール186部(1モル)、水酸化カリウム0.3部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。 次いで、EO88部(2モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。
反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.07[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.031]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物中の38.0%(0.560モル)であった。(定数c=11.15)
反応物をガラス容器に移し、温度を20℃に保ちながら、クロルスルホン酸120部(1.03モル)を徐々に滴下した。同温度で2時間脱塩酸を行った後、水酸化ナトリウム41.2部(1.03モル)を水1110部に溶解した水溶液で硫酸エステルを中和し有効成分25%を含有する硫酸エステル塩(Y−1)を得た。
(Y−1)の分子量分布と未反応ラウリルアルコール硫酸エステル塩の量をGPCの測定条件−1およびHPLCの測定条件により測定した結果、Mw/Mnは1.070[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.031]、未反応脂肪族アルコールの硫酸エステル塩は、38.0%(0.496モル)であった。(分布定数c=7.59)
【0055】
比較製造例2
製造例1と同様の容器に、ラウリルアルコール186部(1モル)0.03部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO176部(4モル)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。
反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.10[一般式(2)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.052]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物中の11.0%(0.214モル)であった。(定数c=4.25)
反応物をガラス容器に移し、温度を20℃に保ちながら、サルファン80部(1.0モル)を徐々に滴下した。同温度で2時間攪拌を行った後、水酸化ナトリウム40.0部(1.0モル)を水1374部に溶解した水溶液で硫酸エステルを中和し有効成分25%を含有する硫酸エステル塩(Y−2)を得た。
(Y−2)の分子量分布と未反応ラウリルアルコール硫酸エステル塩の量をGPCの測定条件−1およびHPLCの測定条件により測定した結果、Mw/Mnは1.10[一般式(2)Mw/Mnの上限計算値:1.052]未反応ラウリルアルコールの硫酸エステル塩は、11.0%(0.177モル)であった。(分布定数c=3.496)
【0056】
比較製造例3
製造例1と同様の容器に、ラウリルアルコール186部(1モル)、水酸化カリウム0.6部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO88部(2モル)、PO116部(2モル)、EO264部(6モル)を130℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2 となるように導入した。
反応物をGPCの測定条件−2によって測定した結果、Mw/Mnは1.118[一般式(3)を満たすMw/Mnの上限計算値:1.079]、GCの測定条件によって測定した未反応のラウリルアルコールは全反応物中の0.3%であった。(定数c=2.52)
反応物をガラス容器に移し、実施例1と同様の方法で硫酸エステル化、中和を行い硫酸エステル塩(Y−3)を得た。
(Y−3)をGPCの測定条件−1によって測定した結果、Mw/Mnは1.118であった。HPLCの測定条件により測定した未反応ラウリルアルコールの硫酸化物は0.3%であった。(定数c=2.34)
【0057】
実施例1
撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および還流冷却器を備えた反応容器に、イオン交換水150部、炭酸水素ナトリウム0.1部、過硫酸アンモニウム0.3部、本発明の硫酸エステル塩(X−1)10部を加えて溶解し、室温で15分間窒素置換後、撹拌下で80℃まで昇温し、アクリル酸ブチル50部、メタクリル酸メチル50部の混合物を3時間均一に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後1時間熟成を行った後、40℃まで冷却し、10%アンモニア水0.1部加え、pHを6.5に調整し、樹脂エマルション254.5部(固形分41%)を得た。得られた樹脂エマルションの試験結果を表2に示す。
【0058】
実施例2〜4および比較例1〜3
乳化分散剤および単量体を表1のように代えた以外は実施例1と同様にして樹脂エマルションを得た。得られた樹脂エマルションの試験結果を表2に示す。
【0059】
実施例1〜4および比較例1〜3で用いた試験方法は次の通りである。
(1)重合安定性
得られた樹脂エマルションを150メッシュの金網で濾過し、濾過残渣を水で洗浄後、130℃で5時間乾燥して得た凝固物量を仕込み単量体質量に対する百分率(%)で表した。
(2)固形分
得られた樹脂エマルションを1.5±0.2gを採り、精秤し、130℃で1.5時間乾燥後の質量を測定し、乾燥前質量に対する乾燥後質量の百分率(%)で表した。
(3)重合転化率
上記固形分(%)を、100%重合時の理論固形分(%)に対する百分率(%)で表した。
(4)起泡性
固形分3%に水にて希釈した樹脂エマルション30mlを100mlの共栓付シリンダーにとり、10回強振し、5分後の泡量(ml)で表した。
(5)化学安定性
固形分0.5%に水にて希釈した樹脂エマルション50mlを凝固・分離させるのに必要なN/10−CaCl2水溶液の容量(ml)で表した。
(6)機械安定性
樹脂エマルション22gをビーカーに取りホモミキサーにて10,000rpmで30分間撹拌し生成した凝固物を150メッシュの金網で濾別し、20〜25℃の水で洗浄後130℃で5時間乾燥した。この乾燥物質量を採取エマルション中の固形物質量に対する百分率(%)で表わした。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
実施例5
撹拌機および温度計を備え付けた耐圧反応装置にウッドロジン100部を仕込み、140℃に加熱溶融して、製造例1の乳化分散剤(X−1)5部を添加し、混合した。加圧注入機を用い、撹拌下90〜95℃の熱水35部を1時間にわたって徐々に滴下した後、同様の条件で90℃の熱水80部を滴下した。引き続き撹拌下徐々に30℃まで冷却を行い、48.8%のウッドロジンエマルションを得た、生成エマルションの起泡性および貯蔵安定性の試験結果を表3に示す。
【0063】
実施例6、7および比較例4〜6;
乳化分散剤の種類を以下のように代えた以外は実施例5と同様にして、ウッドロジンエマルションを得た、生成エマルションの起泡性および貯蔵安定性の試験結果を表3に示す。
実施例6;乳化分散剤(X−2)
実施例7;乳化分散剤(X−3)
比較例4;乳化分散剤(Y−1)
比較例5;乳化分散剤(Y−2)
比較例6;乳化分散剤(Y−3)
実施例6、7および比較例4〜6;
【0064】
実施例5〜7および比較例4〜6で用いた試験方法は次の通りである。
(1)起泡性
濃度20%に水で希釈したロジンエマルション30mlを100mlの共栓付シリンダーにとり、10回強振し、直後および5分後の泡量(ml)を測定した。(測定温度:30℃)
(2)貯蔵安定性
得られたロジンエマルションを100mlの密閉ガラス容器に70ml入れ、50℃で静置し、沈殿、分離等の外観変化が発生するまでの時間を測定した。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
本発明の乳化分散剤は、乳化分散能に優れ、かつ低起泡性である。従って、エチレン性不飽和単量体の乳化重合用乳化分散剤として使用すると、得られる樹脂エマルションの重合安定性、重合転化率、化学および機械安定性が良好で、かつ泡立ちの少ないエマルションを製造することができる。また、ロジンおよびロジン誘導体用の乳化分散剤として使用すると、低起泡性で、かつ貯蔵安定性に優れたエマルションを製造することができる。本発明の乳化分散剤は優れた乳化分散能と低起泡性を有するので、さらに繊維工業用乳化分散剤、医薬および化粧品用乳化分散剤、農薬工業用乳化分散剤、建設工業用乳化分散剤、流出油処理剤用乳化分散剤および塗料用の顔料分散剤などに使用すると優れた効果を発揮する。
Claims (11)
- 下記(i)および(ii)を満たす脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A)の硫酸エステル塩(B)を含有することを特徴とする、樹脂工業用,繊維工業用,医薬用,化粧品(洗浄剤を除く)用,農薬用,建設工業用,流出油処理用もしくは塗料用の、乳化分散剤。
(i)脂肪族系アルコール(a)のアルキレンオキサイド(b)付加物であって、下記一般式(1)で表される化合物の1種または2種以上の混合物からなる。
R1−(OA)k−OH (1)
[式中、R1は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Aは炭素数2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1〜50となる0または1以上の整数]
(ii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが下記関係式(2)または(3)を満たす。
Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(2)
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139 (但し、v≧10)(3)
[但し、vは脂肪族系アルコール(a)1モル当たりに付加したアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、上記一般式(1)でのkの平均に相当する。] - さらに(A)は、vが12以下の場合に下記Cを満たす請求項1記載の乳化分散剤。
(iii)下記式(4)から求められる分布定数cが2.0以下である。(本項はvが12以下の場合のみ適用する。)
c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (4)
[但し、vは上記に同じ、n00は反応に用いた(a)のモル数、n0は未反応の(a)のモル数を表す。] - (A)が、下記一般式(1’)で表される化合物である請求項1または2記載の乳化分散剤。
R1−[(OC2H4)m/(OD)n]−(OC2H4)p−OH (1’)
[式中、R1は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Dは炭素数3または4のアルキレン基;mは平均が0〜5となる0または1以上の整数、nは平均が0〜5となる0または1以上の整数、pは平均が1〜40となる0または1以上の整数であり、(m+n+p)は平均が1〜50となる整数であり、(m+p)/(m+n+p)は平均0.5以上である。{(OC2H4)m/(D)n}は、m≠0,n≠0のときブロック付加またはランダム付加を表す。] - (A)が、分布定数cが2.0以下の付加物を与える触媒(d)の存在下、脂肪族系アルコール(a)に炭素数2以上のアルキレンオキサイド(b1)を平均1〜2.5モル付加させてなる脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物(A1)、または(A1)に、アルカリ触媒(e)の存在下、炭素数2以上のアルキレンオキサイド(b2)を付加反応させてなる脂肪族系アルコールアルキレンオキサイド付加物(A2)である請求項1〜3のいずれか記載の乳化分散剤。
- 硫酸エステル塩(B)が、下記一般式(5)で表される塩の少なくとも1種からなる請求項1〜4のいずれか記載の乳化分散剤。
R1−(OA)k−OSO3M (5)
[式中、R1は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;Aは炭素数2以上の1種以上のアルキレン基;kは平均が1〜50となる0または1以上の整数;Mはアルカリ金属、アンモニウム、並びにアルキル、アラルキルおよびヒドロキシアルキル置換アンモニウムからなる群から選ばれるカチオンを表す。] - さらに、他のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する請求項1〜5のいずれか記載の乳化分散剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の乳化分散剤を使用してなる乳化分散物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の乳化分散剤の存在下でエチレン性不飽和単量体を乳化重合する方法。
- 請求項8記載の方法により得られる樹脂エマルション組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の乳化分散剤を含有してなる、ロジンおよび/またはロジン誘導体エマルション組成物。
- 請求項10記載のロジンおよび/またはロジン誘導体エマルション組成物を含有してなるサイズ剤。
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