JP3645126B2 - ステアリング装置のチルト機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のステアリング装置に用いられるチルト機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステアリングホイールの上下方向の位置を調整するチルト機構として、図4及び図5に示すように、車体に固定される固定ブラケット101と、コラムチューブ102を固定する上下動可能な可動ブラケット103とを、それぞれの側面において部分的に重ね合わせた状態で組み合わせるとともに、両ブラケット101,103の重ね合わせた部分にボルト104を挿通し、このボルト104の先端にねじ込んだ締付部材105とボルト104の頭部104aとの間で、両ブラケット101,103を締め付けることにより、可動ブラケット103を固定ブラケット101に固定するものが提供されている。
この種のチルト機構においては、前記締付部材105に、両ブラケット101,103を締付けたり緩めたりするためのチルトレバー106が溶接等にて取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記ステアリング装置のチルト機構によれば、チルトレバー106を回動操作するだけで、両ブラケット101,103を締付けたり緩めたりすることができるので、ステアリングホイール107の上下方向の位置を容易に調整することができる。しかし、車両事故により運転者がステアリングホイール107に衝突した場合に、チルトレバー106によって膝が損傷するのを防止するために、その形状や配置等に特別な配慮が必要であり、設計上の制約が多く、コストが高くつという問題があった。ところが、実際にチルトレバー106を操作する機会は非常に少なく、車両の購入時にステアリングホイール107の位置を1度セットすると、その後は操作する機会がほとんどないのが実状である。
この発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、設計上の制約を少なくすることができ、コストを安くすることができるステアリング装置のチルト機構を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためのこの発明のステアリング装置のチルト機構は、車体に固定するブラケットと、コラムチューブを固定する上下動可能な可動ブラケットとを、部分的に重ね合わせて組み合わせ、両ブラケットの重ね合わせた部分を挿通するボルトと、このボルトの先端にねじ込んだ締付部材とにより両ブラケットを挟み込み、チルトレバーにより前記締付部材を回動させて両ブラケットを締め付けることにより、可動ブラケットを固定ブラケットに固定するステアリング装置のチルト機構において、前記チルトレバーは、一端に打撃部を備え、前記締付部材に対して着脱自在である緊急脱出用のハンマーからなり、前記打撃部の背後には前記締付部材に嵌合させる孔が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0005】
このように構成されたチルト機構によれば、ステアリングホイールの位置調整が必要な時にチルトレバーを締付部材に取り付け、当該位置調整が不要な時には、チルトレバーを締付部材から取り外しておくことができる。このため、車両の事故時の安全確保のために、チルトレバーの形状や配置等に特別の配慮を施す必要がない。また、前記チルトレバーは、緊急脱出用のハンマーを兼ねるので、これを身近に保管することができ、使用上至便となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明のステアリング装置のチルト機構Aを示す断面図であり、図2はその側面図である。このチルト機構Aは、車体に固定する固定ブラケット1と、この固定ブラケット1に上下動可能に組み合わせた可動ブラケット2と、両ブラケット1,2を挿通するボルト3と、このボルト3の先端にねじ込んだ締付部材4と、この締付部材4を回動操作するチルトレバー5とを備えている。
【0009】
前記固定ブラケット1は、水平方向に延びるフランジ部11と、このフランジ11の一端から鉛直下方に延びる側板12とを有する一対の板金部材10を、左右対称に配置したものであり、各板金部材10のフランジ部11が車体にボルト止めされ、この状態で各板金部材10の側板12間に、可動ブラケット2を導入可能な空間が形成されている。
各側板部12には、補強用のリブ12aが膨出形成されているとともに、ボルト3を挿通させるための長穴12bが形成されている。この長穴12bは、上下方向に延びている。
【0010】
可動ブラケット2は、天板21と、その両端から鉛直下方に延びる一対の側板22とを有する双脚状の板金部材からなり、各側板22の一部を固定ブラケット1の側板12に重ね合わせた状態で、当該固定ブラケット1に組み合わせてある。前記一対の側板22には、内径がボルト3の外径よりもやや大きい貫通孔22aが形成されており、この貫通孔22に前記ボルト3が挿通されている。
可動ブラケット2の内部には、ステアリング装置7のコラムチューブ71を挿通してあり、このコラムチューブ71は、ボルト3の外周に嵌合したチューブ状の受け座23と、一対の側板22間に不動状に架け渡したブリッジ24との間で挟み込まれて、可動ブラケット2に固定されている。前記ブリッジ24は可動ブラケット2の上下動に追随できるように、固定ブラケット1に対して上下方向に移動可能である。なお、前記コラムチューブ71の内部には、ステアリングシャフト72が挿通されており、このステアリングシャフト72の上端には、ステアリングホイール73が取り付けられている。
【0011】
ボルト3は、軸線を水平方向に向けた状態で、固定ブラケット1の側板12、可動ブラケット2の側板22、及び締付部材4を挿通しており、その頭部31が固定ブラケット1の側板12に溶接されて回転が規制されている。
【0012】
締付部材4は、六角ナットからなるものであり、ワッシャ41を介して固定ブラケット1の側板12の外面に沿わせてある。したがって、固定ブラケット1及び可動ブラケット2は、ボルト3の頭部31と締付部材4との間で挟み込まれている。この締付部材4は、図2において反時計回り方向に回動させることにより、ボルト3との間で固定ブラケット1及び可動ブラケット2を締め付けることができ、時計回り方向に回動させることにより、前記締め付け状態を解除することができる。
【0013】
チルトレバー5は、一端に前記締付部材4に嵌合させる六角孔51が形成され、他端側にグリップ52が形成されているものであり、前記六角孔51は、締付部材4に対して着脱自在である。
【0014】
以上の構成であれば、ステアリングホイール73の上下方向の位置を調整する際に、チルトレバー5の六角孔51を締付部材4に嵌合し、チルトレバー5を操作して締付部材4を時計回り方向に回動させることにより、固定ブラケット1及び可動ブラケット2の締め付け状態を解除することができる。したがって、この状態でステアリングホイール73を上下方向に移動すると、コラムチューブ71を可動ブラケット2とともに上下方向に移動することができ、ステアリングホイール73を適正位置に移動調整した時点で、チルトレバー5を操作して締付部材4を反時計回り方向に回動させることにより、ボルト3及び締付部材4により、固定ブラケット1及び可動ブラケット2を締め付けて、可動ブラケット2を固定ブラケット1に固定することができる。このようにしてステアリングホイール73の位置調整を完了すると、チルトレバー5を締付部材4から取り外して、これを保管することができる。
【0015】
このように、前記チルト機構Aは、ステアリングホイール73の位置調整が必要な時のみにチルトレバー5を締付部材4に取り付け、当該位置調整が不要な時には、チルトレバー5を締付部材4から取り外しておくことができるので、車両の事故時の安全を確保するためにチルトレバー5の形状や配置等に特別な配慮を施す必要がなく、その設計上の制約が緩和される。このため、チルトレバー5の製造コストを安くすることができる。
【0016】
前記締付部材4の外形寸法は、規格品の六角ナットの外形寸法に合致させておくのが好ましく、この場合には、設計の標準化を図ることができる。
本発明におけるチルトレバー5は、図3に示すように、締付部材4に嵌合させる六角孔51が、緊急脱出用のハンマーの打撃部53の背後に形成されており、チルトレバー5と緊急脱出用のハンマーとを兼ねることができる。このため、チルトレバー5を身近に保管することができ、使用上至便となる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載のステアリング装置のチルト機構によれば、ステアリングホイールの位置調整が必要な時にチルトレバーを締付部材に取り付け、当該位置調整が不要な時には、チルトレバーを締付部材から取り外しておくことができるので、車両の事故時の安全確保のためにチルトレバーの形状や配置等に特別の配慮を施す必要がなく、設計上の制約が緩和され、コストを安くすることができる。また、前記チルトレバーは、緊急脱出用のハンマーを兼ねるので、これを身近に保管することができ、使用上至便となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のステアリング装置のチルト機構を示す断面図である。
【図2】 同じく側面図である。
【図3】 この発明におけるチルトレバーの一例を示す斜視図である。
【図4】 従来例を示す断面図である。
【図5】 従来例を示す側面図である。
Claims (1)
- 車体に固定するブラケットと、コラムチューブを固定する上下動可能な可動ブラケットとを、部分的に重ね合わせて組み合わせ、両ブラケットの重ね合わせた部分を挿通するボルトと、このボルトの先端にねじ込んだ締付部材とにより両ブラケットを挟み込み、チルトレバーにより前記締付部材を回動させて両ブラケットを締め付けることにより、可動ブラケットを固定ブラケットに固定するステアリング装置のチルト機構において、
前記チルトレバーは、一端に打撃部を備え、前記締付部材に対して着脱自在である緊急脱出用のハンマーからなり、前記打撃部の背後には前記締付部材に嵌合させる孔が形成されていることを特徴とするステアリング装置のチルト機構。
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