JP3644639B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙に印字し、印字後の用紙を切断するプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レシート用紙等の長尺紙を用いるレシートプリンタ、ファクシミリ装置等では、印字後の用紙を適当な長さに切断するためのカッタ装置を印字部から見て用紙搬送方向下流側に備えたものが多い。このようなカッタ装置の一例としては、図9に示すように、用紙全幅に渡る長さを有する板状の可動刃101を固定刃102に対して回動させて鋏のように噛み合せることにより、互いの刃部101a,102aの間に位置する切断対象物(例えば、レシート用紙等)を切断するようにしたロータリカッタ装置103がある。このロータリカッタ装置103は、簡単な構造でありながら切断対象物の確実な切断を実現している。
【0003】
このようなロータリカッタ装置103の可動刃101は、基部101bの一つのエッジに刃部101aを有し、基部101bの両端にそれぞれ支持軸101cを有しており、金属製の単一の被切削部材を切削加工することにより形成されている。そして、可動刃101は、支持軸101cがフレーム104に回動自在に保持され、図示しない駆動部に連結されて、この駆動部による駆動力を受けて回動することができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなロータリカッタ装置103では、可動刃101が寿命に達した場合に、それを新品に交換するために寿命に達した可動刃101をロータリカッタ装置103から取り外すのには、フレーム104や駆動部を分解しなければならず、手間がかかってしまう。
【0005】
また、このようなロータリカッタ装置103では、回動する可動刃101の基部101bの一面に沿って用紙が搬送されるので、用紙の位置が不安定となるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、可動刃を簡単に交換できるようにし、また、搬送される用紙の位置を安定させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、用紙を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙に印字する印字部と、前記印字部よりも用紙搬送方向下流側に配置され刃部を有する固定刃と、刃部を有する可動刃と、前記可動刃を着脱自在に保持する可動刃保持部と、前記固定刃の刃部と前記可動刃の刃部とが平行位置からは僅かに角度を有して位置してそれらの刃部が噛み合い、かつ、その噛み合い位置の移動が可能なように前記可動刃保持部を回動自在に保持する保持部と、前記保持部に保持されている前記可動刃保持部を回動駆動する駆動部と、前記可動刃保持部に形成され、前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙の用紙搬送方向に対する両端部の位置決めを行う一対の用紙ガイド面と、を備える。
【0008】
したがって、平行位置からは僅かに角度を有して位置決めされている固定刃の刃部と可動刃の刃部との間に搬送された印字後の用紙が可動刃の回動に伴う可動刃と固定刃との互いの刃部の噛み合い位置の移動によって切断される。そして、可動刃を可動刃保持部に対して着脱することが可能である。また、用紙は、可動刃保持部に形成された一対の用紙ガイド面によりその両端部を位置決めされながら搬送される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施の形態は、カッタ装置としてロータリカッタ装置を備えPOS端末やECRに内蔵されるプリンタであるレシートプリンタへの適用例である。
【0010】
図1は本実施の形態のレシートプリンタを概略的に示す縦断側面図である。図1に示すように、レシートプリンタ1は、本体フレーム2、用紙収納部3、用紙ガイド4、印字部5及びロータリカッタ装置6などから構成されている。レシートプリンタ1には、用紙収納部3を始点として印字部5を経由しロータリカッタ装置6へ至る用紙搬送経路7が形成されている。用紙収納部3は、円弧状に形成された底部を有し、切断対象物であるロール状に巻回された長尺状の用紙8を収納保持する。用紙ガイド4は、用紙収納部3の前端から印字部5に到る間に形成され、用紙8の一面である表面を支持する。
【0011】
印字部5は、プラテン9とこのプラテン9に対向する印字ヘッドであるサーマルヘッド10などから構成されている。プラテン9は、図示しないギヤ列を介して図示しないモータにより回転駆動される。サーマルヘッド10は、平板形状のヘッド保持部材11に取り付けられている。このヘッド保持部材11は、支点12を中心としてプラテン9に近接離反する方向に回動自在に設けられており、後述するフック部材43との間に設けられ圧縮バネとして機能するコイルバネ13によってプラテン9に向けて付勢されている。これによりサーマルヘッド10がプラテン9に当接する。そして、印字部5では、プラテン9とサーマルヘッド10との間に介在された用紙8にサーマルヘッド10によって印字がなされる。また、プラテン9がモータにより回転駆動されることにより用紙8が用紙搬送経路7に沿って搬送される。ここで、印字部5は用紙8を搬送する用紙搬送部としても機能する。
【0012】
印字部5の用紙搬送方向下流側に設けられたロータリカッタ装置6は、共に略平板形状に形成された固定刃14と可動刃15とを組み合わせて構成されている。
【0013】
ここで、図2はロータリカッタ装置6の構成を概略的に正面から示す斜視図、図3はロータリカッタ装置6の可動刃保持部材とこの可動刃保持部材から取り外された可動刃15とを概略的に背面から示す斜視図、図4はロータリカッタ装置6において可動刃15が取り付けられた状態の可動刃保持部材を概略的に示す平面図、図5はロータリカッタ装置6の駆動力伝達機構の構成を概略的に示す側面図である。
【0014】
図2に示すように、固定刃14は、略平板形状の基部14aの一つのエッジを刃部14bとしている。このような固定刃14には、刃部14bとは反対側に位置する短手方向端部に支軸14cが設けられており、後述する上ユニットフレーム31に回動自在に取り付けられる。なお、固定刃14と上ユニットフレーム31との間には、バネ16(図1参照)が備えられており、固定刃14はバネ16によって可動刃15の方向に付勢されている。また、固定刃14には、可動刃15の刃部15aを固定刃14の刃部14bとの噛み合せ位置に案内するための案内部14dが形成されている。より詳細には、この案内部14dは、固定刃14の刃部14bから外れた位置に当該刃部14bから連続し突出している。このような固定刃14は、図1に示すように、固定刃14と可動刃15とを噛み合せた状態においては、略水平位置に位置付けられている。
【0015】
一方、可動刃15には、略平板形状の基部15bに用紙搬送経路7を形成する一面15cが形成され、可動刃15は、その一面15cの端部側のエッジを刃部15aとしている。可動刃15の一面15cは、用紙搬送経路7を搬送される用紙8の表面を支持する。このような可動刃15は、図3及び図4に示すように、可動刃保持部である可動刃保持部材17に着脱自在とされている。
【0016】
可動刃保持部材17は、弾性を有し棒状に形成され、その軸心方向をプラテン9の軸心方向と平行とされている。この可動刃保持部材17は、アルミダイキャストにより成形される。可動刃保持部材17の両端部には、後述する下ユニットフレーム29に回動自在に支持される支軸18,19がそれぞれ形成されている。可動刃保持部材17には、両支軸18,19の間の断面を略半円形状とすることで可動刃15を支持するための平面20が形成されており、この平面20の両端部であって両支軸18,19の内側には、可動刃15の両端部が摺動自在に嵌合可能な溝21がそれぞれ形成されている。なお、これらの溝21の底部には、溝21に挿入された可動刃15の下端を支持して位置決めする位置決め部22が形成されている。
【0017】
また、図4に示すように、可動刃保持部材17の溝21は、挿入された可動刃15が可動刃保持部材17の軸心方向から僅かに角度を有するように形成されている。詳しくは、その角度は、可動刃15の刃部15aが固定刃14の刃部14bに対してねじれの位置になるような角度とされている。したがって、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとは平行位置からは僅かに角度を有して位置決めされることになるので、図2に示すように、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとの間にはV字形状の切断対象物経路Aが形成される。この切断対象物経路Aは、用紙搬送経路7の一部である。このような可動刃15は、図1に示すように、固定刃14と可動刃15とを噛み合せた状態においては、略鉛直位置に位置付けられている。
【0018】
ここで、可動刃15の基部15bには、係合部である2つの孔15dが形成されており、可動刃保持部材17の平面20にはそれらの孔15dに嵌合する2つの半円状の突部20aが形成されている。そして、可動刃15を溝21へ嵌合させるために可動刃15の刃部15aと反対側の下端側を溝21に挿入するように可動刃15を移動させることによって、弾性を有する可動刃保持部材17がたわむことで突部20aが孔15dに嵌合する。溝21に嵌合した可動刃15は、弾性を有する溝21によって挟み込まれた状態となる。これらの嵌合により、可動刃15の移動が規制され、可動刃15が溝21に固定される。可動刃15を可動刃保持部材17の溝21から取り外す際には、可動刃15を溝21から引き抜くことにより、可動刃保持部材17がたわむことで突部20aと孔15dとの嵌合が解除され、可動刃15が取り外される。ここに、孔15dと突部20aとにより固定部23が構成されている。
【0019】
このように可動刃15を着脱自在に保持する可動刃保持部材17の両支軸18,19の内側には、平面20を挟んで相対向する一対の用紙ガイド面18a,19aがそれぞれ形成されている。これらの用紙ガイド面18a,19aの間隔は、用紙8の用紙搬送方向に直交する幅と略同じとされ、可動刃保持部材17に取り付けられた可動刃15の一面15cによって形成される用紙搬送経路7を搬送される用紙8の用紙搬送方向に対する両端部の位置決めを行なう。
【0020】
このような可動刃15の支軸19は、モータ(図示せず)の駆動力を伝達する駆動力伝達機構24(図5参照)に連設されている。ここで、これらのモータと駆動力伝達機構24とにより駆動部25が構成されている。
【0021】
駆動部25の駆動力伝達機構24について図5を参照しつつ簡単に説明する。駆動力伝達機構24は、可動刃15の支軸19に連結されてこの支軸19を支点として揺動自在に軸支されるカッタアーム26と、下ユニットフレーム29に取り付けられておりモータに連結されるギヤ列27と、下ユニットフレーム29に回動自在に取り付けられておりギヤ列27に連結されてカッタアーム26とともにカム機構を構成する駆動クランク28とで構成されている。カッタアーム26には、初期位置では上下方向に長い長孔26aが形成されており、このカッタアーム26の長孔26aには、駆動クランク28の偏心ピン28aが係合している。つまり、駆動クランク28の偏心ピン28aは、ギヤ列27から伝達されるモータからの駆動力による駆動クランク28の回転に伴い、カッタアーム26の長孔26aの内部を移動することになる。そして、このように駆動クランク28の偏心ピン28aがカッタアーム26の長孔26aの内部を移動することにより、カッタアーム26が可動刃15の支軸19を支点として揺動することになる。
【0022】
このようにしてカッタアーム26が揺動されることにより、可動刃15は支軸19を中心に回動する。そして、可動刃15は、その回動に伴って固定刃14の案内部14dを押圧することになる。この際、固定刃14は、固定刃14と上ユニットフレーム31とを連結するバネ16の復帰力により、その回動方向とは逆方向に反力を持つことになる。すなわち、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとは平行位置からは僅かに角度を有して位置決めされていることから、可動刃15の回動と固定刃14の反力とによりV字形状の切断対象物経路Aが徐々に移動して小さくなることにより、それぞれの刃部14b,15aが鋏のように噛み合うことになる。つまり、ロータリカッタ装置6は、用紙搬送経路7を搬送される切断対象物である用紙8を、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとを噛み合せることにより切断する。
【0023】
図6は上ユニットと下ユニットとを分離させた状態のレシートプリンタ1を概略的に示す縦断側面図、図7は上ユニットと下ユニットとを連結させた状態のレシートプリンタ1を概略的に示す斜視図である。
【0024】
図1、図5、図6及び図7に示すように、上述した、用紙ガイド4、サーマルヘッド10、可動刃15及び駆動力伝達機構24などは、保持部である下ユニットフレーム29に設けられており、これらによって下ユニット30が構成されている。一方、プラテン9及び固定刃14は、下ユニットフレーム29とは独立して設けられたコの字形状の上ユニットフレーム31に設けられており、これらによって上ユニット32が構成されている。用紙収納部3は、本体フレーム2に設けられている。なお、可動刃15を駆動するモータ及びプラテン9を駆動するモータは下ユニットフレーム29に取り付けられている。
【0025】
下ユニット30は、本体フレーム2に対してネジ33によりネジ止めされており、これにより本体フレーム2に対して着脱自在とされている。上ユニット32は、連結機構34により下ユニット30に対して着脱自在とされている。
【0026】
連結機構34は、上ユニット32の上ユニットフレーム31に取り付けられた連結軸35及びプラテン9と、下ユニット30の下ユニットフレーム29に形成され連結軸35が嵌合可能な溝36と、下ユニット30の下ユニットフレーム29に形成されプラテン9の両支持軸9aが嵌合可能な溝37とから構成されている。
【0027】
連結軸35は、その軸心方向が用紙幅方向となるプラテン9の軸心方向と平行とされプラテン9よりも用紙搬送方向上流側に設けられている。溝36は、下ユニットフレーム29の両側壁38a,38bに上下方向に形成され上部が開口されている。溝37は、下ユニットフレーム29の両側壁38a,38bの内側に立設された一対の内壁39a,39bに上下方向に形成され上部が開口されている。そして、連結軸35及びプラテン9の両支持軸9aが溝36,37に嵌合することにより上ユニット32が下ユニット30に対して位置決めされて、上ユニット32と下ユニット30とが連結される。この状態では、上ユニット32の下ユニット30に対する回動を規制するように上ユニット32が下ユニット30に固定される。そして、この連結状態では、プラテン9とサーマルヘッド10とが対向し、また、可動刃15と固定刃14とが用紙8を切断可能な位置に位置付けられる。
【0028】
下ユニットフレーム29に形成された一対の内壁39a,39bの間隔は、上ユニットフレーム31の両側壁40a,40bの間隔よりも狭く設定されており、上ユニット32を下ユニット30に連結する際に上ユニットフレーム31の両側壁40a,40bの間に下ユニットフレーム29の一対の内壁39a,39bを挿入することにより、上ユニット32の下ユニット30に対する左右方向の位置がガイドされる。
【0029】
また、図8に示すように、下ユニット30には、溝37に嵌合したプラテン9の両支持軸9aにそれぞれ係脱自在である2つのフック部41が形成されたフック部材43が設けられている。このフック部材43は、フック部41とこのフック部41に一体に形成された平板状の平板部44とから構成されている。フック部材43は、支点12を中心としてフック部41がプラテン9の両支持軸9aに係脱する方向に回動自在とされている。このフック部材43は、ヘッド保持部材11との間に設けられたコイルバネ13によってプラテン9の両支持軸9aを係合する方向(図8中の矢印aの方向)に付勢されている。
【0030】
フック部41には、上ユニット32が下ユニット30に取り付けられる際にプラテン9の両支持軸9aに当接しつつその干渉をフック部材43の回動作用で逃すための傾斜部42aと、上ユニット32が下ユニット30から取り外される際にプラテン9の両支持軸9aに当接しつつその干渉をフック部材43の回動作用で逃すための傾斜部42bとが形成されている。そして、上ユニット32が下ユニット30に連結される際には、プラテン9の両支持軸9aに対するフック部材43の干渉がコイルバネ13の付勢力に抗してのフック部材43の回動動作によって逃がされながら、最終的にはプラテン9の両支持軸9aにフック部41が係合し、上ユニット32の下ユニット30に対する上方向への移動がロックされる。また、上ユニット32が下ユニット30から取り外される際には、プラテン9の両支持軸9aに対するフック部材43の干渉がコイルバネ13の付勢力に抗してのフック部材43の回動動作によって逃がされながら、最終的にはプラテン9の両支持軸9aとフック部41との係合が解除され、上ユニット32を下ユニット30から取り外すことが可能となる。
【0031】
ここで、上ユニット32が下ユニット30に連結されていない状態では、コイルバネ13に付勢されているフック部材43とヘッド保持部材11とは、下ユニットフレーム29に形成された位置決め面45,46にそれぞれ当接して位置決めされている。
【0032】
このような構成において、レシートプリンタ1に用紙8をセットするには、上ユニット32を取り外す。具体的には、上ユニット32を上方へ向けて移動させることにより、フック部材43によるプラテン9のロックを解除して、連結機構34の連結を解除し上ユニット32を下ユニット30から取り外す。このとき、フック部材43を解除方向(図8中に矢印bで示す方向)に回動させることによりフック部材43によるプラテン9のロックを解除することもできる。この状態で、用紙8を用紙収納部3に収納して、用紙8を可動刃15よりも用紙搬送方向下流側に引き出し、上ユニット32の連結軸35及びプラテン9が溝36,37にそれぞれ嵌合するように上ユニット32を下ユニット30に向けて移動させて上ユニット32と下ユニット30とを連結させる。このとき、フック部材43によりプラテン9のロックが行なわれる。そして、このように上ユニット32と下ユニット30とが連結されることにより、用紙8が、連結軸35と用紙ガイド4との間、サーマルヘッド10とプラテン9との間及び固定刃14と可動刃15との間に通された状態となる。このように、本実施の形態では、上ユニット32が下ユニット30に対して着脱自在に設けられているので、レシートプリンタ1への用紙8のセットを簡単に行なうことができる。
【0033】
印字の際には、用紙収納部3に収納保持された用紙8はプラテン9による搬送駆動を受けて用紙搬送経路7中を印字部5及びロータリカッタ装置6に向けて搬送されながら、サーマルヘッド10により所定のレシート印字内容が順次印字される。印字が終了すると、用紙8の後端側がカット装置における可動刃15の駆動により切断され、切断された用紙8はレシートとして発行される。
【0034】
ここで、用紙8は可動刃15の一面15cに沿って搬送されるが、このとき、用紙8は、可動刃保持部材17に形成された一対の用紙ガイド面18a,19aによりその両端部を位置決めされながら搬送されるので、搬送される用紙8の位置を安定させることができる。
【0035】
ここで、可動刃15が寿命に達した場合には、寿命に達した可動刃15を可動刃保持部材17から取り外し、新品の可動刃15を可動刃保持部材17に取り付けることにより可動刃15の交換ができる。このように、本実施の形態では、可動刃15が可動刃保持部材17に対して着脱自在であるので、可動刃を交換するのに、従来のロータリカッタ装置のように可動刃を保持している部位や可動刃に駆動力を付与する部位を分解する必要がなくなり、可動刃15を簡単に交換することができる。可動刃15の交換の際には、可動刃15の刃部15a側を手でつかむことになるが、この刃部15aに手が触れたとしても手が傷つくことはないので安全である。
【0036】
また、切断動作によって、可動刃15が固定刃14から受ける力が可動刃15を可動刃保持部材17の溝21にさらに嵌合させる方向の力であるので、切断動作中に可動刃15が溝21から外れることが防止される。
【0037】
また、本実施の形態においては、用紙8を搬送する用紙搬送部(印字部5)と、用紙搬送部によって搬送される用紙8に印字する印字部5と、印字部5よりも用紙搬送方向下流側に配置され刃部14bを有する固定刃14と、刃部15aを有する可動刃15と、可動刃15の一面15cが露出するように可動刃15を着脱自在に保持する可動刃保持部である可動刃保持部材17と、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとが平行位置からは僅かに角度を有して位置してそれらの刃部14b,15aが噛み合い、かつ、その噛み合い位置の移動が可能なように可動刃保持部材17を回動自在に保持する保持部である下ユニットフレーム29と、下ユニットフレーム29に保持されている可動刃保持部材17を回動駆動する駆動部25と、を備え、可動刃15の一面15cは、用紙搬送部によって搬送される用紙8の一面である表面を支持することにより、固定刃14の刃部14bと可動刃15の刃部15aとの間に用紙8を確実に搬送することができ、用紙8を確実に切断することができる。また、切断される用紙8の位置を安定させることができ、用紙8を確実に切断することができる。
【0038】
また、本実施の形態においては、可動刃保持部である可動刃保持部材17は、可動刃15が可動刃保持部材17の軸心に対する平行位置からは角度を有して嵌合する溝21を有することにより、この溝21により、可動刃15の刃部15aと固定刃14の刃部14bとを平行位置からは僅かに角度を有して位置決めすることによって、可動刃15と固定刃14とを平行位置からは僅かに角度を有して位置決めするために可動刃保持部材17の軸心を用紙幅方向(プラテン9の軸心方向)に対して斜めになるようにする必要がなく、可動刃保持部材17の軸心を用紙8の幅方向に平行にすることができ、可動刃保持部材17や可動刃保持部材17の取り付け部を製造するのが容易である。
【0039】
また、本実施の形態においては、可動刃保持部である可動刃保持部材17は、弾性を有し、可動刃保持部材17と可動刃15とのいずれか一方に設けられた突部20aと可動刃保持部材17と可動刃15とのいずれか他方に設けられた係合部である孔15dとを有し、可動刃15の溝21への嵌合のための移動に伴い可動刃保持部材17をたわませることにより突部20aと孔15dとが係合し溝21に嵌合した可動刃15を溝21に固定する固定部23を備えることにより、可動刃保持部材17の溝21に嵌合した可動刃15が溝21から抜けるのを防止することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、可動刃を可動刃保持部に対して着脱することができるので、可動刃を交換するのに、従来のロータリカッタ装置のように可動刃を保持している部位や可動刃に駆動力を付与する部位を分解する必要がなくなり、可動刃を簡単に交換することができる。また、用紙が可動刃保持部に形成された一対の用紙ガイド面によりその両端部を位置決めされながら搬送されるので、搬送される用紙の位置を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のレシートプリンタを概略的に示す縦断側面図である。
【図2】ロータリカッタ装置の構成を概略的に正面から示す斜視図である。
【図3】ロータリカッタ装置の可動刃保持部材とこの可動刃保持部材から取り外された可動刃とを概略的に背面から示す斜視図である。
【図4】ロータリカッタ装置において可動刃が取り付けられた状態の可動刃保持部材を概略的に示す平面図である。
【図5】ロータリカッタ装置の駆動力伝達機構の構成を概略的に示す側面図である。
【図6】上ユニットと下ユニットとを分離させた状態のレシートプリンタを概略的に示す縦断側面図である。
【図7】上ユニットと下ユニットとを連結させた状態のレシートプリンタを概略的に示す斜視図である。
【図8】サーマルヘッド及びフック部材の取り付け構造を示す縦断側面図である。
【図9】従来のロータリカッタ装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…レシートプリンタ(プリンタ)、5…印字部、8…用紙、14…固定刃、14b…刃部、15…可動刃、15a…刃部、15c…一面、15d…孔(係合部)、17…可動刃保持部材(可動刃保持部)、18a…用紙ガイド面、19a…用紙ガイド面、20a…突部、21…溝、23…固定部、25…駆動部、29…下ユニットフレーム(保持部)
Claims (4)
- 用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙に印字する印字部と、
前記印字部よりも用紙搬送方向下流側に配置され刃部を有する固定刃と、
刃部を有する可動刃と、
前記可動刃を着脱自在に保持する可動刃保持部と、
前記固定刃の刃部と前記可動刃の刃部とが平行位置からは僅かに角度を有して位置してそれらの刃部が噛み合い、かつ、その噛み合い位置の移動が可能なように前記可動刃保持部を回動自在に保持する保持部と、
前記保持部に保持されている前記可動刃保持部を回動駆動する駆動部と、
前記可動刃保持部に形成され、前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙の用紙搬送方向に対する両端部の位置決めを行う一対の用紙ガイド面と、
を備えるプリンタ。 - 用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙に印字する印字部と、
前記印字部よりも用紙搬送方向下流側に配置され刃部を有する固定刃と、
刃部を有する可動刃と、
前記可動刃の一面が露出するように前記可動刃を着脱自在に保持する可動刃保持部と、
前記固定刃の刃部と前記可動刃の刃部とが平行位置からは僅かに角度を有して位置してそれらの刃部が噛み合い、かつ、その噛み合い位置の移動が可能なように前記可動刃保持部を回動自在に保持する保持部と、
前記保持部に保持されている前記可動刃保持部を回動駆動する駆動部と、
を備え、
前記可動刃の前記一面は、前記用紙搬送部によって搬送される前記用紙の一面を支持するプリンタ。 - 前記可動刃保持部は、前記可動刃が前記可動刃保持部の軸心に対する平行位置からは角度を有して嵌合する溝を有することを特徴とする請求項1又は2記載のプリンタ。
- 前記可動刃保持部は、弾性を有し、
前記可動刃保持部と前記可動刃とのいずれか一方に設けられた突部と前記可動刃保持部と前記可動刃とのいずれか他方に設けられた係合部とを有し、前記可動刃の前記溝への嵌合のための移動に伴い前記可動刃保持部をたわませることにより前記突部と前記係合部とが係合し前記溝に嵌合した前記可動刃を前記溝に固定する固定部を備えることを特徴とする請求項2又は3記載のプリンタ。
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