JP3644618B2 - 洗米装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗米装置に係り、特に清酒製造における原料米の洗米装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、吟醸酒などの需要が増加している。
ところで吟醸酒などの原料となる低精米歩合米は、吸水時間に比例して吸水率が急激に増加する性質を有している。このため吸水時間にバラツキがあると、吸水率にもバラツキが生じ、過剰吸水の米粒や吸水不足の米粒が発生する。過剰吸水の米粒は蒸した後にベタツキやすく、いわゆる「サバケ」が悪くなる原因になる。また吸水不足の米粒は蒸した後もいわゆる「生蒸し」となり、発酵に寄与せず歩留まりを低下させる。このため酒造米の水分調節、すなわち吸水時間の管理は清酒の製造工程において重要な操作の一つになっている。
【0003】
吸水不良の原因である原料米の吸水時間差は、洗米装置に原料米を投入するときの時間差と、浸漬槽での水切りのときの時間差との和である。
洗米装置での吸水時間差は、1バッチの原料米を洗米装置に投入するときに最初に投入される米粒が洗米装置内の水に接して吸水を開始する時間と、最後に投入される米粒が洗米装置内の水に接して吸水を始める時間との差である。
【0004】
一方、浸漬槽での水切時に生じる時間差は、最初に浸漬水が無くなる槽上部の米粒が吸水を終了する時間と、最後に浸漬水が無くなる槽底部の米粒が吸水終了する時間との差である。
このうち浸漬槽での水切時に生じる時間差は、米を1mの高さに堆積させた場合でも約10秒であり吸水率に与える影響は少ない。しかし市販されている酒造米用洗米装置の能力は100kg/分以下と小さいため、洗米装置に原料米を投入するときの吸水時間差は大きなものとなる。
【0005】
例えば、500kg/バッチで洗米する場合に、最初に洗米装置に投入された米粒と最後に洗米装置に投入された米粒の吸水時間差は、5分(500kg/バッチ÷100kg/分)になり、適正吸水時間が短い低精米歩合米(例えば15分以下)では、吸水率のバラツキが大きくなり適さない。このため低精米歩合米では通常原料米を人が容易に扱える約15kgのバッチに分けてザルに投入し、手作業で洗米、浸漬、水切りを行うことが多い。しかしこの作業は処理能力が低いだけでなく、寒中の過酷な労働であることから種々の自動化装置が提案されている。
【0006】
例えば、特開平6一320023号公報に示されるように、現在の手作業をそのままロボット化した装置が考案され実用化されている。これは洗米した原料米を、少量(約10kg)ずつチェーンコンベアに装着されたザル容器に投入し、所定時間だけ水槽に浸漬した後、水切りを行うシステムである。そして水切りされた原料米はタンクへと回収され、通常一夜保管された後に蒸される。
【0007】
しかし上述した方法では、洗米装置と原料米の保管容器の他に多数のザル容器とそれを搬送するチェーンコンベア及びその自動制御装置が必要になる。このためシステムのコストが高騰し、さらに設置スペースが広くなる問題点があった。また吸水速度が遅い高精米歩合米の水分を調節するにはコンべアの速度を遅くする必要があり、処理能力が低下するという問題点があった。
【0008】
このような問題点に対し、高速で洗米できる洗米装置を用いれば多量の原料米でも少ない吸水時間差で洗米することができ、さらに保管容器内で浸漬と水切りとを行えば多数のザル容器や搬送装置等を用いることなく低精米歩合米の洗米及び水分調節を行うことができる。例えば1500kg/分の能力の洗米装置があれば、500kg/バッチの原料米でも洗米工程における吸水時間差は20秒(500kg/バッチ÷1500kg/分)に留まり、低精米歩合米でも吸水率のバラツキは少なくなる。また高精米歩合米を洗米する場合にも、低精米歩合米と同じ速度で洗米し、その後保管容器内で浸漬と水切りを行えばよく、処理能力が低下することを防止できる。
【0009】
しかし多くの酒造メーカーで採用されている洗米装置は機械式であり(例えば回転ドラム式洗米機、水中攪拌式洗米機、スパイラル型のブラシ式洗米機など)、当該機械式の洗米機にて洗米速度を向上させるには装置を極端に大きくする必要があった。このため保管容器の周辺に装置を配置することが困難であった。
【0010】
ところで、飯米の洗米用として特開平7一241481号公報に示されるようなジェットポンプ式の洗米器が開発されている。これはタンクに原料米を投入し当該タンクの下部に設置したジェットポンプで原料米を洗米しながらタンク上部に循環させ、繰返し洗浄を行うバッチ式の装置であり、機械式洗米機に比べ1/3〜1/10のスペースで機械式と同等の洗米能力を得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特開平7一241481号公報に示される洗米器では、原料米の洗浄効率が極めて高いもののタンク内部がサイクロン状の完全混合流れになっているため、例えば、原料米が平均5回ジェットポンプを通過するように設計しても、実際の通過回数は、1〜10回とばらつきが生じるという問題点があった。
【0012】
酒造米は飯米(精米歩合91%程度)と異なり精米歩合が70%以下と低い。このため米粒表面には脂肪や蛋白質を主とする糠が少なく、飯米のように数多くジェットポンプを通過させて洗米する必要はない。しかし一方で酒造米の表面には精米時に生じたでん粉の微粉がコーティングされている。この微粉は水に接すると吸水してペースト状になり、薄膜となって米粒を覆う。このため米粒の一粒一粒が確実に洗浄されずでん粉が付着した米粒が残留していると、でん粉が蒸し工程で糊化して接着剤の役目をはたし、蒸し米が団子状になる。また団子状にまで至らなくてもでん粉の微粉が残留した米粒を核として4〜10個の米粒がブロックになるいわゆる「こんぺいとう」が多数発生する。すなわち酒造米の洗米では、数多くジェットポンプを通過させて洗米する必要は無いが、一粒一粒を確実に洗米し、でん粉の微粉を除去することが重要課題であった。
【0013】
また酒造用洗米装置では、1バッチあたり200〜1500kgの洗浄対象米を洗米するため、特開平7−241481号公報に示される洗米器では米の収容タンクを大きくする必要があった。更に、洗浄対象米投入時に生じる吸水時間差を少なくするために、短時間(20〜60秒)で洗浄対象米を収容タンクに投入し、その後蓋をして運転を開始させる必要がある。しかし飯米とは異なり、酒造米を水に漬けると米粒の表面に付着したでん粉の微粉が水に溶け、接着剤となってブロックが形成される。このため投入した200〜1500kgの洗浄対象米で形成される巨大なブロックを破壊するための機構が必要となり、構造が複雑で洗浄が困難な装置になる。
【0014】
また酒造米用の洗米装置では原料米と洗浄水との分離をなすため、回転ドラム式の水分離機が多く用いられている。従来の回転ドラム式水分離機の構成を図6に示す。しかしジェットポンプ式の洗米器では従来の10倍以上の速度で洗米がなされるため、回転ドラム式の水分離機1で対処させようとすると装置が大きくなりすぎるという問題があった。つまり原料米と洗浄水とは回転ドラム状の水分離ネット2の底のみを通過するため、水切り速度を10倍以上にする場合には、ドラム3の直径を3〜4倍にして原料米の流路断面積を広くする必要があり現実的では無かった。
【0015】
本発明は上記従来技術の問題点に着目し、洗浄対象米を高速かつ均一に洗米することが可能である洗米装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は対象米を収容するタンクとジェットポンプで構成される洗浄ユニットを洗浄回数分だけ直列に接続すれば洗浄対象米は確実に所定の洗浄回数分だけジェットポンプを通過して洗浄がなされ、洗浄回数にばらつきが発生するのを防止することができ、かつ酒造米特有の1バッチの量が多い原料米を短時間で洗浄するニーズに対応できるという知見に基づいてなされたものである。
【0018】
そして本発明に係る洗米装置は、タンクと、このタンクの底部に吸引口が接続されるジェットポンプとを備えた洗浄ユニットを洗浄回数分だけ直列に接続し、前段ジェットポンプの噴流口を次段タンクに接続するとともに、初段タンクの内部に旋回流を発生させる旋回流発生ノズルを取り付け、この旋回流発生ノズルは前記初段タンクへの洗浄対象米の導入時に洗浄水を噴射し、洗浄対象米の投入後は噴射を停止して旋回流を発生しないようにされたことを特徴とする。旋回流発生ノズルは前記初段タンクにのみ取り付けられたことが望ましい。また、初段タンクの中央部にはダミーブロックを設置することが望ましく、また、タンクには超音波洗浄手段を設けることが望ましい。
【0019】
【作用】
上記構成によれば、初段のタンクに導入された洗浄対象米はジェットポンプの噴流口を経由して洗浄水とともに次段タンクの導入口へと導入される。このため洗浄後の洗浄対象米が洗浄前の洗浄対象米と混ざり合うことが無く、どの米粒も必ず所定の回数だけ各段のジェットポンプにて洗米がなされる。そして最終段のジェットポンプから噴流された洗浄対象米と洗浄水とを水分離装置に導入させると洗浄対象米から洗浄水を分離させることができる。このため洗浄水から米粒にでん粉が再付着するのを大巾に低減させることができる。また浸漬槽に水切り機能を持たせたことで多数のザルや搬送装置を用いることなく浸漬槽内部で水分調節を行うことができる。
【0020】
その噴射方向ベクトルがタンクの接線方向のベクトルを含んでいる旋回流発生ノズルを初段タンクに設けたことから、旋回流発生ノズルの噴射によりタンク内に旋回流を発生させることができる。そしてこの旋回流によってでん粉の接着作用により形成された洗浄対象米のブロックを破壊することができるので洗浄対象米一粒一粒を確実に分離させ、ジェットポンプの吸引口へと送り出すことができる。さらに旋回流発生ノズルからの注水によってタンク内部における米粒間の空隙を洗浄水にて埋める(水封する)ことが可能になり、ジェットポンプの搬送能力(すなわち、洗米速度)が低下するのを防止することができる。
【0021】
また旋回流発生ノズルとともに初段タンクの中央部には、ダミーブロックを形成したことからタンク内には旋回流の弱い部分(旋回流の渦中心部分)が無くなる。このため洗浄対象米を旋回流の速い部分に投じることができ、より確実にブロック破壊を行うことができる。
さらにタンクには超音波洗浄手段を設けたことから、タンク内部に堆積している米粒の表面に残留するでん粉の剥離が容易になり、ジェットポンプとの相乗効果で効率的に洗米を行うことができる。
【0024】
また洗浄対象米を投入した後に初段タンクに旋回流を形成させるための加水を停止すれば水流が収まり初段のタンクに浮遊する洗浄対象米を沈降させることができ、次段タンクへ早く送り出すことができる。そして洗浄対象米を次段タンクに送り出した後に前段のジェットポンプを停止させれば前記次段タンクへの洗浄水導入が無くなり、水流が収まる。この手順を初段の洗浄ユニットから逐次行っていけば、タンクでの洗浄対象米の浮遊を防止し、短時間かつ少ない洗浄水で洗浄対象米の取り出しを行うことができる。
【0025】
以下に、本発明に係る洗米装置について好適な具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は実施の形態に係る洗米装置の構造図である。同図に示すように洗米装置10の上方には洗浄対象米となる原料米12を貯蔵するためのホッパ14が設けられる。そして当該ホッパの底部にはダンパ16が設けられており、このダンパ16の開閉動作によって1500kg/分の速度で原料米12を洗米装置10へ投入可能にしている。
【0027】
当該洗米装置10は洗浄回数分だけ多段に直列接続された洗浄ユニット18(本実施の形態では3段)と、最終段の洗浄ユニットの後に配置される水分離機20と、当該水分離機20の後段に配置される水切り手段を持つ浸漬槽48とで構成される。
そして洗浄ユニット18は、原料米12や洗浄水を取り込むためのタンク22(初段タンク22A、中段タンク22B、終段タンク22C)と、当該タンク22の底部に接続される洗浄用ジェットポンプ24とで構成される。
【0028】
タンク22は円筒形状となっており、タンク22Aの上部端面には原料米12や洗浄水をタンク22の内部に導入するための導入開口26が設けられている。またタンク22の下部側は先細りとなるコーン形状となっており、その底部にはジェットポンプ24の吸引口28が設けられ、タンク22内部に導入された原料米12を吸引できるようになっている。
【0029】
図2は洗浄用ジェットポンプ24の構成を示す断面図である。同図に示すように洗浄用ジェットポンプ24では、洗浄水送出ポンプ30によって加圧された洗浄水を噴き出させるノズル101が設けられている。当該ノズル101の直後には空気導入管102が側方より設けられ、噴流による負圧によってここから吸引された空気と加圧水の気液二相流がノズル103より噴射可能になっている。そして吸引口28の後方にはノズル104が設けられ、吸引口28より原料米12を順次随伴させ後段の噴流口32側に流出させるようになっている。なお洗浄水送出ポンプ30と個々の洗浄用ジェットポンプ24との間には、減圧弁31と電磁開閉弁33とが設けられ、これらの操作によって各洗浄用ジェットポンプ24の操作を行えるようにしている。
【0030】
このように構成された洗浄ユニット18では、初段洗浄ユニット18の噴流口32が中段洗浄ユニット18の導入管27に、そして中段洗浄ユニット18の噴流口32が終段洗浄ユニット18の導入管27へと接続される。なお洗浄ユニット18同士を結ぶ配管中でも気液二相流による洗浄効果がある程度維持されるように配管の長さを2〜5mに設定するのが望ましい。
【0031】
初段タンク22Aの内部構造を図3に示す。同図に示すように初段タンク22Aの内部には、旋回流を起こすための旋回流発生ノズル34がコーン部の周回方向に対し接線方向に取り付けられている。このようにノズル34の噴射方向ベクトルとコーン部の接線方向ベクトルとを一致させたことで、旋回流を効率よく発生させることができる。ノズル34の流量は、原料米12の空隙を埋め空気の吸引による洗浄用ジェットポンプ24の効率低下を防止するのに必要十分な約900l/分に設定される。そして投入された原料米12はコーン部の旋回流によって、ブロックを形成することなく洗浄水とともに洗浄用ジェットポンプ24へと吸引がなされるようになっている。
【0032】
さらに初段タンク22Aの内部には円柱上下端面に円錐を貼り合わせた形状のダミーブロック36が設置される。当該ダミーブロック36は、初段タンク22Aの内側に設けられたステー38によってコーン部中央に保持される。そしてタンクの中心部分にダミーブロック36を設置することで、旋回流の弱い部分を無くし、ダミーブロック36と初段タンク22Aとの間に速い旋回流のみを形成させることができる。
【0033】
中段タンク22Bおよび終段タンク22Cの大きさは第一タンク11と同様であるが、ノズル34およびダミーブロック36が無く、タンク上部には原料米12の流出を防止するネットが設置されている。初段のジェットポンプ24で発生した白水(糠やでん粉を含む洗浄廃水)は、ネットを介してタンク上部の排水管から排出される。また中段タンク22Bおよび終段タンク22Cのコーン部には超音波洗浄手段となる超音波発信器42が設けられており、この超音波発信器42を作動させることで、コーン底部で堆積している米粒表面に残留するでん粉の剥離が容易になり、洗浄用ジェットポンプ24との相乗効果で効率的に洗浄を行うことができる。なお初段タンク22Aでは米粒に付着しているでん粉が極めて多く、その大部分がジェットポンプ21で容易に除去されることから超音波発信器42を設ける必要は無い。
【0034】
終段タンク22Cの後方に設置される水分離機20は、皿状の振動ネット44を斜めに配置することで形成され、この振動ネット44の上方には洗浄水供給用のシャワー46が設けられている。そして振動ネット44の振動とシャワー46からの洗浄水供給により、洗浄がなされた原料米に白水中のでん粉が再付着するのを防止するようにしている。
【0035】
水分離機20の後方には水切り機能を持った浸漬槽48が設けられている。当該浸漬槽48は、ホッパ14から投入される原料米12を一度に浸漬させるだけの容量を持つタンク形状となっており、その底部には浸漬水排出口50および原料米取り出し口51が設けられている。また浸漬水排出口50の上部には米粒径以下のメッシュを持つフィルタ52が設けられておりこの浸漬水排出口50を開いた際、前記フィルタにて原料米12の流出を防止し、浸漬槽48の内部で原料米12の水切りが行えるようになっている。
【0036】
このように構成された洗米装置10を用いて洗米を行う手順を説明する。
まずダンパ16を開きホッパ14内部の原料米12を導入開口26より初段タンク22Aに導入させる。このとき初段タンク22Aの内部には旋回流発生ノズル34から洗浄水が噴き出されており、初段タンク22Aの内部にはダミーブロック36を中心に旋回流が発生している。また洗浄水送出ポンプ30を稼働させるとともに、初段洗浄ユニット18の減圧弁31と電磁開閉弁33を操作し洗浄用ジェットポンプ24を稼働させておく。
【0037】
原料米12はダミーブロック36の頂上部分に連続して当たり当該ダミーブロック36周囲へと投入される。ここでダミーブロック36の周囲は旋回流の流速が速くなっていることから原料米12のブロックの形成を防止することができる。旋回流によって初段タンク22A内部を旋回する原料米12は、当該原料米12自体の重みから初段タンク22Aの底部側へと移動し、吸引口28より洗浄用ジェットポンプ24にて噴流口32側へと移動され、中段タンク22Bへと導かれていく。そして原料米 12はこの洗浄用ジェットポンプ24の気液二相流によって移動するとともに洗浄がなされる。
【0038】
初段側の洗浄用ジェットポンプ24によって送られた原料米12は、中段タンク22Bのコーン部に堆積された後、中段洗浄ユニット18での洗浄がなされる。図4は初段、中段、終段における洗浄ユニット18の稼働時間差を示す説明図である。同図に示すような洗浄ユニット18の稼働時間の差は、前段からの原料米12が次段のタンク22に堆積されるまでの時間に相当するよう設定される(本実施の形態では6秒)。これは次段の洗浄用ジェットポンプ24の搬送効率を高めるとともに原料米12にでん粉が再付着するのを防止する目的から行われているものである。すなわち原料米12が次段タンク22に堆積された後に洗浄を開始すれば、単位時間に送り出す原料米12の量を増やすことができる。また前段タンクから米とともに流入する白水は、流路抵抗が小さいタンク上部から速やかに排出される。このため洗浄対象米はジェットポンプに供給される新鮮な洗浄水によって洗浄される。そして中段の洗浄用ジェットポンプ24で洗浄された原料米12は、噴流とともに終段タンク22Cに送られ、同様な方法で洗米され、洗浄用ジェットポンプ24で水分離機20に送られる。
【0039】
また中段タンク22Bと終段タンク22Cのコーン底部には超音波発信器42が設置されているので、コーン底部で堆積している米粒表面に残留するでん粉の剥離が容易になり、洗浄用ジェットポンプ24との相乗効果で効率的に洗浄が行われる。
【0040】
ホッパ14から原料米12を投入した後は、初段タンク22Aにおけるノズル34の噴射を停止させ旋回流が発生しないようにする。このように旋回流を発生させないようにすると初段タンク22Aに浮遊している原料米12を沈降させることができ、中段タンク22Bに早く送り出すことができる。そして初段タンク22Aから原料米12を全て送り出した後に初段の洗浄用ジェットポンプ24を停止させれば、中段タンク22Bでの水流が収まり浮遊している原料米12を沈降させることができる。このような一連の手順を初段の洗浄ユニット18から逐次行って行けば、タンク22での原料米の浮遊を防止し短時間かつ少ない洗浄水で原料米の取り出しを行うことが可能となる。
【0041】
終段の洗浄用ジェットポンプ24から接続される水分離機20では、若干の傾斜をもたせた振動ネット44の上を、厚さ約50〜100mm、幅約800mmの状態で原料米12を移動させ、振動ネット44の下のトレイに白水を排出させる。そして白水中のでん粉が原料米に再付着するのを抑制するため、上方のシャワー46から洗浄水を散水する。また同時に原料米12を振動させることによって、米を送り易くするとともに、洗浄水を速やかに排水するための空隙を形成させる。このように水分離機20を皿状に構成すれば、装置の高さを低くでき、スペースを有効に活用できる。そして水分離機20を経由した原料米12は、浸潰槽70に投入され「澄まし」操作を経て所定時間浸漬したあと水切りされ保管される。ここでこの水切り作業は浸漬槽70の内部で行われるため、当該浸漬槽70の周囲に水切り用の多数のザルやこのザルを運搬する搬送装置を用いる必要がない。このため水切り作業に必要なスペースを小さくすることが可能になる。
【0042】
上記実施の形態では三段の洗浄用ジェットポンプ24で洗米する場合について述べたが、原料米12の種類と用途によって、適宜段数を変えても良い。例えば、糠が多い高精米歩合米では段数を4〜5段にして洗米してもよい。なお三段以上の洗浄用ジェットポンプ24で洗米する場合には、第三段以降で生じる白水の汚れが少ないため、初段の洗浄用ジェットポンプ24の加圧水として再利用しても良い。また水分離機20から出た原料米12を、一つの浸漬槽48に投入したが当該浸漬槽48を複数個準備し、水分離機20を浸漬槽48の上を移動させ順次洗米しても良い。なお原料米12が300kg/バッチ以下と少ない場合には、初段タンク22Aを通気攪拌し、原料米12を投入してもブロックの形成を防止できる。
【0043】
酒造米、特に山田錦などの酒造好適米では吸水によるクラックが生じやすいことからホッパ14から原料米12を投入後、浸漬槽48に投入されるまでの時間が1分以内であることが望ましい。そして前記時間内で最適な洗浄が行われるように発明者は、洗浄水の圧力に対する砕米率、洗米速度、および洗米度合の関係を実験により求め、この結果から洗浄水の最適な圧力を求めることとした。この洗浄水の圧力に対する砕米率、洗米速度、および洗米度合の関係グラフを図5に示す。同図に示すように洗浄水の圧力を200〜250Paの範囲(ハッチング部)に設定すれば、原料米12が壊れにくくまた洗米度合いも良好であることが判断できる。このように吸水によりクラックが生じやすい原料米12であっても、洗浄水の圧力に対する砕米率、洗米速度、および洗米度合の関係を求めることにより最適の洗浄水の圧力を設定することができる。そして洗浄後に原料米12を浸漬槽48に投入し静置すれば、原料米12を破砕することなく洗米を完了させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タンクと、このタンクの底部に吸引口が接続されるジェットポンプとを備えた洗浄ユニットを洗浄回数分だけ直列に接続し、前段ジェットポンプの噴流口を次段タンクに接続するとともに、初段タンクの内部に旋回流を発生させる旋回流発生ノズルを取り付け、この旋回流発生ノズルは前記初段タンクへの洗浄対象米の導入時に洗浄水を噴射し、洗浄対象米の投入後は噴射を停止して旋回流を発生しないようにしたので、洗浄対象米の洗浄回数にばらつきを生じさせることなく、一粒一粒を確実に洗米することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る洗米装置の構造図である。
【図2】洗浄用ジェットポンプ24の構成を示す断面図である。
【図3】初段タンク22Aの内部構造を示す断面図である。
【図4】初段、中段、終段における洗浄ユニット18の稼働時間差を示す説明図である。
【図5】洗浄水の圧力に対する砕米率、洗米速度、および洗米度合の関係を示したグラフである。
【図6】従来の回転ドラム式水分離機の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水分離機
2 水分離ネット
3 ドラム
10 洗米装置
12 原料米
14 ホッパ
16 ダンパ
18 洗浄ユニット
20 水分離機
22 タンク
24 洗浄用ジェットポンプ
26 導入開口
27 導入管
28 吸引口
30 洗浄水送出ポンプ
31 減圧弁
32 噴流口
33 電磁開閉弁
34 旋回流発生ノズル
36 ダミーブロック
38 ステー
40 ネット
42 超音波発信器
44 振動ネット
46 シャワー
48 浸漬槽
50 浸漬水排水口
51 原料取り出し口
52 フィルタ
101 ノズル
102 空気導入管
103 ノズル
104 ノズル

Claims (2)

  1. タンクと、このタンクの底部に吸引口が接続されるジェットポンプとを備えた洗浄ユニットを洗浄回数分だけ直列に接続し、前段ジェットポンプの噴流口を次段タンクに接続するとともに、初段タンクの内部に旋回流を発生させる旋回流発生ノズルを取り付け、この旋回流発生ノズル前記初段タンクへの洗浄対象米の導入時に洗浄水を噴射し、洗浄対象米の投入後は噴射を停止して旋回流を発生しないようにする制御手段を備えたことを特徴とする洗米装置。
  2. 前記旋回流発生ノズルは前記初段タンクにのみ取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
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