JP3644193B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、液晶テレビなどの携帯用映像装置に内蔵するアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16に、従来の液晶テレビに代表される携帯用映像装置に用いられる伸縮自在のモノポールアンテナを示す。モノポールアンテナ80は、グランドを構成する携帯用映像装置のケース本体81上にλ/4(λ:共振周波数における波長)の長さの放射素子82を設けたものである。そして、放射素子82の一端は、携帯用映像装置の高周波回路部RFに接続される給電部83となり、他端は開放端84となる。なお、モノポールアンテナ80の場合には、放射素子52を伸ばしたときに、その長さが約λ/4になるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来のモノポールアンテナを液晶テレビに用い、例えばVHF帯、UHF帯の両方を受信する場合には、その放射素子の長さ(λ/4)は、60cm〜80cmにもなる。そのため、液晶テレビが不安定で、少しの衝撃で倒れたり、放射素子が折れたりするため危険で使いにくいという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、受信時にも、携帯用映像装置のケース本体から飛び出さない小形のアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述する問題点を解決するため本発明は、共振周波数の異なる複数のチップアンテナからなり、該チップアンテナが、誘電材料からなる基体と、該基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成された少なくとも2つの導体と、前記基体の表面に形成され、前記導体に電圧を印加するために、前記導体の一端が接続された少なくとも1つの給電用端子と、前記基体の表面に形成され、前記導体の他端が接続された少なくとも1つの自由端子とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、前記複数のチップアンテナを、それぞれの自由端子と給電用端子とを接続して直列接続するとともに、最終段のチップアンテナの自由端子に容量可変素子を接続することを特徴とする。
【0007】
また、前記複数のチップアンテナを、それぞれの自由端子と給電用端子とを接続して直列接続するとともに、最終段のチップアンテナの自由端子に放射導体を接続することを特徴とする。
【0008】
また、前記自由端子と給電用端子との接続点の少なくとも1つと、グランドとの間にキャパシタンス素子を接続することを特徴とする。
【0009】
また、前記キャパシタンス素子に、スイッチング素子を直列接続することを特徴とする。
【0010】
また、前記直列接続された複数のチップアンテナの第1段のチップアンテナの給電用端子に同軸ケーブルを接続することを特徴とする。
【0011】
本発明のアンテナ装置によれば、誘電材料からなる基体の表面及び内部の少なくとも一方に導体を形成した複数のチップアンテナを用いるため、伝搬速度が遅くなり、波長短縮が生じる。したがって、基体の比誘電率をεとすると、実効線路長はε1/2倍になり、従来のモノポールアンテナの実効線路長と比較して長くなる。その結果、同じ実効線路長にすると、従来のモノポールアンテナよりもはるかに小形になり、チップアンテナを携帯用映像装置のケース本体へ容易に内蔵することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明のアンテナ装置の第1の実施例の一部上面図を示す。アンテナ装置10は、給電用端子1と自由端子2とを備えたチップアンテナ111、112と、インダクタンス素子であるチップコイル12と、ランド131〜133が表面に形成された実装基板14とからなる。
【0013】
そして、ランド131の一端にチップアンテナ111の給電用端子1が、ランド132の一端にチップアンテナ111の自由端子2が接続される。また、ランド132の他端にチップコイル12の一端が、ランド133の一端にチップコイル12の他端が接続される。
【0014】
さらに、ランド133の他端にチップアンテナ112の給電用端子1が接続される。また、ランド131の他端は、アンテナ装置10が搭載される携帯用映像装置(図示せず)の高周波回路部RFに接続される。
【0015】
すなわち、高周波回路部RFと、グランド、例えばアンテナ装置10が搭載される携帯用映像装置(図示せず)のケース本体、との間に、チップアンテナ111、チップコイル12及びチップアンテナ112が直列接続される構造となる。
【0016】
図2及び図3に、図1のチップアンテナの透視斜視図及び分解斜視図を示す。チップアンテナ111(112)は、直方体状の基体3の内部に、基体3の長手方向に螺旋状に巻回される導体4と、導体4に電圧を印加するために基体3の表面に形成され、導体4の一端が接続される給電用端子1と、導体4の他端が接続される自由端子2とを備えてなる。
【0017】
基体3は、酸化バリウム、酸化アルミニウム、シリカを主成分とする誘電材料(比誘電率:約6.1)からなる矩形状のシート層5a〜5cを積層してなる。このうち、シート層5a、5bの表面には、印刷、蒸着、貼り合わせ、あるいはメッキによって、銅あるいは銅合金よりなり、略L字状あるいは直線状をなす導電パターン6a〜6gが設けられる。また、シート層5bの所定の位置(導電パターン6e〜6gの両端)には、厚み方向にビアホール7が設けられる。
【0018】
そして、シート層5a〜5cを積層焼結し、導電パターン6a〜6hをビアホール7で接続することにより、基体3の内部に、巻回断面が矩形状をなし、基体3の長手方向に、螺旋状に巻回される導体4が形成される。
【0019】
なお、導体4の一端(導電パターン6dの一端)は、基体3の表面に引き出され、導体4に電圧を印加するために基体3の表面に設けられた給電用端子1に接続される。一方、導体4の他端(導電パターン6aの一端)もまた、基体3の表面に引き出され、自由端子2に接続される。
【0020】
図4及び図5に、図2のチップアンテナの変形例の透視斜視図を示す。図4のチップアンテナ111aは、直方体状の基体3aと、基体3aの表面に沿って、基体3aの長手方向に、螺旋状に巻回される導体4aと、導体4aに電圧を印加するために基体3aの表面に形成され、導体4aの一端が接続される給電用端子1aと、基体3aの表面に形成され、導体4aの他端が接続される自由端子2aとを備えてなる。この場合には、導体4aを基体3aの表面に螺旋状にスクリーン印刷等で簡単に形成できるため、チップアンテナ111aの製造工程が簡略化できる。
【0021】
図5のチップアンテナ111bは、直方体状の基体3bと、基体3bの表面(一方主面)に、ミアンダ状に形成される導体4bと、導体4bに電圧を印加するために基体3bの表面に形成され、導体4bの一端が接続される給電用端子1bと、基体3bの表面に形成され、導体4bの他端が接続される自由端子2bとを備えてなる。この場合には、ミアンダ状の導体4bを基体3bの一方主面のみに形成するため、基体3bの低背化が可能となり、それにともないチップアンテナ111bの低背化も可能となる。なお、ミアンダ状の導体4bは基体3bの内部に設けられてもよい。
【0022】
図6に、図1のアンテナ装置10の周波数特性を示す。この際、チップアンテナ111の共振周波数は387.2MHz、チップアンテナ112の共振周波数は814.5MHz、チップコイル12のインダクタンス値は220nHである。
【0023】
この図から、アンテナ装置10は、233.1MHz(図6中1a)、463.8MHz(図6中1b)、722.9MHz(図6中1c)の3つの共振周波数を有し、アンテナ装置10の広帯域化が実現していることがわかる。すなわち、アンテナ装置10の帯域が233.1MHzから722.9MHzの範囲となり、 VHF帯及びUHF帯の受信が可能となる。
【0024】
図6の周波数特性が得られるアンテナ装置10を構成するチップアンテナ111の形状は10×6.3×3.4mm、チップアンテナ112の形状は、8×5×2.5mmであるため、アンテナ装置10の全体の長さは20mm〜30mm程度となる。したがって、VHF帯及びUHF帯の範囲で、従来のモノポールアンテナと比較して1/30〜1/40の大きさになる。
【0025】
上述した第1の実施例のアンテナ装置によれば、誘電材料からなる基体の表面及び内部の少なくとも一方に導体を形成した共振周波数の異なる2つのチップアンテナを用いるため、伝搬速度が遅くなり、波長短縮が生じる。したがって、基体の比誘電率をεとすると、実効線路長はε1/2倍になり、従来のモノポールアンテナの実効線路長と比較して長くなる。その結果、同じ実効線路長にすると、従来のモノポールアンテナよりもはるかに小形になり、ケース本体へ容易に内蔵することが可能となる。したがって、受信時にもアンテナ装置がケース本体から飛び出すことがない。
【0026】
また、共振周波数の異なる2つのチップアンテナをチップコイルを介して直列接続しているため、アンテナ装置が異なる3つの共振周波数を有するようになり、アンテナ装置の広帯域化が実現できる。したがって、従来のモノポールアンテナと比較して1/30〜1/40の大きさの小形のアンテナ装置で、VHF帯及びUHF帯を受信することができる。この結果、受信時にも、アンテナ装置を携帯用映像装置に内蔵することができ、安定感のある携帯用映像装置を得ることができる。
【0027】
図7に、本発明のアンテナ装置の第2の実施例の一部上面図を示す。アンテナ装置20は、給電用端子1と自由端子2とを備えたチップアンテナ211〜213と、可変容量素子であるトリマコンデンサ22と、ランド231〜235が表面に形成された実装基板24とからなる。
【0028】
そして、ランド231の一端にチップアンテナ211の給電用端子1が、ランド232の一端にチップアンテナ211の自由端子2が接続される。また、ランド232の他端にチップアンテナ212の給電用端子1が、ランド233の一端にチップアンテナ212の自由端子2が接続される。
【0029】
さらに、ランド233の他端にチップアンテナ213の給電用端子1が、ランド234の一端にチップアンテナ213の自由端子2が接続される。また、ランド234の他端にトリマコンデンサ22の一端が、ランド235の一端にトリマコンデンサ22の他端が接続される。
【0030】
さらに、ランド231の他端は、アンテナ装置20が搭載される携帯用映像装置(図示せず)の高周波回路部RFに接続され、ランド235の他端は、グランド、例えばアンテナ装置20が搭載される携帯用映像装置(図示せず)のケース本体、に接続される。
【0031】
すなわち、高周波回路部RFとグランド、例えばアンテナ装置20が搭載される携帯用映像装置(図示せず)のケース本体、との間に、チップアンテナ211、チップアンテナ212、チップアンテナ213及びトリマコンデンサ22が直列接続される構造となる。
【0032】
図8に、図7のアンテナ装置20の周波数特性を示す。この際、チップアンテナ211の共振周波数は875.0MHz、チップアンテナ212の共振周波数は540.0MHz、チップアンテナ213の共振周波数は231.1MHz、トリマコンデンサ22の容量値は0.5pFである。
【0033】
この図から、アンテナ装置20は、120.3MHz(図8中2a)、360.9MHz(図8中2b)、688.4MHz(図8中2c)の3つの共振周波数を有し、アンテナ装置20の広帯域化が実現していることがわかる。すなわち、アンテナ装置20の帯域が120.3MHzから688.4MHzの範囲となっている。
【0034】
図9に、図7のアンテナ装置20において、トリマコンデンサ22の容量値を1.5pFとした場合の周波数特性を示す。この図から、アンテナ装置20は91.0MHz(図9中3a)、360.9MHz(図9中3b)、688.4MHz(図9中3c)の3つの共振周波数を有することがわかる。すなわち、帯域が91.0MHzから688.4MHzの範囲となり、トリマコンデンサ22の容量値を大きくすることにより、他の共振周波数を移動させずに、最も低い共振周波数のみ91.0MHzに移動することができ、その結果、アンテナ装置10がより低い周波数領域を受信できることとなる。
【0035】
上述した第2の実施例のアンテナ装置によれば、3つのチップアンテナを直列接続し、第3のチップアンテナの自由端子にトリマコンデンサを直列に接続するため、トリマコンデンサの容量値を変えることにより、他の共振周波数を移動させずに、最も低い共振周波数のみを移動させることができる。その結果、アンテナ装置がより低い周波数領域を受信できるため、そのアンテナ措置が搭載される携帯用映像装置がより低い周波数領域を受信できることとなる。
【0036】
図10に、本発明のアンテナ装置の第3の実施例の一部上面図を示す。アンテナ装置30は、給電用端子1と自由端子2とを備えたチップアンテナ311〜314と、放射導体であるメッキ線32と、ランド331〜335が表面に形成された実装基板34とからなる。
【0037】
そして、ランド331の一端にチップアンテナ311の給電用端子1が、ランド332の一端にチップアンテナ311の自由端子2が接続される。また、ランド332の他端にチップアンテナ312の給電用端子1が、ランド333の一端にチップアンテナ312の自由端子2が接続される。
【0038】
さらに、ランド333の他端にチップアンテナ313の給電用端子1が、ランド334の一端にチップアンテナ314の自由端子2が接続される。また、ランド334の他端にチップアンテナ314の給電用端子1が、ランド335の一端にチップアンテナ314の自由端子2が接続される。
【0039】
さらに、ランド331の他端は、アンテナ装置30が搭載される携帯用映像装置(図示せず)の高周波回路部RFに接続され、ランド335の他端には、メッキ線32が接続される。
【0040】
すなわち、高周波回路部RFとグランド、例えばアンテナ装置30が搭載される携帯用映像装置(図示せず)のケース本体、との間に、チップアンテナ311、チップアンテナ312、チップアンテナ313、チップアンテナ314及びメッキ線32が直列接続される構造となる。
【0041】
図11に、図10のアンテナ装置30の周波数特性を示す。この際、チップアンテナ311〜313の共振周波数は875.0MHz、チップアンテナ314の共振周波数は1.240GHz、メッキ線32の長さは20cmである。
【0042】
この図から、アンテナ装置30は、187.6MHz(図11中4a)、481.6MHz(図11中4b)、648.2MHz(図11中4c)、748.8MHz(図11中4d)の4つの共振周波数を有し、アンテナ装置30の広帯域化が実現していることがわかる。すなわち、アンテナ装置30の帯域が187.6MHzから748.8MHzの範囲となっている。
【0043】
上述した第3の実施例のアンテナ装置によれば、放射導体であるメッキ線が、第4のチップアンテナの自由端子に接続され、そのメッキ線がアンテナ装置の一部として働くため、アンテナ装置の放射面積が減少しない。したがって、チップアンテナを小型化しても、アンテナ装置の利得を低下させずに維持することが可能となる。
【0044】
図12に、本発明のアンテナ装置の第4の実施例の一部上面図を示す。アンテナ装置40は、第3の実施例のアンテナ装置30と比べ、第3のチップアンテナ313の自由端子2と第4のチップアンテナ314の給電用端子1との間のランド334とグランドとの間に、キャパシタンス素子であるコンデンサ41とスイッチング素子であるダイオード42の直列回路を接続し、コンデンサ41とダイオード42との接続点に抵抗43を介してダイオード42の制御電圧Vcを接続した点で異なる。
【0045】
図13に、図12のアンテナ装置40において、ダイオード42がオフ、すなわちダイオード42が短絡された場合の周波数特性を示す。この図から、アンテナ装置40は、169.1MHz(図13中5a)、471.4MHz(図13中5b)、615.1MHz(図13中5c)、748.1MHz(図13中5d)の4つの共振周波数を有し、それぞれの共振周波数が低周波側に移動していることがわかる。すなわち、アンテナ装置40の帯域が169.1MHzから748.1MHzの範囲となっている。これは、コンデンサ41の容量値により、アンテナ装置40全体の容量成分が増えたために、帯域が低周波側に移動したものである。
【0046】
図14に、図12のアンテナ装置40において、ダイオード42がオンされた場合の周波数特性を示す。この図から、アンテナ装置40は、108.3MHz(図14中6a)、572.1MHz(図14中6b)、744.6MHz(図14中6c)の3つの共振周波数を有し、それぞれの共振周波数が低周波側に移動していることがわかる。すなわち、アンテナ装置40の帯域が108.3MHzから744.6MHzの範囲となっている。これは、コンデンサ41とダイオード42の容量値により、アンテナ装置40全体の容量成分がより増えたために、帯域がより低周波側に移動したものである。
【0047】
ここで、表1に、一般的なテレビのチャンネルである1ch〜12ch(VHF帯)及び13ch〜62ch(UHF帯)における図12のアンテナ装置40と従来のモノポールアンテナ80(図16)との感度差を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1から、ダイオード42がオフのときに、VHF帯の高周波側とUHF帯を受信し、ダイオード42がオンのときに、VHF帯の低周波側を受信することにより、アンテナ装置40と従来のモノポールアンテナ80の感度差は、0[dB]〜2[dB]の範囲となり、VHF帯及びUHF帯において、アンテナ装置40と従来のモノポールアンテナ80の感度は、ほぼ同等であることがわかる。
【0050】
上述した第4の実施例のアンテナ装置によれば、第3のチップアンテナの自由端子と第4のチップアンテナの給電用端子との間に、コンデンサとダイオードの直列回路を接続するため、アンテナ装置の帯域を低周波側に移動させることができる。
【0051】
また、コンデンサの容量値を所望の値にすることにより、アンテナ装置の帯域を所望の値にすることができる。
【0052】
さらに、ダイオードをオン・オフすることにより、アンテナ装置の帯域を移動させることができる。したがって、1つのアンテナ装置で複数の帯域を備えることが可能となり、その結果、この1つの小形のアンテナ装置を搭載した携帯用映像装置が、広範囲の周波数の信号、例えば、VHF帯及びUHF帯を従来のモノポールアンテナと同等の感度で受信できるようになる。
【0053】
図15に、本発明のアンテナ装置の第5の実施例の一部上面図を示す。アンテナ装置50は、第3の実施例のアンテナ装置30と比べ、一端が、第1のチップアンテナ311の給電用端子1と接続されるランド331の他端が、同軸ケーブル51を介して、アンテナ装置50が搭載される携帯用映像装置(図示せず)の高周波回路部RFに接続される点で異なる。
【0054】
上述した第5の実施例のアンテナ装置によれば、第1のチップアンテナの給電用端子に同軸ケーブルが接続されるため、アンテナ装置を搭載した携帯用映像装置からデジタルノイズを発生した場合には、シールドされた同軸ケーブルが、そのデジタルノイズを遮断する。したがって、アンテナ装置を搭載した携帯用映像装置からデジタルノイズをアンテナ装置が受信するのを抑えることができる。
【0055】
なお、上述の実施例においては、チップアンテナの基体が酸化バリウム、酸化アルミニウム、シリカを主成分とする誘電材料により構成される場合について説明したが、基体としてはこの誘電材料に限定されるものではなく、酸化チタン、酸化ネオジウムを主成分とする誘電材料、ニッケル、コバルト、鉄を主成分とする磁性材料、あるいは誘電材料と磁性材料の組み合わせでもよい。
【0056】
また、チップアンテナの導体が1本の場合について説明したが、それぞれが平行に配置された複数本の導体を有していてもよい。この場合には、導体の本数に応じて複数の共振周波数を有することが可能となり、より広帯域のアンテナ装置を実現することができる。
【0057】
さらに、チップアンテナの導体が基体の内部、あるいは表面に形成される場合について説明したが、基体の内部及び表面の両方に形成されていても同様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1のアンテナ装置によれば、誘電材料からなる基体の表面及び内部の少なくとも一方に導体を形成した共振周波数の異なる複数のチップアンテナを用いるため、伝搬速度が遅くなり、波長短縮が生じる。したがって、基体の比誘電率をεとすると、実効線路長はε1/2倍になり、従来のモノポールアンテナの実効線路長と比較して長くなる。その結果、同じ実効線路長にすると、従来のモノポールアンテナよりもはるかに小形になり、ケース本体へ容易に内蔵することが可能となる。したがって、受信時にもアンテナ装置がケース本体から飛び出すことがない。
【0059】
また、アンテナ装置が異なる複数の共振周波数を有するようになり、アンテナ装置の広帯域化が実現できる。したがって、従来のモノポールアンテナと比較して小形のアンテナ装置で、VHF帯及びUHF帯を受信することができる。この結果、受信時にも、アンテナ装置を携帯用映像装置に内蔵することができ、安定感のある携帯用映像装置を得ることができる。
【0060】
請求項2のアンテナ装置によれば、直列接続した複数のチップアンテナの最終段のチップアンテナの自由端子に容量可変素子を接続するため、可変容量素子の容量値を変えることにより、アンテナ素子の容量成分を変えることができる。したがって、他の共振周波数を移動させずに、最も低い共振周波数のみを移動させることができる。
【0061】
その結果、アンテナ装置がより低い周波数領域を受信できるため、そのアンテナ措置が搭載される携帯用映像装置がより低い周波数領域を受信できることとなる。
【0062】
請求項3のアンテナ装置によれば、直列接続した複数のチップアンテナの最終段のチップアンテナの自由端子に放射導体が接続され、その放射導体がアンテナ装置の一部として働くため、アンテナ装置の放射面積が減少しない。したがって、チップアンテナを小型化しても、アンテナ装置の利得を低下させずに維持することが可能となる。
【0063】
請求項4のアンテナ装置によれば、自由端子と給電用端子との接続点と、グランドとの間に、キャパシタンス素子を接続するため、アンテナ装置の共振周波数を低周波側に移動させ、その結果、アンテナ装置の帯域を低周波側に移動させることができる。
【0064】
したがって、キャパシタンス素子の容量値を制御することにより、アンテナ装置の受信帯域を所望の帯域にすることができる。
【0065】
請求項5のアンテナ装置によれば、キャパシタンス素子とグランドとの間に、スイッチング素子を接続するため、スイッチング素子をオン・オフすることにより、アンテナ装置の帯域を移動させることができる。したがって、1つのアンテナ装置で複数の帯域を備えることが可能となり、その結果、この1つの小形のアンテナ装置を搭載した携帯用映像装置が、広範囲の周波数の信号を従来のモノポールアンテナと同等の感度で受信できるようになる。
【0066】
請求項6のアンテナ装置によれば、直列接続した複数のチップアンテナの第1段のチップアンテナの給電用端子に同軸ケーブルが接続されるため、アンテナ装置を搭載した携帯用映像装置からデジタルノイズを発生した場合には、シールドされた同軸ケーブルが、そのデジタルノイズを遮断する。したがって、アンテナ装置を搭載した携帯用映像装置からデジタルノイズをアンテナ装置が受信するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ装置に係る第1の実施例の一部上面図である。
【図2】図1のアンテナ装置を構成するチップアンテナの透視斜視図である。
【図3】図2のチップアンテナの分解斜視図である。
【図4】図2のチップアンテナの変形例の透視斜視図である。
【図5】図2のチップアンテナの別の変形例の透視斜視図である。
【図6】図1のアンテナ装置の周波数特性を示す図である。
【図7】本発明のアンテナ装置に係る第2の実施例の一部上面図である。
【図8】図7のアンテナ装置において容量可変素子の容量値を0.5pFにした場合の周波数特性を示す図である。
【図9】図7のアンテナ装置において容量可変素子の容量値を1.5pFにした場合の周波数特性を示す図である。
【図10】本発明のアンテナ装置に係る第3の実施例の一部上面図である。
【図11】図11のアンテナ装置の周波数特性を示す図である。
【図12】本発明のアンテナ装置に係る第4の実施例の一部上面図である。
【図13】図12のアンテナ装置においてスイッチング素子をオフにした場合の周波数特性を示す図である。
【図14】図12のアンテナ装置においてスイッチング素子をオンにした場合の周波数特性を示す図である。
【図15】本発明のアンテナ装置に係る第5の実施例の一部上面図である。
【図16】従来のモノポールアンテナを示す図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50 アンテナ装置
111、112、211〜213、311〜314、 チップアンテナ
22 可変容量素子
32 放射導体
41 キャパシタンス素子
42 スイッチング素子
51 同軸ケーブル
1 給電用端子
2 自由端子
3 基体
4 導体
Claims (6)
- 共振周波数の異なる複数のチップアンテナからなり、該チップアンテナが、誘電材料からなる基体と、該基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成された少なくとも2つの導体と、前記基体の表面に形成され、前記導体に電圧を印加するために、前記導体の一端が接続された少なくとも1つの給電用端子と、前記基体の表面に形成され、前記導体の他端が接続された少なくとも1つの自由端子とを備えることを特徴とするアンテナ装置。
- 前記複数のチップアンテナを、それぞれの自由端子と給電用端子とを接続して直列接続するとともに、最終段のチップアンテナの自由端子に容量可変素子を接続することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記複数のチップアンテナを、それぞれの自由端子と給電用端子とを接続して直列接続するとともに、最終段のチップアンテナの自由端子に放射導体を接続することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記自由端子と給電用端子との接続点の少なくとも1つと、グランドとの間にキャパシタンス素子を接続することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のアンテナ装置。
- 前記キャパシタンス素子に、スイッチング素子を直列接続することを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記直列接続された複数のチップアンテナの第1段のチップアンテナの給電用端子に同軸ケーブルを接続することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のアンテナ装置。
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