JP3643541B2 - 装飾用ダイヤモンドのカットデザイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダイヤモンドおよび装身具のカットデザインに関し、特に従来のカットデザインよりも、質及びその量において、より輝きのあるダイヤモンドおよび装身具を提供できる新規なカットデザインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドを装飾に用いるためカットをして、輝いたダイヤモンドおよび装身具を得るために、58面体を持つブリリアントカットをした装飾用ダイヤモンドおよび装身具を得ている。
【0003】
ダイヤモンドを評価するための要素 4Cと呼ばれているものは、
1.カラット(重さ)
2.カラー(色)
3.カット(プロポーション、シンメトリー及びポリッシュ)
4.クラリティー(内包物の質と量)である。
【0004】
カラット(重さ)に関しては、従来ダイヤモンドの価値は、その大きさに応じて決められその目安として、その重さが評価の基準とされてきた。カラー(色)は、原石によって決まってくるもので、無色透明のもの程希少価値が高く良い物とされている。GIA(Gemological Institute of America の略) 評価で、D,E,Fグレードとなるのは無色透明のダイヤモンドであり、ちなみに、わずか黄色っぽく見えるものは、Kグレードなどとなる。カットデザインは輝きを導き出すためのものである。クラリティーは内包する不純物や傷であり、原石によって決まってくる。
【0005】
これらのうちカラーとクラリティーは原石によって決まるものであり、人が唯一手を加えることのできるものはカットデザインである。カットデザインによって輝き(ブリリアンシーやシンチレーション)が決まってくるので、できるだけ輝きを増すカットデザインが検討されてきた。
【0006】
その輝きを増すカットデザインとして数学者トルコフスキーが提唱しGIAシステムと呼ばれているものがあり、GIAシステムで理想的だとされているカットは、パビリオン角40.75度、クラウン角34.50度、テーブル径がガードル径対比53%である。そのカットでは、本来美しさを基準として評価を受けるべきものが、原石からの歩留まり率が重要視されて計算されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、更に輝きを増すことのできるダイヤモンドのカットデザインを提案することを目的としている。
【0008】
また、本発明では特定の方向から光を当てたときに輝きが極めて大きくなるカットデザインで、そのカットデザインを施したダイヤモンドに光を当てて観察したときに、反射光が瞬いて輝きの強弱が認識されるものを提案することを目的としている。
【0009】
また、ダイヤモンドに入射した光がダイヤモンド内部で分光して、テーブル面及びクラウン面から青色がかった反射光を返すことのできる、分光効果のあるカットデザインを提案することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
カットしたダイヤモンドはガードルよりも上部が通常台座から出ているので、ガードルよりも上部のクラウン面(スターファセット面、メインファセット面、アッパーガードルファセット面を含めて)とテーブル面からダイヤモンドの中に入った光のうち、クラウン面とテーブル面から出てくる光の方向を検討した結果、クラウン面から出てくる光にはクラウン面から入射したものとテーブル面から入射したものとがあり、テーブル面に出てくる光はクラウン面に入射したものであることが判明し本発明に至ったものである。
【0011】
本発明の装飾用ダイヤモンドのカットデザインは、上部にクラウン部とその下にパビリオン部とを有するダイヤモンドのカットデザインであって、クラウン面に入射してクラウン面から出射する光と、テーブル面に入射してクラウン面から出射する光と、クラウン面に入射してテーブル面から出射する光とが、ダイヤモンドのテーブル面から観察したときに同時に観察できるものである。そのために、本発明のカットデザインではパビリオン角pを45°以下で37.5°以上とするとともに、クラウン角cが
−3.5 ×p +163.6 ≧ c≧−3.8333×p +174.232
を満足する範囲にあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の装飾用ダイヤモンドのカットデザインは、ほぼ円錐台形をしたクラウン部と、その円錐台形下部にほぼ円錐形をしたパビリオン部とを有するカットデザインであって、
クラウン面に入射してクラウン面から出射する光と、テーブル面に入射してクラウン面から出射する光と、クラウン面に入射してテーブル面から出射する光各々の、入射光と出射光とのなす角度が一致するようにクラウン角とパビリオン角を決めたことを特徴とする。
【0013】
本発明の装飾用ダイヤモンドのカットデザインは、テーブル面の直径をガードル直径比0.60以下0.33以上、好ましくは0.55以下で0.38以上とするのがよい。
【0014】
前記において、パビリオン角pを45°以下で37.5°以上であるとともに、クラウン角cが
−3.75427 ×p+172.8166≧c≧−3.74167 ×p+171.4883
を満足する範囲にあることが好ましい。ここで、−3.7239×p+171.4315≧c≧−3.74167 ×p+171.4883を満足する範囲にクラウン角cがあることは、紫色光から暗青色光の波長範囲で3焦点角が一致するので青色の反射光を強める上から好ましい。更に、パビリオン角pが40°以下であることがより好ましい。
【0015】
本発明の装飾用ダイヤモンドのカットデザインでは、パビリオン部にあるメインファセットのガードル側頂点とダイヤモンド中心軸とを通る面上への、ダイヤモンド中心軸からパビリオン部にあるロワーガードルファセットのキューレット側頂点までの距離(半径)の投影Gdが約0.3以下がよい。0.25以下が更に好ましく、約0.2前後が特に好ましいものである。
【0016】
本発明に従ったパビリオン角とクラウン角を持つカットデザインのダイヤモンドは反射光が従来のカットデザインのものよりも強く、全体として明るく輝いている。更に、テーブル面を小さくしてクラウン面を大きくすることによって、クラウン面からの反射光およびクラウン面への入射光を有効に利用できるので装飾用ダイヤモンドとして有効である。
【0017】
また、クラウン面に入射してクラウン面から出射する光と、テーブル面に入射してクラウン面から出射する光と、クラウン面に入射してテーブル面から出射する光各々の、入射光と出射光とのなす角度が一致するので、反射光の輝く方向が断続的に生じる。そのために、ダイヤモンドに光を当てながら観察方向あるいはダイヤモンドの軸(テーブル面に垂直に立てた軸)の傾きを変えていくと、反射光の強い角度と弱い角度が断続して瞬いて輝きの強弱が観察されるので、強い反射光と相まって、ダイヤモンドの輝きを際だったものとしている。
【0018】
さらに、ダイヤモンドに入射して反射する光パターンが細かくなるのできらめきを大きくすることができる。また、ダイヤモンドに入射した光を分光させることができて、ダイヤモンドの色の質を制御することができる。ダイヤモンドの観察は白色光の下で通常行われるが、本発明のカットデザインをしたダイヤモンドは赤色光をパビリオン面で透過して青色光を反射する性質が強いので、反射光として青色の勝ったものがテーブル面やクラウン面から返される。この分光性能はパビリオン角とクラウン角を変えることで制御することができる。また、波長の長い赤色光の反射が生じるようにパビリオン角とクラウン角を設定すると、青色の反射とともに赤色の反射が生じるので、入射光の分光スペクトルが反射光のなかに見えるので、従来にない赤から紫までの色のハーモニーがはっきりと現れて色の美しさが得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によるダイヤモンド1のカットデザインの外観図を図1に、その断面図を図2に示していて、図1(A)は平面図、図1(B)は側面図、図1(C)は底面図である。ここで上面はテーブル面11であり、ガードル12よりも上部は略円錐台形をしたクラウン部で、テーブル面が円錐台の頂面を形成している。ガードル12よりも下部は略円錐形をしたパビリオン部でその頂点にキューレット13と呼ばれている部分がある。クラウン部の外周には通常8ヶのメインファセット14があり、テーブル外周とメインファセットとの間にスターファセット15が形成されているとともに、ガードル12とメインファセット14との間にアッパーガードルファセット16が形成されている。また、パビリオン部の外周には通常8ヶのメインファセット17が形成されているとともに、ガードルとメインファセットとの間にロワーガードルファセット18が形成されている。
【0020】
図2に示す断面図で、図1と同じ部分は同じ参照符号を用いて示している。ここで、クラウン部のメインファセット14がガードル水平断面(XY面)となす角度、すなわちクラウン角をcと示し、パビリオン部のメインファセット17がガードル水平断面(XY面)となす角度、すなわちパビリオン角をpと示している。本明細書では、クラウン部にあるメインファセット、スターファセット、アッパーガードルファセットをまとめてクラウン面、パビリオン部にあるメインファセット、ロワーガードルファセットをまとめてパビリオン面と呼ぶことがある。また説明上の理由から図2に示すようにダイヤモンド内に座標軸(右手系)を取って、そのz軸をテーブル面中央から上に向かって立て、その原点Oをガードル中央に置いている。なお、y軸は原点Oから紙面の裏側に向いているので示されていない。
【0021】
本明細書で光路の検討は以下に示すやり方で行った。
(1)ダイヤモンドはZ 軸を回転軸として45°毎に対称で、且つ45°の分割要素はその中央で面(例えばZX面)対称として、入出射光路の始点はこの要素の半分、22.5°の範囲で考察した。例えば、或る点から或る角度で入射する光の行方(出射点)とその光路をみるには、この22.5°範囲の点からの入射光を追う。この光路の対称性から全体の光路を推定した。
【0022】
(2)光路追跡の場合、光線を始点座標(Xi,Yi,Zi)と方位(l,m ,n)をもつベクトルで表し、ダイヤモンドの各面を面内にある既知の点座標(a,b,c )と法線方位(u,v,w) をもつベクトルで表した。このカットをしたダイヤモンドの面は45°の範囲でテーブル面、クラウンメインファセット、アッパーガードルファセット2 面,スターファセット、パビリオンメインファセット、ロワーガードルファセット2 面の計8 面とその45°ずつ7 回転した面になる。ガードル外周面は円筒面で高さが小さい範囲では影響が少ないので省略した。
【0023】
(3)光路、出射角、出射点、反射・屈折の判定(光線と面との交わり角)の計算はベクトル計算で行う。
【0024】
即ち、反射・屈折・出射点はこれらの直線と面の交点(連立式の解)として求められる。
直線の式:(x−Xi)/l=(y−Yi)/m=(z−Zi)/n
平面の式:u(x−a)+v(y−b)+w(z−c)=0
交点はこれらの連立方程式の解として求められ、各面との交点を逐次吟味して条件に合う正しい解を出した。
【0025】
入射・屈折時の光路の方向変化は屈折率と、入射光と面方位ベクトルの合成ベクトルで(変化後のベクトルが)求められる。反射の場合も合成ベクトルの形は異なるが、同様に求められる。変化後の光線はこの交点を始点とした直線で表現される。
【0026】
面と光線のなす角は法線ベクトルと光線の方位ベクトルのスカラ−積で求められ、この角度が臨界角よりも小さければ屈折して出射するし、大きければ反射していく。反射した場合は改めて変化後の光線と面との交点を求めて、同じ計算をした。
【0027】
(4)これらの光路の計算は視線(観測側から光源までをたどる)にも光線(光源から観測点まで)にも適宜適用した。即ち、出射側から光源までの光路を辿ることと、光源側から出射点まで光路を辿る計算方法は同じ原理に従って行った。
【0028】
(5)また、分離出射は、同一点から同時に入射した白色光が、例えば3 回目の屈折面で青側の光(スペクトラム)が全反射して赤側の光が臨界角以内で出射する入射条件・光路を選び出した。また、全反射して残った青色の光の行方は、上記方法で光路を求めた。
【0029】
ダイヤモンドの大きさ(サイズ)を規定するのに、テーブル径あるいは寸法(対ガードル直径の%)の他に、クラウン高さ、パビリオン深さ、トータル深さが用いられることもあるが、これらはテーブル径とパビリオン角pとクラウン角cが決まれば決まるものなので本明細書では言及しない。
【0030】
装身具に取り付けたダイヤモンドの観察は通常テーブル面に向かって行われる。図3に示すように、テーブル面に立てたz軸(中心線)上で、テーブル面11から、ある距離離れた位置(250 〜300mm )にいる観察者30が観察できる光には、
テーブル面11から入ってクラウン面14から出射した光(以下「t-to-c光」と呼ぶことがある)、
クラウン面14から入ってテーブル面11から出射した光(以下「c-to-t光」と呼ぶことがある)、
クラウン面14から入ってクラウン面14から出射した光(以下「c-to-c光」と呼ぶことがある)、
テーブル面11から入ってテーブル面11から出射した光(以下「t-to-t光」と呼ぶことがある)、がある。
【0031】
観察者から見て輝いていると感じるためには、ダイヤモンドの内部で反射した光の軸が、観察者のところに来ることが重要である。入射(光源)軸と出射軸の交差した位置を「焦点」と呼びその交差角を本明細書では「焦点角」と定義すると、c-to-t光とt-to-c光とc-to-c光それぞれの焦点角の差が、ある範囲内にあるときにこれら3つの反射光が同時に観察者のところに来る。3つの反射光の焦点角の差が約7.4 °以内の時には、ほとんどの大きさの照明下で、3つの反射光が観察者に観察される。さらにこれらの焦点角に一致するものがある場合に最も輝きが大になることがわかった。ここで、t-to-t光は極めて少ないので無視することができる。
【0032】
本発明のダイヤモンドのカットデザインでは、c-to-t光とt-to-c光の焦点とc-to-c光の焦点がともに存在する。t-to-c光の焦点が凸面鏡のように裏側に存在(その時の焦点角をプラスで表示する)するカットの場合に、c-to-c光にも焦点角が存在して、その焦点は凹面鏡のように前面に存在する。c-to-t光とt-to-c光の焦点がダイヤモンドの裏側、すなわち−z方向にあるときに、凸面鏡のアナロジーから、種々の方向からダイヤモンド1のテーブル面11及びクラウン面14に入射した光が、テーブル面11の前にいる観察者30に到達することが理解される。
【0033】
本発明ではこのときに、図4に示すようにc-to-c光の焦点角がマイナス(−f)となってテーブル面11の前(観察者側)で焦点を結ぶので、この光も観察者30に到達する。すなわち図3に示すように、ダイヤモンド1のテーブル面前方にある大きさをした光源20を置いたときに、光源20からの光のうち一方のクラウン面14(図3で上側のクラウン面)に入射した光が図5の光路を逆に進んでテーブル面11から出射してテーブル面11の前方にいる観察者30に到達する。同時に、光源20からの光のうち他方のクラウン面14(図3で下側のクラウン面)に入射した光が、図4の光路を逆に進んで、上側のクラウン面14から出射して、テーブル面11の前方にいる観察者30に同様に到達する。1カラットのダイヤモンドであっても、その直径すなわちガードル径は6.25mmと小さなものなので、図5のt-to-c光との焦点角(+f)と図4のc-to-c光の焦点角の絶対値が等しいときには、ダイヤモンド1で反射したt-to-c光とc-to-t光とc-to-c光とが平行になって観察者30に向かうので観察者からはこれら両方の光が一緒に観察されて、反射光の輝きが更に強くなる。この様子を図6に示している。このようにして、t-to-c光とc-to-t光とc-to-c光がともに観察者30に到達するので、輝きの大きなダイヤモンド1となる。
【0034】
c-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の存在
本発明の一実施態様によるカットデザインを施したダイヤモンドとして、パビリオン角p38°、クラウン角c29.5°、テーブル面直径t0.38(ガードル径対比で)のものを用いて、そのクラウン面、テーブル面にその面にほぼ平行な方向からz軸に対して直角な方向までの種々な角度で入射した光の出射する様子を図7〜11に示す。
【0035】
図7は、クラウン面上でガードル径比0.98の位置に−z軸方向から入射した光の光路を示す。この光のうち、Aの光はクラウン面にほぼ平行な方向からz軸に対して-12 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して反対側のクラウン面に行きそこで反射されて、反対側のパビリオン面に行きそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。Bの光はz軸に対して-12 °から+10 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して反対側のパビリオン面に行きそこで反射して、反対側のクラウン面の周辺から透過してダイヤモンドの上側に出ている。Cの光はz軸に対して+10 °から+32 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して、反対側のパビリオン面に行きそこで反射して、反対側のクラウン面に行きそこで反射して元のパビリオン面に行き、そこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。Dの光はz軸に対して+32 °から+60 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して、反対側のパビリオン面に行きそこで反射して、テーブル面から透過してダイヤモンドの上側に出ている。Eの光は、z軸に対して+60 °から直角までの範囲に入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して、反対側のパビリオン面に行ってそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。
【0036】
図8はクラウン面上でガードル径比0.8 の位置に−z軸方向から入射した光の光路を示す。この光のうち、Aの光はクラウン面にほぼ平行な方向からz軸に対して-38 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して反対側のクラウン面に行きそこで反射して、反対側のパビリオン面に行きそこでダイヤモンドの下側に出ている。BおよびCの光はz軸に対して-38 °から+58 °までの範囲で入射した光であり、これらはパビリオン面で反射して反対側のパビリオン面に行ってそこで反射して、反対側のクラウン面とテーブル面に行ってダイヤモンドの上側に出ている。これらのうちBの光はz軸に対して-38 °からz軸方向までの範囲であり、この光はすべて反対側のクラウン面から出ている。Cの光は−z軸方向からz軸に対して+58 °までの範囲であり、クラウン面の上部からテーブル面にかけての範囲から出ている。Dの光は、z軸に対して+58 °から直角までの範囲で入射した光であり、いずれも直接に反対側のパビリオン面に行ってそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。
【0037】
図9はクラウン面のテーブル近くの位置すなわち、ガードル径比0.4 離れた位置に−z軸方向から入射した光の光路を示している。Aの光は、クラウン面にほぼ平行な方向からz軸に対して+2°までの範囲で入射したものであり、パビリオン面で反射して、反対側のパビリオン面に行ってそこで反射して、反対側のクラウン面の上部近くからテーブル面にかけての所から透過してダイヤモンドの上側に出ている。Bの光は、z軸に対して+2°から直角までの範囲で入射した光であり、反対側のパビリオン面に行ってそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。
【0038】
図10はテーブル面の周辺近くすなわちガードル径比0.35離れた位置に−z軸方向から入射した光の光路を示している。Aの光は、テーブル面にほぼ平行の方向からz軸に対して-35 °までの範囲で入射した光であり、パビリオン面に行ってそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。Bの光は、z軸に対して-35 °から-10 °までの範囲で入射した光であり、パビリオン面で反射して、反対側のクラウン面に行って、そこで反射して、反対側のパビリオン面に行って更に何度かダイヤモンドの内部で反射している。Cの光は、z軸に対して-10 °から+48 °の範囲で入射した光であり、パビリオン面で反射して、反対側のクラウン面及びテーブル面に行って、そこで透過してダイヤモンドの上側に出ている。Dの光は、z軸に対して+48 °から直角までの範囲で入射した光であり、反対側のパビリオン面から透過してダイヤモンドの下側に出ている。
【0039】
図11はテーブル面の中央部すなわちガードル径比0.02のところに−z軸方向から入射した光の経路を示す。Aの光は、テーブル面にほぼ平行な方向からz軸に対して-35 °までの範囲で入射した光の経路であり、パビリオン面に行ってそこで透過してダイヤモンドの下側に出ている。Bの光は、z軸に対して-35 °から+35 °までの範囲で入射したものであり、そのうち-35 °から0 °までの範囲のものはパビリオン面に行ってそこで反射して、反対側のパビリオン面に行ってそこで反射して、反対側のクラウン面から透過してダイヤモンドの上側に出ている。0 °から+35 °までのものは、反対側のパビリオン面に行って、前に述べた光と対称な光路を辿ってクラウン面から透過してダイヤモンドの上側に出ている。Cの光は、z軸に対して+35 °から直角な方向までの範囲で入射したものであり、Aの光と対称な経路を通って反対側のパビリオン面から透過してダイヤモンドの下側に出ている。
【0040】
図7〜11から明らかなように、クラウン面に入射した光のうちダイヤモンドの中で反射して返ってくるもののほとんどの光は反対側のクラウン面から出てきて、一部がテーブル面から出てくる。テーブル面に入射した光の内ダイヤモンドの中で返ってくるもののほとんどの光はクラウン面から出てくる。これは同様な光路を従来のカットデザインについて解析した場合にはほとんどの光がテーブル面から出ているのと大きな違いである。
【0041】
図7〜11に示した光路のうち、−z軸方向に入射した光路のみを取り出して一つの図に示したのが図12である。この図で、(1)の光は図7に示した光のうち−z軸方向にクラウン面上でガードル近くに入射したものであって、反対側のクラウン面に出る((1′)として示す)。(2)の光は、図8に示したクラウン面上のほぼ中間に−z軸方向に入射したものであって、反対側のクラウン面の上部テーブル面との境界近くに出る((2′)として示す)。あるいはその光はテーブル面上で反対側クラウン面との境界近くに出る。(3)の光は、図9に示したクラウン面のテーブル面との境近くに入射したものであって、−z軸方向に入射して、テーブル面に出る((3′)として示す)。(4)の光は図10に示したテーブル面上のクラウン面との境界近くに入射したものであって−z軸方向に入射して、反対側のクラウン面に出る((4′)として示す)。(5)の光は図11に示したテーブル面上ほぼ中央に−z軸方向に入射したものであって反対側クラウン面に出る((5′)として示す)。
【0042】
光路は可逆性があるので、いずれの光路も逆方向に辿ることができるので、左側クラウン面に入射した(1′)の光は、右側クラウン面から(1)として+ z軸方向に出る。同様に(2′)(3′)(4′)(5′)の光は、各々(2)(3)(4)(5)として出る。
【0043】
左クラウン面上で(1′)と(2′)の間に入射した光は、右クラウン面上で(1)と(2)の間から出射する。すなわちこれらの光はクラウン面から入ってクラウン面から出射した光である。テーブル面上で(2′)と(3′)の間に入射した光は、右クラウン面上で(2)と(3)の間から出射するので、テーブル面から入ってクラウン面から出射した光である。左クラウン面上で(4′)と(5′)の間に入射した光は、テーブル面上で(4)と(5)の間から出射するので、クラウン面から入ってテーブル面から出射した光である。このように+z軸方向に出射してくる光にはc-to-c光、t-to-c光、c-to-t光があることがわかる。
【0044】
c-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の同時観察
c-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の3つの光があるので、ダイヤモンドの+z軸方向で観察しているときに、これら3つの光が+z軸方向に出てくると観察者から見て輝きの強いものとなる。
【0045】
光源はある大きさを持っており、また多数の光源が一般的に存在するので、ダイヤモンドには種々の方向からの光が入ってくる。+z軸方向で観察している観察者によって上記3つの光を同時に観察できるためには、これらの光の入射角の差が、すなわち焦点角の差が±7.4 °以内であればよいことが判明した。例えばダイヤモンドに3m離れた位置に1mの有効光量範囲が90%の直管蛍光灯で30°傾いた方向から光を照射すると、その光の照射角度は±7.4 °となる。
【0046】
パビリオン角pを37.6°、38.0°、38.4°、38.8°それぞれとしたダイヤモンドについて、+z軸方向に出射してくるc-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の焦点角がほぼ一致するようになるクラウン角c近傍の値を取るようにした場合の、パビリオン角p、クラウン角c、c-to-c光の焦点角、t-to-c光の焦点角、c-to-t光の焦点角、c-to-c光とt-to-c光の焦点角差、c-to-c光とc-to-t光の焦点角差を一覧に纏めたものを表1に示している。この表から明らかなように、焦点角差を±7.4 °以内に収めるためには、パビリオン角37.6°の時にクラウン角が30.1〜32.0°、パビリオン角38.0°の時にクラウン角が28.5〜30.6°、パビリオン角38.4°の時にクラウン角が27.0〜29.2°、パビリオン角38.8°の時にクラウン角が25.5〜27.8°であればよいことがわかる。この範囲は
c=−3.8333×p +174.232 ………(1)
c=−3.5 ×p +163.6 ………………(2)
の2本の直線で囲まれているパビリオン角pとクラウン角cの領域である。この領域を図15のグラフに示している。
【0047】
【表1】
【0048】
c-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の焦点角の一致
c-to-c光、t-to-c光、c-to-t光の入射光と出射光とが交差する角度すなわち3焦点角が一致する場合にその輝きが強くなるのである。すなわち3焦点角が一致する場合に、同じ光源からダイヤモンドに入射したc-to-c光、t-to-c光、c-to-t光が同時に観察者のところに出射して来るので更に輝きが強くなる。
【0049】
これらの焦点角はクラウン角、パビリオン角によって変化する。焦点角とクラウン角との関係をパビリオン角pをパラメータとしてグラフに示したものが図13であり、焦点角とパビリオン角との関係をクラウン角cをパラメータとしてグラフに示したものが図14である(これらのグラフは波長396.8nm の紫色光(スペクトルH線)を用いている)。これらのグラフから明らかなように、t-to-c光とc-to-t光の焦点角はクラウン角、パビリオン角の増加とともに減少していき、これらの曲線はほぼ同じ位置にある。しかし、c-to-c光の焦点角はクラウン角、パビリオン角の増加とともに大きく増加している。これらの焦点角が一致するクラウン角、パビリオン角を持ったカットの時に輝きを増す。例えば、クラウン角29.5°、パビリオン角38°の時に3焦点角が一致して輝きを強め合うのである。これ以外にもクラウン角28.5°、パビリオン角38.25 °などのときに3焦点角が一致する。
3焦点角が一致するクラウン角cとパビリオン角pの間には図15に示すように、波長396.8nm の紫色光(スペクトルH線)を用いた場合に、近似的に
c=−3.74167 ×p+171.6883………………(3)式
の関係があることがわかった。
【0050】
ダイヤモンドの観察は通常白色光を用いて行われる。白色光は、暗赤色光(759.4nm )から紫色光(396.8nm )までの波長の光が混ざったものなので、これらのいずれかの光で3焦点角が一致する場合に輝きを強め合うことになる。波長759.4nm の暗赤色光で3焦点角が一致するためにはクラウン角cとパビリオン角pの間には近似的に
c=−3.75427 ×p+172.6166………………(4)式
の関係があり、この直線も図15に示している。
【0051】
図15で(3)の直線と(4)の直線に挟まれている領域にあるクラウン角cとパビリオン角pを持ったダイヤモンドは白色光のいずれかの光に対して一致した3焦点角を持つ。
【0052】
本発明のカットデザインを持ったダイヤモンドは後で述べるように入射光がダイヤモンド内部で分光する。そのために、上の(4)の直線に近い領域のクラウン角cとパビリオン角pを持っている場合、白色光を入射すると入射光のスペクトルが分光して赤色から紫色まで分光した色がダイヤモンドの観察面(テーブル面とクラウン面)に現れてくる。
【0053】
パビリオン角pとクラウン角cの範囲
本発明において3焦点角の一致するクラウン角cとパビリオン角pは図15の(3)と(4)の直線に囲まれた範囲にあるという関係にあるが、更にパビリオン角pは45°以下で37.5°以上であることが好ましい。
【0054】
パビリオン角pが45°の場合、入射光と反射光とは平行となっていて、3焦点角はいずれも0 °で一致している。すなわち、観察者の方向から入射光がダイヤモンドに入射して、観察者の方向に出射する。
【0055】
観察者の背後にある光源からダイヤモンドに向かった入射光がダイヤモンドに入射して、ダイヤモンドで反射してダイヤモンドのz軸方向に250mm から300mm 離れている観察者に反射光が向かうには入射光と反射光の間に18°程度の角度が必要である。入射光と反射光とのなす角度が18°以上となるためには、パビリオン角が40°以下である必要がある。そこでパビリオン角が40°以下にすることがより好ましい。
【0056】
また、パビリオン角が37.5°未満になるとクラウンメインファセットの上部すなわちテーブルとの稜に近いところに入射した光がパビリオン面のキューレットに近いところからダイヤモンドの裏に漏れてしまう。逆に言うと、ダイヤモンドの+z軸方向にいる観察者に、クラウンメインファセットの上部から出てくる光がなくなってその部分が暗く見えてしまう。そのためにパビリオン角は37.5°以上は必要である。
【0057】
許容誤差
3焦点角が一致するようになるクラウン角、パビリオン角の間には上記のような関係があるが、クラウン角については±0.2 °、パビリオン角では±0.05°程度まで許容される。
【0058】
観察者の目へ入る光の角度で1 °程度の違いはほぼ同じ光源からの光と受け取れるので、焦点角の違いを1 °以下にすることが出来るようにクラウン角とパビリオン角を規定するのが好ましい。焦点角へのクラウン角の影響は図13からわかるように、c-to-c光に対しては5.29°/ クラウン角1 °であり、t-to-c光とc-to-t光では-1.74 °/ クラウン角1 °である。より大きな影響を受けるc-to-c光の焦点角の変動を1 °以下にするには、クラウン角を0.2 °以内の変動にすることが好ましい。
【0059】
焦点角へのパビリオン角の影響は図14からわかるように、c-to-c光では19.08 °/ パビリオン角1 °であり、t-to-c光とc-to-t光では-9.92 °/ パビリオン角1 °である。より大きな影響を受けるc-to-c光の焦点角の変動を1 °以内にするには、パビリオン角を0.05°以内にすることが好ましい。
【0060】
そこで焦点角の変動を1 °以内まで許容すると、クラウン角で0.2 °まで許されるので、図15で(3)の直線からクラウン角で-0.2°、(4)の直線からクラウン角で+0.2°それぞれ平行移動した直線で挟まれる範囲にクラウン角とパビリオン角があればよい。そこで、クラウン角cとパビリオン角pは次の2式で囲まれる範囲にあれば、白色光の3焦点角が一致する。
【0061】
c=−3.74167 ×p+171.4883………………(3′)式
c=−3.75427 ×p+172.8166………………(4′)式
白色光の3焦点角が一致するクラウン角cとパビリオン角pの関係を上に述べたが、青い輝きの強い反射光とするためには、紫色光(396.8nm )から暗青色光(486.1nm )の範囲で3焦点角が一致する必要がある。暗青色光(486.1nm )の3焦点角が一致するのは図15で太破線のグラフである。そのグラフは近似的に
c=−3.7239×p+171.2315………………(5)式
で示すことができる。そこで紫色光(396.8nm )から暗青色光(486.1nm )の混じった光で、3焦点が同時に存在するためには、焦点角の変動誤差を考慮して、(3)式からクラウン角で-0.2°、(5)式からクラウン角で+0.2°変えた線の間にクラウン角とパビリオン角がある必要がある。そこでクラウン角cとパビリオン角pは次の2式(3′)と(5′)で囲まれる範囲にあればよいことになる。なお、図15には(5′)の直線はグラフが煩わしくなるので図示していない。
【0062】
c=−3.74167 ×p+171.4883………………(3′)式
c=−3.7239×p+171.4315………………(5′)式
テーブル面の大きさ
本発明ではテーブル面を小さくして、クラウン面を大きくすることが好ましいものである。そこでテーブル面の直径tをガードル直径対比で0.60以下0.33以上とすることができるが、クラウン面を大きくするためにはテーブル面の直径を0.55以下0.38以上更に好ましくは0.50以下とするのがよい。図7〜12に示すとともに、上で説明したように、本発明のカットデザインではc-to-c光が多いのでクラウン面を大きくするためにテーブル面の直径を従来のものよりも小さくしている。
【0063】
従来のカットであるクラウン角c34.5°、パビリオン角p40.75 °、テーブル径t0.53としたときの光路を検討した結果を図16に示す。図12と同様にz軸方向となる出射光について入射光との関係を示しているが、クラウン面に出てくる光はテーブル面に入射したもので、テーブル面に出てくる光はクラウン面とテーブル面に入射したものであり、上の説明で使った記号を用いればt-to-c光とc-to-t光は存在するが、c-to-c光は存在しない。このように従来のカットデザインではテーブル面での輝きの大きいものであった。そのためにテーブル面の直径をガードル直径対比で0.53程度としていたことは理由のあることであった。
【0064】
しかし本発明の場合、テーブル面の直径をガードル直径対比でできるだけ小さくすることによってクラウン面の面積を大きくすることが出来て、クラウン面の輝きを増すことができる。しかしテーブル直径が0.55を超えると、−z軸方向に入射した光のうちテーブル周辺に入った光がパビリオン面周辺から下に漏れる。すなわちテーブル面やクラウン面に入射した光では、テーブル面周辺から出てくる光がなくなって、テーブル面周辺が暗くなる。テーブル径を大きくするに従いその暗い部分が大きくなっていく。テーブル径を0.55以下で0.38以上とすると、テーブル面とクラウン面に暗い部分がなく、それらの面が明るくなる。しかし、テーブル面の直径を0.38未満にすると−z軸方向に入射した光のうちクラウン面上部(テーブルに近い部分)に入った光がパビリオン先端から漏れる。すなわち、テーブル面やクラウン面に入射した光ではクラウン面上部から出てくる光がなくなって、クラウン面上部が暗くなる。テーブル面を小さくするに従い、クラウン面が大きくなって、クラウン面上部の暗い部分が大きくなっていく。テーブル径が0.33未満になると、この暗い部分が極めて大きくなる。
【0065】
以上述べた理由によってテーブル径はガードル径比で0.60以下0.33以上とすることができるが、望ましくは0.55以下0.38以上がよく、更に望ましいのは0.50以下で0.38以上である。
【0066】
きらめき
ダイヤモンドによる反射光は、ブリリアンシィ(反射量)、シンチレーション(きらめき)、及びファイアあるいはディスパージョン(分光)の程度で評価されることが多い。これらのうちブリリアンシィは反射光の強さ、反射量なので本発明のカットデザインを持ったダイヤモンドはクラウン面とテーブル面から出てくる光について入射光と出射光とのなす角度が一致するので以上詳細に述べたように、ブリリアンシィに優れている。
【0067】
本発明のダイヤモンドは、従来のカットデザインを持ったダイヤモンドよりもシンチレーション及びディスパージョンにおいても優れている。ダイヤモンドの通常の観察面であるテーブル面とクラウン面に、種々の方向からの光が入射して、ダイヤモンド内部で反射してテーブル面及びクラウン面から出射するが、本発明のダイヤモンドではクラウン面に生じる反射光のパターンが細かくなり、すなわちきらめき(シンチレーション)の大きなものとなっている。
【0068】
また、本発明のダイヤモンドではテーブル面とクラウン面に種々の方向から光が入射したときに、クラウン面特にメインファセット(クラウン面)やアッパーガードルファセットから出る光の分光角が大きくなって色が付いて見える。すなわちディスパージョンに優れたものとなっている。
【0069】
このシンチレーションとディスパージョンには、クラウン部にあるアッパーガードルファセットとパビリオン部にあるロワーガードルファセットが特に寄与していて、本発明ダイヤモンドのようにパビリオン角とクラウン角が小さいと、ロワーガードルファセットとアッパーガードルファセットの間のなす角度が小さくなるので、ダイヤモンド内部に入射した光がダイヤモンド内部で約8回も反射を受ける(従来のカットデザインでは通常3〜4回)ので、シンチレーション、ディスパージョンが大きくなっている。
【0070】
ここで図1を参照して、パビリオン部にあるメインファセット17のガードル側頂点171とダイヤモンド中心軸(Z軸)を通る面(ZX面)上への、ダイヤモンド中心軸(Z軸)からパビリオン部にあるロワーガードルファセット18のキューレット側頂点181までの距離(半径)の投影をGdとおく。Gdは、パビリオンロワーガードルファセットのキューレット側頂点181までのZX面上でのZ軸からの距離であり、実質的に中心軸(Z軸)からの直接の距離にcos22.5 °を乗じた値である。Gdの大きさはシンチレーションとディスパージョンに影響を持つ。Gdが小さくなるに従い、ロワーガードルファセットの面積が大きくなるとともに、ロワーガードルファセットのアッパーガードルファセットに対する角度が小さくなるので、反射光のパターンが細かくなり、同時に細かくなったパターンがクラウン面の周辺部に集まってくるのでより細かく見えるようになる。Gdの大きさはガードル半径を1と置いたときに、約0.3以下がよい。0.25以下が好ましく、約0.2前後が特に好ましい。
【0071】
また、テーブル面直径をガードル直径対比で小さくすると、クラウン面が大きくなり、それに伴いクラウン部にあるスターファセット、メインファセット、アッパーガードルファセットが大きくなる。そのためにシンチレーションとディスパージョンの大きい部分の面積が大きくなる。
【0072】
スターファセット15とアッパーガードルファセット16の面積比率を変えて、アッパーガードルファセット16をダイヤモンド中心軸に対して立てていくと、アッパーガードルファセットからの反射光が明るくなり、ダイヤモンドの周辺が明るく輝いてくる。
【0073】
観察によって以上のことがわかるが、光路を計算で追跡することによって以下のことを確認した。
【0074】
反射光のきらめき、すなわちシンチレーションを確認するために、テーブル面とクラウン面とに光が種々の方向から入射してダイヤモンド内部で反射された光路を計算して、テーブル面とクラウン面からZ軸方向に出射してくる光の強度パターンを求めた。波長550 nmの光(屈折率2.423)を用い、ダイヤモンドのテーブル面とクラウン面上に付けた0.01×0.01(ガードル半径を1としたときの比率で示す)間隔の升目毎に、Z軸方向に出てくる光の強度を、ダイヤモンドへの入射光強度との比で求めた。強度をダイヤモンド上面の1/16(22.5°分)周分をグラフ化した。ダイヤモンドは1/8周分づつがZ軸に対して回転対称となっているとともに、各1/8周分はそのZ軸を含む中央面に対して面対称となっているので、1/16周分を求めればそれが全体を代表することになる。
【0075】
本発明のダイヤモンドとして、パビリオン角38.5°、クラウン角27.9°を持ってテーブル面直径をガードル直径対比0.5であって、Gdを0.33と0.16にしたものを用いて、反射光強度パターンを得て、それを各々図18,19に示す。また、パビリオン角38.5°、クラウン角27.9°の本発明のカットデザインで、テーブル面直径を0.38と小さくしたもので、Gdを0.16としたダイヤモンドの反射光強度パターンを図20に示している。比較例として、パビリオン角40.75°、クラウン角34.5°の従来カットを持って、テーブル面直径0.53,Gd0.314としたダイヤモンドの反射光強度パターンを図21に示している。図18〜21で図中に示している数字は各パターンの代表的な反射光強度で、図にはダイヤモンドをZ軸方向から見たときの上面に現れるカット線を合わせて示している。
【0076】
従来のカットデザインを持ったダイヤモンドの光強度パターンに比べて、本発明のダイヤモンドの光強度パターン図18〜20はより細かくなっている。図18〜20を互いに比較すると、テーブル面直径を小さくした図20は図18,19よりも細かくなっており、また図18と19を比較するとGdを0.16とした図19はGdが0.33のものよりも細かくなっている。
【0077】
これらの図から本発明のダイヤモンドの反射光強度パターンは従来のものよりも細かくなっているとともに、本発明のダイヤモンドのなかではテーブル面直径を小さくするに従い、またGdを小さくすると光強度パターンが小さくなることがわかる。
【0078】
分光
クラウン面に入射した光がダイヤモンド内部で分光している様子を調べた。対象としたのは、本発明のカットデザインを施したダイヤモンドでクラウン角c26.7°、パビリオン角p38.75 °、テーブル直径0.38、ガードル高さ0.026 を持ったものと、従来のカットデザインを施したクラウン角c34.5°、パビリオン角p40.75 °、テーブル直径0.53、ガードル高さ0.026 を持ったダイヤモンドについて、クラウン面のうちメインファセット面とアッパーガードルファセット面に入射した光について調べた。
【0079】
光線として760nm 〜400nm までの波長の混じった白色光を用い、入光位置を0.0125×0.025 (ガードル直径を1 としたときの比率で示す)間隔としてz軸との傾きを2 °刻みで90°まで、XY面内方向角φを45°毎の8 方向から入射する光線の光路で、どこかの面で分光した結果の赤成分光の入射角が赤の臨界角以下で、同時に青成分光の入射角が青の臨界角以上で、すなわち赤成分光は24.51 °以下、青成分光は23.936°以上の角度で反射・屈折する点を求めてその位置と光線数を数えた。
【0080】
赤成分光が24.51 °以下、青成分光が23.936°以上の時、その反射、屈折点で、同一点から入射した白色光の赤成分は外に透過して、青から紫の色が反射するので、赤と青あるいは紫との分光がされて、青色光だけが反射されてくる。この分離出射光線の数を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
この表からわかるように、アッパーガードルファセットからの入射光で650nm 以上の波長が分離して外に出る光線量は5%になり、これは従来のカットに比して総量割合ともに倍になっている。
【0083】
ここで分離出射光線の数を検討したのは、パビリオン角が38.75 °の場合であるが、本発明のカットデザインでパビリオン角pを38°から大きくしていくに従い、分離出射光線数が多くなり、パビリオン角p38.75 °で最大となる。それ以上のパビリオン角では次第に分離出射光線数が少なくなり、パビリオン角p40°では従来のカットと同様に極めて少なくなった。この様子を図17のグラフに示している。図17で、横軸はパビリオン角pであり、△で示しているプロットはアッパーガードルファセットに入射した光のうち分離出射した光線の数を、□で示しているプロットはクラウンメインファセットに入射した光のうち分離出射した光線の数を示している。パビリオン角pを40°(クラウン角c:21.75 °)とした場合には、従来カットの場合と同程度の分離出射光線数となった。このことからも、パビリオン角は40°以下にする必要があることがわかる。
【0084】
入射光として760nm〜400nmまでの波長の混じった白色光を用い分光によってクラウン面とテーブル面に付く色パターンを調べた。反射光のうち波長686.4nmの赤(屈折率2.4073)と波長430.8nmの青(屈折率2.4514)の出射角度差を求めて、それを分光(ディスパージョン)の大きさとした。入光位置と入光角はシンチレーションの分布を求めたときのものと同じで、分光をダイヤモンドの上面1/16(22.5°)周分について求めて図に角度差パターンを示した。この角度差パターンは上面からダイヤモンドを観察したときの色パターンとして見えるものを示していることになる。
【0085】
パビリオン角38.5°、クラウン角27.9°の本発明のカットデザインを持っているダイヤモンドで、テーブル直径0.5であって、Gdを0.33と0.16にしたものの反射光の角度差パターンを各々図22と23に示している。また、同じカットデザインを持ったダイヤモンドでテーブル直径を0.38と小さくして、Gdを0.16としたものの反射光の角度差パターンを図24に示している。比較例として、パビリオン角40.75°、クラウン角34.5°の従来のカットを持って、テーブル面直径0.53であって、Gd0.314としたダイヤモンドの反射光角度差パターンを図25に示している。
【0086】
従来のカットデザインを持ったダイヤモンドの反射光角度差パターン(図25)に比べて、本発明の角度差パターン図22〜24はより大きくなっている。このためにダイヤモンドに色が付いて見えるようになり、クラウン部のメインファセットやアッパーガードルファセットは、光パターンが細かくなったことに加えて、反射光に色が付いていて、細かい青色模様が見える。
【0087】
ルビー、サファイア、ジルコニア、アレキサンドライトなどにおいても、本発明にあるように3焦点角を一致させることによって、輝きを増すことができる。ルビー、サファイアなどはそれぞれ特徴的な色を呈しているが、それぞれの色を強くして、より美しく見えるようになる。
【0088】
【発明の効果】
以上本発明を58面体カットをしたダイヤモンドについて作用効果を説明してきたが、3焦点角が一致するようにカットされているデザイン、あるいはパビリオン角とクラウン角が本発明の範囲であれば、58面体カットに限定されることなく他のラウンドブリリアントカット、オーバル形、エメラルド形、ピアシェープやトリリアント形などにも適用できることは明らかであろう。
【0089】
以上詳しく説明したように、本発明の装飾用ダイヤモンドのカットデザインでは、全体として反射光が強いだけでなく、特定の方向への出射光が多いので、その方向への輝きが増して、きらきらと輝くようになった。
【0090】
またクラウン面からの出射光が多いので、テーブル面を小さくしてクラウン面の面積を大きくしたことによって輝きが強くなった。
【0091】
またダイヤモンド内部での分光が生じて、青色光が強くクラウン面に出るので、ダイヤモンドの色を青く見せるようになる。さらに、赤色から青色までの色のスペクトルを反射光のなかに現れるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダイヤモンドのカットデザインの外観図で、図1(A)は平面図、図1(B)は側面図、図1(C)は底面図である。
【図2】本発明によるダイヤモンドのカットデザインの断面図である。
【図3】本発明のダイヤモンドを観察する場合の説明図である。
【図4】 c-to-cの反射光を説明する図である。
【図5】 t-to-cの反射光を説明する図である。
【図6】3焦点角の一致する様子を説明する図である。
【図7】クラウン面に入射した光の光路を説明する図である。
【図8】クラウン面に入射した光の光路を説明する図である。
【図9】クラウン面に入射した光の光路を説明する図である。
【図10】テーブル面に入射した光の光路を説明する図である。
【図11】テーブル面に入射した光の光路を説明する図である。
【図12】図7〜11の光路のうち−z軸方向に入射した光の光路を説明する図である。
【図13】焦点角とクラウン角の関係をパビリオン角をパラメータとして示すグラフである。
【図14】焦点角とパビリオン角の関係をクラウン角をパラメータとして示すグラフである。
【図15】3焦点の存在するクラウン角とパビリオン角の関係を示すグラフである。
【図16】従来のカットにおける−z軸方向に入射した光の光路を説明する図である。
【図17】分離出射光線数とパビリオン角の関係を示すグラフである。
【図18】本発明のダイヤモンドの反射光パターンを示す図である。
【図19】本発明のダイヤモンドの反射光パターンを示す図である。
【図20】本発明のダイヤモンドの反射光パターンを示す図である。
【図21】従来のダイヤモンドの反射光パターンを示す図である。
【図22】本発明のダイヤモンドの反射光角度差パターンを示す図である。
【図23】本発明のダイヤモンドの反射光角度差パターンを示す図である。
【図24】本発明のダイヤモンドの反射光角度差パターンを示す図である。
【図25】従来のダイヤモンドの反射光角度差パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド
11 テーブル面
12 ガードル
13 キューレット
14 メインファセット(クラウン面)
15 スターファセット
16 アッパーガードルファセット
17 メインファセット
18 ロワーガードルファセット
20 光源
30 観察者
Claims (9)
- 上部にクラウン部とその下にパビリオン部とを有するダイヤモンドのカットデザインであって、
パビリオン角pを45°以下で37.5°以上とするとともに、クラウン角cが
−3.5 ×p +163.6 ≧ c≧−3.8333×p +174.232
を満足する範囲にあることを特徴とする装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。 - ほぼ円錐台形をしたクラウン部と、その円錐台形下部にほぼ円錐形をしたパビリオン部とを有するダイヤモンドのカットデザインであって、
クラウン面に入射してクラウン面から出射する光と、テーブル面に入射してクラウン面から出射する光と、クラウン面に入射してテーブル面から出射する光各々の、入射光と出射光とのなす角度が一致するようにクラウン角とパビリオン角を決めたことを特徴とする装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。 - テーブル面の直径をガードル直径比0.60以下で0.33以上としたことを特徴とする請求項1あるいは2記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。
- テーブル面の直径をガードル直径比0.55以下で0.38以上としたことを特徴とする請求項3記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。
- パビリオン角pを45°以下で37.5°以上とするとともに、クラウン角cが
−3.75427 ×p+172.8166≧c≧−3.74167 ×p+171.4883
を満足する範囲にあることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。 - パビリオン角pとクラウン角cが
−3.7239×p+171.4315≧c≧−3.74167 ×p+171.4883
を満足する範囲にあることを特徴とする請求項5記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。 - パビリオン角pを40°以下で37.5°以上としたことを特徴とする請求項1,5あるいは6記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。
- パビリオン部にあるメインファセットのガードル側頂点とダイヤモンド中心軸とを通る面上への、ダイヤモンド中心軸からパビリオン部にあるロワーガードルファセットのキューレット側頂点までの距離(半径)の投影Gdが0.3以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。
- Gdが0.25以下であることを特徴とする請求項8記載の装飾用ダイヤモンドのカットデザイン。
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