JP2000005993A - ダイヤモンドのカット方法及びダイヤモンドのプロポーション - Google Patents

ダイヤモンドのカット方法及びダイヤモンドのプロポーション

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JP2000005993A JP10169676A JP16967698A JP2000005993A JP 2000005993 A JP2000005993 A JP 2000005993A JP 10169676 A JP10169676 A JP 10169676A JP 16967698 A JP16967698 A JP 16967698A JP 2000005993 A JP2000005993 A JP 2000005993A
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diamond
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Hisatake Shudo
尚丈 首藤
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    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44CPERSONAL ADORNMENTS, e.g. JEWELLERY; COINS
    • A44C17/00Gems or the like
    • A44C17/001Faceting gems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の58面体のラウンドブリリアンカット
のダイヤモンドにおいては、テーブルが角を二分割する
基準線に基づき正八角形に形成されていることから、各
部の厚さ、深さ及び角度が一律に決定され、カットされ
たダイヤモンドは、素材が同じであれば略一律にブルー
に光輝し、発色に変化のないものとなってしまい、高級
感がさせないこと。 【解決手段】 本発明に係るダイヤモンドのカット方法
及びそのプロポーションは、クラウンにおけるテーブル
を3の正の整数倍の数で割った角度の角形状に形成する
ことで、クラウンに形成されるスター・ファセット、ア
ッパー・メイン・ファセット、アッパー・ガードル・フ
ァセットのカット数が従来の58面カットとは異なった
ものとなり、また、ガードルの径に対する各部の比率を
特定した値の範囲に設定することで各部の形状、高さ及
び深さ等が確立されるのであり、それによって輝度が高
く、且つ従来に見られないような多色に光輝する高級ダ
イヤモンドが得られるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガードルの上部に
クラウンが形成されると共に、ガードルの下部にパビリ
オンが形成されるダイヤモンドカットにおいて、そのカ
ット方法と該カット方法によって得られたダイヤモンド
のプロポーションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にこの種のダイヤモンドのカット
方法及びダイヤモンドのプロポーションとしては、いわ
ゆる58面体のラウンドブリリアンカットによるダイヤ
モンドが著名であり公知になっている。
【0003】この従来例における58面体のラウンドブ
リリアンカットのダイヤモンドとしては、特開平9−1
105号公報に開示された構成を有している。なお、こ
の従来例においては、58面体のラウンドブリリアンカ
ットそのものを発明の対象とはしていないで、ガードル
のカット形状が発明の対象になっている。
【0004】ところで、一般的に58面体のラウンドブ
リリアンカットのダイヤモンドは、クラウンの頂部に形
成されるテーブルが平面から見て八角形に形成されるこ
とが絶対要件であり、その八角形の角度割は、円の中心
を通る基準線を引いて円の角度360°を二分割して1
80°とし、その基準線に対して直角に交わる第2の基
準線を引いて全体を四分割して90°にし、更に、その
90°の角を夫々二分割するように45°の線を引き、
更にテーブルの広さを決定する円を描き、その円と各分
割線との交点を隣接同士間において直線で結ぶことによ
りテーブルの正八角形が形成される。
【0005】そして、その正八角形のテーブルからガー
ドルに至る部分にスター・ファセット、アッパー・メイ
ン・ファセット(ベゼル・ファセット)及びアッパー・
ガードル・ファセットのカットが施されて33面カット
のクラウンの部分が形成されている。
【0006】また、ガードルの下部に形成されたパビリ
オンは、前記テーブルの八角形の分割線に沿うキール・
ラインで分割された各エリアに、ロウワー・ガードル・
ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成
され、底部中心部にキューレットのカットが施され、2
5面カットのパビリオンの部分が形成されている。
【0007】このような58面体のラウンドブリリアン
カットのダイヤモンドにおいて、ガードルの直径を10
0%としたときに、全高を60.4%とし、テーブルの
径を55%、クラウンの厚さを15.4%、パビリオン
の深さを43%としている。この比率はA.G.S.の
プロポーションの基準となっているものであり、この時
のクラウンの傾斜角度が34°で、パビリオンの傾斜角
度が41°になっている。
【0008】その他に、G.I.A.またはS.D.
N.等の基準によれば、ガードルの直径を100%とし
たときに、全高が59.2〜60.4%となっており、
テーブルの径が53〜57.5%、クラウンの厚さが1
4.6〜19%、パビリオンの深さが40〜43.1%
の範囲となっている。また、クラウンの傾斜角度も3
4.1/2〜40.06°の範囲で、パビリオンの傾斜
角度が38.40〜40.3/4°の範囲になってい
る。
【0009】そして、このような基準に基づいてカット
された58面体の公知のラウンドブリリアンカットのダ
イヤモンドは、その輝度に多少の差があるものの、その
ほとんどがブルーに輝くものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来例に
おける58面体のラウンドブリリアンカットのダイヤモ
ンドにおいては、テーブルが正八角形に形成されている
ことから、角を二分割する基準線に基づく、いわゆる
2、4、8、16のように2の倍数でテーブルの角が決
定されると共に、各部の厚さ、深さ及び角度が一律に決
定されている。そのために、カットされたダイヤモンド
は、素材が同じであれば略イエロー〜ブルーの間で光輝
するものであり、発光色にあまり変化のないものとなっ
ている。
【0011】この種のダイヤモンドで、紫色に光輝する
ものが高級であるとされているが、これは素材によるも
のの他に、カットの仕方によってもプリズム効果の関係
で種々の発色の変化が期待できるのであり、素材が同じ
であっても趣の違った高級なダイヤモンドが得られるの
であり、従来技術におけるカットの仕方に解決しなけれ
ばならない課題を有している。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、ガードル上部にクラウ
ンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形
成されるダイヤモンドであって、クラウンにおけるテー
ブルは、円周の360°の角度を3の正の整数倍の数で
割った角度を設定して基準線を設け、テーブルの径がガ
ードルの径の略50〜53%になるように第1の円弧線
を設け、これら基準線と第1の円弧線との交点を隣接同
士で直線で結ぶことにより、設定した角形状を確立さ
せ、基準線間に2等分線を引くと共に、第1の円弧線と
外径との中間部に第2の円弧線を設け、2等分線と第2
の円弧線との交点に、テーブルの各角部から線を引くこ
とでスター・ファセットの形状を確立させ、更に、2等
分線と第2の円弧線との交点と、基準線と外径との交点
とを夫々線で結ぶことにより、アッパー・メイン・ファ
セットの形状を確立させると共に、アッパー・メイン・
ファセットと外径との間に対をなすアッパー・ガードル
・ファセットの形状を確立させ、これら確立させた各形
状に沿ってカットすることを特徴とするダイヤモンドの
カット方法、を提供すること、更に、ガードル上部にク
ラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオン
が形成されるダイヤモンドであって、ガードルの直径を
100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さを略
64%にし、クラウンの高さを略15.7%とし、パビ
リオンの高さを略48.3%とし、ガードルの最大の幅
を1.2〜1.4%とし、クラウンにおけるテーブル
は、3の正の整数倍の角形に形成し、その径を略50〜
53%にすると共に、スター・ファセットと、アッパー
・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセ
ットとが形成され、パビリオンは、テーブルの角形に対
応したキールラインで区画され、各区画されたエリア内
にロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイ
ン・ファセットとが形成されると共に、底部中心部にキ
ューレットが形成されていることを特徴とするダイヤモ
ンドのプロポーション、を提供するものである。
【0013】そして、前記ダイヤモンドのカット方法に
おいては、ガードルの直径を100%としたときに、ダ
イヤモンドの全体の高さを略64%にし、クラウンの高
さを略15.7%に設定し、パビリオンの高さを略4
8.3%に設定し、ガードルの最大の幅を略1.2〜
1.4%に設定してカットすること;及び、クラウンと
パビリオンとのなす角度を略77°に設定してカットす
ることを付加的な要件として含むものである。
【0014】また、前記ダイヤモンドのプロポーション
においては、クラウンに形成されたテーブルと、スター
・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、ア
ッパー・ガードル・ファセットとで37面または49面
カットが確立され、パビリオンに形成されたロウワー・
ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセッ
トと、キューレットとで28面または37面カットが確
立され、全体として65面または86面カットとなるこ
と;及び、クラウンとパビリオンとのなす角度が略77
°に設定してあることを付加的な要件として含むもので
ある。
【0015】本発明に係るダイヤモンドのカット方法及
びそれによって得られるプロポーションにおいては、ク
ラウンにおけるテーブルを3の正の整数倍の数で割った
角度の角形状に形成することで、クラウンに形成される
スター・ファセット、アッパー・メイン・ファセット、
アッパー・ガードル・ファセットのカット数が従来の5
8面カットとは異なったものとなり、また、ガードルの
径に対する各部の比率を設定することで各部の形状、高
さ及び深さ等が確立されるのであり、それによって輝度
が高く、且つ従来に見られないような多色に光輝するダ
イヤモンドが得られるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明を図示の実施例により
更に詳しく説明する。図1〜7に第1の実施形態を示す
ものであり、カットされたダイヤモンドのプロポーショ
ン1は、ガードル2の上部にクラウン3が形成されると
共に、ガードル2の下部にパビリオン4が形成された、
いわゆる形状的にはラウンドブリリアンカットに類似す
るものである。
【0017】本発明においては、まず、クラウン3にお
けるテーブル5を九角形状に形成したものであり、その
九角形状の各辺に沿ってスター・ファセット6が形成さ
れ、各隣接するスター・ファセット6間にアッパー・メ
イン・ファセット(ベゼル・ファセット)7が形成さ
れ、更に、各隣接するアッパー・メイン・ファセット7
間に対をなすアッパー・ガードル・ファセット8が形成
され、37面カットのクラウン3が形成されるのであ
る。そして、更に、各アッパー・ガードル・ファセット
8とガードル2との間に、エキストラ・ファセット9が
形成されることもあるが、これらはガードル2の形成時
において「へこみ」として生ずる場合があるので、実質
的なカット面として数えない。
【0018】パビリオン4は、図3に示したように、前
記テーブル5の九角形状に対応するキール・ライン10
に沿って区画されており、各区画されたエリア内におい
て、対をなすロウワー・ガードル・ファセット11と、
ロウワー・メイン・ファセット(パビリオン・ファセッ
ト)12とが形成されると共に、底部中心部にキューレ
ット13が形成されて、28面カットのパビリオン4が
形成される。
【0019】そして、本発明におけるダイヤモンドのプ
ロポーション1は、クラウン3における37面カット
と、パビリオン4における28面カットとによって、ク
ラウン3に正九角形状のテーブル5を備えた65面カッ
トとなるのである。なお、ガードル2は、図2に示した
ように、アッパー・ガードル・ファセット8と、ロウワ
ー・ガードル・ファセット11との形成によって、僅か
ではあるが、九つのポイントで山と谷とを備えた形状に
なる。また、この実施の形態におけるダイヤモンドのプ
ロポーション1の特徴は、九角形状のテーブル5を形成
したことによって、その中心を通る全ての縦断面が非対
象になることである。
【0020】クラウン3におけるカットの設計として
は、図4に示した設計図のように、まず、頂部中心の正
九角形状のテーブル5を形成するために、円周の360
°の角度を9分割した40°の角度を設定して、基準線
aを引くと共に、テーブル5の径がガードル2の径の略
50〜53%になるように第1の円弧線b引き、これら
基準線aと第1の円弧線bとの交点を隣接同士で直線で
結ぶことにより、正九角形状が確立される。このことか
らして、従来のラウンドブリリアンカットのように36
0°の角を順次二分割して行くものと異なり、3の正の
整数倍、即ち、3、6、9、12、15から選択された
角数のテーブルを形成するために、予め設定した角度を
決めて角度分割するものである。
【0021】更に、基準線a間に2等分線cを引くと共
に、第1の円弧線bと外径との中間部に位置する第2の
円弧線dを引き、2等分線cと第2の円弧線dとの交点
にテーブル5の正九角形の各角部から線を引くことでス
ター・ファセット6の形状が確立される。このように確
立されたスター・ファセット6の形状は、テーブル5の
各辺との間で略正三角形になる。
【0022】そして、2等分線cと第2の円弧線dとの
交点と、基準線aと外径との交点とを夫々線で結ぶこと
により、アッパー・メイン・ファセット7の形状が確立
されると共に、2等分線cと第2の円弧線dとの交点か
ら外径に対して垂線を引くことにより、アッパー・メイ
ン・ファセット7と外径との間に対をなすアッパー・ガ
ードル・ファセット8の形状が確立される。なお、外径
については、仮想線で示してある部分がガードル2を形
成する際にカットされる部分である。
【0023】次に、図5〜7の設計図について説明する
と、ガードル2の直径Lを100%としたときに、ダイ
ヤモンドの全体の高さHは略64%であり、クラウン3
の高さH1 を略15.7%に設定し、パビリオン4の高
さH2 を略48.3%に設定する。その内のガードル2
の最大の幅Wを略1.4%に設定する。なお、この場合
のテーブル5の径L1 は略51%である。
【0024】そして、クラウン3とパビリオン4とのな
す角度θは略77°に設定し、その内のガードル2に対
してクラウン3のなす角度θ1 を略33°に設定し、パ
ビリオン4のなす角度θ2 を略44°に設定する。この
場合に、クラウン3側においてはアッパー・メイン・フ
ァセット7の傾斜角度が対象になる。
【0025】ガードル2に対して、クラウン3側におけ
るアッパー・ガードル・ファセット8間の稜線の角度θ
3 は略43°に設定され、その稜線からのスター・ファ
セット6の角度θ4 は略18°に設定される。
【0026】このようにダイヤモンドの全体の高さ、ク
ラウン3の高さ及び角度、更にはパビリオン4の深さ及
び角度が夫々設定されると、パビリオン4の底部の角度
θ5が略92°になる。そして、パビリオン4の底部を
カットして形成されるキューレット13はガードル2の
直径Lに対して略1.6%に設定する。なお、パビリオ
ン4におけるロウワー・ガードル・ファセット11と、
ロウワー・メイン・ファセット12の設計は従来例と同
じ要領で行われる。
【0027】いずれにしても前述した第1の実施の形態
においては、上述した設計値に基づいてダイヤモンドの
カットが施され、一般的には考えられない九角形状のテ
ーブル5を有するクラウン3が形成され、またパビリオ
ン4においても9本のキール・ライン10によって区分
された構成になる。
【0028】図8〜10は、本発明の第2の実施の形態
に係るダイヤモンドのプロポーション21を示すもので
ある。この第2の実施の形態においても、ガードル22
の上部にクラウン23が形成され、下部にパビリオン2
4が形成されるものである。
【0029】そして、クラウン23におけるテーブル2
5は一二角形状に形成され、その一二角形状の各辺にス
ター・ファセット26が形成され、各隣接するスター・
ファセット26間にアッパー・メイン・ファセット27
が形成され、更に、各隣接するアッパー・メイン・ファ
セット27間に対をなすアッパー・ガードル・ファセッ
ト28が形成され、49面カットのクラウン23が形成
されるのである。
【0030】パビリオン24は、図10に示したよう
に、前記テーブル25の一二角形状に対応するキール・
ライン30に沿って区画されており、各区画されたエリ
ア内において、対をなすロウワー・ガードル・ファセッ
ト31と、ロウワー・メイン・ファセット32とが形成
されると共に、底部中心部にキューレット33が形成さ
れて、37面カットのパビリオン24が形成される。
【0031】そして、このダイヤモンドのプロポーショ
ン21は、クラウン23における49面カットと、パビ
リオン24における37面カットとによって、クラウン
23に正一二角形状のテーブル25を備えた86面カッ
トとなるのである。なお、ガードル22は、図9に示し
たように、アッパー・ガードル・ファセット28と、ロ
ウワー・ガードル・ファセット31との形成によって、
僅かではあるが、山と谷とを備えた形状になることは、
前記第1の実施の形態と略同じである。
【0032】クラウン23におけるカットの設計として
は、図11に示した設計図のように、まず、頂部中心の
正一二角形状のテーブル25を形成するために、円周の
360°の角度を12分割した30°の角度を設定し
て、前記第1の実施の形態と同様に基準線aを引くと共
に、テーブル25の径がガードル22の径の略50〜5
3%になるように第1の円弧線b引き、これら基準線a
と第1の円弧線bとの交点を隣接同士で直線で結ぶこと
により、正一二角形状が確立される。
【0033】更に、基準線a間に2等分線cを引くと共
に、第1の円弧線bと外径との中間部よりも僅かに内側
に位置する第2の円弧線dを引き、2等分線cと第2の
円弧線dとの交点にテーブル25の正一二角形の各角部
から線を引くことでスター・ファセット26の形状が確
立される。この確立されたスター・ファセット26の形
状は、テーブル25の各辺との間で略正三角形になる。
【0034】そして、2等分線cと第2の円弧線dとの
交点と、基準線aと外径との交点とを夫々線で結ぶこと
により、アッパー・メイン・ファセット27の形状が確
立されると共に、2等分線cと第2の円弧線dとの交点
から外径に対して垂線を引くことにより、アッパー・メ
イン・ファセット27と外径との間に対をなすアッパー
・ガードル・ファセット28の形状が確立される。な
お、外径については、仮想線で示してある部分がガード
ル22を形成する際にカットされる部分である。
【0035】更に、図12の設計図について説明する
と、ガードル22の直径Lを100%としたときに、ダ
イヤモンドの全体の高さHは略64%であり、クラウン
23の高さH1 を略15.7%に設定し、パビリオン4
の高さH2 を略48.3%に設定する。その内のガード
ル22の最大の幅Wを略1.2%に設定する。なお、こ
の場合のテーブル25の径L1 は略52%である。
【0036】そして、クラウン23とパビリオン24と
のなす角度θは略77°に設定し、その内のガードル2
2に対してクラウン23のなす角度θ1 を略33°に設
定し、パビリオン24のなす角度θ2 を略44°に設定
する。
【0037】このようにダイヤモンドの全体の高さ、ク
ラウン23の高さ及び角度、更にはパビリオン24の深
さ及び角度が夫々設定されると、パビリオン24の底部
の角度θ5 が略92°になる。そして、パビリオン24
の底部をカットして形成されるキューレット33はガー
ドル22の直径Lに対して略1.6%に設定する。な
お、パビリオン24におけるロウワー・ガードル・ファ
セット31と、ロウワー・メイン・ファセット32の設
計は従来例と同じ要領で行われる。
【0038】前記いづれの実施の形態においても、各部
位の設計値において、0.1〜2の範囲の数値増減は単
なる設計的事項であり、また、0.1以下の数値の差に
おいては、単なる誤差の範囲と見るべきである。
【0039】前記の設計値に基づいてカットされた第1
の実施の形態に係るダイヤモンドのプロポーション1に
おいて、光を照射したときに、その中心部、即ちテーブ
ル5の部分がイエロー系に光輝し、そのテーブルの周
辺、即ちスター・ファセット6の部分がグリーン系に光
輝し、アッパー・メイン・ファセット7の部分がブルー
系に光輝し、アッパー・ガードル・ファセット8の部分
がパープル乃至バイオレット系に光輝するようになる。
また、第2の実施の形態に係るダイヤモンドのプロポー
ション21においては、全面的にパープル乃至バイオレ
ットブルー系に光輝するようになる。
【0040】そして、光の強さの度合いは、第1の実施
の形態に係るダイヤモンドのプロポーション1において
は、ラウンドブリリアンカットのダイヤモンドに比べて
略12%増となり、第2の実施の形態に係るダイヤモン
ドのプロポーション21においては、略250%増とな
る。いづれにしても、従来の58面体のラウンドブリリ
アンカットのダイヤモンドとは違って、宝石としての輝
きが一段とすばらしいものとなっている。
【0041】この理由は、明確ではないが、クラウンの
テーブルを九角形状または一二角形状に形成したことに
より、パビリオンにおける反射部もそれに対応した区画
になること、及びクラウンの高さとパビリオンの深さ、
更にはクラウンとパビリオンのなす角度等によって、プ
リズム効果が作用して、そのような予測されなかった輝
きが醸し出されたものと推測される。
【0042】いづれにしても、本発明に係る第1及び第
2の実施の形態において、夫々が前記設計値に基づいて
カットされるものであり、3の正の正数倍の角数をもっ
たテーブルを形成すること、クラウンとパビリオンとの
なす角度を特定すること、ガードルの径に対する全高の
比率と、クラウン及びパビリオンの高さの比率とを特定
することにより、ダイヤモンドとしての全体のプロポー
ションが特徴的なものとなるのである。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るダイ
ヤモンドのカット方法は、ガードル上部にクラウンが形
成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成され
るダイヤモンドであって、クラウンにおけるテーブル
は、円周の360°の角度を3の正の整数倍の数で割っ
た角度を設定して基準線を設け、テーブルの径がガード
ルの径の略50〜53%になるように第1の円弧線を設
け、これら基準線と第1の円弧線との交点を隣接同士で
直線で結ぶことにより、設定した角形状を確立させ、基
準線間に2等分線を引くと共に、第1の円弧線と外径と
の中間部に第2の円弧線を設け、2等分線と第2の円弧
線との交点に、テーブルの各角部から線を引くことでス
ター・ファセットの形状を確立させ、更に、2等分線と
第2の円弧線との交点と、基準線と外径との交点とを夫
々線で結ぶことにより、アッパー・メイン・ファセット
の形状を確立させると共に、アッパー・メイン・ファセ
ットと外径との間に対をなすアッパー・ガードル・ファ
セットの形状を確立させ、これら確立させた各形状に沿
ってカットするようにしたことにより、特に、テーブル
の角形が、角の二分割の繰り返しによる形状とは異なる
ものとなり、それによってダイヤモンドとしての全体の
カット数が違ったものとなり、同一の素材であっても輝
度が高く且つ光輝色の優れたダイヤモンドが得られる。
【0044】また、本発明に係るダイヤモンドのプロポ
ーションは、ガードル上部にクラウンが形成されると共
に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモン
ドであって、ガードルの直径を100%としたときに、
ダイヤモンドの全体の高さを略64%にし、クラウンの
高さを略15.7%とし、パビリオンの高さを略48.
3%とし、ガードルの最大の幅を1.2〜1.4%と
し、クラウンにおけるテーブルは、3の正の整数倍の角
形に形成し、その径を略50〜53%にすると共に、ス
ター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセット
と、アッパー・ガードル・ファセットとが形成され、パ
ビリオンは、テーブルの角形に対応したキールラインで
区画され、各区画されたエリア内にロウワー・ガードル
・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形
成されると共に、底部中心部にキューレットが形成され
ている構成としたことにより、従来の58面体ラウンド
ブリリアンカットのダイヤモンドとは、全体のカット
数、各部の形状、高さ及び深さ等が異なったものとな
り、それによって高級感が醸し出されると共に、趣の違
った光輝色のダイヤモンドとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態に係るダイヤモ
ンドの上面図である。
【図2】同ダイヤモンドの側面図である。
【図3】同ダイヤモンドの底面図である。
【図4】同ダイヤモンドにおけるクラウン部分のカット
の設計図である。
【図5】同ダイヤモンドにおける側面を略示的に示した
設計図である。
【図6】同ダイヤモンドにおけるガードル部分の側面を
略示的に拡大して示した設計図である。
【図7】同ダイヤモンドにおける底部側面を略示的に拡
大して示した設計図である。
【図8】本発明に係る第2の実施の形態に係るダイヤモ
ンドの上面図である。
【図9】同ダイヤモンドの側面図である。
【図10】同ダイヤモンドの底面図である。
【図11】同ダイヤモンドにおけるクラウン部分のカッ
トの設計図である。
【図12】同ダイヤモンドにおける側面を略示的に示し
た設計図である。
【符号の説明】
1、21……ダイヤモンドのプロポーション、 2、2
2……ガードル、3、23……クラウン、 4、24…
…パビリオン、5、25……テーブル、 6、26……
スター・ファセット、7、27……アッパー・メイン・
ファセット、8、28……アッパー・ガードル・ファセ
ット、9……エキストラ・ファセット、 10、20…
…キールライン、11、31……ロウワー・ガードル・
ファセット、12、32……ロウワー・メイン・ファセ
ット、13、33……キューレット、 a……基準線、
b……第1の円弧線、c……2等分線、 d……第2
の円弧線。L……ガードルの直径、 L1 ……テーブル
の径、H……ダイヤモンドの全体の高さ、 H1 ……ク
ラウンの高さ、H2 ……パビリオンの高さ、 W……ガ
ードルの最大の幅。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガードル上部にクラウンが形成されると
    共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモ
    ンドであって、 クラウンにおけるテーブルは、円周の360°の角度を
    3の正の整数倍の数で割った角度を設定して基準線を設
    け、テーブルの径がガードルの径の略50〜53%にな
    るように第1の円弧線を設け、これら基準線と第1の円
    弧線との交点を隣接同士で直線で結ぶことにより、設定
    した角形状を確立させ、 基準線間に2等分線を引くと共に、第1の円弧線と外径
    との中間部に第2の円弧線を設け、2等分線と第2の円
    弧線との交点に、テーブルの各角部から線を引くことで
    スター・ファセットの形状を確立させ、 更に、2等分線と第2の円弧線との交点と、基準線と外
    径との交点とを夫々線で結ぶことにより、アッパー・メ
    イン・ファセットの形状を確立させると共に、アッパー
    ・メイン・ファセットと外径との間に対をなすアッパー
    ・ガードル・ファセットの形状を確立させ、 これら確立させた各形状に沿ってカットすることを特徴
    とするダイヤモンドのカット方法。
  2. 【請求項2】 ガードルの直径を100%としたとき
    に、ダイヤモンドの全体の高さを略64%にし、クラウ
    ンの高さを略15.7%に設定し、パビリオンの高さを
    略48.3%に設定し、ガードルの最大の幅を1.2〜
    1.4%に設定してカットすることを特徴とする請求項
    1に記載のダイヤモンドのカット方法。
  3. 【請求項3】 クラウンとパビリオンとのなす角度を略
    77°に設定してカットすることを特徴とする請求項1
    または2に記載のダイヤモンドのカット方法。
  4. 【請求項4】 ガードル上部にクラウンが形成されると
    共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモ
    ンドであって、 ガードルの直径を100%としたときに、 ダイヤモンドの全体の高さを略64%にし、 クラウンの高さを略15.7%とし、 パビリオンの高さを略48.3%とし、 ガードルの最大の幅を1.2〜1.4%とし、 クラウンにおけるテーブルは、3の正の整数倍の角形に
    形成し、その径を略50〜53%にすると共に、 スター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセット
    と、アッパー・ガードル・ファセットとが形成され、 パビリオンは、テーブルの角形に対応したキールライン
    で区画され、 各区画されたエリア内にロウワー・ガードル・ファセッ
    トと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成されると
    共に、底部中心部にキューレットが形成されていること
    を特徴とするダイヤモンドのプロポーション。
  5. 【請求項5】 クラウンに形成されたテーブルと、スタ
    ー・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、
    アッパー・ガードル・ファセットとで37面または49
    面カットが確立され、パビリオンに形成されたロウワー
    ・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセ
    ットと、キューレットとで28面または37面カットが
    確立され、全体として65面または86面カットとなる
    ことを特徴とする請求項4に記載のダイヤモンドのプロ
    ポーション。
  6. 【請求項6】 クラウンとパビリオンとのなす角度が略
    77°に設定してあることを特徴とする請求項4または
    5に記載のダイヤモンドのプロポーション。
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