JP4495385B2 - ダイヤモンドのカット方法及びダイヤモンドのプロポーション - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤモンドのカット方法と、該カット方法によってダイヤモンドを形成することによる、ダイヤモンドのプロポーションと輝きに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、研磨されたダイヤモンドの価値は、4C、即ち、Carat(重さ)、Clarity(透明度)、Colour(色)、及び、Cut(カット)で決定されている。
【0003】
この4Cは、夫々重要なものであるが、ダイヤモンドを評価する場合には、Colour(色)、Clarity(透明度)、Cut(カット)、Carat(重さ)の順で評価されることが一般的である。
【0004】
しかし、ダイヤモンドのカット方法を発明する以前においては、ダイヤモンドには、決して美しいものであるという認識はなく、単に硬い石でしかないものであった。
【0005】
単なる硬い石でしかなかったダイヤモンドが美しいものであると評価されるようになったのは、ダイヤモンドをカットすることにより、美しく輝くようにしたからであり、そのため、近年ではカット方法の重要性が評価されている。
【0006】
また、ダイヤモンドの輝きは、カットによって得られるということもでき、カットが優れているダイヤモンドは、輝きや煌めきが増加するため、ダイヤモンドの市場においては、カットが重要視されているのである。
【0007】
従って、ダイヤモンドの美的性ということを考慮するのであれば、ダイヤモンドの美的性における重要性の順序は、Cut(カット)、Colour(色)、Clarity(透明度)、Carat(重さ)であるとも考えられるものである。
【0008】
このようなカットの評価方法は、ダイヤモンドのプロポーション、シンメトリー、ポリッシュ等を総合的に評価して、カットグレードとしてランク付けされており、このカットグレードは、消費者がダイヤモンドを購入する際のひとつの指標となっている。
【0009】
しかし、ダイヤモンドはそれ自体が高価であるため、カットして美しく輝かせることよりも、カット面積を減らしてその大きさや重さを重視することがあり、そのため、ダイヤモンドのプロポーションが全体としてのバランスが悪くなることがある。
【0010】
そこで、近年では、ダイヤモンド全体のバランスも重要視されるようになり、前記したダイヤモンドの重要な要素として、4Cにシンメトリーを加えた、4C+S(シンメトリー)も重視されているのである。
【0011】
このように、ダイヤモンドを評価する際にカットは極めて重要であるために、そのカット方法の技術は、従来からいろいろと研究されており、ラウンドブリリアンカット、特開2000−5993号公報、実登3078636号公報に開示された技術が公知になっており、そのなかでもラウンドブリリアンカットは著名なものである。
【0012】
ラウンドブリリアンカットにカットされたダイヤモンドは58面体であり、入射した光線が、底の部面で全反射を起こして美しく輝くようになっており、反射した光が分散し、七色に変化するといわれている。
【0013】
特開2000−5993号公報に開示された技術は、円周の360°の角度を3の整数倍の数で割った角度を設定して基準線を設けて、ダイアモンド全体として、65面または86面にカットするものである。
【0014】
実登3078636号公報に開示された技術は、パビリオンの底部に設けられたカット面、即ち、十字形状のカット面がテーブル面から見えるものである。
【0015】
また、ダイヤモンドが同様の原石であった場合、輝き方及び発色が従来通りのものになってしまい、個々のダイヤモンドによる変化がないため、ダイヤモンドの新しい輝きが要望されており、そのなかでも黄金色に輝くダイヤモンドの開発が期待されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラウンドブリリアンカットによるダイヤモンドのカット方法においては、入射した光線が、底の部面で全反射を起こして美しく輝くものであるが、その反射光は従来通りのものであり、黄金色の色調を表現することはできないものである。
【0017】
特開2000−5993号公報については、黄金色の色調を表現することはできず、また、円周の360°の角度を3の整数倍の数で割った角度を設定して基準線を設けることにより、シンメトリーではないという問題がある。
【0018】
実登3078636号公報については、色調を変化させるものではなく、単にテーブル面から十字形状のカット面が見えるにすぎず、また、シンメトリーではないという問題がある。
【0019】
従って、上面、側面及び底面のどこから見ても略シンメトリーであるプロポーションにして、テーブルの反射光が黄金色の輝きであるダイヤモンドにすることに解決課題を有する。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、ガードル上部にクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドのカット方法であって、前記クラウンのテーブルとなる面の中心を通る第1の基準線を設け、該第1の基準線に直行し中心を通る第2の基準線を設け、前記第1と第2の基準線で区分された範囲をそれぞれ角度的に4等分するように中心を通る第3の基準線を設け、これら基準線の交点を中心にしてガードルの直径の53%に相当する位置に第1の円弧線を設け、該第1の円弧線と前記各基準線との交点を結んで正16角形状のテーブルを確立させ、前記第3の基準線を角度的に2等分する第4の基準線を設け、前記第1の円弧線より大きな同心円の第2の円弧線を設け、該第2の円弧線と前記第4の基準線との交点とテーブルの頂点とを結ぶ線を設けてスター・ファセットを確立させ、更に、ダイヤモンドの外径と前記1乃至3の基準線との交点と、前記第4の基準線と第2の円弧線との交点とを結ぶ線でアッパー・メイン・ファセットの形状を確立させると共に、該アッパー・メイン・ファセットと外径との間に対をなすアッパー・ガードル・ファセットの形状を確立させ、これら確立させた各形状に沿って且つガードルの最大の幅を全体の高さの1.3%に設定してカットすることを特徴とするダイヤモンドのカット方法を提供するものである。
【0021】
この第1の発明において、前記ダイヤモンドは、ガードルの直径を100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さを66.4%に設定し、クラウンの高さを15.7%に設定し、パビリオンの高さを50%に設定し、ガードルの最大の幅を1.3%に設定し、ガードルの基準線とクラウンとのなす角度を33°に設定すると共にパビリオンとのなす角度を42°〜48°に設定してカットすることこと;を付加的な要件として含むものである。
【0022】
また、本発明に係る第2の発明として、ガードルと、該ガードル上部にテーブルを備えたクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、前記ガードルの直径を100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さを66.4%にし、前記クラウンの高さを15.7%とし、前記パビリオンの高さを50%とし、前記ガードルの最大の幅を1.3%とし、前記テーブルの最大直径をガードルの直径の53%にした正16角形状にすると共に、前記テーブルと前記ガードルとの間のクラウンにスター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとを形成し、前記パビリオンは、テーブルの正16角形状に対応したキールラインで区画され、該各区画されたエリア内にロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成されると共に、底部中心部にキューレットが形成され、前記クラウンに備えられたテーブルと、スター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとで65面カットが確立され、前記パビリオンに形成されたロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットと、キューレットとで49面カットが確立され、全体として114面カットの構成を有することを特徴とするダイヤモンドのプロポーションを提供するものである。
【0023】
この第2の発明において、前記ダイヤモンドは、前記ダイヤモンドは、前記ガードルの基準線とクラウンとのなす角度が33°であると共にパビリオンとのなす角度が42°〜48°であること;を付加的な要件として含むものである。
【0024】
このようなダイヤモンドのカット方法またはプロポーションにすることにより、上面、側面及び底面のどこから見ても略シンメトリーであるプロポーションにして、テーブルの反射光を黄金色の輝きのダイヤモンドにすることができるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
図1〜5に本発明の実施の形態を示し、同一部分には同一符号を用いて説明を行う。カットされたダイヤモンドのプロポーション1は、ガードル2と、ガードル2の上部に形成されたクラウン3と、ガードル2の下部に形成されたパビリオン4からなる。また、ガードル2の上部に形成されたクラウン3には、テーブル5が備えられている。
【0026】
クラウン3に備えられたテーブル5は、略正16角形状に形成されており、テーブルの各辺に沿ってスター・ファセット6が形成され、テーブル5の頂点よりスター・ファセット6に隣接し、その各々の間にアッパー・メイン・ファセット7が形成され、各アッパー・メイン・ファセット7の間にアッパー・ガードル・ファセット8が対をなして形成されている。
【0027】
パビリオン4は、テーブル5の略正16角形状に対応するキールライン9に沿って区画され、各区画されたエリア内にロウアー・ガードル・ファセット10と、ロウアー・メイン・ファセット11とが形成されると共に、底部中心部にキューレット12が形成される。
【0028】
そのため、ダイヤモンドのプロポーション1は、クラウン3に備えられたテーブル5で1面が確立され、スター・ファセット6と、アッパー・メイン・ファセット7と、アッパー・ガードル・ファセット8とで64面が確立、即ち、クラウン3において65面が確立され、パビリオン4に形成されたロウアー・ガードル・ファセット10と、ロウアー・メイン・ファセット11とで48面が確立され、キューレットで1面が確立、即ち、パビリオン4において49面が確立されるため、全体として114面カットとなっている。
【0029】
従って、ダイヤモンドのプロポーション1は、クラウン3に備えられた略正16角形のテーブル5に対応して形成されているため、ダイヤモンドのプロポーション1全体のバランスは、ダイヤモンドを上面、側面及び底面から見て略シンメトリーになっている。
【0030】
そこで、クラウン3のカット方法を図4に示す。図4よりクラウン3のテーブル5をカットするために、ダイヤモンドに第1の基準線aを設け、第1の基準線に直交する第2の基準線bを設け、第1の基準線と第2の基準線を4等分する第3の基準線cを設ける。これらの基準線の交点dより直径L1の大きさで第1の円弧線eを設け、これらの基準線と第1の円弧線eとの交点fを結ぶことで、略正16角形のテーブル5を形成する。
【0031】
更に、第3の基準線cを2等分する第4の基準線gを設け、第1の円弧線eより大きな同心円の第2の円弧線hを設け、第4の基準線gと第2の円弧線hとの交点iとテーブル5の頂点とを結ぶことでスター・ファセット6を確定し、ダイヤモンドの外形jと第1の基準線a、第2の基準線b及び第3の基準線cとの夫々の交点kと、第4の基準線gと第2の円弧線hとの交点iとを結ぶことで、アッパー・メイン・ファセット7を確定すると共に、アッパー・メイン・ファセット7とダイヤモンドの外形jとの間に対をなすアッパー・ガードル・ファセット8を確定し、これら確定させた夫々の各形状に沿ってカットすることで、クラウン3を形成する。
【0032】
なお、外形jについては仮想線で示してあり、この部分については、ガードル2を形成する際にカットされるものであり、外形jをカットされて直径L2のガードル2が形成される。また、第1の円弧線eの直径L1は、ガードル2の直径L2を100%としたとき、これの略53%と設定することで、テーブル5の最大の直径は、ガードル2の直径の略53%となる。
【0033】
このようにクラウン3を形成することにより、テーブル5から入射した光をより細かく反射できると共に、スター・ファセット6、アッパー・メイン・ファセット7及びアッパー・ガードル・ファセット8からテーブル5とは異なる色調の光のスペクトルを反射して輝かせることができる。
【0034】
次に、ダイヤモンドの断面図である図5により、各部の構成を説明する。ダイヤモンドは、ガードル2の直径L2を100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さHを略66.4%にし、クラウン3の高さH1を略15.7%に設定し、パビリオン4の高さH2を略50%に設定し、ガードル2の最大の幅W1を略1.3%に設定してカットすることで形成する。
【0035】
また、クラウン3は、ガードル2の基準線mに対して略33°の角度θ1に設定し、パビリオン4は、ガードル2の基準線mに対して略42°〜48°、好ましくは略45°の角度θ2に設定することにより、クラウン3とパビリオン4とのなす角度θを略75°〜81°、好ましくは略78°になる。
【0036】
このようにダイヤモンドの全体の高さH、クラウン3の高さH1、パビリオン4の高さH2、及び、ガードルの基準線mに対するパビリオン4の設定する角度θ2の夫々が設定されることにより、パビリオン4の底部の角度θ3は84°〜96°、好ましくは略90°に設定する。
【0037】
パビリオン4のロウアー・ガードル・ファセット10と、ロウアー・メイン・ファセット11は、キールライン9により、従来と同様の要領により形成され、その際、キューレット12の幅W2はガードル2の直径L2を100%としたときに1.6%に設定して形成される。
【0038】
従来のラウンドブリリアンカットにおいては、ガードルの基準線とパビリオンとのなす角度は略41°に設定されているものであるが、本発明に係るダイヤモンドのプロポーション1においては、ガードルの基準線mに対するパビリオン4の設定する角度θ2を略42°〜48°、好ましくは略45°に設定することで、パビリオン4の高さH2が従来よりも高くなっている。
【0039】
このようにパビリオン4とガードルの基準線mとのなす角度θ2を略45°にした場合には、テーブル5は黄金色に輝くと共に、菊に似たような花弁の多い花模様が浮かび上がるように見え、スター・ファセット6、アッパー・メイン・ファセット7及びアッパー・ガードル・ファセット8は緑色、青色または紫色の色調で光輪のように輝く。
【0040】
また、角度θ2を45°よりも浅くして、略42°〜45°に設定した場合には、テーブル5は赤色に近い黄金色の色調で輝き、スター・ファセット6、アッパー・メイン・ファセット7及びアッパー・ガードル・ファセット8は緑色、青色または紫色の色調で光輪のように輝く。
【0041】
また、角度θ2を45°よりも深くして、略45°〜48°に設定した場合には、テーブル5は白色に近くなると共に、テーブル5の中心部が黄金色に輝くことによって、テーブル5は中心部は黄金色であり、その周辺部は白色になるという2種の色調に輝き、スター・ファセット6、アッパー・メイン・ファセット7及びアッパー・ガードル・ファセット8は緑色、青色または紫色の色調で光輪のように輝く。
【0042】
即ち、クラウン3から光が入射した際に、テーブル5は光のスペクトルが長い色調を反射するため黄金色に輝き、スター・ファセット6、アッパー・メイン・ファセット7及びアッパー・ガードル・ファセット8は光のスペクトルが短い色調を反射するために緑色、青色または紫色の色調で光輪のように輝き、その光輪は見る位置を移動することによって回転するように視認されるのである。
【0043】
また、従来のラウンドブリリアンカットの58面体や、テーブルが12角形である86面カットによる光の反射と比較した場合、本発明のテーブル5が略正16角形である114面カットでは、クラウン3の反射光がより細かいナノスケールになるため、噴霧状になった反射光がテーブル5から渦状に反射するようになり、テーブル5の反射が強くなり、入射した光の色調よりも強くて濃い色に反射するように見えるのである。
【0044】
このように、光のパビリオン4内部での拡散性が増加することによって、光の波動と粒子のうち、光の粒子を除いた光の波動のみを反射し、光本来の色を表現することが可能になるのである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るダイヤモンドのカット方法は、ガードル上部にクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドのカット方法であって、前記クラウンのテーブルとなる面の中心を通る第1の基準線を設け、該第1の基準線に直行し中心を通る第2の基準線を設け、前記第1と第2の基準線で区分された範囲をそれぞれ角度的に4等分するように中心を通る第3の基準線を設け、これら基準線の交点を中心にしてガードルの直径の53%に相当する位置に第1の円弧線を設け、該第1の円弧線と前記各基準線との交点を結んで正16角形状のテーブルを確立させ、前記第3の基準線を角度的に2等分する第4の基準線を設け、前記第1の円弧線より大きな同心円の第2の円弧線を設け、該第2の円弧線と前記第4の基準線との交点とテーブルの頂点とを結ぶ線を設けてスター・ファセットを確立させ、更に、ダイヤモンドの外径と前記1乃至3の基準線との交点と、前記第4の基準線と第2の円弧線との交点とを結ぶ線でアッパー・メイン・ファセットの形状を確立させると共に、該アッパー・メイン・ファセットと外径との間に対をなすアッパー・ガードル・ファセットの形状を確立させ、これら確立させた各形状に沿って且つガードルの最大の幅を全体の高さの1.3%に設定してカットすることにより、114面体のカットであって、ダイヤモンドを上面、側面及び底面のどこから見ても略シンメトリーであるプロポーションにすることができるため、ダイヤモンド全体のバランスを美しく表現することができ、特に、テーブルを黄金色に輝かせることができるという従来では考えられない優れた効果を奏するのである。
【0046】
第2の発明についても、ガードルと、該ガードル上部にテーブルを備えたクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、前記ガードルの直径を100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さを66.4%にし、前記クラウンの高さを15.7%とし、前記パビリオンの高さを50%とし、前記ガードルの最大の幅を1.3%とし、前記テーブルの最大直径をガードルの直径の53%にした正16角形状にすると共に、前記テーブルと前記ガードルとの間のクラウンにスター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとを形成し、前記パビリオンは、テーブルの正16角形状に対応したキールラインで区画され、該各区画されたエリア内にロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成されると共に、底部中心部にキューレットが形成され、前記クラウンに備えられたテーブルと、スター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとで65面カットが確立され、前記パビリオンに形成されたロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットと、キューレットとで49面カットが確立され、全体として114面カットの構成を有する構成としたことによって、従来の58面体ラウンドブリリアンカットのダイヤモンドとは、全体のカット数が略倍の114面体で各部の形状、高さ及び深さ等が全く異なったものとなり、特に、ガードルの直径に対して、ダイヤモンドの全体の高さと、クラウンの高さと、パビリオンの高さとを特定した比率に設定したことによって、ダイヤモンド全体のバランスを美しく表現することができるばかりでなく、テーブルを黄金色に輝かせることができるという従来では考えられない優れた効果を奏するのである。
【0047】
従って、本発明に係るカット方法及びプロポーションのいずれの発明を用いても、ダイヤモンドを上面、側面及び底面のどこから見ても略シンメトリーであるプロポーションにすることができるため、ダイヤモンド全体のバランスを美しく表現することができ、噴霧状になった反射光がテーブルから渦状に反射することにより、テーブルの反射が強くなり、入射した光の色調よりも強くて濃い色に反射するように見えると共に、テーブルを黄金色に輝かせることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイヤモンドの略示的上面図である。
【図2】同ダイヤモンドの略示的側面図である。
【図3】同ダイヤモンドの略示的底面図である。
【図4】同ダイヤモンドにおけるクラウン部分のカット方法の説明図である。
【図5】同ダイヤモンドの全体を説明する略示的断面図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンドのプロポーション
2 ガードル
3 クラウン
4 パビリオン
5 テーブル
6 スター・ファセット
7 アッパー・メイン・ファセット
8 アッパー・ガードル・ファセット
9 キールライン
10 ロウアー・ガードル・ファセット
11 ロウアー・メイン・ファセット
12 キューレット
Claims (4)
- ガードル上部にクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドのカット方法であって、
前記クラウンのテーブルとなる面の中心を通る第1の基準線を設け、該第1の基準線に直行し中心を通る第2の基準線を設け、前記第1と第2の基準線で区分された範囲をそれぞれ角度的に4等分するように中心を通る第3の基準線を設け、これら基準線の交点を中心にしてガードルの直径の53%に相当する位置に第1の円弧線を設け、該第1の円弧線と前記各基準線との交点を結んで正16角形状のテーブルを確立させ、
前記第3の基準線を角度的に2等分する第4の基準線を設け、前記第1の円弧線より大きな同心円の第2の円弧線を設け、該第2の円弧線と前記第4の基準線との交点とテーブルの頂点とを結ぶ線を設けてスター・ファセットを確立させ、
更に、ダイヤモンドの外径と前記1乃至3の基準線との交点と、前記第4の基準線と第2の円弧線との交点とを結ぶ線でアッパー・メイン・ファセットの形状を確立させると共に、該アッパー・メイン・ファセットと外径との間に対をなすアッパー・ガードル・ファセットの形状を確立させ、
これら確立させた各形状に沿って且つガードルの最大の幅を全体の高さの1.3%に設定してカットすること
を特徴とするダイヤモンドのカット方法。 - 前記ダイヤモンドは、
ガードルの直径を100%としたときに、ダイヤモンドの全体の高さを66.4%に設定し、クラウンの高さを15.7%に設定し、パビリオンの高さを50%に設定し、ガードルの最大の幅を1.3%に設定し、ガードルの基準線とクラウンとのなす角度を33°に設定すると共にパビリオンとのなす角度を42°〜48°に設定してカットすること
を特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドのカット方法。 - ガードルと、該ガードル上部にテーブルを備えたクラウンが形成されると共に、ガードル下部にパビリオンが形成されるダイヤモンドであって、
前記ガードルの直径を100%としたときに、
ダイヤモンドの全体の高さを66.4%にし、
前記クラウンの高さを15.7%とし、
前記パビリオンの高さを50%とし、
前記ガードルの最大の幅を1.3%とし、
前記テーブルの最大直径をガードルの直径の53%にした正16角形状にすると共に、
前記テーブルと前記ガードルとの間のクラウンにスター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとを形成し、
前記パビリオンは、テーブルの正16角形状に対応したキールラインで区画され、
該各区画されたエリア内にロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットとが形成されると共に、底部中心部にキューレットが形成され、
前記クラウンに備えられたテーブルと、スター・ファセットと、アッパー・メイン・ファセットと、アッパー・ガードル・ファセットとで65面カットが確立され、
前記パビリオンに形成されたロウワー・ガードル・ファセットと、ロウワー・メイン・ファセットと、キューレットとで49面カットが確立され、
全体として114面カットの構成を有すること
を特徴とするダイヤモンドのプロポーション。 - 前記ダイヤモンドは、
前記ガードルの基準線とクラウンとのなす角度が33°であると共にパビリオンとのなす角度が42°〜48°であること
を特徴とする請求項3に記載のダイヤモンドのプロポーション。
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