JP3642729B2 - 処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造においては、被処理体例えば半導体ウエハに酸化、拡散、CVD等の各種の処理を施す処理装置(半導体製造装置)として、例えば一度に多数枚の半導体ウエハの処理が可能なバッチ式の縦型熱処理装置が用いられている。このような縦型熱処理装置としては、ウエハのパーティクルの付着や自然酸化膜の形成を抑制して歩留りの向上等を図るために、複数例えば25枚或いは13枚程度のウエハを密閉状態で収容する蓋付きの運搬容器であるクローズ型キャリアを用いると共に、装置の筐体内をキャリアの搬送保管を行う搬送保管領域と、キャリア内からウエハを取出してボートへの移載や熱処理炉内へのボートの搬入搬出等の所定の処理を行う処理領域とに仕切って処理領域内の清浄度を高めるようにしたものが提案されている(例えば、特開2000−150400号公報参照)。
【0003】
この縦型熱処理装置においては、筐体の前面部に作業員または搬送ロボットにより前記キャリアの搬入搬出を行う搬出入口を有し、この搬出入口の内側にキャリアを載置する載置台が設置されている。また、搬送保管領域には、複数個のキャリアを保管する保管棚、ウエハの移載を行うためのキャリアの移載台(移載ステージ)や、これらの間でキャリアの搬送を行う搬送機構が設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記縦型熱処理装置においては、筐体内にキャリアの載置台が設置されているため、クリーンルームの天井部に配設された頭上搬送装置との間でキャリアの受け渡しを行うことができず、頭上搬送装置を適用することが困難であった。なお、ウエハを一枚ずつ処理する枚葉式処理装置においては、頭上搬送装置との間でキャリアの受け渡しが行えるように搬出入口の外側に載置台を設置したものも提案されているが、これは載置台上でキャリアの蓋を取ってウエハの移載を行うように構成されているため、バッチ式処理には適用することができない。
【0005】
本発明は、前記事情を考慮してなされたもので、頭上搬送装置の適用およびバッチ式処理が可能な処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1の発明は、複数の被処理体が密閉状態で収容された蓋付きの運搬容器を搬入搬出する搬出入口を有する筐体と、該筐体内に設けられ前記運搬容器を搬送する搬送機構および複数個の運搬容器を保管する保管棚を有する搬送保管領域と、前記運搬容器内から被処理体を取出して所定の処理を施す処理領域とを備えた処理装置であって、前記搬出入口の外側に運搬容器を載置する載置台を設け、該載置台の背面部に前記搬出入口が形成されたフレームを設け、前記載置台に、運搬容器を載置して載置台上の待機位置から、前記フレームの搬出入口に運搬容器の前部が位置する検出位置まで移動し、次いで前記搬送保管領域内の搬送機構との受渡位置まで移動する可動板を有する移動機構を設け、前記フレーム内に前記検出位置の運搬容器から蓋を一時的に取外す蓋脱着機構と、蓋が取外された運搬容器内にセンサ部を挿入して被処理体の位置および数を検出する検出機構とを設け、前記搬出入口の上方には搬送保管領域内の空気を濾過してその清浄空気を下方へ吹出す空気清浄器が取付けられ、前記フレーム内には運搬容器の開口および該開口から取外された蓋を取り囲んで前記清浄空気を下方へ導くダクトが昇降可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の処理装置において、前記検出機構は検出時に上下方向に移動される本体を有し、この本体内には昇降部材が昇降可能に設けられ、該昇降部材には本体の上面部を垂直に貫通したロッドを介してブラケットが設けられ、該ブラケットには投光素子と受光素子からなるセンサ部を有するU字状のセンサアームが起立状態から倒伏状態に垂直回動可能に取付けられ、本体の上面部には上端を前記センサアームの付根部に軸支した操作ロッドが垂直に貫通され、本体には操作ロッドを昇降部材の上昇ストロークエンドの少し手前で停止させてセンサアームを起立状態から倒伏させるストッパが設けられ、操作ロッドの下端と昇降部材との間には昇降部材の上昇ストロークエンドから下降する時にセンサアームを起立させるべく操作ロッドを上方へ付勢するバネが介設されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基いて詳述する。
【0012】
本発明を縦型熱処理装置に適用した実施の形態を示す図1ないし図2において、1はクリーンルームC内に設置される縦型熱処理装置の外郭を形成する筐体である。この筐体1内は、キャリア2の搬入搬出および保管を行うための搬送保管領域Saと、キャリア2内から半導体ウエハwを取出してボート3への移替え(移載)、熱処理炉4へのボート3の搬入搬出等の所定の処理を行うための処理領域であるローディングエリアSbとに隔壁5により仕切られている。
【0013】
前記キャリア2は、図8に示すように、所定口径例えば直径300mmの被処理体例えばウエハwを水平状態で上下方向に所定間隔で複数例えば13枚もしくは25枚程度収容可能なプラスチック製の蓋付き運搬容器、いわゆるクローズ型キャリアであり、その前面部の開口(ウエハ出入口)2aにこれを密封状態に塞ぐための蓋2bを脱着可能に備えている。この蓋2bには、これをキャリア2の開口2aに保持するための図示しないラッチ機構が設けられ、このラッチ機構の解除によりキャリア2の開口2aから蓋2bが取外せるようになっている。
【0014】
前記筐体1の前面部には、キャリア2を搬入搬出するための搬出入口6が設けられ、この搬出入口6の外側にはキャリア2を載置するための後述の載置台7が設置されている。前記搬送保管領域Saには、上方の前部と後部に複数個のキャリア2を一時的に保管しておくための保管棚8が対向して設けられていると共に、下方の隔壁5側にウエハ移載を行うためにキャリア2を載置するための移載台(移載ステージ)9が設けられている。
【0015】
また、搬送保管領域Saには、前記載置台7の後述する移動機構10、保管棚8および移載台9の間でキャリア2の搬送を行うための搬送機構(キャリア搬送機構)11が設けられている。この搬送機構11は、搬送保管領域Saの一側部に設けられた昇降機構11aにより昇降移動される昇降アーム11bと、この昇降アーム11bに設けられ、キャリア2の底部を支持して水平方向に搬送する搬送アーム11cとから主に構成されている。
【0016】
搬送保管領域Saは、搬出入口6を通ってクリーンルームC内と連通されている。ローディングエリアSbは、清浄な空気が供給される大気雰囲気または不活性ガス例えば窒素ガスが供給される不活性ガス雰囲気とされており、何れの場合でもクリーンルームC内よりも充分に清浄度が高く維持されている。
【0017】
前記隔壁5には、移載台9に載置されたキャリア2を搬送保管領域Sa側から当接させてキャリア2内とローディングエリアSb内を連通するための開口部12が設けられていると共に、開口部12をローディングエリアSb側から閉鎖する扉13が開閉可能に設けられている。開口部12は、キャリア2の開口2aとほぼ同口径に形成されており、開口部12からキャリア2内のウエハwの出し入れが可能になっている。
【0018】
前記扉13には、キャリア2の蓋を脱着(開閉)する図示しない脱着機構および扉13をローディングエリアSb側から開閉する図示しない扉開閉機構が設けられ、この扉開閉機構により扉13および蓋がローディングエリアSb側に開放移動され、更に半導体ウエハWの移載の邪魔にならないように上方または下方へ移動(退避)されるようになっている。
【0019】
前記移載台9の下方には、結晶方向を揃えるためにウエハwの周縁部に設けられているノッチ(切欠部)を一方向に整列させるためのノッチ整列機構14が設けられている。このノッチ整列機構14は、ローディングエリアSb側に臨んで開放されており、後述する移載機構15により移載台9上のキャリア2から移載されたウエハwのノッチを整列させるように構成されている。
【0020】
一方、ローディングエリアSbの奥部上方には、多数例えば100枚もしくは150枚程度の半導体ウエハwを上下方向に所定間隔で多段に支持する支持具である例えば石英製のボート3を載置して熱処理炉4内への搬入搬出および炉口4aの開閉を行う蓋体16が図示しない昇降機構により昇降可能に設けられている。炉口4aの近傍には、蓋体16が開放されて熱処理後のボート3が搬出された際に炉口4aを遮蔽するためのシャッター17が水平方向に開閉移動可能に設けられている。
【0021】
ローディングエリアSbには、移載台9上のキャリア2とボート3との間、具体的には移載台9上のキャリア2とノッチ整列機構14との間、ノッチ整列機構14とボート3との間、熱処理後のボート3と移載台9上の空のキャリア2との間で半導体ウエハwの移載(移替え)を行う移載機構15が設けられている。前記移載機構15は、昇降可能、水平移動可能および水平回動可能な基台15a上に半導体ウエハを載置する複数枚例えば2枚もしくは5枚の薄板フォーク状の支持アーム15bを進退可能に設けて構成されている。なお、ローディングエリアSb内は、ボート3を2個使用し、一方のボートを熱処理炉内に搬入して被処理体の熱処理を行っている間に、他方のボートに対するウエハの移載を行うようして処理能力の向上を図る2ボートシステムとされていてもよい。
【0022】
一方、前記筐体1における搬出入口6の外側に設置された載置台7には、その上部に載置されたキャリア2を前記搬送機構11との受渡位置ハまで移動可能な移動機構が設けられている。載置台7上には、左右方向に所定の間隔例えば505mmでキャリアを2個載置できるように移動機構10が左右に2つ並設されている。この移動機構10は、図3ないし図5に示すように、キャリア2を載置して、リニアガイドおよび第1、第2および第3のエアシリンダ18,19,20を介して載置台7上の待機位置イから搬送機構11との受渡位置ハに向って進退移動される可動板21を有している。
【0023】
更に具体的には、移動機構10は、リニアガイドを介して複数段例えばベースフレーム10a、中間フレーム10bおよび先端フレーム10cからなる3段式の伸縮可能なフレーム構造をなし、その先端フレーム10cに可動板21が取付けられている。第1のエアシリンダ18は、後述する如く固定機構22の進退移動用と可動板21の進退移動用に兼用され、第1のエアシリンダ18のピストンロッド先端18aと第2のエアシリンダ19のピストンロッド先端19aとは連結フレーム23を介して連結されている。第2のエアシリンダ19と第3のエアシリンダ20とは、ピストンロッド先端19a,20aを互いに逆向きにした状態で、互いに並列状に連結されており、その第3のエアシリンダ20のピストンロッド先端20aが可動板21に連結されている。
【0024】
前記可動板21上には、キャリア2を位置決めする複数例えば3本の位置決めピン24が突設されていると共にキャリア2が正しい位置に載置されたか否かを検知するキャリアセンサが設けられている。また、可動板21上には、キャリア2の種類を識別するための識別機構として複数例えば4本のピン25a,25b,25c,25dが突設され、その内の2本のピン25a,25bが没入可能で通常時はバネで突出状態にあり、没入した時にこれを検知するセンサを備えている。キャリア2の底部には、前記ピン25a〜25dと対応する箇所にキャリアの種類に応じてピン25a〜25dを通す穴が空けられている。例えば、ピン25aに対応する箇所の穴の有無により当該キャリアが25枚入りか13枚入りかを識別し、ピン25bに対応する箇所の穴の有無により当該キャリアがクローズ型か蓋なしのオープン型かを識別し、ピン25c,25dに対応する箇所の穴の有無により当該キャリアが前工程か後工程かを識別し得るようになっている。なお、キャリアが前工程か後工程の場合には片乗り状態となるため、キャリアセンサによってこれを検知することができるようになっている。
【0025】
前記移動機構10は、搬送機構11の狭い動作範囲に対応するために左右の中心側へ横移動可能に構成されている。また、移動機構10には、作業員が誤って載置台7上のキャリア2を持ち去る誤作業を防止するために、図4ないし図6に示すようにキャリア2を一時的に固定する固定機構22が設けられている。具体的には、前記載置台7上には、移動機構10のベースフレーム10aがリニアガイド26を介して横方向に移動可能に取付けられていると共に、このベースフレーム10aを横移動させるエアシリンダ27が設けられている。これにより、載置台7上の横方向のキャリア載置間隔(ピッチ)を例えば505mmから搬送機構11の動作範囲に対応するピッチ例えば475mmに変換できるようになっている。
【0026】
前記ベースフレーム10aには、進退フレーム28がリニアガイド29および第1のエアシリンダ18を介して前後方向に移動可能に設けられ、この進退フレーム28に前記固定機構22の昇降フレーム30が昇降用エアシリンダ31を介して昇降可能に設けられている。このように固定機構22は、進退および昇降可能な昇降フレーム30を有し、この昇降フレーム30上には、前記キャリア2の下部に形成された係合凹部2cに着脱可能に係合する係合フック32がエアシリンダ33により回動可能に設けられている。すなわち、固定機構22は、載置台7上の待機位置イにある可動板21上にキャリア2を載置すると、昇降フレーム30を上昇させてキャリア2の底部に接近させ、係合フック32を回動によりキャリア2の係合凹部2cに係合させてキャリア2を固定し、この固定状態を第1のエアシリンダ18によりキャリア2が前進された後述のウエハカウント位置(検出位置、蓋取位置ともいう)ロまで維持し、これによりキャリア2が載置台7上にある限り作業員によって持ち去られないようになっている。
【0027】
また、固定機構22は、キャリア2をウエハカウント位置ロから搬送機構11との受渡位置ハに移動させる時に係合フック32の係合を解除し、キャリア2の移動の邪魔にならぬよう昇降フレーム30を降下させて退避するようになっている。また、前記移動機構10は、先ず第1のエアシリンダ18を利用して昇降フレーム30と共に可動板21を載置台7上の待機位置イからウエハカウント位置ロまで前進移動させ、次いで第2および第3のエアシリンダ19,20により可動板21を搬送機構11との受渡位置ハまで前進移動させるように構成されている。
【0028】
前記キャリア2には当該キャリアの情報を書き込んだ情報記録部34が設けられ、前記載置台7にはその情報記録部34の情報を読み取る情報読取器35が設けられている。この情報読取器35としては、バーコード式、赤外線式、電波式等の何れであってもよい。また、情報読取器35は、前記情報記録部34に情報を書き込み可能に構成されていてもよい。
【0029】
前記載置台7の背面部には、クリーンルームC内と筐体1内の搬送保管領域Saとを連通する搬出入口6が形成されたフレーム36が設けられ、図8の(b)に示すように、このフレーム36の搬出入口6にキャリア2の前部が位置するキャリアの位置がウエハカウント位置ロとされている。前記載置台7のフレーム36内には、ウエハカウント位置ロのキャリア2から蓋2bを一時的に取外す蓋脱着機構37と、蓋2bが取外されたキャリア2内にセンサ部38を挿入してウエハwの位置および数を検出(ウエハカウント)する検出機構39とがそれぞれキャリア2の移動通過時には下方に退避できるように図示しないエアシリンダを介して昇降可能に設けられている。
【0030】
蓋脱着機構37は、ウエハカウント位置ロに停止されたキャリア2の蓋2bに接近してラッチ機構を解除すると共に蓋2bを真空吸着または機械的クランプ機構により保持して蓋2bを開け、ウエハカウント後、逆の手順で蓋2bを閉めるように構成されている。検出機構39は、図7に示すように、ウエハカウント時にステッピングモータ40およびボールネジ41により上下方向に移動される箱状の本体42を有し、この本体42内にはエアシリンダ(例えばロッドレスシリンダ)43を介して昇降部材44が昇降可能に設けられている。この昇降部材44には本体42の上面部42aを垂直に貫通したロッド45を介してブラケット46が設けられ、このブラケット46には投光素子と受光素子からなるセンサ部38を有するU字状のセンサアーム47が起立状態から倒伏状態になるよう垂直回動可能に取付けられている。
【0031】
また、センサアーム47の起立倒伏操作を自動的に行うために、本体42の上面部42aには上端を前記センサアーム47の付根部に軸支した操作ロッド48が垂直に貫通され、本体42には操作ロッド48を上昇ストロークエンドの少し手前で停止させてセンサアーム47を起立状態から倒伏させるためのストッパ49が設けられていると共に、操作ロッド48の下端と前記昇降部材44との間には上昇ストロークエンドから下降する時にセンサアーム47を起立させるべく操作ロッド48を上方へ付勢するバネ50が介設されている。このようにセンサアーム47を起立状態から倒伏させることによりセンサ部38をキャリア2内に挿入し、ウエハwの位置および枚数を確実且つ容易に検出可能になっている。
【0032】
前記キャリア2の蓋2bを開けた時に、キャリア2に付着していたパーティクルが飛散してウエハwに付着するのを抑制ないし防止するために、前記筐体1内の搬出入口6の上方には、搬送保管領域Sa内の空気をフィルタにより濾過して清浄空気を下方へ吹出す空気清浄器51が取付けられていると共に、前記フレーム36内にはキャリア2の開口2aおよびこの開口2aから前方へ取外された蓋2bを取り囲んで前記清浄空気を下方へ導くダクト52がキャリア2の移動通過時には下方に退避できるように図示しないエアシリンダを介して昇降可能に設けられている。
【0033】
前記筐体1内における搬送機構11との受渡位置ハの下方は空間(デッドスペース)となるので、スペースの有効利用を図るために、搬送機構11との受渡位置ハの下方には搬送機構11や移動機構10等の制御を行う電装品が収容された電装ユニット53が設置されている。また、クリーンルームCの天上部54には、前記キャリア2を搬送する頭上搬送機構(Overhead Hoist Transport)55が走行レール55aを介して走行可能に設けられ、その真下に前記載置台7が設置され、載置台7の上部が待機位置(頭上搬送機構55との受渡位置)イとされている。
【0034】
次に、以上の構成からなる縦型熱処理装置の作用について述べる。頭上搬送機構55によって搬送されたキャリア2が載置台7上で待機する可動板21上に降ろされる(載置される)(図8の(a)の状態)と、識別機構によってキャリア2が25枚用か13枚用センサか、クローズ型かオープン型か等が識別されると共に、情報読取器35によってキャリア2の情報が読み取られる。ここで、規定外のキャリアは排除されることになる。
【0035】
そして、固定機構22の昇降プレート30が待機位置から上昇し、係合フック32がキャリア底部の係合凹部2cに回動しつつ係合してキャリア2を固定する。次に、載置台7上の移動機構10によってキャリア2がウエハカウント位置ロまで前進移動され、蓋脱着機構37が上昇してキャリア2から蓋2bを取外す(図8の(b))。これに際して、予めダクト52が上昇して搬出入口6に位置されており、空気清浄器51によってクラス1程度の清浄度の高い清浄空気Fがダクト52内に流下されているため、キャリア2の外周面等に付着しているパーティクルがキャリア2内に入り込んでウエハwに付着するのを抑制ないし防止することができる。
【0036】
次に、検出機構39の起立状態のセンサアーム47がエアシリンダ43の駆動によって上昇され、そのストロークエンドでセンサアーム47がキャリア2側に倒伏することによってセンサ部38がキャリア2内に挿入される(図8の(c))。そして、ステッピングモータ40の駆動によりセンサ部38を所定の速度で上昇させてスキャンし、キャリア2内のウエハwの位置および枚数を検出する(図8の(d))。次に、前記とは逆の手順で、検出機構39のセンサアーム47を降下させて搬出入口6から退避させ、次いで、蓋脱着機構37により蓋2bをキャリア2の開口2aに装着して密閉する(図8の(e))。キャリア2に蓋2bを装着して密閉したなら、空気清浄器51による送風を停止してもよい。
【0037】
次に、一旦、キャリア2を載置台7上の待機位置イまで後退させ、前記蓋脱着機構37およびダクト52を降下させて搬出入口6から退避させたなら、キャリア2をウエハカウント位置ロまで前進させ、固定機構22の係合フック32をキャリア2の係合凹部2cから離脱させて係合を解除すると共に昇降プレート30を下方に退避させた後、キャリア2を搬送機構11との受渡位置ハまで前進移動させる(図8の(f))。
【0038】
このようにして受渡位置ハに順次搬送移動されるキャリア2は、搬送機構11によって保管棚8に搬送されて一時的に保管される。また、搬送機構11によって保管棚8からキャリア2が移載台9に順次搬送され、移載台9上のキャリア2の蓋2bおよび隔壁5の開口部13の扉13が開放されると、移載機構15がキャリア2内からウエハwを取出し、ノッチ整列機構14を経由してボート3に順次移載する。そして、前記ボート3を熱処理炉4内に搬入してウエハwに所定の熱処理を施した後、ボート3をローディングエリアSbに搬出し、前記とは逆の手順で、ボート3から空のキャリア2に処理後のウエハwが戻され、キャリア2は搬送機構11および移動機構10を介して載置台7上まで搬出され、この載置台7から頭上搬送機構55によって搬送される。
【0039】
このように、縦型熱処理装置によれば、複数枚のウエハwが密閉状態で収容された蓋付きのキャリア2を搬入搬出する搬出入口6を有する筐体1と、この筐体1内に設けられ前記キャリア2を搬送する搬送機構11および複数個のキャリア2を保管する保管棚8を有する搬送保管領域Saと、前記キャリア2内からウエハwを取出して所定の処理を施す処理領域Sbとを備えた縦型熱処理装置であって、前記搬出入口6の外側にキャリア2を載置する載置台7を設け、この載置台7にキャリア2を前記搬送機構11との受渡位置ハまで移動可能な移動機構10を設けているため、頭上搬送装置55を適用することができると共にバッチ式処理が可能であり、処理能力の向上が図れる。
【0040】
また、前記移動機構10がキャリア2を一時的に固定する固定機構22を備えているため、載置台7上のキャリア2を作業員が誤って取り去る誤作業を防止することができる。前記移動機構10が左右に2つ並設されていると共に左右の中心側へ横移動可能に構成されているため、搬送機構11の狭い動作範囲に移動機構10を合せることができ、装置のコンパクト化および処理能力の向上が図れる。
【0041】
更に、前記載置台7がキャリア2から蓋2bを一時的に取外す蓋脱着機構37と、蓋2bが取外されたキャリア2内にセンサ部38を挿入してウエハwの位置および数を検出する検出機構39とを備えているため、載置台7上でキャリア内のウエハwの位置および数を確実且つ容易に検出することができる。前記搬送機構11の受渡位置ハの下方に電装ユニット53が設置されているため、筐体1の外側に電装ユニットを設置していた従来のものと異なり、ケーブルの引き回しが容易になると共に装置のコンパクト化が図れる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、処理装置としては、縦型以外の横型であってもよく、また、熱処理以外の処理を行うものであってもよい。被処理体としては、半導体ウエハ以外に、例えばガラス基板やLCD基板等が適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0044】
(1)請求項1の発明によれば、複数の被処理体が密閉状態で収容された蓋付きの運搬容器を搬入搬出する搬出入口を有する筐体と、該筐体内に設けられ前記運搬容器を搬送する搬送機構および複数個の運搬容器を保管する保管棚を有する搬送保管領域と、前記運搬容器内から被処理体を取出して所定の処理を施す処理領域とを備えた処理装置であって、前記搬出入口の外側に運搬容器を載置する載置台を設け、該載置台の背面部に前記搬出入口が形成されたフレームを設け、前記載置台に、運搬容器を載置して載置台上の待機位置から、前記フレームの搬出入口に運搬容器の前部が位置する検出位置まで移動し、次いで前記搬送保管領域内の搬送機構との受渡位置まで移動する可動板を有する移動機構を設け、前記フレーム内に前記検出位置の運搬容器から蓋を一時的に取外す蓋脱着機構と、蓋が取外された運搬容器内にセンサ部を挿入して被処理体の位置および数を検出する検出機構とを設けているため、頭上搬送装置の適用およびバッチ式処理が可能で、処理能力の向上が図れ、特に、前記搬出入口の上方には搬送保管領域内の空気を濾過してその清浄空気を下方へ吹出す空気清浄器が取付けられ、前記フレーム内には運搬容器の開口および該開口から取外された蓋を取り囲んで前記清浄空気を下方へ導くダクトが昇降可能に設けられているため、運搬容器の外周面等に付着しているパーティクルが運搬容器内に入り込んで被処理体に付着するのを抑制ないし防止することができる。
【0046】
(2)請求項2の発明によれば、前記検出機構は検出時に上下方向に移動される本体を有し、この本体内には昇降部材が昇降可能に設けられ、該昇降部材には本体の上面部を垂直に貫通したロッドを介してブラケットが設けられ、該ブラケットには投光素子と受光素子からなるセンサ部を有するU字状のセンサアームが起立状態から倒伏状態に垂直回動可能に取付けられ、本体の上面部には上端を前記センサアームの付根部に軸支した操作ロッドが垂直に貫通され、本体には操作ロッドを上昇ストロークエンドの少し手前で停止させてセンサアームを起立状態から倒伏させるストッパが設けられ、操作ロッドの下端と昇降部材との間には上昇ストロークエンドから下降する時にセンサアームを起立させるべく操作ロッドを上方へ付勢するバネが介設されているため、センサアームの起立倒伏操作を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を縦型熱処理装置に適用した実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同縦型熱処理装置の縦断面図である。
【図3】載置台の平面図である。
【図4】固定機構の斜視図である。
【図5】移動機構を示す図で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図6】固定機構の作動を示す側面図である。
【図7】検出機構の斜視図である。
【図8】移動機構およびその関連機構の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
Sa 搬送保管領域
Sb ローディングエリア(処理領域)
w 半導体ウエハ(被処理体)
1 筐体
2 キャリア(運搬容器)
2a 蓋
6 搬出入口
7 載置台
8 保管棚
10 移動機構
11 搬送機構
22 固定機構
37 蓋脱着機構
38 センサ部
39 検出機構
53 電装ユニット
Claims (2)
- 複数の被処理体が密閉状態で収容された蓋付きの運搬容器を搬入搬出する搬出入口を有する筐体と、該筐体内に設けられ前記運搬容器を搬送する搬送機構および複数個の運搬容器を保管する保管棚を有する搬送保管領域と、前記運搬容器内から被処理体を取出して所定の処理を施す処理領域とを備えた処理装置であって、前記搬出入口の外側に運搬容器を載置する載置台を設け、該載置台の背面部に前記搬出入口が形成されたフレームを設け、前記載置台に、運搬容器を載置して載置台上の待機位置から、前記フレームの搬出入口に運搬容器の前部が位置する検出位置まで移動し、次いで前記搬送保管領域内の搬送機構との受渡位置まで移動する可動板を有する移動機構を設け、前記フレーム内に前記検出位置の運搬容器から蓋を一時的に取外す蓋脱着機構と、蓋が取外された運搬容器内にセンサ部を挿入して被処理体の位置および数を検出する検出機構とを設け、前記搬出入口の上方には搬送保管領域内の空気を濾過してその清浄空気を下方へ吹出す空気清浄器が取付けられ、前記フレーム内には運搬容器の開口および該開口から取外された蓋を取り囲んで前記清浄空気を下方へ導くダクトが昇降可能に設けられていることを特徴とする処理装置。
- 前記検出機構は検出時に上下方向に移動される本体を有し、この本体内には昇降部材が昇降可能に設けられ、該昇降部材には本体の上面部を垂直に貫通したロッドを介してブラケットが設けられ、該ブラケットには投光素子と受光素子からなるセンサ部を有するU字状のセンサアームが起立状態から倒伏状態に垂直回動可能に取付けられ、本体の上面部には上端を前記センサアームの付根部に軸支した操作ロッドが垂直に貫通され、本体には操作ロッドを昇降部材の上昇ストロークエンドの少し手前で停止させてセンサアームを起立状態から倒伏させるストッパが設けられ、操作ロッドの下端と昇降部材との間には昇降部材の上昇ストロークエンドから下降する時にセンサアームを起立させるべく操作ロッドを上方へ付勢するバネが介設されていることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
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