JP3641984B2 - 印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置に関し、特にビルドアップ印刷配線板の製造方法およびその穴空け加工に用いられるレーザ穴あけ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層の印刷配線板を製造する際に、絶縁基板に回路パターンと絶縁層とを順次積層する方法をビルドアップと云う。このビルドアップアップによって、印刷配線板を製造する従来の方法を、以下、図9の工程順に説明する。
図9に示すように、まず絶縁樹脂基板1上に導体回路を形成したコア層2を作成し(工程A)、コア層2に感光性絶縁樹脂層3を印刷する(工程B)。次に、感光性絶縁樹脂層3に波長10.6ミクロンの炭酸ガスパルスレーザ光を集光し露光して穴4をあける(工程C)。続いて、感光性絶縁樹脂層3の表面を粗化し、次に穴壁及び感光性絶縁樹脂層3表面に無電解めっきし(工程D)、その無電解めっき層に重ねて電解めっきし銅層5を形成する(工程E)。この銅層5上にホトレジストを印刷し回路パターンを露光・現像し、銅層5をエッチングし回路パターンを形成する。このように、各層の回路パターンを電気的に接続するための穴(ビアホール)を、レーザを用いて形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の印刷配線板の製造方法では、穴(ビアホール)空け加工に使用される炭酸ガスパルスレーザの波長が10.6μmと大きいため、レーザ光束を小径スポットに絞り込むことが難かしく、40μm未満の微細な径の穴(ビアホール)4をあけることが困難であるという問題点がある。
【0004】
なお、上記問題点は炭酸ガスパルスレーザの光束を絞り込むレンズに収差があるため、その収差によりレーザビームが乱され、乱れた光成分がビームの絞り込みを妨害するために起こるものである。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、40μm未満の微細な径の穴(ビアホール)をあけることが可能な印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る印刷配線板の製造方法は、「絶縁樹脂基板上に導体回路を形成したコア層を作成し、前記コア層に感光性絶縁樹脂層を印刷し露光現像して前記感光性絶縁樹脂層にホトビアを形成し、レーザ光源の光束を、その偏光方向を水平方向あるいは垂直方向から所要角度で回転させ、該光束を第1の格子鏡で反射させ第1の光束を作成し、透過させた第2の光束との2つの光束を作成し、前記第1の光束と前記第2の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第1の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第1の光束に対する反射面の数と前記第2の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、前記レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第1の光束と前記第2の光束の偏光方向が反対方向に回転するように反射鏡群を設置し、前記光束の方向を集光レンズに向け、前記両光束それぞれを、第2の格子鏡で反射させた第3の光束と、透過した第4の光束に分割し、前記第3の光束と前記第4の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第2の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第3の光束に対する反射面の数と前記第4の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第3の光束と前記第4の光束の偏光方向が反対方向に回転するように反射鏡群を設置し、光束の方向を集光レンズに向け、前記第1の光束を分割した2本の光束と前記第2の光束を分割した2本の光束との、4本の光束を形成し、分割された束同士ではその偏光方向が反対方向に回転する4本の光束群を形成し、前記4本の光束を集光レンズにより前記感光性絶縁樹脂層の集光点に集光し、前記集光点に4本の光束の干渉により電界強度が0の境界で囲まれた微小径のレーザ光スポットを集光点に投影し、前記スポットで前記感光性絶縁樹脂層の表面に穴をあける工程と、前記感光性絶縁樹脂層表面に導体膜を無電解めっきし、該無電解めっき層に電解めっきで導体層を形成し、前記導体層上にフォトレジストを印刷しフォトレジストに回路パターンを露光・現像しエッチングレジスト膜を形成する工程と、該エッチングレジスト膜で保護された導体を残すエッチングを行い回路パターンを形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。」(請求項1)、を特徴とする。
【0007】
本発明に係るレーザ穴あけ装置は、「印刷配線板の穴あけを行うレーザ穴あけ装置であって、レーザ光源の光束を、その偏光方向を水平方向あるいは垂直方向から所要角度で回転させ、該光束を第1の格子鏡で反射させ第1の光束を作成し、透過させた第2の光束との2つの光束を作成し、前記第1の光束と前記第2の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第1の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第1の光束に対する反射面の数と前記第2の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、前記レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第1の光束と前記第2の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置された反射鏡群と、前記光束の方向を集光レンズに向け、前記両光束それぞれを、第2の格子鏡で反射させた第3の光束と、透過した第4の光束に分割し、前記第3の光束と前記第4の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第2の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第3の光束に対する反射面の数と前記第4の光束に対する反射面の数の差が奇数となるように、レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第3の光束と前記第4の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置した反射鏡群により、光束の方向を集光レンズに向け、前記第1の光束を分割した2本の光束と前記第2の光束を分割した2本の光束との、4本の光束を形成し、分割された光束同士ではその偏光方向が反対方向に回転する4本の光束群を形成し、前記4本の光束を前記印刷配線板上の集光点に集光する集光レンズを有し、前記集光点に4本の光束の干渉により微小径のレーザ光スポットを投影し、該微小径のレーザ光スポットを穴あけ位置に位置合わせし、前記印刷配線板上に投影することにより微小径の穴をあける機構を有すること」(請求項2)、を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るレーザ穴あけ装置は、印刷配線板の穴あけを行うレーザ穴あけ装置であって、レーザ光を偏光面が互いに異なる方向を向いた4本の光束に分割し、この4本の光束を集光レンズで収束し、印刷配線板の基板面へ投影させて微小径のレーザ光スポットとし、この微小径のレーザ光スポットを例えば、XYテーブル上などで、穴あけ位置に位置合わせし、印刷配線板の基板上に投影することにより微小径の穴をあける機構を有するものである。さらに詳しくは、レーザ光源の光束を、その偏光方向を水平方向あるいは垂直方向から所要角度で回転させ、該光束を第1の格子鏡で反射させ第1の光束を作成し、透過させた第2の光束との2つの光束を作成し、前記第1の光束と前記第2の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第1の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第1の光束に対する反射面の数と前記第2の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、前記レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第1の光束と前記第2の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置された反射鏡群と、前記光束の方向を集光レンズに向け、前記両光束それぞれを、第2の格子鏡で反射させた第3の光束と、透過した第4の光束に分割し、前記第3の光束と前記第4の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第2の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第3の光束に対する反射面の数と前記第4の光束に対する反射面の数の差が奇数となるように、レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第3の光束と前記第4の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置された反射鏡群と、を有している。また、上述の4本の光束を基板面の法線方向の平行な方向に向け、1つの集光レンズに導くことにより、光束を集光するものか、あるいは、4本の光束を基板面の法線方向から傾け、4本の光束毎に対応して別体に設けられた複数の集光レンズに導くことにより、全光束を1ヶ所に集光するように構成されているものであっても良い。本発明に係る印刷配線板の製造方法は、実施例を挙げて、本発明に係るレーザ穴あけ装置を用いた印刷配線板の製造方法として、以下図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の第1、2の実施例に限定されるものではなく、前記の発明を特定する事項の範囲内で適宜変更することができるものである。
【0010】
(実施例1)
実施例1について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の一実施例の光学系の側面図である。
本実施例における印刷配線板の製造方法の工程は以下の通りである。
(1)絶縁樹脂基板1上に導体回路を形成したコア層2を作成する(図9の工程a)。
(2)コア層2に感光性絶縁樹脂層3を印刷する(図9の工程b)。
(3)感光性絶縁樹脂層3に銅めっきし、その銅層5にビアホール用の穴をエッチングして感光性絶縁樹脂層3を露出させた窓をあける。
(4)炭酸ガスレーザの放電管にパルスレーザ電源がパルス電流を投入する事でレーザを発振させるレーザ光源16により、パルス幅が10n秒から100μ秒以内の炭酸ガスパルスレーザ(波長10.6μm)のレーザ光を取り出す。また、このレーザ光源に、電気光学変調器を取り付け、その変調により短い周波数のレーザパルスを得るQスイッチレーザを得る様に構成してもよい。レーザ光源16には、レーザ光の偏光面回転器と、レーザ光量調整器を取り付ける。また、レーザ光源16の出射光のレーザビーム直径を調整するためにビームエクスパンダを設置する事も可能である。それらを調整する事で、一パルスのエネルギーを4mJに絞り、レーザ光のビーム直径は16mmで、その電界すなわち偏光方向を図1の紙面に平行な方向から角度α傾けた直線偏光を持つ光束を作る。
【0011】
次に、その光束の光路の先100mm以内の位置に、図1の紙面に垂直に細長い鏡を2mmピッチで配列した第1の格子鏡10を設置し図1の紙面方向に進路を90度変えさせ、反射光束(第1の光束)を得る。また、第1の格子鏡10の透過光束(第2の光束)を得て、この様に2つの光束に分割する。
【0012】
ここで、この偏光面の傾き角度αは、最終的に集光レンズ(凸レンズ)11で光束が基板面に投影される最に光束が基板面の法線と成す角度をθとすると、次に示す式(数1)で計算する角度に調整する。この数1の意味は後に説明する。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、光束が基板面の法線と成す角度θを20度とし、α=1.8度を得るため、αを1.8度とする。
次に、透過光束(第2の光束)を鏡面が折り曲げ線を中心に45度の傾きに折り曲げられた構造の2面鏡12で反射させ、光束の進路を90度変え、透過光束に平行に16mmのピッチで走行させる。
【0015】
この第1の光束の方向を調整する反射面の数は、第1の格子鏡10が1枚であり、第2の光束の方向を調整する反射面の数は、2面鏡12の鏡面が2枚である。第1の光束に対する反射面1枚と第2の光束に対する反射面2枚の差が奇数となる。この鏡の枚数の差により、レーザ光源の光束の偏光面を角度αで回転させる場合に第1の光束と第2の光束の偏光面が反対方向に角度αで回転する。
【0016】
そして、レーザ光束の偏光面の角度αを紙面に対して1.8度回転させたため、2面鏡12と1面鏡を介して平行に走行させ両光束は、その偏光面がお互いに反対方向に紙面から1.8度回転した方向を向く。
【0017】
図2は両光束を図1の紙面に垂直な紙面に投影した図である。図2は、第1の光束に対して構成される第1の光学系18をあらわすとともに、第2の光束に対して構成される第2の光学系17をあらわし、両者はともに図2の構成である。
先の反射光束(第1の光束)と透過光束(第2の光束)とを、更に、図2の紙面に垂直に細長い鏡を1mmピッチで配列した第2の格子鏡13で反射し進路を90度変え図2の紙面方向に向けた反射光束(第3の光束)と透過光束(第4の光束)に分ける。次に、その反射光束(第3の光束)を鏡面が45度に折り曲げられた2面鏡14で反射し、透過光束(第4の光束)に対して16mmのピッチで平行に走行させる。
【0018】
この第3の光束の方向を調整する反射面の数は、第2の格子鏡13と2面鏡14との合計3枚であり、第4の光束の方向を調整する反射面の数は0枚である。第3の光束に対する反射面3枚と第4の光束に対する反射面0枚の差が奇数となる。この鏡の枚数の差により、レーザ光源の光束の偏光面を角度αで回転させる場合に第3の光束と第4の光束の偏光面が反対方向に角度αで回転する。
【0019】
こうして第3の光束と第4の光束は偏光面がお互いに反対方向に、紙面の垂直線から1.8度回転した方向を向く。こうして、隣接する光束同士で偏光面が互いに反対方向にY方向から1.8度傾いた4本の平行光束で直径16mmの光束が16mmピッチで走行する。この偏光方向を図3に示す。なお、図3中の符号18は第1の光学系、17は第2の光学系である。
【0020】
これらの光束を焦点距離32mmのZnSeの集光レンズ(凸レンズ)11で収束させ、4方向からの光束を約27ミクロンの直径の領域に集光させる。これで印刷配線板15の絶縁樹脂面を露光する。
【0021】
これら4方向の光束は集光レンズ(凸レンズ)11で屈折され、基板面の法線に対して20度の角度θを成す光束になり、これら4本の光束の基板面に平行な偏光方向は、印刷配線板15のXY座標軸と45度を成す方向を向き、その偏光成分の強度は光の振幅のSIN(45度−1.8度)となる。
【0022】
一方、光の基板面に平行な偏光成分に垂直な偏光成分は、COS(45度−1.8度)になるが、この偏光成分が基板面と成す角度は光が基板面の法線と成す角度であり、それが30度であるため、その偏光成分の基板面と平行な成分はCOS(45度−1.8度)×COS(20度)である。この両偏光成分はXY座標軸と45度の方向を向き、強度が同じになる。
【0023】
数1は、この両者が同じ値になる条件として導かれた式であった。結局、各光束は光束の電界方向がレンズ側に向く様に数1の計算結果で偏光面を回転し調整されたものである。
こうして、基板面に投影した両偏光成分の強度が同じであるので、両者を合成するとY座標軸方向の振動成分になる。光の成分こ凸レンズで収束された基板面への投影位置においては、4つの光束のいずれもY方向振動成分のみとなり、これらは良く干渉し、次の数2と数3で示す式で表わされる電界強度を生じる。
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
ここでλはレーザ光の波長10.6μmであり、θ=20度であり、(21/2)/Sin(20度)=4.1である。そのため、P=22μmになる。すなわち、X座標に平行な格子とY座標に平行な格子で電界値が0になる周期がP=22μmの格子模様が出来る。
【0027】
1つ1つのビームが焦点距離32mmの集光レンズ(凸レンズ)11により収束点に集光された直径は27μmであり、また、レンズの収差が入るとビームはもっと大きく広がるが、4つのビームの干渉により、22μmの寸法の端で光密度が0になる干渉縞が形成される。
【0028】
その結果、図4の様にレーザ光の干渉縞の間にガウスビームの直径が15ミクロンの小さな径のレーザスポットが形成される。この4つの光束を合わせて1つ1つのビームの直径の2倍の太いビームを作り、それを収差が無い完全なレンズで収束するとそのスポット径は1つ1つのビームの収束するスポット径の2分の1に小さくなるが、レンズに収差がある場合にはそうはならない。
【0029】
しかし、レンズの収差が存在する場合でも、この様に光束の干渉を利用することで小さなスポット径が実現できる。
こうしてパルスレーザの4本の光束の集光する位置に集光し干渉させることにより、1つ1つのビームの集光する直径よりも小さな直径のレーザスポットを生じさせることができた。そのスポットを基板に照射することでパルスレーザで絶縁樹脂(ポリイミド)に5μmの深さの穴をエッチングし、5パルスで25μmの深さの穴をあけた。
【0030】
(5)こうしてあけた穴と絶縁樹脂表面に銅を無電解めっきし、その無電解めっきの上から電解めっきし穴をめっきしビアホールを形成する。
(6)印刷配線板15(銅層5)上にフォトレジストを印刷し回路パターンを露光・現像し、銅層5をエッチングし回路パターンを形成する。
【0031】
上述のように本実施例は、絶縁樹脂上にパルスレーザ光を干渉させることで定められる寸法に収めたスポットを形成し、そのスポットの端が鮮明な微小径のレーザ光スポットを形成したので、微小な穴径の形成が可能となり、炭酸ガスレーザを用いて直径15ミクロン程度の微小径の穴をあけることができた。
【0032】
(実施例2)
実施例2について、図5から図8を用いて説明する。
本実施例では、以下に説明する様に、炭酸ガスパルスレーザ装置(レーザ光源)20を、集光レンズ21で集光する光束が基板面の法線と成す角度θが30度になるように構成する。
【0033】
まず、炭酸ガスパルスレーザ(波長10.6μm)のレーザ光のビーム直径は16mmである。その電界を図5の紙面に平行な方向からの傾きαは、数1に角度θ=30度を代入して計算した結果、α=4.1度を得る。
【0034】
この方向の直線偏光を持つ光束を図5の紙面に垂直に細長い鏡を2mmピッチで配列した第1の格子鏡22を設置し図5の紙面の方向に反射させた反射光束(第1の光束)と透過光束(第2の光束)に分割する。第1の光束を鏡23と鏡24との二面鏡で反射し、基板面の法線から22.2度の角度を成す方向で集光レンズ21に向ける。
また、第2の光束は鏡25で反射し基板面の法線から22.2度の角度を成す方向で集光レンズ21に向ける。
【0035】
レーザ光束の偏光面を紙面から4.1度回転させたため、鏡23と鏡24の二面鏡で反射した第1の光束と鏡25の1面鏡で反射させた第2の光束は、その偏光面はお互いに反対方向に紙面から4.1度回転した方向を向く。
【0036】
次に、第1の光束を、図5の紙面に平行に細長い鏡を1mmピッチで配列した第2格子鏡26を設置し図5の紙面に垂直な方向成分を持つ方向に反射させた光束(第3の光束)を得る。
なお、図5中の符号33は、凸レンズである。
図6は両光束を図1の紙面に垂直な紙面に投影した図である。
【0037】
第1の光束の第2の格子鏡26の透過光は鏡27で反射し、図6の面内では基板面の法線に対し22.2度の角度を成す方向、この方向は三次元空間内では基板面の法線に対し30度の角度を成す方向、から集光レンズ21に導く光束(第4の光束)を得る。
【0038】
先に第2の格子鏡26で反射した第3の光束は、鏡28と鏡29の二面鏡で反射し、図6の面内では基板面の法線に対し22.2度の角度を成す方向、すなわち三次元空間内で基板面の法線に対し30度の角度を成す方向、から集光レンズ21に導く。
【0039】
第3の光束は第1の光束を第2の格子鏡26で反射した後に鏡28と鏡29との二面鏡で反射し、第4の光束は第1の光束を鏡30で反射した後に鏡27だけの一面鏡で反射したので、第1の光束の偏光面を図6の紙面に垂直方向から4.1度回転した場合に、第3の光束と第4の光束はその偏光面がお互いに反対方向に紙面に垂直方向から4.1度回転した方向を向く。
【0040】
こうして、隣接する光束同士で偏光面が互いに反対方向にY方向から4.1度傾いた方向を向いた4本の平行光束ができる。ここで、各光束は図7に両矢印で示す様に光束の電界方向すなわち偏光面が集光点に向けて4.1度回転したものになる。
【0041】
これら4方向の光束それぞれを図7に示す円を4分割した形状で焦点距離21mmの各ZnSeの集光レンズ21で約18ミクロンの直径の領域に集光させ印刷配線板31の絶縁樹脂面を露光する。
これら4方向の光束は集光レンズ21の光軸に対して30度の角度θを成す光束であるため数1により各光束の偏光方向を4.1度傾ける必要が分かり、その様に偏光方向を傾けたため、これら4本の光束は集光レンズ21で収束された基板面への投影位置においては、その投影する電界の基板面に平行な成分はいずれの光束もY方向を向くき、良く干渉し、数2と数3で計算される電界強度になる。
【0042】
ここでλはレーザ光の波長10.6μmであり、(21/2)/Sin(30度)=8.1であり、数3を計算すると、P=15μmを得る。すなわち、X座標に平行な格子とY座標に平行な格子で電界値が0になる周期がP=15μmの格子模様が出来る。
【0043】
焦点距離21mmの集光レンズ21による1つ1つのビームの収束点での直径は18μmであり、また、レンズの収差が入るとビームはもっと大きく広がるが、この干渉縞により、レーザビームの端の光密度が0に落とされる。その結果、図4の様にレーザ光の干渉縞の間にガウスビームの直径が10ミクロンの小さな径のレーザスポットが形成される。
【0044】
これは、この4つの光束を合わせた直径が1つ1つのビームの直径の2倍になる。その、太いビームがレンズの収差を受けない場合には収束するスポット径が小さくなるが、その通りに小さなスポット径が実現できる。
【0045】
こうしてパルスレーザの4本の光束の集光する位置に集光し干渉させることにより、通常はレンズの収差によりレーザビームの集光可能な限度が広がってしまうことを補償し、小さな直径のレーザスポットを生じさせることができる。
【0046】
また、図8に示す様に、集光レンズ21による光束の印刷配線板31上への集光部分の数十マイクロメートル上方に、光束の干渉縞の位置に円形アパーチャの縁を有する円形アパーチャ32を設置し、周辺光を遮る構造を用いることも可能である。
なお、図5中の符号34は第1の光学系、35は第2の光学系、36は第3の格子鏡、37、38、39、40はそれぞれ上述の鏡27、28、29、30に対応する鏡である。
【0047】
上述のように本実施例は、4本の光束を基板面の法線から30度の方向から光束毎の集光レンズ21に導き、各集光レンズ21で光束を1ヶ所に集光するので、炭酸ガスレーザを用いて直径10ミクロン程度の微小径の穴をあけることができた。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置によれば、レーザ光を偏光面が互いに異なる方向を向いた4本の光束に分割し、該4本の光束を集光レンズで収束し、前記印刷配線板の基板面へ投影させて微小径のレーザ光スポットとし、該微小径のレーザ光スポットを穴あけ位置に位置合わせし、前記印刷配線板の基板上に投影することにより微小径の穴をあける機構を有するので、収束点で各光束のスポットの干渉によりスポットは端部が光強度分布の鋭い立ち下がりを有する微小径のレーザ光スポットにすることができるという効果が得られる。
また、奇数面を介して互いに平行な方向に進む2光束を得る光学系統を有するので、これにより、各光束の偏光面を互いに数度回転させるので、複数の光束を凸レンズで収束した収束点での干渉性を良くすることができる効果が得られる。
また、炭酸ガスレーザの光束を、細長い鏡の集合である格子鏡を用いて光を分けることで光の透過の際のエネルギー損失を無くすることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例1の光学系統を示す側面図である。
【図2】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の第1の実施例1の光学系統を示す側面図である。
【図3】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の第1の実施例1の光学系統を示す正面図である。
【図4】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例1の形態のレーザスポットを示す図である。
【図5】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例2の光学系統を示す側面図である。
【図6】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例2の光学系統を示す側面図である。
【図7】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例2の光学系統を示す正面図である。
【図8】本発明に係る印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置の実施例2の円形アパチャーを示す図である。
【図9】従来例に係る印刷配線板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁樹脂基板
2 コア層
3 感光性絶縁樹脂層
4 穴(ビアホール)
5 銅層
10、22 第1の格子鏡
11 集光レンズ(凸レンズ)
12、14 二面鏡
13、26 第2の格子鏡
15、31 印刷配線板
16、20 レーザ光源
18、34 第1の光学系
17、35 第2の光学系
21 集光レンズ
23、24、25 鏡
27、28、29、30 鏡
37、38、39、40 鏡
32 円形アパーチャ
33 凸レンズ
36 第3の格子鏡
Claims (2)
- 絶縁樹脂基板上に導体回路を形成したコア層を作成し、
前記コア層に感光性絶縁樹脂層を印刷し露光現像して前記感光性絶縁樹脂層にホトビアを形成し、
レーザ光源の光束を、その偏光方向を水平方向あるいは垂直方向から所要角度で回転させ、
該光束を第1の格子鏡で反射させ第1の光束を作成し、透過させた第2の光束との2つの光束を作成し、
前記第1の光束と前記第2の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第1の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第1の光束に対する反射面の数と前記第2の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、
前記レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第1の光束と前記第2の光束の偏光方向が反対方向に回転するように反射鏡群を設置し、前記光束の方向を集光レンズに向け、
前記両光束それぞれを、第2の格子鏡で反射させた第3の光束と、透過した第4の光束に分割し、
前記第3の光束と前記第4の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第2の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第3の光束に対する反射面の数と前記第4の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、
レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第3の光束と前記第4の光束の偏光方向が反対方向に回転するように反射鏡群を設置し、光束の方向を集光レンズに向け、
前記第1の光束を分割した2本の光束と前記第2の光束を分割した2本の光束との、4本の光束を形成し、
分割された束同士ではその偏光方向が反対方向に回転する4本の光束群を形成し、
前記4本の光束を集光レンズにより前記感光性絶縁樹脂層の集光点に集光し、
前記集光点に4本の光束の干渉により電界強度が0の境界で囲まれた微小径のレーザ光スポットを集光点に投影し、
前記スポットで前記感光性絶縁樹脂層の表面に穴をあける工程と、
前記感光性絶縁樹脂層表面に導体膜を無電解めっきし、該無電解めっき層に電解めっきで導体層を形成し、前記導体層上にフォトレジストを印刷しフォトレジストに回路パターンを露光・現像しエッチングレジスト膜を形成する工程と、
該エッチングレジスト膜で保護された導体を残すエッチングを行い回路パターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 印刷配線板の穴あけを行うレーザ穴あけ装置であって、レーザ光源の光束を、その偏光方向を水平方向あるいは垂直方向から所要角度で回転させ、該光束を第1の格子鏡で反射させ第1の光束を作成し、透過させた第2の光束との2つの光束を作成し、前記第1の光束と前記第2の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第1の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第1の光束に対する反射面の数と前記第2の光束に対する反射面の数の差が奇数となるようにし、前記レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第1の光束と前記第2の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置された反射鏡群と、
前記光束の方向を集光レンズに向け、前記両光束それぞれを、第2の格子鏡で反射させた第3の光束と、透過した第4の光束に分割し、前記第3の光束と前記第4の光束を反射させ集光レンズの方向に向ける反射面の数(第2の格子鏡も該反射面の数に含む)を、前記第3の光束に対する反射面の数と前記第4の光束に対する反射面の数の差が奇数となるように、レーザ光源の光束の偏光方向を回転させる場合に前記第3の光束と前記第4の光束の偏光方向が反対方向に回転するように設置した反射鏡群により、
光束の方向を集光レンズに向け、前記第1の光束を分割した2本の光束と前記第2の光束を分割した2本の光束との、4本の光束を形成し、分割された光束同士ではその偏光方向が反対方向に回転する4本の光束群を形成し、前記4本の光束を前記印刷配線板上の集光点に集光する集光レンズを有し、前記集光点に4本の光束の干渉により微小径のレーザ光スポットを投影し、該微小径のレーザ光スポットを穴あけ位置に位置合わせし、前記印刷配線板上に投影することにより微小径の穴をあける機構を有することを特徴とするレーザ穴あけ装置。
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JP21439199A JP3641984B2 (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 印刷配線板の製造方法およびレーザ穴あけ装置 |
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