JP3641476B2 - コーティング剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜の耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、かつエマルジョン(コーティング液)を製造直後から長時間放置した後の使用においても塗膜物性が変化(低下)しないコーティング剤組成物に関するもので、特に建材塗料、接着剤、紙コーティング剤として有用な水性コーティング剤組成物に関するものである。
ポリアルコキシポリシロキサンあるいはテトラアルコキシシランや、アルコキシシリル基(加水分解性シリル基)含有単量体等を含有する樹脂、特にアクリル−シリコン系樹脂は常温硬化性を有し、高硬度の塗膜を形成し、耐候性、耐汚染性等の性能に優れるので従来より接着剤や塗料用バインダー、紙コーティング剤として使用されている。
例えば、アルコキシシリル基含有アクリル共重合体、テトラアルキルシリケート(テトラアルコキシシラン)及び/又はその縮合物、及び硬化触媒よりなる親水性硬化性組成物
が開示され、塗膜表面が親水性となるので、汚染物質を雨水等により洗い流せることができ、耐汚染性が良好であることが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、近年、塗料や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の観点より、有機溶剤を使用するものから、水性あるいは水分散性樹脂への樹脂の転換が試みられているが、上記特許文献1の開示技術では、有機溶剤系での重合が中心で、水系では、安定な重合が出来ず目的とするエマルジョンの製造にはかなりの技術が必要となる。
かかる水系での重合について種々の工夫が試みられており、例えば、アルコキシシリル基含有単量体を用いた乳化重合の例としては、メタクリル酸アルキルエステル、アルコキシシラン基含有単量体、アクリルアミド等を乳化重合してなるエマルジョンが開示され(例えば、特許文献2参照。)、又、加水分解性シリル基とアミンイミド基を各々1分子中に少なくとも1個有する樹脂を含有する反応型樹脂エマルジョンが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
更に、ポリアルコキシポリシロキサン(A)、不飽和単量体(B)、乳化剤(C)を含む水媒体中において油滴の径が1000nm以下になるように予め乳化させた乳化液を重合開始剤(D)の存在下に重合する水性コーティング剤組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平6―145453号公報 特開平3−227312号公報 特開平5−25354号公報 特開2000−53919号公報
しかしながら、特許文献2や特許文献3の開示技術では、ある程度の塗膜の耐候性、耐溶剤性は向上するものの、更なる改良が求められており、特にエマルジョンの放置安定性、塗膜の耐汚染性についてはまだまだ満足のいくものは得られていない。
更に、アルコキシシリル基含有単量体やテトラアルコキシシラン及び/又はその部分縮合物は、水媒体中では安定に存在しがたく、又、一般に行われている乳化重合法、即ち、乳化剤を含有する水媒体中にテトラアルコキシシラン及び/又はその部分縮合物及び重合性単量体の一部を乳化分散させ開始剤の存在下、前記乳化分散体を仕込みながら、加熱重合を行う方法では、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分縮合物をエマルジョン粒子中に安定に導入できないという問題点があった。
上記問題点を解決すべく特許文献4の開示技術が提案され、比較的安定にアルコキシシリル基をエマルジョン粒子中に導入することができ、耐汚染性の向上は得られたが、一方で、エマルジョンの放置時間に伴う塗膜物性(特に耐水性、耐候性)の変化、即ち、エマルジョンを製造した直後やエマルジョンを長時間放置した後の塗膜物性が低下する恐れがあるものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、塗膜の耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、かつエマルジョンの製造直後から長時間放置した後の使用においても塗膜物性が変化(低下)しないコーティング剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
水媒体中で、
(A)シリル基含有不飽和単量体、
(B)該シリル基含有不飽和単量体(A)以外の不飽和単量体、
(C)テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
(D)乳化剤
を含んでなる乳化液[I]を、重合開始剤(E)の存在下で重合してなるコーティング剤組成物が、上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
本発明では、乳化液[I]が、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた乳化液であることも好ましいが、特には、乳化液[I]が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた後、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基を50モル%以上加水分解させた又はそれを更に縮合させた乳化液であることが好ましい。
更に、乳化液[I]が、油溶成分の粒子径が1μm以下となるように、水媒体中で予め乳化させた乳化液であることが重合を安定に行える点及び加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基の加水分解を容易に行える点で好ましい。
又、本発明では、重合の際に、更に加水分解抑制剤(F)を添加してなることが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物は、加水分解性シリル基が予め50モル%以上加水分解された又はそれが更に縮合されたシリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)及び乳化剤(D)を含んでなる乳化液[I]を重合してなるため、塗膜の耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、かつ、得られるエマルジョンの製造直後から長時間放置した後の使用においても塗膜物性が変化(低下)しないという効果を有するものであり、とりわけ建材塗料、接着剤、紙コーティング剤等の用途に有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるシリル基含有不飽和単量体(A)としては、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基が50モル%以上、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは75モル%以上加水分解された又はそれが更に縮合されたシリル基含有不飽和単量体であればよい。かかる加水分解が50モル%未満ではコーティング液の製造直後又は長期に放置した後の塗膜性能(特に耐水性、耐候性)が低下することとなり本発明の効果を発揮しない。
ここで、縮合されたシリル基含有不飽和単量体とは、該加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基が加水分解され、更に加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基の少なくとも一部が他分子と縮合反応をした構造を有するものであり、又、その一部がテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)と縮合していてもよい。
かかる加水分解は、水中で10〜50℃の温度で、加水分解触媒となる酸基(中和されていてもよい)を含有する化合物の存在下[酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)=1/5〜2/1(モル比)]、3〜10時間撹拌することにより行われる。
酸基を含有する化合物としては、後述の乳化剤や加水分解抑制剤(F)のうち酸基を有するものを用いることができる。
かかる加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)としては、シリル基に少なくとも一つ以上のアルコキシ基を有したものであれば特に限定されず、例えば、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられ、1種又は2種以上が用いられる。
中でも好ましくは、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シランが挙げられる。
本発明で用いられる不飽和単量体(B)としては、シリル基含有不飽和単量体(A)以外のラジカル重合性不飽和単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、t−デカン酸ビニル、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、アクリルクロライド等が挙げられ、更に、(1)カルボキシル基含有単量体、(2)水酸基含有単量体、(3)エポキシ基含有単量体、(4)アミド基やメチロール基、カルボニル基、アセトアセチル基を含有する単量体、(5)多官能性モノマー等の架橋性を有する単量体も挙げられる。これらは単独もしくは2種以上の混合物にて使用される。
(1)カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、(無水)マレイン酸、シトラコン酸、リシノール酸又はそれらの塩(アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩)等が挙げられる。
(2)水酸基含有単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチルカルビトールアクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、4−ブチルヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、アリルアルコール等が挙げられる。
(3)エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−(4(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル)アクリルアミド、ビスフェノールAジグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(4)アミド基やメチロール基、カルボニル基、アセトアセチル基を含有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ブトキシN−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
(5)多官能性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。
これら上記の中でも、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリル酸(アンモニウム塩、ジエチルアミン塩)、メタクリル酸(アンモニウム塩、ジエチルアミン塩)、クロトン酸(アンモニウム塩、ジエチルアミン塩)、イタコン酸(アンモニウム塩、ジエチルアミン塩)が好ましく用いられる。
次に本発明で用いられるテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)について説明する。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられ、中でも重合後の加水分解率を高くしやすい点で、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物としては、上記テトラアルコキシシランを加水分解縮合することにより得られ、縮合度は加水分解率を制御することにより調整できる。かかる縮合度については縮合物が液状を保持していれば特に限定されない。又、分岐構造やミクロなゲル構造を有していてもよい。
又、加水分解縮合は、公知の方法によることができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて酸触媒の存在下に副生するアルコールを留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、更に縮合した部分加水分解縮合物が得られる。
かかるテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物については、乳化液[I]の調製が容易である点、重合後に加水分解して副生するアルコールの量が少ない点で、平均縮合度が4以上の部分加水分解縮合物を用いることが好ましい。
又、本発明で用いられる乳化剤(D)としては、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の各成分を水媒体中に乳化させ得る機能を持つものであれば特には限定されず、反応性(イオン性、非イオン性)界面活性剤、非反応性(イオン性、非イオン性)界面活性剤等が挙げられるが、塗膜の耐水性の点で反応性界面活性剤が好ましい。
反応性界面活性剤とは、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)とラジカル反応性を有するイオン性、非イオン性の界面活性剤であればよく、該反応性界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)〜(7)のような構造をもつものが挙げられる。
Figure 0003641476
Figure 0003641476
Figure 0003641476
Figure 0003641476
Figure 0003641476
Figure 0003641476
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〔ここで、一般式(1)〜(7)において、R1はアルキル基、R2は水素又はメチル基、R3はアルキレン基、nは1以上の整数、m、lは1以上の整数(m+l=3)、Xは水素、SO3NH4、SO3Naのいずれかである。〕
上記界面活性剤として具体的には、アデカリアソープSE−20N(アニオン性)、アデカリアソープSE−10N(アニオン性)、アデカリアソープNE−10(ノニオン性)、アデカリアソープNE−20(ノニオン性)、アデカリアソープNE−30(ノニオン性)、アデカリアソープNE−40(ノニオン性)、アデカリアソープSDX−730(アニオン性)、アデカリアソープSDX−731(アニオン性)〔以上、旭電化工業(株)製〕、エレミノールJS−2(アニオン性)、エレミノールRS−30(アニオン性)〔以上、三洋化成工業(株)製〕、ラテムルS−180A(アニオン性)、ラテムルS−180(アニオン性)〔以上、花王(株)製〕、アクアロンBC−05(アニオン性)、アクアロンBC−10(アニオン性)、アクアロンBC−20(アニオン性)、アクアロンHS−05(アニオン性)、アクアロンHS−10(アニオン性)、アクアロンHS−20(アニオン性)、アクアロンRN−10(ノニオン性)、アクアロンRN−20(ノニオン性)、アクアロンRN−30(ノニオン性)、アクアロンRN−50(ノニオン性)、ニューフロンティアS−510(アニオン)〔以上、第一工業製薬(株)製〕、フォスフィノ−ルTX(アニオン性)〔東邦化学工業(株)製〕)等の市販品が挙げられる。
かくして本発明では、水媒体中で、上記の如き、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)及び乳化剤(D)を用いて乳化液[I]が得られ、該乳化液[I]を、重合開始剤(E)の存在下で重合するのである。
かかる乳化液[I]は、(i)シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた乳化液、又は(ii)加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた後、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基を50重量%以上加水分解させた又はそれを縮合させた乳化液のいずれでもよいが、操作や加水分解率の調整が容易である点で(ii)のほうがより好ましい。
又、乳化液[I]は、後述の如く油溶成分の粒子径が1μm以下となるように、水媒体中で予め乳化させた乳化液であることが好ましい。
本発明で用いられる重合開始剤(E)としては、特に制限されず、水溶性、油溶性のいずれのものも用いることが可能で、具体的には、アルキルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩、2,2’−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ジヒドロクロライドテトラヒドレート、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕−プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド}、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等が用いられる。)等が挙げられ、これらの中でもアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド}、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩等が挙げられる。
尚、該重合開始剤(E)は重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加添加してもよいし、又、乳化の前の(A)又は(a)、(B)の混合液、あるいは(A)又は(a)、(B)、(C)の混合液に予め添加したり、該乳化後の乳化液に添加してもよい。
更に本発明では、重合を安定に行うために重合の際に加水分解抑制剤(F)を添加して予備乳化させた乳化液(II)として用いることが好ましく、該加水分解抑制剤(F)は特に限定されないが、塩基で中和してなる酸官能基及び/又はアミンイミド基を含有する化合物であることが好ましい。
該化合物としては分散機能を有する高分子化合物、pH緩衝機能を有する化合物、ラジカル重合機能を有する化合物等が挙げられるが、分散機能を有する高分子化合物が特に好ましい。
まず、分散機能を有する高分子化合物について述べる。該高分子化合物はスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等の酸官能基をもち、該官能基を塩基で中和した高分子化合物等が挙げられるが、カルボキシル基含有重合体を塩基で中和してなる高分子化合物が特に好ましい。
該カルボキシル基含有重合体とは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、リシノール酸(好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸)等のカルボキシル基含有単量体を単独重合又は他の不飽和単量体と共重合させて得られる。
又、上記高分子化合物は、アミンイミド基を含有するものも好ましく、該高分子化合物はアミンイミド基含有単量体を単独重合、又は他の不飽和単量体と共重合させて得られる。
該アミンイミド基含有単量体としては、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−ヒドロキシ−3’−フェノキシプロピル)アミンメタクリルイミド、1,1,1−トリメチルアミンアクリルイミド、あるいは下記一般式(8)、一般式(9)で示される単量体が挙げられる。
Figure 0003641476
Figure 0003641476
共重合の際に用いる他の不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、バーサチック酸ビニルエステル等の脂肪酸エステル等が単独又は併用して用いられる。
上記の高分子化合物の分子量については、特には限定されないが、数平均分子量として、500〜500,000が好ましく、更に好ましくは700〜30,000で、該分子量が500未満の時は得られるコーティング剤組成物の重合時の安定性が低下し、500,000を越える時は高粘度化し、該高分子化合物の重合時の希釈剤が多くなり不経済であるとともに、コーティング剤組成物においても粗粒子が多く生成する問題があり好ましくない。
上記カルボキシル基含有共重合体を更に塩基性化合物で中和するに当たり、該塩基性化合物としては、例えばアンモニア、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルフォリン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノール、ジイソプロパノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、好ましくはアンモニア、ジエチルアミンが用いられる。
次に加水分解抑制剤(F)がpH緩衝機能を有する化合物である場合について説明する。該化合物としては、反応系をpH6〜10に保持できるものであれば特に制限されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
又、上記加水分解抑制剤(F)は、同種異種の化合物を2種以上組合せて使用することもできる。
上記シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)、乳化剤(D)、重合開始剤(E)、加水分解抑制剤(F)の他に、本発明の効果を損なわない範囲で公知の連鎖移動剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、造膜助剤等を添加してもよい。又、塗膜の硬化を促進するため、塗工する直前に有機スズ化合物、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物等の硬化剤を添加してもよく、該硬化剤はエマルジョンの形で添加してもよい。
次に、本発明のコーティング剤組成物を得る方法について説明する。
上記の各成分の仕込方法としては、特に限定されないが、水に乳化剤(D)を溶解した後、その他の成分を仕込むのが好ましい。
シリル基含有不飽和単量体(A)の配合量については、シリル基含有不飽和単量体(A)と不飽和単量体(B)の合計量に対して、0.1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。シリル基含有不飽和単量体(A)の配合量が0.1重量%未満では耐汚染性、耐溶剤性、耐水性、耐候性が充分ではなく、20重量部を越えると塗膜が脆くなったり、安定した製造ができなくなったりし好ましくない。
又、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の配合量は、シリル基含有不飽和単量体(A)と不飽和単量体(B)100重量部に対して、1.0〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは10〜80重量部である。かかる配合量が1.0重量部未満では耐汚染性、耐候性が充分ではなく、200重量部を越えると耐水性が低下したり塗膜が脆くなったり、安定した製造ができなくなったりし好ましくない。
又、乳化剤(D)の配合量は、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)及びテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の合計量100重量部に対して、0.5〜7重量部とすることが好ましく、更に好ましくは1〜5重量部である。乳化剤(D)が0.5重量部未満では、充分な乳化性能を保持できず乳化液を1μm以下とすることが難しく、重合を安定に行うことが難しくなり、7重量部を越えるとコーティング剤組成物を皮膜にした時、耐水性が悪くなり好ましくない。
加水分解抑制剤(F)を配合する場合、その配合量は、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)及びテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の合計量100重量部に対して、0.05〜5重量部とすることが好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量部である。かかる配合量が0.05重量部未満では重合が安定に行うことができず、5重量部を越えるとコーティング剤組成物を皮膜にした時の耐水性が低下したり、重合安定性が低下することがあり好ましくない。
水の使用量は、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)及びテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の合計量100重量部に対して、50〜400重量部が好ましく、更には70〜200重量部とすることが好ましく、50重量部未満では乳化液が高粘度となり、又、重合安定性も低下することとなり、400重量部を越えると生成するコーティング剤組成物の濃度が低くなり、塗膜化する際の乾燥性が低下し好ましくない。
乳化するに当たっては、高圧ホモジナイザー、超音波処理装置等の乳化装置を用いることが重要で、高圧ホモジナイザーを用いる際の圧力は10〜1500kg/cm2にすることが好ましく、更に好ましくは30〜1000kg/cm2である。
乳化時の温度は、乳化中にシリル基含有不飽和単量体(A)及び不飽和単量体(B)が反応しない程度の温度であれば問題なく、通常5〜60℃程度が適当で、乳化時に発熱する場合は必要に応じて冷却する。又、高圧ホモジナイザーを用いる場合、乳化液の処理(Pass)回数は1〜5回程度が好ましい。
尚、上記の乳化する前に、撹拌、震動等により予備乳化しておくのが好ましい。
上記の乳化装置により、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)及びテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を乳化剤(D)の存在下に水媒体中で乳化させる。
乳化液[I]中の油溶成分の粒子径については、1μm以下にすることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.7μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。該油溶成分の粒子径が1μmを越えるとコーティング剤組成物の重合安定性が低下するので好ましくない。
上記の予備乳化終了後、乳化液[I]を昇温して重合を開始するのであるが、その方法としては、例えば、(ア)乳化液全量をそのまま昇温して重合する、(イ)乳化液の一部を昇温して重合を開始し、残りの乳化液を滴下又は分割添加して重合を継続する、(ウ)反応缶に水(必要に応じて一部の乳化剤及び一部又は全部の加水分解抑制剤、重合開始剤を仕込んでおいてもよい)を仕込んで昇温した後、乳化液を全量滴下又は分割添加して重合する等が挙げられるが、重合温度の制御が容易であり、重合安定性も良い点で(イ)又は(ウ)の方法が最も好ましい。
重合開始剤(E)は、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)の合計量100重量部に対して、0.05〜5重量部使用することが好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量部である。かかる使用量が上記範囲より少ない場合は重合速度が遅くなり、上記範囲を越えるとコーティング剤組成物を塗膜にしたとき、耐溶剤性、耐候性が低下する場合があり好ましくない。
(ア)の重合条件としては、通常40〜90℃程度の範囲が適当であり、昇温開始後1〜8時間程度で反応が終了する。
(イ)の重合条件としては反応液の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜4時間重合した後、残りの反応液を1〜5時間程度かけて滴下又は分割添加して、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
(ウ)の重合条件としては水を反応液の5〜100重量%となるように仕込み、40〜90℃に昇温し、反応液を2〜5時間程度かけて滴下又は分割添加し、その後同温度で1〜3時間程度熟成する。
いずれの場合も反応終了後、アンモニア水、ジエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ液を添加し、pH6〜9、好ましくは7〜8.5に調整することにより、コーティング剤組成物として有用なエマルジョンが得られる。
又、本発明では、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)について、重合後の(C)は、そのアルコキシシリル基の50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、特に好ましくは70モル%以上が加水分解された又はそれが更に縮合されたものであること、あるいはその一部が加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基と縮合していることが好ましい。
かかる加水分解率が50モル%未満では特に重合直後のコーティング剤組成物より得られた塗膜の性能(特に耐水性、耐候性、硬度)が低下し好ましくない。
かかるテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の加水分解率を50モル%以上とするには、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)の重合反応を80%以上完了させた後、加水分解触媒を添加し、50〜95℃で1〜5時間加熱して行うことが好ましい。
又必要に応じて、酸又はアルカリで中和してpH6〜9、好ましくは7〜8.5に調整してコーティング剤組成物とすることが好ましい。
かかる加水分解触媒としては、アンモニア、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルフォリン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノール、ジイソプロパノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ化合物や、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸類、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フタル酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズオクチエート、ジブチルスズアセテート、ジオクチルスズラウレート等の有機スズ化合物類、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブトキシチタネート等の有機チタン化合物類、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート等のリン酸エステル類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤類、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物類、テトラブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム等の有機ジルコニウム類等を用いることができる。
かかるコーティング剤組成物の粒子径は0.05〜1μmの微粒子であることが好ましい。
かくして、加水分解性シリル基が50モル%以上加水分解された又はそれが縮合されたシリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)及び乳化剤(D)を含んでなる乳化液[I]を重合してなるコーティング剤組成物が得られ、該コーティング剤組成物は、塗膜の耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、かつ、該エマルジョンの製造直後から長時間放置した後の使用においても塗膜物性が変化(低下)しないコーティング剤組成物として有効で、特に建材塗料、接着剤、紙コーティング剤等の用途に有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
尚、実施例中、「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り、重量基準を意味する。
[実施例1]
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(a)3部、メチルメタクリレート(B)50部、n−ブチルアクリレート(B)27部、シクロヘキシルメタクリレート(B)20部、エチルシリケート(C)[コルコート社製、エチルシリケート48]24部の混合液に、重合開始剤(E)としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解し、溶液(1)を調製した。
一方、コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに、イソプロピルアルコール100部を仕込み、80℃に昇温した。次いでアクリル酸20部、メチルメタクリレート33部、2−エチルヘキシルアクリレート47部、1−ドデカンチオール3部にアゾビスイソブチロニトリル1.0部を溶解した混合液を80℃で4時間かけて滴下重合し、更に、80℃で3時間重合させた。次いで、撹拌しながらアンモニア水を添加し、pH=7.5に調整して、加水分解抑制剤(F)の(25%)水−イソプロピルアルコール溶液を得た。
次に乳化剤(D)[旭電化工業社製、SE−10N]3部、上記加水分解抑制剤(F)0.7部(樹脂分)を水105部[(F)に含まれる水も含む]に溶解し、次いで上記溶液(1)を加え、ホモディスパーを用いて撹拌混合し、予備乳化を行った。 尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1/2.2であった。
該予備乳化液を更に高圧ホモジナイザー(GAULIN社製)を用いて、圧力50kg/cm2で1Pass処理し、更に圧力150kg/cm2で1Pass処理した後、更に、30℃で4時間撹拌することにより加水分解性シリル基を加水分解させ又は更に縮合させ、乳化液[I]を調製した。
次に重合缶に、水23部、上記乳化液[I]28部を仕込み、加熱し80℃で30分間重合を行い、次いで残りの乳化液[I]206部を3時間かけて滴下し、80℃で重合を行った。滴下終了後、80℃で1時間重合つづけ、10%アンモニア水でpHを8.5に調整し、更に80℃で2時間エチルシリケート(C)の加水分解を行い、冷却してエマルジョン(コーティング剤組成物)を得た。
該エマルジョンに対して以下の評価を行った。
(乳化液中の加水分解性シリル基の加水分解率[1])
乳化液を水で20倍に希釈した後、遠心分離、限外濾過し、水層についてHITACHI163型FCDガスクロマトグラフィーを使用して発生アルコール量を測定し、その値より加水分解率を算出した。
(重合後の(C)成分の加水分解率[2])
得られたエマルジョンを水で20倍に希釈し後、遠心分離、限外濾過し、水層についてHITACHI163型FCDガスクロマトグラフィーを使用して発生アルコール量を測定し、その値より加水分解率を算出した。
(油溶成分の粒子径及び平均粒子径)
乳化後の油溶成分の粒子径と乳化重合後のエマルジョンの平均粒子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機DLS−700で測定した。
(不揮発分)
JIS K6828に準拠する条件にて不揮発分を測定した。
(粘度)
JIS K7117に準拠する回転粘度計及び条件を用いて25℃にて粘度を測定した。
(粗粒子量)
得られたエマルジョンを100meshの金網で濾過し、濾過残分を105℃で1時間乾燥して得られた粗粒子の重量をエマルジョン100gに対する重量で示した。
又、得られたエマルジョンについて、[1]製造直後のエマルジョンに造膜助剤としてジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(ダウケミカル日本社製、ダワノールDPNB)をエマルジョンに対して7%添加した後、基板に膜厚30μmとなるようにアプリケータでキャスティングし、120℃で10分間乾燥して得られた塗膜の塗膜物性と、[2]製造後室温で1ヶ月間放置したエマルジョンに上記と同様にして得られた塗膜の塗膜物性と、[3]製造後室温で5ヶ月間放置したエマルジョンに上記と同様にして得られた塗膜の塗膜物性を以下の如く評価した。
尚、基板については、以下の硬度、耐水性の評価ではガラス板を用い、耐候性、耐汚染性の評価では溶剤型エポキシシーラー塗装されたスレート板を用いた。
(硬度)
JIS K 5400に準拠する鉛筆硬度を測定した。
(耐水性)
60℃の水に7日間浸漬後の表面状態を目視で観察した。
◎・・・全く白化、膨れは認められなかった。
○・・・わずかに白化が認められたが、膨れは認められなかった。
△・・・白化や膨れが認められた。
×・・・白化や膨れが進行し、ところどころで溶出していた。
(耐候性)
サンシャインウエザーメーターを用いて、塗面状態を経時的に調べ、日本電色製のΣ−90により、3000時間後の60°鏡面の光沢保持率を測定した。
(耐汚染性)
南向き45°傾斜で屋外暴露(大阪府茨木市)を6ヵ月間行った後、付着した汚れの付いたままの評価試験板と屋外暴露を行ってないブランクの評価試験板との明度差ΔLを日本電色製のΣ−90にて測定して塗面の汚れ状態を調べた。
[実施例2]
実施例1において、溶液(1)のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1/2.4であった。
[実施例3]
実施例1において、溶液(1)のエチルシリケート[コルコート社製、エチルシリケート48]の代わりに、エチルシリケート[コルコート社製、エチルシリケート40]を用いた以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1/2.2であった。
[実施例4]
実施例1において、加水分解抑制剤(F)を2.1部樹脂分)用いた以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1.3/1であった。
[実施例5]
実施例1において、加水分解抑制剤(F)として、酢酸アンモニウムの25%水溶液0.6部を用いた以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1/2.2であった。
[実施例6]
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(a)の加水分解性シリル基を予め75モル%加水分解させた又はそれを更に縮合させたシリル基含有不飽和単量体(A)3部、メチルメタクリレート(B)50部、n−ブチルアクリレート(B)27部、シクロヘキシルメタクリレート(B)20部、エチルシリケート(C)[コルコート社製、エチルシリケート48]24部の混合液に、重合開始剤(E)としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解し、溶液(2)を調製した。
次に乳化剤(D)[旭電化社製、SE−10N]3部、上記実施例1と同様の加水分解抑制剤(F)0.7部(樹脂分)を水105部[(F)に含まれる水も含む]に溶解し、次いで上記溶液(2)を加え、ホモディスパーを用いて撹拌混合し、予備乳化を行った。該予備乳化液を更に高圧ホモジナイザー(GAULIN社製)を用いて、圧力50kg/cm2で1Pass処理し、更に圧力150kg/cm2で1Pass処理し、乳化液[I]を調製した。
尚、乳化液における酸基/加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)のモル比は1/2.2であった。
以下、かかる乳化液[I]を用いて、実施例1と同様に重合を行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例7]
実施例1において、重合後に加水分解触媒として1%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH8.5に調整し、エチルシリケートの加水分解を行った以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例8]
実施例1において、重合後に加水分解触媒として1%硫酸水溶液を加え、pH5に調整し、エチルシリケートの加水分解を行い、冷却後10%アンモニア水でpH8.5に調整した以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例9]
実施例1において、重合後に加水分解触媒として10%のモノブチルスズトリオクチエート(三共有機合成社製、SCAT−24)のイソプロピルアルコール溶液0.1部を加えエチルシリケートの加水分解を行った以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例1]
実施例1において、予備乳化液を更に高圧ホモジナイザー(GAULIN社製)を用いて、圧力50kg/cm2で1Pass処理し、更に圧力150kg/cm2で1Pass処理した後、加水分解性シリル基を加水分解させることなく、直ちに乳化液を重合し、更に乳化液の重合時の滴下終了後、そのまま80℃で2時間重合を続け、冷却後10%アンモニア水でpH8.5に調整した以外は同様に行い、エマルジョン(コーティング剤組成物)を得、実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の結果を表1及び2に示す。
Figure 0003641476
Figure 0003641476
注)表中、[1]は製造直後のエマルジョンを使用したときの塗膜物性であり、[2]は 1ヶ月放置した後のエマルジョンを使用したときの塗膜物性であり、[3]は5ヶ月放置した後のエマルジョンを使用したときの塗膜物性である。
本発明のコーティング剤組成物は、塗膜の耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、かつ、該エマルジョンの製造直後から長時間放置した後の使用においても塗膜物性が変化(低下)しないコーティング剤組成物として有効で、特に建材塗料、接着剤、紙コーティング剤等の用途に有用である。

Claims (7)

  1. 水媒体中で、
    (A)シリル基含有不飽和単量体、
    (B)該シリル基含有不飽和単量体(A)以外の不飽和単量体、
    (C)テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
    (D)乳化剤
    を含んでなる乳化液[I]を、重合開始剤(E)の存在下で重合してなることを特徴とするコーティング剤組成物。
  2. 乳化液[I]が、シリル基含有不飽和単量体(A)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた乳化液であることを特徴とする請求項1記載のコーティング剤組成物。
  3. 乳化液[I]が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)、不飽和単量体(B)、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を、乳化剤(D)を用いて水媒体中で乳化させた後、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)の加水分解性シリル基を50モル%以上加水分解させた又はそれを更に縮合させた乳化液であることを特徴とする請求項1又は2記載のコーティング剤組成物。
  4. 乳化液[I]が、油溶成分の粒子径が1μm以下となるように、水媒体中で予め乳化させた乳化液であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のコーティング剤組成物。
  5. 重合後のテトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(C)の加水分解率が50モル%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のコーティング剤組成物。
  6. 重合の際に、更に加水分解抑制剤(F)を添加してなることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のコーティング剤組成物。
  7. 乳化剤(D)が、反応性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のコーティング剤組成物。
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