JP3641144B2 - 溝の埋め込み方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面に形成された接続プラグ形成用溝の埋込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の半導体チップから構成される電子回路システムの高機能化、特に高速化のために、半導体チップ間の接続配線を極力短くすることが必要となってきている。
【0003】
このため、従来の複数の半導体チップを多層基板上に平面的に並べて実装する方法に対して、複数の半導体チップを積層することにより、半導体チップ間の接続配線を極小化する技術が検討されている。このように複数の半導体チップを積層してなる半導体装置はマルチチップモジュールと呼ばれている。
【0004】
さらに、この種のマルチチップモジュールを用いることにより、製造工程の異なる異種の半導体チップを積層して1個の混載型半導体装置として機能させることも可能となる。
【0005】
ところで、マルチチップモジュールを製造するには、上下に積層された半導体チップ間を電気的に接続する必要がある。本発明者らはこのような接続を実現するために、半導体チップを貫通し、上下の半導体チップを接続するための接続プラグ(チップスループラグ)を用いることを既に提案している(特願平9−305784号)。
【0006】
チップスループラグを形成する際には、Si基板の表面に形成した溝(開口径50〜100μm、深さ100〜150μm)の内部をチップスループラグとしての導電性を有するペーストで埋め込み、次にペーストが現れるまでSi基板の裏面を研磨する。
【0007】
ペーストの埋込み方法としては、その簡便性から、スキージを用いた埋込み方法(スクリーン印刷法)が用いられている。
しかしながら、スキージを用いた埋込み方法では、図5に示すように、基板81の表面に形成された溝の内部をペースト82で十分に埋め込むことができず、窪み83またはボイド84が生じる。
【0008】
このようなペースト82の埋込み形状の劣化は接続不良や抵抗増加という問題を招く。この問題は、特に、チップスループラグの抵抗を十分に下げるために、溝の幅を広くするだけではなく、溝の深さも深くする場合に顕著になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、チップスループラグを形成する際には、基板表面に形成した溝の内部をペーストで埋め込む工程があり、そのペーストの埋込み方法としては、スキージを用いた埋込み方法が用いられている。
【0010】
しかしながら、この埋め込み方法は、溝の内部を十分に埋め込むことができず、ボイドが生じるなどの埋め込み形状の劣化したチップスループラグが形成されるという問題があった。
本発明は、以上述べたような埋め込み形状の劣化を防止できる溝の埋め込み方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、基板表面に形成された接続プラグ形成用溝の内部を互いに平均粒径が異なるメタルのパウダーを含むペーストで埋め込むことを含む溝の埋め込み方法であって、前記ペーストが、平均粒径3μm以上のメタルのパウダーを10%以上含み、前記溝内に埋め込まれたペーストを焼成した後、該ペーストが現れるまで前記基板の裏面を後退させることを特徴する溝の埋め込み方法が提供される。
【0022】
ここで、平均粒径が1μmφ以下のものを10%以上含むことが好ましい。また、パウダーはペーストの主成分であっても良いし、あるいは他の成分であっても良い。
【0023】
ペーストの粘度は、ペースト中に含まれる樹脂中のパウダーの表面積で決まり、表面積が大きいほど粘度は低くなる。したがって、本発明のような大きな平均粒径のパウダーを含む接続プラグであれば、接続プラグとなるペーストを良好な埋込み形状でもって溝の内部に埋め込むことができる。さらに、本発明者らの研究によれば、その含有率を10%以上にすることによって、クラックの発生率を十分に低くできることも分かった。
【0024】
本発明の第1の側面に係る溝の埋め込み方法であれば、スキージを用いた埋め込み方法であっても、良好な埋め込み形状を実現できるようになる。
【0025】
また、本発明の第2の側面に係る埋め込み方法は、半導体基板表面に形成された接続プラグ形成用溝を含む領域上にパウダーが分散した溶液を塗布し、前記パウダーを前記溶液中で沈殿させることにより、前記溝の内部を前記パウダーで埋め込むことを特徴とする。
【0026】
このような構成であれば、小さな体積を持ったパウダーが沈殿することによって、溝の内部が埋め込まれるので、ボイドなどの埋込み形状の劣化が起こり難くなる。
【0027】
ここで、溶液として、樹脂が添加されたものを使用することが好ましい。このような溶液を用いることにより、パウダーを樹脂で仮固定できる。
また、パウダー中の一部がガラスであることが好ましい。このようなパウダーを用いることにより、焼成の際にガラスが溶融し、窪みがない埋込みを行えるようになる。
【0028】
本発明の具体的な形態は以下の通りである。
(1)溝の内部をペーストで埋め込んだ後、溝外部の余剰なペーストを除去し、次にペーストを焼成する。
(2)溝外部の余剰なペーストは研磨またはエッチングによって除去する。
(3)ペーストを焼成した後、ペーストが現れるまで基板裏面を後退させることによって、基板を貫通するペーストからなる接続プラグ(チップスループラグ)を形成する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、基板表面に形成された溝の内部を、スキージを用いた印刷方法によりペーストで埋め込む場合について説明する。従来方法では、図5に示したように、ペーストの埋込みが十分でないため、ボイドや窪みが生じてしまった。
【0030】
本発明者らは、この原因をスキージによる埋込み時のペーストの粘度変化と、ペーストの溶剤発揮時(以下、硬化時という)に起こるペーストの収縮であることを明らかにした。そこで、本実施形態では、ペーストの埋込み形状を改善するために、埋込み時の粘度変化および固形分比を制御したペーストを用いる。ここで、固形分比とは、ペースト硬化時に基板上に残るペースト中の固形分(例えばメタル、ガラス、樹脂をいう)がペースト全体(固形分+溶剤)に占める割合をいう。以下の説明では、特に断らない限り、その割合は体積比を指している。
【0031】
図1に、ペーストの粘度比とヴィアホールの埋込み率との関係を示す。ここでは、ヴィアホールの深さは50〜200μm、開口径は100μmである。ペーストの埋込みは、回転粘度計で測定して回転数が200rpmの場合に粘度が150pasとなる条件で行った。また、ペーストの平均径は1μmとし、粘度比はペースト中の樹脂成分で制御し、固形分比は60vol%とした。ここで、ペーストの粘度比とは、ペーストの粘度を回転粘度計で測定した場合の回転数を1桁変えた場合の粘度変化の割合である。例えば、あるペーストを回転粘度計で異なる回転数で測定し、回転数10rpmでの粘度が200pas、回転数100rpmでの粘度が100pasとなった場合には、粘度比は200pas/100pas=2となる。ヴィアホールの埋込み率は、埋込み試験後に断面を観察し、ヴィアホールの断面積中のペーストの占める割合とした。
【0032】
図1に示すように、粘度比が3の場合、アスペクト比0.5のヴィアホール(深さ50μm)では埋込み率は90%となるが、アスペクト2のヴィアホール(深さ200μm)では埋込み率は40%となっている。
【0033】
埋込み率を90%以上とするためには、アスペクト比0.5のヴィアホール(深さ50μm)では粘度比を3以下、アスペクト比1(深さ50μm)のヴィアホールでは粘度比を2以下、そしてアスペクト比2(深さ50μm)のヴィアホールでは粘度比を1.5以下にする必要があることが分かった。
【0034】
また、開口径を40〜200μm、深さ20〜400μmの間で埋込み率と粘度比との関係を求めたが、粘度比が一定の場合には、埋込み率は深さに関係なくアスペクト比だけで決まることが本発明者の研究によって明らかになった。
【0035】
粘度比を一定にすることで、埋込み率が向上するメカニズムは、ペーストの塗込み時にスキージから受ける荷重で説明できる。ペーストの粘度比が高い場合、スキージにより力を受けているときはペーストの粘度は低く緩なるが、力を受けていないときは高くなる。このため、スキージからの加重が小さい溝の底部では、粘度が高くなってしまいペーストの埋込みができない。
【0036】
以上のことから、埋込み率を高くするためには、粘度比を低くすることが有効であり、アスペクト比1でも90%以上の埋込み率を得るには、粘度比を2以下にすれば良い。
【0037】
また、図2に、ペーストの固形分比と埋込み率との関係を示す。ここでは、マスクを用いずに、スキージを直接基板上をスキャンさせることによって、溝の内部にペーストを埋め込んだ。ペーストの粘度比は1.5である。また、ペーストの埋込みは、回転粘度計で測定して回転数が20rpmの場合に粘度が150pasとなる条件で行った。
【0038】
図2に示すように、固形分比が大きくなるに従い埋込み率も高くなっており、アスペクト比が1の場合、固形分比が60vol%以上であれば、埋込み率が90%以上、固形分比が70vol%以上であれば、埋込み率は95%となっている。
【0039】
また、図2から、アスペクト比が0.5以上の場合、固形分比が65%以上で埋込み率が90以上、固形分比が80%以上で埋込み率は100%以上となることが分かる。
【0040】
ペーストの固形分比と埋込み率との関係は次のように説明できる。溝の内部をスキージによりペーストで埋め込んだ後、ペーストを硬化させると、ペースト中の溶剤が発揮する。その結果、発揮した溶剤分だけペーストの体積は縮小することになる。この体積収縮が大きいと、溝の内部をペーストで埋め込むことができなくなり、埋込み率が大きく低下する。
【0041】
以上のことから、埋込み率を高くするためには、固形分比を高くすることが有効であり、アスペクト比1でも90%以上の埋込み率を得るには、固形分比を60vol%以上にすれば良い。
【0042】
以上述べたように、埋込み率を高くするためには、粘度比を低くすること(好ましくは2以下)、固形分比を高くすること(好ましくは60vol%以上)が有効であり、より好ましくは粘度比を低くし、かつ固形分比を高くする。
【0043】
なお、本実施形態では、ペーストの粘度を150pasとしたが、100〜200pasの間であれば、本実施形態の場合と同様に高い埋込み率を実現することができた。
【0044】
ここで、ペーストの粘度を高くせずに、すなわち200pasを越えずに、ペーストの固形分比を高くするには、固形分の密度を低くすれば良い。例えば、樹脂量を多くしたり、ガラス成分を多くしたり、あるいはメタル材料として密度の低い軽金属を用いればよい。
【0045】
別の方法としては、ペースト中のパウダーの平均粒径を大きくすることがあげられる。その理由は、パウダーの平均粒径が大きいほど、パウダーの単位体積当たりの表面積が大きくなり、単位体積当たりの表面積が大きいほど、表面張力の影響で粘度が高くなり、これにより粘度を維持したまま固形成分比を高くすることができるからである。なお、パウダーはペーストの主成分でも、ペースト中の他の成分でも良い。
【0046】
また、ペーストの粘度が50〜400pasの間であれば、異なった値が得られたが同様の傾向が見られた。例えばペーストの粘度が200〜400pas、固形分比60vol%の場合には、アスペクト比1の溝において埋込み率90%を実現するためには、粘度比は1.5以下である必要があり、本実施形態の場合(粘度150pas)に比べて、粘度比を低くしなければならなかった。また、ペーストの粘度が50〜100pasの間では、粘度比が3以下であれば、90%以上の埋込み率を実現できた。
【0047】
また、ペーストの材料がメタル、ガラス、混合物、または複合物であっても、高い埋込み率を実現することが可能である。
この場合、ペーストの粘度を下げるには、ペーストの粒径を大粒径化したり、ペーストの粒径分布をブロードにすることが好ましい。粒径分布をブロードにする方法としては、平均粒径の異なる粒子を混合することがあげられる。また、粒径分布をブロードにすることにより、粘度が下がって埋込み形状が改善されるだけではなく、硬化時のクラックの発生も抑制される。
【0048】
例えば、Niペーストにおいて、平均粒径が1μmφと5μmφのパウダーを混合した場合には、平均粒径が1μmφのパウダーだけを混入したNiペーストに比べて、クラックの発生率は半分以下となる。なお、パウダーはNiでも良いし、他の物質でも良い。
【0049】
図3に、ペースト中に1μm以上の大粒径パウダーを含むパウダーを混ぜた場合の、大粒径パウダーの平均粒径とペーストのクラック発生率と大粒径パウダーの含有率(大粒径パウダー/パウダー全体[wt%])との関係を示す。ここで、ペーストの平均粒径は1μm、大粒径パウダーの平均粒径は1μm、2μm、3μmである。
【0050】
図3から、平均粒径が3μmの大粒径パウダーを用いた場合、大粒径パウダーの含有率を10%以上にすることによって、ペーストのクラック発生率を80%に抑制でき、含有率を60%以上にすることによって、クラック発生率を約20%以下に抑制できることが分かる。
【0051】
本発明を実施する際には、そのメカニズムから考え、ペースト中の樹脂、溶剤を特定する必要はなく、例えば樹脂としてエチルセルロース、ターピネオール、アクリル樹脂を用いた場合であっても、上述した粘度比、固形分比の条件を満たせば本実施形態の場合と同様な埋め込みを実現できる。
【0052】
また、メタルペーストを用いた場合、その低抵抗化の観点から、樹脂量は少ないことが望ましい。特に、最終的には溝の内部のみにペーストを形成する場合においては、仮保持のための樹脂は最小限で良く、樹脂量としてはペースト全体で3%以上であれば仮保持するのに十分であった。
【0053】
また、樹脂量が6wt%以上であれば、ペースト中の溶剤と固形分とが分離を起こさないので、長期な保管が容易になるため、単にペーストとして形成する場合には、樹脂量は6wt%であることが望ましい。
【0054】
また、埋込み時において、ペーストと基板との間の濡れ性が悪い場合には、埋込み形状の劣化が見られ、特にペーストの粘度が50pas以下の場合には、ペーストと基板との間の濡れ性を改善すると、埋込み形状の改善が見られた。濡れ性を改善するには、基板をペースト中の溶剤で超音波洗浄する、界面活性剤で基板を洗浄する、界面活性剤入りペーストを用いることなどがあげられる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で述べた埋込み特性の優れたペーストを用いて、マルチチップモジュールのチップスループラグ(接続プラグ)を形成する場合について述べる。
【0055】
チップスループラグには以下のことが要求される。すなわち、チップスループラグは、チップの裏面コンタクトを行えるように溝内に十分に埋め込まれていること、チップスループラグの上部(以下、プラグ上部という)に配線を形成できるようにプラグ上部が平坦であること、そしてチップスループラグの下部(以下、プラグ下部という)がハンダ等のリペアブル材料に対して濡れ性を有し、かつハンダ等が染み込まないような緻密性を有することである。
【0056】
このような要求を実現する方法としては、プラグ上部およびプラグ下部にスパッタ膜を形成することによって、埋込み形状、平坦性、緻密性を改善する方法もあるが、本実施形態ではペーストそのもので改善する方法について説明する。この方法によれば、ペーストのみでチップスループラグを形成でき、したがってスパッタ膜を形成する工程が不要になるので、プロセスが簡便となる
図4は、本実施形態のチップスループラグの形成方法を示す工程断面図である。まず、図4(a)に示すように、Si基板1の表面に溝を形成し、次にハンダに対して濡れ性の良いNi、Cu、Au等の材料を含み、かつ粒径分布の小さいペースト(以下、微粒ペーストという)2を上記溝の底面および側面を被覆するように全面に堆積する。このとき、上記溝を微粒ペースト2によって充填しないようにする。
【0057】
次に図4(b)に示すように、スキージを用いた埋込み方法により、第1の実施形態で述べたような粒径分布が大きくても埋込み率の高いペースト(以下、埋込みペーストという)3によって上記溝を充填する。
【0058】
次に図4(c)に示すように、溝外部の余剰な埋込みペースト3および溝の開口面からそれより少し下の部分までの埋込みペースト3を研磨またはエッチングによって除去する。この結果、溝の上部には未充填部分が生じることになる。この後、微粒ペースト2および埋込みペースト3を焼成する。
【0059】
次に図4(d)に示すように、上記充填部分を充填するように全面に微粒ペースト4を堆積する。
次に図4(e)に示すように、溝外部の余剰な微粒ペースト4をCMPによって除去して表面を平坦化した後、微粒ペースト4を焼成する。なお、図4(c)の工程で微粒ペースト2および埋込みペースト3を焼成せずに、本工程でこれらの全てのペースト2〜4を一括して焼成しても良い。
【0060】
最後に、図4(f)に示すように、微粒ペースト4が露出するまでSi基板1の裏面を研磨して、微粒ペースト2、埋込みペースト3および微粒ペースト4からなるチップスループラグが完成する。
【0061】
なお、プラグ上部の平坦化のための微粒子ペースト4は、図4(c)の工程で適切なスラリーを使用することによって不要となる。すなわち、ペーストの主成分(例えばNiペーストであればNi)を機械的研磨の寄与よりも化学的研磨の寄与のほうが大きいCMPで除去できるスラリーを使用すれば良い。
【0062】
このようなスラリーを使用することにより、ペースト3,4の上部に主成分の大きな粒子があっても、機械的研磨によってその下までを物理的に研磨してしまうことを防止できるので、表面を平坦化できる。
(第3の実施形態)
溝の内部をチップスループラグ等の導電性を有する埋込み部材で埋め込む方法としては、スキージを用いたペーストの埋込み方法以外に、導電性を有するパウダーを予め溶剤で分散させておき、これを溝の形成された基板上に塗布し、パウダーを溶剤中で沈降させることによって、溝の内部をパウダーで埋め込む方法もある。
【0063】
例えば、平均粒径1μmのNiパウダーをメタノール溶液中に分散させておき、これをプラグの形成された基板上に塗布する。分散していたNiパウダーは沈降するため、基板上にNiパウダーが堆積する。次に基板を乾燥させ、メタノールを蒸発させた後、Niパウダーを焼成すれば、溝の埋込みが完成する(以下、この方法を沈殿法という)。この後、必要であれば、溝の外部の焼成したNiパウダーを除去する。
【0064】
沈殿法による溝の埋込みにおいては、溝中のパウダーは溶剤発揮時にはパウダー同士の結合力が無くなるため、望ましくは樹脂が溶剤中に溶け込んでおり、パウダー沈殿時もしくは溶剤発揮時には、パウダー同士を結合するように析出していることが良い。
【0065】
他に、パウダーを固定する方法としては、溶剤発揮後に樹脂封止する方法や、溝の開口面上に膜を形成する方法があげられる。後者の方法の場合、パウダー中中に樹脂がないため、焼成時の雰囲気に影響されず焼成を行うことができる。
【0066】
以上、パウダーの固定方法について述べたが、ステージ上で振動を与えなければ、パウダーの固定は不要であった。
また、第2の実施形態のマルチチップのチップスループラグを本実施形態の沈殿法を用いて形成することも可能である。
【0067】
すなわち、粒径の小さいパウダー(微粒パウダー)の沈殿を行い、次に粒径の大きなパウダー(埋込みパウダー)の沈殿を行い、次に溝外部の埋込みパウダーおよび溝の開口面からそれより少し下の部分までの埋込みパウダーおよび微粒パウダーを除去し、最後に、溝の未充填部分に微粒パウダーを沈殿させる。焼成はまとめて行っても良いし、個別に行っても良い。
【0068】
もしくは大粒径のパウダーと小粒径のパウダーが混合したパウダーを用いて沈殿法を行っても良い。この場合、大粒径のパウダーが先に沈降し、その上に小粒径のパウダーが堆積するように制御することによって、上部の段差を改善することができる。
【0069】
以上、沈降法について述べたが、沈降法においては、基板と沈降法に用いる溶剤との濡れ性が重要である。仮に、パウダーの分散材として、濡れ性の悪い溶剤を用いなければならない場合には、超音波を用いた物理的な改善方法や界面活性剤を用いた改善方法を併用する必要がある。ただし、粘度が20〜50pas程度ある場合、すなわち粘度がある程度高い場合には、濡れ性は大きく影響しなかった。
【0070】
また、パウダーの沈降時間を短くするためには、分散剤の効力を弱める凝固剤を添加したり、あるいは遠心力を用いて沈降を促進させると良い。
(第4の実施形態)
スキージを用いたペーストの埋込み方法(スクリーン印刷法)においては、ペーストの粒子の大きさ、粒径分布、粒子形状は、ペーストの埋込みに影響を及ぼす。
【0071】
チップスループラグとしてのペーストの粒子は、プラグ上部の平坦化のために微粒子であることが望ましい。
ここで、ペーストの埋込みをスクリーン印刷法で行う場合には、ペースト中の粒子の平均粒径は0.5μm以上5μm以下、平均粒径が1μm以下の粒子が10%以上、平均粒径が3μm以上の粒子が10%以上であることが望ましい。
【0072】
また、平均粒径が1μm以上の粒子がプラグ上部に露出する場合には、CMPにより上記粒子を除去する必要がある。粒子はペーストの主成分およびその他の成分である。
【0073】
また、粒子形状として、粒子表面積の大きな形、例えばコンペイトー形状などは、表面積が大きいために粘度を上げる効果があり、さらに突起物が多いために焼成時においては導通が良くなり抵抗が下がる。
【0074】
また、スクリーン印刷時の粒径分布は重要であり、粒径分布を制御するために大粒径の粒子が必要となる場合には、その材料として、例えば焼成時に溶けてしまうガラスを用いることによって、埋込み形状および平坦性を改善できるようになる。
【0075】
また、ペーストの主成分がAuの場合、Auのみで固形分比を上げるのは、密度が高いために困難である。そのため、Niを核としてその周りにAuをコーティングすることで、密度の高い材料の特性を生かしながら、埋込み形状を改善することができる。また、埋込みに関して特に問題がない場合には、積極的に密度の低い材料を添加して埋込み形状を改善することもできる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、本発明に係るペーストを接続プラグ(チップスループラグ)に適用する場合について説明したが、ダマシン配線等の他の部材にも適用可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、溝の内部を良好な埋め込み形状でもって埋め込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペーストの粘度比とヴィアホールへの埋込み率との関係を示す特性図
【図2】ペーストの固形分比と埋込み率との関係を示す特性図
【図3】大粒径パウダーの平均粒径とペーストのクラック発生率と大粒径パウダーの含有率との関係を示す特性図
【図4】本発明の第2の実施形態に係るチップスループラグの形成方法を示す工程断面図
【図5】従来のペーストを用いた溝の埋込み方法(スクリーン印刷法)の問題点を説明するための断面図
【符号の説明】
1…Si基板
2…微粒ペースト
3…埋込みペースト
4…微粒ペースト
Claims (5)
- 基板表面に形成された接続プラグ形成用溝の内部を互いに平均粒径が異なるメタルのパウダーを含むペーストで埋め込むことを含む溝の埋め込み方法であって、前記ペーストが、平均粒径3μm以上のメタルのパウダーを10%以上含み、前記溝内に埋め込まれたペーストを焼成した後、該ペーストが現れるまで前記基板の裏面を後退させることを特徴する溝の埋め込み方法。
- 基板表面に形成された接続プラグ形成用溝を含む領域上にパウダーが分散した溶液を塗布し、前記パウダーを前記溶液中で沈殿させることにより、前記溝の内部を前記パウダーで埋め込むことを特徴とする溝の埋め込み方法。
- 前記溶液として、樹脂が添加されたものを使用することを特徴とする請求項2に記載の溝の埋め込み方法。
- 前記パウダーの一部がガラスであることを特徴とする請求項2または3に記載の溝の埋め込み方法。
- 前記溝内に埋め込まれたパウダーを焼成した後、該パウダーが現れるまで前記基板の裏面を後退させることを特徴する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の溝の埋め込み方法。
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