JP3640570B2 - ばね成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、成形基板の後面側から前面側のばね成形空間に送り出される線材を案内するクイルと、このクイルの前方で線材に折曲、巻回または切断加工する各加工工具を進退移動可能に担持する複数個の工具作動機構とを備えて、曲線状または直線状の掛止脚部を有するコイルばね、線ばね、ばね部材以外の線材部品などを製造するばね成形装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
従来の技術によるばね成形装置としては、例えば、線ばねの成形方法および装置に係る特開平10−29028号公報(以下、従来公報Aという)、コイルばね製造機の工具作動装置に係る特開平10−76340号公報(以下、従来公報Bという)などに開示された発明が知られている。 なお、これら従来技術の以下の説明においては、それぞれの公報に記載された符号を用いるために、相互の従来技術または本発明の符号と重複するが、当該従来技術の符号は当該従来技術の説明の欄のみに限定して適用するものである。
【0005】
一方の従来公報Aに開示された発明は、その図3〜図5に示されるように、3個以上の成形工具がクイル6の中心軸線に対して略直角に進退可能な線ばねの成形装置であって、各成形工具が装着されたスライドユニット15(本発明の工具作動機構に相当)を放射状に装着可能でクイル6を中心に旋回可能な旋回テーブル10と、この旋回テーブル10を旋回駆動して所定旋回位置に停止させる第1駆動手段と、旋回テーブル10の外方でスライドユニット15の個数以上が放射状に配設され各成形工具を前進・後退させる第2駆動手段と、線材を送り出す第3駆動手段とを備えた装置である。
【0006】
また、このように構成された装置において、第1駆動手段によって旋回テーブル10を旋回移動させることで所望の成形工具を所定旋回位置に停止させた後、第2駆動手段によって所望の成形工具を所定の前進位置に進出させるとともに、第3駆動手段によってクイル6から送り出される線材に所望の成形工具を衝合させて、線ばねを成形するようにした方法である。
【0007】
そして、この従来公報Aには、その発明の際に引用した従来技術に対して、線材を所望の旋回角度位置から巻回、折曲または切断加工ができるので、成形精度の高いばねや複雑な形状のばね成形が容易になり、段取り作業の単純化、時間短縮などが図れるということが記載されている。
【0008】
しかしながら、この従来公報Aの発明は、複数個の第2駆動手段が、前進・後退可能なそれぞれの円弧カム39によって、それぞれのスライドユニット15に設けられたカムフォロア21を介して所望の成形工具を進退移動させる構成であって、このカムフォロア21が円弧カム39の内面39aに当接可能な有効進退作動角度は、その図9に示された円弧カム39の進退移動軸線に対して時計方向および反時計方向にそれぞれ、 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕の範囲(円弧カム39の内面39aに当接可能な全域で 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕)に限定されるものである。
【0009】
すなわち、成形工具を最大の8個配置したとしても、所望の成形工具に対応するカムフォロア21が、隣合わせる円弧カム39と円弧カム39との間に形成された進退作動不可能な不作動空間部に旋回位置決めされると、所望の成形工具を円弧カム39の進退移動軸線から時計方向および反時計方向にそれぞれ、 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕を超え 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕以内の 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕の間で進退移動させることができない。
【0010】
なお、この不作動空間部を小さくする目的において、第1駆動手段のサーボモータ12と第2駆動手段のサーボモータ34とを2段階制御するか、または、併行制御することで、所望の成形工具に対応するカムフォロア21を円弧カム39の進退移動軸線に対して時計方向および反時計方向にそれぞれ、 3.4907 ×10-1 rad〔20°〕の最大旋回角度位置(円弧カム39に当接可能な全域で 6.9813 ×10-1 rad〔40°〕)に位置決めしたとしても、所望の成形工具を円弧カム39の進退移動軸線から時計方向および反時計方向にそれぞれ、 3.4907 ×10-1 rad〔20°〕を超え 4.3633 ×10-1 rad〔25°〕以内の 8.7266 ×10-2 rad〔5°〕の間で進退移動させることができない。
【0011】
また、この従来公報Aの発明では、円弧カム39が上部基盤2に設けられているので、少なくとも1個のスライドユニット15が前進位置に進出しているときには、複数個のスライドユニット15が設けられた旋回テーブル10を旋回移動させることができない。 すなわち、例えばその図3のように、クイル6の真上に図示されたスライドユニット15が前進しているときには、旋回テーブル10を旋回移動させることで、真上のスライドユニット15を前進させている円弧カム39に、右隣または左隣のスライドユニット15が衝突して干渉するからである。
【0012】
さらに、この従来公報Aの発明では、複数個の円弧カム39によって、各スライドユニット15に設けられたカムフォロア21を介してそれぞれの成形工具を進退移動させるので、例えばその図3のように、クイル6の真上に図示されたスライドユニット15が前進しているときに、その右隣または左隣のスライドユニット15を進出させようとすると、隣合わせる円弧カム39と円弧カム39とが干渉して進出させることができない。
【0013】
次いで、他方の従来公報Bに開示された発明は、その図4〜図6に示されるように、クイル10を挟む対称位置で切断,折り曲げ工具を進退可能にユニット取付枠2の前面に配置された切断,折り曲げユニット20,20と、クイル10の前方位置においてクイル軸線方向に進退可能、クイル軸線を中心として回動可能、かつ、クイル軸線と直交する垂直軸を中心として回動可能に設けられ垂直軸のまわりに複数個の工具を着脱可能に設けた工具保持体50と、この工具保持体50を進退位置決め可能な第1駆動手段と、この工具保持体50をクイル軸線を中心として回動位置決め可能な第2駆動手段と、この工具保持体50を垂直軸を中心として回動位置決め可能な第3駆動手段とを備えた装置である。
【0014】
また、このように構成された装置において、第1駆動手段によって工具保持体50を所定の前進位置に進出させ、第2駆動手段によって工具保持体50をクイル軸線まわりの所定の回動角度位置に回動させ、第3駆動手段によって工具保持体50を回動位置決めして所望の工具を選択するとともに、必要に応じて折り曲げユニット20の折り曲げ工具を進出させてコイルばねを成形するようにしたものである。
【0015】
そして、この従来公報Bには、その発明の際に引用した従来技術に対して、垂直軸のまわりに複数個の工具が着脱可能な工具保持体50をクイル軸線を中心に回動可能であるようにして、線材をクイル軸線まわりの自由な回動角度位置から成形できるようにしたので、ばね成形方向の制限を受けることがなくなり、複雑なばね成形が極めて容易にできるようになるとともに、成形タイミングの調整に時間を要することがないので、多品種少量のばね成形が容易にできるということが記載されている。
【0016】
しかしながら、この従来公報Bの発明は、工具保持体50が、複数個のなかから選択された所望の工具をクイル軸線方向に進退移動、かつ、クイル軸線を中心として回動させる構成であって、切断,折り曲げユニット20,20のようにクイル軸線に対して直角方向には進退移動できないものである。 このため、クイル軸線に対して直角方向に工具を進出させて線材を折り曲げる加工は、もっぱらクイル軸線を中心として回動不可能な折り曲げユニット20の折り曲げ工具に依存し、ばねの加工中に当該加工工具を最適な回動設定位置に選択的に回動させることができないものである。 また、工具作動装置40と工具保持体50とは、クイル10の前方位置にしか設けることができない構成である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述のように、一方の従来公報Aに係る発明は、成形工具を進退移動できない不作動空間部によって、成形工具の有効進退作動角度が限定されるので、ばね加工形状の自由度が制約されて、複雑な形状のばねが容易に加工できない問題があった。
【0019】
また、この問題点を補うためには、例えば、その実施例のように多数個(8個)の成形工具を配置しなければならないから、構造が複雑になって装置や成形工具の製造費用が高価になるとともに、各駆動手段を制御するための数値制御プログラムが煩雑であるために、製造原価の低減や生産性の向上を図ることができないという問題があった。
【0020】
また、上述した不作動空間部は、第1駆動手段のサーボモータ12と第2駆動手段のサーボモータ34とを2段階制御または併行制御することで小さくすることは可能であるが、各駆動手段を制御するための数値制御プログラムが煩雑であるとともに、ばね1個当たりの加工サイクルタイムが長くなって、生産性の向上や製造原価の低減を図ることができないという問題があった。
【0021】
また、図4に示された駆動源取付テーブル2′を予め旋回させて位置調整するか、または、図10に示された補助カム40を円弧カム39に継ぎ足すことによっても、不作動空間部を小さくすることは可能であるが、無駄な段取り工数を要するとともに、数値制御プログラムが煩雑になるという問題があった。
【0022】
また、少なくとも1個のスライドユニット15が前進位置に進出しているときには、複数個のスライドユニット15を旋回移動させることができないので、スライドユニット15を旋回移動させる際には、必ず後退端位置に後退させた後に旋回移動させなければならず、また、ばね加工工程の移り変わりのための工具交換に際しては、スライドユニット15を進退移動と同時に旋回移動させることができないという不都合があった。 このために、各駆動手段を制御するための数値制御プログラムが煩雑であるとともに、ばね1個当たりの加工サイクルタイムが長くなって、生産性の向上や製造原価の低減を図ることができないという問題があった。
【0023】
さらに、隣接するスライドユニット15をそれぞれ進出させようとすると、隣合わせる円弧カム39と円弧カム39とが干渉して進出させることができないので、ばね加工形状の自由度が制約されて、複雑な形状のばねが容易に加工できない問題があった。
【0024】
次いで、他方の従来公報Bに係る発明は、上述のように、工具保持体50の各加工工具が、切断,折り曲げユニット20,20のようにクイル軸線に対して直角方向に進退移動させることができないとともに、切断,折り曲げユニット20,20の各加工工具は、クイル軸線を中心にして最適な回動設定位置に選択的に回動させることができないので、ばね加工形状の自由度が制約されて複雑な形状のばねが容易に加工できないという問題があった。
【0025】
また、工具作動装置40と工具保持体50とは、クイル10の前方位置にしか設けることができないので、加工工具の交換や試巻き調整の作業性が悪いとともに、多大な段取り工数を要するので、生産性の向上や製造原価の低減を図ることができないという問題があった。
【0026】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、当該加工工具が、ばねの加工中にクイル軸線を周回中心とする最適な周回設定位置に周回移動できるとともに、各加工工具が干渉しないように加工することができるようにして、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、数値制御プログラムの容易化によって製造原価の低減や生産性の向上を図ることができ、かつ、ばね成形装置の構造を簡素にして装置や成形工具の製造費用が安価にできるばね成形装置を提供しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、成形基板の後面側から前面側のばね成形空間に送り出される線材を案内するクイルと、クイル軸線に略収束する放射状の各進退移動軸線に沿って進退移動可能な各滑動体を個別に有して、前記クイルの前方で前記線材に折曲、巻回または切断加工する各加工工具を進退移動可能に担持する複数個の工具作動機構とを備えるばね成形装置であって、前記成形基板の前面には、前記複数個の工具作動機構を着脱可能で、かつ、クイル軸線を周回中心にして周回移動可能な周回円盤と、この周回円盤を前記複数個の工具作動機構とともに周回移動させる周回駆動機構と、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともに個別に進退移動させる進退駆動機構と、当該加工工具を周回設定位置と進退設定位置とにそれぞれ移動させて位置決めすべく前記周回駆動機構と前記進退駆動機構とを関連的に制御可能な制御手段とを備えて、クイル軸線の周りで当該加工工具を周回移動および/または進退移動させて位置決めするようにしたばね成形装置である。
【0029】
この請求項1に係る発明によれば、クイル軸線を周回中心にして、各工具作動機構が着脱可能な周回円盤を周回移動可能にし、クイル軸線の周りで当該加工工具を周回移動および/または進退移動させて位置決めするようにしたので、ばねの加工中に当該加工工具を最適な周回設定位置に選択的に周回移動させるとともに、各加工工具が干渉しないように加工することができる作用をする。
【0030】
この作用によって、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる。 また、加工工具の配設数を減少させることができるので、加工工具の製造費用や、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる。
【0031】
また、請求項2の発明に係る前記周回円盤は、前記成形基板と一体的に設けられた軸受部に枢支することで、クイル軸線を周回中心にして周回移動可能であるようにしたものである。
【0032】
この請求項2に係る発明によれば、周回円盤は、成形基板と一体的に設けられた軸受部に枢支することで、各工具作動機構とともにクイル軸線を周回中心にして周回移動可能であるようにしたので、当該加工工具を周回設定位置に円滑に周回移動させることができるとともに、各工具作動機構を周回移動させる周回円盤の保持力を確保することができる作用をする。
【0033】
また、請求項3の発明に係る前記周回駆動機構は、前記周回円盤に一体的に止着されてクイル軸線を中心とする円周上に歯形が形設された周回歯車と、前記周回歯車と噛合可能に設けられた回動歯車と、前記成形基板に取着されて前記回動歯車を回動させる周回駆動サーボモータとを備え、前記制御手段は、前記周回駆動サーボモータを回動位置決め制御可能であるようにして、前記周回駆動サーボモータによって前記回動歯車を回動させることで、前記周回円盤を前記各工具作動機構とともに周回移動させて、当該加工工具を周回設定位置に位置決めするようにしたものである。
【0034】
この請求項3に係る発明によれば、周回駆動機構は、周回駆動サーボモータを回動位置決め制御することで、周回円盤をそれぞれの工具作動機構とともにクイル軸線を周回中心にして周回移動させて、当該加工工具を周回設定位置に位置決めするようにしたので、当該加工工具を適宜の時期に加工前進位置または後退待機位置に容易に位置決めすることができる。 また、加工工具などを交換するための段取り替え時間が短縮できるので、生産性の向上を図ることができる。
【0035】
また、請求項4の発明に係る前記進退駆動機構は、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともに個別に進退移動させる複数個の機構であって、各進退駆動機構は、前記周回円盤上に設けるようにしたものである。
【0036】
この請求項4に係る発明によれば、各進退駆動機構は、周回円盤上に設けるようにしたので、ばね成形装置の製造段階または製造後において、加工工具の所要数に対応して、その工具作動機構を容易に加除することができる。 また、加工工具の最大所要数を想定して、その最大所要数に対応する進退駆動機構を予め構築するような無駄を省くことができるので、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる。
【0037】
また、請求項5の発明に係る前記進退駆動機構は、前記各滑動体にそれぞれ一体的に設けられて回動自在な各カムフォロアと、これらの各カムフォロアにそれぞれ当接可能で少なくとも前記各滑動体の進退移動量を充足可能な起伏軌跡のカム曲面が形成された各進退作動カムと、前記周回円盤にそれぞれ取着されて前記各進退作動カムを個別に回動させる各進退駆動サーボモータと、前記各カムフォロアを前記各進退作動カムと常時当接可能にそれぞれ付勢する各カム付勢ばねとを備え、前記制御手段は、前記各進退駆動サーボモータを個別に回動位置決め制御可能であるようにして、前記各進退駆動サーボモータによって前記各進退作動カムを個別に回動させることで、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともにそれぞれの進退移動軸線に沿って個別に進退移動させて、各加工工具をそれぞれの進退設定位置に位置決めするようにしたものである。
【0038】
この請求項5に係る発明によれば、進退駆動機構は、各進退駆動サーボモータを個別に回動位置決め制御することで、各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともにそれぞれの進退移動軸線に沿って個別に進退移動させて各加工工具を進退設定位置に位置決めするようにしたので、ばねの加工中に当該加工工具を最適な進退設定位置に選択的に進出させるとともに、前の加工工程で進出していた他の加工工具を後退させて加工することができる作用をする。
【0039】
この作用によって、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる。 また、上述した周回駆動機構の作用と相まって、加工工具の配設数を減少させることができるので、加工工具の製造費用や、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる。
【0040】
また、請求項6の発明に係る前記各工具作動機構の少なくとも1個は、前記線材を折曲、巻回または切断加工する2個以上の加工工具を旋回移動可能かつ進退移動可能に担持する滑動体であるように構成された工具作動機構であって、この滑動体と一体的に係着された旋回工具保持体と、この旋回工具保持体にクイル軸線と平行な旋回軸線を中心にして旋回移動可能に枢支されて前記2個以上の加工工具を着脱可能な旋回工具台と、前記旋回工具保持体に取着されて前記旋回工具台を旋回させる旋回駆動アクチュエータとを備え、前記制御手段は、前記旋回駆動アクチュエータを回動位置決め制御可能であるようにして、前記旋回駆動アクチュエータによって前記旋回工具台を旋回させることで、前記2個以上の加工工具のうちの当該加工工具を前記線材と衝合または係合可能な工具旋回設定位置に位置決めするようにしたものである。
【0041】
この請求項6に係る発明によれば、少なくとも1個の工具作動機構は、線材を折曲、巻回または切断加工する2個以上の加工工具を旋回移動可能かつ進退移動可能に担持するようにして、旋回駆動アクチュエータを回動位置決め制御して旋回工具台を旋回させることで、2個以上の加工工具のうちの当該加工工具を線材と衝合または係合可能な工具旋回設定位置に位置決めするようにしたので、1個の工具作動機構を周回設定位置に移動させて位置決めすることで、2個以上の加工工具の中から当該ばね加工工程に対応可能な当該加工工具を適宜の時期に選択し、かつ、進退設定位置に位置決めさせて加工することができる作用をする。
【0042】
この作用によって、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる。 また、工具作動機構の配設数を減少させることができるので、ばね成形装置の構成を簡素にして製造原価の低減を図ることができる。
【0043】
なお、本発明に係る「周回移動」と「旋回移動」との移動方向は、それぞれ一方向のみに限定するものではない。 また、「ばね成形空間」は、特定した場合を除いて、クイルから送り出される線材が通過しなければならない空間と、送り出された線材を折曲、巻回または切断加工するために各加工工具がその線材に衝合または係合しなければならない空間と、線材を折曲または巻回加工する過程において上流加工工程で形成された部分が通過しなければならない空間とを含むものである。
【0044】
【発明の実施の形態】
【0045】
本発明に係るばね成形装置の実施の形態について、図1〜図9を参照して以下のとおり説明する。 図1は、全体の説明図であってばね成形装置の正面図、図2は、図1のA−A矢視断面図、図3は、直進工具作動機構およびその進退駆動機構の部分拡大正面図、図4は、図3のB−B矢視断面図、図5は、回動工具作動機構およびその進退駆動機構の部分拡大正面図、図6は、図5のC−C矢視断面図、図7は、旋回工具作動機構およびその進退駆動機構の部分拡大正面図、図8は、図7のD−D矢視断面図、図9は、周回円盤機構およびその周回駆動機構の説明図であって図2のE−E矢視平面図である。
【0046】
本例のばね成形装置は、図1,図2において大別すると、以下の各機構を装着する機枠体1と、線材を送り出す線材給送機構10と、複数個の工具作動機構を放射状に取着して各加工工具とともに周回移動可能な周回円盤機構20と、複数個の工具作動機構を各加工工具とともに周回移動させる周回駆動機構30と、各加工工具を進退移動可能に担持する複数個の工具作動機構(直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60)と、各加工工具を個別に進退移動させる複数個の進退駆動機構70,80,90と、線材給送機構10、周回駆動機構30、回動工具作動機構50、旋回工具作動機構60および各進退駆動機構70,80,90を関連的に制御可能な図示しない数値制御手段とから構成される。
【0047】
機枠体1は、各機構を関連的に装着するものであって、図2に示すように、図示しない機台上で筐体状に設けられ、ばね成形空間3側の前方(図示左方)に成形基板2が立設されている。 そして、この機枠体1には、成形基板2を挟むように線材給送機構10が装着され、また、成形基板2の前面には線材加工に係る各機構がクイル軸線の周りで関連的に装着されている。
【0048】
続いて、線材給送機構10は、線材をばね成形空間に送り出す機構であって、図2に示すように、機枠体1内に一対のフィードローラ11A,11Bが、線材Wを挟圧して回動することで送り出しと送り戻しとが可能に設けられ、成形基板2にはクイル保持体12が、前面から突出するように立設されている。
【0049】
このクイル保持体12には、成形基板2を貫通する位置に線ガイド13が、また、ばね成形空間3の近傍位置にクイル14が、それぞれの軸心に線材Wを挿通して直進案内可能な線材案内穴を形成して、それぞれ移動しないように埋設されている。 クイル14は、線材Wをばね成形空間3に導出すべく案内するとともに、ばね加工のために各加工工具が線材Wに作用することで、クイル軸線と交差する方向への荷重を負荷するものである。
【0050】
したがって、クイル14の前端部は、この荷重を許容できる肉厚に形成されるが、線材を折曲または巻回加工する過程において上流加工工程で形成された部分が通過しなければならない空間を確保するために、前端部の一部を切欠き薄肉化されている。 このために各加工工具は、クイル14の薄肉部に荷重が負荷されないように、進出方向が限定される。 本例においては、以下に説明する複数個の工具作動機構が、クイル軸線を周回中心として周回移動可能に構成されているので、この問題を解決することもできる。
【0051】
そして、このように構成された線材給送機構10は、図示しない数値制御手段の制御による図示しない駆動手段の回動によって一対のフィードローラ11A,11Bを回動させることで、成形基板2の後面側からクイル14前方のばね成形空間3に線材Wを所定長だけ送り出し、または、送り戻して、この線材Wに、図1,図2に示す各加工工具を衝合または係合させて折曲、巻回または切断加工がなされる。 なお、一対のフィードローラ11A,11Bは一対に限定されるものではなく、線材Wの線径などに対応して複数対を並列にも構成される。
【0052】
続いて、周回円盤機構20は、複数個の工具作動機構を各加工工具とともに、クイル軸線を周回中心にして周回移動可能な機構であって、図1,図2に示すように、軸承筒21と、一対の転がり軸受22,22と、周回円盤23とから構成される。 軸承筒21は、外周に一対の転がり軸受22,22の内輪が装着可能に形成されて、クイル14と同軸心位置の成形基板2前面に立設されている。
【0053】
また、周回円盤23は、内周近傍に膨出部23cを有する円盤状に形成され、その内周には一対の転がり軸受22,22の外輪が装着可能な軸承穴が形成されているとともに、その前面は、後述する複数個の工具作動機構40,50,60が、クイル軸線に収束する 2.0944 rad 〔120°〕の等分割放射状に設定された進退移動軸線に沿って進退移動可能に着脱できるように形成されている。
【0054】
このように構成された周回円盤23は、一対の転がり軸受22,22を介して軸承筒21に枢支されて回動することで、その前面に取着された複数個の工具作動機構(直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60)と、各加工工具を個別に進退移動させる複数個の進退駆動機構70,80,90とを各加工工具とともに、クイル軸線を周回中心にして周回移動させることができるものである。
【0055】
そして、この周回円盤機構20は、図示しない数値制御手段の制御によって後述する周回駆動機構30によって周回駆動されることで、直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60の各加工工具を周回移動させて、線材Wに折曲、巻回または切断加工可能な周回設定位置に位置決めされる。
【0056】
続いて、周回駆動機構30は、前述した周回円盤機構20の周回円盤23を周回移動させる機構であって、図1,図2,図9に示すように、周回歯車31と、回動歯車32と、周回駆動サーボモータ33とから構成される。 周回歯車31は、クイル軸線を中心とする円環状の外周に歯形が形成されて、周回円盤23の膨出部23cよりも外側の図4に示す後面23bに一体的に止着されている。
【0057】
また、周回駆動サーボモータ33は、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能であって、成形基板2の下端部に止着されている。 この周回駆動サーボモータ33には、回動歯車32が、その歯形を周回歯車31と噛合可能にキー着されている。
【0058】
このように構成された周回駆動機構30は、周回駆動サーボモータ33を回動させることで、回動歯車32と周回歯車31との協働によって、周回円盤23を時計方向または反時計方向に周回移動させるものである。 そして、直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60の当該加工工具を周回設定位置に移動させて位置決めすべく、図示しない数値制御手段の制御によって周回駆動サーボモータ33を回動制御することで周回円盤23を周回移動させて、当該加工工具が線材Wに折曲、巻回または切断加工可能な周回設定位置に位置決めする。
【0059】
続いて、複数個の工具作動機構(直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60)は、前述した制御手段と周回駆動機構30とによって周回設定位置に位置決めされた各加工工具を、クイル軸線に略収束する 2.0944 rad 〔120°〕の等分割放射状に設定された各進退移動軸線に沿って進退移動可能に担持する機構であって、図1,図2に示すように、直進工具作動機構40は、コイル部を巻回加工または掛止脚部を湾曲加工する巻回工具T1を、回動工具作動機構50は、掛止脚部を折曲加工する折曲工具T2を、旋回工具作動機構60は、コイル部にピッチを付与するピッチ工具T3と、線材を切断加工する切断工具T4とをそれぞれ担持するものである。
【0060】
これらのうち、直進工具作動機構40は、図3,図4に示すように、滑動案内体41が、前面側に凹部41aが形成され、図3においてクイル軸線を通る放射状の進退移動軸線を挟む凹部41aの内側面41b,41cにはそれぞれ案内溝41dが形成されて、周回円盤23の前面23aに取着されている。 この滑動案内体41の凹部41aには滑動体42が、この凹部41aと滑動可能、かつ、それぞれの案内溝41dと係合可能に形成されて、進退移動軸線上で進退移動可能に係合されている。
【0061】
この滑動体42のクイル14側の前面42aには、直進工具保持体43が、前面側に凹部43aを形成して係着されている。 この凹部43a内には工具台44が、ピン46によって揺動可能に枢支され、調整ねじ体45によって巻回設定角度位置に位置決めされている。 この工具台44には、巻回工具T1が、クイル14の前方に送り出される線材Wを巻回加工または湾曲加工可能に形成されて、螺着されている。
【0062】
このように構成された直進工具作動機構40は、後述する進退駆動機構70の前進作動によって、滑動体42とともに巻回工具T1を進退設定位置まで前進させて(図3,図4は加工前進位置を示す)、この巻回工具T1をばね成形空間3の線材Wに衝合させることで、コイル部を所定のコイル径に巻回加工、または、掛止脚部を所定の湾曲径に湾曲加工する。
【0063】
次いで、回動工具作動機構50は、図5,図6に示すように、滑動案内体51が、前面側に凹部51aが形成され、図5においてクイル軸線を通る放射状の進退移動軸線を挟む凹部51aの内側面51b,51cにはそれぞれ案内溝51dが形成されて、周回円盤23の前面23aに取着されている。 この滑動案内体51の凹部51aには滑動体52が、この凹部51aと滑動可能、かつ、それぞれの案内溝51dと係合可能に形成されて、進退移動軸線上で進退移動可能に係合されている。
【0064】
この滑動体52のクイル14側の前面52aには、コ字状に形成された折曲工具保持体53が、コ字状の内側に案内溝53aと、滑動体52側に逃がし穴53bとを形成して立設されている。 この案内溝53aには軸承台54が、摺動可能に形成されて、クイル軸線と平行移動可能に係合され、調整ねじ体55によって位置決めされた位置で移動しないように折曲工具保持体53に螺着されている。
【0065】
また、この軸承台54の滑動体52側には、逃がし穴53bに挿通可能な中空膨出部54aが形成され、その内周には一対の転がり軸受が装着されている。
この一対の転がり軸受には折曲工具保持軸56が、クイル軸線と直交する回動軸線を中心にして回動可能に軸支されている。 この折曲工具保持軸56には、クイル14側の一端部に折曲工具T2が一体的に螺着され、他端部に従動歯車57がキー着されている。
【0066】
また、折曲工具T2は前端部に、図6に示す2個の折曲突子T2a,T2aが形成され、前進位置でこの折曲突子T2a,T2aの間に線材Wを挟入して回動させることで、その線材Wに折曲加工するものである。 また、軸承台54のフランジ部54bには、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能な折曲回動サーボモータ59が取着され、その出力軸に原動歯車58が、従動歯車57と噛合可能にキー着されている。
【0067】
このように構成された回動工具作動機構50は、後述する進退駆動機構80の前進作動によって、滑動体52とともに折曲工具T2を進退設定位置まで前進させて(図5,図6は後退待機位置を示す)、その折曲突子T2a,T2aの間にばね成形空間3の線材Wを挟入するとともに、数値制御手段の制御による折曲回動サーボモータ59の回動によって、この折曲工具T2を設定角度回動させることで、掛止脚部を所定の折曲角度に折曲加工する。
【0068】
次いで、旋回工具作動機構60は、図7,図8に示すように、滑動案内体61が、前面側に凹部61aが形成され、図7においてクイル軸線を通る放射状の進退移動軸線を挟む凹部61aの内側面61b,61cにはそれぞれ案内溝61dが形成されて、周回円盤23の前面23aに取着されている。 この滑動案内体61の凹部61aには滑動体62が、この凹部61aと滑動可能、かつ、それぞれの案内溝61dと係合可能に形成されて、進退移動軸線上で進退移動可能に係合されている。
【0069】
この滑動体62の前面62aには、クイル14側の前端部位置でクイル軸線と平行な中心線上に転がり軸受が装着されるとともに、コ字状に形成された旋回工具保持体63が立設されている。 この旋回工具保持体63の天板部63aには、滑動体62に装着された一方の転がり軸受と一直中心線(旋回軸線)上の位置に他方の転がり軸受が装着されて、これらの転がり軸受に、旋回工具台64が旋回可能に軸支されている。 この旋回工具台64は、その旋回軸線と直交するように形成された凹部64bにピッチ工具T3と、凹部64cに切断工具T4とが着脱可能で、これらの各加工工具を任意の角度位置に旋回移動させるものである。
【0070】
また、旋回工具保持体63の天板部63aには、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能な旋回駆動アクチュエータの旋回駆動サーボモータ69が、旋回工具台64と同軸心に取着されて、その出力軸が旋回工具台64の軸穴64aとキー着されている。 旋回工具台64は、この旋回駆動サーボモータ69によって旋回駆動されて、クイル軸線と平行な旋回軸線を中心にしてピッチ工具T3と切断工具T4とを旋回移動させる。
【0071】
このように構成された旋回工具作動機構60は、数値制御手段の制御による旋回駆動サーボモータ69の旋回駆動によって旋回工具台64を旋回させることで、ピッチ工具T3、切断工具T4の中から当該ばね加工工程に対応可能な当該加工工具を選択し、線材Wと衝合または係合可能な工具旋回設定位置に位置決めする(図7は切断工具T4が工具旋回設定位置)とともに、後述する進退駆動機構90の前進作動によって当該加工工具を進退設定位置まで前進させて(図7,図8は後退待機位置を示す)、線材を所定の形状に加工、または、所定長に切断加工する。
【0072】
そして、直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60は、図示しない数値制御手段の制御によって後述する各進退駆動機構70,80,90を前進作動させることで、各加工工具を個別または関連的に進退設定位置に前進移動させて、線材Wに折曲、巻回または切断加工する。 なお、本例においては、これら各工具作動機構40,50,60の進退移動軸線を、クイル軸線に収束する 2.0944 rad 〔120°〕の等分割放射状に設定したが、複数個の工具作動機構の数や、等分割または不等分割のいずれにするかは設計的事項であって、自由に選択できるものである。
【0073】
続いて、各進退駆動機構70,80,90は、前述した直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60にそれぞれ設けられ、これらの各滑動体42,52,62を各加工工具とともに個別に進退移動させる機構であって、図1,図2に示すように、各工具作動機構40,50,60の後端部に係着された各進退作動カム73,83,93を回動させることで、各工具作動機構40,50,60の各滑動体42,52,62を進退移動させるものである。
【0074】
これらのうち、進退駆動機構70は、図3,図4に示すように、軸承筒71が、直進工具作動機構40の滑動案内体41の後端部位置でクイル軸線と平行な中心軸線上に取着されている。 この軸承筒71には一対の転がり軸受が装着されて、この一対の転がり軸受に、カム回動軸72が回動可能に軸支されている。
このカム回動軸72には、進退作動カム73が、滑動体42の進退移動量を充足可能な起伏軌跡のカム曲面73aが形成されて、滑動体42の前面42aよりも突出するようにして、カム回動軸72の一端部にキー着されている。
【0075】
この進退作動カム73の反対側には、滑動案内体41の後端部位置に、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能な進退駆動サーボモータ74が、カム回動軸72と同軸心に取着されその出力軸に、回動軸72の他端部がキー着されている。 したがって、進退作動カム73は、進退駆動サーボモータ74が回動することによって、カム回動軸72とともに回動される。
【0076】
また、滑動体42の後端側の前面42aには、ローラ枢着体75が、進退作動カム73のカム曲面73aと対向する位置にコ字状又部が形成されて止着されている。 このローラ枢着体75には、そのコ字状又部を貫通するようにしてローラ軸75aが止着されている。 このローラ軸75aにはカムフォロア76が、進退作動カム73のカム曲面73aと外接して回動可能に枢着されている。
【0077】
また、滑動体42のローラ枢着体75近傍位置には、移動側掛止部材77が螺着され、滑動案内体41の後端位置には、固定側掛止部材78が止着されている。 この移動側掛止部材77と固定側掛止部材78とには、カムフォロア76を進退作動カム73に常時当接させるべく、滑動体42とともにカムフォロア76を付勢する付勢ばね79,79が張着されている。
【0078】
このように構成された進退駆動機構70は、数値制御手段の制御による進退駆動サーボモータ74の回動運動により進退作動カム73を回動させて、そのカム曲面73aの起伏軌跡によって、付勢ばね79,79により外接するカムフォロア76を介して、直進工具作動機構40の巻回工具T1を滑動体42とともに進退移動させる。
【0079】
次いで進退駆動機構80は、図5,図6に示すように、軸承筒81が、回動工具作動機構50の滑動案内体51の後端部位置でクイル軸線と平行な中心軸線上に取着されている。 この軸承筒81には一対の転がり軸受が装着されて、この一対の転がり軸受に、カム回動軸82が回動可能に軸支されている。 このカム回動軸82には、進退作動カム83が、滑動体52の進退移動量を充足可能な起伏軌跡のカム曲面83aが形成されて、滑動体52の前面52aよりも突出するようにして、カム回動軸82の一端部にキー着されている。
【0080】
この進退作動カム83の反対側には、滑動案内体51の後端部位置に、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能な進退駆動サーボモータ84が、カム回動軸82と同軸心に取着されその出力軸に、回動軸82の他端部がキー着されている。 したがって、進退作動カム83は、進退駆動サーボモータ84が回動することによって、カム回動軸82とともに回動される。
【0081】
また、滑動体52の後端側の前面52aには、ローラ枢着体85が、進退作動カム83のカム曲面83aと対向する位置にコ字状又部が形成されて止着されている。 このローラ枢着体85には、そのコ字状又部を貫通するようにしてローラ軸85aが止着されている。 このローラ軸85aにはカムフォロア86が、進退作動カム83のカム曲面83aと外接して回動可能に枢着されている。
【0082】
また、滑動体52のローラ枢着体85近傍位置には、移動側掛止部材87が螺着され、滑動案内体51の後端位置には、固定側掛止部材88が止着されている。 この移動側掛止部材87と固定側掛止部材88とには、カムフォロア86を進退作動カム83に常時当接させるべく、滑動体52とともにカムフォロア86を付勢する付勢ばね89,89が張着されている。
【0083】
このように構成された進退駆動機構80は、数値制御手段の制御による進退駆動サーボモータ84の回動運動により進退作動カム83を回動させて、そのカム曲面83aの起伏軌跡によって、付勢ばね89,89により外接するカムフォロア86を介して、回動工具作動機構50の折曲工具T2を滑動体52とともに進退移動させる。
【0084】
次いで進退駆動機構90は、図7,図8に示すように、軸承筒91が、旋回工具作動機構60の滑動案内体61の後端部位置でクイル軸線と平行な中心軸線上に取着されている。 この軸承筒91には一対の転がり軸受が装着されて、この一対の転がり軸受に、カム回動軸92が回動可能に軸支されている。 このカム回動軸92には、進退作動カム93が、滑動体62の進退移動量を充足可能な起伏軌跡のカム曲面93aが形成されて、滑動体62の前面62aよりも突出するようにして、カム回動軸92の一端部にキー着されている。
【0085】
この進退作動カム93の反対側には、滑動案内体61の後端部位置に、数値制御手段の制御によって回動位置決め可能な進退駆動サーボモータ94が、カム回動軸92と同軸心に取着されその出力軸に、回動軸92の他端部がキー着されている。 したがって、進退作動カム93は、進退駆動サーボモータ94が回動することによって、カム回動軸92とともに回動される。
【0086】
また、滑動体62の後端側の前面62aには、ローラ枢着体95が、進退作動カム93のカム曲面93aと対向する位置にコ字状又部が形成されて止着されている。 このローラ枢着体95には、そのコ字状又部を貫通するようにしてローラ軸95aが止着されている。 このローラ軸95aにはカムフォロア96が、進退作動カム93のカム曲面93aと外接して回動可能に枢着されている。
【0087】
また、滑動体62のローラ枢着体95近傍位置には、移動側掛止部材97が螺着され、滑動案内体61の後端位置には、固定側掛止部材98が止着されている。 この移動側掛止部材97と固定側掛止部材98とには、カムフォロア96を進退作動カム93に常時当接させるべく、滑動体62とともにカムフォロア96を付勢する付勢ばね99,99が張着されている。
【0088】
このように構成された進退駆動機構90は、数値制御手段の制御による進退駆動サーボモータ94の回動運動により進退作動カム93を回動させて、そのカム曲面93aの起伏軌跡によって、付勢ばね99,99により外接するカムフォロア96を介して、旋回工具作動機構60のピッチ工具T3、切断工具T4を滑動体62とともに進退移動させる。
【0089】
そして、各進退駆動機構70,80,90は、図示しない数値制御手段の制御により進退駆動サーボモータ74,84,94を個別または関連的に回動させることによって、直進工具作動機構40,回動工具作動機構50,旋回工具作動機構60の各滑動体42,52,62を各加工工具とともに個別または関連的に進退移動させる。
【0090】
すなわち、進退駆動機構70は、進退駆動サーボモータ74とともに回動する進退作動カム73によって、カムフォロア76を介して直進工具作動機構40の滑動体42を、進退駆動機構80は、進退駆動サーボモータ84とともに回動する進退作動カム83によって、カムフォロア86を介して回動工具作動機構50の滑動体52を、また、進退駆動機構90は、進退駆動サーボモータ94とともに回動する進退作動カム93によって、カムフォロア96を介して旋回工具作動機構60の滑動体62をそれぞれ進退移動させる。
【0091】
引き続いて、このように構成された本例のばね成形装置において、ばね加工に係る加工工具と各機構との関連動作,作用などについて、一加工例の捩りコイルばねを示す図10、各加工工程における各加工工具の形態を示す図11〜図22を参照して以下のとおり説明する。 なお、以下の説明においては数値制御手段との関わりを省略するが、各駆動機構の作動は多軸数値制御手段によって制御されるものである。 また、図11〜図22の各平面図においては、各加工工具の位置表示を、クイル14の軸心を原点、その横軸線をX軸線、縦軸線をY軸線とする座標上で説明する。
【0092】
本加工例のばねは、上述した複数個の工具作動機構40〜60の各加工工具T1〜T4によって、図10に示す端部Sa(第1加工工程),ねじれ折曲部Sb(第2加工工程),直線部Sc(第3加工工程),折曲部Sd(第4加工工程),直線脚部Se(第5加工工程)からなる鉤状掛止脚部と、コイル部Sf(第6加工工程)と、直線掛止脚部Sg(第7加工工程)と、切断面Sh(第8加工工程)とが形成される捩りコイルばねSである。 この捩りコイルばねSの端部Saは、図10(b)に示すように、ねじれ折曲部Sbを三次元折り曲げすることによって直線脚部Seの線材軸線に対して 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕のねじれ角度を形成するものである。
【0093】
また、コイル部Sfは、図10(a)に示すように、そのコイル軸心が直線脚部Se,直線掛止脚部Sgに対して直角であるとともに、各コイルの間には設定間隔のピッチを形成するものである。 また、直線掛止脚部Sgは、直線脚部Seの線材軸線に対して、図10(a)においては平行に、図10(b)においては、直線掛止脚部Sgに対してコイル部Sf側に 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕の傾き角度を形成するものである。
【0094】
また、先に従来技術で引用した従来公報A(特開平10−29028号公報)に係る発明では、本例のように直線脚部Seの線材軸線に対して 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕のねじれ角度を形成することはできない。 すなわち、従来公報Aに係る発明は、その図9に示されたカムフォロア21の有効進退作動角度が、円弧カム39の進退移動軸線に対してそれぞれ時計方向および反時計方向に、 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕または 3.4907 ×10-1 rad〔20°〕の範囲に限定される構成である。
【0095】
したがって、時計方向および反時計方向に 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕の有効進退作動角度に設定したときには、円弧カム39の進退移動軸線から 2.6180 ×10-1 rad〔15°〕を超え 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕以内の間、また、時計方向および反時計方向に 3.4907 ×10-1 rad〔20°〕で設定したときでも、 3.4907 ×10-1 rad〔20°〕を超え 4.3633 ×10-1 rad〔25°〕以内の間の範囲は加工ができないものである。
【0096】
なお、本加工例において、最初の捩りコイルばねSを加工する前には、図11に示す第1加工工程や、その下流の加工工程に備えて、複数個の工具作動機構40〜60の各加工工具T1〜T4は、あらかじめ、図2,図9に示す周回駆動機構30を周回制御し、各進退駆動機構70〜90を後退制御することによって、図11(a)に示すように、各進退移動軸線をそれぞれの周回設定位置に位置決めするとともに、それぞれの後退待機位置に待機させておく。
【0097】
すなわち、捩りコイルばねSの加工に際して最初に線材Wと係合する加工工具は、第2加工工程においてねじれ折曲部Sbを加工する回動工具作動機構50の折曲工具T2であるので、この加工工程に備えて、周回駆動機構30の周回駆動サーボモータ33を回動制御することで周回円盤機構20の周回円盤23を周回移動させて、折曲工具T2の進退移動軸線を、図11(a)に示す第四象限のクイル14下方位置でY軸線より反時計方向へ 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕傾斜した周回設定位置に位置決めするとともに、図5,図6に示す回動工具作動機構50の折曲回動サーボモータ59を回動制御することで、この折曲工具T2を回動させる。
【0098】
そして、この折曲工具T2の折曲突子T2a,T2aの回動位置が、クイル軸線を挟んで対称位置のクイル14前端近傍で線材Wを挟入可能な折曲待機位置に位置決めするとともに、進退駆動機構80の進退駆動サーボモータ84を回動制御することで滑動体52を折曲工具T2とともに後退移動させて、後退待機位置に待機させておく。
【0099】
なお、この準備作業によって、直進工具作動機構40の巻回工具T1と、旋回工具作動機構60のピッチ工具T3,切断工具T4とは、共通の周回円盤23に取着されているので、 2.0944 rad 〔120°〕に等分割された放射状位置を維持して、折曲工具T2とともに周回移動される。 すなわち、巻回工具T1は、折曲工具T2から反時計方向へ 2.0944 rad 〔120°〕の周回位置、換言すれば、図11(a)に示す第一象限のクイル14上方位置でY軸線より時計方向へ 6.6323 ×10-1 rad〔38°〕傾斜した周回位置に位置決めされて、その後退待機位置で待機する。
【0100】
また、ピッチ工具T3,切断工具T4は、折曲工具T2から時計方向へ 2.0944 rad 〔120°〕の周回位置、換言すれば、第二象限のクイル14左方位置でX軸線より時計方向へ 1.3963 ×10-1 rad〔8°〕傾斜した周回位置に位置決めされる。 そして、これらのうち、コイル部Sfを加工する第6加工工程においてピッチ工具T3が最初に線材Wと係合するので、この加工工程に備えて、図7,図8に示す旋回工具作動機構60の旋回駆動サーボモータ69を回動制御することで旋回工具台64を旋回移動させて、押し出し作用でコイルにピッチを付与するピッチ工具T3を選択する。
【0101】
このピッチ工具T3は、巻回されるコイルにピッチが付与可能な進退移動軸線と平行位置の工具旋回設定位置に位置決めし、かつ、進退駆動機構90の進退駆動サーボモータ94を回動制御することで滑動体62をピッチ工具T3とともに後退移動させて、後退待機位置に待機させておく。
【0102】
これで、最初の捩りコイルばねSを加工する前の準備作業は完了であるが、次の捩りコイルばねSの加工からは、この準備作業は不要である。 すなわち、各加工工程において加工を終えた加工工具は、下流の加工工程に備えて、それぞれの加工が可能な周回設定位置の後退待機位置で、折曲待機位置や工具旋回設定位置に位置決めして待機させておくからである。
【0103】
そして、図11に示す第1加工工程は、端部Saを加工する工程であって、図2に示す線材給送機構10の一対のフィードローラ11A,11Bを回動制御することによって、図11(b)に示すように、線材Wをクイル14の前端から設定長だけ送り出し、かつ停止させることで、端部Saが形成される。
【0104】
この線材Wの送り出し設定長は、端部Saを形成する所要長と、この端部Saに連続して形成するねじれ折曲部Sbの所要長と、次の第2加工工程において加工工具の作動を妨げない加工所要長とを加えた設定長である。 なお、この端部Saは、次の第2加工工程においてねじれ折曲部Sbを加工することで、その長さや角度が確定するものである。
【0105】
次いで、図12,図13に示す第2加工工程は、回動工具作動機構50の折曲工具T2でねじれ折曲部Sbを加工する工程であって、図6に示す進退駆動機構80の進退駆動サーボモータ84を回動制御することで、前の第1加工工程の準備段階において、周回設定位置の後退待機位置で折曲待機位置に位置決めした折曲工具T2を加工前進位置に前進させて、図12(a)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの間に端部Saの線材Wを挟入させる。
【0106】
そして、ねじれ折曲部Sbの加工は、図6に示す折曲回動サーボモータ59の回動制御によって折曲工具T2を回動させることで、すなわち、図12(b)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの間に挟入された線材Wを反時計回りに、端部Sa,直線部Scの折曲設定角度である 1.5708 rad 〔90°〕と、スプリングバック相当角度とを加えた加工設定角度だけ折曲させた後、図13(b)に示すように、線材Wを挟入している折曲突子T2a,T2aを時計回りにスプリングバック相当角度だけ戻して、図14(b)に示す端部Saと直線部Scとの折曲角度を 1.5708 rad 〔90°〕に形成する。
【0107】
また、このねじれ折曲部Sbは、折曲工具T2が、クイル14下方位置でY軸線より反時計方向へ 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕傾斜した周回設定位置で折曲加工されるので、図14(a)に示す端部Saの線材軸線が、X軸線に対して右上に 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕傾斜するように形成される。
【0108】
このようにして、ねじれ折曲部Sbを加工した後の折曲工具T2は、折曲部Sdを加工する下流の第4加工工程に備えて、進退駆動サーボモータ84の回動制御で後退移動させて、図14(a)に示すように、その折曲突子T2a,T2aが、端部Saの線材Wから離れる加工待機位置まで後退させるとともに、周回駆動サーボモータ33の回動制御で折曲工具T2を時計方向に周回移動させて、進退移動軸線を略Y軸線上の周回設定位置に位置決めして待機させる。
【0109】
なお、この準備作業によって、巻回工具T1は、図14(a)に示す第一象限のクイル14右方位置でX軸線より反時計方向へ 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕傾斜し、また、ピッチ工具T3は、第二象限のクイル14左方位置でX軸線より時計方向へ 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕傾斜した、それぞれの周回位置に位置決めされて待機する。
【0110】
次いで、図14に示す第3加工工程は、直線部Scを加工する工程であって、一対のフィードローラ11A,11Bを回動制御することによって、図14(b)に示すように、線材Wをクイル14の前端から設定長だけ送り出し、かつ停止することで、直線部Scが形成される。
【0111】
この線材Wの送り出し設定長は、直線部Scを形成する所要長と、次の第4加工工程においてこの直線部Scに連続して形成する折曲部Sdの所要長と、折曲工具T2の作動を妨げない加工所要長とを加えた設定長である。 なお、この直線部Scは、次の第4加工工程において折曲部Sdを加工することで、その長さや角度が確定するものである。
【0112】
このようにして、直線部Scと折曲部Sdとを形成する線材Wを送り出すとともに、前の第2加工工程でねじれ折曲部Sbを加工した後の折曲工具T2は、折曲部Sdを加工する次の第4加工工程に備えて、折曲回動サーボモータ59の回動制御で回動させて、図15(b)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの回動位置が、クイル軸線を挟んで対称位置のクイル14前端近傍で直線部Scの線材Wを挟入可能な折曲待機位置に位置決めして待機させる。
【0113】
次いで、図15,図16に示す第4加工工程は、回動工具作動機構50の折曲工具T2で折曲部Sdを加工する工程であって、進退駆動機構80の進退駆動サーボモータ84を回動制御することで、前の第3加工工程の加工後において、周回設定位置の加工待機位置で折曲待機位置に位置決めした折曲工具T2を加工前進位置に前進させて、図15(a)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの間に直線部Scの線材Wを挟入させる。
【0114】
そして、折曲部Sdの加工は、折曲回動サーボモータ59の回動制御によって折曲工具T2を回動させることで、すなわち、図15(b)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの間に挟入された線材Wを反時計回りに、直線部Sc,直線脚部Seの折曲設定角度である 1.5708 rad 〔90°〕と、スプリングバック相当角度とを加えた加工設定角度だけ回動させた後、図16(b)に示すように、線材Wを挟入している折曲突子T2a,T2aを時計回りにスプリングバック相当角度だけ戻して、図17(b)に示す直線部Scと直線脚部Seとの折曲角度を 1.5708 rad 〔90°〕に形成する。 また、この折曲部Sdは、図17(a)に示す直線部Scの線材軸線が、X軸線と一致するように形成する。
【0115】
このようにして、折曲部Sdを加工した後の折曲工具T2は、次の捩りコイルばねSの加工に備えて、進退駆動サーボモータ84の回動制御で後退移動させて、その折曲突子T2a,T2aが、直線部Scの線材Wから最も離れる後退待機位置まで後退させるとともに、この後に線材Wと係合する加工工具は、下流の第6加工工程において、コイル部Sfを巻回加工する巻回工具T1と、コイル部Sfにピッチを付与するピッチ工具T3とであるから、この加工工程に備えて、これらの加工工具もそれぞれの周回設定位置に位置決めしておく。
【0116】
すなわち、周回駆動機構30の周回駆動サーボモータ33を回動制御することで周回円盤機構20の周回円盤23を反時計方向に周回移動させて、それぞれの進退移動軸線を図17(a)に示すように、巻回工具T1は、クイル14上方位置で略Y軸線上の周回設定位置に、また、ピッチ工具T3は、第三象限のクイル14左方位置でX軸線より反時計方向へ 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕傾斜した周回設定位置に、それぞれ位置決めして待機させる。
【0117】
次いで、図17に示す第5加工工程は、直線脚部Seを加工する工程であって、一対のフィードローラ11A,11Bを回動制御することによって、線材Wをクイル14の前端から設定長だけ送り出し、かつ停止することで、直線脚部Seが形成される。 この線材Wの送り出し設定長は、直線脚部Seを形成する所要長と、次の第6加工工程においてこの直線脚部Seに連続して形成するコイル部Sfの巻回始めまでの加工所要長とを加えた設定長である。
【0118】
なお、この直線脚部Seは、次の第6加工工程においてコイル部Sfを加工することで、その長さや角度が確定するものである。 また、図10(b)に示す端部Saと直線脚部Seとの設定ねじれ角度 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕は、この直線脚部Seを加工することで確定される。
【0119】
このようにして、直線脚部Seとコイル部Sfの巻回始めとを形成する線材Wを送り出すとともに、前の第4加工工程で折曲部Sdを加工した後の折曲工具T2は、次の捩りコイルばねSの加工に備えて、回動工具作動機構50の折曲回動サーボモータ59の回動制御で折曲工具T2を回動させて、図18(a)に示すように、その折曲突子T2a,T2aの回動位置が、クイル軸線を挟んで対称位置のクイル14前端近傍で線材Wを挟入可能な折曲待機位置に位置決めして待機させる。
【0120】
次いで、図18,図19に示す第6加工工程は、直進工具作動機構40の巻回工具T1と、旋回工具作動機構60のピッチ工具T3とでコイル部Sfを加工する工程であって、巻回工具T1によるコイル部Sfの巻回加工は、直進工具作動機構40を進退移動させる進退駆動機構70の進退駆動サーボモータ74を回動制御することで、先の第4加工工程の加工後に、クイル14上方の周回設定位置で後退待機位置に待機させておいた巻回工具T1を前進させて図19(a)に示す加工前進位置に位置決めするとともに、線材給送機構10の一対のフィードローラ11A,11Bを回動制御することで、線材Wをクイル14の前端から継続的に送り出してコイル部Sfを巻回加工する。
【0121】
また、ピッチ工具T3によるコイル部Sfへのピッチ付与は、進退駆動機構90の進退駆動サーボモータ94を回動制御することで、先の第4加工工程の加工後に、クイル14左方の周回設定位置で後退待機位置に待機させておいたピッチ工具T3を前進移動させて、図19(a)に示すように、ピッチ工具T3の前端作用面が、クイル14の線材送り出し穴前方で巻回されるコイル部Sfの下部側面をコイル生成方向へ押圧可能な加工前進位置に位置決めして、コイル部Sfに設定間隔のピッチを付与する。
【0122】
すなわち、図19(b)に示すように、線材Wを巻回工具T1の傾斜作用面に衝合させることで設定コイル径のコイルを巻回するとともに、図19(a)に示すように、巻回中のコイルの下部側面を、ピッチ工具T3の前端作用面でコイル生成方向へ押圧することで、コイル部Sfに設定間隔のピッチを形成する。
【0123】
このコイル部Sfは、巻回数とピッチとによってその自由長が形成され、また、コイル径と巻回数とによって線材Wの所要展開長が決まる。 したがって、この所要展開長の線材Wをクイル14の前端から送り出して停止することで、図10に示すコイル部Sfが形成されて、図10(b)に示す直線脚部Seに対する直線掛止脚部Sgの傾き角度が決まる。
【0124】
このようにして、コイル部Sfを加工した後の巻回工具T1は、次の捩りコイルばねSの加工に備えて、進退駆動機構70の進退駆動サーボモータ74を回動制御することで後退させて、図20(a)に示す後退待機位置に位置決めして待機させる。 また、コイル部Sfにピッチを付与した後のピッチ工具T3は、切断工具T4によって切断面Shを加工する下流の第8加工工程に備えて、進退駆動機構90の進退駆動サーボモータ94を回動制御することで後退させて、後退待機位置に位置決めして待機させる。
【0125】
次いで、図20に示す第7加工工程は、直線掛止脚部Sgを加工する工程であって、一対のフィードローラ11A,11Bを回動制御することによって、図20(b)に示すように、線材Wをクイル14の前端から、直線掛止脚部Sgを形成する設定長だけ送り出し、かつ停止させる。 なお、この直線掛止脚部Sgは、次の第8加工工程において切断面Shを切断加工することで、その長さが確定するものである。
【0126】
このようにして、直線掛止脚部Sgを形成する線材Wを送り出すとともに、切断面Shを加工する次の第8加工工程に備えて、先の第6加工工程でコイル部Sfにピッチを付与した後のピッチ工具T3を切断工具T4に入れ替え、かつ、この切断工具T4を反時計方向に周回移動させる。
【0127】
すなわち、旋回駆動サーボモータ69を回動制御することで旋回工具台64を旋回移動させて、ピッチ工具T3と入れ替わりに切断工具T4をクイル14側に選択し、この切断工具T4は加工前進位置において、その切刃側面がクイル14の前端面と略摺接して、線材Wを切断可能な工具旋回設定位置に位置決めするとともに、周回駆動機構30の周回駆動サーボモータ33を回動制御することで周回移動させて、図21(a)に示すように、この切断工具T4の進退移動軸線をクイル14の下方位置で略Y軸線上の周回設定位置に位置決めする。
【0128】
なお、この準備作業によって、巻回工具T1は、図21(a)に示す第二象限のクイル14左方位置でX軸線より時計方向へ 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕傾斜し、また、折曲工具T2は、第一象限のクイル14右方位置でX軸線より反時計方向へ 5.2360 ×10-1 rad〔30°〕傾斜した、それぞれの周回位置に位置決めされて待機する。
【0129】
次いで、図21,図22に示す第8加工工程は、旋回工具作動機構60の切断工具T4で切断面Shを切断加工する最終工程であって、進退駆動機構90の進退駆動サーボモータ94を回動制御することで、前の第7加工工程においてクイル14の下方位置で略Y軸線上の周回設定位置で後退待機位置に待機させておいた切断工具T4を前進移動させて、図22に示すように、切断工具T4の切刃とクイル14前端面との剪断作用で、直線掛止脚部Sg端部の切断面Shを切断する。 この切断によって、直線掛止脚部Sgの長さが確定するとともに、線材Wから分離された図10に示す捩りコイルばねSが形成される。
【0130】
このようにして、切断面Shを加工した後の切断工具T4は、次の捩りコイルばねSの加工に備えて、後退待機位置に後退させるとともに、この切断工具T4と入れ替わりにピッチ工具T3をクイル14側に選択し、かつ、この後に線材Wと係合する加工工具は、次の捩りコイルばねSの第2加工工程においてねじれ折曲部Sbを加工する折曲工具T2であるので、この加工工程に備えて、この折曲工具T2を反時計方向に周回移動させる。
【0131】
すなわち、切断工具T4とピッチ工具T3とは、進退駆動機構90の進退駆動サーボモータ94を回動制御することで後退待機位置に後退させるとともに、旋回工具作動機構60の旋回駆動サーボモータ69を回動制御することで旋回工具台64を旋回移動させて、切断工具T4と入れ替わりにピッチ工具T3をクイル14側に選択する。
【0132】
また、折曲工具T2は、先の第4加工工程で折曲部Sdを加工した後、その折曲突子T2a,T2aの回動位置を折曲待機位置にして待機させていたので、周回駆動サーボモータ33の回動制御で時計方向に周回移動させて、その進退移動軸線を、図11(a)に示す第四象限のクイル14下方位置でY軸線より反時計方向へ 3.8397 ×10-1 rad〔22°〕傾斜させた周回設定位置に位置決めして待機させる。
【0133】
なお、この準備作業によって、巻回工具T1は、図11(a)に示す第一象限のクイル14上方位置でY軸線より時計方向へ 6.6323 ×10-1 rad〔38°〕傾斜した周回位置に、また、ピッチ工具T3は、第二象限のクイル14左方位置でX軸線より時計方向へ 1.3963 ×10-1 rad〔8°〕傾斜した周回位置に、それぞれ位置決めされて待機する。
【0134】
これで、捩りコイルばねSを加工する加工工程の1サイクルは終了し、多軸数値制御手段の制御によって上述した第1〜第8加工工程を繰り返すことで、量産加工することができる。 また、多軸数値制御手段を数値制御加工プログラムで制御させて自動繰り返し加工をすることで、複数台のばね成形装置を一人の作業者で稼動管理したり、無人稼動ができる。
【0135】
本発明に係るばね成形装置は、上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、さまざまな形態に構成することができるものである。 例えば、ばね1個当たりの加工サイクルタイムをさらに短縮して生産性の向上を図るために、クイルを回動可能に構成したり、または、加工するばねの形状,要求精度などに合わせて、工具作動機構の数や加工工具の種類を自由に選択してばねを加工することができるものである。
【0136】
【発明の効果】
【0137】
本発明は、上述したとおりになされているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0138】
請求項1に係る発明によれば、クイル軸線を周回中心にして、各工具作動機構が着脱可能な周回円盤を周回移動可能にし、クイル軸線の周りで当該加工工具を周回移動および/または進退移動させて位置決めするようにしたので、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる効果を奏する。 また、加工工具の配設数を減少させることができるので、加工工具の製造費用や、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる効果を奏する。
【0139】
また、請求項2に係る発明によれば、周回円盤は、成形基板と一体的に設けられた軸受部に枢支することで、各工具作動機構とともにクイル軸線を周回中心にして周回移動可能であるようにしたので、当該加工工具を周回設定位置に円滑に周回移動させることができるとともに、各工具作動機構を周回移動させる周回円盤の保持力を確保することができる効果を奏する。
【0140】
また、請求項3に係る発明によれば、周回駆動機構は、周回駆動サーボモータを回動位置決め制御することで、周回円盤をそれぞれの工具作動機構とともにクイル軸線を周回中心にして周回移動させて、当該加工工具を周回設定位置に位置決めするようにしたので、当該加工工具を適宜の時期に加工前進位置または後退待機位置に容易に位置決めすることができる効果を奏する。 また、加工工具などを交換するための段取り替え時間が短縮できるので、生産性の向上を図ることができる効果を奏する。
【0141】
また、請求項4に係る発明によれば、各進退駆動機構は、周回円盤上に設けるようにしたので、ばね成形装置の製造段階または製造後において、加工工具の所要数に対応して、その工具作動機構を容易に加除することができる効果を奏する。 また、加工工具の最大所要数を想定して、その最大所要数に対応する進退駆動機構を予め構築するような無駄を省くことができるので、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる効果を奏する。
【0142】
また、請求項5に係る発明によれば、進退駆動機構は、各進退駆動サーボモータを個別に回動位置決め制御することで、各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともにそれぞれの進退移動軸線に沿って個別に進退移動させて各加工工具を進退設定位置に位置決めするようにしたので、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる効果を奏する。 また、上述した周回駆動機構の効果と相まって、加工工具の配設数を減少させることができるので、加工工具の製造費用や、ばね成形装置の構造を簡素にして製造原価の低減を図ることができる効果を奏する。
【0143】
また、請求項6に係る発明によれば、少なくとも1個の工具作動機構は、線材を折曲、巻回または切断加工する2個以上の加工工具を旋回移動可能かつ進退移動可能に担持するようにして、旋回駆動アクチュエータを回動位置決め制御して旋回工具台を旋回させることで、2個以上の加工工具のうちの当該加工工具を線材と衝合または係合可能な工具旋回設定位置に位置決めするようにしたので、ばね加工形状の自由度が制約されず複雑な形状のばねも容易に加工でき、加工プログラムの容易化によって生産性の向上を図ることができる効果を奏する。 また、工具作動機構の配設数を減少させることができるので、ばね成形装置の構成を簡素にして製造原価の低減を図ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の一例を示す全体の説明図であって、ばね成形装置の正面図である。
【図2】本発明に係る実施形態の一例を示す全体の説明図であって、図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明に係る直進工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図1に示す当該部分の拡大正面図である。
【図4】本発明に係る直進工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図3のB−B矢視断面図である。
【図5】本発明に係る回動工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図1に示す当該部分の拡大正面図である。
【図6】本発明に係る回動工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図5のC−C矢視断面図である。
【図7】本発明に係る旋回工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図1に示す当該部分の拡大正面図である。
【図8】本発明に係る旋回工具作動機構およびその進退駆動機構の説明図であって、図7のD−D矢視断面図である。
【図9】本発明に係る周回円盤機構およびその周回駆動機構の説明図であって、図2のE−E矢視平面図である。
【図10】本発明に係るばね成形装置によって加工されるばねの一例を示す説明図であって、(a)は捩りコイルばねの正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図11】捩りコイルばねの第1加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図12】捩りコイルばねの第2加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図13】図12と同じ第2加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図14】捩りコイルばねの第3加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図15】捩りコイルばねの第4加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図16】図15と同じ第4加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図17】捩りコイルばねの第5加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図18】捩りコイルばねの第6加工工程を示す説明図であって、(a)正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図19】図18と同じ第6加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図20】捩りコイルばねの第7加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図21】捩りコイルばねの第8加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【図22】図21と同じ第8加工工程を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のクイル近傍側面図である。
【符号の説明】
2 成形基板
3 ばね成形空間
10 線材給送機構
11A,11B フィードローラ
14 クイル
20 周回円盤機構
21 軸承筒
23 周回円盤
30 周回駆動機構
31 周回歯車
32 回動歯車
40 直進工具作動機構
41 滑動案内体
42 滑動体
43 直進工具保持体
50 回動工具作動機構
51 滑動案内体
52 滑動体
53 折曲工具保持体
60 旋回工具作動機構
61 滑動案内体
62 滑動体
63 旋回工具保持体
64 旋回工具台
69 旋回駆動サーボモータ(旋回駆動アクチュエータ)
70,80,90 進退駆動機構
73,83,93 進退作動カム
76,86,96 カムフォロア
S 捩りコイルばね
T1 巻回工具
T2 折曲工具
T2a 折曲突子
T3 ピッチ工具
T4 切断工具
W 線材

Claims (6)

  1. 成形基板の後面側から前面側のばね成形空間に送り出される線材を案内するクイルと、このクイル軸線に略収束する放射状の各進退移動軸線に沿って進退移動可能な各滑動体を個別に有して、前記クイルの前方で前記線材に折曲、巻回または切断加工する各加工工具を進退移動可能に担持する複数個の工具作動機構とを備えるばね成形装置であって、前記成形基板の前面には、
    前記複数個の工具作動機構を着脱可能で、かつ、クイル軸線を周回中心にして周回移動可能な周回円盤と、この周回円盤を前記複数個の工具作動機構とともに周回移動させる周回駆動機構と、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともに個別に進退移動させる進退駆動機構と、当該加工工具を周回設定位置と進退設定位置とにそれぞれ移動させて位置決めすべく前記周回駆動機構と前記進退駆動機構とを関連的に制御可能な制御手段とを備えて、
    クイル軸線の周りで当該加工工具を周回移動および/または進退移動させて位置決めするようにしたことを特徴とするばね成形装置。
  2. 前記周回円盤は、前記成形基板と一体的に設けられた軸受部に枢支することで、クイル軸線を周回中心にして周回移動可能であるようにしたことを特徴とする請求項1に記載されたばね成形装置。
  3. 前記周回駆動機構は、前記周回円盤に一体的に止着されてクイル軸線を中心とする円周上に歯形が形設された周回歯車と、前記周回歯車と噛合可能に設けられた回動歯車と、前記成形基板に取着されて前記回動歯車を回動させる周回駆動サーボモータとを備え、前記制御手段は、前記周回駆動サーボモータを回動位置決め制御可能であるようにして、
    前記周回駆動サーボモータによって前記回動歯車を回動させることで、前記周回円盤を前記各工具作動機構とともに周回移動させて、当該加工工具を周回設定位置に位置決めするようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載されたばね成形装置。
  4. 前記進退駆動機構は、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともに個別に進退移動させる複数個の機構であって、
    各進退駆動機構は、前記周回円盤上に設けるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載されたばね成形装置。
  5. 前記進退駆動機構は、前記各滑動体にそれぞれ一体的に設けられて回動自在な各カムフォロアと、これらの各カムフォロアにそれぞれ当接可能で少なくとも前記各滑動体の進退移動量を充足可能な起伏軌跡のカム曲面が形成された各進退作動カムと、前記周回円盤にそれぞれ取着されて前記各進退作動カムを個別に回動させる各進退駆動サーボモータと、前記各カムフォロアを前記各進退作動カムと常時当接可能にそれぞれ付勢する各カム付勢ばねとを備え、前記制御手段は、前記各進退駆動サーボモータを個別に回動位置決め制御可能であるようにして、
    前記各進退駆動サーボモータによって前記各進退作動カムを個別に回動させることで、前記各工具作動機構の各滑動体をそれぞれの加工工具とともにそれぞれの進退移動軸線に沿って個別に進退移動させて、各加工工具をそれぞれの進退設定位置に位置決めするようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載されたばね成形装置。
  6. 前記各工具作動機構の少なくとも1個は、前記線材を折曲、巻回または切断加工する2個以上の加工工具を旋回移動可能かつ進退移動可能に担持する滑動体であるように構成された工具作動機構であって、
    この滑動体と一体的に係着された旋回工具保持体と、この旋回工具保持体にクイル軸線と平行な旋回軸線を中心にして旋回移動可能に枢支されて前記2個以上の加工工具を着脱可能な旋回工具台と、前記旋回工具保持体に取着されて前記旋回工具台を旋回させる旋回駆動アクチュエータとを備え、前記制御手段は、前記旋回駆動アクチュエータを回動位置決め制御可能であるようにして、
    前記旋回駆動アクチュエータによって前記旋回工具台を旋回させることで、前記2個以上の加工工具のうちの当該加工工具を前記線材と衝合または係合可能な工具旋回設定位置に位置決めするようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載されたばね成形装置。
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