JP3640373B2 - 基板載置台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用基板、光ディスクまたは光磁気ディスク用基板などの各種の基板を載置するための基板載置台に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハなどの基板の表面を化学的機械的に研磨するCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理の後には、基板の表面にスラリー(研磨剤)が存在しているので、基板の洗浄が必須である。CMP処理装置と基板洗浄装置とは、一般に、それぞれ独立した装置であり、CMP処理後の基板を、従来は、たとえばカセットに1枚ないしは複数枚収容し、このカセット単位で基板洗浄装置に投入するようにしている。
【0003】
しかし、スラリーが乾燥してしまうと、その洗浄除去が困難になることから、CMP処理後の基板は、より速やかに基板洗浄処理に投入されなければならない。そこで、最近では、カセットを介さずに、CMP処理装置と基板洗浄装置とを枚葉インライン接続することが提案されている。
すなわち、CMP処理装置の基板払い出し口と基板洗浄装置の基板投入口との間に、搬送ロボットを配置し、基板洗浄装置の基板投入口には、基板受け渡しのための基板載置台を配置する。この構成により、CMP処理後の基板は、搬送ロボットによって、速やかに基板載置台に載置される。この基板載置台に載置された基板は、基板洗浄装置内の別の搬送ロボットによって、基板洗浄ユニットへと搬入されることになる。基板載置台の上方には、必要に応じて、純水シャワーノズルが配置され、基板表面の乾燥の防止が図られる。
【0004】
CMP処理装置側の搬送ロボットの基板保持部は、搬送終点位置ではたとえば真空吸着を解除するなど、基板を少なくとも水平方向に拘束しているものではない。
基板載置台は、基板の下面の周縁を支持する基板支持部と、この基板支持部の水平面内の所定位置に基板を落とし込むテーパー面を有する基板落とし込み部とを備えている。これにより、CMP処理装置側の搬送ロボットの搬送位置に多少のずれが生じていても、基板下降時にテーパーに沿って基板がスライドすることで、基板を水平面内の所定位置で基板支持部に落とし込んで、所定の高さで水平に保持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CMP処理装置側の搬送ロボットに故障や経時変化が生じたり、CMP処理装置から基板を取り出す際の基板保持位置に大きなずれが生じていたりして、搬送位置に大きなずれが生じる事態となれば、テーパー面の外側に基板の周縁部が引っかかり、基板を基板支持部に落とし込むことができなくなる。この場合には、基板洗浄ユニット側の搬送ロボットは、基板を受け取ることができなくなり、基板が破損したり、搬送ロボットのハンドが破損したりするおそれがある。
【0006】
この問題は、基板載置台に関連して、基板を正規の位置にセンタリングするための可動式のセンタリング機構を設けることにより解決されるであろうが、これでは、構成が複雑になり、コスト高となることは避けられない。しかも、このようなセンタリング機構を採用すれば、CMP処理装置側の搬送ロボットの異常の発見が遅れるから、不具合箇所の症状を進行させてしまい、復旧のための修理が大がかりになってしまうおそれがある。さらには、センタリング機構の基板接触部の摩耗が不可避であるから、メンテナンス費用や交換部品費用などを含むランニングコストが増大するおそれがある。また、基板接触部が摩耗した状態で使用し続ければ、この基板接触部に基板の端縁が引っかかったりして、これが、搬送不良の原因ともなりかねない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、基板が正規の位置に保持されていない場合に、このことを確実に検出できる構成を有し、これにより、上述の技術的課題を解決した基板載置台を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板の下面に接触して基板をほぼ水平な姿勢に支持するための基板支持部材と、前記基板支持部材よりも上方に設けられ、前記基板支持部材に向けて基板を落とし込むテーパー面を有する基板落とし込み部材と、前記テーパー面を横切るほぼ水平な平面内で光軸が互いに交わるように配置され複数のビームセンサとを含み、前記基板落とし込み部材のテーパー面は、支持すべき基板の周に関して、複数個の部分に分割されており、各分割部分には、前記ビームセンサの投光部および受光部のうちの少なくとも一方が設けられていることを特徴とする基板載置台である。
【0009】
なお、ビームセンサとは、投光部から受光部に向けてビーム光を発生し、受光部における受光光量の大小に応じて、投光部と受光部との間の遮光物の有無を検出するセンサである。
また、「光軸が互いに交わる」とは、光軸が文字通り交わっている場合の他、2つの光軸の最近接位置間の距離が極めて短い場合(たとえば、基板の厚さ程度)を含むものとする。
【0010】
この構成によれば、基板支持部材よりも上方におけるほぼ水平な面内で光軸が互いに交わるように複数のビームセンサが配置されている。これにより、基板がテーパー面によって基板支持部材の位置まで落とし込まれなかった場合には、いずれかのビームセンサの光軸を基板が遮光することになる。これにより、基板が正規の位置(基板支持部材にまで落とし込まれた位置)に保持されていないことを検出できる。基板が基板支持部材に落とし込まれていれば、このような基板は、ビームセンサの光軸よりも下方でほぼ水平な姿勢に保持されるから、いずれのビームセンサの光軸も遮られることがない。
しかも、この発明では、基板は全周にわたってテーパー面により案内されるのではなく、分割された複数のテーパー面によって、基板支持部材へと案内される。この場合に、基板の周縁が引っかかるとすれば、いずれかのテーパー面の分割部分で引っかかるはずであるから、テーパー面の各分割部分にビームセンサの投光部または受光部を配置することによって、基板支持部材に落とし込まれなかった基板を確実に検出することができる。
【0011】
したがって、一例として、CMP処理装置側の搬送ロボット(基板搬入側の基板搬送機構)の基板置き去り動作終了時点で、いずれかのビームセンサの光軸が遮光された場合には、たとえば、基板載置台にアクセスして基板の搬送を行う基板洗浄装置側の基板搬送機構(基板搬出側の基板搬送機構)の動作を停止し、必要に応じて、基板載置台において異常が生じたことを報知するようにすればよい。これにより、基板の搬送不良または搬送ロボットのハンドの破損を未然に防止できる。また、CMP処理装置側の搬送ロボットの異常を速やかに発見できる。
【0012】
以下、基板載置不良の判別は、CMP処理装置側の搬送ロボット(すなわち、基板を搬入する基板搬送機構)の基板置き去り動作終了時点で行うものとする。
また、ビームセンサを採用していることにより、基板に対して非接触で基板位置の異常を検知できるから、部品の摩耗などが生じることがなく、ランニングコストが高くつくことがない。むろん、センタリング機構のような複雑な構成も不要である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記複数のビームセンサは、平面視において、前記基板支持部材に支持された基板の内方に対応する領域内でそれぞれの光軸が交わるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板載置台である。
この構成では、ビームセンサの光軸が基板支持部材に支持された基板の内方に対応する領域内で交差しているので、いずれの方向に基板が傾斜した場合でも、この基板の検出を確実に行える。
【0014】
この場合に、たとえば、少なくとも一対のビームセンサの光軸は、基板支持部材に支持された状態の基板の重心(円形の基板であれば、その中心)を内方に有する90度以下の角度で交差していることが好ましい。
請求項3記載の発明は、前記複数のビームセンサは、前記テーパー面の上端付近を横切るほぼ水平な平面内に光軸が配置されるように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基板載置台である。
【0015】
この構成によれば、テーパー面の上端付近に光軸が配置されているので、テーパー面による基板端面の案内によって基板支持部材に落とし込むことができなかった基板を確実に検出できる
【0017】
なお、ビームセンサの投光部を、発光部と、この発光部から受光部に向かって出射される光を通過させる開口を有するケースとで構成するようにし、このケース内に気体供給手段から気体(たとえば、クリーンエアまたは不活性ガス)を供給して、ケース内から前記開口を通って外部に吹き出す気流を生じさせるようにすることが好ましい。同様に、ビームセンサの受光部を、光検出部と、前記投光部から前記光検出部に向かう入射光を通過させる開口が形成されたケースとで構成することとし、このケース内に気体供給手段から気体を供給して、ケース内から前記開口を通って外部に吹き出す気流を生じさせるようにすることが好ましい。
【0018】
これにより、発光部または光検出部に液滴が付着することがないので、湿潤な雰囲気中で用いられる基板載置台(たとえば、CMP処理後の基板が載置される基板載置台)に対しても、この発明を適用できる。
なお、CMP処理後の基板を載置する用途に本発明の基板載置台を用いる場合には、前記ケースは、金属を含有しない樹脂材料で構成されていることが好ましい。これにより、金属汚染を防止できる。この場合に、ケース内に収容される発光部または光検出部の構成材料が金属を含有していたとしても、これらは外部の雰囲気による影響を受けないので、その構成材料中の金属が溶出したりするおそれはない。よって、発光部または光検出部には、市販の汎用の発光部または光検出部を使用できる。
【0019】
また、本発明の基板載置台が薬液雰囲気中で用いられる場合には、前記ケースは、耐薬品性材料で構成されていることが好ましい。この場合に、発光部や光検出部は耐薬品性のケース内に収容されており、かつ、開口からは外向きの気流が吹き出しているので、開口からの薬液の侵入もない。そのため、発光部(発光素子など)および光検出部(受光素子など)には、薬液対策のされていない市販の汎用のものを用いても何ら問題がなく、発光部または受光部が故障したり、これらの構成材料が溶出したりするおそれはない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板載置台が適用される基板処理装置の平面レイアウトを簡略化して示す図解図である。この基板処理装置は、半導体ウエハなどの基板にCMP処理を施すCMP処理装置11と、このCMP処理装置11による処理後の基板を洗浄するための基板洗浄装置12とをインライン接続して構成されている。すなわち、CMP処理装置11の基板払い出し口と基板洗浄装置12の基板投入口との間には、第1の搬送ロボット20(基板搬送機構)が配置されている。
【0021】
基板洗浄装置12は、基板投入口に隣接して、第1の搬送ロボット20から搬入される基板を載置しておくための基板載置台50と、基板を洗浄するための基板洗浄ユニット30と、基板載置台50から基板を受け取って基板洗浄ユニット30に搬入するための第2の搬送ロボット40(基板搬送機構)とを備えている。
第1および第2の搬送ロボット20,40は、基板の裏面のほぼ中央を吸着するための吸着部21a,41aを先端に有するハンド21,41と、このハンド21,41の基端部に結合されたベース部22,42とを備えている。そして、ベース部22,42の回動とともに、その回動方向とは反対方向に2倍の角度だけハンド21,41が回動するようになっている。
【0022】
これにより、第1の搬送ロボット20は、CMP処理装置11および基板載置台50に向かってハンド21およびベース部22を屈伸させることができ、第2の搬送ロボット40は、基板載置台50および基板洗浄ユニット30に向かって、ハンド41およびベース部42を屈伸させることができる。
このような屈伸運動とともに、ベース部22,42は昇降運動をすることができるようになっている。これにより、第1の搬送ロボット20は、CMP処理装置11から1枚の基板を取り出して、基板載置台50に受け渡すことができる。また、第2の搬送ロボット40は、基板載置台50から1枚の基板を取り出して、基板洗浄ユニット30に受け渡すことができる。
【0023】
基板洗浄ユニット30は、たとえば、基板を保持して回転させる基板保持機構と、この基板保持機構に保持された基板に対して処理液(薬液または純水)を供給する処理液供給機構と、基板保持機構に保持された基板の表面または裏面をスクラブするスクラブ部材とを備えている。
図2は、基板載置台50の構成を説明するための斜視図であり、図3は、その断面図である。基板載置台50は、第1の搬送ロボット20のハンド21および第2の搬送ロボット40のハンド41により、平面視においてほぼ直交する方向からのアクセスを受ける。少なくともこれらのハンド21,41の可動空間領域を避けた位置には、基板Wを保持するための3つの基板保持ブロック51,52,53が、ほぼ円形の基板Wの周方向に沿って間隔を開けて配置されている。これらの基板保持ブロック51,52,53は、基台55上に適当なボルトなどを用いて固定されている。基板保持ブロック51,52,53に保持された状態の基板Wの乾燥を防止するために、基板Wの表面に向けて純水を供給する純水シャワーノズル57(液体供給機構)が設けられている。
【0024】
基板保持ブロック51,52,53は、基板Wの下面の周縁部を支持するための水平な基板支持部S(基板支持部材)と、この基板支持部Sから垂直に立ち上がり、基板Wの端面を規制するための立ち上がり部Uと、この立ち上がり部Uから基板Wの半径方向外方に向かって斜めに立ち上がったテーパー面Taを有する基板落とし込み部T(基板落とし込み部材)と、テーパー面Taの上端縁に水平に連なる上面Hとを有している。立ち上がり部Uは、基板Wの半径よりも若干大きな曲率半径の円筒面をなしており、テーパー面Taは、その円筒面に連なるすり鉢状の曲面をなしている。この構成により、第1の搬送ロボット40が基板載置台50に基板Wを受け渡すときに多少の位置ずれが生じていても、基板Wの端面をテーパー面Taに沿って立ち上がり部Uにまで案内し、基板支持部Sに落とし込んで正規の基板保持位置に導くことができる。なお、基板保持ブロック51,52,53の各テーパー面Taは、全周にわたって連続したテーパー面を基板Wの周方向に関して複数個に分割した場合の各分割部分と見なすことができる。
【0025】
基板支持部Sに落とし込まれて正規の基板保持位置にある基板Wは、ほぼ水平な姿勢となる。基板支持部Sの高さは、その基板支持面(基板Wの下面を支持する面)が、正規の基板保持位置にある基板Wの下面と基台55との間に、ハンド21,42が進入することができる間隔を確保する高さに位置するように定められている。
3つの基板保持ブロック51,52,53のうちの1つの基板保持ブロック51は、他の2つよりも基板Wの周縁に沿う長さが長く形成されている。この基板保持ブロック51には、ビームセンサ80の投光部81およびビームセンサ90の投光部91が、それぞれ基板Wの周方向に関する両端付近に設けられている。また、基板保持ブロック52には、投光部81からのビーム光を受光する受光部82が設けられており、基板保持ブロック53には、投光部91からのビーム光を受光する受光部92が設けられている。
【0026】
投光部81および受光部82からなるビームセンサ80の光軸L1は、基板保持ブロック51,52の各テーパー面Taを各上端付近で横切る水平面に沿っており、各基板保持ブロック51,52の各基板落とし込み部Tには、光軸L1の通過位置に、切り欠き51a,52aが形成されている。同様に、投光部91および受光部92からなるビームセンサ90の光軸L2は、基板保持ブロック51,53の各テーパー面Taを各上端付近で横切る水平面に沿っており、各基板保持ブロック51,53の各基板落とし込み部Tには、光軸L2の通過位置に、切り欠き51b,53bが形成されている。
【0027】
光軸L1,L2は、共通の水平面内において交わっている。より詳しくは、図4に示されているように、光軸L1,L2は、平面視において、正規の位置にある基板Wの内方の領域において交差していて、これらの光軸L1,L2がなす90度以下の角αの内方に、基板Wの中心Oが位置するようになっている。
図3(a)に示す場合のように、基板Wが基板保持ブロック51,52,53の基板支持部Sに落とし込まれれば、基板Wと光軸L1,L2とはほぼ平行になり、光軸L1,L2が遮光されることはない。
【0028】
これに対して、第1の搬送ロボット20が基板載置台50に基板Wを載置したときの位置が、基板保持ブロック51,52,53のいずれかの上面Hにその周縁部が掛かるほど大きくずれている場合には、基板Wの端面をテーパー面Taで案内させることができなくなり、基板支持部Sへの基板Wの落とし込みができなくなる。この場合には、基板Wは、図3(b)に示すように、その周縁部がいずれかの基板保持ブロック51,52,53の上面Hに乗り上げた傾斜姿勢となり、少なくとも光軸L1,L2のうちの一方を遮光する。
【0029】
したがって、光軸L1,L2の少なくとも一方が遮光されるか否かにより、基板載置台50における基板Wの保持に不良が生じているか否かを検出できる。
ビームセンサ80,90の投光部81,91および受光部82,92は、センサアンプ83,93に光ファイバ84,85;94,95を介して結合されている。センサアンプ83,93は、投光部81,91に結合された光ファイバ84,94の端部に光学的に結合された発光素子(図示せず)と、受光部82,92に結合された光ファイバ85,95に光学的に結合された受光素子(図示せず)とを備えている。
【0030】
基板Wの検出を行うときには、制御装置60によって、各発光素子が発光させられるとともに、各受光素子の出力信号が監視される。いずれかの受光素子の受光光量が減少してその出力信号が小さくなれば、光軸L1,L2のいずれかが基板Wにより遮光されたことを意味する。いずれかの光軸L1,L2が遮光されたことが検出されると、制御装置60は、第2の搬送ロボット40の動作を停止させるとともに、表示装置(図示せず)に基板Wの載置不良が生じたことを表す警報表示を行わせる。この後は、作業者による復旧作業を待つことになる。このようにして、基板Wや第2の搬送ロボット40のハンド41の破損などが生じることを防止できる。
【0031】
投光部81,91および受光部82,92には、さらに、エアポンプ90(気体供給手段)から、エア供給パイプ87,88,97,98を介して、クリーンエア(または、窒素ガスなどの不活性ガスでもよい。)が供給されている。
図5(a)および(b)は、それぞれ、投光部81,91および受光部82,92の共通の内部構造を示す斜視図および断面図である。投光部81,91および受光部82,92は、円柱状の外ケース100を備えている。外ケース100には、下方からエア供給パイプ87,88,97,98が挿入される気体流通路101と、同じく下方から光ファイバ84,85,94,95が挿入されるファイバ挿入孔102とが形成されている。
【0032】
光ファイバ84,85,94,95の先端には、発光部(投光部81,91の場合)または光検出部(受光部82,92の場合)としての光学部品103が取り付けられている。光学部品103は、たとえば、ステンレス製の円筒状の内ケース104と、この内ケース104内に収容され、光ファイバ84,85,94,95に対する光の入出射のためのレンズ105と、光の進行方向を変更するための反射鏡106とを有している。内ケース104には、反射鏡106の近傍の位置に、光の入出射のための開口107が形成されている。
【0033】
一方、外ケース100の側壁には、開口110が形成されている。光学部品103の内ケース104は、開口107を開口110に対向させた状態で外ケース100に取り付けられている。そして、外ケース100内の気体流通路101は、開口110に連通している。
この構成により、エア供給パイプ87,88,97,98から外ケース100内にクリーンエアが供給されることによって、気体流通路101を通って開口110から吹き出すクリーンエアの気流が発生する。したがって、純水シャワーノズル57(図1参照)からの純水が供給されている近傍の湿潤な雰囲気中でも、水滴やミストが光学部品103に達することはない。
【0034】
したがって、光学部品103は、開口110からの入射光を光ファイバ84に良好に導くことができ、また、光ファイバ85からの出射光を開口110に良好に導くことができる。光学部品103のいずれの箇所にも水滴が付着することがないので、光軸がずれたり、光の不所望な拡散が生じたりするおそれはなく、投光部81,91から発生した光は、基板Wに遮られない限り、確実に受光部82,92に入射する。したがって、受光部82,92では、光軸L1,L2を遮る基板Wの有無に応じて、十分な受光光量の差を確保できる。
【0035】
なお、雰囲気にさらされることになる外ケース100は、金属を含まない樹脂材料(たとえば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)や四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)など)からなっていることが好ましい。これにより、CMP処理後の基板Wに対して、金属物質が付着することを防止できる。外ケース100内には水滴などが侵入することはないので、外ケース100内に収容されている内ケース104は、金属物質を含む材料で構成されていても問題はない。
【0036】
以上のようにこの実施形態によれば、基板載置台50における基板Wの載置不良が、ビームセンサ80,90によって非接触状態で検出される。これにより、基板Wや搬送ロボット20,40の破損を未然に防止でき、また、構成も簡単であり、部品の摩耗等が生じることもないので、初期コストおよびランニングコストをいずれも低減できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。たとえば、上述の実施形態では、3つの基板保持ブロック51,52,53により基板Wを保持する構成を採用しているが、4つ以上の基板保持ブロックで基板Wを保持するようにしてもよい。また、基板Wを安定に保持できる限りにおいて、2つの基板保持ブロックによって基板Wを保持することもできる。いずれの場合にも、基板Wを受け渡しするハンドの通過経路を確保するために、基板落とし込み部Tおよび基板支持部Sは、少なくともハンドの可動空間領域を避けて配置することが好ましい。
【0037】
また、上述の実施形態では、基板載置台50は、平面視においてほぼ直交する2方向からのアクセスを受ける構成となっているが、直角以外の任意の角度をなす2方向(たとえば、180度異なる方向)からのアクセスを受ける構成とすることもでき、また、1方向または3方向以上からのアクセスを受ける構成とすることもできる。
また、上述の実施形態では、基板落とし込み部Tおよび基板支持部Sなどを基板保持ブロック51,52,53に一体に形成しているが、これらは別部材で構成されていてもよい。
【0038】
さらに、上述の実施形態では、2つのビームセンサ80,90が用いられているが、3つ以上のビームセンサを用いるようにしてもよい。たとえば、3つのビームセンサを用いる場合、そのうちの2つのビームセンサの光軸は、平面視における基板Wの内方の領域において交わっていることが好ましいが、3つのビームセンサの光軸は、必ずしも、これらと交わっている必要はない。むろん、基板Wの内方の領域において、他の2つのビームセンサの両方または一方の光軸と交わるように3つ目のビームセンサの光軸を配置することが好ましい。
【0039】
また、上述のような構成の基板載置台50は、薬液雰囲気中において基板Wを一時的に載置する用途にも使用することができる。ただし、この場合には、ビームセンサ80,90の投光部81,91および受光部82,92の各外ケース100は、耐薬品性の材料(たとえば、PTFEまたはPFAなど)で構成することが好ましい。この場合、外ケース100の内部に収容される各構成部品は、その開口110からのクリーンエアの吹き出しにより、薬液雰囲気にさらされることがないので、とくに耐薬品性の材料で構成されている必要はない。
【0040】
また、上述の実施形態では、投光部および受光部は、別の場所に設けたセンサアンプ83,93内の発光素子および受光素子と光ファイバを介して結合されているが、投光部または受光部に発光素子または受光素子を配置する構成としてもよい。この場合に、発光素子または受光素子には、金属材料を含有していないものや薬液対策がされたものなどを特に用意する必要はなく、市販の汎用のものを用いることができる。
【0041】
また、上述の実施形態では、反射鏡106を用いて光ファイバ84,85,94,95に入出射する光の光路を直角に曲げているが、光ファイバ84,85の端面を外ケース100に対向させるようにすれば、反射鏡106による光路の偏向は不要である。この場合、外ケース100の形状は、必要に応じて変更すればよい。
さらに、上述の実施形態では、ほぼ円形の基板である半導体ウエハに対する処理を行う場合について説明したが、この発明は、液晶表示装置用ガラス基板などにおいて一般的な角形基板やその他の任意の形状の基板を処理する場合にも適用することが可能である。
【0042】
これらの変形のほかにも、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板載置台が適用される基板処理装置の平面レイアウトを簡略化して示す図解図である。
【図2】基板載置台の構成を説明するための斜視図である。
【図3】基板載置台の断面図である。
【図4】2つのビームセンサの光軸の交差状態を説明するための図解的な平面図である。
【図5】ビームセンサの投光部および受光部の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
11 CMP処理装置
12 基板洗浄装置
20 第1の搬送ロボット
21 ハンド
30 基板洗浄ユニット
40 第2の搬送ロボット
41 ハンド
50 基板載置台
51 基板保持ブロック
52 基板保持ブロック
53 基板保持ブロック
57 純水シャワーノズル
60 制御装置
80 ビームセンサ
81 投光部
82 受光部
83 センサアンプ
84 光ファイバ
85 光ファイバ
87 エア供給パイプ
88 エア供給パイプ
90 エアポンプ
90 ビームセンサ
91 投光部
92 受光部
93 センサアンプ
94 光ファイバ
95 光ファイバ
100 外ケース
97 エア供給パイプ
98 エア供給パイプ
101 気体流通路
102 ファイバ挿入孔
103 光学部品
110 開口
S 基板支持部
T 落とし込み部
Ta テーパー面
U 立ち上がり部
W 基板

Claims (3)

  1. 基板の下面に接触して基板をほぼ水平な姿勢に支持するための基板支持部材と、
    前記基板支持部材よりも上方に設けられ、前記基板支持部材に向けて基板を落とし込むテーパー面を有する基板落とし込み部材と、
    前記テーパー面を横切るほぼ水平な平面内で光軸が互いに交わるように配置された複数のビームセンサとを含み、
    前記基板落とし込み部材のテーパー面は、支持すべき基板の周に関して、複数個の部分に分割されており、各分割部分には、前記ビームセンサの投光部および受光部のうちの少なくとも一方が設けられていることを特徴とする基板載置台。
  2. 前記複数のビームセンサは、平面視において、前記基板支持部材に支持された基板の内方に対応する領域内でそれぞれの光軸が交わるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板載置台。
  3. 前記複数のビームセンサは、前記テーパー面の上端付近を横切るほぼ水平な平面内に光軸が配置されるように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基板載置台。
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