JP3639312B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、超音波プローブが超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波プローブが超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波診断装置は、従来より種々提案されている。このような従来例を、図13を参照して説明する。
プローブ部111の先端部には振動子100が設けられていて、この振動子100は、被検体に超音波を出射するとともに、該被検体からの反射エコーを受信するものである。前記プローブ部111にはさらに、この振動子100に接続される同軸ケーブル101と、この同軸ケーブル101の外周を被覆するフレキシブルシャフト102が設けられている。前記同軸ケーブル101は、駆動部103に内設されているリミッタ回路104を介して、該駆動部103内の増幅器105に接続されている。そしてこの増幅器105は、スリップリング106を介して観測装置110へ接続されている。
【0003】
また、前記同軸ケーブル101は、前記リミッタ回路104に接続されているとともに、前記スリップリング106を介してパルサー109に接続され、さらにこのパルサー109を介して観測装置110に接続されている。そして、この観測装置は、モータ107,エンコーダ108と接続されている。
【0004】
そして、観測装置110に接続される挿着部(つまり符号100ないし符号109で示される部分)は、該観測装置110に対してフローティングされていて、体内に挿入しても患者が安全であるように構成されている。
なお、前記プローブ部111は、電子内視鏡などの鉗子口に挿通可能な外径となっている。
【0005】
前述のような構成において、超音波診断装置を電子内視鏡等の外部機器と組合せて使用する場合、電位が不安定であるプローブ部111は、外乱としてのノイズが乗りやすい状態にあった。
【0006】
例えば、同軸ケーブル101の信号ラインにノイズが重畳した場合、図14(A)に示すように、信号源をVSとし、またノイズをVNとすれば、インピーダンスZ1の負荷の両端には、図14(B)に示すような電圧が現れる。(ノーマルモードノイズ)
また、グランドがフローティングされている場合は、図15(A)に示すように、グランドに対しインピーダンスZ1を有しているのと等価であり、VNというノイズが乗ると、点aおよび点bに現れる信号は、グランドに対して図15(B)に示すようになり、点aにおける信号はグランドに対してノイズ成分が重畳されることになる(コモンモードノイズ)。
このような構成において、例えばグランドがフローティングされなければZ1の値はほぼ0Vとなり、コモンモードのノイズは無視できるレベルとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、患者に対して安全を確保するために、超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブを有する従来の超音波診断装置は、患者グランドがフローティングされているため、ノイズ、特にコモンモードノイズに対して非常に弱いという問題点を有している。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブを有する超音波診断装置において、ノイズに対する影響が少ない超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、 本発明による超音波診断装置は、超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段とを具備したことを特徴とする。
また、本発明による超音波診断装置は、超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、 この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、前記駆動部から前記超音波観測装置までの信号経路の間に設けられ前記振動子よりの信号に対して所定の周波数特性のフィルタ機能を呈するフィルタ手段とを具備したことを特徴とする。
更に、本発明による超音波診断装置は、超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、 この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、前記駆動部に連接し、信号線を内装しこの信号線を介して前記駆動部に対して信号の中継伝達を行う蛇管部と、前記駆動部と前記蛇管手段との接続部から該蛇管手段を経由する経路のうち少なくとも前記駆動部と前記蛇管手段との接続部近傍に設けられ、前記信号線の少なくとも一部を内部に挿通し電磁誘導によりノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と を具備したことを特徴とする。
また更に、本発明による超音波診断装置は、超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、前記駆動部に連接し、信号線を内装しこの信号線を介して前記駆動部に対して信号の中継伝達を行う蛇管部と、前記駆動部と前記蛇管手段との接続部から該蛇管手段を経由する経路のうち少なくとも前記駆動部と前記蛇管手段との接続部近傍に設けられ、前記信号線の少なくとも一部を内部に挿通し電磁誘導によりノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、前記蛇管手段から前記超音波観測装置に至る信号経路の間に設けられ前記振動子よりの信号に対して所定の周波数特性のフィルタ機能を呈するフィルタ手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
【作用】
振動子により受信した信号を超音波観測装置に伝送する際に、該超音波信号導出手段の接続部近傍に設けられ、少なくとも前記信号の経路を内部に挿通し電磁誘導によりノイズの除去を行うノイズ除去手段によりノイズを取り除く。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図6は本発明の第1実施例に係り、図1は超音波診断装置を示す一部断面を含む回路図、図2はプローブの立体的構成と電気的接続を示す回路図、図3はプローブの回路図、図4は駆動部を示す回路図、図5はパルスユニットを示す回路図、図6はUSコードを示す回路図である。
【0012】
この第1実施例の超音波診断装置は、その先端側より、プローブ2、駆動部3、蛇管4、パルスユニット5、USコード6、超音波観測装置7でその主要部を構成されている。
【0013】
前記プローブ2は、その先端側に超音波を送受信する振動子11を内設し、この振動子11をホールドし回転するフレキシブルシャフト12と、このフレキシブルシャフト12の外筒に電気的に接続されていて回転しないブレード13と、前記振動子11の裏電極に芯線を、表電極にシールド線の内側のラインをそれぞれ接続していて、前記フレキシブルシャフト12の内筒に挿通されている2重シールド線14とを有している。
【0014】
前記駆動部3には、スリップリング16とアンプ18が内設され、シールド17により被覆されている。すなわち、前記2重シールド線14の芯線の他端は、スリップリング16の一チャンネルに接続され、シールド線の内側のラインおよび外側のラインは一体にして該スリップリング16の他チャンネルに接続されている。そして、前記スリップリング16の一チャンネルは、アンプ18の信号ラインに接続され、また、他チャンネルはアンプ18のグランドおよび前記シールド17に接続されている。
また、図示はしないが、前記駆動部3にはモータが内設されていて、プローブ2のフレキシブルシャフト12および2重シールド線14および振動子11を回転させている。
【0015】
前記蛇管4は、同軸ケーブル21がブレード20により被覆されて構成されている。すなわち、前記アンプ18の出力は同軸ケーブル21の芯線に接続され、アンプ18のグランドは該同軸ケーブル21のシールド線に接続されている。また、前記シールド17と、同軸ケーブル21の外側を被覆しているブレード20とは電気的に接続されている。
【0016】
前記パルスユニット5は、フィルター22とコモンモードチョーク23と接続線29を有している。すなわち、前記同軸ケーブル21の芯線はフィルター22の入力側に接続され、該同軸ケーブル21のシールド線はフィルター22のグランドに接続される。また、前記フィルター22の出力線とグランドは、コモンモードチョーク23に接続されている。そして、前記ブレード20は接続線29を介して後述するUSコード6のブレード25と電気的に接続されている。また、図示はしていないが、前記パルスユニット5の内部には、振動子11を駆動するパルサーが設けられている。
【0017】
前記USコード6は、同軸ケーブル26をブレード25で被覆し、さらに外部の前記パルスユニット5側にフェライトコア24を有してなっている。すなわち、前記コモンモードチョーク23の出力は、同軸ケーブル26の芯線とシールドに接続され、超音波観測装置7内の後述する絶縁トランス27へと導かれるようになっている。また、前述のごとく、ブレード25は前記接続線29を介して蛇管4のブレード20と接続されている。
【0018】
前記超音波観測装置7は、絶縁トランス27と負荷28を有している。すなわち、前記同軸ケーブル25により伝送してきた信号を、絶縁トランス27を介して2次側に伝送し、負荷28で表される信号処理装置により信号処理して、図示しないモニタ等により超音波像を観察するようになっている。
【0019】
なお、前記構成のプローブ2と駆動部3の接続部にフェライトコア15を、蛇管4と駆動部3の接続部にフェライトコア19を、USコード6とパルスユニット5の接続部にフェライトコア24を、それぞれ最外層にクランプしている。
【0020】
次に、前述のプローブ2の詳細を、図2,図3を参照して説明する。
図中、符号VSは振動子11より受信した信号の電圧、符号ISはこの信号の電流、符号ZSはこの信号VSが通過する部分のインピーダンス、符号VNは電光源等の同時に使用する機器から飛び込んだ外乱のノイズ電圧、符号INはこのノイズの電流、符号ZNはこのノイズが通過する部分のインピーダンス、符号Z0は観測機器側のインピーダンス、符号Z1はフローティングされているプローブ2がグランドに対して有しているのと等価なインピーダンス、をそれぞれ示したものである。
【0021】
図2に示すように、2重シールド14の芯線とシールド内層は誘導的に結合されていて、信号電流ISはこの芯線およびシールド内層を流れる。また、外乱のノイズ電流INは、ブレード13,フレキシブルシャフト12,2重シールド14の外層の導体を伝わって流れる。
【0022】
図3に示すように、外乱ノイズの大きさは、前記ブレード13,フレキシブルシャフト12,2重シールド14の導体インピーダンスZNに依存している。例えば、該インピーダンスZNが小さくなれば、Z1+ZNの合成インピーダンスは小さくなり、ノイズ電圧VNが結合される導体の電位が下がり、該ノイズ電圧VNが小さくなる。よってノイズ電圧VNが小さくなればノイズ電流INも小さくなり、コモンモードのノイズとなる(Z1×IN)の電圧も小さくなる。このように導体インピーダンスZNを下げるために、ブレード13,2重シールド14をプローブ2に付加している。
【0023】
次に、ノーマルモードのノイズを考えると、前記ブレード13,フレキシブルシャフト12,2重シールド14の容量結合によって外乱が芯線に伝搬し、1ノーマルモードのノイズとなる。しかし、ブレード13,フレキシブルシャフト12,2重シールド14の外層および内層と、芯線のまわりに4層に導体を配設することで該芯線との結合は小さくなり、ノーマルモードノイズはほとんど無視できる。つまり、芯線のまわりを多層化して低インピーダンスにすることで、ノーマルモードのノイズを小さくすることができる。
【0024】
次に、前記インピーダンスZNをできるだけ小さくしてもノイズ電流INは必ず流れ、コモンモードノイズを大幅に減少することはできない。そこで、プローブ2の手元側の最終段にフェライトコア15を付加して、ノイズ電流INを大幅に減少させている。
【0025】
以上まとめると、
1.インピーダンスZNを小さくすることでノイズ電流INをできるだけ小さくし、コモンモードノイズを減少する。
2.インピーダンスZNを小さくすることで芯線への結合をなくし、ノーマルモードノイズを無視できるレベルにする。
3.プローブ最終段にフェライトコアを設けてノイズ電流INを吸収し、コモンモードノイズをさらに削減する。
により、各ノイズを減少するよう構成している。
【0026】
次に、図4を参照して、前記駆動部3,蛇管4の詳細を説明する。
前述のように、プローブ2で外乱を十分に小さくした信号は、スリップリング16を介した後、アンプ18で増幅される。しかしながら、アンプ18では信号グランドはシールド17と接続され、シールド17は蛇管のブレード20と接続されているため、蛇管4より外乱が混入した場合、信号グランドにノイズが乗り、増幅の基準となるリファレンスが振られてしまう。リファレンスが振られるということはすなわち、信号ラインにノイズが重畳されて増幅され、ノーマルモードノイズとなって出力に現れるということである。よって、ブレード20に乗ったコモンモードノイズがシールド17に伝搬すると、ノイズを増幅してしまい外乱に対して非常に弱くなることになる。
【0027】
そこでコモンモードノイズがブレード20からシールド17へ伝搬することがないように、駆動部3と蛇管4の接続部にフェライトコア19を外挿し、これにより、蛇管4のブレード20で発生するコモンモードノイズが駆動部のシールド17へと伝搬するのを防いでいる。なお、該駆動部3自体の体積は非常に小さいため、外乱による駆動部3への影響は無視できるものである。
【0028】
以上をまとめると、蛇管4のブレード20からコモンモードノイズが駆動部3へ伝搬するのを阻止している。そして、前述のようにブレード14から駆動部3にノイズが伝搬するのも防がれているため、これらによりアンプ18でノイズを増幅することを極力防止している。
【0029】
次に、図5を参照して、パルスユニット5の詳細を説明する。
前記駆動部3でコモンモードノイズを極力排除するようにしたとしても、多少はシールド17に伝搬されてアンプ18を介してノーマルモードノイズとして同軸ケーブル21を流れる。そこでパルスユニット5には、信号と増幅されたコモンモードノイズとが重畳して、ノーマルモードノイズとして伝搬される。また、図示しない蛇管4からのコモンモードノイズも伝搬されるが、このコモンモードノイズは、前記アンプ18によって増幅されたノーマルモードノイズに比べて格段にレベルは小さい。
【0030】
前述のようなノイズ混入に鑑みて、フィルター22でノイズ帯域を分離し、ノーマルモードノイズを排除するようにしている。さらに同時に、コモンモードチョーク23により蛇管4から伝搬されたコモンモードノイズを排除している。
【0031】
以上まとめて、
1.増幅されたノーマルモードノイズをフィルタ22で分離する。
2.蛇管4からのコモンモードノイズを、コモンモードチョーク23で排除する。
としてノイズを除去している。
【0032】
次に、図6を参照して、前記USコード6の詳細を説明する。
USコード6は、前述のように、外皮が導体のブレード25で構成されており、その内部には図示しない制御線,電源ラインおよび同軸ケーブル26が挿通されている。この同軸ケーブル26は、前記パルスユニット5でノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズを排除した信号を伝送するものである。
【0033】
このような同軸ケーブル26は、他のケーブルと密接して超音波観測装置に接続されている。そのため同軸ケーブル26と他のケーブルとは線間容量で結合され、外乱ノイズが再度伝搬されてしまう。
【0034】
そこでUSコード6の前記パルスユニット5側にフェライトコア24を外挿することで他のケーブルのコモンモードノイズを排除し、同軸ケーブル26と他のケーブルが容量的に結合したとしても、同軸ケーブル26にノイズが重畳されないように構成した。そして同軸ケーブル26で伝送された信号は、絶縁トランス27で2次側に送られ、負荷28に対して電圧として取り出されるようになっている。
つまり、他のケーブルのコモンモードノイズを減らすことで信号へのノイズの結合を減少させる構成となっている。
【0035】
以上説明したように、このような第1実施例によれば、超音波観測装置から超音波プローブを電気的にフローティングして、患者に対して安全を確保しているとともに、ノイズ、特にコモンモードノイズの影響が少ない超音波診断装置とすることができる。
【0036】
図7,図8は本発明の第2実施例に係り、図7は理想的な振動子の受信波の、(A)波形を示した線図,(B)フーリエ変換した波形を示した線図、図8はフィルタのブロック図を示したものである。この第2実施例は、前述の第1実施例とフィルタが異なるだけであるので、同様である部分については説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0037】
振動子の受信波は、パワーおよび分解能を考えると、図7(A)に示すような3波が理想とされている。このような受信波の中心周波数をf0とすると、該受信波である3波の信号をフーリエ変換すると、図7(B)に示すように、2/3×f0〜4/3×f0の帯域を有する信号となる。よって受信信号に影響を及ぼすことなくノーマルノイズをカットするには、2/3×f0〜4/3×f0のバンドパスフィルタを通せば良いことがわかる。
【0038】
よって、図8に示すようにフィルタを構成した。すなわち、フィルタは3つの異なる周波数特性を有するバンドパスフィルタ43,44,45と1つの接続ライン46を有している。これらバンドパスフィルタ43,44,45は、前述のようにそれぞれの中心周波数f0に対して、2/3×f0〜4/3×f0の受信帯域を有するフィルタである。そして、バンドパスフィルタ43とバンドパスフィルタ44とは、入力側をスイッチ41で、出力側をスイッチ47でそれぞれ切り換えるようになっている。バンドパスフィルタ45と接続ライン46は入力側をスイッチ42で、出力側をスイッチ48でそれぞれ切り換えるようになっている。そして、さらに前記スイッチ41とスイッチ42とは、その入力側をスイッチ40で、また、前記スイッチ47とスイッチ48とは、その出力側をスイッチ49でそれぞれ切り換えるようになっている。
【0039】
このような構成により、振動子の周波数によってバンドパスフィルタ43,44,45の値を切り換えるようにした。このバンドパスフィルタ43,44,45の切り換えは、図示しないプローブからの制御信号により行われるようになっている。
【0040】
また、前記接続ライン46は、理想的に3波の波形とならず、2波の場合やあるいは広帯域の振動子である場合にも対応できるように設けたものである。これにより、広帯域の信号に関してはフィルタを通さずに対応するようにしている。なお、前記では複数の固定バンドパスフィルタを用いたが、これに代わって可変バンドパスフィルタを用いても良い。
【0041】
このような第2実施例によれば、前記第1実施例とほぼ同様の作用と効果を有するとともに、さらにノイズを効率良く低減することができる。
【0042】
図9ないし図12は本発明の第3実施例に係り、図9は超音波プローブを実際に使用する際の超音波診断装置の構成を示す斜視図、図10は駆動部を示す正面図、図11は前記図10の駆動部のA−A断面図、図12はフォトリフレクタとプローブ側の反射板との相対位置を説明する斜視図である。この第3実施例において、前述の第1,第2実施例と同様である部分については説明を省略する。
【0043】
図9に示すように、移動可能なカート55には、複数の棚が設けられていて、これらの棚に超音波観測装置51,パルスユニット52が載置され、最上段にはTVモニタ53が設置され、その近傍側部に撮影装置54が設置されている。また該カート55には、その上側部に伸縮自在のアーム57が固定して取り付けられている。
【0044】
プローブ駆動ユニット56(以下駆動部と略記する)は、前記アーム57に接続されるとともに、その側部から延出されたコードの先端に設けられているコネクタ58を前記パルスユニット52に接続するようになっている。
【0045】
このような駆動部56に、超音波プローブ59(以下プローブと略記する)を接続し、該プローブ59の挿入部60を、ビデオスコープ等のスコープ61のチャンネル62を介して、例えば生体63内にある病変部64に導く。
【0046】
そして、パスルユニット52から出力された信号が、駆動部56を介して超音波プローブ59の先端に設けた探触子に送られ、この探触子から超音波が生体63に送信される。該探触子は駆動部56内の駆動手段によってラジアル走査され、生体より得られたエコー信号が超音波観測装置51を介して、TVモニター53に写し出されて観察されるようになっている。
【0047】
このような超音波プローブ59は、前記駆動部56に対して着脱自在であり、症例に応じて所望の周波数(例えば7.5MHz,12MHz,15MHz,20MHzなど)のプローブを使用することができる。この際、パルスユニット52から送信されるパルスは、超音波プローブの周波数に適合している必要があり、パルスの送信回路をプローブの周波数毎に選択する必要がある。これに対応するために、送信回路に対して周波数選択用スイッチを設けることも考えられるが、操作者が誤選択してしまう可能性がある。
【0048】
そこで、本実施例においては、図11,図12に示すように、駆動部56側に2つのフォトリフレクタ65a,65bを設け、これに対応して超音波プローブ59側に反射板66a,66bを設けて、フォトリフレクタ65a,65bからの信号の組合せによってプローブの周波数を自動的に検知できるように構成した。この際、反射板66a,66bを「無反射」と「反射」とに分けて、例えば表1に示すように周波数と組合わせて判別を可能にした。
【0049】
【表1】
さらに、図11に示すように、マイクロスイッチ67を設け、駆動部56に対して超音波ブローブ59の有無を検知するようにした。また、図10の符号68で示される斜線部は、前記第1実施例で説明したフェライトコアを示したものであり、超音波の受信ラインをフェライトコアに通すことで、外来ノイズの影響を低く抑えることができるものである。
【0050】
なお、前記フォトリフレクタの数を増減することによって、組合わせられる周波数の数を増減できることはいうまでもない。また、プローブの周波数を検知する手段は、前記のフォトリフレクタやマイクロスイッチに限定されるものではなく、フォトインタラプタやリードスイッチ等の小型スイッチを広く用いることができるのはいうまでもない。
【0051】
このような第3実施例によれば、駆動部56側のフォトリフレクタ65a,65bとプローブ59側の反射板66a,66bとを組合わせることにより、超音波プローブ59を駆動部56へ装着する際に自動的に周波数検知がなされて、プローブの周波数に適合したパルスが、パルスユニット52より送信される。これにより、操作者がプローブに適合しないパルスを送信するような誤操作を未然に防ぐことができる。
【0052】
また、マイクロスイッチ67を設けたことで、プローブの有無を検知できるため、プローブが装着されていないにもかかわらず、回転駆動させてしまう等の誤動作を防ぐことができる。さらに、フォトリフレクタ65a,65bを設ける位置を側壁にしたことで、該フォトリフレクタ65a,65bの送受光面にゴミ等が付着しにくくなるという効果を有する。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブを有する超音波診断装置において、ノイズに対する影響が少ない超音波診断装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図6は本発明の第1実施例に係り、図1は超音波診断装置を示す一部断面を含む回路図。
【図2】プローブの立体的構成と電気的接続を示す回路図。
【図3】プローブの回路図。
【図4】駆動部を示す回路図。
【図5】パルスユニットを示す回路図。
【図6】USコードを示す回路図。
【図7】図7,図8は本発明の第2実施例に係り、図7は理想的な振動子の受信波の、(A)波形を示した線図,(B)フーリエ変換した波形を示した線図。
【図8】フィルタのブロック図。
【図9】図9ないし図12は本発明の第3実施例に係り、図9は超音波プローブを実際に使用する際の超音波診断装置の構成を示す斜視図。
【図10】駆動部を示す正面図。
【図11】前記図10の駆動部のA−A断面図。
【図12】フォトリフレクタとプローブ側の反射板との相対位置を説明する斜視図。
【図13】従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図14】コモンモードノイズを説明する、(A)回路図,(B)電圧波形を示す線図。
【図15】ノーマルモードノイズを説明する、(A)回路図,(B)電圧波形を示す線図。
【符号の説明】
2…プローブ
7…超音波観測装置
11…振動子
15,19,24…フェライトコア
22…フィルタ
Claims (4)
- 超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、
超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、
この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、
前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、
超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、
この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、
前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
前記駆動部から前記超音波観測装置までの信号経路の間に設けられ前記振動子よりの信号に対して所定の周波数特性のフィルタ機能を呈するフィルタ手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、
超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、
この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、
前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
前記駆動部に連接し、信号線を内装しこの信号線を介して前記駆動部に対して信号の中継伝達を行う蛇管部と、
前記駆動部と前記蛇管手段との接続部から該蛇管手段を経由する経路のうち少なくとも前記駆動部と前記蛇管手段との接続部近傍に設けられ、前記信号線の少なくとも一部を内部に挿通し電磁誘導によりノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 超音波観測装置と、この超音波観測装置から電気的にフローティングされている超音波プローブとを有する超音波診断装置において、
超音波を送受信する振動子を先端部にホールドしこの振動子よりの信号線を挿通して回転するフレキシブルシャフトを内蔵する超音波プローブと、
この超音波プローブから前記超音波観測装置に至る経路に設けられ、前記フレキシブルシャフトを介して前記振動子を回転駆動させるモータを内蔵するとともに、該振動子よりの信号の経路を内蔵する駆動部と、
前記超音波プローブと前記駆動部との接続部近傍に設けられ、少なくとも前記超音波プ ローブを内部に挿通し電磁誘導により前記振動子よりの信号線のノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
前記駆動部に連接し、信号線を内装しこの信号線を介して前記駆動部に対して信号の中継伝達を行う蛇管部と、
前記駆動部と前記蛇管手段との接続部から該蛇管手段を経由する経路のうち少なくとも前記駆動部と前記蛇管手段との接続部近傍に設けられ、前記信号線の少なくとも一部を内部に挿通し電磁誘導によりノイズの除去を行うフェライトコアよりなるノイズ除去手段と、
前記蛇管手段から前記超音波観測装置に至る信号経路の間に設けられ前記振動子よりの信号に対して所定の周波数特性のフィルタ機能を呈するフィルタ手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
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JP00852493A JP3639312B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 超音波診断装置 |
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