JP3639157B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変指向性アンテナを備えた基地局と、基地局に光ファイバで接続された制御局とで構成され、可変指向性アンテナを制御局側で制御する機能を備える無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やITS (Intelligent Transport Systems)に代表される移動通信の基地局と制御局とを光ファイバで接続して信号伝送を行うRadio on Fiber (ROF)技術が注目されている。ROF技術は、基地局から制御局に光ファイバを介して無線信号を伝送させ、変復調器及び制御器等を制御局に一括収容して、基地局の構成を簡略化して小型化するものである。このため、多数の基地局を道路沿い、地下街、トンネル等に配置することが可能となる。
【0003】
また、基地局での周波数帯域の逼迫、あるいは干渉波等の問題を解決すべく、指向性を可変できるアダプティブアンテナが注目されている。アダプティブアンテナは、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを備えたものであり、各アンテナ素子から送信する送信信号によってアンテナの指向性を変化させることができる。
【0004】
制御局内のビーム演算回路は、基地局から加入者への無線信号の放射パターンと、加入者から基地局への無線信号の放射パターンとを導出し、加入者の移動及び位置に合わせて、適応的にアダプティブアンテナの指向性を変える。
【0005】
この種のアダプティブアンテナを基地局に備え、ROF技術を用いて制御局と接続する無線通信システムに関する報告が幾つか発表されている(例えば、特開平10-145286)。
【0006】
図17および図18はROF技術を利用した無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。無線通信システムとしての送受信機能を考慮に入れた場合、最も重要なことは、各アンテナ素子毎に受信した無線信号を、基地局から制御局に相対位相差、相対強度差を維持した状態で伝達することである。
【0007】
このため、従来のシステムは、各アンテナ素子の送受信信号をそれぞれ光信号に変換し、基地局と制御局間で、波長多重して、あるいは、各アンテナ素子に一本の光ファイバを割り当てて、伝送していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ROF技術を利用した従来のシステムの場合、図17および図18に示すように、各アンテナ素子線路に、電気―光変換器と光―電気変換器の対を割り当てるため、基地局及び制御局には、アンテナ素子数分の光送受信器対が必要となる。
【0009】
このため、基地局及び制御局の光伝送部分の構成要素が大幅に増加し、構成が複雑化して大規模の装置になる。また、波長多重伝送を行う場合は、光合波器、光分波器、光源の波長制御機能等の構成がさらに必要となる。
【0010】
一方、各アンテナ素子ごとに光ファイバを設けるようにすると、基地局と制御局を接続する光ファイバの本数が大幅に増え、それに伴って、光−電気変換器や電気−光変換器などの光伝送系の構成が複雑かつ大規模になる。
【0011】
このように、アダプティブアンテナを備えてROF技術を利用して信号伝送を行う従来の無線通信システムは、光伝送系の構成要素が多いために構成が複雑になるという問題があり、基地局及び制御局の小型化が困難で、コストも下げられない。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局あるいは制御局の構成を簡略化することができる無線通信システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、無線通信端末と、この無線通信端末と無線通信を行う基地局と、この基地局と有線伝送路を介して接続された制御局とからなる無線通信システムにおいて、前記基地局は、複数のアンテナ素子からなり前記無線通信端末の位置に応じて指向性を変更可能な可変指向性アンテナと、前記複数のアンテナ素子を介して、前記無線通信端末から受信した受信信号をそれぞれ異なる帯域に周波数変換する第1の周波数変換手段と、前記第1の周波数変換手段により周波数変換された複数の信号を合波して第1の副搬送波多重信号を生成する第1の副搬送波多重信号生成手段と、前記第1の副搬送波多重信号を前記有線伝送路を介して前記制御局に送信する第1の送信手段と、前記第1の周波数変換手段に周波数変換の基準となる第1の基準信号を供給する第1の局部発振器と、を有し、前記制御局は、前記有線伝送路を介して前記基地局から送信された前記第1の副搬送波多重信号を前記複数のアンテナ素子ごとに分波して、同一の周波数帯の信号に周波数変換する第2の周波数変換手段と、前記第2の周波数変換手段の出力信号に基づいて、前記複数のアンテナ素子の指向性を制御するための重み係数を求めるビーム演算手段と、前記重み係数に基づいて、前記第2の周波数変換手段により周波数変換された複数の信号に対して重み付けを行う第1の重み付け手段と、前記第1の重み付け手段で重み付けされた各信号を合波して受信信号を生成する受信信号生成手段と、前記第2の周波数変換手段に周波数変換の基準となる第2の基準信号を供給する第2の局部発振器と、を有し、前記第2の局部発振器は、前記第2の周波数変換手段が前記複数のアンテナ素子の各受信信号間の相対位相差を維持した信号を出力するように、前記第1の基準信号と所定の位相関係にある前記第2の基準信号を出力する。
【0014】
本発明では、発明では、複数のアンテナ素子で受信した信号を副搬送波多重して制御局に送信するため、基地局と制御局との光伝送系の構成を簡略化することができる。また、制御局内の局部発振信号の位相を調整するため、複数のアンテナ素子で受信した各受信信号の相対位相差を維持したまま、基地局から制御局に受信信号を伝送することができる。
【0015】
発明では、周波数変換用の基準信号を基地局と制御局とで共有するため、構成を簡略化することができる。
【0016】
本発明では、基地局または制御局のいずれか一方で生成した基準信号を、副搬送波多重信号に重畳して他方に送信するため、周波数変換用の基準信号を基地局と制御局とで共有できるとともに、光伝送系の構成を簡略化することができる。
【0023】
本発明では、基地局と制御局の少なくとも一方に位相補償回路を設けるため、基地局および制御局間の信号伝搬路と、基地局および制御局内の信号処理とにより発生される位相変動量を相殺できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無線通信システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、原理的な位相状態および信号強度状態を示すため、各アンテナ素子線路に挿入されているアンプ、乗算器、フィルタ等のマイクロ波部品の固体差によるゲイン、損失、透過率、群速度のバラツキ及び線路長による遅延差は無視している。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る無線通信システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。図1の無線通信システムは、基地局1と制御局2とで構成され、それぞれは光ファイバ3で接続されている。
【0026】
基地局1は、4つのアンテナ素子からなるアレーアンテナ4a〜4dと、ローノイズアンプ5a〜5dと、基地局局部発振器(第1の局部発振器)6と、乗算器(第1の周波数変換手段)7a〜7dと、バンドパスフィルタ8a〜8dと、加算器(第1の副搬送波多重信号生成手段)9と、電気―光変換器(E/O変換器:第1の送信手段)10とを有する。
【0027】
制御局2は、光−電気変換器(O/E変換器)11と、分配器12と、制御局局部発振器(第2の局部発振器)13と、乗算器(第2の周波数変換手段)14a〜14dと、バンドパスフィルタ15a〜15dと、ビーム演算回路(ビーム演算手段)16と、重み付け回路(第1の重み付け手段)17a〜17dと、加算器(受信信号生成手段)18と、復調器19とを有する。
【0028】
基地局1は、図示されていない加入者からの無線信号70をアレーアンテナ4a〜4dで受信する。本実施形態では、アレーアンテナ4の素子数が4つ(図1では、各素子を4a〜4dで図示)の場合について説明するが、素子数は幾つでもよい。各アレーアンテナ4a〜4dで受信した受信信号71a〜71dは、(1)式で表される。
【0029】
【数1】
Figure 0003639157
(1)式では、無線信号70を、QPSK(quadriphase-shift keying)等の位相変調信号とし、位相変調項をφm(t)としている。なお、tは時間、ωは信号の角周波数、φは各信号の相対位相、Pは各信号の相対強度を示し、添え字で信号の種類を区別している。添え字のa〜dは、各アンテナ素子a〜dに関与する信号であることを示している。(1)式に示すように、各受信信号71a〜71dは、無線信号70の到来方向に応じて、位相及び振幅が変化する。
【0030】
受信信号71a〜71dは、ローノイズアンプ5a〜5dを介して、乗算器7a〜7dに入力される。乗算器7a〜7dは、ローノイズアンプ5a〜5dを通過した信号と基地局局部発振器6から出力される基地局LO信号72a〜72dとを乗算して、周波数をダウンコンバートする。基地局LO信号72a〜72dは、(2)式で表される。
【0031】
【数2】
Figure 0003639157
基地局LO信号72a〜72dは、(2)式に示すように、パワーが等しく、周波数がそれぞれ異なる信号である。基地局LO信号72a〜72dとの乗算を行うことにより、受信信号71a〜71dは低周波数帯の信号に変換される。
【0032】
乗算器7a〜7dの出力は、バンドパスフィルタ8a〜8dに入力されて、それぞれ所望の帯域の受信信号73a〜73dが抽出される。受信信号73a〜dは(3)式で表される。
【0033】
【数3】
Figure 0003639157
バンドパスフィルタ8a〜8dを通過した受信信号73a〜73dは、加算器9で合波されて、副搬送波多重信号74が生成される。生成された副搬送波多重信号74は、電気−光変換器10に入力されて、光信号150に変換され、光ファイバ3を介して制御局2に伝送される。
【0034】
光ファイバ3を介して制御局2に伝送された光信号は、PD(Photo Detector)等の光−電気変換器11で受信信号75に変換される。受信信号75は、分配器12によりアンテナ素子分に分配された後、乗算器14a〜14dに入力される。
【0035】
乗算器14a〜14dは、分配器12の出力信号と制御局局部発振器13から出力された基地局LO信号76a〜dとを乗算して、周波数変換を行う。制御局LO信号76a〜dは、(4)式で示すように、パワーが等しくて、周波数がそれぞれ異なる信号であり、この信号との乗算を行うことにより、副搬送波多重された受信信号75の周波数は、制御局2内で周波数変換前の周波数に変換される。
【0036】
【数4】
Figure 0003639157
乗算器14a〜14dの出力は、バンドパスフィルタ15a〜15dに入力されて、所望の帯域の受信信号77a〜77dが抽出される。受信信号77a〜77dは、(5)式で表される。
【0037】
【数5】
Figure 0003639157
ここで、基地局局部発振器6の出力信号72a〜72dと制御局局部発振器13の出力信号76a〜76dの各周波数と各位相は、(6)式と(7)式の条件を満たすように設定される。
【0038】
【数6】
Figure 0003639157
Figure 0003639157
(6)および(7)式の条件を満たす場合、(5)式に示す受信信号77a〜77dは、(8)式のように書き直すことができる。
【0039】
【数7】
Figure 0003639157
(1)式と(8)式を比較すればわかるように、受信信号77a〜77dは、基地局1における受信信号71a〜71dの相対位相差φa〜φdと相対強度Pa〜Pdをそのまま維持している。したがって、基地局1から制御局2まで受信信号が伝搬する間の位相の付加や信号強度の変動の影響を無視することができる。
【0040】
ビーム演算回路16は、受信信号77a〜77dに基づいて、最適合成等の信号処理を制御するための演算を行う。対象となる無線通信システムが、無線信号70の到来方向を求める必要がなければ、ビーム演算回路16は最適合成のみを行えばよい。その場合は、(7)式の条件を必ずしも満たす必要はない。
【0041】
本実施形態におけるビーム演算回路16は、受信信号77a〜77dの一部を取り込んで、最適な信号合成を行うための位相及び強度の重みを求める。次に、これらの演算結果を基に、重み付け回路17a〜17dを制御して、受信信号77a〜77dに位相及び信号強度の重みを付加して、合波器18で各信号を合波して受信信号78を得る。受信信号78は、復調器19に入力されて、加入者からの情報が取り出される。
【0042】
ビーム演算回路16は、上記の信号処理以外にも、相対位相差φa〜φdと相対強度差Pa〜Pdに基づいて、遅延波に対する最適合波制御や、受信信号の不要波及び干渉波を抑圧してSIR (Signal-to-Interference Ratio)最適合波を行うことが可能である。また、無線信号70の到来方向等を演算により求めることも可能である。
【0043】
本実施形態では、基地局1から加入者への送信系は図示していないが、制御局2における無線信号70の到来方向の推定は、基地局1から加入者への無線信号をどの方向に送信するかを決定するために重要であり、ビーム演算回路16の演算結果を送信系に適用することが可能である。
【0044】
原理的には、基地局LO信号72a〜72dと制御局LO信号76a〜76dの各信号強度が一定であれば、受信信号71a〜71dの相対強度差を保持したまま、制御局2側に伝送でき、同様に、制御局2から基地局1に信号を伝送することも可能である。以下では、相対強度差には言及せず、相対位相差に注目して説明を行う。
【0045】
各アンテナ素子4a〜4dの受信信号71a〜71dは、基地局1から制御局2まで、異なる搬送波周波数で伝送される。搬送波周波数が異なると、伝搬時間に応じて、各アンテナ素子線路間の相対位相差が変化していく。このため、基地局1内と制御局2内での計2回の周波数変換で使用される基地局LO信号72a〜72dと制御局LO信号76a〜76dの位相項の関係を考慮する必要がある。
【0046】
図2は基地局局部発振器6の構成を示すブロック図である。図示のように、基地局局部発振器6は、基準発振器20、分配器21と、位相比較器22a〜22dと、電圧制御型発振器(VCO:Voltage Control Oscillator)23a〜23dと、分周器24a〜24dと、ループフィルタ25a〜25dとを有する。
【0047】
基準発振器20には、例えば水晶等の高安定な発振器が用いられる。基準発振器20の出力信号80の発振周波数をfrとする。出力信号80は、分配器21でアンテナ素子の本数に分割され、それぞれの位相比較器22a〜22dに入力される。
【0048】
位相比較器22a〜22dには、VCO23a〜23dからの出力信号72a〜72dを、分周器24a〜24dにより、例えばN、(N+1)、…、(N+3)分周した信号81が入力される。位相比較器22a〜22dは、2つの入力信号80、81の位相を比較し、位相比較信号82を出力する。位相比較信号82は、ループフィルタ25a〜25dを介してVCO23a〜23dにフィードバックされる。このフィードバックにより、VCO23a〜23dの出力である基地局LO信号72a〜72dの周波数は、それぞれ順に、N×fr、(N+1)×fr、(N+2)×fr、(N+3)×frにロックされる。
【0049】
図3は基地局LO信号72a〜72dの波形図である。実際に出力される発振信号72a〜72dは正弦波であるが、ここでは、立ち上がり、立ち下がりの位相状態がわかりやすいように矩形波で示し、立ち上がりの位相はゼロ度、立ち下がりの位相はπ度としている。
【0050】
図3では、基準発振器出力信号80と分周信号81との位相差が0度になるように、位相比較器21が位相比較信号82を出力した場合の基地局LO信号72a〜72dの波形を示しており、基地局LO信号72a〜72dは、図3に図示された式で表される。
【0051】
制御局2側における制御局局部発振器13も、基地局局部発振器6と同様に構成され、制御局LO信号76a〜76dを生成する。制御局局部発振器13における基準信号80の発振周波数は、基地局1側と同じfrである。そして、制御局LO信号76a〜76dの周波数は、受信信号77a〜77dの周波数を一致させるように、順に(N+3)×fr、(N+2)×fr、(N+1)×fr、N×frにロックさせる。
【0052】
ここで、基地局1側での基準信号80の位相状態をφBS、制御局2側での基準信号80の位相状態をφCSとする。受信信号71から受信信号77への位相変化量を示すため、(1)式で表されている受信信号71aを(9)式のように書き直す。
【0053】
Ra(t)=cos[ωRFt] …(9)
また、基準信号80の位相状態がφBSであるとき、(2)式の基地局LO信号72aは、以下のように書き直すことができる。
【0054】
LO1a(t)=cos[Nωrt+NφBS] …(10)
図4(a)は乗算器7aとバンドパスフィルタ8aの入出力信号を示す図、図4(b)は乗算器14aとバンドパスフィルタ15aの入出力信号を示す図である。上述した(9)、(10)式より、バンドパスフィルタ8aから出力される受信信号73aは、(11)式のように表すことができる。
【0055】
R'a(t)=(1/2)×cos[(ωRF−Nωr)t−NφBS] …(11)
基地局1から制御局2側への受信信号73の伝搬時間をTとし、t' = t−Tとおく。制御局2側では、基地局1から伝送されてきた受信信号75(ここでは、アンテナ素子4aの線路の所望帯域のみを示す)に対して、制御局LO信号76aを乗算する。制御局2側での基準信号80の位相状態がφCSであれば、制御局LO信号76aは(12)式で表すことができる。
【0056】
LO2a(t)=cos[(N+3)ωrt’+(N+3)φCS] …(12)
制御局LO信号76a〜76dの周波数は、受信信号75a〜75dを同一の周波数帯に変換するように選択される。このため、簡単には、制御局LO信号76a〜76dの周波数は、順番に、(N+3)ωr、(N+2)ωr、(N+1)ωr、Nωrと設定すればよい。
【0057】
以上より、受信信号77aは、(13)式で表すことができる。
【0058】
【数8】
Figure 0003639157
(13)式において、受信信号72aから受信信号77aへの付加位相項は、−ωIFT−NφBS−(N+3)φCSである。他の受信信号77b〜77dに対する付加位相項も同様に求められる。各位相項の共通部分である−ωIFTを省略すると、受信信号77b〜77dに対する付加位相項は、順に、−(N+1)φBS−(N+2)φCS、−(N+2)φBS−(N+1)φCS、−(N+3)φBS−NφCSとなる。これらの付加位相項が等しいと、各受信信号71a〜71dへの相対位相差は、受信信号77a〜77dにおいても保たれていることになる。そのためには、φCSとφBSが(14)式の関係を満たす必要がある。
【0059】
φCS=φBS±2π …(14)
(14)式の関係を満たすことで、各付加位相項は−(2N+3)φBS±2πとなり、受信信号77a〜77dに付加される相対位相差はゼロとなる。
【0060】
ここで、付加位相項による影響を調べるため、受信信号71a〜71dは、相対位相差がゼロの正弦波信号とする。(14)式の関係が満たされない場合、受信信号77a〜77dは、図5(a)に示されるように、2回の周波数変換における付加位相項が、各アンテナ素子4a〜4dの線路間で異なるため、相対位相差の関係が崩れ、波形は重ならない。
【0061】
一方、(14)式の関係が満たされている場合には、2回の周波数変換による付加位相項は等しいため、受信信号71a〜71dは相対位相差がゼロの正弦波信号と仮定すると、制御局2における受信信号77a〜77dの波形は図5(b)のようになる。この場合、2回の周波数変換による付加位相項はいずれも等しいため、受信信号77a〜77dの波形はすべて一致する。
【0062】
このように、第1の実施形態では、基地局1内の複数のアンテナ素子4a〜4dで受信した受信信号を副搬送波多重して制御局2に送信するため、光伝送系部分の構成要素を最小限に抑えることができ、基地局1の構成を簡略化することができる。また、各受信信号の相対位相差と相対強度を維持したままで、基地局1から制御局2に受信信号を伝送できるため、不要波や干渉波の影響を受けることなく高品質の信号受信が可能になる。
【0063】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、基地局局部発振器6から出力される基準信号と制御局局部発振器13から出力される基準信号とを共有化するものである。
【0064】
図6は本発明に係る無線通信システムの第2の実施形態のブロック図である。図6では、図1と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0065】
図6の無線通信システムにおいて、基地局1から制御局2への受信系の構成は、基地局局部発振器6と制御局局部発振器13の構成を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0066】
図6の無線通信システムは、制御局2から基地局1への送信系の構成を新たに追加した点と、基地局局部発振器6と制御局局部発振器13が共通の基準信号を使用して局部発振信号を生成する点とに特徴がある。
【0067】
新たに追加された基地局1内の送信系は、光−電気変換器31と、分配器(第2の分波手段)32と、乗算器(第4の周波数変換手段)33a〜33dと、バンドパスフィルタ34a〜34dと、ローノイズアンプ35a〜35dと、送受信を切り換えるサーキュレータ36a〜36dとを有する。
【0068】
また、新たに追加された制御局2内の送信系は、変調器(MOD)41と、分配器(第1の分波手段)42と、重み付け回路(第2の重み付け手段)43a〜43dと、乗算器(第3の周波数変換手段)44a〜44dと、バンドパスフィルタ45a〜45dと、加算器(第2の副搬送波多重信号生成手段)46と、電気−光変換器(第2の送信手段、基準信号送信手段)47とを有する。
【0069】
図7は図6の制御局局部発振器13の詳細構成を示すブロック図である。図7に示すように、制御局局部発振器13は、基準信号を出力する基準発振器20と、分配器21と、位相比較器22a〜22dと、電圧制御発振器(VCO)23a〜23dと、分周器24a〜24dと、バンドパスフィルタ25a〜25dとを有する。
【0070】
分配器21は、基準発振器20から出力された基準信号を、アンテナ素子の数よりも多く分配する。そして、何の信号処理も施さない基準信号80を、図6に示される制御局2内の加算器9に入力する。
【0071】
制御局2から基地局1へ伝達する送信信号87a〜87dについては後で詳述するが、基準信号80は、送信信号87a〜87dと加算器9で合波されて、副搬送波多重信号88として基地局1に伝送される。
【0072】
図8は加算器9で生成される副搬送波多重信号88の周波数スペクトル図である。副搬送波多重信号88は、電気―光変換器10で光信号151に変換されて、制御局2から基地局1に光伝送される。
【0073】
基地局1内の光―電気変換器11は、制御局2から送信された光信号151を受信信号89に変換する。受信信号89は、分配器12に入力されて、アンテナ素子線路と基地局局部発振器6にそれぞれ分配される。
【0074】
図9は基地局局部発振器6の詳細構成を示すブロック図である。図7の分配器21からの受信信号89が図9のバンドパスフィルタ26を通過することにより、所望の基準信号80が得られる。基地局局部発振器6は、制御局2から送信された基準信号に基づいて、各アンテナ素子線路に対する基地局LO信号72a〜72dを生成する。これにより、制御局局部発振器13と基地局局部発振器6の基準信号80を共有化することができる。
【0075】
次に、第2の実施形態における送信系の動作について説明する。制御局2内の変調器26からの出力である中間周波信号SIF(t)は、(15)式で表される。
【0076】
【数9】
Figure 0003639157
(15)式では、第1の実施形態と同様に、アンテナ素子4a〜4dから送信される無線信号91がQPSK(quadriphase-shift keying)等の位相変調信号と仮定し、位相変調項はφm(t)、中間周波数はωIF、信号パワーはPIFとしている。
【0077】
図6の変調器16から出力された中間周波信号85は、分配器42でアンテナ素子数分に分波され、それぞれ重み付け回路43a〜43dに入力される。また、ビーム演算回路16は、受信信号71a〜71dと等しい相対位相差及び相対強度差をもつ受信信号76a〜76dから、相対位相差及び相対強度差を抽出する。
【0078】
これらの抽出情報より、無線信号70の到来方向、つまり加入者の位置を検出し、その位置に基づいて無線信号91の送信方向を決定し、それに対応した重みを演算する。重み付け回路43a〜43dでは、ビーム演算回路16からの重み制御に従って、中間周波信号85に、振幅及び位相、または、位相の重みを付加する。重みをWで表すと、重み付け回路43a〜43dの出力信号86a〜86dは、(16)式のようになる。
【0079】
【数10】
Figure 0003639157
(16)式の重み付け信号86a〜86dは、乗算器44a〜44dにより、(4)式で示される制御局LO発振器13からの制御局LO信号76a〜dと乗算される。乗算器44a〜4dの出力は、バンドパスフィルタ45a〜45dに入力されて所望の帯域が抽出され、それぞれ異なる周波数に配置された送信信号87a〜87dが得られる。得られた送信信号87a〜87dであるSa"〜Sd"(t)は、(17)式で表される。
【0080】
【数11】
Figure 0003639157
送信信号87a〜87dは、制御局局部発振器13からの基準信号80と共に、加算器9で合波され、副搬送波多重信号88が得られる。副搬送波多重信号88は、電気―光変換器47において光信号151に変換され、光ファイバ3を介して、基地局1に伝送される。
【0081】
基地局1側では、PD等の光―電気変換器31で、光信号を電気信号である受信信号89に変換する。受信信号89は、分配器32により分岐され、アンテナ素子線路と基地局局部発振器6に入力される。
【0082】
基地局局部発振器6は、前述した通り、制御局2側の基準信号80を基に、(2)式で示される基地局LO信号72a〜72dを生成する。アンテナ素子線路において、受信信号89は、基地局局部発振器6からの基地局LO信号72a〜72dと乗算され、各受信信号を同一の無線周波数帯ωRFに周波数コンバートする。
【0083】
乗算器33a〜33dの出力は、バンドパスフィルタ34a〜34dに入力されて所望の帯域が抽出される。バンドパスフィルタ34a〜34dの出力は、パワーアンプ35a〜35dとサーキュレータ36a〜36dを介して、アンテナ素子4a〜4dに供給される送信信号90a〜90dが得られる。これら送信信号90a〜90dは、(18)式で示される。
【0084】
【数12】
Figure 0003639157
ここで、送信信号90a〜90dの周波数及び位相は、第1の実施形態と同様に、(19)および(20)式の条件を満たすように設定される。第1の実施形態で説明した受信系における基地局及び制御局局部発振器6、13の構成及び(14)式の関係を満たすことにより、(20)式の関係が得られる。
【0085】
【数13】
Figure 0003639157
Figure 0003639157
ただし、kは定数、m,ma〜mdは整数である。
【0086】
上記により、各アンテナ素子4a〜4dからの送信信号90a〜90dは、(21)式のように表すことができる。
【0087】
【数14】
Figure 0003639157
アダプティブ制御の可変指向性アレーアンテナでは、信号に、振幅と位相の重み付けがされていることが重要である。また、位相は相対位相関係が重要であり、固定位相成分kが含まれていても問題はない。
【0088】
送信信号90a〜90dは、制御局2のビーム演算回路16により振幅及び位相の重み付けがされており、アンテナ素子4a〜4dからの放射される無線信号91の放射パターンが制御される。基地局1のアンテナ4a〜4dから放射される送信信号90a〜90dが、加入者方向に同相で合波されることにより、加入者で受信する無線信号91は、(22)式のようになる。
【0089】
【数15】
Figure 0003639157
k'は伝搬による遅延が含まれた位相定数項であり、Ps'は、伝搬による損失を被った信号のパワーである。
【0090】
このように、第2の実施形態では、基地局局部発振器6と制御局局部発振器13の双方で、局部発振信号用の基準信号を共通化するため、構成を簡略化することができるとともに、局部発振信号同士の位相ずれや信号強度のずれをなくすことができる。
【0091】
また、制御局2から基地局1に送信信号を伝送する際、送信信号の相対位相情報と相対強度情報を原理的に維持したまま、制御局2から送信局1に送信信号を伝送できるため、基地局1にはアクティブな信号処理をする構成要素を配置する必要がなく、基地局1の規模を小型化できるとともに、構成が簡易なために信頼性を向上できる。
【0092】
(第3の実施形態)
第2の実施形態の送信系は、基地局1の構成を最小限に簡素化するために、送信用の重み付け回路(第2の重み付け手段)43a〜43dを制御局1側に備えている。制御局2側から基地局1側へ伝送される送信信号87a〜87dは、受信系での無線伝搬路を伝搬して雑音やフェージング等の影響を被っている受信信号71a〜71dとは異なり、位相と振幅が互いに異なっているだけである。したがって、重み付け回路43a〜43dの構成を簡略化することができる。
【0093】
一方、重み付け回路43a〜43dを基地局2側に設けることが可能であれば、中間周波信号85とビーム演算回路16からの重み付け制御信号を、制御局2側から基地局1側に伝達し、基地局1側で重み付けを行って、送信信号を生成してもよい。
【0094】
以下に説明する第3の実施形態は、送信系の重み付け回路17a〜17dを基地局1側に設けたものである。
【0095】
図10は本発明に係る無線通信システムの第3の実施形態のブロック図である。受信系の構成は、第1及び第2の実施形態と同様であり、共通の構成部分については、同一の符号を付している。
【0096】
図10の基地局1は、図6の構成に加えて、重み付け回路43a〜43dと、重み制御を行う重み制御回路51とを有する。また、図10の制御局2は、図6の構成から重み付け回路43a〜43dを取り除いた構成になっている。
【0097】
ビーム演算回路16は、第1の実施形態と同様に、基地局1からの副搬送波多重信号74に含まれる受信信号71a〜71dの位相及び振幅情報を基に、無線信号70の到来方向を推定する。その推定結果から、基地局1から加入者に送信する無線信号91の放射ビームを、基地局1に備えた重み付け回路17a〜17dにより制御する。
【0098】
ビーム演算回路16は、基地局1側の重み付け回路17a〜17dの重みを制御するための制御信号92を出力する。制御局2内の加算器50は、変調器26から出力された中間周波信号85に、重み制御信号92と、第2の実施形態と同様に基準信号80とを重畳して、送信信号93を出力する。
【0099】
重み制御信号92は、どのような形態でもよいが、代表的にはデジタル信号、または、デジタル信号を所定の周波数帯に周波数コンバートした信号である。電気―光変換器10により、送信信号93を光信号152に変換し、光ファイバ3を介して、基地局1側へ光伝送する。
【0100】
基地局1側では、送信されてきた光信号152を光―電気変換器31により受信信号94に変換する。受信信号94は、分配器32により分岐され、アンテナ素子4a〜4dへの線路と、重み制御回路51と、基地局局部発振器6とにそれぞれ入力される。
【0101】
重み制御回路51は、重み制御信号92に基づいて、重み付け回路43a〜43dを制御して、送信信号85の振幅及び位相に重みを加え、中間周波の送信信号95a〜95dを出力する。
【0102】
送信側局部発振器53は、正弦波である基地局LO信号96を発生させ、分配器12でアンテナ素子数分に分配し、各乗算器(第4の周波数変換手段)33a〜33dに入力する。図示していないが、基地局LO信号96は、必要とあらば、基準信号80に基づいて基地局LO信号を生成してもよい。
【0103】
乗算器33a〜33dは、重み制御回路30から出力された中間周波送信信号95a〜95dと基地局LO信号96とを乗算し、無線周波数帯に周波数をアップコンバートする。
【0104】
乗算器33a〜33dの出力はバンドパスフィルタ34a〜34dに入力されて所望帯域が抽出され、パワーアンプ35a〜35dとサーキュレータ36a〜36dを介して、送信信号97a〜97dが得られる。送信信号97a〜97dは、アンテナ素子4a〜4dに入力され、放射パターンを加入者の位置に合わせて変化させる。
【0105】
このように、第3の実施形態では、アンテナ素子4a〜4dへの送信信号を生成する際、基地局1側で各送信信号の重み付けを行うため、制御局2から基地局1へ伝達する送信信号85は1種類だけでよくなり、制御局1側の構成を簡略化することができる。
【0106】
また、基地局LO信号96の周波数帯は、各アンテナ素子4a〜4dで共通であるため、基地局局部発振器31は単に基準信号を分波するだけでよく、基地局局部発振器31の構成を簡易化することができる。さらに、アンテナ素子4a〜4dの近くで重み付けを行うため、重み付けを行った後に伝送経路の伝搬により位相や信号強度が変動するような不具合が起きなくなる。
【0107】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、各アンテナ素子からの送信信号あるいは各アンテナ素子の受信信号を副搬送波多重して光伝送するのではなく、スペクトル拡散多重方式により信号伝送を行うものである。
【0108】
図11は本発明に係る無線通信システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。図11では、第1〜第3の実施形態と共通する構成部分には同一の符号を付している。
【0109】
図11の基地局1は、図1の基地局1に、アンテナ素子4a〜4dでの受信信号71a〜71dに対してスペクトル拡散を行う拡散器(第1のスペクトル拡散多重信号生成手段)56a〜56dを新たに追加した構成になっている。
【0110】
また、図11の制御局2は、図1の制御局2内の乗算器14a〜14dとバンドパスフィルタ15a〜15dの代わりに、スペクトル逆拡散を行う逆拡散器(逆拡散手段)57a〜57dを設けた構成になっている。
【0111】
次に、図11の無線通信システムの動作を説明する。基地局1は、不図示の加入者からの無線信号70をアレーアンテナ4a〜4dで受信する。各アンテナ素子4a〜4dで受信した受信信号71a〜71dは、第1の実施形態と同様に(1)式で示される。
【0112】
各受信信号71a〜71dは、無線信号70の到来方向に応じて、位相及び振幅が異なっている。ローノイズアンプ5a〜5dを通過した受信信号71a〜71dは、乗算器7a〜7dにて、基地局局部発振器34から出力されて分波された基地局LO信号98と乗算され、周波数ダウンコンバートされる。
【0113】
周波数ダウンコンバートされた受信信号99a〜99dは、拡散器56a〜56dでスペクトル拡散される。拡散器56a〜56dは、各アンテナ素子線路毎に異なる拡散符号が割り当てられている。拡散符号には、好ましくは、Walsh符号等の直交符号が良い。拡散器56a〜56dの出力であるスペクトル拡散信号99a〜99dは、加算器9により多重化されて、スペクトル拡散多重信号100が得られる。
【0114】
図12(a)は受信信号99の周波数スペクトル図、図12(b)はスペクトル拡散信号100の周波数スペクトル図、図12(c)はスペクトル拡散多重信号101の周波数スペクトル図である。スペクトル拡散多重信号101は、電気−光変換器10にて光信号153に変換されて、光ファイバ3を介して制御局2へ伝送される。
【0115】
制御局2の光−電気変換器11は、光信号153を電気信号102に変換する。電気信号102は、分配器12によりアンテナ素子数分に分配されて、それぞれ逆拡散器33a〜33dに入力される。逆拡散器33a〜33dは、各アンテナ素子線路毎に割り当てた基地局1側と同一の拡散符号で、スペクトル逆拡散の信号処理を施す。逆拡散器33a〜33dの出力である受信信号103a〜103dは、基地局1における受信信号71a〜71dの相対位相情報φa〜φdと相対強度情報Pa〜Pdを維持している。
【0116】
逆拡散器33a〜33dの出力信号103a〜103dの一部は、ビーム演算回路16に入力されて、相対位相φa〜φdと相対強度Pa〜Pdの情報が与えられる。すなわち、ビーム演算回路16は、相対位相情報φa〜φdと相対強度情報Pa〜Pdに基づいて、基地局1における無線信号70の到来方向を計算する。
【0117】
また、逆拡散器33a〜33dの出力信号103a〜103dは重み付け回路17a〜17dに入力され、ビーム演算回路16からの重み制御信号により、位相および振幅が重み付けされた後、合波器18で合波されて受信信号78となる。
【0118】
ビーム演算回路16は、合成器18から出力される受信信号78に対して、不要波や干渉波を抑圧して、SIR (Signal-to-Interference Ratio)が最適となるように、重み付け回路17a〜17dの重み付け制御を行う。受信信号78は、復調器19に入力されて、加入者からの情報が取り出される。
【0119】
図13(a)は拡散器56の詳細構成を示すブロック図、図13(b)は逆拡散器57の詳細構成を示すブロック図である。図示のように、拡散器56と逆拡散器57は、ほぼ同様に構成されており、入力信号と拡散符号との乗算を行う。
【0120】
拡散器56は、バンドパスフィルタ8a〜8dを通過した受信信号と拡散符号発生器58からの拡散符号104とを乗算する乗算器59と、乗算器59の出力から所望帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタ60とを有する。バンドパスフィルタ60で抽出された信号がスペクトル拡散信号100になる。
【0121】
一方、逆拡散器57は、拡散符号104と同一の逆拡散符号105と分配器12の出力である受信信号102とを乗算する乗算器62と、乗算器62の出力から所望帯域を抽出するバンドパスフィルタ63とを有する。乗算器63の乗算により、受信信号102はスペクトル逆拡散される。
【0122】
拡散符号104と逆拡散符号105に用いられる符号が、アンテナ線路毎に直交性を保ち、拡散と逆拡散の符号同期を適正に保てば、他の拡散符号でスペクトル拡散された信号の出力はゼロとなり、バンドパスフィルタ63からは所望の信号のみが出力される。
【0123】
以上のように、全てのアンテナ素子4a〜4dの線路は、同一の周波数帯で伝送されるため、遅延量は等しく相対位相差は保たれる。相対強度差も保たれるため、制御局2側では、無線信号70の到来方向を正確に推定することができる。
【0124】
また、図11のようなスペクトル拡散多重方式の場合、副搬送波多重と異なり、基地局1には、アンテナの素子数に応じた局部発振器を設ける必要がなく、一種類の局部発振器だけを設けるだけでよい。
【0125】
その一方で、異なる拡散符号がアンテナ素子数分必要となるが、拡散符号は固定パターンであり、メモリーなどに記憶されておけばよい。このため、基地局全体の構成を小型化することができる。
【0126】
全てのアンテナ素子4a〜4dに対して、スペクトル拡散による多重効率を高めるためには、受信信号71a〜71dの強度差が大きくないことが望まれる。移動通信ではそのような条件を得ることが難しいが、WLL (Wireless Local Loop)等のように高速無線通信においては条件を満たしやすい。WLLでは、加入者と基地局1は直接波を送受信できるように配置されるため、直接波が見通せて、各アンテナ素子4a〜4dで受信する受信信号71a〜71dは、ほとんど等しいパワーとなる。このため、スペクトル拡散信号のパワーも等しく、全てのアンテナ素子線路に対する拡散多重効率を高く保つことができる。
【0127】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第4の実施形態に送信系を追加し、追加した送信系にもスペクトル拡散多重方式を適用するものである。
【0128】
図14は本発明に係る無線通信システムの第5の実施形態のブロック図である。図14では、図11と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0129】
図14の基地局1内には、送信系の構成として、光−電気変換器31と、分配器32と、逆拡散器64a〜64dと、乗算器(第2の周波数変換手段)33a〜33dと、局部発振器54と、分波器53と、バンドパスフィルタ34a〜34dと、パワーアンプ35a〜35dと、サーキュレータ36a〜36dとが設けられている。
【0130】
また、図14の制御局2内には、送信系の構成として、変調器41と、分配器42と、重み付け回路(第2の重み付け手段)43a〜43dと、拡散器65a〜65dと、加算器(加算手段)50と、電気−光変換器47とが設けられている。
【0131】
ビーム演算回路16は、基地局1の受信信号71a〜71dに対応するスペクトル逆拡散信号103a〜103dの相対位相差および相対強度差から、基地局1から加入者への無線信号91の放射パターンを求める。
【0132】
送信系側の重み付け回路17a〜17dは、アンテナ素子数に分配された中間周波信号85の位相及び強度に重みを付加して、放射パターンを制御する。重みが付加された送信信号86a〜86dは、拡散器65a〜65dによりスペクトル拡散された後、加算器46で多重化され、スペクトル拡散多重信号108が得られる。
【0133】
スペクトル拡散多重信号108は、電気―光変換器10において光信号154に変換され、光ファイバ3を介して、基地局1に伝送される。基地局1側では、PD等の光―電気変換器11で、光信号154を電気信号である受信信号109に変換する。
【0134】
受信信号109は、分配器32により分岐され、それぞれの逆拡散器64a〜64dに入力される。逆拡散器64a〜64dは、拡散器65a〜65dで使用した拡散符号と同一の逆拡散符号を用いてスペクトル逆拡散を行う。乗算器33a〜33dは、基地局局部発振器54からの基地局LO信号98に基づいて、スペクトル逆拡散を行った信号を無線帯域の周波数にアップコンバートする。
【0135】
乗算器33a〜33dの出力は、バンドパスフィルタ34a〜34dに入力されて、所望帯域が抽出される。その後、パワーアンプ35a〜35dとサーキュレータ36a〜36dを介して、各アンテナ素子に供給される送信信号107a〜107dが得られる。送信信号107a〜107dは、制御局2のビーム演算回路16により振幅及び位相に重み付けされているため、アンテナ素子4a〜4dからの放射される無線信号91の放射パターンが制御されることになる。
【0136】
このように、第5の実施形態では、アンテナ素子4a〜4dに送信信号を伝送する際にも、スペクトル拡散多重方式にて信号伝送を行うため、制御局および基地局側の送信系の構成を簡略化することができる。
【0137】
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、第3の実施形態と同様に、送信系の重み付け回路17a〜17dを、基地局1側に設けたものである。
【0138】
図15は本発明に係る無線通信システムの第6の実施形態のブロック図である。第6の実施形態の受信系の構成は第4および第5の実施形態と同一であり、同一符号を付している。
【0139】
図15の基地局1は、図14の構成に加えて、重み付け回路43a〜43dと、重み制御を行う重み制御回路51とを有する。また、図15の制御局2は、図14の構成から重み付け回路43a〜43dを取り除いた構成になっている。
【0140】
ビーム演算回路16は、第4の実施形態と同様に、基地局1からのスペクトル拡散多重信号74に含まれている受信信号71a〜71dの位相及び振幅情報を基に、無線信号70の到来方向を推定する。その推定結果から、基地局1から加入者へ送信する無線信号91の放射ビームを、基地局1に備えた重み付け回路17a〜17dにより制御する。ビーム演算回路16は、基地局1側の重み付け回路17a〜17dの重みを制御するための制御信号92を出力する。
【0141】
加算器9は、変調器41から出力された中間周波信号85に重み制御信号92を重畳して、送信信号93を生成する。重み制御信号92は、どのような形態でもよいが、代表的にはデジタル信号、または、デジタル信号を所定の周波数帯に周波数コンバートした信号である。
【0142】
電気―光変換器10は、送信信号93を光信号152に変換し、光ファイバ3を介して、基地局1側へ光伝送する。基地局1側では、送信されてきた光信号152を光―電気変換器11により受信信号94に変換する。受信信号94は、分配器12により分岐され、それぞれアンテナ素子4a〜4dへの線路、重み制御回路30に入力される。
【0143】
重み制御回路30は、重み制御信号92を基に、重み付け回路17a〜17dを制御して、送信信号85の振幅及び位相に重みを加え、中間周波の送信信号95a〜95dを生成する。送信側局部発振器54は、正弦波である基地局LO信号98を発生させ、分配器12でアンテナ素子数分に分配し、各乗算器33a〜33dに入力する。
【0144】
乗算器33a〜33dは、中間周波送信信号95a〜95dと基地局LO信号98とを乗算して、周波数をコンバートする。乗算器33a〜33dの出力はバンドパスフィルタ34a〜34dに入力されて所望帯域が抽出され、パワーアンプ35a〜35dとサーキュレータ36a〜36dを介して、送信信号97a〜97dを得る。送信信号97a〜97dは、アンテナ素子4a〜4dに入力されて、下り無線信号91の放射パターンを加入者の位置に合わせて変化させる。
【0145】
(第7の実施形態)
上述した第1〜第6の実施形態では、(7)式や(20)式の位相条件に対して、(14)式の位相条件を満たすことを前提としたが、(14)式の条件を満たす以外にも、付加位相差をゼロにすることは可能である。
【0146】
例えば、各アンテナ素子と重み付け回路の間の線路のどこかに、あるいは制御局や基地局の局部発振器と乗算器との間のどこかに移相器を挿入し、挿入した移相器により、送信信号や受信信号に位相オフセットを与え、アンテナ素子線路間の相対位相差を維持してもよい。
【0147】
図16は本発明に係る無線通信システムの第7の実施形態のブロック図であり、各アンテナ素子4a〜4dのそれぞれごとに移相器(位相補償手段)66a〜66dを有する例を示している。図16の制御局2は、バンドパスフィルタ15a〜15dと重み付け回路17a〜17dとの間に移相器66a〜66dを設けた点を除いて、図1と同様に構成されている。
【0148】
図16の移相器66a〜66dを設けることにより、各アンテナ素子4a〜4dの伝搬線路の遅延量を補償することができ、各アンテナ素子4a〜4dで受信された相対位相差を維持したまま、基地局1から制御局2に信号を伝送することができる。
【0149】
なお、図16のような移相器66a〜66dを設ける代わりに、各アンテナ素子4a〜4dの線路間の遅延差及び位相差をオフセットとして、重み付け回路17a〜17dでの位相重みに付加しても良い。
【0150】
実際の無線通信システムでは、アンプ、フィルタ、乗算器等のマイクロコンポーネントに個体差による遅延及び位相差が付加されることになる。それらの遅延差及び位相差も、前述のように位相オフセットとして、移相器66a〜66dへの補償量、あるいは重み付け回路17a〜17dにおける位相重み量に取り入れると、より高い信頼性をもつ無線通信システムを提供することが可能となる。
【0151】
無線信号、中間周波信号、LO信号の周波数の関係では、第1の実施形態では(6)式、第2の実施形態では(19)式としたが、例えば、(6)式の代わりに(6a)式とし、(19)式の代わりに(19a)式としてもよい。
【0152】
【数16】
Figure 0003639157
すなわち、無線信号、中間周波信号、LO信号の周波数のプラス、マイナスの符号は、いずれかを選択することができる。
【0153】
(その他の実施形態)
上述した第2および第3の実施形態においては、アンテナ4a〜4dにおける送信信号、受信信号の周波数変換に対して、同一の基地局LO信号72a〜72dと制御局LO信号76a〜dを使用する例を説明した。しかし、送信系あるいは受信系の周波数変換用として、異なるLO信号を出力する局部発振器を制御局2及び基地局1に備えてもよい。
【0154】
上述した各実施形態では、中間周波無線信号に対して重み付けを行っているが、局部発振器6,13の出力であるLO信号に対して、重み付けを行ってもよい。但し、LO信号において重み付けを行う場合、第1〜第3の実施形態の副搬送波多重光伝送においては、LO信号の周波数がそれぞれアンテナ素子線路毎に異なるため、LO信号の周波数おける位相に換算して、重み付けを行うのが望ましい。また、第3及び第6の実施形態においては、パワーアンプ35a〜35dの前段部分やローノイズアンプ5a〜5dの後段等の無線周波帯の送信信号や受信信号に対して重み付けを行ってもよい。
【0155】
上述した各実施形態では、位相及び振幅を制御する重み付け回路は、周波数変換された無線信号に対するアナログ信号処理として説明したが、デジタル信号処理で行っても良い。
【0156】
すなわち、受信系においては、受信信号をアナログーデジタル変換して、デジタル信号として重み付け回路に入力する。また送信系においては、デジタル信号処理である重み付け回路の出力をデジタルーアナログ変換して、アナログ信号として基地局側へ伝達する構成でも良い。
【0157】
アダプティブアンテナの信号合成方法は多岐にわたる。本実施形態では、信号合成した後に復調する方式を述べたが、例えば、遅延検波をしてから信号合成をするなど、他の方式で信号合成を行ってもよい。
【0158】
また、本実施形態では、伝送路を光ファイバとして説明を行った。しかしながら、伝送距離が長くない場合には、同軸ケーブルであってもよい。この場合には、電気−光変換器および光−電気変換器は不要になる。
【0159】
また、制御局2及び基地局1における電気―光変換器の電気―光変換方法には、レーザを直接変調する方法と外部光変調器を用いて変調する方法がある。アダプティブアンテナの適用が期待されているITSやWLLで使用されるωRFは、5.8GHz及び22GHz等の高周波帯である。
【0160】
半導体レーザで直接変調できる帯域は、せいぜい数GHzであるため、高周波帯を直接変換する方法としては、外部光変調器を使用することになる。しかし、IC化等により回路要素増加に対しても小型化できる電気回路とは異なり、光回路は小型化することができない。そのため、外部光変調器の使用は、コンポーネントスペースが必要となり構成が複雑になるばかりか、高価である。本実施形態では、中間周波の無線信号を副搬送波多重して光伝送する構成であり、レーザ直接変調方式が採用でき、光送信器の構成を簡易化及び低コスト化することが可能である。
【0161】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数のアンテナ素子で受信した信号を副搬送波多重信号またはスペクトル拡散多重信号に変換して、基地局から制御局に伝送するようにしたため、基地局と制御局間の信号伝送系の構成を簡略化することができる。
【0162】
例えば、基地局と制御局間で光ファイバを用いて信号伝送を行う場合は、送信系と受信系でそれぞれ1本の光ファイバで信号伝送を行えるため、光ファイバの数を削減できるとともに、電気−光変換器における光源の波長制御回路、光伝送部の光合成器、および光分波器も不要となる。
【0163】
したがって、各アンテナ素子に対して一対の電気−光変換器と光−電気変換器を必要とする従来の無線通信システムに比べて、光伝送部分の構成要素を減らすことができ、かつ、基地局の構成を大幅に簡略化および小型化することができる。また、電気系部分に比べてコストの高い光伝送系部品の数を減らすことにより、基地局のコスト低減が図れる。
【0164】
さらに、本発明によれば、基地局に備えたアンテナ素子での受信信号の相対位相差を、制御局側まで原理的に保つことができる。よって、制御局側のビーム演算回路から、この相対位相差情報を基に、基地局のアレーアンテナのビーム放射パターンを制御できる。つまり、基地局側には、ビーム演算回路及び制御回路を備える必要はなく、パッシブな要素の構成で、かつ小型化が可能である。このような利点を備えた基地局を数多く広いエリアに配置させても、信頼性および安定性の高い無線通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】基地局局部発振器の構成を示すブロック図。
【図3】基地局LO信号の波形図。
【図4】(a)は乗算器7aとバンドパスフィルタ8aの入出力信号を示す図、(b)は乗算器14aとバンドパスフィルタ15aの入出力信号を示す図。
【図5】(a)は付加位相差がある場合の波形図、(b)は付加位相差がない場合の波形図。
【図6】本発明に係る無線通信システムの第2の実施形態のブロック図。
【図7】図6の制御局局部発振器13の詳細構成を示すブロック図。
【図8】加算器9で生成される副搬送波多重信号88の周波数スペクトル図。
【図9】基地局局部発振器6の詳細構成を示すブロック図。
【図10】本発明に係る無線通信システムの第3の実施形態のブロック図。
【図11】本発明に係る無線通信システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図。
【図12】(a)は受信信号99の周波数スペクトル図、(b)はスペクトル拡散信号の周波数スペクトル図、(c)はスペクトル拡散多重信号の周波数スペクトル図。
【図13】(a)は拡散器の詳細構成を示すブロック図、(b)は逆拡散器の詳細構成を示すブロック図。
【図14】本発明に係る無線通信システムの第5の実施形態のブロック図。
【図15】本発明に係る無線通信システムの第6の実施形態のブロック図。
【図16】本発明に係る無線通信システムの第7の実施形態のブロック図。
【図17】波長多重伝送を行う従来の無線通信システムのブロック図。
【図18】各アンテナ素子ごとに光ファイバを割り当てた従来の無線通信システムのブロック図。
【符号の説明】
1 基地局
2 制御局
3 光ファイバ
4a〜4d アンテナ素子
5a〜5d ローノイズアンプ
6 基地局局部発振器
7a〜7d 乗算器
8a〜8d バンドパスフィルタ
9 加算器
10,47 電気−光変換器
11,31 光−電気変換器
12,32,42 分配器
13 制御局局部発振器
14a〜14d 乗算器
15a〜15d バンドパスフィルタ
16 ビーム演算回路
17a〜17d 重み付け回路
18 加算器
19 復調器
20 基準発振器
21 分配器
22a〜22d 位相比較器
23a〜23d 電圧制御発振器(VCO)
24a〜24d 分周器
25a〜25d ループフィルタ
33a〜33d 乗算器
34a〜34d バンドパスフィルタ
35a〜35d パワーアンプ
36a〜36d サーキュレータ
43a〜43d 重み付け回路
44a〜44d 乗算器
45a〜45d バンドパスフィルタ
46 加算器
50 波長制御器
51 光合成器
52 光分波器
54 基地局局部発振器
55 分配器
56a〜56d,65a〜65d 拡散器
57a〜57d,64a〜64d 逆拡散器
58,61 拡散符号発生器
59 乗算器
60,63 バンドパスフィルタ
62 乗算器
66a〜66d 移相器

Claims (6)

  1. 無線通信端末と、この無線通信端末と無線通信を行う基地局と、この基地局と有線伝送路を介して接続された制御局とからなる無線通信システムにおいて、
    前記基地局は、
    複数のアンテナ素子からなり前記無線通信端末の位置に応じて指向性を変更可能な可変指向性アンテナと、
    前記複数のアンテナ素子を介して、前記無線通信端末から受信した受信信号をそれぞれ異なる帯域に周波数変換する第1の周波数変換手段と、
    前記第1の周波数変換手段により周波数変換された複数の信号を合波して第1の副搬送波多重信号を生成する第1の副搬送波多重信号生成手段と、
    前記第1の副搬送波多重信号を前記有線伝送路を介して前記制御局に送信する第1の送信手段と、
    前記第1の周波数変換手段に周波数変換の基準となる第1の基準信号を供給する第1の局部発振器と、を有し、
    前記制御局は、
    前記有線伝送路を介して前記基地局から送信された前記第1の副搬送波多重信号を前記複数のアンテナ素子ごとに分波して、同一の周波数帯の信号に周波数変換する第2の周波数変換手段と、
    前記第2の周波数変換手段の出力信号に基づいて、前記複数のアンテナ素子の指向性を制御するための重み係数を求めるビーム演算手段と、
    前記重み係数に基づいて、前記第2の周波数変換手段により周波数変換された複数の信号に対して重み付けを行う第1の重み付け手段と、
    前記第1の重み付け手段で重み付けされた各信号を合波して受信信号を生成する受信信号生成手段と、
    前記第2の周波数変換手段に周波数変換の基準となる第2の基準信号を供給する第2の局部発振器と、を有し、
    前記第2の局部発振器は、前記第2の周波数変換手段が前記複数のアンテナ素子の各受信信号間の相対位相差を維持した信号を出力するように、前記第1の基準信号と所定の位相関係にある前記第2の基準信号を出力することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記制御局は、
    前記可変指向性アンテナから前記無線通信端末に向けて送信される送信信号に相関する信号を、前記複数のアンテナ素子のそれぞれごとに分波する第1の分波手段と、
    前記重み制御信号に基づいて、前記第1の分波手段で分波された各信号に対して重み付けを行う第2の重み付け手段と、
    前記第2の重み付け手段で重み付けされた各信号をそれぞれ異なる帯域に周波数変換する第3の周波数変換手段と、
    前記第3の周波数変換手段により周波数変換された各信号を合波して第2の副搬送波多重信号を生成する第2の副搬送波多重信号生成手段と、
    前記第2の副搬送波多重信号を前記有線伝送路を介して前記基地局に送信する第2の送信手段とを更に有し、
    前記基地局は、
    前記有線伝送路を介して前記制御局から送信された前記第2の副搬送波多重信号を、前記複数のアンテナ素子のそれぞれごとに分波する第2の分波手段と、
    前記第2の分波手段で分波された各信号を同一の周波数帯の信号に周波数変換する第4の周波数変換手段とを更に有し、
    前記複数のアンテナ素子は、前記第4の周波数変換手段で周波数変換された各信号を前記無線通信端末に向けて送信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記基地局および前記制御局のいずれか一方は、
    基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    生成した基準信号を他方の前記基地局または前記制御局に伝送する基準信号送信手段と、を有し、
    前記第1及至前記第4の各周波数変換手段は、前記基準信号生成手段にて生成された同一の基準信号に基づいて周波数変換を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
  4. 前記基地局および前記制御局のいずれか一方は、
    基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    生成した基準信号を他方の前記基地局または前記制御局宛てに前記副搬送波多貫信号に重畳して伝送する基準信号送信手段と、を有し、
    前記第1及至第4の周波数変換手段は、前記基準信号生成手段にて生成された同一の基準信号に基づいて周波数変換を行うことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記基地局には、第1から第nのn本(nは正の整数)のアンテナ素子から構成される可変指向性アンテナを備えており、
    前記基地局および前記制御局の少なくとも一方は、
    前記基地局および前記制御局間の信号伝搬路と、前記基地局および前記制御局内の信号処理とにより発生される位相変動量を補償する位相補償手段を有し、
    前記位相補償手段は、前記可変指向性アンテナの受信信号及び前記可変指向性アンテナヘの送信信号に対して、前記基地局に備えた前記各アンテナ素子と前記制御局とに備えた前記重み付け手段の区間において、各位相変化量φ1〜φnに、
    φ1+2m1π=φ2+2m2π=φ3+2m3π
    =…=φn+2mnπ (m1,…,mnは整数)
    の関係が成り立つようにすることを特徴とする請求項1及至4のいずれかに記載の無線通信システム。
  6. 前記有線伝送路は、光ファイバを用いた伝送路であることを特徴とする請求項1及至5のいずれかに記載の無線通信システム。
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