JP3638550B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体記憶装置に係り、特に、不良セルをスペアセルで置き換えることにより救済する構造において、高速アクセスを行なわせるのに好適な半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21は従来の半導体記憶装置のブロック図であり、特にシリアスアクセスサイクルにおいて、スペア/ノーマル判別を行なう構成を例示するものである。図21に示すように、カウンタ1は、カウンタ出力信号COを出力し、スペアデコーダ2とノーマルセレクタ4とに与える。スペアデコーダ2は、カウンタ出力信号COのアドレスがスペアアドレスかどうかの判定を行ない、スペア/ノーマル判定信号SNJを出力し、これをスペアセレクタ3とノーマルセレクタ4とに与える。スペアセレクタ3は、スペア/ノーマル判定信号SNJに基づいて、スペアカラム選択信号SCSLを出力する。ノーマルセレクタ4は、スペア/ノーマル判定信号SNJに基づいて、ノーマルカラム選択信号NCSLを出力する。これらのスペアカラム選択信号SCSL、ノーマルカラム選択信号NCSLは、図示しないメモリセルに与えられ、スペアカラムまたはノーマルカラムの選択が行なわれる。
【0003】
以上のような構成において、次にその動作を説明する。
【0004】
図示しない手段からのクロック信号に基づいて動作するカウンタ1のカウンタ出力信号COが、スペアアドレスとなったとする。この場合、スペアデコーダ2は、そのことを検出し、出力としてのスペア/ノーマル判定信号SNJを、スペア判定アクティブとする。その結果、スペアセレクタ3はスペアカラム選択信号SCSLをアクティブとし、ノーマルセレクタ4はノーマルカラム選択信号NCSLを非アクティブとする。その結果、メモリセル(図示せず)では不良カラムがスペアカラムに置き換えられる。
【0005】
一方、図示しない手段からのクロック信号に基づいて動作するカウンタ1のカウンタ出力信号COが、ノーマルアドレスとなったとする。この場合、スペアデコーダ2は、そのことを検出して、出力としてのスペア/ノーマル判定信号SNJを、ノーマル判定アクティブとする。その結果、スペアセレクタ3はスペアカラム選択信号SCSLを非アクティブとし、ノーマルセレクタ4はノーマルカラム選択信号NCSLをアクティブとする。その結果、図示しないメモリセルではノーマルカラムが選択され、使用されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体記憶装置は以上のように構成されていた。このため、カウンタ1によるカウンタ出力信号COの出力動作と、このカウンタ出力信号COをスペアデコーダ2に与えてスペア/ノーマル判定信号SNJを得るための動作と、このスペア/ノーマル判定信号SNJに基づくスペアセレクタ3によるスペアカラム選択信号SCSLの出力またはノーマルセレクタ4によるノーマルカラム選択信号NCSLの出力動作との3段階の動作を必要とする。つまり、図示しないメモリセルのアクセスに当たり、スペアカラムとノーマルカラムを選択するために時間がかかり、このため、メモリセルのアクセスの高速化の障害となっていた。
【0007】
この発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解消し、スペアセルとノーマルセルを有するメモリのスペア/ノーマル判定にかかる時間を短縮して、高速動作を可能とした半導体記憶装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体記憶装置は、データを記憶するメモリセルの複数によりノーマルカラムアドレス部分とスペアカラムアドレス部分とが構成されており、カラムアドレス信号に基づくカラム選択信号によってカラムを選択するようにした半導体記憶装置において、
前記カラムアドレス信号と、前記スペアカラムアドレス部分に対応するスペアカラムアドレス信号とを比較して、その比較結果に基づいて、前記カラムアドレス信号がノーマルカラムアドレス信号かスペアカラムアドレス信号かを判定する、比較判定手段を備え、複数の信号からなるスペアアドレスの各々を0か1かによって信号として発生させるスペアアドレス発生回路を具備し、このスペアアドレス発生回路から出力されるスペアアドレス信号とカラムアドレス信号を前記比較判定手段で比較し、その比較結果に基づいて、前記カラムアドレス信号がノーマルカラムアドレス信号かスペアカラムアドレス信号かを判定する比較手段を保持し、入力されたロウアドレスのデコーダによるデコード信号に基づいて前記スペアアドレス発生回路からスペアカラムアドレスを信号として発生させることを特徴とするものである。
【0009】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施例に係る半導体記憶装置のブロック図である。図1に示すように、スペア/ノーマル判定回路5は、スペアセレクタ3からスペアカラム選択信号SCSLが出力されるより前のサイクル、またはノーマルセレクタ4からノーマルカラム選択信号NCSLが出力されるより前のサイクルにおいて、スペア/ノーマル判定信号SNJを出力する。
【0011】
以上述べたような構成において、次にその動作を説明する。
【0012】
スペアセレクタ3がスペアカラム選択信号SCSLを出力するか、またはノーマルセレクタ4がノーマルカラム選択信号NCSLを出力するサイクルに入る時点よりも前に、スペア/ノーマル判定回路5は、スペア/ノーマル判定信号SNJを確定させておく。その結果、スペア/ノーマル判定を行なう分の時間が短縮される。このため、カウンタ1からのカウンタ出力信号COに基づいて、メモリアクセスの高速化を実現することができる。
【0013】
図2は、図1に示した半導体記憶装置の具体例のブロック図である。図2において、カラムアドレスバッファ6は、外部から入力されたカラムアドレスAcを取り込む。同期式カウンタ7は、カラムアドレス確定基準信号RWLに基づき、カラムアドレスバッファ6よりカラムアドレスを取り込む。このカウンタ7は、シリアルサイクルにおいては、クロックCLKおよびその反転クロックNCLKに基づき、選択すべきカラムアドレスをカウンタ出力信号COとして出力すると共にスペアデコーダ2に出力準備信号OPを与える。
【0014】
図3は、図2における同期式カウンタ7のうちのカウンタ1段分の構成を示すものである。図3に示すように、前段の桁上げ信号を受け付けるノードN2は、ナンド回路8とオア回路9とに接続される。ナンド回路8の出力は、インバータ回路10とナンド回路11とに与えられる。オア回路9の出力はナンド回路11に与えられる。ナンド回路11の出力であるノードN6は、クロックドインバータ12に入力される。クロックドインバータ12の出力であるノードN7は、クロックドインバータ13に与えられる。クロックドインバータ13の出力は、インバータ14を通じて、ノードN3、つまりカウンタ当該段の出力に接続される。なお、インバータ14の出力は、ナンド回路8とオア回路9とに与えられる。また、インバータ回路10の出力であるノードN1は、後段への桁上げ信号を送出する。クロックドインバータ13にはクロックCLKが与えられる。クロックドインバータ12にはクロックCLKの反転信号であるクロックNCLKが与えられる。
【0015】
図3の構成を1段分とし、これをn個直列に配置することにより、n段の同期式カウンタ7を構成することができ、クロックCLKに同期して全ての段が一斉にカウンタ動作をする同期式の動作を実現することができる。つまり、クロックCLKに基づいてカウンタ出力信号COの1段分をノードN3に出力すると、前段からの桁上げ信号であるノードN1の状態と自段の出力であるノードN3の値とが確定する。そして、これらのノードN1、N3の値により、この同期式カウンタ7の当該段が次のクロックCLKで桁上げすべきがどうかを判断する。つまり、ナンド回路8、オア回路9、ナンド回路11の排他的論理和構成に基づいて判断して、ノードN6に、その判断結果を伝える。次に、クロックNCLKが入ると、ノードN6の状態が、つまり同期式カウンタ7中の当該段が次のカウンタ出力信号COに反映される信号が、ノードN7に伝達される。
【0016】
以上述べたような構成において、次にその動作を説明する。
【0017】
当初、図2のカラムアドレス確定基準信号RWLに基づいて、カラムアドレスバッファ6から、同期式カウンタ7に、カラムアドレスがセットされる。この動作は、図示しないが、図3のノードN6またはN7を強制的にプリセットすることにより実施される。一方、図3に示す構成のn段分を直列に配置して同期式カウンタ7を構成する。この場合、それぞれの段のノードN3のカウンタ出力信号COをノーマルセレクタ4に与え、それぞれの段のノードN7の出力準備信号OPをスペアデコーダ2に与える。その結果、この同期式カウンタ7は、クロックCLKでカウンタ出力信号COを確定する。これに先立って、クロックNCLKで、カウンタ出力信号COと全く同じ状態の信号が、出力準備信号OPとして出力されていることになる。つまり、同期式カウンタ7からカウンタ出力信号COが出力される前に、スペアデコーダ2には、出力準備信号OPとしてカウンタ出力信号COと全く同じアドレス信号が与えられる。このため、スペアデコーダ2では、当該アドレスで、スペアカラムを使用すべきか、ノーマルカラムを使用すべきかの判別を実施して、スペア/ノーマル判定信号SNJを、ノーマルセレクタ4とスペアセレクタ3とに与えておくことができる。そして、実際に、同期式カウンタ7からカウンタ出力信号COとしてアドレスが出力される時点では、ノーマルカラム選択信号NCSLをアクティブにするか、あるいはスペアカラム選択信号SCSLをアクティブにするか、が決定されている。このため、カウンタ出力信号COを見て、ノーマルアドレスか、スペアアドレスか、を判断する場合に比べて、図示しないメモリセルのアクセス時間を短縮することができる。ちなみに、カラムアドレスバッファ7の出力を、出力準備信号OPとして、スペアデコーダ2に与えることにより、事前のスペアアドレスの判別を行なう。
【0018】
図4は、図2に示したスペアデコーダ2の回路構成の一例を示す回路構成図である。図4において示すように、電源レベルのノードN15には、P型MOSトランジスタ15のソースが接続されている。ノードN14にはドレインが接続される。なお、P型MOSトランジスタ15のゲートには、ノードN13が接続される。一方、ノードN14には複数のヒューズ17、19、21、23、25が接続される。それぞれのヒューズ17、19、21、23、25にはN型MOSトランジスタ16、18、20、22、24のドレインが接続される。N型MOSトランジスタ16、18、20、22、24のソースは接地レベルとなっており、それぞれのゲートにはノードN8〜N12が接続される。そして、ノードN8〜NNには、出力準備信号OPに含まれるアドレスの各ビットであるA1と、A1の反転信号であるNA1と、A2と、その反転信号であるAN2と、以下同様のANと、ANの反転信号であるNANまでが接続される。そして、ヒューズ17、19、21、23、…、25のうち、図示しないメモリセルのスペアアドレスに対応するものは、予め切断しておく。
【0019】
以上述べたような構成において、次にその動作を説明する。
【0020】
このスペアデコーダ2のノードN8〜NNには同期式カウンタ7から出力準備信号OP、つまり図3に示したノードN7の信号とその反転信号がA1、NA1、A2、NA2、…、NANとして入力される。ここで、ヒューズ17、19、21、23、…、25のうち、スペアアドレスをゲート入力とするN型MOSトランジスタ16、18、20、22、…、24のドレインにつながるものだけを、予め切断しておく。そして、ノードN13にプリチャージ信号を入力し、ノードN15からノードN14に電荷を供給する。この時に、ノードN14から接地レベルにつながるパスができなければノードN14は電源電圧にプリチャージされ、接地レベルにつながるパスがあればノードN14は放電される。つまり、ノードN8〜NNに与えられるアドレス信号に対応して、N型MOSトランジスタ16、18、20、22、…、24は選択的にオンする。ここでオンしたトランジスタに対応するヒューズ17、19、21、23、…、25が切断されていれば、ノードN14は電源電圧にプリチャージされる。一方、オンしたトランジスタに対応するヒューズ17、19、21、23、…、25の内で一本でも未切断状態にあれば、ノードN14はこの未切断のヒューズとそれに対応するトランジスタとを通じて放電される。つまり、同期式カウンタ7からスペアデコーダ2に与えられた出力準備信号OPのアドレスが、スペアアドレスに対応するものであった場合は、ノードN14から出力されるスペア/ノーマル判定信号SNJの状態は電源電圧となり、それ以外の場合は、スペア/ノーマル判定信号SNJは接地レベルとなる。したがって、ノードN8〜NNに与えられている出力準備信号OPのアドレスが、スペアアドレスかあるいはそれ以外のアドレスかによって、スペア/ノーマル判定信号SNJが確定する。このため、同期式カウンタ7から出力されるカウンタ出力信号COのアドレスが、スペアアドレスか否かを、事前に判別することができる。
【0021】
以上の動作を順を追って示したのが図5のタイミングチャートである。図5において、(A)は外部から動作タイミングを定めるべく与えられるシステムクロックSCLK、(B)はこのメモリチップを選択するチップイネーブル信号CE、(C)はカラムアドレスを確定するタイミングの基準となるカラムアドレス確定基準信号RWL、(D)はこのメモリセルに与えられるアドレス、(E)は同期式カウンタ7の動作の基準となる内部クロックICLK、(F)は内部クロックICLKに基づいて作られる同期式カウンタ7の駆動信号であるクロックCLK、(G)は同期式カウンタ7の出力信号であるカウンタ出力信号CO、(H)はカウンタ出力信号COに先立って同期式カウンタ7から出力される出力準備信号OP、(I)はスペアセレクタ3、ノーマルセレクタ4の駆動信号、(J)はカラムアドレス確定基準信号RWLに基づいて作られるパルス、(K)はスペアデコーダ2に与えられるプリチャージ信号、(L)はスペアデコーダ2から出力されるスペア/ノーマル判定信号SNJ、(M)はノーマルセレクタ4から出力されるノーマルカラム選択信号NCSL、(N)はスペアセレクタ3から出力されるスペアカラム選択信号SCSLを、それぞれ示すものである。
【0022】
図5(B)に示すように、時刻t0において当該メモリチップを選択するチップイネーブル信号CEが入力されると、ロウアドレスを確定するタイミングの基準が与えられることになる。次に、同図(C)に示すように、時刻t1で、カラムアドレスを確定するタイミングの基準となるカラムアドレス確定基準信号RWLが与えられる。つまり、チップイネーブル信号CEがレベル“L”からレベル“H”に変化することによりロウアドレスが確定し、カラムアドレス確定基準信号RWLレベル“H”に変化することによりカラムアドレスが確定することになる。そして、次に同図(A)に示す最初のシステムクロックSCLKの立ち上がりの時刻t2より、最初の1サイクルが始まる。そして、システムクロックSCLKの立ち上り毎に次から次のサイクルに移行する。
【0023】
さて、カラムアドレス確定基準信号RWLがレベル“H”になった後で、同図(E)に示すように、システムクロックSCLKに同期した内部クロックICLKを発生させる。そして、この内部クロックICLKの立ち上がり時刻t2を利用して、同図(F)に示すように、時刻t21に立ち下がる、同期式カウンタ7を駆動するクロックCLKを作る。そして、カラムアドレス確定基準信号RWLをレベル“H”へと変化させた時刻t1に、カラムアドレス確定基準信号RWLに基づいて発生する同図(J)のパルス信号により、同期式カウンタ7の出力準備ノードに、外部からのカラムアドレスを、取り込む。このアドレスAD1は、図3におけるノードN3、ノードN6に伝達され、図5(H)に示すように、同期式カウンタ7から出力準備信号OPとして出力されるが、図3の回路を用いた場合にはインバータ13,14の遅延後に、同図(G)に示すように、カウンタ出力信号COとしても送出される。一方、同図(J)に示すパルス信号に基づいて、同図(K)に示すように、図4のノードN13に与えられるプリチャージ信号が作られる。これにより同期式カウンタ7より出力される出力準備信号OPのアドレスが、ノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定が、スペアデコーダ2により行なわれ、同図(L)に示すように、スペア/ノーマル判定信号SNJが出力される。ちなみに、スペア/ノーマル判定信号SNJは、プリチャージ信号がレベル“L”になることにより確定し、プリチャージ信号がレベル“H”になった場合はその状態を保持する。
【0024】
次に、図5(F)に示すように、時刻t3に、クロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になる。一方、図5に示されるように、内部クロック(F)に基づいてスペアセレクタ/ノーマルセレクタの駆動信号(I)が出力され、これに基づいて、プリチャージ信号(K)を出力する。このプリチャージ信号(K)に基づいて、スペア/ノーマル判定信号SNJを確定させる。その結果、同図(M)、(N)に示すように、出力準備信号OPに基づき、これがノーマルアドレスの場合はノーマルカラム選択信号NCSLがレベル“H”となり、スペアアドレスの場合はスペアカラム選択信号SCSLがレベル“H”となる。一方、図5(F)に示すように、時刻t3に、クロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になると、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPのアドレス、つまり次のアドレスAD2が確定する。さらに、クロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になるのに伴い、図5(K)に示すように時刻t31で図4のノードN13に与えられるプリチャージ信号が作られる。これにより、同期式カウンタ7より出力される出力準備信号OPのアドレスAD2が、ノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定が、スペアデコーダ2により行なわれ、同図(L)に示すように、スペア/ノーマル判定信号SNJが出力される。
【0025】
次に、時刻t4で、システムクロックSCLKが立ち上がると次のサイクルに入り、内部クロックICLKが立ち上がり、これに伴い時刻t41でクロックCLKがレベル“H”からレベル“L”に遷移する。これに伴い、同期式カウンタ7からのカウンタ出力信号COは次のアドレスAD2を出力する。これに先立つ時刻t3の時点で、つまりクロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になった時点で、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPは、次のアドレスAD2を出力している。従って、スペアデコーダ2は、同図(K)に示す時刻t31の時点で、レベル“L”となるプリチャージ信号に基づき、同図(L)に示すように、スペア/ノーマル判定信号SNJを出力している。このため、同期式カウンタ7から時刻t4のカウンタ出力信号COで、アドレスAD2が確定する。この時点では、このアドレスがノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定は終了している。そして、時刻t5の時点、つまりクロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になった時点で、同図(M)、(N)に示すように、ノーマルカラム選択信号NCSLまたはスペアカラム選択信号SCSLが出力される。
【0026】
さて、図5(K)に示すスペア/ノーマル判定信号SNJを作るためのプリチャージ信号は、通常状態では、同期式カウンタ7を駆動するクロックCLKがレベル“L”からレベル“H”に変化する状態を受けて作られる。しかし、最初は、カラムアドレス確定基準信号RWLがレベル“L”からレベル“H”になったことを条件として作られる。これは、カラムアドレス確定基準信号RWLが与えられ、カラムアドレスバッファ6から同期式カウンタ7に最初にカラムアドレスが与えられたときのアドレスが、ノーマルアドレスであるかあるいはスペアアドレスであるかを判定するためである。つまり、第1番目のサイクルでのスペア/ノーマル判定信号SNJを作るためである。
【0027】
図6は、本発明の他の実施例の半導体記憶装置のブロック図である。図6において、デコーダ46はチップイネーブル信号CEにより確定するロウアドレスRAに基づいて、メモリルのアレイを選択するアレイ選択信号ASを発生する。スペアアドレス発生回路47は、デコーダ46からのアレイ選択信号ASに基づいて、スペアアドレスSAとスペアアドレス使用信号SUを発生する。ラッチ部48は、スペアアドレス発生回路47からの信号をラッチする。比較回路49は、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPとラッチ部48からのスペアアドレスとを比較する。スペア/ノーマル判定信号発生回路50は、比較回路49からの比較結果とラッチ部48からのスペアアドレス使用信号SUとを受けて、スペアアドレスSAを使用するかあるいはノーマルアドレスを使用するかの、スペア/ノーマル判定信号SNJを発生する。
【0028】
以上のような構成において、次にその動作を説明する。
【0029】
チップイネーブル信号CEによりロウアドレスRAが確定する。これをデコーダ46によりデコードすることにより、どのセルアレイが選択されるかが決定される。これを示すのが、デコーダ46から出力されるアレイ選択信号ASである。このアレイ選択信号ASは、チップイネーブル信号CEがレベル“H”に遷移してロウアドレスRAを確定した時点で、発生する。この信号ASによって選択されるセルアレイに対するスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUを、スペアアドレス発生回路47により、発生する。ここでスペアアドレスSAとは、当該アレイにおける不良アドレスであり、ヒューズカット等により信号として発生される。また、スペアアドレス使用信号SUは、発生したスペアアドレスSAと同期式カウンタ7からの出力準備信号OPとが一致した場合に、スペアアドレスSAに置き換えるかどうかの判定に用いる。この信号SUは、不良アドレスをスペアアドレスに置き換える必要のない場合にも、スペアアドレス発生回路47からは何らかのアドレスが出力されており、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPがたまたまこのアドレスと一致してしまった場合に不必要なスペアアドレスSAへの置き換えを避けるためのものである。そして、スペアアドレス使用信号SUがスペアアドレスSAを使用することを示し、且つ同時に同期式カウンタ7からの出力準備信号OPがスペアアドレスSAに一致した時のみ、スペアアドレスSAへの置き換えを行なう。これにより、スペアカラムに不良が存在して、スペアアドレスSAへの置き換えを行なってはならないような場合の不正な置き換えを防止することができる。
【0030】
ラッチ部48は、スペアアドレス発生回路47で発生したスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUを、必要な時間だけラッチする。そして、比較回路49は、ラッチ部48にラッチされたスペアアドレスSAと同期式カウンタ7から出力される出力準備信号OPのアドレスとを比較する。その比較結果は、スペア/ノーマル判定信号発生回路50に出力される。なお、カラムアドレスバッファ6から、同期式カウンタ7に、アドレスを読み込んだ直後の第1番目のサイクルにおいては、カラムアドレス確定基準信号RWLがレベル“H”になったことを条件として、カラムアドレスバッファ6からのカラムアドレスを、同期式カウンタ7の出力準備信号OPを出力するためのノードに取り込む。これにより、事前にスペア/ノーマルの判定を実施することができる。また、同期式カウンタ7が動作を開始した2番目のサイクル以降は、図3のノードN6またはN7の信号を用いることにより、事前に次のアドレスを示す出力準備信号OPを得ることができる。そして、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPと、ラッチ部48からのスペアアドレスSAとを、比較回路49にて比較する。これにより、同期式カウンタ7からのノーマルアドレスと、これに置き換えるべきスペアアドレスのいずれを使用すべきかの判定が可能となる。
【0031】
比較回路49における比較の結果、スペアアドレスSAが出力準備信号OPと一致し且つスペアアドレス使用信号SUがスペアアドレスの使用を示している時にのみ、スペア/ノーマル判定信号発生回路50は、必要なタイミングで、スペアアドレスを使用することを示す信号を、スペア/ノーマル判定信号SNJとして出力する。これに対して、スペアアドレスSAが出力準備信号OPと一致していなかった場合は、スペア/ノーマル判定信号発生回路50は、ノーマルアドレスを使用することを示す信号を、スペア/ノーマル判定信号SNJとして、出力する。
【0032】
さて、スペア/ノーマル判定信号SNJがノーマルアドレスの使用を示している場合は、ノーマルセレクタ4は、同期式カウンタ7からのカウンタ出力信号COに応じて、ノーマルカラム選択信号NCSLを出力し、スペアセレクタ3はスペアカラム選択信号SCSLを出力しない。一方、スペア/ノーマル判定信号SNJがスペアアドレスを示している場合は、ノーマルセレクタ4はノーマルカラム選択信号NCSLを出力せず、スペアセレクタ3からスペアカラム選択信号SCSLが出力される。
【0033】
図6におけるスペアアドレス発生回路47の具体的構成例を、図7に示す。図7において、ノードNaは充電用のP型MOSトランジスタ26〜29のゲートに接続され、ノードNbは放電用のN型MOSトランジスタ30のゲートに接続される。P型MOSトランジスタ26〜29のドレインにはヒューズ36〜39が接続され、ヒューズ36〜39の他端はN型MOSトランジスタ30のドレインに接続される。なお、スペアアドレスSAはP型MOSトランジスタ26〜28のドレインから導出され、スペアアドレス使用信号SUはP型MOSトランジスタ29のドレインから導出される。
【0034】
図7の構成の動作を図8のタイミングチャートに従って説明する。ちなみに、図8(A)はアレイ選択信号AS、同図(B)はノードNaの状態、同図(C)はノードNbの状態、同図(D)はスペアアドレスSA、スペアアドレス使用信号SUの出力状態をそれぞれ示すものである。最初、ノードNaもノードNbもレベル“L”となっており、スペアアドレスSAとスペアアドレス使用信号SUのノードはレベル“H”に充電されている。アレイ選択信号ASが入力されると、選択されたアレイに対応するヒューズ36〜39に対応するP型MOSトランジスタ26〜29のゲートにつながるノードNaをレベル“H”とする。続いて、N型MOSトランジスタ30のゲートにつながるノードNbをレベル“H”とする。その結果、ヒューズ36〜39のうち、カットされているものに対応するP型MOSトランジスタ26〜29のドレインは放電されず、カットされていないものに対応するP型MOSトランジスタ26〜29のドレインは放電される。従って、スペアアドレスSAとスペアアドレス使用信号SUは、ヒューズ36〜39のカットの状態に応じた組み合わせで出力される。ちなみに、ノードNaをレベル“H”にするタイミングとノードNbをレベル“H”にするタイミングとをずらすことにより貫通電流の発生を防止することができる。
【0035】
ちなみに、図4の構成では、ノードN13をゲートとするP型MOSトランジスタ15による充電(プリチャージ)時には、ノードN8〜N12の入力がスペアアドレスでない場合に常に貫通電流が流れていた。これに対して、図7の構成では貫通電流を防止できるという利点がある。また、図4の構成では、スペアデコーダ2に入力するN個のアドレスラインに対して2N個のヒューズが必要であった。これに対して、図7の構成では(N+1)個のヒューズでよい。このため、(N−1)個のヒューズが節約できる。メモリチップ上でヒューズの占めるチップ面積は大きい。このため、これによりチップ面積が削減され、製造コストを低減することができる。また、使用できるヒューズの数を増やすこともできる。増した場合は、不良セルの救済率を向上できるので、半導体記憶装置の歩留まりが向上する。また、シリアスアクセスにおいては、図4では、各サイクルごとにヒューズを使用してスペア/ノーマルの判定のために貫通電流を流している。これに対して、図7の構成では、1つのロウアドレスに対してヒューズを使用するのは1回であり、貫通電流も流れないので、電流の消費を大幅に低減することができる。
【0036】
なお、図7では、トランジスタ30を1つとして各ビットで共通に使用している。しかし、トランジスタ30を各ビット毎に設けることもできる。この場合において、各ビットの各トランジスタ30のソースと低圧側電源との間にそれぞれヒューズ36〜39を設けることもできる。この場合にも、図7と同様の機能が得られる。
【0037】
なお、図9は、図6の構成におけるスペアアドレス発生回路の他の例を示す回路構成図である。図9において示すように、ノードNaはP型MOSトランジスタ31のゲートに接続され、ノードNbはN型MOSトランジスタ32〜35のゲートに接続される。P型MOSトランジスタ31のドレインにはヒューズ36〜39が接続され、各ヒューズ36〜39にはN型MOSトランジスタ32〜35のドレインが接続される。なお、N型MOSトランジスタ32〜34のドレインからはスペアアドレスSAが出力され、N型MOSトランジスタ35のドレインからはスペアアドレス使用信号SUが出力される。
【0038】
図9の構成の動作を図10のタイミングチャートに従って説明する。ちなみに、図10(A)はアレイ選択信号AS、同図(B)はノードNaの状態、同図(C)はノードNbの状態、同図(D)はスペアアドレスSA、スペアアドレス使用信号SUの出力状態をそれぞれ示すものである。最初、ノードNaもノードNbもレベル“H”となっており、スペアアドレスSAとスペアアドレス使用信号SUのノードはレベル“L”に放電されている。アレイ選択信号ASが入力されると、選択されたアレイに対応するヒューズ36〜39に対応するN型MOSトランジスタ32〜35のゲートにつながるノードNbをレベル“L”とし、続いてP型MOSトランジスタ31のゲートにつながるノードNaをレベル“L”とする。その結果、ヒューズ36〜39のうち、カットされているものに対応するN型MOSトランジスタ32〜35のドレインは充電されず、カットされていないものに対応するP型MOSトランジスタ26〜29のドレインは充電される。従って、スペアアドレスSAとスペアアドレス使用信号SUは、ヒューズ36〜39のカットの状態に応じた組み合わせで出力される。ちなみに、ノードNbをレベル“L”にするタイミングとノードNaをレベル“L”にするタイミングとをずらすことにより、貫通電流の発生を防止することができる。ちなみに、図9の構成では、図7の構成と異なり、ヒューズカットについて逆の信号を準備する必要がある。
【0039】
なお、図9では、トランジスタ31を1つとして各ビットで共通に使用している。しかし、トランジスタ31を各ビット毎に設けることもできる。この場合において、高圧側電源と各ビットの各トランジスタ31のソースとの間にヒューズ36〜39を設けることもできる。この場合にも、図9と同様の機能が得られる。
【0040】
ちなみに、図7、図9からわかるように、スペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUのノードのうち、ヒューズカットされているものは、フローティングとなる。このフローティング状態による信号の不確定を避けるため、ノードNa、ノードNbへの信号により得られたスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUを、ラッチ部48にラッチしておく。そして、ラッチ部48においてラッチしたスペアアドレスSAを比較回路49に入力し、スペアアドレス使用信号SUをスペア/ノーマル判定信号発生回路50に入力する。
【0041】
図12は、ラッチ部48および比較回路49の詳細な構成を示す回路ブロック図である。図12において示すように、クロックドインバータ51とインバータ52は、スペアアドレスSAを保持する機能を実現している。ラッチ部48にラッチされたスペアアドレスSAと、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPの各ビットとは、共に、ナンド回路53とノア回路54に入力される。ノア回路54の出力はインバータ回路55により反転されてナンド回路56に入力され、ナンド回路53の出力はそのままナンド回路56に入力される。
【0042】
以上のような構成において、ナンド回路53と、ノア回路54と、インバータ回路55と、ナンド回路56とが排他的論理和回路を構成しており、スペアアドレスSAと出力準備信号OPとが一致していると、ナンド回路56から、一致信号を、レベル“H”で出力する。
【0043】
図13は、ラッチ部48および比較回路49の詳細な構成の他の例を示す回路ブロック図であり、ノア回路54とインバータ回路55の直列回路を、オア回路57で、置き換えた構成を示しており、その作用は図12の構成と同じである。
【0044】
図14は、ラッチ部48および比較回路49の詳細な構成の別の例を示す回路ブロック図である。図14に示すように、出力準備信号OPのビットは、P型MOSトランジスタ58とN型MOSトランジスタ59のゲートとに与えられる。一方、スペアアドレスSAは、ラッチ部48でラッチされた反転のビットがN型MOSトランジスタ61のゲートに入力され、ラッチ部48でラッチされた非反転のビットがP型MOSトランジスタ60のゲートに入力される。
【0045】
以上のような構成において、スペアアドレスSAがレベル“L”の場合はP型MOSトランジスタ60とN型MOSトランジスタ61が共にオンして出力準備信号OPをそのまま比較結果として出力する。つまり、出力準備信号OPがレベル“L”ならレベル“L”を、出力準備信号OPがレベル“H”ならばレベル“H”を出力する。なお、出力準備信号OPがレベル“H”の場合はN型MOSトランジスタ59がオンで、P型MOSトランジスタ58がオフであるが、この場合、N型MOSトランジスタ59を通じてレベル“H”が判定結果に出力され、出力準備信号OPがレベル“L”の場合はN型MOSトランジスタ59がオフで、P型MOSトランジスタ58がオンであるが、この場合、P型MOSトランジスタ58を通じてレベル“L”が判定結果に出力される。これに対して、スペアアドレスSAがレベル“H”の場合は、P型MOSトランジスタ60とN型MOSトランジスタ61が共にオフする。なお、出力準備信号OPがレベル“H”の場合は、N型MOSトランジスタ59がオンで、P型MOSトランジスタ58がオフである。この場合、N型MOSトランジスタ59を通じてレベル“L”が判定結果に出力され、出力準備信号OPがレベル“L”の場合はN型MOSトランジスタ59がオフで、P型MOSトランジスタ58がオンであるが、この場合、P型MOSトランジスタ58を通じてレベル“H”が判定結果に出力される。つまり、出力準備信号OPとスペアアドレスSAが一致している場合にはレベル“L”が、不一致の場合はレベル“H”が比較結果として出力されることになる。
【0046】
図15は、ラッチ部48および比較回路49の詳細な構成の更に別の例を示す回路ブロック図である。図15において示すように、出力準備信号OPのビットは、P型MOSトランジスタ58とN型MOSトランジスタ59のそれぞれのゲートに与えられる。一方、スペアアドレスSAは、ラッチ部48でラッチされた反転のビットがP型MOSトランジスタ60のゲートに入力され、ラッチ部48でラッチされた非反転のビットがN型MOSトランジスタ61のゲートに入力される。
【0047】
以上のような構成において、スペアアドレスSAがレベル“H”の場合は、P型MOSトランジスタ60とN型MOSトランジスタ61とが共にオンして、出力準備信号OPをそのまま比較結果として出力する。つまり、出力準備信号OPがレベル“H”ならレベル“H”を、出力準備信号OPがレベル“L”ならばレベル“L”を出力する。なお、出力準備信号OPがレベル“H”の場合は、N型MOSトランジスタ59がオンで、P型MOSトランジスタ58がオフである。この場合、N型MOSトランジスタ59を通じて、レベル“H”が判定結果に出力される。出力準備信号OPがレベル“L”の場合は、N型MOSトランジスタ59がオフで、P型MOSトランジスタ58がオンである。この場合、P型MOSトランジスタ58を通じて、レベル“L”が判定結果に出力される。これに対して、スペアアドレスSAがレベル“L”の場合は、P型MOSトランジスタ60とN型MOSトランジスタ61とが共にオフする。なお、出力準備信号OPがレベル“H”の場合はN型MOSトランジスタ59がオンで、P型MOSトランジスタ58がオフである。この場合、N型MOSトランジスタ59を通じて、レベル“L”が判定結果に出力される。出力準備信号OPがレベル“L”の場合は、N型MOSトランジスタ59がオフで、P型MOSトランジスタ58がオンである。この場合、P型MOSトランジスタ58を通じて、レベル“H”が判定結果に出力される。つまり、出力準備信号OPとスペアアドレスSAが一致している場合にはレベル“H”が、不一致の場合はレベル“L”が、比較結果として、出力されることになる。
【0048】
以上の動作を順を追って示したのが図11のタイミングチャートである。図11において、(A)は外部から動作タイミングを定めるべく与えられるシステムクロックSCLK、(B)はこのメモリチップを選択するチップイネーブル信号CE、(C)はカラムアドレスを確定するタイミングの基準となるカラムアドレス確定基準信号RWL、(D)はこのメモリセルに与えられるロウアドレスRAおよびカラムアドレスCA、(E)は同期式カウンタ7の動作の基準となる内部クロックICLK、(F)は内部クロックICLKに基づいて作られる同期式カウンタ7の駆動信号であるクロックCLK、(G)は同期式カウンタ7の出力信号であるカウンタ出力信号CO、(H)はカウンタ出力信号COに先立って同期式カウンタ7から出力される出力準備信号OP、(I)はデコーダ46からスペアアドレス発生回路47に与えられるアレイ選択信号AS、(J)はスペアアドレス発生回路47から出力されラッチ部48に与えられるスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SU、(K)はラッチ部48にラッチされ出力されるスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SU、(L)はスペアセレクタ3、ノーマルセレクタ4の駆動信号、(M)は比較回路49の比較結果出力、(N)はスペア/ノーマル判定信号発生回路50から出力されるスペア/ノーマル判定信号SNJ、(O)はノーマルセレクタ4から出力されるノーマルカラム選択信号NCSL、(P)はスペアセレクタ3から出力されるスペアカラム選択信号SCSLを、それぞれ示すものである。
【0049】
同図(B)に示すように、時刻t0において、当該メモリチップを選択するチップイネーブル信号CEが入力されると、これに基づき、同図(I)に示すように、デコーダ46からスペアアドレス発生回路47に対して、アレイ選択信号ASが出力される。その結果、同図(J)に示すように、時刻t01でスペアアドレス発生回路47からスペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUが出力される。更に、同図(K)に示すように、時刻t02で、これらの信号がラッチ部48にラッチされ出力される。
【0050】
次に、同図(C)に示すように、時刻t1で、カラムアドレスを確定するタイミングの基準となるカラムアドレス確定基準信号RWLが与えられる。つまり、チップイネーブル信号CEがレベル“L”からレベル“H”に変化することによりロウアドレスが確定し、カラムアドレス確定基準信号RWLレベルが“H”に変化することによりカラムアドレスが確定することになる。そして、次にくる最初のシステムクロックSCLKの立ち上がりの時刻t2より最初の1サイクルが始まる。そして、システムクロックSCLKの立ち上り毎に、順次のサイクルに移行する。
【0051】
さて、カラムアドレス確定基準信号RWLがレベル“H”になった後で、システムクロックSCLKに同期した内部クロックICLKを発生させる。そして、この内部クロックICLKの立ち上がり時刻t2を利用して、時刻t21に、立ち下がる、同期式カウンタ7を駆動するクロックCLKを作る。そして、カラムアドレス確定基準信号RWLをレベル“H”へと変化させた時刻t1に、カラムアドレス確定基準信号RWLに基づいて、同期式カウンタ7の出力準備ノードに、カラムアドレスバッファ6からのカラムアドレスを取り込む。このアドレスAD1は、図3において、ノードN3、ノードN6に伝達され、図5(H)に示すように、同期式カウンタ7から出力準備信号OPとして出力される。そして、直ちに、同図(G)に示すように、カウンタ出力信号COとしても送出される。これにより、同期式カウンタ7より出力される出力準備信号OPのアドレスが、ノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定が、比較回路49により行なわれる。そして、同図(M)に示すように、比較結果が得られ、スペア/ノーマル判定信号発生回路50に与えられる。そして、同図(N)に示すように、スペア/ノーマル判定信号発生回路50からは、比較回路49からの比較結果と、スペアアドレス発生回路47からのスペアアドレス使用信号SUとに基づいて、スペア/ノーマル判定信号SNJが出力される。
【0052】
次に、図11(F)に示すように、時刻t3にクロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になると、同図(L)に示すように、スペアセレクタ3、ノーマルセレクタ4において、スペア/ノーマル判定信号SNJを確定する信号が出力される。その結果、同図(O)、(P)に示すように、出力準備信号OPに基づき、これがノーマルアドレスの場合はノーマルカラム選択信号NCSLがレベル“H”となり、スペアアドレスの場合はスペアカラム選択信号SCSLがレベル“H”となる。
【0053】
一方、図11(F)に示すように、時刻t3にクロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になると、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPのアドレス、つまり次のアドレスAD2が確定する。これにより同期式カウンタ7より出力される出力準備信号OPのアドレスAD2が、ノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定が、比較回路49とスペア/ノーマル判定信号発生回路50とにより行なわれ、同図(N)に示すように、スペア/ノーマル判定信号SNJが出力されることになる。
【0054】
次に、時刻t4でシステムクロックSCLKが立ち上がると、次のサイクルに入り、内部クロックICLKが立ち上がり、これに伴い同図(F)に示すように、時刻t41でクロックCLKがレベル“H”からレベル“L”に遷移する。これに伴い、同期式カウンタ7からのカウンタ出力信号COは、次のアドレスAD2を出力する。これに先立つ時刻t3の時点で、つまり、クロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になった時点で、同期式カウンタ7からの出力準備信号OPは次のアドレスAD2を出力している。従って、スペア/ノーマル判定信号発生回路50は、同図(N)に示す時刻t31の時点で、スペア/ノーマル判定信号SNJを出力している。このため、同期式カウンタ7から時刻t4に基づくカウンタ出力信号COがアドレスAD2が確定した時点では、このアドレスがノーマルアドレスかあるいはスペアアドレスかの判定は終了している。そして、時刻t5の時点で、クロックCLKがレベル“L”からレベル“H”になった時点で、同図(O)、(P)に示すように、ノーマルカラム選択信号NCSLまたはスペアカラム選択信号SCSLが出力される。
【0055】
図16は、図6の構成の詳細な構成例を示すブロック図であり、4MのDRAMを16個のセルアレイに分割した構成を例示しており、チップ全体の半分におけるスペアとノーマルの判別を行なっている。同図16において示すように、比較回路前段部491と比較回路後段部492とは、両方で、図6の比較回路49の機能を実現する。
【0056】
同図16の構成において、2系統のロウアドレスRAにより、図では2つ、チップ全体では4つのセルアレイが選択される。そして、各アレイに1つづつスペアアドレス発生回路47が設けられており、スペアアドレスSA1〜SA9とスペアアドレス使用信号SUを発生する。そして、比較回路前段部491による比較結果に、比較回路後段部492によるスペアアドレス使用信号SUを加味した判別による比較結果を、スペア/ノーマル判定信号発生回路50に出力する。その結果、スペア/ノーマル判定信号発生回路50から、スペア/ノーマル判定信号SNJを得ることができる。ちなみに、図16の構成の場合、スペアアドレス発生回路47に必要な全ヒューズの数は160個となる。
【0057】
図17は、図6の構成の詳細な構成の他の例を示すブロック図であり、図16と同様に4MのDRAMを16個のセルアレイに分割した構成を例示しており、チップ全体の半分におけるスペアとノーマルの判別を行なっている。同図において示すように、比較回路前段部491と比較回路後段部492とは、両方で、図6の比較回路49の機能を実現する。
【0058】
同図17の構成において、2系統のロウアドレスRAにより、図では2つ、チップ全体では4つのセルアレイが選択される。そして、2つのアレイに共通のスペアアドレス発生回路47が2つづつあり、スペアアドレスSA1〜SA9とスペアアドレス使用信号SUを発生する。そして、比較回路前段部491による比較結果に、比較回路後段部492によるスペアアドレス使用信号SUを加味した判別による比較結果を、スペア/ノーマル判定信号発生回路50に出力する。その結果、スペア/ノーマル判定信号発生回路50から、スペア/ノーマル判定信号SNJを得ることができる。ちなみに、図17の構成の場合、スペアアドレス発生回路47に必要な全ヒューズの数は144個となる。
【0059】
図16、図17の構成は、複数(この場合は4つ)のスペアアドレス発生回路47に対して、各1つのラッチ部48、比較回路49、スペア/ノーマル判定信号発生回路50を共有している。このために、ラッチ部48、比較回路49、スペア/ノーマル判定信号発生回路50の半導体チップ上に占める面積を削減することができる効果がある。
【0060】
図18、図19は、スペアアドレス発生回路47の別の例および更に別の例を示す回路構成図である。図18、図19において示すように、図18の構成では、スペアアドレス発生回路47において、スペアアドレスSAを発生するノードのそれぞれに、ノードNcがゲート入力されるN型MOSトランジスタ62〜65を設けている。図19の構成では、ノードNcがゲート入力されるN型MOSトランジスタ62〜65と、ノードNdをゲート入力されるN型MOSトランジスタ66〜69とを並列接続してある。
【0061】
以上のような構成において、図16、図17に示すように、複数のスペアアドレス発生回路47について、各1つのラッチ部48、比較回路49、スペア/ノーマル判定信号発生回路50を共有化する場合、スペアアドレスSAを送出するに当たって、他のスペアアドレス発生回路47のノードを、N型MOSトランジスタ62〜65、及びN型MOSトランジスタ66〜69により切り放すことにより、ノードの容量の低減が可能となる。その結果、スペアアドレス発生回路47から、スペアアドレスSAおよびスペアアドレス使用信号SUを送出する場合の、容量の影響を低減することが可能となり、動作の高速化が可能となる。
【0062】
図20は、4Mビットを16アレイに分割したメモリにおけるスペア/ノーマル判定回路の数、スペアカラム数と、不良セルの救済率と、使用するヒューズの数の関係について、従来の構成を含めて5つの場合に付いて示した図表である。なお、救済率については、不良箇所数が2アレイ当たり、1個の場合と、2個の場合と、3個の場合とについて示している。
【0063】
図20からも明らかなように、従来の構成に比べて同じ不良セルの救済率を得るために必要なヒューズの数は、従来が112個である。これに対して、本発明では64個であり、その数を大幅に低減することが可能である。一方、従来と同じくヒューズの数を112個とすると、救済率を大幅に向上することが可能となる。
【0064】
なお、ノーマルアドレスが確定する前のサイクルにおいて、スペア/ノーマル判別を行なう方式は、パイプライン方式のファストページモードのライトサイクルにおいても適用できる。この場合、アドレスを取り込むサイクルの次のサイクルにおいて、そのアドレスに相当するカラム選択信号を選択する。従って、カラムアドレスバッファから入力されるアドレスをスペア/ノーマル判別に用いれば、カラム選択信号を選択するサイクルより前のサイクルにおいて、スペア/ノーマル判別を行なうことが可能であり、アクセスの高速化を実現することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の半導体記憶装置は、メモリの不良セルを救済するためのスペアカラムアドレスを、ノーマルカラムアドレスが確定するよりも前に判断するようにしたので、メモリアクセスの高速化を計ることが可能なばかりでなく、ヒューズ数の低減や回路の共有化に伴う回路規模の縮小が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例に係る半導体記憶装置のブロック図である。
【図2】図1の構成の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の構成における同期式カウンタの1段分の構成を示す部分回路ブロック図である。
【図4】図2の構成におけるスペアデコーダの構成の一例を示す回路構成図である。
【図5】図2の構成の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】本発明の他の実施例に係る半導体記憶装置のブロック図である。
【図7】図6の構成におけるスペアアドレス発生回路の構成の一例を示す回路構成図である。
【図8】図7の構成の動作を説明するタイミングチャートである。
【図9】図6の構成におけるスペアアドレス発生回路の構成の他の例を示す回路構成図である。
【図10】図9の構成の動作を説明するタイミングチャートである。
【図11】図6の構成の動作を説明するタイミングチャートである。
【図12】図6のラッチ部48と比較回路49の構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図13】図6のラッチ部48と比較回路49の構成の他の例を示す回路ブロック図である。
【図14】図6のラッチ部48と比較回路49の構成の別の例を示す回路ブロック図である。
【図15】図6のラッチ部48と比較回路49の構成の更に別の例を示す回路ブロック図である。
【図16】図6の構成の詳細な構成の例を示すブロック図である。
【図17】図6の構成の詳細な構成の他の例を示すブロック図である。
【図18】図6のスペアアドレス発生回路の構成の別の例を示す回路構成図である。
【図19】図6のスペアアドレス発生回路の構成の更に別の例を示す回路構成図である。
【図20】本発明の半導体記憶装置におけるスペア/ノーマル判定回路の数、スペアカラム数と、不良セルの救済率と、使用するヒューズの数の関係について、従来の構成を含めて5つの場合に付いて示した図表である。
【図21】従来の半導体記憶装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 カウンタ
2 スペアデコーダ
3 スペアセレクタ
4 ノーマルセレクタ
5 スペア/ノーマル判定回路
6 カラムアドレスバッファ
7 同期式カウンタ
8、11、53、56 ナンド回路
9、57 オア回路
10、55 インバータ回路
12、13、51 クロックドインバータ
14、52 インバータ
15、26、27、28、29、31、58、60 P型MOSトランジスタ
16、18、20、22、24、30、32、33、34、35、59、61、62、63、64、65、66、67、68、69 N型MOSトランジスタ
17、19、21、23、25、36、37、38、39 ヒューズ
46 デコーダ
47 スペアアドレス発生回路
48 ラッチ部
49 比較回路
50 スペア/ノーマル判定信号発生回路
54 ノア回路
491 比較回路前段部
492 比較回路後段部

Claims (11)

  1. データを記憶するメモリセルの複数によりノーマルカラムアドレス部分とスペアカラムアドレス部分とが構成されており、カラムアドレス信号に基づくカラム選択信号によってカラムを選択するようにした半導体記憶装置において、
    前記カラムアドレス信号と、前記スペアカラムアドレス部分に対応するスペアカラムアドレス信号とを比較して、その比較結果に基づいて、前記カラムアドレス信号がノーマルカラムアドレス信号かスペアカラムアドレス信号かを判定する、比較判定手段を備え、
    複数の信号からなるスペアアドレスの各々を0か1かによって信号として発生させるスペアアドレス発生回路を具備し、このスペアアドレス発生回路から出力されるスペアアドレス信号とカラムアドレス信号を前記比較判定手段で比較し、その比較結果に基づいて、前記カラムアドレス信号がノーマルカラムアドレス信号かスペアカラムアドレス信号かを判定する比較手段を保持し、
    入力されたロウアドレスのデコーダによるデコード信号に基づいて前記スペアアドレス発生回路からスペアカラムアドレスを信号として発生させることを特徴とする、半導体記憶装置。
  2. 前記スペアアドレス発生回路は、複数のヒューズを備え、それらのヒューズが切断状態にあるか未切断状態にあるかに応じて、前記スペアカラムアドレス信号を出力する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記スペアカラムアドレス発生回路からの前記スペアカラムアドレス信号を、ラッチ部でラッチした後、前記比較判定手段に加える、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
  4. 対象とする前記メモリセルの活性化が確定した後に、前記スペアカラムアドレス信号を、前記比較判定手段に入力する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
  5. 前記ラッチ部及び前記比較判定手段のうちの少なくとも一方が、前記複数のスペアアドレス発生回路に対して共有されている、請求項1〜4の1つに記載の半導体記憶装置。
  6. 前記スペアアドレス発生回路は、前記スペアカラムアドレス信号の各ビット毎に、高圧電源と低圧電源との間に直列に接続された、充電用トランジスタとヒューズと放電用トランジスタとの直列接続ユニットを有し、前記充電用トランジスタと前記ヒューズとの接続点が1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号発生用ノードとなっており、前記ノードを前記充電用トランジスタを介して充電した後、前記ヒューズの切断/未切断に応じて放電させ/放電させず、それに応じた信号を1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号として出力する、請求項1〜5の1つに記載の半導体記憶装置。
  7. 前記スペアアドレス発生回路は、前記スペアカラムアドレス信号の各ビット毎に、高圧電源と低圧電源との間に直列接続された、充電用トランジスタとヒューズと放電用トランジスタとの直列接続ユニットを有し、前記ヒューズと前記放電用トランジスタとの接続点が1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号発生用ノードとなっており、前記ノードを前記放電用トランジスタを介して放電した後、前記ヒューズの切断/未切断に応じて充電させ/充電させず、それに応じた信号を1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号として出力する請求項1〜5の1つに記載の半導体記憶装置。
  8. 複数の前記直列接続ユニットは、1個の前記放電用トランジスタを共有している、請求項6記載の半導体記憶装置。
  9. 複数の前記直列接続ユニットは、1個の前記充電用トランジスタを共有している、請求項7記載の半導体記憶装置。
  10. 前記スペアアドレス発生回路は、前記スペアカラムアドレス信号の各ビット毎に、高圧電源と低圧電源との間に直列に接続された、充電用トランジスタと放電用トランジスタとヒューズとの直列接続ユニットを有し、前記充電用トランジスタと前記放電用トランジスタとの接続点が1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号発生ノードとなっており、前記ノードを前記充電用トランジスタを介して充電した後、前記ヒューズの切断/未切断に応じて放電させ/放電させず、それに応じた信号を1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号として出力する、請求項1〜5の1つに記載の半導体記憶装置。
  11. 前記スペアアドレス発生回路は、前記スペアカラムアドレス信号の各ビット毎に、高圧電源と低圧電源との間に直列接続された、ヒューズと充電用トランジスタと放電用トランジスタとの直列接続ユニットを有し、前記充電用トランジスタと前記放電用トランジスタとの接続点が1ビット分の前期スペアカラムアドレス信号発生用ノードとなっており、前記ノードを前記放電用トランジスタを介して放電した後、前記ヒューズの切断/未切断に応じて充電させ/充電させず、それに応じた信号を1ビット分の前記スペアカラムアドレス信号として出力する、請求項1〜5の1つに記載の半導体記憶装置。
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