JP3638365B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動モータを駆動してパワーアシスト力を得る電動パワーステアリングの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に、従来例の電動パワーステアリング制御装置の回路図を示す。
コントローラーCは、電動モータmを制御するためのもので、電動モータmの駆動用電源であるバッテリーBと、駆動用配線9を介して接続する。なお、バッテリーBには、オルタネータ13が接続されている。このオルタネータ13は、図示していないエンジンに連結しており、エンジンの回転によって動作する整流機能を備えた交流発電機である。
さらに、上記駆動用配線9から分岐したコントローラー用配線11を、イグニションスイッチIGを介して、コントローラCに設けた電源回路10に接続している。そして、この電源回路10にはバックアップ用配線12がイグニションスイッチIGを介すことなく直接接続されている。
上記のようにした電源回路10は、イグニッションスイッチIGがオンのとき主電圧を制御回路2に印加し、オフのときバックアップ電圧のみを印加する機能を備えている。そして、このバックアップ電圧は、イグニッションスイッチIGがオフのときでも、コントローラーCに必要なバックアップ電流を供給して、コントローラーの記憶を保持するためのものである。
また、コントローラーCには、走行条件検出手段として、トルクセンサ3、車速センサ4、及びエンジン回転感応器5を接続している。
【0003】
コントローラーCは、電動モータmへの印加電圧を制御する駆動回路1と、この駆動回路1を制御する制御回路2を中心として構成される。
上記駆動用配線9は、コントローラーC内で駆動回路1に接続される一方、この駆動回路1に電動モータmを接続する。また、駆動回路1を制御する制御回路2は、電源回路10に接続する。
一方、トルクセンサ3、車速センサ4、エンジン回転感応器5は、それぞれインターフェイス6、7、8を介して、制御回路2に接続している。
トルクセンサ3は、ハンドルに入力される操舵トルクを検出するためものであり、また、車速センサ4は、車速を検出するためものである。そして、これら検出された操舵トルクと車速に応じて、制御回路2が駆動回路1を作動させるとともに、駆動回路1が電動モータmへの印加電圧を変化させる。
また、エンジン回転感応器5は、エンジン回転数を感応するもので、例えばイグニションスイッチIGがオンでありながら、エンジン回転数が低いか又は停止状態のときに電源回路10を動作させて、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加させることによって電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させると同時に、バッテリ消費を抑えてバッテリBが上がってしまうのを防止するためのものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電動パワーステアリング制御装置では、バッテリーBを、電動モータmの駆動用電源とするとともに、コントローラーCの電源としても利用している。
そして、コントローラーCのオン/オフを、エンジンをかけるためのイグニションスイッチIGと連動させており、エンジンをかけると、制御回路2に主電圧を作用させ、電動パワーステアリング装置としての制御を行うように構成している。
しかしながら、このようにコントローラーCのオン/オフをイグニションスイッチIGと連動させているので、コントローラー用配線11を外部配線とせざるをえず、その分、コストがかかってしまうとともに、車内に搭載する際にある程度のスペースが必要とされる。
また、コントローラーCの制御回路2には、走行状態検出手段として、トルクセンサ3、車速センサ4、及びエンジン回転感応器5の3系統を接続している。そのために、3系統分の配線、及びインターフェース等の部材が必要とされ、この分においても、コストアップの要因を抱えていた。
この発明の目的は、外部配線を少なくするとともに、走行状態検出手段を少なくし、コストダウンを可能にした電動パワーステアリング制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、操舵アシスト力を付与する電動モータと、電動モータを制御するコントローラーと、電動モータ及びコントローラーに接続したバッテリーと、エンジンに連係するとともに、上記バッテリーに接続したオルタネータと、上記コントローラーに接続された走行状態検出手段とを備え、コントローラーは、電動モータへの印加電圧を変化させる駆動回路と、走行状態検出手段に接続するとともに、走行状態に応じて上記駆動回路を制御する制御回路とから構成される電動パワーステアリング制御装置を前提にするものである。
上記の装置を前提にしつつ、第1の発明は、コントローラー内に、オルタネータ脈動検出回路と、主電圧あるいはバックアップ電圧を選択制御して制御回路に印加する電源回路とを設ける一方、制御回路は、オルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算するとともに、このエンジン回転数が設定値以上になったとき、電源回路を動作させて制御回路に主電圧を印加させ、設定値以下のときにバックアップ電圧を印加させる構成にした点に特徴を有する。
第2の発明は、制御回路は、オルタネータの脈動からエンジン回転数を演算するとともに、その演算値に基づきバックアップ電圧を印加するか、主電圧を印加するかを判断する演算部と、必要な情報を記憶するメモリー部と、走行状態に応じて駆動回路を制御する制御部とからなり、バックアップ電圧が印加されたときは、演算部及びメモリー部だけが作動し、主電圧が印加されたときは、これら演算部及びメモリー部に加え、さらに制御部も作動する構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、走行状態検出手段としてトルクセンサのみを設け、制御回路は、オルタネータ脈動から車速及びエンジン回転を推定する点に特徴を有する。
【0006】
【作用】
第1の発明では、オルタネータ脈動検出回路でオルタネータの脈動を検出するとともに、この脈動周波数をもとにして制御回路がエンジンの回転数を推定する。さらに、制御回路は、エンジンの回転数が設定値以上になったとき、電源回路を動作させて主電圧を制御回路に印加させ、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させる。またそれ以外の時にはバックアップ電圧のみを印加させて、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させる。
第2の発明では、バックアップ電圧が印加されたときは、演算部とメモリー部とが作動し、制御部は作動しない。それに対し、主電圧が印加されたときは、これら演算部及びメモリー部に加え、さらに制御部も作動するので、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させることができる。
第3の発明では、オルタネータ脈動検出回路で検出した脈動周波数で、エンジンの回転数及び車速を推定し、操舵トルクを含めた条件に応じて電動モータを制御し、常に、最適なパワーアシスト力を発揮させる。
【0007】
【実施例】
図1、2に、この発明の電動パワーステアリング制御装置の第1実施例を示す。
第1実施例のコントローラーCは、オルタネータ脈動検出回路14を設け、この検出回路14でオルタネータ13の脈動を検出する。つまり、このオルタネータ13は、エンジンの回転に応じて、交流電気を発電するとともに、それを整流して出力する。このときの交流電気の周波数は、エンジンの回転数に比例したものとなる。したがって、整流された直流電流の脈動周波数も、図2に示すように、エンジンの回転数に比例することになる。
このようにオルタネータ検出回路14で検出した脈動信号は、制御回路2に入力するが、制御回路2では、この脈動周波数によって、エンジンの回転数を演算する。
そして、このエンジンの回転数は、次の式から演算できる。
N=a・Ω/b・c
ただし、
N: 推定エンジン回転数(rpm)
Ω: オルタネータ脈動周波数(HZ)
a: 定数
b: オルタネータ脈動係数(オルタネータ1回転で発生する脈動数)
c: プリー比(エンジンとオルタネータの回転数比)
また、エンジンの回転数は、車速にも比例するので、制御回路2は上記脈動周波数から車速も演算するようにしている。
【0008】
さらに、コントローラーCは、上記演算結果に基づいて、電源回路10を制御する。この電源回路10は、駆動回路1に接続した配線15を介してバッテリーB及びオルタネータ13に接続される。そして、主電圧あるいはバックアップ電圧を選択制御して制御回路に印加する機能を有する。すなわち、制御回路2で演算した結果であるエンジンの回転数が設定値以下であれば、その制御回路2からの信号を受けて電源回路10が動作し、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加する。すると、駆動回路1から電動モータmへの印加電圧は停止され、それまでの必要な情報のみが記憶されることになる。
反対に、その回転数が設定値以上であれば、制御回路2からの信号を受けて電源回路10が動作し、制御回路2に主電圧を印加する。すると、電動パワーステアリング装置としてのシステムが起動し、必要なパワーアシストが得られるようになる。
上記のように、この実施例では、エンジンが始動したかどうかを、電圧の脈動で検出するとともに、その脈動によってエンジンの回転数や車速を演算するようにして、従来のようなイグニッションスイッチIGとコントローラCの連係を不要にするとともに、車速センサー4やエンジン回転感応器5も不要にしたものである。そして、駆動回路1に接続した配線15を利用して制御回路2の電源を導いたもので、その他の構成は従来と同様である。
【0009】
次に、この実施例の電動パワーステアリング制御装置の作用を説明する。
まず、エンジンがかかっていないときには、オルタネータ13の出力電圧の脈動はゼロとなる。この時には、制御回路2からの出力信号に基づいて、電源回路10が動作して、制御回路2にバックアップ用電圧のみを印加する。言い換えれば、エンジンがとまっているとき、制御回路2は、不要な電力消費を抑えるため、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させる。このとき、制御回路2内の必要な情報のみを保持するためのバックアップ用電源が電源回路10から供給されることになる。
エンジンを始動すると、オルタネータ脈動検出回路14がオルタネータの脈動を検出するとともに、制御回路2がエンジンの回転数及び車速等を演算する。
そして、このときのエンジン回転数が設定値以下であれば、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させるべく、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加した状態に保つ。ただし、この実施例では、エンジン回転数の設定値を400rpm程度とし、それ以下であれば、エンジン停止状態であると判断するようにしている。
したがって、エンジンが停止寸前である又はイグニションスイッチIGがオンにもかかわらずエンジンが停止している時、制御回路2に印加される電圧は、電動パワーステアリング装置としてのシステムは起動する必要がないと判断してバックアップ電圧のみとなるので、それだけ電力消費量も少なく、その分、エネルギーロスも少なくなる。
【0010】
エンジン回転数が設定値以上になると、制御回路2からの信号に基づいて電源回路10が動作し、その制御回路2に主電圧を印加する。この主電圧に基づき制御回路2は、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させるが、それは次のとおりである。
すなわち、トルクセンサ3によって、操舵トルクを検出し、また、オルタネータ13の脈動からエンジン回転数を推定し、さらにまた、この推定されたエンジン回転数から車速を推定する。そして、走行状態に応じて制御回路2が駆動回路1を制御するとともに、駆動回路1は電動モータmへの印加電圧を制御して、操舵力をアシストする。
【0011】
図3に示す第2実施例は、コントローラーCの制御回路2の一例を示すものである。そして、その他の構成については、上記第1実施例と同じであり、その詳細な説明を省略する。
第2実施例では、制御回路2を、オルタネータの脈動からエンジン回転数を演算するとともに、その演算値に基づきバックアップ電圧を印加するか、主電圧を印加するかを判断する演算部16と、必要な情報を記憶するメモリー部17と、CPUなどから構成され、走行状態に応じて駆動回路1を制御する制御部18とから構成している。
演算部16は、オルタネータ脈動検出回路14に接続し、そこで検出された脈動周波数からエンジン回転数を演算するものである。なお、この演算のやり方についてはすでに説明したので、ここでは省略する。
そして、この演算部16は、演算されたエンジン回転数に応じた信号を、電源回路10に出力している。
電源回路10は、この演算部からの信号に応じて、例えばスイッチング制御され、制御回路2に主電圧あるいはバックアップ電圧を印加する。
【0012】
例えば、エンジン回転数が設定値以下(例えば400rpm)であれば、電源回路10は制御回路2のメモリー部17にバックアップ電圧のみを印加する。そして、このバックアップ電圧により、メモリー部17は必要な情報を記憶する。
なお、このときにも、演算部16はオルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算している。
それに対して、エンジン回転数が設定値以上になると、演算部16からの信号に基づいて、電源回路10は制御部18に主電圧を印加する。そして、この主電圧により制御部18がオンとなって、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させる。
なお、主電圧が印加されているときにも、メモリー部17及び演算部16は作動し、必要な情報を記憶し、また、オルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算している。
【0013】
【発明の効果】
第1、2の発明によれば、イグニションスイッチに接続するための外部配線をなくすことができる、その分コストダウン、及び省スペース化が可能となる。
また、エンジン回転数が設定値以下の時、電動パワーステアリング装置としてのシステムは起動する必要がないと判断して、制御回路にバックアップ電圧だけが印加されるので、その電力消費量が少なくなる。当然のこととして、電力消費量が少なくなった分、エネルギーロスも少なくなる。
第3の発明によれば、走行状態検出手段として、トルクセンサだけを設ければよく、従来のように車速センサやエンジン回転感応器などが不要になり、さらに、一層のコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の電動パワーステアリング制御装置の回路図である。
【図2】オルタネータの脈動の特性を示したグラフ図である。
【図3】第2実施例の電動パワーステアリング制御装置で、制御回路2を示す図である。
【図4】従来例の電動パワーステアリング制御装置の回路図である。
【符号の説明】
1 駆動回路
2 制御回路
3 トルクセンサ
10 電源回路
13 オルタネータ
14 オルタネータ脈動検出回路
16 演算部
17 メモリー部
18 制御部
C コントローラー
B バッテリー
m 電動モータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動モータを駆動してパワーアシスト力を得る電動パワーステアリングの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に、従来例の電動パワーステアリング制御装置の回路図を示す。
コントローラーCは、電動モータmを制御するためのもので、電動モータmの駆動用電源であるバッテリーBと、駆動用配線9を介して接続する。なお、バッテリーBには、オルタネータ13が接続されている。このオルタネータ13は、図示していないエンジンに連結しており、エンジンの回転によって動作する整流機能を備えた交流発電機である。
さらに、上記駆動用配線9から分岐したコントローラー用配線11を、イグニションスイッチIGを介して、コントローラCに設けた電源回路10に接続している。そして、この電源回路10にはバックアップ用配線12がイグニションスイッチIGを介すことなく直接接続されている。
上記のようにした電源回路10は、イグニッションスイッチIGがオンのとき主電圧を制御回路2に印加し、オフのときバックアップ電圧のみを印加する機能を備えている。そして、このバックアップ電圧は、イグニッションスイッチIGがオフのときでも、コントローラーCに必要なバックアップ電流を供給して、コントローラーの記憶を保持するためのものである。
また、コントローラーCには、走行条件検出手段として、トルクセンサ3、車速センサ4、及びエンジン回転感応器5を接続している。
【0003】
コントローラーCは、電動モータmへの印加電圧を制御する駆動回路1と、この駆動回路1を制御する制御回路2を中心として構成される。
上記駆動用配線9は、コントローラーC内で駆動回路1に接続される一方、この駆動回路1に電動モータmを接続する。また、駆動回路1を制御する制御回路2は、電源回路10に接続する。
一方、トルクセンサ3、車速センサ4、エンジン回転感応器5は、それぞれインターフェイス6、7、8を介して、制御回路2に接続している。
トルクセンサ3は、ハンドルに入力される操舵トルクを検出するためものであり、また、車速センサ4は、車速を検出するためものである。そして、これら検出された操舵トルクと車速に応じて、制御回路2が駆動回路1を作動させるとともに、駆動回路1が電動モータmへの印加電圧を変化させる。
また、エンジン回転感応器5は、エンジン回転数を感応するもので、例えばイグニションスイッチIGがオンでありながら、エンジン回転数が低いか又は停止状態のときに電源回路10を動作させて、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加させることによって電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させると同時に、バッテリ消費を抑えてバッテリBが上がってしまうのを防止するためのものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電動パワーステアリング制御装置では、バッテリーBを、電動モータmの駆動用電源とするとともに、コントローラーCの電源としても利用している。
そして、コントローラーCのオン/オフを、エンジンをかけるためのイグニションスイッチIGと連動させており、エンジンをかけると、制御回路2に主電圧を作用させ、電動パワーステアリング装置としての制御を行うように構成している。
しかしながら、このようにコントローラーCのオン/オフをイグニションスイッチIGと連動させているので、コントローラー用配線11を外部配線とせざるをえず、その分、コストがかかってしまうとともに、車内に搭載する際にある程度のスペースが必要とされる。
また、コントローラーCの制御回路2には、走行状態検出手段として、トルクセンサ3、車速センサ4、及びエンジン回転感応器5の3系統を接続している。そのために、3系統分の配線、及びインターフェース等の部材が必要とされ、この分においても、コストアップの要因を抱えていた。
この発明の目的は、外部配線を少なくするとともに、走行状態検出手段を少なくし、コストダウンを可能にした電動パワーステアリング制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、操舵アシスト力を付与する電動モータと、電動モータを制御するコントローラーと、電動モータ及びコントローラーに接続したバッテリーと、エンジンに連係するとともに、上記バッテリーに接続したオルタネータと、上記コントローラーに接続された走行状態検出手段とを備え、コントローラーは、電動モータへの印加電圧を変化させる駆動回路と、走行状態検出手段に接続するとともに、走行状態に応じて上記駆動回路を制御する制御回路とから構成される電動パワーステアリング制御装置を前提にするものである。
上記の装置を前提にしつつ、第1の発明は、コントローラー内に、オルタネータ脈動検出回路と、主電圧あるいはバックアップ電圧を選択制御して制御回路に印加する電源回路とを設ける一方、制御回路は、オルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算するとともに、このエンジン回転数が設定値以上になったとき、電源回路を動作させて制御回路に主電圧を印加させ、設定値以下のときにバックアップ電圧を印加させる構成にした点に特徴を有する。
第2の発明は、制御回路は、オルタネータの脈動からエンジン回転数を演算するとともに、その演算値に基づきバックアップ電圧を印加するか、主電圧を印加するかを判断する演算部と、必要な情報を記憶するメモリー部と、走行状態に応じて駆動回路を制御する制御部とからなり、バックアップ電圧が印加されたときは、演算部及びメモリー部だけが作動し、主電圧が印加されたときは、これら演算部及びメモリー部に加え、さらに制御部も作動する構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、走行状態検出手段としてトルクセンサのみを設け、制御回路は、オルタネータ脈動から車速及びエンジン回転を推定する点に特徴を有する。
【0006】
【作用】
第1の発明では、オルタネータ脈動検出回路でオルタネータの脈動を検出するとともに、この脈動周波数をもとにして制御回路がエンジンの回転数を推定する。さらに、制御回路は、エンジンの回転数が設定値以上になったとき、電源回路を動作させて主電圧を制御回路に印加させ、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させる。またそれ以外の時にはバックアップ電圧のみを印加させて、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させる。
第2の発明では、バックアップ電圧が印加されたときは、演算部とメモリー部とが作動し、制御部は作動しない。それに対し、主電圧が印加されたときは、これら演算部及びメモリー部に加え、さらに制御部も作動するので、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させることができる。
第3の発明では、オルタネータ脈動検出回路で検出した脈動周波数で、エンジンの回転数及び車速を推定し、操舵トルクを含めた条件に応じて電動モータを制御し、常に、最適なパワーアシスト力を発揮させる。
【0007】
【実施例】
図1、2に、この発明の電動パワーステアリング制御装置の第1実施例を示す。
第1実施例のコントローラーCは、オルタネータ脈動検出回路14を設け、この検出回路14でオルタネータ13の脈動を検出する。つまり、このオルタネータ13は、エンジンの回転に応じて、交流電気を発電するとともに、それを整流して出力する。このときの交流電気の周波数は、エンジンの回転数に比例したものとなる。したがって、整流された直流電流の脈動周波数も、図2に示すように、エンジンの回転数に比例することになる。
このようにオルタネータ検出回路14で検出した脈動信号は、制御回路2に入力するが、制御回路2では、この脈動周波数によって、エンジンの回転数を演算する。
そして、このエンジンの回転数は、次の式から演算できる。
N=a・Ω/b・c
ただし、
N: 推定エンジン回転数(rpm)
Ω: オルタネータ脈動周波数(HZ)
a: 定数
b: オルタネータ脈動係数(オルタネータ1回転で発生する脈動数)
c: プリー比(エンジンとオルタネータの回転数比)
また、エンジンの回転数は、車速にも比例するので、制御回路2は上記脈動周波数から車速も演算するようにしている。
【0008】
さらに、コントローラーCは、上記演算結果に基づいて、電源回路10を制御する。この電源回路10は、駆動回路1に接続した配線15を介してバッテリーB及びオルタネータ13に接続される。そして、主電圧あるいはバックアップ電圧を選択制御して制御回路に印加する機能を有する。すなわち、制御回路2で演算した結果であるエンジンの回転数が設定値以下であれば、その制御回路2からの信号を受けて電源回路10が動作し、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加する。すると、駆動回路1から電動モータmへの印加電圧は停止され、それまでの必要な情報のみが記憶されることになる。
反対に、その回転数が設定値以上であれば、制御回路2からの信号を受けて電源回路10が動作し、制御回路2に主電圧を印加する。すると、電動パワーステアリング装置としてのシステムが起動し、必要なパワーアシストが得られるようになる。
上記のように、この実施例では、エンジンが始動したかどうかを、電圧の脈動で検出するとともに、その脈動によってエンジンの回転数や車速を演算するようにして、従来のようなイグニッションスイッチIGとコントローラCの連係を不要にするとともに、車速センサー4やエンジン回転感応器5も不要にしたものである。そして、駆動回路1に接続した配線15を利用して制御回路2の電源を導いたもので、その他の構成は従来と同様である。
【0009】
次に、この実施例の電動パワーステアリング制御装置の作用を説明する。
まず、エンジンがかかっていないときには、オルタネータ13の出力電圧の脈動はゼロとなる。この時には、制御回路2からの出力信号に基づいて、電源回路10が動作して、制御回路2にバックアップ用電圧のみを印加する。言い換えれば、エンジンがとまっているとき、制御回路2は、不要な電力消費を抑えるため、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させる。このとき、制御回路2内の必要な情報のみを保持するためのバックアップ用電源が電源回路10から供給されることになる。
エンジンを始動すると、オルタネータ脈動検出回路14がオルタネータの脈動を検出するとともに、制御回路2がエンジンの回転数及び車速等を演算する。
そして、このときのエンジン回転数が設定値以下であれば、電動パワーステアリング装置としてのシステムを停止させるべく、制御回路2にバックアップ電圧のみを印加した状態に保つ。ただし、この実施例では、エンジン回転数の設定値を400rpm程度とし、それ以下であれば、エンジン停止状態であると判断するようにしている。
したがって、エンジンが停止寸前である又はイグニションスイッチIGがオンにもかかわらずエンジンが停止している時、制御回路2に印加される電圧は、電動パワーステアリング装置としてのシステムは起動する必要がないと判断してバックアップ電圧のみとなるので、それだけ電力消費量も少なく、その分、エネルギーロスも少なくなる。
【0010】
エンジン回転数が設定値以上になると、制御回路2からの信号に基づいて電源回路10が動作し、その制御回路2に主電圧を印加する。この主電圧に基づき制御回路2は、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させるが、それは次のとおりである。
すなわち、トルクセンサ3によって、操舵トルクを検出し、また、オルタネータ13の脈動からエンジン回転数を推定し、さらにまた、この推定されたエンジン回転数から車速を推定する。そして、走行状態に応じて制御回路2が駆動回路1を制御するとともに、駆動回路1は電動モータmへの印加電圧を制御して、操舵力をアシストする。
【0011】
図3に示す第2実施例は、コントローラーCの制御回路2の一例を示すものである。そして、その他の構成については、上記第1実施例と同じであり、その詳細な説明を省略する。
第2実施例では、制御回路2を、オルタネータの脈動からエンジン回転数を演算するとともに、その演算値に基づきバックアップ電圧を印加するか、主電圧を印加するかを判断する演算部16と、必要な情報を記憶するメモリー部17と、CPUなどから構成され、走行状態に応じて駆動回路1を制御する制御部18とから構成している。
演算部16は、オルタネータ脈動検出回路14に接続し、そこで検出された脈動周波数からエンジン回転数を演算するものである。なお、この演算のやり方についてはすでに説明したので、ここでは省略する。
そして、この演算部16は、演算されたエンジン回転数に応じた信号を、電源回路10に出力している。
電源回路10は、この演算部からの信号に応じて、例えばスイッチング制御され、制御回路2に主電圧あるいはバックアップ電圧を印加する。
【0012】
例えば、エンジン回転数が設定値以下(例えば400rpm)であれば、電源回路10は制御回路2のメモリー部17にバックアップ電圧のみを印加する。そして、このバックアップ電圧により、メモリー部17は必要な情報を記憶する。
なお、このときにも、演算部16はオルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算している。
それに対して、エンジン回転数が設定値以上になると、演算部16からの信号に基づいて、電源回路10は制御部18に主電圧を印加する。そして、この主電圧により制御部18がオンとなって、電動パワーステアリング装置としてのシステムを起動させる。
なお、主電圧が印加されているときにも、メモリー部17及び演算部16は作動し、必要な情報を記憶し、また、オルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算している。
【0013】
【発明の効果】
第1、2の発明によれば、イグニションスイッチに接続するための外部配線をなくすことができる、その分コストダウン、及び省スペース化が可能となる。
また、エンジン回転数が設定値以下の時、電動パワーステアリング装置としてのシステムは起動する必要がないと判断して、制御回路にバックアップ電圧だけが印加されるので、その電力消費量が少なくなる。当然のこととして、電力消費量が少なくなった分、エネルギーロスも少なくなる。
第3の発明によれば、走行状態検出手段として、トルクセンサだけを設ければよく、従来のように車速センサやエンジン回転感応器などが不要になり、さらに、一層のコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の電動パワーステアリング制御装置の回路図である。
【図2】オルタネータの脈動の特性を示したグラフ図である。
【図3】第2実施例の電動パワーステアリング制御装置で、制御回路2を示す図である。
【図4】従来例の電動パワーステアリング制御装置の回路図である。
【符号の説明】
1 駆動回路
2 制御回路
3 トルクセンサ
10 電源回路
13 オルタネータ
14 オルタネータ脈動検出回路
16 演算部
17 メモリー部
18 制御部
C コントローラー
B バッテリー
m 電動モータ
Claims (3)
- 操舵アシスト力を付与する電動モータと、電動モータを制御するコントローラーと、電動モータ及びコントローラーに接続したバッテリーと、エンジンに連係するとともに、上記バッテリーに接続したオルタネータと、上記コントローラーに接続された走行状態検出手段とを備え、コントローラーは、電動モータへの印加電圧を変化させる駆動回路と、走行状態検出手段に接続するとともに、走行状態に応じて上記駆動回路を制御する制御回路とから構成される電動パワーステアリング制御装置において、上記コントローラー内に、オルタネータ脈動検出回路と、主電圧あるいはバックアップ電圧を選択制御して制御回路に印加する電源回路とを設ける一方、制御回路は、オルタネータの脈動周波数からエンジン回転数を演算するとともに、このエンジン回転数が設定値以上になったとき、電源回路を動作させて制御回路に主電圧を印加させ、設定値以下のときにバックアップ電圧を印加させる構成にしたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
- 制御回路は、オルタネータの脈動からエンジン回転数を演算するとともに、その演算値に基づきバックアップ電圧を印加するか、主電圧を印加するかを判断する演算部と、必要な情報を記憶するメモリー部と、走行状態に応じて駆動回路を制御する制御部とからなり、バックアップ電圧が印加されたときは、演算部及びメモリー部だけが作動し、主電圧が印加されたときは、これら演算部及びメモリー部に加え、さらに制御部も作動する構成にしたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 走行状態検出手段としてトルクセンサのみを設け、制御回路は、オルタネータの脈動周波数から車速及びエンジン回転を推定することを特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2852196A JP3638365B2 (ja) | 1995-01-26 | 1996-01-23 | 電動パワーステアリング制御装置 |
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-01-23 JP JP2852196A patent/JP3638365B2/ja not_active Expired - Fee Related
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