JP3637812B2 - Cdma通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)送受信器に係り、さらに詳しくは、受信搬送波に対する局所搬送波の周波数偏差を補償する周波数偏差補償機能を備えた携帯電話機などのCDMA送受信器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来のCDMA送受信器の構成を示したブロック図である。図中の1は無線周波数信号(RF信号)を送受信するアンテナ、20は局部搬送波を出力する局部発振器、21は受信したRF信号と局部搬送波を混合して受信ベースバンド信号を出力する直交検波回路、3a〜3cは各マルチパスごとに受信ベースバンド信号を復調信号に変換する復調器(フィンガー)であり、4は復調信号を合成して合成相関値を出力する相関値合成器である。
【0003】
また、図中の29は各復調器3a〜3cの出力する相関値から周波数偏差を検出する周波数偏差検出器、24は検出された周波数偏差を平均化するループフィルタ、22は送信ベースバンド信号と局部搬送波を混合してRF信号を出力する直交変調回路である。なお、図中のT1は受信ベースバンド信号の出力端子、T2が送信ベースバンド信号の入力端子であり、ともにベースバンド信号処理回路(不図示)に接続されている。
【0004】
アンテナ1で受信したRF信号は、直交検波回路21で局部搬送波と混合され、受信ベースバンド信号となる。この受信ベースバンド信号は、各マルチパスごとに復調器3a〜3cで復調される。
【0005】
各復調器3a〜3cは、各パスのタイミングに合わせて受信ベースバンド信号を擬似拡散符号系列PNで逆拡散して相関値を求める相関器30と、この相関値の絶対位相誤差を補償して復調信号を生成する絶対位相差補償器34からなる。この相関器30では、受信ベースバンド信号と擬似雑音符号系列の複素乗算結果を1情報シンボル期間ごとに積分することによって、1情報シンボルごとの相関値を求めている。
【0006】
各復調器3a〜3cで生成された復調信号は相関値合成器4で合成され、ベースバンド信号処理回路へ出力される。また、ベースバンド信号処理回路の出力する送信ベースバンド信号は、直交変調回路22で局部搬送波と混合され、送信RF信号としてアンテナ1から送信される。
【0007】
周波数偏差検出器29は、復調器3a〜3cで求められた相関値に基づき、受信RF信号に対する局部搬送波の周波数偏差量を求める。すなわち、時間的に前後する2つの相関値の位相回転量に基づき周波数偏差量が求められる。この周波数偏差量はループフィルタ7で平均化され、局部発振器2の制御電圧信号となる。VCO(Voltage control oscillator)としての局部発振器2では、この制御電圧信号により発振周波数が制御される。
【0008】
従来のCDMA送受信器は、この様な構成によって局部搬送波の周波数偏差を補償している。すなわち、従来のCDMA送受信器は、受信ベースバンド信号に基づき周波数偏差を求め、局部発振器2へ周波数偏差量をフィードバックすることによって、周波数自動制御(AFC:automatic frequency control)を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、マルチパスは一般的に異なる周波数誤差を含んでおり、周波数偏差量は各マルチパスごとに異なっているのに対し、各マルチパスに対応する各変調器3a〜3cには、共通の局部搬送波によって直交検波された同一のベースバンド信号が入力されている。このため、周波数偏差検出部29では各マルチパスごとの周波数偏差量を平均化して周波数偏差量を求めており、全てのマルチパに関して周波数を一致させることは不可能であった。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、受信ベースバンド信号に対し周波数偏差補償を行うことにより、各マルチパスごとの周波数偏差補償を実現し、受信特性の良好なCDMA通信装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、周波数偏差量に応じて周波数偏差の検出を行うことにより、高精度の周波数偏差補償を実現し、受信特性の良好なCDMA通信装置を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、送信RF信号の周波数偏差を送信ベースバンド信号に対して補償することにより、局部発振器の構成を簡略化し、小型のCDMA通信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるCDMA通信装置は、受信信号及び局部搬送波を混合する検波器と、検波器の出力に基づきマルチパスごとの相関値を求める2以上の復調器であって、該復調器は、検波器の出力する検波信号と所定の擬似拡散符号系列の複素乗算を行う複素乗算器と、この複素乗算結果を積分して部分相関値を出力する第1の積分器と、この部分相関値に基づき部分相関値ごとの位相回転速度を求める周波数偏差検出部と、この位相回転速度に基づき部分相関値の位相を回転させる周波数偏差補償部と、この周波数偏差補償部の出力する部分相関値を積分して所定の1情報シンボル期間あたりの相関値を出力する第2の積分器とを有し、各復調器の出力する所定の1情報シンボル期間あたりの相関値を合成する相関値合成部とを備え、前記位相回転速度に基づき、第1及び第2の積分器の積分時間を制御するため、受信信号の1シンボル期間における周波数偏差量が大きい場合であっても高精度の周波数偏差補償を行うことができる。
【0014】
また、本発明によるCDMA通信装置は、受信信号及び局部搬送波を混合する検波器と、検波器の出力に基づきマルチパスごとの相関値を求める2以上の復調器であって、該復調器は、所定の擬似拡散符号系列で検波信号を逆拡散して相関値を求める相関器と、この相関値に基づき、相関値ごとの位相回転速度を求める周波数偏差検出部と、この位相回転速度に基づき相関値の位相を回転させる周波数偏差補償部を有し、前記各復調器の出力する相関値を合成する相関値合成部と、前記位相回転速度に基づき、所定の送信補償時間ごとの位相回転速度である送信回転速度をマルチパスごとに求める2以上の送信回転速度検出器と、各送信回転速度を合成して合成回転速度を求める回転速度合成器と、この合成回転速度に基づき、送信補償時間ごとに送信ベースバンド信号の位相を回転させる送信補償部と、位相回転後の送信ベースバンド信号及び局部搬送波を混合する変調器とを備えたため、送信RF信号の周波数偏差を送信ベースバンド信号に対して補償することにより、局部発振器の構成を簡略化でき、あるいは、CDMA通信装置を小型化できる。
【0015】
また、本発明によるCDMA通信装置は、前記周波数偏差検出部は、前記相関値の所定の遅延時間だけ遅延させる第1の遅延器と、遅延前後の相関値について共役複素乗算を行い、これらの相関値間の位相回転量を求める第1の複素乗算器と、この位相回転量を正規化し相関値ごとの位相回転速度を生成する位相回転速度検出器を備え、位相回転量又は位相回転速度に基づき、第1の遅延器の遅延時間が制御される。このため、周波数偏差量に応じて第1の遅延器の遅延時間を制御することができるので、高精度かつ広範囲の周波数偏差の補償を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明によるCDMA送受信器の一構成例を示したブロック図である。図中の1はRF信号を送受信するアンテナ、20は局部搬送波を出力する局部発振器、21は受信RF信号と局部搬送波を混合して受信ベースバンド信号を出力する直交検波回路、3a〜3cは各マルチパス信号を復調する復調器(フィンガー)、4は復調信号を合成して合成相関値を出力する相関値合成器である。
【0018】
また、図中の23は各復調器3a〜3cからの位相回転量を合成する位相回転量合成器、24は合成された位相回転量に基づき、周波数偏差を時間的に平均化するループフィルタ等の平均化器、22は送信ベースバンド信号と局部搬送波を混合してRF信号を出力する直交変調回路である。なお、図中のT1は受信ベースバンド信号の出力端子、T2が送信ベースバンド信号の入力端子であり、ともにベースバンド信号処理回路(不図示)に接続されている。
【0019】
各復調器3a〜3cは、各マルチパスのタイミングに合わせて受信ベースバンド信号を擬似雑音系列PNで逆拡散して相関値を求める相関器30と、この相関値の位相回転速度を求める周波数偏差検出部31と、この位相回転速度に基づき周波数偏差を補償する周波数偏差補償部32と、受信搬送波と局部搬送波との絶対位相差を補償する絶対位相差補償部34からなる。
【0020】
相関器30は、受信ベースバンド信号と擬似雑音符号系列との複素乗算を行う複素乗算器300と、この乗算結果を1情報シンボル期間tsごとに積分する積分器301からなる。従って、相関器30は、1情報シンボルごとの複素相関値を出力する。
【0021】
周波数偏差検出部31は、この複素相関値から情報信号を除去する情報信号除去回路(逆変調回路)310と、周波数偏差を検出するために相関値を遅延させる遅延器311と、時間的に異なる2つの相関値の共役複素乗算を行って位相回転量を求める複素乗算器312と、相関器30の積分時間あたりの位相回転量(位相回転速度ν)を求める位相回転速度検出器313からなる。
【0022】
周波数偏差補償部32は、周波数偏差補償の対象となる相関値ごとの補償量を求める複素乗算器320と、この補償量を相関器30の積分時間(1情報シンボル期間ts)だけ遅延させて複素乗算器320に戻す遅延器321と、対応する相関値と補償量の共役複素乗算を行って周波数偏差を補償する複素乗算器322からなる。
【0023】
次に、このCDMA送受信器の動作について説明する。直交検波回路21は、受信RF信号と局部搬送波を混合してI信号及びQ信号からなる受信ベースバンド信号を生成する。この受信ベースバンド信号はA/D変換されて各復調器3a〜3cに入力される。相関器30では、受信ベースバンド信号と疑似雑音符号系列PNを複素乗算し、この乗算結果を1情報シンボル期間ts分積分することにより相関値が求められる。
まず、ある時刻t1における相関値C1は次式で表される。
【0024】
【数1】
Figure 0003637812
【0025】
上式において、Rは振幅成分、θは情報変調信号の位相、ωは受信RF信号と局部搬送波の角周波数偏差、φは受信RF信号と局部搬送波の絶対位相差である。相関値C の次に出力される相関値Cは次式のように表される。
【0026】
【数2】
Figure 0003637812
【0027】
上式において、R2は振幅成分、θ2は情報変調信号の位相である。
直交検波回路21では受信RF信号及び局部搬送波の位相、周波数が完全には一致しない準同期検波が行われ、受信ベースバンド信号には、位相偏差、周波数偏差が含まれている。すなわち、位相偏差が受信ベースバンド信号中の絶対位相差φとして現れるとともに、周波数偏差が受信ベースバンド信号の位相回転速度(角速度ω)となって現れる。
【0028】
周波数偏差検出部31は、相関値C1、C2間の位相回転量、すなわち、所定期間(t2−t1)当たりの位相回転速度を周波数偏差として検出する。まず、情報信号除去回路310において、相関器30の出力する相関値C1、C2から情報変調信号θ1、θ2が除去される。情報変調信号θ1、θ2が既知である場合、相関値C1、C2をそれぞれ−θ1、−θ2だけ位相回転させることにより情報変調信号を除去くことができる。この場合、例えば、受信信号に含まれているパイロット信号を既知データとして用いてもよい。また、既知データとして復調結果を用いる判定帰還による方法、若しくは、4逓倍する方法などを用いることもできる。情報信号除去回路310において情報信号が除去された相関値C1’、C2’は次式のように表される。
【数3】
Figure 0003637812
【0029】
情報変調信号が除去された相関値は、遅延器311及び複素乗算器312へ入力される。遅延器311は、この相関値を1情報シンボル期間tsだけ遅延させて、複素乗算器312へ出力する。このため、複素乗算器312では、1情報シンボル期間tsだけ異なる2つの相関値C1’、C2’の共役複素乗算が行われる。この結果、1情報シンボル期間tsにおける位相回転量uが次式のように求められる。
【0030】
【数4】
Figure 0003637812
【0031】
位相回転速度検出器313は、位相回転量uから位相回転速度νを求める。位相回転速度検出器313では、雑音の影響を取り除くため、位相回転量uを時間的に平均化する。また、振幅成分(受信強度成分)を単位長とする正規化を行うために、位相回転量uをその絶対値|u|で除算する。従って、位相回転速度検出器313において求められる位相回転速度νは次式のように表される。
【0032】
【数5】
Figure 0003637812
【0033】
周波数偏差補償部32は、周波数偏差検出部31からの位相回転速度νに基づき、相関器30から出力される相関値に含まれる周波数偏差を補償する。位相回転速度νは、複素乗算器320に入力される。この複素乗算器320の演算結果は、遅延器321で1情報シンボル期間tsだけ遅延させて複素乗算器320に再び入力されている。従って、複素乗算器320及び遅延器321によって、n番目の相関値Cnに関する補償量Wnを次式のように求めることができる。
【0034】
【数6】
Figure 0003637812
【0035】
なお、上式ではW0=1とする。
複素乗算器322は、この補償量Wnの共役複素数と、n番目の相関値Cnの複素乗算を行って周波数偏差を補償する。周波数偏差が補償された相関値Dnは次式のように表される。
【0036】
【数7】
Figure 0003637812
【0037】
この様にして周波数偏差の補償された相関値Dnが得られる。
この相関値Dnは、絶対位相差補償回路34において絶対位相差φが補償された後、復調信号として出力される。各復調器3a〜3cから出力される復調信号は、さらに相関値合成器4で合成されてベースバンド処理回路へ出力される。
【0038】
一方、位相回転量合成器23は、各復調器3a〜3c内の周波数偏差検出部31で求められた位相回転量uを合成して周波数偏差量を求める。例えば、各パスの受信信号強度等により、位相回転量uの重み付け加算を行って求めることができる。この様にして求められた周波数偏差量は、平均化器24において時間的に平均化され、VCO20の電圧制御信号となる。すなわち、従来と同様の周波数自動制御(AFC)を行っている。ベースバンド処理回路の出力する送信ベースバンド信号はD/A変換され、直交変調回路22においてAFC制御された局部搬送波と混合されてRF信号となり、アンテナ1から送出される。
【0039】
本実施の形態によれば、マルチパスを構成する各パスごとに周波数偏差を補償することができる。すなわち、各パスごとに周波数偏差量を求め、各パスごとの受信ベースバンド信号に対し周波数偏差の補償を行うことができる。このため、精度の高い周波数偏差補償を行ってCDMA送受信器の受信特性を向上させることができる。
【0040】
なお、本実施の形態では3つの復調器3a〜3cを備えたCDMA送受信器について説明したが、一般に復調器は2以上のいくつであってもよい。以下の各実施の形態においても同様である。
【0041】
また、本実施の形態では、説明の便宜上、複素相関値Cn、Cn’、Dn、位相回転量u、位相回転速度νを、振幅成分及び位相成分(Aej ω)を用いて表現しているが、本発明によるCDMA送受信器におけるデータの表現形式は、この様な場合に限定されない。例えば、直交成分及び同相成分(I+jQ)からなる表現形式であってもよい。
【0042】
実施の形態2.
図2は、本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である。このCDMA送受信器は、位相回転速度検出器313の出力する位相回転速度νが遅延器311にフィードバックされ、位相回転量を求める時間間隔を制御している点で図1に示したCDMA送受信器と異なる。なお、図1で示した構成部分に相当するものについては、同一の符号を付している。
【0043】
図1の遅延器311は、その遅延時間が固定値(相関器の積分期間=1情報シンボル期間ts)であったが、本実施の形態(図2)における遅延器311は、位相回転速度検出器313が検出した位相回転速度νに基づき遅延時間を制御している。すなわち、周波数回転速度νが小さい場合には遅延時間を大きくし、周波数回転速度νが大きい場合には遅延時間を小さくする。
また、図1の位相回転速度検出器313は、位相回転量uの時間的な平均化と振幅の正規化を行っていたが、図2の位相回転速度検出器313は、さらに遅延器311の遅延時間における位相回転量を、1情報シンボル期間tsにおける位相回転量に変換している。すなわち、時間軸上での正規化も行っている。
【0044】
図3の(a)〜(d)は、遅延器311における遅延時間の制御に関する説明図であり、位相回転量uを複素平面上で表した図である。図中の(a)、(b)は周波数偏差が小さい場合を示しており、(c)、(d)は周波数偏差が大きい場合を示している。
【0045】
(a)に示した通り、周波数偏差が小さければ、位相回転量uの位相成分は小さくなる。このため、例えば固定浮動小数点演算を行っている場合、計算ダイナミックレンジに対し、検出される位相差のダイナミックレンジが小さくなって、周波数偏差の検出精度が低下することになる。この様な場合、遅延器311の遅延時間を大きくすることにより、(b)に示した様に位相回転量uの位相成分を大きくすることができ、位相回転量の検出精度を向上させることができる。
【0046】
逆に、(c)に示した通り、周波数偏差が大きくなり、位相回転量uの位相成分がπ(rad)を越えてしまう場合がある。位相成分がπ(rad)を越え、あるいは、−π(rad)未満になった場合には、回転方向が不明となってしまう。この様な場合、遅延器311の遅延時間を小さくすることにより、(d)に示した様に位相回転量を小さくして回転方向が不明となるのを防止できる。例えば、位相回転量uを−π<u≦πと定義した場合であれば、π<u又はu≦−πとなるのを防止し、正しい位相回転速度νを得ることができる。
【0047】
次に、図2に示したCDMA送受信器の動作について説明する。遅延器311の遅延時間をtd(td=ts×M:Mは自然数)とすれば、ある時刻t1における相関値C1と、時刻(t1+td)における相関値CM+1は次式で表される。
【0048】
【数8】
Figure 0003637812
【0049】
これらの相関値C1、CM+1は、情報変調信号の除去後に複素乗算器312で共役複素乗算されて、位相回転量uが求められる。この位相回転量uは次式により表される。
【0050】
【数9】
Figure 0003637812
【0051】
遅延器311は、式(9)の位相成分ωtdが小さくなり過ぎず、またπ(rad)を越えないように、遅延期間tdを制御している。
位相回転速度検出器313は、位相回転量uを時間的に平均化し、振幅成分を単位長とする正規化を行うとともに、遅延期間tdにおける位相回転量を1情報シンボル期間tsにおける位相回転量に変換し、位相回転速度νを求める。すなわち、位相回転速度νは次式により表される。
【0052】
【数10】
Figure 0003637812
【0053】
本実施の形態によれば、周波数偏差に基づき、位相回転量を求めるための遅延器の遅延時間を制御している。このため、1情報シンボル期間tsにおける周波数偏差が小さい場合であっても、演算精度を向上させることなく、位相回転量の検出精度を向上させることができる。また、周波数偏差に応じて上記時間差を適切に制御することにより、周波数偏差が大きい場合に位相の回転方向を見失わないため、広範囲の周波数偏差を検出し補償することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、位相回転速度νに基づき、遅延器311遅延時間を制御する場合について説明したが、位相回転量uに基づき制御することもできる。
【0055】
実施の形態3.
図4は、本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である。このCDMA送受信器は、積分器33を備えるとともに、位相回転速度νがこの積分器33と相関器30内の積分器301に入力され、相関器30の積分時間を制御している点で図1に示したCDMA送受信器と異なる。なお、図1で示した構成部分に相当するものについては、同一の符号を付している。
【0056】
図1の積分器301は、その積分時間が固定値(1情報シンボル期間ts)であったが、本実施の形態(図4)における積分器301の積分時間は、1情報シンボル期間ts以下の期間tpである。従って、相関器30は1情報シンボル期間よりも短い期間における相関値(部分相関値)を出力する部分相関器である。この積分期間tpは位相回転速度νに基づいて制御され、周波数回転速度νが小さい場合には積分時間tpを大きくし(最大値は1情報シンボル期間ts)、周波数回転速度νが大きい場合には遅延時間tpを小さくする。この様にして求められた部分相関値は、周波数偏差の補償後に積分器33において積分され、1情報シンボル期間ts当たりの相関値に変換される。
【0057】
部分相関値ごとに、周波数偏差検出部31で周波数偏差を検出し、周波数偏差補償部32で周波数偏差を補償している。このため、遅延器311における遅延時間及び遅延器321における遅延時間も積分器301の積分時間に応じて制御する必要がある。従って、これらも位相回転速度νに基づいて制御される。
【0058】
図5及び図6は、相関器30における積分時間の制御に関する説明図である。まず、図5は、周波数偏差が大きい場合の相関値を複素平面上で表した図であり、図中のVCは、相関器30で1情報シンボル期間ts分積分することにより求められた相関値ベクトル、Voは、周波数偏差がなかった場合に相関器30で生成される相関値ベクトル、VC1〜VC4は、部分相関値ベクトルである。
【0059】
相関値ベクトルVCは、部分相関値ベクトルVC1〜VC4のベクトル和として表される。すなわち、位相回転により相関値ベクトルVCの長さ、すなわち、相関値の振幅が低下していく。この様に、周波数偏差が大きくなり、1情報シンボル期間ts内における位相回転量が多くなると、相関値の振幅低下により受信特性が低下する。
【0060】
図6は、周波数偏差が大きい場合の部分相関値を複素平面上で表した図であり、図中のVC1〜VC4は、相関器30で積分期間td(ここではtd=ts/4)積分することにより求められた部分相関値ベクトル、VD1〜VD4は、それぞれVC1〜VC4に対し周波数偏差を補償して得られた相関値ベクトル、VCは、VD1〜VD4を積分して得られる相関値ベクトルである。
【0061】
この場合、部分相関値VC1〜VC4ごとに周波数偏差を補償し、その後に積分を行って1情報シンボル期間tsについての相関値VCを求めている。すなわち、相関器における積分時間を短くし、周波数偏差が相関値に及ぼす影響を小さくすることにより、図5の場合比べ振幅の低下を抑制している。この様に、部分相関値ごとに周波数偏差を補償すれば、周波数偏差が大きい場合であっても受信特性を向上させることができる。なお、周波数偏差が小さい場合には、相関器の30の積分期間を長くすることとにより(1情報シンボル期間tsが最大)、周波数偏差検出部31及び周波数偏差補償部32における計算回数を削減することができる。
【0062】
次に、図4に示したCDMA送受信器の動作について説明する。積分器301の積分時間をtp(tp=ts/m:mは自然数)とすれば、ある時刻t1に出力される部分相関値C1と、その次に出力される部分相関値C2は次式のように表される。
【0063】
【数11】
Figure 0003637812
【0064】
周波数偏差検出部31では、これらの部分相関値C1、C2に基づき、部分相関値ごとの位相回転速度νを求める。すなわち、遅延器311の遅延時間は、相関器3の積分期間と一致するように制御される。遅延器311の遅延時間がtpであれば、これらの相関値C1、C2は、情報変調信号の除去後に複素乗算器312で共役複素乗算されて、位相回転量uが求められる。この位相回転量uは次式により表される。
【0065】
【数12】
Figure 0003637812
【0066】
位相回転速度検出器313は、この位相回転量uを時間的に平均化し、振幅成分を単位長とする正規化を行って、積分期間tpにおける位相回転速度νを求める。すなわち、位相回転速度νは次式により表される。
【0067】
【数13】
Figure 0003637812
【0068】
周波数偏差補償部32は、この位相回転速度νに基づき部分相関値ごとに周波数数偏差を補償する。すなわち、遅延器321の遅延時間も、相関器3の積分期間と一致するように制御される。遅延器321の遅延時間がtpであれば、部分相関値ごとの補償量Wnを次式のように求めることができる。
【0069】
【数14】
Figure 0003637812
【0070】
複素乗算器32は、この補償量Wnの共役複素数と、n番目の部分相関値Cnとの複素乗算を行って、周波数偏差の補償された部分相関値Dnを生成する。積分器33は、1つの情報シンボル期間tsに含まれるm個の部分相関値を積分して、1情報シンボル当たりの相関値が次式のように求められる。
【0071】
【数15】
Figure 0003637812
【0072】
本実施の形態によれば、1情報シンボル期間における周波数偏差が大きい場合には、部分相関値に対し周波数偏差の補償を行うことにより、周波数偏差が相関値に及ぼす影響を低減している。すなわち、相関値の振幅低下を抑制しつつ、受信ベースバンド信号に対し周波数偏差の補償を行っている。従って、周波数偏差が大きい場合にも、精度の高い周波数偏差補償を行ってCDMA送受信器の受信特性を向上させることができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、位相回転速度νに基づき、積分器301、積分器33、遅延器311及び遅延器321を制御する場合について説明したが、位相回転量uに基づき制御することもできる。
【0074】
実施の形態4.
この実施の形態では、図4を用いて、実施の形態2(図2)における周波数偏差検出部31の遅延時間制御機能と、実施の形態3(図4)における相関器30の積分時間制御機能とを兼ね備えたCDMA送受信装置について説明する。すなわち、必要に応じて、遅延器311の遅延時間と、相関器30内の積分器301の積分時間が、位相回転速度検出器313が検出した位相回転速度νに基づき、それぞれ制御される場合について説明する。
【0075】
遅延器311は、位相回転速度検出器313が検出した位相回転速度νに基づき、遅延時間tdを制御している。そして、この遅延時間tdに応じて、位相回転速度検出器313は、位相回転量uについて時間軸上の正規化を行っている。さらに、積分器301は、位相回転速度νに基づき、積分時間tpを制御している。そして、この積分時間に応じて、遅延器311及び321がそれぞれの遅延時間を制御するとともに、積分器33が積分時間を制御する。
【0076】
次に、このCDMA送受信器の動作について説明する。積分器301の積分時間をtp(tp=ts/m:mは自然数)とし、遅延器311の遅延時間をtd(td=tp×M)とすれば、ある時刻t1に出力される部分相関値C1と、時刻t1+tdに出力される部分相関値CM+1は次式のように表される。
【0077】
【数16】
Figure 0003637812
【0078】
周波数偏差検出部31では、これらの部分相関値C1、CM+1に基づき、部分相関値ごとの位相回転速度νを求める。すなわち、これらの相関値C1、CM+1は、情報変調信号の除去後に複素乗算器312で共役複素乗算されて、位相回転量uが求められる。この位相回転量uは次式により表される。
【0079】
【数17】
Figure 0003637812
【0080】
位相回転速度検出器313は、この位相回転量uを時間的に平均化し、振幅成分を単位長とする正規化を行うとともに、遅延期間tdにおける位相回転量を積分時間tpにおける位相回転量に変換し、位相回転速度νを求める。すなわち、位相回転速度νは次式により表される。
【0081】
【数18】
Figure 0003637812
【0082】
周波数偏差補償部32は、この位相回転速度νに基づき部分相関値ごとに周波数数偏差を補償する。すなわち、遅延器321の遅延時間は、積分器301の積分時間tpと一致するように制御される。遅延器321の遅延時間がtpであれば、部分相関値ごとの補償量Wnを次式のように求めることができる。
【0083】
【数19】
Figure 0003637812
【0084】
複素乗算器322は、この補償量Wnの共役複素数と、n番目の部分相関値Cnとの複素乗算を行って、周波数偏差の補償された部分相関値Dnを生成する。積分器33は、1つの情報シンボル期間tsに含まれるm個の部分相関値を積分して、1情報シンボル当たりの相関値Enが求められる。
【0085】
本実施の形態によれば、1情報シンボルにおける位相回転量が小さい場合には、積分器301の積分時間tpを1情報シンボル期間tsとし、遅延器311の遅延時間tdを大きな値(tp×M)とすれば、位相回転量uの検出精度を高め、高精度の周波数補償を行うことができる。
【0086】
また、1情報シンボルにおける位相回転量が大きい場合には、積分器301の積分時間tpを小さな値(ts/m)とし、遅延器311の遅延時間tdをtpとすれば、相関値の振幅低下を抑制するとともに、位相の回転方向を見失うことないため、正しい位相回転量を得ることができる。
【0087】
さらに、複素乗算器312で乗算される2つの相関値の時間差を情報シンボル期間tsのM/m倍にすることができる。このため、周波数偏差の大小のみならず、周波数検出部31及び周波数補償部32における計算量等を考慮して、任意の時間差を有する2つの相関値について位相回転量を求め、この位相回転量に基づき、相関値の周波数補正を行うことができる。
【0088】
実施の形態5.
図7は、本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である。このCDMA送受信器の受信時の動作は、図1に示したCDMA送受信器と同一であるが、送信時には、送信ベースバンド信号に対しても周波数偏差補償を行っている点で異なる。なお、図1で示した構成部分に相当するものについては、同一の符号を付している。
【0089】
図中の5a〜5cは各マルチパス信号を復調する復調器であり、図1に示した復調器3a〜3cに、送信位相回転速度νtxを求める送信回転速度検出器50を追加して構成される。送信位相回転速度νtxとは、送信ベースバンド信号の周波数偏差を補償する時間間隔(送信補償期間ta)ごとの位相回転量である。60は、各復調器5a〜5cからの送信位相回転速度νtxを合成して合成位相回転速度νtを出力する回転速度合成器、61は、この合成位相回転速度νtに基づき周波数偏差の補償を行う送信補償部、62は、周波数偏差補償後の送信ベースバンド信号のパルス系列から不要高周波成分を取り除くための低域通過フィルタ(LPF)である。
【0090】
送信補償部61は、送信補償期間taごとの位相回転量を求める複素乗算器610と、この位相回転量を送信補償期間taだけ遅延させる遅延器611と、送信ベースバンド信号と位相回転量の複素乗算を行って周波数偏差を補償する複素乗算器612からなる。
【0091】
次に、このCDMA送受信器の送信動作について説明する。送信回転速度検出器50は、位相回転量uに基づき、各マルチパスごとに送信位相回転速度νtxを求める。雑音の影響を軽減するため送信位相回転量uを時間平均するとともに、振幅成分を単位長とする正規化を行うためにその絶対値|u|で除算する。そして、受信側の1情報シンボル期間tsにおける位相回転量を送信補償期間ta当たりの位相回転量に変換して送信位相回転速度νtxを求める。すなわち、送信位相回転速度νtxは次式のように表される。
【数20】
Figure 0003637812
【0092】
ここで、ftは送信RF周波数、frは受信RF周波数、ωtは送信角周波数偏差量であり、送信補償期間taは、送信ベースバンド信号のシンボル時間間隔tsymbolに対し、ta<tsymbolかつ|ωtta|<πを満たす値とする。
回転速度合成器60では、各復調器5a〜5cから出力される送信位相回転速度νtxが加算(平均化)され、次式に示す合成位相回転速度νtが求められる。
【0093】
【数21】
Figure 0003637812
【0094】
送信シンボルは、ベースバンド処理回路において帯域制限され、サンプリングされて、送信ベースバンド信号として端子T2から入力される。すなわち、ベースバンド処理回路内の帯域制限フィルタにより周波数が±1/(2ta)以下に制限され、時間間隔taでサンプリングされた値S(nta)が送信ベースバンド信号である。
【0095】
送信補償部61は、この送信ベースバンド信号S(nta)に対し周波数偏差の補償を行う。まず、合成位相回転速度νtが複素乗算器610に入力される。この複素乗算器610の演算結果は、遅延器611で送信補償期間taだけ遅延させて複素乗算器610に再び入力される。従って、複素乗算器610及び遅延器611により、n番目の送信ベースバンド信号S(nta)に対する補償量Wnを次式のように求めることができる。
【0096】
【数22】
Figure 0003637812
【0097】
なお、上式ではW0=1とする。複素乗算器612は、この補償量Wnとn番目のベースバンド信号S(nta)の複素乗算を行って周波数偏差を補償する。周波数偏差が補償された送信ベースバンド信号Tnは次式のように表される。
【0098】
【数23】
Figure 0003637812
【0099】
周波数偏差補償された送信ベースバンド信号Tnは、D/A変換後にLPF62において不要高周波成分が除去され、次式で表される送信ベースバンド信号T(t)となる。
【0100】
【数24】
Figure 0003637812
【0101】
この送信ベースバンド信号T(t)は、VCO20が出力する局所搬送波によって、直交変調回路22において直交変調され、送信RF信号U(t)となる。この送信RF信号U(t)は、次式のように表される。
【0102】
【数25】
Figure 0003637812
【0103】
本実施の形態によれば、局部発振器20の周波数偏差を補償を、送信ベースバンド信号に対して行っている。このため、従来のCDMA送受信器のように局部発振器20へ周波数偏差をフィードバックする必要がなく、CDMA送受信器を小型化することができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、送信回転速度検出器50が位相回転量uに基づき、送信位相回転速度νtxを求める場合について説明したが、位相回転速度検出器313の出力する位相回転速度νに基づいて送信位相回転速度νtxを求める様に構成することもできる。
【0105】
実施の形態6.
図8は、本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である。このCDMA送受信器の受信時の動作は、図2に示したCDMA送受信器と一であるが、送信時には、送信ベースバンド信号に対しても周波数偏差補償を行っている点で異なる。また、復調器内の位相回転速度νが送信回転速度検出器50に入力されている点で図7に示したCDMA送受信器とも異なる。なお、図2及び図7で示した構成部分に相当するものについては、同一の符号を付している。
【0106】
送信回転速度検出器50に入力される位相回転量uは、遅延器311の遅延時間td(td=ts×M)における位相回転量であり、この遅延時間tdは位相回転量νに基づき制御される。このため、送信回転速度検出器50は、位相回転量νに基づいて遅延時間tdを取得し、入力された位相回転量uを送信補償期間taごとの位相回転量に変換する。従って、送信位相回転速度νtxは、次式により表される。
【0107】
【数26】
Figure 0003637812
【0108】
本実施の形態によれば、遅延器311の遅延時間が受信信号の1情報シンボル期間tsよりも長い場合(実施の形態2の場合)であっても、局部発振器20の周波数偏差の補償を送信ベースバンド信号に対して行うことができる。また、受信信号の1情報シンボル期間tsにおける周波数偏差が小さい場合でも、位相回転量uの検出精度を向上させ、ひいては、送信位相回転速度νtxの精度を向上させることができる。このため、送信RF信号に関しても精度の高い周波数補償を行うことができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、送信回転速度検出器50が位相回転速度νに基づき、遅延時間tdを取得する場合について説明したが、周波数偏差検出部31(例えば遅延器311、位相回転速度検出器313)において求められた遅延時間tdに基づいて送信位相回転速度νtxを求める様に構成することもできる。
【0110】
実施の形態7.
図9は、本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である。このCDMA送受信器の受信時の動作は、実施の形態3(図4)に示したCDMA送受信器と同一であるが、送信時には、送信ベースバンド信号に対しても周波数偏差補償を行っている点で異なる。また、復調器内の位相回転速度νが送信回転速度検出器50に入力されている点で図7に示したCDMA送受信器とも異なる。なお、図4及び図7で示した構成部分に相当するものについては、同一の符号を付している。
【0111】
送信回転速度検出器50に入力される位相回転量uは、相関器30の積分時間tp(=ts/m)における位相回転量であり、この積分時間tpは位相回転量νに基づき制御される。このため、送信回転速度検出器50は、位相回転量νに基づいて積分時間tpを取得し、入力された位相回転量uを送信補償期間taごとの位相回転量に変換する。従って、送信位相回転速度νtxは、次式により表される。
【0112】
【数27】
Figure 0003637812
【0113】
本実施の形態によれば、相関器30の積分時間が受信信号の1情報シンボル期間tsよりも短い場合(実施の形態3の場合)であっても、局部発振器20の周波数偏差の補償を送信ベースバンド信号に対して行うことができる。また、受信信号の1情報シンボル期間tsにおける周波数偏差が大きい場合でも、送信RF信号について精度の高い周波数補償を行うことができる。
【0114】
なお、本実施の形態では、送信回転速度検出器50が位相回転速度νに基づき、積分時間tpを取得する場合について説明したが、周波数偏差検出部31(例えば遅延器311、位相回転速度検出器313)又は相関器30(例えば積分器301)において求められた積分時間tpに基づいて送信位相回転速度νtxを求める様に構成することもできる。
【0115】
実施の形態8.
この実施の形態では、図9を用いて、実施の形態4で説明したCDMA送受信装置において、送信ベースバンド信号に対し周波数偏差補償を行う場合について説明する。
【0116】
送信回転速度検出器50に入力される位相回転量uは、遅延器30の遅延時間td(td=ts×M/m)における位相回転量であり、この遅延時間tdは位相回転量νに基づき制御される。このため、送信回転速度検出器50は、位相回転量νに基づいて遅延時間tdを取得し、入力された位相回転量uを送信補償期間taごとの位相回転量に変換する。従って、送信位相回転速度νtxは、次式により表される。
【0117】
【数28】
Figure 0003637812
【0118】
本実施の形態によれば、相関器30の積分時間が受信信号の1情報シンボル期間tsよりも短い場合(実施の形態3の場合)であっても、局部発振器20の周波数偏差の補償を送信ベースバンド信号に対して行うことができる。また、受信信号の1情報シンボル期間tsにおける周波数偏差が大きい場合でも、送信RF信号について精度の高い周波数補償を行うことができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、送信回転速度検出器50が位相回転速度νに基づき、遅延時間tdを取得する場合について説明したが、周波数偏差検出部31(例えば遅延器311、位相回転速度検出器313)において求められた遅延時間tdに基づいて送信位相回転速度νtxを求める様に構成することもできる。
【0120】
本発明によるCDMA通信装置は、周波数偏差が大きい場合に、相関値の振幅低下を抑制しつつ、受信ベースバンド信号に対し周波数偏差の補償を行うことができ、受信特性を向上させることができる。
【0121】
また、本発明によるCDMA通信装置は、局部発振器の周波数偏差の補償を送信ベースバンド信号に対して行うことができる。このため、従来のCDMA通信装置のように局部発振器20へ周波数偏差をフィードバックする必要がなく、CDMA通信装置を小型化することができる。
【0122】
また、本発明によるCDMA通信装置は、周波数偏差が小さい場合であっても、演算精度を向上させることなく、位相回転量の検出精度を向上させることができる。また、周波数偏差が大きい場合に位相の回転方向を見失わないようにし、正しい位相回転量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるCDMA送受信器の一構成例を示したブロック図である(実施の形態1)。
【図2】 本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である(実施の形態2)。
【図3】 遅延器311における遅延時間の制御に関する説明図であり、位相回転量uを複素平面上で表した図である。
【図4】 本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である(実施の形態3、4)。
【図5】 相関器30における積分時間の制御に関する説明図であり、周波数偏差が大きい場合に得られる相関値VCを複素平面上で表した図である。
【図6】 相関器30における積分時間の制御に関する説明図であり、周波数偏差が大きい場合に、部分相関値VC1〜VC4ごとに周波数偏差補償を行って得られた相関値VCを複素平面上で表した図である。
【図7】 本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である(実施の形態5)。
【図8】 本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である(実施の形態6)。
【図9】 本発明によるCDMA送受信器の他の構成例を示したブロック図である(実施の形態7、8)。
【図10】 従来のCDMA送受信器の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、 20 局部発振器
21 検波器、 22 変調器
23 位相回転量合成器、24 平均化器
3(3a〜3c) 復調器
30 相関器、 300 複素乗算器
301 第2の積分器、 31 周波数偏差検出部
310 情報信号除去回路、311 第1の遅延回路
312 複素乗算器、 313 位相回転速度検出器
32 周波数偏差補償部、320 複素乗算器
321 遅延器、 322 複素乗算器
33 第1の積分器、 34 絶対位相補償回路
4 相関値合成部
5(5a〜5c) 復調器、50 送信回転速度検出器
60 回転速度合成器、 61 送信補償部
610 複素乗算器、 611 遅延器
612 複素乗算器 62 低域通過フィルタ
T1 受信ベースバンド信号の出力端子
T2 送信ベースバンド信号の入力端子

Claims (3)

  1. 受信信号及び局部搬送波を混合する検波器と、
    検波器の出力に基づきマルチパスごとの相関値を求める2以上の復調器であって、
    該復調器は、
    検波器の出力する検波信号と所定の擬似拡散符号系列の複素乗算を行う複素乗算器と、
    この複素乗算結果を積分して部分相関値を出力する第1の積分器と、
    この部分相関値に基づき部分相関値ごとの位相回転速度を求める周波数偏差検出部と、
    この位相回転速度に基づき部分相関値の位相を回転させる周波数偏差補償部と、
    この周波数偏差補償部の出力する部分相関値を積分して所定の1情報シンボル期間あたりの相関値を出力する第2の積分器とを有し、
    各復調器の出力する所定の1情報シンボル期間あたりの相関値を合成する相関値合成部とを備え
    前記位相回転速度に基づき、第1及び第2の積分器の積分時間を制御することを特徴とするCDMA通信装置。
  2. 受信信号及び局部搬送波を混合する検波器と、
    検波器の出力に基づきマルチパスごとの相関値を求める2以上の復調器であって、
    該復調器は、
    所定の擬似拡散符号系列で検波信号を逆拡散して相関値を求める相関器と、
    この相関値に基づき、相関値ごとの位相回転速度を求める周波数偏差検出部と、
    この位相回転速度に基づき相関値の位相を回転させる周波数偏差補償部を有し、
    前記各復調器の出力する相関値を合成する相関値合成部と、
    前記位相回転速度に基づき、所定の送信補償時間ごとの位相回転速度である送信回転速度をマルチパスごとに求める2以上の送信回転速度検出器と、
    各送信回転速度を合成して合成回転速度を求める回転速度合成器と、
    この合成回転速度に基づき、送信補償時間ごとに送信ベースバンド信号の位相を回転させる送信補償部と、
    位相回転後の送信ベースバンド信号及び局部搬送波を混合する変調器とを備えたことを特徴とするCDMA通信装置。
  3. 前記周波数偏差検出部は、前記相関値の所定の遅延時間だけ遅延させる第1の遅延器と、
    遅延前後の相関値について共役複素乗算を行い、これらの相関値間の位相回転量を求める第1の複素乗算器と、
    この位相回転量を正規化し相関値ごとの位相回転速度を生成する位相回転速度検出器を備え、
    位相回転量又は位相回転速度に基づき、第1の遅延器の遅延時間が制御される請求項1または2に記載のCDMA通信装置
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