JP3637593B2 - サーモサイフォン - Google Patents
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- F25D—REFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F25D17/00—Arrangements for circulating cooling fluids; Arrangements for circulating gas, e.g. air, within refrigerated spaces
- F25D17/02—Arrangements for circulating cooling fluids; Arrangements for circulating gas, e.g. air, within refrigerated spaces for circulating liquids, e.g. brine
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動流体の相変化を利用して熱を効率よく輸送するサーモサイフォンに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来この種のサーモサイフォンとしては、例えば特開2001−33139号公報等に記載されているものが知られている。これらのサーモサイフォンは、図3及び図4に記載されているように、スターリング冷凍機1A(冷凍機)に取り付けられた凝縮器部1(凝縮器)と、この凝縮器部1に接続された液体ライン2(液体管)と、この液体ライン2に接続された蒸発器部3(蒸発管)と、この蒸発器部3と凝縮器部1の間に接続された気体ライン4(気体管)と、これら凝縮器部1、液体ライン2、蒸発器部3、気体ライン4によって形成される経路に封入された流体(作動流体、図示せず)とで構成されている。そして、封入された流体を凝縮器部1で凝縮させ、液体ライン2から排出し、蒸発器部3内で再び気化させる際に周囲の熱をキャビネット5(容器)から奪い、気体ライン4から再び凝縮器部1に戻すことで、蒸発器部3と接触したキャビネット5を冷却するものである。そして、これらのサーモサイフォンでは、前記蒸発器部3が図3に示すように水平か、または図4に示すように少なくともその後部が、気体ライン4側が高くなるように傾斜して形成されている。これは、凝縮された流体を蒸発器部3内に溜めておき、この流体が周囲の熱を奪って気化した際に、気体状の流体が気体ライン4側にスムーズに移動するようにするためである。
【0003】
しかしながら、これらのサーモサイフォンにおいては、蒸発器部3内で液体状の流体が溜まっている部分において蒸発器部3周囲の熱が吸収されることになるため、吸熱能力を向上させようとした場合、蒸発器部3内の広い範囲が液体状の流体で満たされている必要がある。そしてこのためには、サーモサイフォン内に封入される流体の量を増やす必要があるが、流体の封入量を増やすということは、材料や工数が増加するため、また不使用時の内部圧力が高まることに対して耐圧強度を上げる必要が生じるため、コストアップに繋がる虞が生ずる。また、蒸発器部3周囲の温度が低下すれば、蒸発器部3内に溜まる液体状の流体の量が増えることになるが、逆に言えば、吸熱能力が求められる冷却初期において吸熱能力が低いということであり、蒸発器部3周囲の冷却効率が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、作動流体の循環を妨げることなく吸熱効率を高めることができるサーモサイフォンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のサーモサイフォンは、冷凍機に取り付けられ作動流体を凝縮させる凝縮器と、この凝縮器で凝縮させた作動流体を排出する液体管と、この液体管から供給された作動流体を気化させて容器内の熱を奪う蒸発管と、この蒸発管内で気化した作動流体を凝縮器に戻す気体管よりなるサーモサイフォンにおいて、前記蒸発管の少なくとも前部が前記液体管側ほど高くなるように構成され、両端が少なくとも前記蒸発管の最低部を迂回するように接続されたバイパス管を設けたものである。
【0006】
請求項1記載の本発明は以上のように構成することにより、凝縮器で凝縮させた作動流体が液体管を通って蒸発管に至り、この蒸発管の前部から後部に向かって流下する際に蒸発管周囲の熱を奪って気化し、気体管から再び凝縮器に戻る。そして、液化した作動流体が蒸発管内に溜まって経路が塞がれたとしても、蒸発管内で気化した作動流体がバイパス管によって最低部を迂回し、蒸発管及び気体管を通り、凝縮器に戻る。
【0007】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は第1の実施形態を示しており、箱体10に収容されるサーモサイフォンは、図示しない作動流体を凝縮させる凝縮器11と、この凝縮器11で凝縮させた作動流体を排出する液体管12と、この液体管12から供給された作動流体を気化させて容器13から熱を奪う蒸発管14と、この蒸発管14内で気化した作動流体を凝縮器11に戻す気体管15を備え、これらはこの順で接続される。また、気体管15の、蒸発管14との接続部の反対側は、凝縮器11に接続されて、作動流体を回収できるようになっている。蒸発管14は容器13の4つの側面13A,13B,13C,13Dを巻くように沿って配置される。さらに、第1の側面13Aに配置される蒸発管14の前部14Aから、第2,3の側面13B,13Cに配置される蒸発管14の中間部14B,14Cを介して、第4の側面13Dに配置される蒸発管14の後部14Dにかけて次第に低くなるように、蒸発管14は配置され、さらに後部14Dに気体管15が接続される。これにより前記蒸発管14の前部14Aが前記液体管12側ほど高くなるように構成されるとともに、蒸発管14の最低部となった後部14Dによって液溜め部が形成される。さらに、液体管12の外周は断熱部材16で被覆されている。尚、17は冷凍機であり、この先端に前記凝縮器11が取り付けられている。
【0008】
そして、蒸発管 14 の最低部となる後部 14 Dを迂回するようにバイパス管 18 を設ける。このバイパス管 18 の一端 18 Aは蒸発管 14 の第1の中間部 14 Bと第2の中間部 14 Cの間に接続され、他端 18 Bは前記気体管 15 に接続されている。
【0009】
したがって、前記冷凍機17によって凝縮器11が冷却されることで、凝縮器11で凝縮された液体冷媒は、液体管12を通って蒸発管14に導かれ、蒸発管13内を流れて全体に行き渡る。その流れる中で冷却対象たる容器13の熱を奪って気化し、気体管16を通って凝縮器11に戻る。
【0010】
この際、液化した作動流体が蒸発管14の全域に渡って流下する過程で容器13の熱が吸熱される。
【0011】
そして、液化した作動流体が蒸発管 14 内に溜まって経路が塞がれたとしても、蒸発管 14 内で気化した作動流体がバイパス管 18 の一端 18 Aから他端 18 Bへ抜けることで、最低部となっている後部 14 Dを迂回して、気体管 15 を通り、凝縮器 11 に戻ることができる。
【0012】
以上のように、前記の実施形態では経路が塞がれたとしても、蒸発管14内で気化した作動流体がバイパス管18によって最低部を形成する後部14Dを迂回し、バイパス管18及び気体管15を通り、凝縮器11に戻るので、気化した作動流体の移動が妨げられることなく、吸熱効率の低下をより一層防止することができるばかりでなく、封入する作動流体の量の公差が大きく取れるので、製品の性能のバラツキを小さく抑えることができる。
【0013】
次に本発明の第2の実施形態を図2を参照して説明する。尚、前記第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0014】
図2に示した第2の実施形態では、容器13の第1の側面13Aに配置される蒸発管14の前部14Aから、第2,3の側面13B,13Cに配置される蒸発管14の中間部14B,14Cを介して、第4の側面13Dに配置される蒸発管14の後部14Dにかけて次第に低くなるように、蒸発管14が配置され、さらに後部14Dに気体管15が接続される。そして、蒸発管14を迂回するようにバイパス管19を設ける。このバイパス管19の一端19Aは液体管12と蒸発管14との接続部に接続され、他端19Bは前記気体管15の凝縮器11寄りに接続されている。
【0015】
したがって、液化した作動流体が蒸発管14内に溜まって経路が塞がれたとしても、蒸発管14内で気化した作動流体が最低部となっている後部14Dを迂回し、作動流体はバイパス管19の一端19Aから他端19Bへ抜けるとともに、気体管15を通り、凝縮器11に戻ることができる。
【0016】
このように、第2の実施形態では経路が塞がれたとしても、蒸発管14内で気化した作動流体が蒸発管14、バイパス管19及び気体管15によって凝縮器11に戻るので、気化した作動流体の移動が妨げられることなく、吸熱効率の低下をより一層防止することができるばかりでなく、封入する作動流体の量の公差が大きく取れるので、製品の性能のバラツキを小さく抑えることができる。
【0017】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、第1及び第2の実施形態において、バイパス管を複数設けてもよい。また、蒸発管の後端部を閉じ、気体管の一端を蒸発管の途中に接続すると共に、蒸発管と気体管の間にバイパス管を接続するようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明のサーモサイフォンは、冷凍機に取り付けられ作動流体を凝縮させる凝縮器と、この凝縮器で凝縮させた作動流体を排出する液体管と、この液体管から供給された作動流体を気化させて容器内の熱を奪う蒸発管と、この蒸発管内で気化した作動流体を凝縮器に戻す気体管よりなるサーモサイフォンにおいて、前記蒸発管の少なくとも前部が前記液体管側ほど高くなるように構成され、両端が少なくとも前記蒸発管の最低部を迂回するように接続されたバイパス管を設けたものであり、液化した作動流体が蒸発管内に溜まって経路が塞がれたとしても、蒸発管内で気化した作動流体がバイパス管によって最低部を迂回し、蒸発管及び気体管を通り、凝縮器に戻るので、気化した作動流体の移動が妨げられることなく、吸熱効率の低下をより一層防止することができるばかりでなく、封入する作動流体の量の公差が大きく取れるので、製品の性能のバラツキを小さく抑えることができ、これに伴って注入設備を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示すサーモサイフォンの斜視図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態を示すサーモサイフォンの斜視図である。
【図3】 従来のサーモサイフォンの斜視図である。
【図4】 他の従来のサーモサイフォンの斜視図である。
【符号の説明】
11 凝縮器
12 液体管
14 蒸発管
14A 前部
14D 後部(最低部)
15 気体管
16 断熱部材
17 冷凍機
18 19 バイパス管
18A 19A 一端
18B 19B 他端
Claims (1)
- 冷凍機に取り付けられ作動流体を凝縮させる凝縮器と、この凝縮器で凝縮させた作動流体を排出する液体管と、この液体管から供給された作動流体を気化させて容器内の熱を奪う蒸発管と、この蒸発管内で気化した作動流体を凝縮器に戻す気体管よりなるサーモサイフォンにおいて、前記蒸発管の少なくとも前部が前記液体管側ほど高くなるように構成され、両端が少なくとも前記蒸発管の最低部を迂回するように接続されたバイパス管を設けたことを特徴とするサーモサイフォン。
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