JP3636806B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光中のフイルム移動やシャッタ2段落ち感覚を防止したレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
簡単な露光機構を備えるとともに、予め未露光の写真フイルムとパトローネとが製造時に装填され、面倒なフイルム装填と巻戻し操作を不要にしたレンズ付きフイルムユニットとして、例えば「写ルンですSuper800(商品名)」等が本出願人より製造販売されている。このようなレンズ付きフイルムユニットでは、撮影ごとにパトローネのスプールに係合された巻上げノブを回転操作して露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する巻上げ操作を行なう。この巻上げノブの巻上げ操作に伴って移送される写真フイルムに従動して従動スプロケットが回転されると、シャッタ駆動レバーがチャージ位置に移動した後、係止レバーによって係止される。
【0003】
これと同時に、係止レバーが従動スプロケットと同軸の回転部材に係合してロックされ、また巻上げノブの外周に形成された歯列に係合して巻上げノブのそれ以上の回転を阻止する。シャッタボタンを押し下げていくと、シャッタボタンの下部に一体成形された押圧ロッドが徐々に係止レバーを押動して回動させる。係止レバーと回転部材との係合が解除された直後にシャッタ駆動レバーの係止が解除され、シャッタ駆動レバーによってシャッタ羽根の端部が蹴飛ばされてシャッタ羽根が揺動し、シャッタ開口が開閉され、露光位置にセットされた写真フイルムに露光が与えられる。
【0004】
また、このようなフイルム巻上げ機構では、フイルム巻上げ操作の際に、巻上げノブをフイルム巻上げ方向とは逆の方向に回転操作すると、露光済みのコマがパトローネから引き出されてしまうため、巻上げノブの逆転操作を阻止する逆転操作防止機構が設けられている。この機構は、巻上げノブの外周に形成された歯列と、歯列に弾性自在に係合する逆転防止爪とから構成されている。この逆転防止爪は、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、また巻上げノブの逆転操作の際には歯列の谷に入り込んでその回転を阻止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなレンズ付きフイルムユニットでは、巻上げノブに通常より強い力を加えて無理な巻上げ操作(無理巻き)を行なうと、図6に示すように、巻上げノブ81の歯列81aに係合した露光機構の係止レバー82が撓んで巻上げノブ81が約1歯分過送りされる場合がある。このとき、従動スプロケット84は係止レバー82によりロックされているから、巻上げノブ81が約1歯分過送りされると、写真フイルム86は無理に引っ張られて強いテンションがかかる。この状態から巻上げノブ81に加えた力を弛めると、写真フイルム86にかかっているテンションと撓んだ係止レバー82の弾性とによって巻上げノブ81は逆転しそうになるが、逆転防止爪87が歯列81aに係合して巻上げノブ81の逆転が阻止される。これにより、写真フイルムには強いテンションがかかったままになる。
【0006】
この状態から、シャッタボタンを押し下げてレリーズ操作を行なうと、シャッタボタンが全押し位置に至る途中で巻上げノブ81の歯列81aに強く係合していた係止レバー82が外れる。このとき、シャッタ開閉時に似た手応えや音が発生するため、撮影者はこの後に発生する本当のシャッタ開閉による手応えや音とでシャッタが合計2度落ちたような錯覚を起こす(シャッタ2段落ち感覚)。この場合、撮影者は、最初の手応えや音でシャッタが開閉されたと早合点し、本当にシャッタが開閉される前にレンズ付きフイルムユニットを保持していた手から力を抜いたり、ファインダから目を離すため、手ブレの原因になる。
【0007】
また、巻上げノブ81の歯列81aに強く係合していた係止レバー82が外れるときには、写真フイルム86にかかっていたテンションが急に緩むため、パトローネ内のスプールに強く巻かれていた写真フイルム86が緩んで微妙な振動が発生する。そして、この直後に巻止めカム85の溝85aから係止レバー82の爪82aが外れて、巻止めカム85と同軸の従動スプロケット84がフリー状態になるため、前記微妙な振動は露光位置にセットされた写真フイルム86に伝達され、シャッタ開中に写真フイルム86が振動する等のフイルム移動が起こり、撮影画像の画質が劣化する。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、無理巻きに起因する露光中のフイルム移動やシャッタ2段落ち感覚を防止したレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、シャッタボタンの初期操作により応動して逆転防止爪を押動し、逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除する解除手段を設け、係止レバーが巻上げノブの歯列から外れてフイルム巻止めが解除される前にスプールを回動自由にするものである。また、前記解除手段は、回転部材や係止レバーの軸受け機能を有する天板に一体に形成した解除レバーとしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の外観を示す図2において、レンズ付きフイルムユニット2は、パトローネ付きの写真フイルムや各種撮影機構が内蔵されたユニット本体3と、この中央部の縦方向に巻き付けて貼着した帯状のラベル4とから構成されている。ラベル4に覆われないユニット本体3の左右には、巻上げノブ5,シャッタボタン6,ストロボ発光部7,充電スイッチ8が配置され、ラベル4には、撮影レンズ9,ファインダ10及び撮影枚数表示窓11等を露出させるための穴が設けられている。
【0011】
図3に示すように、ユニット本体3は、本体基部12,後カバー13,露光ユニット14,ストロボユニット15、及び前カバー16とから構成されている。本体基部12の前面には、撮影レンズ9を備えた露光付与機構,フイルム巻上げ機構及びシャッタチャージ機構等がユニット化された露光ユニット14が着脱自在に取り付けられる。後カバー13は、本体基部12の背後に組み付けられて本体基部12との間で写真フイルムパトローネ17を光密に収納する。
【0012】
前カバー15は、本体基部12の前面に着脱自在に取り付けられる。この前カバー15の上面には、一部を切り欠いて弾性自在に形成したシャッタボタン6が設けられている。このシャッタボタン6の下部には、押圧ロッド18が設けられており、詳しくは後述する露光ユニット14の構成部品を押圧し、露光付与機構を作動させるとともに、後述する逆転防止爪を変位させ、巻上げノブ5の外周に形成された歯列5aとの係合を解除する。
【0013】
本体基部12には、写真フイルムパトローネ17のパトローネ20を収納するためのパトローネ収納室21と、パトローネ20から引き出された未露光の写真フイルム22をフイルムロール22aの形態で収納するためのフイルムロール室23とが一体に形成されている。
【0014】
パトローネ20は、プラスチックで形成されており、未使用時には写真フイルム22を全て内部に収納しておき、使用時にはスプール25の回転によって写真フイルム22を外部に送り出す。また、写真フイルム22が引き出されるフイルム出入り口には、写真フイルム22が全て巻き込まれたときに回動されてパトローネ20内を遮光する蓋部材26が組み込まれている。
【0015】
パトローネ収納室21とフイルムロール室23との底は開口となっており、写真フイルムパトローネ17を装填した後に、後カバー13に設けたプルトップ式の底蓋28,29によってそれぞれ塞がれる。
【0016】
パトローネ収納室21とフイルムロール室23との間には、暗箱30が設けられている。暗箱30の背面側には露光開口31が形成されており、この露光開口31は、撮影レンズ9を通る光軸9aを中心として写真フイルム22の移送方向で湾曲した形状となっている。また後カバー13には、露光開口31に対峙する部分にフイルム支持面32が形成されており、このフイルム支持面32も同様に湾曲されている。
【0017】
暗箱30の前面側には、露光ユニット14が取り付けられる。また、暗箱30の上方には、露光ユニット14の従動スプロケットを写真フイルム22に向けて露呈させるための開口30aが形成されている。この開口30aは、撮影レンズ9側から見た露光開口31に対して上方左側に形成されている。
【0018】
巻上げノブ5は、パトローネ収納室21の上面に回動自在に配置され、パトローネ収納室21に装填されたパトローネ20のスプール25に係合している。この巻上げノブ5は、一部が後カバー13から露呈されており、この露呈された部分をフイルム巻上げ方向(図中反時計方向)に回転操作することにより、スプール25がフイルム巻き取り方向に回転されて撮影済みの写真フイルム22がパトローネ20内に収納される。
【0019】
巻上げノブ5の外周に形成された歯列5aには、本体基部12に設けた逆転防止爪37が係合している。逆転防止爪37は、巻上げノブ5のフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には歯列5aの谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブ5がフイルム巻上げ方向とは逆の方向(図中時計方向)に回転操作されることを禁止している。
【0020】
ストロボユニット15は、回路基板33とストロボ発光部7とから構成されている。回路基板33には、ストロボ回路を構成するメインコンデンサ34等からなる電気部品と、露光ユニット14のシャッタ機構によってオンされるシンクロスイッチ35と、ストロボ装置16の電源となる乾電池36を接続するための接片38a,38bとが取り付けられている。また、充電スイッチ8の押圧により回路基板33のプリント接点24a,24bを短絡させてメインコンデンサ34への充電を開始する接片27がフイルムロール室23の外壁に取り付けられている。
【0021】
写真フイルム22は、図4に示すように、フイルム自由端部22b,撮影領域22c,フイルム係止部22dから構成されている。撮影領域22cには、一方の側縁に沿ってサイズの異なった大小2個のパーフォレーション39,40が2種類の間隔で交互に配列されており、間隔の長いパーフォレーション39,40の間の中心を前記露光開口のフイルム給送方向(長手方向)の中心に合わせた状態で撮影を行いコマ41が形成される。撮影領域22cは、最初に撮影が行われるコマ41aと、最後に撮影が行われるコマ41bとを含む規定撮影枚数分のコマ41が形成されるだけの長さを有している。
【0022】
フイルム係止部22dは、パトローネ20のスプール25に係止されており、巻上げノブ5の操作によるスプール25の回転によってスプール25に巻き付けられる。フイルム自由端部22bとフイルム係止部22dとは、撮影に用いられない領域とされており、現像処理時等に使用するための露光禁止領域となっている。そのため、フイルム自由端部22b,フイルム係止部22dは、未露光の状態でパトローネ20内に巻き上げられる。
【0023】
露光ユニット14には、図5に示すようなシャッタチャージ機構が設けられている。このシャッタチャージ機構は、同軸に設けられた従動スプロケット45,回転体46と、この近傍に設けられた板バネ48と、第1バネ52,第2バネ53によりそれぞれ反時計方向と時計方向とに付勢されたシャッタ駆動レバー49,係止レバー50と、カウンタ表示板51とからなる。
【0024】
従動スプロケット45は、回転部材46の下部に係合されて暗箱30の上部の開口31aからフイルム面に向けて露呈される。従動スプロケット45の円周面45aには、短い間隔で並んだ一対の大小パーフォレーション39,40に順次に噛合する一対の大小の歯55,56が、180°の回転対称で2対設けられている。そして、従動スプロケット45は、1コマ分の写真フイルム22がパトローネ20内に巻き上げられる際にフイルム移送に従動して半回転される。
【0025】
回転部材46は、従動スプロケット45の回転補助を行う被押圧部59と、シャッタチャージを行うシャッタチャージカム60と、フイルム巻止め状態をつくる巻止めカム61と、カウンタ表示板51を一目盛り分ずつ回動させる二歯ギヤ62とから構成されており、これらは一体に形成されている。
【0026】
被押圧部59は、外周に180°の回転対称で形成された一対の突起59aからなる。写真フイルム22にはパーフォレーションが連続的に設けられていないことから、従動スプロケット45の歯55,56がパーフォレーション39,40との何れとも噛合されない状態が発生してしまう。この状態のときに、板バネ48が突起59aを押圧し、回転部材46を従動方向に回動させるようになっている。これにより、従動スプロケット45の歯56は、次のパーフォレーション40に噛合可能な位置まで移動される。
【0027】
シャッタチャージカム60は、外周に180°の回転対称で形成された羽根形状の突起60aによって、シャッタ駆動レバー49の突部49aを押圧し、時計方向(チャージ位置に向かう方向)に向けて回動させる。
【0028】
係止レバー50は、この爪部50aが回転部材46の巻止めカム61の外周に当接されており、回転部材46が半回転して、巻止めカム61の溝61aが係止レバー50の爪部50aに合致する位置に到達すると、時計方向に僅かに回動され、爪部50aが溝61aに挿入される。これと同時に、係止レバー50は、シャッタ駆動レバー49と係合し、また巻止め爪50bを巻上げノブ5の歯列5aに噛合させてフイルム巻上げ操作を阻止する。これによりフイルム巻止め状態となる。
【0029】
係止レバー50とシャッタ駆動レバー49との係合は、係止レバー50から下方に向けて突出された係合突起50cと、シャッタ駆動レバー49から上方に向けて突出された被係合突起49bとが突き合わされることにより行われる。そして、シャッタボタン6が押し下げられると押圧ロッド18が係止レバー50の立ち下がり片50dを押圧し、係止レバー50は反時計方向に回動される。係止レバー50が図示位置以上に回動されると、係合突起50cと被係合突起49bとの係合が解除され、シャッタ駆動レバー49は反時計方向に回動される。
【0030】
シャッタ駆動レバー45が反時計方向に回動されると、シャッタ羽根64に上部に形成された作用片64aが蹴飛ばされ、シャッタ羽根64が揺動してシャッタ開口が開放され、写真フイルム22への露光が行われる。また、シャッタ羽根64は引き戻しバネ(図示せず)の付勢によって反時計方向に回動され、すぐにシャッタ開口は閉じられる。
【0031】
二歯ギヤ62は、カウンタ表示板51の外周に形成された歯列51aに噛合されており、カウンタ表示板51は二歯ギヤ62の半回転によって一目盛り分だけ時計方向に回動される。カウンタ表示板46の上面には、その回転ピッチに対応して枚数表示用の目盛りが設けられており、この目盛りは露光ユニット14の上部を構成する天板68と一体成形された拡大レンズ68a(図3参照)によって拡大され、表示窓11を通して観察することができる。この目盛りは、その時点で撮影可能なフイルム枚数、すなわち残数表示目盛りとなっている。
【0032】
前記天板68は、前記拡大レンズ68aが一体に形成されている他、巻止めカム61の上面を規制するとともに、シャッタ駆動レバー49の軸66の上端を保持し、またファインダ10のレンズ10aの上部を押さえ、さらにシャッタボタン6の初期操作により逆転防止爪37を回動させて巻上げノブ5との係合を解除する機能を有する。
【0033】
このシャッタボタン6の初期操作で逆転防止爪37を回動して巻上げノブ5との係合を解除する解除手段は、図1に示すように、コ字型の解除レバー71と、T字形の回動レバー72とからなる。レバー71,72の各々は、天板68の巻上げノブ5側の端部を切り欠いて形成され、それぞれ連結部71a,72aの弾性変形により回動自在に形成されている。そして、解除レバー71の先端部71bと回動レバー72の一端部72bとは、互いに隣接した位置に形成されている。露光ユニット14を本体基部12に取り付けると、解除レバー71の側部71cが逆転防止爪37と相対した位置に配置される。また、前カバー16を本体基部12に取り付けると、回動レバー72の他端部72cが押圧ロッド18に一体成形された押圧部材18aと隣接した位置に配置される。
【0034】
シャッタボタン6の操作を開始すると、押圧部材18aが回動レバー72の他端部72cを押圧し、回動レバー72を反時計方向に回動させる。すると、一端部72bが解除レバー71の先端部71bを押圧して解除レバー71を時計方向に回動させるから、解除レバー71の側部71cが逆転防止爪37を後カバー13側へ押動する。これにより、逆転防止爪37は時計方向に回動され、巻上げノブ5の歯列5aとの係合が解除される。そして、この解除は、係止レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから完全に外れるフイルム巻止め解除の前に行なわれる。
【0035】
このように、フイルム巻止めが解除される前にスプール25が回動自由なフリー状態になり、写真フイルム22にかかっていたテンションが解除されるから、例え巻上げノブ6を無理巻きして係止レバー50の巻止め爪50bと巻上げノブ5の歯列5aとが強く係合していたとしても、この強い係合状態が解除され、係止レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから外れる際の手応えや音はほとんど発生しない。したがって、シャッタ2段落ち感覚は生じない。また、巻上げノブ6を無理巻きしてあった場合には、スプール25がフリー状態になった瞬間に写真フイルム22に微妙な振動が発生するが、これはすぐに消失する。したがって、露光中には写真フイルム22は安定した状態になり、撮影画像はブレのない高画質なものとなる。
【0036】
次に上記実施形態の作用について説明する。図2に示すレンズ付きフイルムユニット2を購入したユーザーは、始めに巻上げノブ5を回転操作して撮影準備を行う。巻上げノブ5が回転操作されると、図4に示すフイルム係止部22dが写真フイルム22がパトローネ20内に巻き上げられる。
【0037】
写真フイルム22の移動と板バネ48の付勢とにより、従動スプロケット45と回転部材46とは反時計方向に回転され、小歯56が次の小パーフォレーション40に噛合可能な位置まで移動される。さらに写真フイルム22が移送されると、従動スプロケット45の小歯56が次の小パーフォレーション40に噛合し、大歯55が大パーフォレーション39に順次噛合する。巻上げノブ5の回転操作が開始されてから大歯55が大パーフォレーション39に噛合するまでの間に、回転部材46は反時計方向に半回転される。
【0038】
回転部材46が半回転する間には、シャッタチャージカム60の突起60aがシャッタ駆動レバー49の突部49aを押圧して、シャッタ駆動レバー49を時計方向に回動させる。係止レバー50は、第2バネ53の付勢によって時計方向に回動し、爪部50aを巻止めカム61の溝61aに係合させて回転部材46の回転をロックするとともに、係合突起50cをシャッタ駆動レバー49の被係合突起49bに係合させる。さらに係止レバー50は、巻止め爪50bを巻上げノブ5の外周の歯列5aに噛合させて、巻上げノブ5の回転操作を阻止する。これにより、レンズ付きフイルムユニット2の撮影準備が完了する。
【0039】
その後、ファインダ10で撮影範囲を確認し、シャッタボタン6の操作を開始すると、この初期操作で押圧ロッド18の押圧部材18aが回動レバー72及び解除レバー71を介して逆転防止爪37を後カバー13側に回動させ、逆転防止爪37と巻上げノブ5との係合を解除する。これにより、パトローネ20のスプール25が回動自由になるから、巻上げノブ5の無理巻きで巻上げノブ5を約1歯分回転させて写真フイルム22に強いテンションをかけていた場合でも、このテンションが解除される。また、この瞬間に写真フイルム22に微妙な振動が発生することがあるが、きわめて短時間で消失する。
【0040】
この後、シャッタボタン6をさらに押し下げて全押しすると、係止レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから外れ、フイルム巻止めが解除される。このとき、すでに逆転防止爪37と巻上げノブ5との係合解除により写真フイルム22にはほとんどテンションがかかっていない状態になっているから、無理巻きによる係止レバー50の巻止め爪50bと巻上げノブ5の歯列5aとの強い係合状態が解消されており、係止レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから外れる際のシャッタ開閉時と似た手応えや音が発生することがない。
【0041】
続いて巻止めカム61の溝61aから係止レバー50の爪部50aが外れると、次の瞬間に、押圧ロッド18が係止レバー50の立ち下がり片50cを押圧して反時計方向に向けて回動させる。これにより、係止レバー50の係合突起50cとシャッタ駆動レバー49の被係合突起50cとの係合が解除され、シャッタ駆動レバー49は第1バネ52の付勢によって反時計方向に回動する。シャッタ駆動レバー49は、シャッタ羽根64の作用片64aを蹴飛ばしてシャッタ開口を開閉し、安定状態の写真フイルム22に露光が行なわれる。この結果、高画質な撮影画像が得られる。
【0042】
以上説明した第1実施形態では、天板の解除レバーは回動レバーを介して回動させていたが、回動レバーを省略することもできる。この場合には、例えばシャッタボタンの押圧ロッドに楔状の部材を一体成形し、シャッタボタンの押下げにより楔状の部材が解除レバーと天板本体との隙間に挿入され、解除レバーが逆転防止爪側に回動されるようにする。また、露光ユニットの天板に解除レバーを設けたが、別の部材,例えば本体基部に設けてもよい。
【0043】
なお、本発明の構成は、フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)が用いた従来より剛性が高い新タイプの写真フイルムを装填したレンズ付きフイルムユニットにも適用できる。この場合には、無理巻きに起因する写真フイルムの微妙な振動がより顕著に発生するため、本発明が有効である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットによれば、シャッタボタンの初期操作で逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除し、フイルム巻止めの解除前にスプールを回動自由にしたので、無理巻きで写真フイルムに過度のテンションがかかり、係止レバーと巻上げノブとが強く係合していても、これをフイルム巻止め解除前に解除でき、フイルム巻止めの解除時に発生するシャッタ開閉時と似た手応えや音が発生せず、シャッタ2段落ち感覚の発生を防止できる。また、シャッタ開前にスプールが回動自由になって写真フイルムの緊張状態が解消されるので、写真フイルムは安定状態で露光され、ブレがない高画質の撮影画像を得ることができる。また、回転部材や係止レバーの軸受けとして従来から用いられている天板に解除手段を設けたので、きわめて簡単かつローコストに上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天板の構成と逆転防止爪とシャッタボタンの一部との関係を示す説明図である。
【図2】本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】写真フイルムパトローネの構成を示す説明図である。
【図5】シャッタチャージ機構の構成を示す説明図である。
【図6】従来のレンズ付きフイルムユニットに用いられているシャッタチャージ機構の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
5 巻上げノブ
6 シャッタボタン
12 本体基部
13 後カバー
14 露光ユニット
16 前カバー
17 写真フイルムパトローネ
18a 押圧部材
20 パトローネ
22 写真フイルム
37 逆転防止爪
45 従動スプロケット
49 シャッタ駆動レバー
49b 被係合突起
50 係止レバー
50c 係合突起
51 回転部材
61 巻止めカム
68 天板
71 解除レバー
72 回動レバー
Claims (2)
- 写真フイルムとこの一端部が係止されたスプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填するとともに、撮影ごとの巻上げ操作によってパトローネのスプールを回転し、露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する外周に歯列を形成した巻上げノブと、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブの巻上げ操作時には弾性変形してその回転を許容し、巻上げ操作と逆方向に操作した時には前記歯列の谷に入り込んでその回転を阻止して巻上げノブの逆転を防止する逆転防止爪と、前記巻上げノブの巻上げ操作に伴って移送される写真フイルムに従動して回転される従動スプロケットと、この従動スプロケットと同軸に設けられ、従動スプロケットの回転によりシャッタチャージを行なう回転部材と、シャッタチャージ位置で回転部材に係合してその回転を禁止するとともに巻上げノブの歯列に係合してフイルム巻止めを行なう係止レバーとを備え、シャッタボタンの押下操作により係止レバーが巻上げノブの歯列から外れてフイルム巻止めが解除された後、係止レバーが回転部材との係合を解除してシャッタ開閉が行なわれ、露光位置にセットされた写真フイルムに露光が与えられるレンズ付きフイルムユニットにおいて、
シャッタボタンの初期操作により応動して前記逆転防止爪を押動し、前記逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除する解除手段を設け、前記フイルム巻止めが解除される前に前記スプールを回動自由にすることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記解除手段は、前記回転部材や係止レバーの軸受け機能を有する天板に一体に形成した解除レバーであることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
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JPH09211708A JPH09211708A (ja) | 1997-08-15 |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-02-01 JP JP01668696A patent/JP3636806B2/ja not_active Expired - Fee Related
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