JPH09211708A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

レンズ付きフイルムユニット

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JPH09211708A
JPH09211708A JP1668696A JP1668696A JPH09211708A JP H09211708 A JPH09211708 A JP H09211708A JP 1668696 A JP1668696 A JP 1668696A JP 1668696 A JP1668696 A JP 1668696A JP H09211708 A JPH09211708 A JP H09211708A
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film
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shutter
knob
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Kazuo Okoyama
一夫 小古山
Hiroshi Sakata
弘 坂田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無理巻きに起因する露光中のフイルム移動や
シャッタ2段落ち感覚を防止する。 【解決手段】 天板68の巻上げノブ5側の端部に解除
レバー71と回動レバー72が形成されている。シャッ
タボタンの初期操作で押圧部材18aが回動レバー72
の他端部72cを押圧すると、回動レバー72は反時計
方向に回動し、一端部72bが解除レバー71の先端部
71bを押圧する。解除レバー71は時計方向に回動
し、側部71cが逆転防止爪37を後カバー側へ押動す
る。逆転防止爪37が時計方向に回動して巻上げノブ5
の歯列5aとの係合が解除され、係止レバー50の巻止
め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから外れるフイル
ム巻止め解除前にパトローネのスプールが回動自由にな
る。無理巻きで巻止め爪50bが歯列5aに強く係合し
ていても、この強い係合状態が解消されるから、フイル
ム巻止め解除時にシャッタ開閉時と似た手応えと音は発
生しない。さらにシャッタボタンを押し下げると、写真
フイルムが安定状態で露光される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光中のフイルム
移動やシャッタ2段落ち感覚を防止したレンズ付きフイ
ルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】簡単な露光機構を備えるとともに、予め
未露光の写真フイルムとパトローネとが製造時に装填さ
れ、面倒なフイルム装填と巻戻し操作を不要にしたレン
ズ付きフイルムユニットとして、例えば「写ルンですSu
per800(商品名)」等が本出願人より製造販売されてい
る。このようなレンズ付きフイルムユニットでは、撮影
ごとにパトローネのスプールに係合された巻上げノブを
回転操作して露光済みの写真フイルムをパトローネ内に
収納する巻上げ操作を行なう。この巻上げノブの巻上げ
操作に伴って移送される写真フイルムに従動して従動ス
プロケットが回転されると、シャッタ駆動レバーがチャ
ージ位置に移動した後、係止レバーによって係止され
る。
【0003】これと同時に、係止レバーが従動スプロケ
ットと同軸の回転部材に係合してロックされ、また巻上
げノブの外周に形成された歯列に係合して巻上げノブの
それ以上の回転を阻止する。シャッタボタンを押し下げ
ていくと、シャッタボタンの下部に一体成形された押圧
ロッドが徐々に係止レバーを押動して回動させる。係止
レバーと回転部材との係合が解除された直後にシャッタ
駆動レバーの係止が解除され、シャッタ駆動レバーによ
ってシャッタ羽根の端部が蹴飛ばされてシャッタ羽根が
揺動し、シャッタ開口が開閉され、露光位置にセットさ
れた写真フイルムに露光が与えられる。
【0004】また、このようなフイルム巻上げ機構で
は、フイルム巻上げ操作の際に、巻上げノブをフイルム
巻上げ方向とは逆の方向に回転操作すると、露光済みの
コマがパトローネから引き出されてしまうため、巻上げ
ノブの逆転操作を阻止する逆転操作防止機構が設けられ
ている。この機構は、巻上げノブの外周に形成された歯
列と、歯列に弾性自在に係合する逆転防止爪とから構成
されている。この逆転防止爪は、巻上げノブのフイルム
巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転
を許容し、また巻上げノブの逆転操作の際には歯列の谷
に入り込んでその回転を阻止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なレンズ付きフイルムユニットでは、巻上げノブに通常
より強い力を加えて無理な巻上げ操作(無理巻き)を行
なうと、図6に示すように、巻上げノブ81の歯列81
aに係合した露光機構の係止レバー82が撓んで巻上げ
ノブ81が約1歯分過送りされる場合がある。このと
き、従動スプロケット84は係止レバー82によりロッ
クされているから、巻上げノブ81が約1歯分過送りさ
れると、写真フイルム86は無理に引っ張られて強いテ
ンションがかかる。この状態から巻上げノブ81に加え
た力を弛めると、写真フイルム86にかかっているテン
ションと撓んだ係止レバー82の弾性とによって巻上げ
ノブ81は逆転しそうになるが、逆転防止爪87が歯列
81aに係合して巻上げノブ81の逆転が阻止される。
これにより、写真フイルムには強いテンションがかかっ
たままになる。
【0006】この状態から、シャッタボタンを押し下げ
てレリーズ操作を行なうと、シャッタボタンが全押し位
置に至る途中で巻上げノブ81の歯列81aに強く係合
していた係止レバー82が外れる。このとき、シャッタ
開閉時に似た手応えや音が発生するため、撮影者はこの
後に発生する本当のシャッタ開閉による手応えや音とで
シャッタが合計2度落ちたような錯覚を起こす(シャッ
タ2段落ち感覚)。この場合、撮影者は、最初の手応え
や音でシャッタが開閉されたと早合点し、本当にシャッ
タが開閉される前にレンズ付きフイルムユニットを保持
していた手から力を抜いたり、ファインダから目を離す
ため、手ブレの原因になる。
【0007】また、巻上げノブ81の歯列81aに強く
係合していた係止レバー82が外れるときには、写真フ
イルム86にかかっていたテンションが急に緩むため、
パトローネ内のスプールに強く巻かれていた写真フイル
ム86が緩んで微妙な振動が発生する。そして、この直
後に巻止めカム85の溝85aから係止レバー82の爪
82aが外れて、巻止めカム85と同軸の従動スプロケ
ット84がフリー状態になるため、前記微妙な振動は露
光位置にセットされた写真フイルム86に伝達され、シ
ャッタ開中に写真フイルム86が振動する等のフイルム
移動が起こり、撮影画像の画質が劣化する。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、無理巻きに起因する露光中のフイルム移動やシャ
ッタ2段落ち感覚を防止したレンズ付きフイルムユニッ
トを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、シャッ
タボタンの初期操作により応動して逆転防止爪を押動
し、逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除する解除手
段を設け、係止レバーが巻上げノブの歯列から外れてフ
イルム巻止めが解除される前にスプールを回動自由にす
るものである。また、前記解除手段は、回転部材や係止
レバーの軸受け機能を有する天板に一体に形成した解除
レバーとしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の外観を示す図
2において、レンズ付きフイルムユニット2は、パトロ
ーネ付きの写真フイルムや各種撮影機構が内蔵されたユ
ニット本体3と、この中央部の縦方向に巻き付けて貼着
した帯状のラベル4とから構成されている。ラベル4に
覆われないユニット本体3の左右には、巻上げノブ5,
シャッタボタン6,ストロボ発光部7,充電スイッチ8
が配置され、ラベル4には、撮影レンズ9,ファインダ
10及び撮影枚数表示窓11等を露出させるための穴が
設けられている。
【0011】図3に示すように、ユニット本体3は、本
体基部12,後カバー13,露光ユニット14,ストロ
ボユニット15、及び前カバー16とから構成されてい
る。本体基部12の前面には、撮影レンズ9を備えた露
光付与機構,フイルム巻上げ機構及びシャッタチャージ
機構等がユニット化された露光ユニット14が着脱自在
に取り付けられる。後カバー13は、本体基部12の背
後に組み付けられて本体基部12との間で写真フイルム
パトローネ17を光密に収納する。
【0012】前カバー15は、本体基部12の前面に着
脱自在に取り付けられる。この前カバー15の上面に
は、一部を切り欠いて弾性自在に形成したシャッタボタ
ン6が設けられている。このシャッタボタン6の下部に
は、押圧ロッド18が設けられており、詳しくは後述す
る露光ユニット14の構成部品を押圧し、露光付与機構
を作動させるとともに、後述する逆転防止爪を変位さ
せ、巻上げノブ5の外周に形成された歯列5aとの係合
を解除する。
【0013】本体基部12には、写真フイルムパトロー
ネ17のパトローネ20を収納するためのパトローネ収
納室21と、パトローネ20から引き出された未露光の
写真フイルム22をフイルムロール22aの形態で収納
するためのフイルムロール室23とが一体に形成されて
いる。
【0014】パトローネ20は、プラスチックで形成さ
れており、未使用時には写真フイルム22を全て内部に
収納しておき、使用時にはスプール25の回転によって
写真フイルム22を外部に送り出す。また、写真フイル
ム22が引き出されるフイルム出入り口には、写真フイ
ルム22が全て巻き込まれたときに回動されてパトロー
ネ20内を遮光する蓋部材26が組み込まれている。
【0015】パトローネ収納室21とフイルムロール室
23との底は開口となっており、写真フイルムパトロー
ネ17を装填した後に、後カバー13に設けたプルトッ
プ式の底蓋28,29によってそれぞれ塞がれる。
【0016】パトローネ収納室21とフイルムロール室
23との間には、暗箱30が設けられている。暗箱30
の背面側には露光開口31が形成されており、この露光
開口31は、撮影レンズ9を通る光軸9aを中心として
写真フイルム22の移送方向で湾曲した形状となってい
る。また後カバー13には、露光開口31に対峙する部
分にフイルム支持面32が形成されており、このフイル
ム支持面32も同様に湾曲されている。
【0017】暗箱30の前面側には、露光ユニット14
が取り付けられる。また、暗箱30の上方には、露光ユ
ニット14の従動スプロケットを写真フイルム22に向
けて露呈させるための開口30aが形成されている。こ
の開口30aは、撮影レンズ9側から見た露光開口31
に対して上方左側に形成されている。
【0018】巻上げノブ5は、パトローネ収納室21の
上面に回動自在に配置され、パトローネ収納室21に装
填されたパトローネ20のスプール25に係合してい
る。この巻上げノブ5は、一部が後カバー13から露呈
されており、この露呈された部分をフイルム巻上げ方向
(図中反時計方向)に回転操作することにより、スプー
ル25がフイルム巻き取り方向に回転されて撮影済みの
写真フイルム22がパトローネ20内に収納される。
【0019】巻上げノブ5の外周に形成された歯列5a
には、本体基部12に設けた逆転防止爪37が係合して
いる。逆転防止爪37は、巻上げノブ5のフイルム巻上
げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許
容し、逆転操作の際には歯列5aの谷に入り込んでその
回転を阻止することにより巻上げノブ5がフイルム巻上
げ方向とは逆の方向(図中時計方向)に回転操作される
ことを禁止している。
【0020】ストロボユニット15は、回路基板33と
ストロボ発光部7とから構成されている。回路基板33
には、ストロボ回路を構成するメインコンデンサ34等
からなる電気部品と、露光ユニット14のシャッタ機構
によってオンされるシンクロスイッチ35と、ストロボ
装置16の電源となる乾電池36を接続するための接片
38a,38bとが取り付けられている。また、充電ス
イッチ8の押圧により回路基板33のプリント接点24
a,24bを短絡させてメインコンデンサ34への充電
を開始する接片27がフイルムロール室23の外壁に取
り付けられている。
【0021】写真フイルム22は、図4に示すように、
フイルム自由端部22b,撮影領域22c,フイルム係
止部22dから構成されている。撮影領域22cには、
一方の側縁に沿ってサイズの異なった大小2個のパーフ
ォレーション39,40が2種類の間隔で交互に配列さ
れており、間隔の長いパーフォレーション39,40の
間の中心を前記露光開口のフイルム給送方向(長手方
向)の中心に合わせた状態で撮影を行いコマ41が形成
される。撮影領域22cは、最初に撮影が行われるコマ
41aと、最後に撮影が行われるコマ41bとを含む規
定撮影枚数分のコマ41が形成されるだけの長さを有し
ている。
【0022】フイルム係止部22dは、パトローネ20
のスプール25に係止されており、巻上げノブ5の操作
によるスプール25の回転によってスプール25に巻き
付けられる。フイルム自由端部22bとフイルム係止部
22dとは、撮影に用いられない領域とされており、現
像処理時等に使用するための露光禁止領域となってい
る。そのため、フイルム自由端部22b,フイルム係止
部22dは、未露光の状態でパトローネ20内に巻き上
げられる。
【0023】露光ユニット14には、図5に示すような
シャッタチャージ機構が設けられている。このシャッタ
チャージ機構は、同軸に設けられた従動スプロケット4
5,回転体46と、この近傍に設けられた板バネ48
と、第1バネ52,第2バネ53によりそれぞれ反時計
方向と時計方向とに付勢されたシャッタ駆動レバー4
9,係止レバー50と、カウンタ表示板51とからな
る。
【0024】従動スプロケット45は、回転部材46の
下部に係合されて暗箱30の上部の開口31aからフイ
ルム面に向けて露呈される。従動スプロケット45の円
周面45aには、短い間隔で並んだ一対の大小パーフォ
レーション39,40に順次に噛合する一対の大小の歯
55,56が、180°の回転対称で2対設けられてい
る。そして、従動スプロケット45は、1コマ分の写真
フイルム22がパトローネ20内に巻き上げられる際に
フイルム移送に従動して半回転される。
【0025】回転部材46は、従動スプロケット45の
回転補助を行う被押圧部59と、シャッタチャージを行
うシャッタチャージカム60と、フイルム巻止め状態を
つくる巻止めカム61と、カウンタ表示板51を一目盛
り分ずつ回動させる二歯ギヤ62とから構成されてお
り、これらは一体に形成されている。
【0026】被押圧部59は、外周に180°の回転対
称で形成された一対の突起59aからなる。写真フイル
ム22にはパーフォレーションが連続的に設けられてい
ないことから、従動スプロケット45の歯55,56が
パーフォレーション39,40との何れとも噛合されな
い状態が発生してしまう。この状態のときに、板バネ4
8が突起59aを押圧し、回転部材46を従動方向に回
動させるようになっている。これにより、従動スプロケ
ット45の歯56は、次のパーフォレーション40に噛
合可能な位置まで移動される。
【0027】シャッタチャージカム60は、外周に18
0°の回転対称で形成された羽根形状の突起60aによ
って、シャッタ駆動レバー49の突部49aを押圧し、
時計方向(チャージ位置に向かう方向)に向けて回動さ
せる。
【0028】係止レバー50は、この爪部50aが回転
部材46の巻止めカム61の外周に当接されており、回
転部材46が半回転して、巻止めカム61の溝61aが
係止レバー50の爪部50aに合致する位置に到達する
と、時計方向に僅かに回動され、爪部50aが溝61a
に挿入される。これと同時に、係止レバー50は、シャ
ッタ駆動レバー49と係合し、また巻止め爪50bを巻
上げノブ5の歯列5aに噛合させてフイルム巻上げ操作
を阻止する。これによりフイルム巻止め状態となる。
【0029】係止レバー50とシャッタ駆動レバー49
との係合は、係止レバー50から下方に向けて突出され
た係合突起50cと、シャッタ駆動レバー49から上方
に向けて突出された被係合突起49bとが突き合わされ
ることにより行われる。そして、シャッタボタン6が押
し下げられると押圧ロッド18が係止レバー50の立ち
下がり片50dを押圧し、係止レバー50は反時計方向
に回動される。係止レバー50が図示位置以上に回動さ
れると、係合突起50cと被係合突起49bとの係合が
解除され、シャッタ駆動レバー49は反時計方向に回動
される。
【0030】シャッタ駆動レバー45が反時計方向に回
動されると、シャッタ羽根64に上部に形成された作用
片64aが蹴飛ばされ、シャッタ羽根64が揺動してシ
ャッタ開口が開放され、写真フイルム22への露光が行
われる。また、シャッタ羽根64は引き戻しバネ(図示
せず)の付勢によって反時計方向に回動され、すぐにシ
ャッタ開口は閉じられる。
【0031】二歯ギヤ62は、カウンタ表示板51の外
周に形成された歯列51aに噛合されており、カウンタ
表示板51は二歯ギヤ62の半回転によって一目盛り分
だけ時計方向に回動される。カウンタ表示板46の上面
には、その回転ピッチに対応して枚数表示用の目盛りが
設けられており、この目盛りは露光ユニット14の上部
を構成する天板68と一体成形された拡大レンズ68a
(図3参照)によって拡大され、表示窓11を通して観
察することができる。この目盛りは、その時点で撮影可
能なフイルム枚数、すなわち残数表示目盛りとなってい
る。
【0032】前記天板68は、前記拡大レンズ68aが
一体に形成されている他、巻止めカム61の上面を規制
するとともに、シャッタ駆動レバー49の軸66の上端
を保持し、またファインダ10のレンズ10aの上部を
押さえ、さらにシャッタボタン6の初期操作により逆転
防止爪37を回動させて巻上げノブ5との係合を解除す
る機能を有する。
【0033】このシャッタボタン6の初期操作で逆転防
止爪37を回動して巻上げノブ5との係合を解除する解
除手段は、図1に示すように、コ字型の解除レバー71
と、T字形の回動レバー72とからなる。レバー71,
72の各々は、天板68の巻上げノブ5側の端部を切り
欠いて形成され、それぞれ連結部71a,72aの弾性
変形により回動自在に形成されている。そして、解除レ
バー71の先端部71bと回動レバー72の一端部72
bとは、互いに隣接した位置に形成されている。露光ユ
ニット14を本体基部12に取り付けると、解除レバー
71の側部71cが逆転防止爪37と相対した位置に配
置される。また、前カバー16を本体基部12に取り付
けると、回動レバー72の他端部72cが押圧ロッド1
8に一体成形された押圧部材18aと隣接した位置に配
置される。
【0034】シャッタボタン6の操作を開始すると、押
圧部材18aが回動レバー72の他端部72cを押圧
し、回動レバー72を反時計方向に回動させる。する
と、一端部72bが解除レバー71の先端部71bを押
圧して解除レバー71を時計方向に回動させるから、解
除レバー71の側部71cが逆転防止爪37を後カバー
13側へ押動する。これにより、逆転防止爪37は時計
方向に回動され、巻上げノブ5の歯列5aとの係合が解
除される。そして、この解除は、係止レバー50の巻止
め爪50bが巻上げノブ5の歯列5aから完全に外れる
フイルム巻止め解除の前に行なわれる。
【0035】このように、フイルム巻止めが解除される
前にスプール25が回動自由なフリー状態になり、写真
フイルム22にかかっていたテンションが解除されるか
ら、例え巻上げノブ6を無理巻きして係止レバー50の
巻止め爪50bと巻上げノブ5の歯列5aとが強く係合
していたとしても、この強い係合状態が解除され、係止
レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列5a
から外れる際の手応えや音はほとんど発生しない。した
がって、シャッタ2段落ち感覚は生じない。また、巻上
げノブ6を無理巻きしてあった場合には、スプール25
がフリー状態になった瞬間に写真フイルム22に微妙な
振動が発生するが、これはすぐに消失する。したがっ
て、露光中には写真フイルム22は安定した状態にな
り、撮影画像はブレのない高画質なものとなる。
【0036】次に上記実施形態の作用について説明す
る。図2に示すレンズ付きフイルムユニット2を購入し
たユーザーは、始めに巻上げノブ5を回転操作して撮影
準備を行う。巻上げノブ5が回転操作されると、図4に
示すフイルム係止部22dが写真フイルム22がパトロ
ーネ20内に巻き上げられる。
【0037】写真フイルム22の移動と板バネ48の付
勢とにより、従動スプロケット45と回転部材46とは
反時計方向に回転され、小歯56が次の小パーフォレー
ション40に噛合可能な位置まで移動される。さらに写
真フイルム22が移送されると、従動スプロケット45
の小歯56が次の小パーフォレーション40に噛合し、
大歯55が大パーフォレーション39に順次噛合する。
巻上げノブ5の回転操作が開始されてから大歯55が大
パーフォレーション39に噛合するまでの間に、回転部
材46は反時計方向に半回転される。
【0038】回転部材46が半回転する間には、シャッ
タチャージカム60の突起60aがシャッタ駆動レバー
49の突部49aを押圧して、シャッタ駆動レバー49
を時計方向に回動させる。係止レバー50は、第2バネ
53の付勢によって時計方向に回動し、爪部50aを巻
止めカム61の溝61aに係合させて回転部材46の回
転をロックするとともに、係合突起50cをシャッタ駆
動レバー49の被係合突起49bに係合させる。さらに
係止レバー50は、巻止め爪50bを巻上げノブ5の外
周の歯列5aに噛合させて、巻上げノブ5の回転操作を
阻止する。これにより、レンズ付きフイルムユニット2
の撮影準備が完了する。
【0039】その後、ファインダ10で撮影範囲を確認
し、シャッタボタン6の操作を開始すると、この初期操
作で押圧ロッド18の押圧部材18aが回動レバー72
及び解除レバー71を介して逆転防止爪37を後カバー
13側に回動させ、逆転防止爪37と巻上げノブ5との
係合を解除する。これにより、パトローネ20のスプー
ル25が回動自由になるから、巻上げノブ5の無理巻き
で巻上げノブ5を約1歯分回転させて写真フイルム22
に強いテンションをかけていた場合でも、このテンショ
ンが解除される。また、この瞬間に写真フイルム22に
微妙な振動が発生することがあるが、きわめて短時間で
消失する。
【0040】この後、シャッタボタン6をさらに押し下
げて全押しすると、係止レバー50の巻止め爪50bが
巻上げノブ5の歯列5aから外れ、フイルム巻止めが解
除される。このとき、すでに逆転防止爪37と巻上げノ
ブ5との係合解除により写真フイルム22にはほとんど
テンションがかかっていない状態になっているから、無
理巻きによる係止レバー50の巻止め爪50bと巻上げ
ノブ5の歯列5aとの強い係合状態が解消されており、
係止レバー50の巻止め爪50bが巻上げノブ5の歯列
5aから外れる際のシャッタ開閉時と似た手応えや音が
発生することがない。
【0041】続いて巻止めカム61の溝61aから係止
レバー50の爪部50aが外れると、次の瞬間に、押圧
ロッド18が係止レバー50の立ち下がり片50cを押
圧して反時計方向に向けて回動させる。これにより、係
止レバー50の係合突起50cとシャッタ駆動レバー4
9の被係合突起50cとの係合が解除され、シャッタ駆
動レバー49は第1バネ52の付勢によって反時計方向
に回動する。シャッタ駆動レバー49は、シャッタ羽根
64の作用片64aを蹴飛ばしてシャッタ開口を開閉
し、安定状態の写真フイルム22に露光が行なわれる。
この結果、高画質な撮影画像が得られる。
【0042】以上説明した第1実施形態では、天板の解
除レバーは回動レバーを介して回動させていたが、回動
レバーを省略することもできる。この場合には、例えば
シャッタボタンの押圧ロッドに楔状の部材を一体成形
し、シャッタボタンの押下げにより楔状の部材が解除レ
バーと天板本体との隙間に挿入され、解除レバーが逆転
防止爪側に回動されるようにする。また、露光ユニット
の天板に解除レバーを設けたが、別の部材,例えば本体
基部に設けてもよい。
【0043】なお、本発明の構成は、フイルムベースに
アニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)が
用いた従来より剛性が高い新タイプの写真フイルムを装
填したレンズ付きフイルムユニットにも適用できる。こ
の場合には、無理巻きに起因する写真フイルムの微妙な
振動がより顕著に発生するため、本発明が有効である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレンズ付
きフイルムユニットによれば、シャッタボタンの初期操
作で逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除し、フイル
ム巻止めの解除前にスプールを回動自由にしたので、無
理巻きで写真フイルムに過度のテンションがかかり、係
止レバーと巻上げノブとが強く係合していても、これを
フイルム巻止め解除前に解除でき、フイルム巻止めの解
除時に発生するシャッタ開閉時と似た手応えや音が発生
せず、シャッタ2段落ち感覚の発生を防止できる。ま
た、シャッタ開前にスプールが回動自由になって写真フ
イルムの緊張状態が解消されるので、写真フイルムは安
定状態で露光され、ブレがない高画質の撮影画像を得る
ことができる。また、回転部材や係止レバーの軸受けと
して従来から用いられている天板に解除手段を設けたの
で、きわめて簡単かつローコストに上記効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天板の構成と逆転防止爪とシャッ
タボタンの一部との関係を示す説明図である。
【図2】本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観を
示す斜視図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】写真フイルムパトローネの構成を示す説明図で
ある。
【図5】シャッタチャージ機構の構成を示す説明図であ
る。
【図6】従来のレンズ付きフイルムユニットに用いられ
ているシャッタチャージ機構の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット 5 巻上げノブ 6 シャッタボタン 12 本体基部 13 後カバー 14 露光ユニット 16 前カバー 17 写真フイルムパトローネ 18a 押圧部材 20 パトローネ 22 写真フイルム 37 逆転防止爪 45 従動スプロケット 49 シャッタ駆動レバー 49b 被係合突起 50 係止レバー 50c 係合突起 51 回転部材 61 巻止めカム 68 天板 71 解除レバー 72 回動レバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フイルムとこの一端部が係止された
    スプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填
    するとともに、撮影ごとの巻上げ操作によってパトロー
    ネのスプールを回転し、露光済みの写真フイルムをパト
    ローネ内に収納する外周に歯列を形成した巻上げノブ
    と、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブの巻上げ
    操作時には弾性変形してその回転を許容し、巻上げ操作
    と逆方向に操作した時には前記歯列の谷に入り込んでそ
    の回転を阻止して巻上げノブの逆転を防止する逆転防止
    爪と、前記巻上げノブの巻上げ操作に伴って移送される
    写真フイルムに従動して回転される従動スプロケット
    と、この従動スプロケットと同軸に設けられ、従動スプ
    ロケットの回転によりシャッタチャージを行なう回転部
    材と、シャッタチャージ位置で回転部材に係合してその
    回転を禁止するとともに巻上げノブの歯列に係合してフ
    イルム巻止めを行なう係止レバーとを備え、シャッタボ
    タンの押下操作により係止レバーが巻上げノブの歯列か
    ら外れてフイルム巻止めが解除された後、係止レバーが
    回転部材との係合を解除してシャッタ開閉が行なわれ、
    露光位置にセットされた写真フイルムに露光が与えられ
    るレンズ付きフイルムユニットにおいて、 シャッタボタンの初期操作により応動して前記逆転防止
    爪を押動し、前記逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解
    除する解除手段を設け、前記フイルム巻止めが解除され
    る前に前記スプールを回動自由にすることを特徴とする
    レンズ付きフイルムユニット。
  2. 【請求項2】 前記解除手段は、前記回転部材や係止レ
    バーの軸受け機能を有する天板に一体に形成した解除レ
    バーであることを特徴とする請求項1記載のレンズ付き
    フイルムユニット。
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WO1999018477A1 (fr) * 1997-10-06 1999-04-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Unite de film de support de lentille dotee d'un couvercle de protection

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