JP3665124B2 - フイルム移動防止機構及びレンズ付きフイルムユニット - Google Patents

フイルム移動防止機構及びレンズ付きフイルムユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光中のフイルム移動を防止したフイルム移動防止機構及びこれを備えたレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
簡単な露光機構を備えるとともに、予め未露光の写真フイルムとパトローネとが製造時に装填され、面倒なフイルム装填と巻戻し操作を不要にしたレンズ付きフイルムユニットとして、例えば「写ルンですSuper800(商品名)」等が本出願人より製造販売されている。このようなレンズ付きフイルムユニットでは、撮影ごとにパトローネのスプールに係合された巻上げノブを回転操作して露光済みの写真フイルムをパトローネ内に巻き上げ、このときの写真フイルムの移送を利用してシャッタチャージを行なった後、露光機構の係止レバーが巻上げノブの外周に形成された歯列に係合して巻上げノブのそれ以上の回転を阻止するようにしてある。
【0003】
また、このようなフイルム巻上げ機構では、フイルム巻上げ操作の際に、巻上げノブをフイルム巻上げ方向とは逆の方向に回転操作すると、露光済みのコマがパトローネから引き出されてしまうため、巻上げノブの逆転操作を阻止する逆転操作防止機構が設けられている。この機構は、巻上げノブの外周に形成された歯列と、歯列に弾性自在に係合する逆転防止爪とから構成されている。この逆転防止爪は、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、また巻上げノブの逆転操作の際には歯列の谷に入り込んでその回転を阻止する。
【0004】
一方、雑誌「写真工業」((株)写真工業出版社 1994年12月号 p.11 )にも紹介されたAPS(Advanced Photo System )では、従来より小型化したパトローネ内により多くの撮影コマ数(例えば40コマ)を確保した写真フイルムを収納するため、このフイルムベースとして厚みを薄くしても剛性が高く十分な強度を有するアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような新タイプの写真フイルムをレンズ付きフイルムユニットに用いた場合、撮影中に時として画面ブレが発生することが分かった。この原因としては、種々のケースが考えられる。例えば写真フイルムを巻き上げる際に写真フイルムに引っ張り力がかかっており、これが巻止め機構によって溜められた状態になっている。そして、レリーズ操作と同時に巻止めが解除されるから、この瞬間に写真フイルムにかかっていた引っ張り力が弛み、剛性が強い写真フイルムが振動する。
【0006】
また、シャッタチャージ時には、巻上げノブと従動スプロケットとの間の写真フイルムにはテンションがかかった状態になっており、これがレリーズ操作の瞬間に解除されると、剛性が強い写真フイルムが元のカール状態に戻ろうとするカール収縮が発生して振動する。また、シャッタチャージ時の巻上げノブの回転位置によっては、巻上げノブの歯列と逆転防止爪との噛み合わせにより、逆転防止爪が巻上げノブを巻上げ方向に回転させる方向に付勢する状態になる場合がある。このような状態のままレリーズ操作を行なうと、巻止めが解除された瞬間に写真フイルムがパトローネ側に移動して画面ブレが発生する。
【0007】
また、新タイプのパトローネは、フイルム出入口に従来のようなテレンプを用いずに、回転式の遮光蓋を用いている。このため、遮光蓋が開き、写真フイルムがフイルム出入口から突出した状態では、フイルム出入口の開口サイズの範囲で写真フイルムが自由に移動可能となっている。したがって、シャッタ羽根の揺動に伴うショック等によって露光中の写真フイルムが動くことがある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、露光中のフイルム移動を防止して画質を向上させたフイルム移動防止機構及びレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のフイルム移動防止機構は、フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムを装填するとともに、写真フイルムが巻上げと逆方向に移送されるのを阻止する逆転防止手段を有するカメラのフイルム移動防止機構において、カメラのシャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作により、前記逆転防止手段による写真フイルムの逆方向への移送阻止を露光開始前に解除して写真フイルムの緊張状態を解消し、露光中のフイルム移動を防止するものである。
【0010
また、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムとこの一端部が係止されたスプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填するとともに、シャッタボタンの全押しによって写真フイルムに露光を与える露光ユニットと、撮影ごとに巻上げ操作を行なってパトローネのスプールを回転させることにより露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する外周に歯列を形成したフイルム巻上げ用の巻上げノブと、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には前記歯列の谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブの逆転を防止する逆転防止爪とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記シャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作により、露光ユニットを構成する部品の一部を変位させ、この部品の変位によって逆転防止爪を押動し、逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除してスプールを回動自由にするようにしたものである。
【0011
また、前記部品として、露光ユニットの上部を構成し、軸受け等の機能を有する天板を用いたものである。
【0012
またフイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムとこの一端部が係止されたスプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填するとともに、シャッタボタンの全押しによって写真フイルムに露光を与える露光ユニットと、撮影ごとに巻上げ操作を行なってパトローネのスプールを回転させることにより露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する外周に歯列を形成したフイルム巻上げ用の巻上げノブと、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には前記歯列の谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブの逆転を防止する逆転防止爪とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記シャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作によってシャッタボタンの一部で一端部が押動され回動される回動レバーと、この回動レバーで押動され回動されることにより、逆転防止爪を回動して巻上げノブとの係合を解除する解除レバーとを、露光ユニットの上部を構成する天板の一部弾性自在に形成したものである。
【0013
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の外観を示す図2において、レンズ付きフイルムユニット2は、パトローネ付きの写真フイルムや各種撮影機構の他、露光前に写真フイルムの緊張状態を解除して露光中のフイルム移動を防止するフイルム移動防止機構を内蔵したユニット本体3と、この中央部の縦方向に巻き付けて貼着した帯状のラベル4とから構成されている。ラベル4に覆われないユニット本体3の左右には、巻上げノブ5,シャッタボタン6,ストロボ発光部7,充電スイッチ8が配置され、ラベル4には、撮影レンズ9,ファインダ10及び撮影枚数表示窓11等を露出させるための穴が設けられている。
【0014
図3に示すように、ユニット本体3は、本体基部12,後カバー13,露光ユニット14,ストロボユニット15、及び前カバー16とから構成されている。本体基部12の前面には、撮影レンズ9を備えた露光付与機構,フイルム巻上げ機構及びシャッタチャージ機構等がユニット化された露光ユニット14が着脱自在に取り付けられる。後カバー13は、本体基部12の背後に組み付けられて本体基部12との間で写真フイルムパトローネ17を光密に収納する。
【0015
前カバー15は、本体基部12の前面に着脱自在に取り付けられる。この前カバー15の上面には、一部を切り欠いて弾性自在に形成したシャッタボタン6が設けられている。このシャッタボタン6の下部には、押圧ロッド18が設けられており、詳しくは後述する露光ユニット14の構成部品を押圧し、露光付与機構を作動させるとともに、後述する逆転防止爪を変位させ、巻上げノブ5の外周に形成された歯列5aとの係合を解除する。
【0016
本体基部12には、写真フイルムパトローネ17のパトローネ20を収納するためのパトローネ収納室21と、パトローネ20から引き出された未露光の写真フイルム22をフイルムロール22aの形態で収納するためのフイルムロール室23とが一体に形成されている。
【0017
写真フイルム22は、フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)が用いられ、このフイルムベースに乳剤層が塗布されている。A−PENは、ポリエステルフイルム等の高分子からなる支持体を製膜後、40°C以上,前記支持体のガラス転移温度以下の温度で熱処理することにより得られる素材で、厚みが70〜100μm程度で従来の写真フイルムに使用されている120μm程度のTACと同等の剛性を得ることができるため、写真フイルム22の厚みは薄くなっている。
【0018
パトローネ20は、プラスチックで形成されており、未使用時には写真フイルム22を全て内部に収納しておき、使用時にはスプール25の回転によって写真フイルム22を外部に送り出す。また、写真フイルム22が引き出されるフイルム出入り口には、写真フイルム22が全て巻き込まれたときに回動されてパトローネ20内を遮光する蓋部材26が組み込まれている。
【0019
パトローネ収納室21とフイルムロール室23との底は開口となっており、写真フイルムパトローネ17を装填した後に、後カバー13に設けたプルトップ式の底蓋28,29によってそれぞれ塞がれる。
【0020
パトローネ収納室21とフイルムロール室23との間には、暗箱30が設けられている。暗箱30の背面側には露光開口31が形成されており、この露光開口31は、撮影レンズ9を通る光軸9aを中心として写真フイルム22の移送方向で湾曲した形状となっている。また後カバー13には、露光開口31に対峙する部分にフイルム支持面32が形成されており、このフイルム支持面32も同様に湾曲されている。
【0021
暗箱30の前面側には、露光ユニット14が取り付けられる。また、暗箱30の上方には、露光ユニット14の従動スプロケットを写真フイルム22に向けて露呈させるための開口30aが形成されている。この開口30aは、撮影レンズ9側から見た露光開口31に対して上方左側に形成されている。
【0022
巻上げノブ5は、パトローネ収納室21の上面に回動自在に配置され、パトローネ収納室21に装填されたパトローネ20のスプール25に係合している。この巻上げノブ5は、一部が後カバー13から露呈されており、この露呈された部分をフイルム巻上げ方向(図中反時計方向)に回転操作することにより、スプール25がフイルム巻き取り方向に回転されて撮影済みの写真フイルム22がパトローネ20内に収納される。
【0023
巻上げノブ5の外周に形成された歯列5aには、本体基部12に設けた逆転防止爪37が係合している。逆転防止爪37は、巻上げノブ5のフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には歯列5aの谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブ5がフイルム巻上げ方向とは逆の方向(図中時計方向)に回転操作されることを禁止している。
【0024
ストロボユニット15は、回路基板33とストロボ発光部7とから構成されている。回路基板33には、ストロボ回路を構成するメインコンデンサ34等からなる電気部品と、露光ユニット14のシャッタ機構によってオンされるシンクロスイッチ35と、ストロボ装置16の電源となる乾電池36を接続するための接片38a,38bとが取り付けられている。また、充電スイッチ8の押圧により回路基板33のプリント接点24a,24bを短絡させてメインコンデンサ34への充電を開始する接片27がフイルムロール室23の外壁に取り付けられている。
【0025
写真フイルム22は、図4に示すように、フイルム自由端部22b,撮影領域22c,フイルム係止部22dから構成されている。撮影領域22cには、一方の側縁に沿ってサイズの異なった大小2個のパーフォレーション39,40が2種類の間隔で交互に配列されており、間隔の長いパーフォレーション39,40の間の中心を前記露光開口のフイルム給送方向(長手方向)の中心に合わせた状態で撮影を行いコマ41が形成される。撮影領域22cは、最初に撮影が行われるコマ41aと、最後に撮影が行われるコマ41bとを含む規定撮影枚数分のコマ41が形成されるだけの長さを有している。
【0026
フイルム係止部22dは、パトローネ20のスプール25に係止されており、巻上げノブ5の操作によるスプール25の回転によってスプール25に巻き付けられる。フイルム自由端部22bとフイルム係止部22dとは、撮影に用いられない領域とされており、現像処理時等に使用するための露光禁止領域となっている。そのため、フイルム自由端部22b,フイルム係止部22dは、未露光の状態でパトローネ20内に巻き上げられる。
【0027
露光ユニット14には、図5に示すようなシャッタチャージ機構が設けられている。このシャッタチャージ機構は、同軸に設けられた従動スプロケット45,回転体46と、この近傍に設けられた板バネ48と、第1バネ52,第2バネ53によりそれぞれ反時計方向と時計方向とに付勢されたシャッタ駆動レバー49,係止レバー50と、カウンタ表示板51とからなる。
【0028
従動スプロケット45は、回転部材46の下部に係合されて暗箱30の上部の開口31aからフイルム面に向けて露呈される。従動スプロケット45の円周面45aには、短い間隔で並んだ一対の大小パーフォレーション39,40に順次に噛合する一対の大小の歯55,56が、180°の回転対称で2対設けられている。そして、従動スプロケット45は、1コマ分の写真フイルム22がパトローネ20内に巻き上げられる際にフイルム移送に従動して半回転される。
【0029
回転部材46は、従動スプロケット45の回転補助を行う被押圧部59と、シャッタチャージを行うシャッタチャージカム60と、フイルム巻止めを行う巻止めカム61と、カウンタ表示板51を一目盛り分ずつ回動させる二歯ギヤ62とから構成されており、これらは一体に形成されている。
【0030
被押圧部59は、外周に180°の回転対称で形成された一対の突起59aからなる。写真フイルム22にはパーフォレーションが連続的に設けられていないことから、従動スプロケット45の歯55,56がパーフォレーション39,40との何れとも噛合されない状態が発生してしまう。この状態のときに、板バネ48が突起59aを押圧し、回転部材46を従動方向に回動させるようになっている。これにより、従動スプロケット45の歯56は、次のパーフォレーション40に噛合可能な位置まで移動される。
【0031
シャッタチャージカム60は、外周に180°の回転対称で形成された羽根形状の突起60aによって、シャッタ駆動レバー49の突部49aを押圧し、時計方向(チャージ位置に向かう方向)に向けて回動させる。
【0032
係止レバー50は、この爪部50aが回転部材46の巻止めカム61の外周に当接されており、回転部材46が半回転して、巻止めカム61の溝61aが係止レバー50の爪部50aに合致する位置に到達すると、時計方向に僅かに回動され、爪部50aが溝61aに挿入される。これにより回転部材46の回転が阻止されてフイルム巻止め状態となる。
【0033
また、係止レバー50は、巻止めカム61に係合してフイルム巻止めを行う際に、チャージ位置に回動されたシャッタ駆動レバー49に係合するとともに、巻止め爪50bを巻上げノブ5の歯列5aに噛合させてフイルム巻上げ操作を阻止する。
【0034
係止レバー50とシャッタ駆動レバー49との係合は、係止レバー50から下方に向けて突出された係合突起50cと、シャッタ駆動レバー49から上方に向けて突出された被係合突起49bとが突き合わされることにより行われる。そして、シャッタボタン6が押下されると押圧ロッド18が係止レバー50の立ち下がり片50dを押圧し、係止レバー50は反時計方向に回動される。係止レバー50が図示位置以上に回動されると、係合突起50cと被係合突起49bとの係合が解除され、シャッタ駆動レバー49は反時計方向に回動される。
【0035
シャッタ駆動レバー45が反時計方向に回動されると、シャッタ羽根64に上部に形成された作用片64aが蹴飛ばされ、シャッタ羽根64が揺動してシャッタ開口が開放され、写真フイルム22への露光が行われる。また、シャッタ羽根64は引き戻しバネ(図示せず)の付勢によって反時計方向に回動され、すぐにシャッタ開口は閉じられる。
【0036
二歯ギヤ62は、カウンタ表示板51の外周に形成された歯列51aに噛合されており、カウンタ表示板51は二歯ギヤ62の半回転によって一目盛り分だけ時計方向に回動される。カウンタ表示板46の上面には、その回転ピッチに対応して枚数表示用の目盛りが設けられており、この目盛りは露光ユニット14の上部を構成する天板68と一体成形された拡大レンズ68a(図3参照)によって拡大され、表示窓11を通して観察することができる。この目盛りは、その時点で撮影可能なフイルム枚数、すなわち残数表示目盛りとなっている。
【0037
前記天板68は、前記拡大レンズ68aが一体に形成されている他、巻止めカム61の上面を規制するとともに、シャッタ駆動レバー49の軸66の上端を保持し、またファインダ10のレンズ10aの上部を押さえ、さらにシャッタボタン6の半押し操作により逆転防止爪37を回動させて巻上げノブ5との係合を解除することにより写真フイルムの緊張状態を解消し、シャッタ開時のフイルム移動を防止するフイルム移動防止機構を備えている。
【0038
このフイルム移動防止機構は、図1に示すように、天板68の巻上げノブ5側の端部を切り欠いて形成され、コ字型の解除レバー71と、T字形の回動レバー72とからなる。各レバー71,72は、それぞれ連結部71a,72aの弾性変形により回動自在に形成されている。そして、解除レバー71の先端部71bと回動レバー72の一端部72bとは、互いに隣接した位置に形成されている。露光ユニット14を本体基部12に取り付けると、解除レバー71の側部71cが逆転防止爪37と相対した位置に配置される。また、前カバー16を本体基部12に取り付けると、回動レバー72の他端部72cが押圧ロッド18に一体成形された押圧部材18aと隣接した位置に配置される。
【0039
シャッタボタン6を半押し操作すると、押圧部材18aが回動レバー72の他端部72cを押圧し、回動レバー72を反時計方向に回動させる。すると、一端部72bが解除レバー71の先端部71bを押圧して解除レバー71を時計方向に回動させるから、解除レバー71の側部71cが逆転防止爪37を後カバー13側へ押動する。これにより、逆転防止爪37は時計方向に回動され、巻上げノブ5の歯列5aとの係合が解除される。
【0040
この瞬間、シャッタ開口が開放される前にスプール25が回動自由なフリー状態になるから、写真フイルム22はこれにかかっていたテンションが解消されるためロール状に戻ろうとするカール収縮を起こし、一瞬間振動した後、安定状態になる。したがって、この後、シャッタボタン6が全押しされ、シャッタ開口が開放されたときには、写真フイルム22は安定しており、フイルム移動による画質劣化が防止される。
【0041
次に上記実施形態の作用について説明する。図2に示すレンズ付きフイルムユニット2を購入したユーザーは、始めに巻上げノブ5を回転操作して撮影準備を行う。巻上げノブ5が回転操作されると、図4に示すフイルム係止部22dが写真フイルム22がパトローネ20内に巻き上げられる。
【0042
写真フイルム22の移動と板バネ48の付勢とにより、従動スプロケット45と回転部材46とは反時計方向に回転され、小歯56が次の小パーフォレーション40に噛合可能な位置まで移動される。さらに写真フイルム22が移送されると、従動スプロケット45の小歯56が次の小パーフォレーション40に噛合し、大歯55が大パーフォレーション39に順次噛合する。巻上げノブ5の回転操作が開始されてから大歯55が大パーフォレーション39に噛合するまでの間に、回転部材46は反時計方向に半回転される。
【0043
回転部材46が半回転する間には、シャッタチャージカム60の突起60aがシャッタ駆動レバー49の突部49aを押圧して、シャッタ駆動レバー49を時計方向に回動させる。係止レバー50は、第2バネ53の付勢によって時計方向に回動し、爪部50aを巻止めカム61の溝61aに係合させて回転部材46の回転をロックするとともに、係合突起50cをシャッタ駆動レバー49の被係合突起49bに係合させる。さらに係止レバー50は、巻止め爪50bを巻上げノブ5の外周の歯列5aに噛合させて、巻上げノブ5の回転操作を阻止する。これにより、レンズ付きフイルムユニット2の撮影準備が完了する。
【0044
その後、ファインダ10で撮影範囲を確認し、シャッタボタン6を半押しすると、押圧ロッド18の押圧部材18aが回動レバー72及び解除レバー71を介して逆転防止爪37を後カバー13側に回動させ、逆転防止爪37と巻上げノブ5との係合を解除する。これにより、パトローネ内のスプールが回動自由になるから、写真フイルム22は振動した後、安定する。
【0045
この後、シャッタボタン6をさらに押し下げて全押しすると、押圧ロッド18が係止レバー50の立ち下がり片50cを押圧して反時計方向に向けて回動させる。これにより、係止レバー50の係合突起50cとシャッタ駆動レバー49の被係合突起50cとの係合が解除され、シャッタ駆動レバー49は第1バネ52の付勢によって反時計方向に回動する。シャッタ駆動レバー49は、シャッタ羽根64の作用片64aを蹴飛ばしてシャッタ開口を開閉し、写真フイルム22への露光を行なう。
【0046
以上説明した実施形態では、天板の解除レバーは回動レバーを介して回動させていたが、回動レバーを省略することもできる。この場合には、例えばシャッタボタンの押圧ロッドに楔状の部材を一体成形し、シャッタボタンの押下げにより楔状の部材が解除レバーと天板本体との隙間に挿入され、解除レバーが逆転防止爪側に回動されるようにする
【0047
また、上記実施形態は、新規な写真フイルムパトローネを装填したレンズ付きフイルムユニットであったが、従来の135タイプのパトローネとA−PENベースの写真フイルムを装填したレンズ付きフイルムユニットでもよい。また、本発明のフイルム移動防止機構は、コンパクトタイプ等のカメラに適用することができる。
【0048
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフイルム移動防止機構は、シャッタボタンの半押し操作で逆転防止手段による写真フイルムの逆方向への移送阻止を露光開始前に解除するので、写真フイルムの緊張状態を解消して露光中のフイルム移動を防止でき、画質を向上させることができる
【0049
また、本発明のレンズ付きフイルムユニットによれば、シャッタボタンの半押し操作で逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除するようにしたので、シャッタ開前にパトローネのスプールが回動自由になり、写真フイルムにこのフイルムベースが剛性の高いA−PENから形成されていることに起因するテンション解放時の振動が発生しても、この振動はシャッタ開前に落ちつくため、シャッタ開中のフイルム移動を防止でき、画質を向上させることができる。また、シャッタボタンの半押し操作による逆転防止爪の回動を露光ユニットの天板を介して行なうようにしたので、きわめて簡単かつローコストにフイルム移動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る天板の構成と逆転防止爪とシャッタボタンの一部との関係を示す説明図である。
【図2】 本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】 ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】 写真フイルムパトローネの構成を示す説明図である。
【図5】 シャッタチャージ機構の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
5 巻上げノブ
6 シャッタボタン
12 本体基部
13 後カバー
14 露光ユニット
16 前カバー
17 写真フイルムパトローネ
18a 押圧部材
20 パトローネ
22 写真フイルム
37 逆転防止爪
従動スプロケット
シャッタ駆動レバー
49被係合突起
係止レバー
50係合突起
51 回転部材
巻止めカム
68 天板
71 解除レバー
72 回動レバー

Claims (4)

  1. フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムを装填するとともに、写真フイルムが巻上げと逆方向に移送されるのを阻止する逆転防止手段を有するカメラのフイルム移動防止機構において、
    カメラのシャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作により、前記逆転防止手段による写真フイルムの逆方向への移送阻止を露光開始前に解除して写真フイルムの緊張状態を解消し、露光中のフイルム移動を防止することを特徴とするフイルム移動防止機構。
  2. フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムとこの一端部が係止されたスプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填するとともに、シャッタボタンの全押しによって写真フイルムに露光を与える露光ユニットと、撮影ごとに巻上げ操作を行なってパトローネのスプールを回転させることにより露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する外周に歯列を形成したフイルム巻上げ用の巻上げノブと、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には前記歯列の谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブの逆転を防止する逆転防止爪とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
    前記シャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作により、前記露光ユニットを構成する部品の一部を変位させ、この部品の変位によって前記逆転防止爪を押動し、前記逆転防止爪と巻上げノブとの係合を解除して前記スプールを回動自由にすることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
  3. 前記部品は、前記露光ユニットの上部を構成し、軸受け等の機能を有する天板であることを特徴とする請求項記載のレンズ付きフイルムユニット。
  4. フイルムベースにアニールドポリエチレンナフタレート(A−PEN)を用いた写真フイルムとこの一端部が係止されたスプールを回動自在に収納したパトローネとを予め装填するとともに、シャッタボタンの全押しによって写真フイルムに露光を与える露光ユニットと、撮影ごとに巻上げ操作を行なってパトローネのスプールを回転させることにより露光済みの写真フイルムをパトローネ内に収納する外周に歯列を形成したフイルム巻上げ用の巻上げノブと、前記歯列に弾性自在に係合し、巻上げノブのフイルム巻上げ方向への正転操作の際には弾性変形してその回転を許容し、逆転操作の際には前記歯列の谷に入り込んでその回転を阻止することにより巻上げノブの逆転を防止する逆転防止爪とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
    前記シャッタボタンを全押し位置よりも浅い位置まで押し下げる半押し操作によってシャッタボタンの一部で一端部が押動され回動される回動レバーと、この回動レバーで押動され回動されることにより、前記逆転防止爪を回動して巻上げノブとの係合を解除する解除レバーとを、前記露光ユニットの上部を構成する天板の一部弾性自在に形成したことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
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