JP3636729B2 - Mn−Zn系フェライト - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、各種通信機器の変成器磁心や磁気ヘッドとしての用途に供して好適なMn−Zn系フェライトに関し、特に焼結密度及び高周波領域における透磁率の周波数特性の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
Mn−Zn系酸化物磁性材料いわゆるMn−Zn系フェライトは、各種通信機器等の変成器磁心として、またVTR等の磁気ヘッドとして広く用いられている。
近年、電子機器の小形化に伴い、部品の組立の自動化が進んでいるが、フェライトは一般に硬くて脆いため、自動組立において割れや欠けなどの破損の発生が問題となっている。また磁気ヘッドに使用される場合には、精密な加工を施すために欠陥が極力少ないことの他、ヘッドとして長時間媒体と接触することから耐摩耗性が高いことが要求される。
上記のような弱点を克服するためには、高密度でしかも緻密な焼結体が要求される。
【0003】
高密度のフェライト焼結体を得る方法としては、減圧焼成法、ホットプレス法及びHIP法などの焼結方法が開発されているが、かような方法は特別な減圧装置や加圧装置等を必要とするため、工程の増大のみならず、コストの上昇を招く。
このため、これらの方法は、精密加工が必要な磁気ヘッド等の製造には使用されるものの、トランス材料等の製造には使用されていない。
【0004】
また、電子機器等のノイズフィルタ等に使用される磁心の小形化のためには、高透磁率と共に低損失が要求される。
この目的達成のために、従来から、種々の微量成分の添加による焼結密度及び透磁率の改善が試みられている。
例えば、特開昭51-53299号公報には、In2O3, SnF2 及び Al2O3を含有させることが提案されているが、この方法では、高密度焼結体を得ることができるものの、初透磁率の周波数特性を改善するまでには至っていない。また特公昭51-49079号公報では、 Bi2O3及びCaO を複合含有させることにより、 100 kHzにおいて6000〜8000と高透磁率を得ているが、焼結密度に関する記述はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、フェライトの製造に通常用いられる常圧での焼成によって、安価に高密度化でき、自動組立や精密加工の際に割れや欠けなどの破損が発生しにくく、しかも 100 kHz〜1MHz の高周波領域における初透磁率の周波数特性に優れた、高密度でかつ高透磁率のMn−Zn系フェライトを提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、以下の構成になる Mn − Zn 系フェライトによって達成できる。
MnO :20〜30 mol%
ZnO :10〜25 mol%及び
Fe2O3:残部
を基本成分とし、副成分として
酸化カルシウム:CaO 換算で 0.005〜0.2 wt%及び
酸化アンチモン:Sb2O3 換算で 0.005〜0.2 wt%
を含み、さらに、
酸化タンタル:Ta2O5 換算で 0.005〜0.1 wt%
を含有し、焼結密度が理論密度の98.5%以上であることを特徴とするMn−Zn系フェライト。
【0010】
【作用】
まず、この発明において基本成分の組成範囲を MnO:20〜30 mol%, ZnO:10〜25 mol%及び残部:Fe2O3 に限定した理由について説明する。
変成器磁心や磁気ヘッドの動作温度は、通常、室温から80〜120 ℃であり、この温度範囲において初透磁率が正の温度依存性を持つことが要求される。
そこで、この観点から、Fe2O3, MnO及びZnO の割合を検討した結果、上記の組成範囲が得られたのである。
【0011】
この発明では、上記の基本成分中に、副成分として酸化カルシウム、酸化アンチモン及び酸化タンタルを含有させる。
かような副成分の適正含有量は次のとおりである。
【0012】
酸化カルシウム:CaO 換算で 0.005〜0.2 wt%
CaO は、粒界抵抗を効果的に高め、もって高周波帯域における初透磁率の改善に寄与する有用成分であり、この効果は後述するSiO2との共存下で一層大きい。しかしながら、含有量が 0.005wt%に満たないと粒界抵抗の向上効果に乏しく、一方、0.2 wt%を超えると逆に焼結密度及び初透磁率の低下を招くので、 0.005〜0.2 wt%の範囲で添加するものとした。
【0013】
酸化アンモチン:Sb2O3 換算で 0.005〜0.2 wt%
酸化アンモチン(主にSb2O3 )は、CaO との共存下において、異常粒成長を発生させることなしに、焼結性を著しく改善し、焼結密度を増大させ、もって飽和磁束密度及び透磁率に好影響を与えるものと考えられる。しかしながら、含有量が 0.005wt%に満たないと焼結性の改善効果に乏しく、一方0.2 wt%を超えて含有されると高周波帯域における初透磁率の低下を招くので、 0.005〜0.2 wt%の範囲に限定した。
【0015】
酸化タンタル:Ta2O5 換算で 0.005〜0.1 wt%
酸化タンタル(主にTa2O5 )は、CaO, Sb2O3との共存下で、高周波領域での初透磁率及び損失の改善に寄与する。また、 Ta2O5は Sb2O3程ではないものの、焼結密度を増加させる効果がある。この酸化タンタルの添加によって損失が改善される理由は、まだ明確に解明されたわけではないが、CaO 及び Sb 2 O 3 の複合含有によって形成される高抵抗の粒界相を変質させ、電気抵抗を増加させると共に、異質の相が粒界に存在することによる磁気的な悪影響を緩和する働きがあるためと考えられる。しかしながら含有量が 0.005wt%に満たないとその効果に乏しく、一方 0.1wt%を超えて含有されると焼結時に異常粒成長を起こし易くなるので、0.005 〜0.1 wt%の範囲に限定した。
【0017】
以上述べたとおり、この発明は、副成分として酸化カルシウム、酸化アンチモン及び酸化タンタルを含有させて、粒界に均一分散させることにより、所期した目的を達成したものである。
【0018】
この発明のフェライトを製造するには、常法に従って処理を施せば良い。
すなわち、フェライトの最終組成として、例えば酸化マンガンを MnO換算で20〜30 mol%、酸化亜鉛を ZnO換算で10〜25 mol%、残部を酸化鉄で含有するように混合し、ついで副成分として酸化カルシウム(CaO 換算)を 0.005〜0.2 wt%、酸化アンチモン(Sb2O3 換算)を 0.005〜0.2 wt%及び酸化タンタル(Ta2O5 換算)を0.005 〜0.1 wt%の範囲で適宜含有するように添加したものを原料とする。ただし、副成分の添加時期は、後述する仮焼の後であっても差し支えない。
この原料を 800℃以上の温度で仮焼し、ついで微粉砕後、1150℃以上の高温にて酸素濃度を制御した窒素ガス中で焼成する。
【0019】
なお、酸化鉄の原料としては、 Fe2O3だけでなく、 FeOやFe3O4 、さらには焼成によってFe2O3 に変わることのできる化合物、例えば水酸化鉄、しゅう酸鉄などを使用することができる。また酸化マンガン原料としては, MnOのみならず、Mn02,Mn3O4 、さらには焼成によって MnOに変わることのできる化合物、例えば炭酸マンガン、しゅう酸マンガンなどを使用することができる。さらに、酸化亜鉛原料としては、ZnO だけに限らず、焼成によって ZnOに変わることのできる化合物、例えば炭酸亜鉛、しゅう酸亜鉛などを使用することができる。
【0020】
Ca、Sb及び Ta等の酸化物の添加は、酸化物の形そのままであっても、また製造工程中の加熱により酸化物に変化する、金属又は炭酸塩しゅう酸塩等の化合物などであっても、いずれでも良い。
【0021】
【実施例】
最終組成として、 MnO:26.0 mol%, ZnO:20.0 mol%, Fe2O3:54.0 mol%となる基本組成の原料を混合した後、大気中にて 900℃,3時間の仮焼を施した。この仮焼粉に対し、表1に示す最終組成としての割合で、CaO (CaCO3を使用), Sb2O3 及び Ta2O5を添加配合し、同時に湿式ボールミルで粉砕した。ついで粉砕粉にバインダーとしてPVAを添加し、造粒した後、外径:24mm, 内径:18mm,高さ:6mmのリング状に成形した。この成形体を、酸素濃度を制御した窒素雰囲気中で1340℃, 4時間焼成した。
【0022】
かくして得られた焼結コアの密度をアルキメデス法により測定した。また、周波数:100 kHz 及び 500 kHzで,室温における初透磁率をインピーダンスアナライザーにて測定した。
測定結果を表1に併記する。なお焼結密度は、理論密度:5.1 g/cm3 に対する百分率で示した。
【0023】
【表1】
【0024】
同表より明らかなように、この発明に従い、副成分として、酸化カルシウム、酸化アンチモン及び酸化タンタルを複合含有させたものはいずれも、焼結密度は理論密度の98.5%以上であり、しかも 500 kHzの高周波帯域における透磁率の低下は極めて小さいものであった。
【0025】
【発明の効果】
かくしてこの発明によれば、通常の常圧での焼成方法によって、自動組立や精密加工の際に割れや欠けなどの破損が発生しにくく、しかも 100 kHz〜1MHz の高周波領域における初透磁率の周波数特性が従来の材料と比較して格段に良好な高密度でかつ高透磁率のMn−Zn系フェライトを安価に得ることができる。
Claims (1)
- MnO :20〜30 mol%
ZnO :10〜25 mol%及び
Fe2O3:残部
を基本成分とし、副成分として
酸化カルシウム:CaO 換算で 0.005〜0.2 wt%及び
酸化アンチモン:Sb2O3 換算で 0.005〜0.2 wt%
を含み、さらに、
酸化タンタル:Ta2O5 換算で 0.005〜0.1 wt%
を含有し、焼結密度が理論密度の98.5%以上であることを特徴とするMn−Zn系フェライト。
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