JP3636639B2 - 有機elパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流の注入によって発光する有機化合物材料のエレクトロルミネッセンス(以下、ELという)を利用した有機ELパネル及びその製造方法に関し、特に、画素分離用の隔壁を備えた有機ELパネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画素分離用の隔壁を備えた有機ELパネルが特開平9−102393号公報及び特開平8−315981号公報に開示されている。この公報に示される有機ELパネルの製造方法においては、図11(a)に示されるように、透明基板1上に、酸化スズインジウム(以下、ITOという)等からなるアノードとしての透明電極2をストライプ状に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて透明電極2と透明基板1上で直交するように電気絶縁性の分離用の隔壁31を設ける。隔壁31は下部に逆テーパ状の形状を有し、上部にオーバーハング部310を有する。
【0003】
次に、図11(b)に示すように、透明基板1の隔壁31が設置されている側から成膜用のシャドーマスク37を用いてオーバーハング部310下にも回り込むように、一つの色に対応する有機発光材料を透明基板1に対して図中P、Qの矢印のように角度を付けて蒸着し、これを色毎に繰り返して有機発光層32を形成する。さらに、図12(a)に示すように、成膜用マスク37を隔壁31の上からはずした後、図中Sの矢印のように、透明基板1に対してほぼ垂直の方向からカソード電極材料を蒸着してカソード電極33を形成する。隔壁31はオーバーハング部310を有するため、カソード電極33を隔壁31の両側で電気的に絶縁することが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11(a)に示すように、隔壁31はレジストを逆テーパ状に形成することにより得られ、隔壁31を用いて画素及び陰極の分離を行う。レジストを用いる場合、レジストの残留現像液、エッチング液、微量水分が有機発光層32やカソード電極33の界面を劣化させる。
【0005】
その結果、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生する。このダークスポットが発生すると、パネルの寿命を長くすることが困難となる。また、逆テーパの形状を呈する隔壁31のオーバーハング部310は厚さ方向の露光量の違いからくる現像速度の差を利用して形成される。
【0006】
このため、オーバーハング部310の大きさが不安定で分離不足を生じやすい。分離不足が生じると、カソード電極33とアノードである透明電極2との間がショートして非発光素子が形成されるばかりでなく、ショートによる熱によりパネルを破壊してしまう場合がある。
【0007】
また、係る表示パネルにおいては分離不足を起こさないために隔壁31に一定以上の幅が必要であり、非発光部である隔壁31の面積が大きくなるため、開口率を大きくすることができず微細化が困難であるという問題が生じていた。
【0008】
従って、本発明の目的のひとつは、微細化が可能であり且つ生産性の向上を図ることができる有機ELパネル及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、より微細化され且つ高画質の装置として得られる有機ELパネル及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明者らは、有機ELパネルの微細化及びその生産工程のおける生産性の向上に関して鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者らは、画素分離用の隔壁の形成方法として、透明電極上に形成される電荷発生層及び電荷移動層のうち、電荷移動層を帯電させた後、電荷発生層を選択的に露光して電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成し、現像剤を用いて前記静電潜像を現像した後定着させることにより隔壁を形成する着想を得、以下のような本発明の有機ELパネル及びその製造方法に想到した。
【0010】
即ち、本発明の有機ELパネルは、透明基板上に形成された光透過性材料からなる第1電極と、前記第1電極を覆う電荷発生層及びその上の電荷移動層と、前記電荷移動層の上に所定のパターンに形成された現像剤パターンからなる隔壁と、前記隔壁の間に形成された発光層及び第2電極とその間に挟まれる電子輸送層を有することを特徴とし、前記隔壁の幅が10〜40μmであり、前記第2電極は、前記隔壁が黒色である、というものである。
【0011】
次に、本発明の有機ELパネルの製造方法は、透明基板上に光透過性材料からなる第1電極を形成する工程と、前記第1電極上に電荷発生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を帯電させた後、前記電荷発生層を選択的に露光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像に対応する現像剤パターンを前記電荷移動層上に画素分離用の隔壁として形成する工程と、前記隔壁間に発光層及び第2電極を形成する工程とを有することを特徴とし、前記発光層及び前記第2電極は、少なくとも前記電荷移動層の一部が露出するような所定のパターンを有するマスクを前記隔壁上に設置した後、真空蒸着により形成されるか、或いは、前記電荷移動層上の前記発光層及び前記第2電極は、順に斜方蒸着により形成され、前記現像剤は、ポリエステル、アクリル、及びスチレン−アクリル共重合体のうち少なくとも1以上の材料に帯電制御剤を含有するものである、或いは、黒色材料を含有するものであり、前記黒色材料を含む現像剤を用いて黒色の隔壁を形成する、或いは、磁性粉を含有する、という形態を採るものである。
【0012】
次に、本発明の有機ELパネルのより具体的な製造方法は、基板上に光透過性材料からなるアノード電極を形成する工程と、前記アノード電極上に電荷発生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を帯電する工程と、前記電荷発生層の所定領域を露光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像を現像して現像剤パターンを形成する工程と、前記現像剤パターンを前記電荷移動層上に定着させることにより画素分離用の隔壁を形成する工程と、前記隔壁の間に発光層、電子輸送層及びカソード電極を順に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の基本的な実施形態を図1〜8を参照して説明する。
【0014】
本実施形態に係る有機ELパネルは、図1に示されるように、ガラス基板等の透明基板1上に、ITO、酸化スズ薄膜等のアノードとしての透明電極2が形成されている。透明電極2の上には電荷発生層3及び電荷移動層4が設置されている。また、電荷移動層4の上には複数の隔壁11が並列に形成されており、隔壁11の間に発光層12が形成され、発光層12上には電子輸送層13を介してカソードである第2電極14が形成されている。すなわち、電荷発生層3、電荷移動層4、発光層12、及び電子輸送層13を介して透明電極2と第2電極14とが対向するように形成されている。
【0015】
また、発光層12は、レッド発光層120、グリーン発光層121、ブルー発光層122から構成される。
【0016】
なお、図1においては有機ELパネルが3色のカラーにより構成される場合を例にとり説明したが、有機ELパネルが単色パネルであってもよく、その場合発光層12は同色のみである。
【0017】
電荷発生層3及び電荷移動層4は共に有機樹脂からなり、電荷発生層3が感光層となる。電荷発生層3は、ブチラール樹脂に無金属、銅、チタニル、バナジル等フタロシアニン化合物やペリレン系、多環キノン系、スクアリリウム色素やアズレニウム色素等の電荷発生剤等を含有している。
【0018】
また、電荷移動層4は、ポリカーボネート樹脂にN,N’−ジフェニル −N、N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル −4,4’−ジアミン(TPDと略記)、N,N’−ジフェニル −N、N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記)等のジアミン誘導体や、4,4’,4” −トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミンなどのアリールアミン系、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン等複素環式化合物、ヒドラゾン系化合物、縮合多環式化合物等の化合物を分散した塗液を用いて成膜される。
【0019】
電荷発生層3及び電荷移動層4はディッピングにより、若しくはスピンコート法等を用いて透明電極2の上に形成される。電荷発生層3及び電荷移動層4の厚さは、キャリアの移動度、光を透明基板1側から取り出すように有機ELパネルが構成されていること等を考慮すると、できるだけ薄い方が好ましいが、薄すぎるとピンホール等で絶縁破壊を起こすため、0.1〜5μm程度であるのが好ましい。
【0020】
また、隔壁11は絶縁体材料から構成され、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、アクリル等の樹脂から形成されている。また、隔壁11を形成する際に、樹脂にFe34やMnO・Fe23、ZnO・Fe23に代表されるマグネタイト、フェライト等の磁性粉を混錬することにより、隔壁11を黒色にすることもできる。
【0021】
或いは、磁性粉の代わりに、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック等の黒色材料を微量混錬することにより隔壁を黒色にすることもできる。このように、画素間のスペース部である隔壁11を黒色にすることにより、ディスプレイとしてのコントラストを向上させることができる。
【0022】
発光層12は、ホストにトリス(8−キノリノール)アルミニウムに代表される8−ヒドロキシキノリン金属錯体、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のジスチリルベンゼン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体等を用いて形成される。グリーンの光を発する発光層121は、ホストとともに、ドーパントとして、キナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン等キナクリドン誘導体、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン540)等クマリン誘導体を用い、ホストとドーパントとを共蒸着させることにより形成される。
【0023】
レッド発光層120は、ドーパントとして、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCMと略記)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−〔2−(9−ユロリジル)エテニル〕−4H−チオピラン等ジシアノメチレンピラン色素、フェノキサゾン誘導体、スクアリリウム色素等を用い、ホストとドーパントとを共蒸着させることにより形成される。ブルー発光層122は、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等のジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、テトラフェニルブタジエン誘導体、ペリレン誘導体等を蒸着することにより形成される。
【0024】
電子輸送層13は、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム等の8−ヒドロキシキノリン金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体等電子をキャリアとする材料を用いて形成される。
【0025】
また、本実施形態においてはカソードである第2電極14は、Mg:AgやAl:Liを合金または共蒸着法を用いて真空蒸着を行い形成される。
【0026】
次に、本実施形態に係る有機ELパネルの製造工程について、図2〜図8を参照して説明する。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、ガラス等の透明基板1の上に、ITO、酸化スズ薄膜等の光透過性材料からなる透明電極2を形成する。薄膜形成方法は、スパッタリング法、電子ビーム法、化学反応法等いずれを用いてもよい。
【0028】
続いて、透明電極2の上に電荷発生層(正孔注入層)3及び電荷移動層(正孔輸送層)4で構成される有機材料を形成する。電荷発生層3は、ブチラール樹脂に前述した電荷発生剤を分散することにより得られた塗液を用いて成膜することにより形成される。
【0029】
また、電荷移動層4は、前述したように、ポリカーボネート樹脂にTPD、α―NPD等のジアミン誘導体や、4,4’,4” −トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミンなどのアリールアミン系、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン等複素環式化合物、ヒドラゾン系化合物、縮合多環式化合物等の化合物を分散した塗液を用いて成膜することにより形成する。
【0030】
電荷発生層3及び電荷移動層4の形成方法は、ディッピングによる方法、若しくはスピンコート法どちらを用いてもよい。電荷発生層3及び電荷移動層4はバインダ樹脂に正孔注入輸送材料を分散させて形成させることにより、透明電極2とこれらの有機層(電荷発生層3及び電荷移動層4)との密着性を高めることができるため、材料の凝集や膜質の変化がない。これにより電界集中による絶縁破壊やショートを防ぐことができ、パネルの耐熱性が向上し長寿命化を図ることができる。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、電荷発生層3及び電荷移動層4からなる有機層を形成した基板に、スコロトロン等のコロナ放電を用いる非接触式帯電器5を用いて電荷移動層4表面の帯電を行う。非接触式帯電器5の代わりに、図6(a)に示すように、ブラシやブレード、ローラ帯電等の接触式帯電器6を用いても良い。電荷移動層4の表面電位の最適帯電電位Voは、有機感光層である電荷発生層3の膜厚や移動度により異なるが、例えば、負帯電現像剤を用いて反転現像を行う場合、−300〜−1000V程度である。以上の工程により、電荷移動層4の表面に表面電荷7を形成する。
【0032】
続いて、図3(a)に示すように、半導体レーザやLED等からなる露光器8を用いて、隔壁11となる部分の電荷発生層3を選択的に露光するか、若しくは隔壁11となる部分以外の領域を遮光パターンとするフォトマスクを介して隔壁11となる部分の電荷発生層3を選択的に露光する。半導体レーザを用いての露光は、フォトマスクを用いる場合に比べて、自由な形状の隔壁が得られ、且つ、微細に走査できるので非常に有用である。図3(a)は、正現像である例を示している。反転現像の場合、隔壁11となる部分以外の電荷発生層3を選択的に露光する一方、正現像の場合、隔壁11となる部分の電荷発生層3を選択的に露光する。露光器8から発射される光の波長は電荷発生層3の吸収波長である780nm前後である。
【0033】
正現像の場合、図3(a)に示されるように、露光器8から発射されたレーザ光等が電荷発生層3まで到達することにより、電荷発生層3内で正孔と電子が発生し、電荷移動層4の表面電位(電荷移動層4表面が帯電することにより生じる電位Vo)に基づく電界により正孔が電荷移動層4に注入されて電荷移動層4内を移動し、電荷移動層4表面まで到達する。
【0034】
ここで、図3(b)に示すように、光が発射された部分においては電荷移動層4表面に達した正孔が電荷移動層4表面の帯電電荷と結合することにより表面電荷7が消滅し、潜像電位Viを有し、所定のパターンからなる静電潜像9が形成される。ここで、静電潜像9とは、潜像電位Viを有し、所定のパターンからなる電荷をいう。なお、正現像の場合、後の工程において、電荷移動層4表面において表面電荷7が消滅した部分に隔壁11が形成される。
【0035】
図3(a)に続いて、図3(b)に示すように、静電潜像9に対して現像剤10を用いて現像を行う。現像剤10は、帯電制御剤(CCA)を混練したポリエステル、スチレンーアクリル共重合体、アクリル等のバインダ樹脂を適当な粒径まで粉砕することにより得られたものを用いる。
【0036】
現像剤10を一様に帯電させた後、現像するための現像器27の一例を図6(b)に示す。現像器27は図6(b)に示されるように、現像剤10を貯留するホッパ21、現像剤10の帯電と静電潜像9を形成した有機層への現像とを行う現像室22を有している。ホッパ21内の現像剤10は、撹拌部材23によって撹拌され、回転駆動する(図6(b)においては反時計方向に回転する)現像剤供給部材24によって、反時計方向に回転するマグネトローラ式若しくは弾性ゴム材料からなる現像剤担持体25に供給される。現像剤担持体25に供給された現像剤10は、薄層形成部材26によって規制され、数層程度の均一な薄層となる。
【0037】
薄層形成部材26は、シリコーン、ウレタン等の高分子材料やステンレス等の金属薄板から形成されている。薄層となった帯電制御剤を含む現像剤10は、現像剤担持体25の回転にしたがって現像剤担持体25と有機層の対向部分まで運ばれ、電荷移動層4の表面電位Vo、潜像電位Viと現像剤担持体25に印加されている現像バイアス電位Vbとの電位差に基づく電界により、電荷移動層4表面の静電潜像9に移動し像を形成する(図3(b)参照)。現像剤担持体25と電荷移動層4とは接触していてもよいし、近接した距離であれば、現像剤10は電界により電荷移動層4へと飛翔するので、100〜300μm程度離れていても現像することができる。
【0038】
このように、現像剤担持体25と電荷移動層4とを接触させずに現像を行うことにより、現像されていない部分へのカブリやチリを減少させることができる。現像プロセスとしては、電荷移動層4の電位と現像剤10の帯電とが逆極性である正現像法、電荷移動層4の電位と現像剤との帯電極性が同極性である反転現像法の2つのうちどちらを用いてもよい。
【0039】
次に、図4(a)に示すように、電荷移動層4表面の静電潜像9に移動して像を形成した現像剤10 を、定着器30を用いて電荷移動層4表面に定着させる。定着器30にはキセノンフラッシュランプが設置されており、定着器30と電荷移動層4とを接触させることなく現像剤10を電荷移動層4に定着させることにより隔壁11を形成する。
【0040】
または、図7(a)に示すように、所定のパターンを有する静電潜像9に対して、ハロゲンランプを内在したアルミ素管の外周にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)等フッ素系化合物等離型性を有する材料をコートして形成されたヒートローラ16を用いて、現像剤10を電荷移動層4表面に定着させてもよい。定着温度は、用いる現像剤中のバインダ樹脂の種類によって異なるが、通常100〜140℃である。静電潜像9は用途・目的に応じて自在な形に形成できるため、静電潜像9を用いて現像を行うことによりいかなる形の表示パネルやサブピクセルの配置にも対応することができる。
【0041】
続いて、図4(b)に示すように、シャドーマスク18を透明電極2の延在方向と直交するように配置し、真空蒸着法により、有機材料からなる発光層12及び電子輸送層13、カソードである第2電極14を順に成膜する。シャドーマスク18はSUS、銅ニッケル等のメッキされた金属材料から作成されており、複数のストライプ状のマスク部180と、マスク部180間に設置されたエッチング部(マスク孔)181とを有している。
【0042】
カラー有機ELパネルに用いるカラーパネル用のシャドーマスクは一般に2色分のサブピクセル+スペース幅150〜250μmの間隔おきに1色のサブピクセル幅(エッチング部181の幅)60〜100μmがエッチング加工されている。一方、単色ドットパネル用のシャドーマスクの場合、マスク部180の幅が200〜300μmでエッチング加工されており、エッチング部(マスク孔)181の幅は15〜30μmである。
【0043】
例えば、レッド発光層120、グリーン発光層121、ブルー発光層122をそれぞれ形成する場合、成膜しようとするサブピクセル、例えば、レッドピクセルにシャドーマスク18のエッチング部(マスク孔)181が位置するように、隔壁11上にシャドーマスク18を設置後(図4(b)参照)、図5(a)に示すように、レッド発光層120、電子輸送層(ETL)13、第2電極14を順に蒸着し成膜する。
【0044】
次に、シャドーマスク18を1サブピクセル分(1色分)ずらしてグリーン発光層121、電子輸送層(ETL)13、第2電極14を順に蒸着し成膜する。
【0045】
最後に、マスクを1サブピクセル分ずらしてブルー発光層122、電子輸送層(ETL)13、第2電極14を順に蒸着し成膜する。これらの発光層12及び電子輸送層13は前述した3色材料を用いて形成する。カソードである第2電極14は、Mg:AgやAl:Liを合金または共蒸着法を用いて真空蒸着を行うことにより形成する。以上の工程により、発光パターン及び陰極が隔壁11により分離された有機ELパネルを得る。
【0046】
上記方法によると、従来用いられている真空蒸着でマスクをスライドさせる方法と比較して、シャドーマスク18と透明基板1との間の距離が常に一定となることから、マスクが基板に接触することによる傷の発生等物理的な画素欠陥を少なくすることができる。
【0047】
さらに、ショートの発生やマスクの歪みや位置ずれによる材料の回り込みを低減することができるため、色ずれ・位置ずれが発生せずエッジのシャープなパネルを得ることができる。そのうえ、分離不足を起こすことがなくなる。以上により高い寸法精度、位置精度を確保することができる。
【0048】
また、真空蒸着時に分離用隔壁11をガイドとして用いることができるため、マスクの位置合わせが容易となり、製造時に必要とされる労力を少なくすることができる。
【0049】
また、前述した図4(b)に示される工程における真空蒸着法により発光層12、電子輸送層13、第2電極14を順に成膜する方法の代わりに、図7(b)に示すような斜方蒸着によりこれらを形成することもできる。斜方蒸着により発光層12等を形成する場合、分離用の隔壁11をシャドーマスク18のように用い、透明基板1を蒸着源20から一定角度をつけ、蒸発流211が透明基板1に対して斜めに入射するように蒸着を行うことにより色分離及び陰極分離を行う。
【0050】
この場合、透明電極2上に電荷発生層3、電荷移動層4を塗膜し、帯電器を用いて電荷移動層4表面を一様に帯電させる工程までは、シャドーマスク18を用いる方法と基本的に同様である。次に、半導体レーザを用いてITOの透明電極パターンに直交するように、後の工程後において所望の分離用の隔壁11となる箇所を選択的に露光を行い静電潜像9を形成する。
【0051】
RGB3色塗り分けのためには、図7(b)に示されるように、分離用隔壁の高さを変えると色分離が容易となる。このような隔壁の高さを変える方法としては、露光量を変えて露光電位Viに差を持たせるか、若しくは低い方の隔壁となる部分への露光デューティを小さくするか、或いは現像バイアスを変えることにより現像剤10の現像効率を変えることにより行ってもよい。また、上記方法を組み合わせて隔壁を作成してもよい。隔壁として、RGB1画素の両側に低い隔壁110を2本と、各色のスペース部(ここではRとG、GとBのサブピクセル間)に高い隔壁111を設ける。
【0052】
隔壁の高さは各材料の蒸着流の入射角により決定される。しかしながら、隔壁が低すぎると入射角が浅くなり膜厚ムラや各色エッジ部の切れが悪くなるため混色が発生しやすい。一方、隔壁が高すぎると蒸着流の制御が困難である。このことから、サブピクセル幅:隔壁の高さの比を0.5〜10にするのがよい。
【0053】
また、隔壁を利用して斜方蒸着により色分離を行う場合に磁性紛を添加した現像剤を用いて現像を行い隔壁を作成することにより、磁力を利用することにより現像剤10の幅・高さをより精密に制御できるため、画質を向上させることができる。この様にして作製された高さの異なる隔壁をシャドーマスクとして利用し蒸着を行う。
【0054】
前述したレッド又はブルーの発光材料を透明電極付き基板と蒸着源に角度をもたせ、低い隔壁110と高い隔壁111との間に(例えば矢印X方向から)斜方蒸着を行う。
【0055】
次に、レッド、ブルーのうち、先に蒸着をしなかった材料を反対の方向(例えば矢印Y方向から)から透明基板1と蒸着源に角度をもたせ低い隔壁110と高い隔壁111との間に斜方蒸着を行う。
【0056】
最後に、グリーンの発光材料を蒸着する。この場合、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等に代表される電子輸送性の緑色材料を用いた場合、グリーン発光層121は、レッド発光層120、ブルー発光層122に対しては電子輸送層として用いることができるため、既にレッド、ブルーの蒸着が行われた基板に対して一様にグリーンの発光材料の蒸着を行う。最後に、前述したようにAl:Li等の第2電極14を一様に蒸着する。
【0057】
また、図3(b)に示される工程において、現像剤10中に含まれるバインダ樹脂にFe34やMnO・Fe23、ZnO・Fe23に代表されるマグネタイト、フェライト等の磁性粉を混錬して用いてもよい。磁性粉を加えた現像剤10を用いて現像を行う場合、ヒートローラ内部に磁性をもたせたマグネットローラを用いるか、若しくはフラッシュランプ使用時に電荷移動層4近傍に磁石を設置し
、現像剤を引きつける。これにより分離用隔壁11の微細化や高さの調整を図ることができる。
【0058】
マグネットローラを用いる場合は、図6(b)に示される現像器27における現像剤担持体25の代わりに、図8に示すように、マグネットローラ28を用い、マグネットローラ28を回転させることにより、磁性粉を添加した現像剤10を電子移動層4表面に供給する現像器29を用いて現像を行う。この場合、マグネットローラ28の磁石を現像剤10に近接させることにより、現像剤10の幅、高さをより精密に制御することができる。
【0059】
また、磁性粉は黒色着色顔料としても用いられていることから、磁性粉をバインダ樹脂に添加した現像剤10を用いて黒色の隔壁11を形成することにより、ディスプレイとしての画質のコントラストを向上させることができる。或いは、磁性粉の代わりに、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック等の黒色材料を微量混錬することにより、隔壁を黒色にすることもできる。
【0060】
以上の工程により得られた本実施形態に係る有機ELパネルにおいては、隔壁の幅が10〜40μmであること、すなわち隣接する発光層間の距離が10〜40μmであることが望ましい。ここで、隔壁11の幅が10μm未満である場合には、発光層12を十分に分離することができないため、画質の低下が考えられる。
【0061】
一方、隔壁11の幅が40μmより大きい場合には、開口率が小さくなるため画素の高精細化が困難となることが考えられる。しかしながら、本実施形態に係る有機ELパネルにおいては、隔壁の幅が10〜40μmであること、すなわち隣接する発光層間の距離が10〜40μmであることにより、発光層を確実に分離することができるとともに、開口率を大きくすることができるため画素が微細化された高精細表示パネルが実現できる。
【0062】
また、本実施形態に係る有機ELパネルの製造方法においては、色分離、パターン形成、陰極分離等が簡便に行うことができる。さらに、これらの工程はいずれもドライプロセスを利用するものであるため、ダークスポットの発生、成長を防ぐことができ、生産性の向上を図ることができる。また、隔壁の幅を10〜40μmの幅に微細加工することができるため、画素数を増やすことが可能となり画像の分解能を向上させることができる。
【0063】
なお、有機ELパネルの発光層の形成方法において、電荷発生層を選択的に露光し、電荷移動層上に形成された静電潜像を現像して発光パターンを形成する技術が特開平11−126687号公報に開示されているが、同公報は、隔壁のないELパネルを対象とするものであり、本発明の隔壁を備えた有機ELパネルの製造方法を示唆する記載は見当たらない。単に静電潜像を利用する点にのみ共通点があるに過ぎない。
【0064】
以下、基本的な本実施形態に係る有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法の、より具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態として、カラー有機ELパネル及びその製造方法について説明する。
【0065】
図9の平面図に示すように、厚さ1.1mmのガラス等からなる透明基板1にスパッタによりITO膜を130nm成膜したのちリソグラフィーとウェットエッチングにより複数のストライプ状の透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は、12Ω/cm2、配線幅は240μm、スペース20μmであった。
【0066】
次に、無金属フタロシアニンとブチラール樹脂を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THFに溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透明電極2の上に塗布することにより膜厚150nmの電荷発生層3を形成した。続いて、N,N’−ジフェニル −N、N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンとポリカーボネートを重量比で2.5:1となるよう秤量した後、これらをジクロロメタンに溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3の上に塗布することにより膜厚200nmの電荷移動層4を形成した(図2(a)参照)。
【0067】
上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層4)を形成した透明基板1に、図2(b)に示すように、スコロトロン等のコロナ放電を用いる非接触式帯電器5を用いて表面電位Vo=−400Vに帯電させた。スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3KV、定電流制御500μA、グリッド電圧Vg=−400Vであった。
【0068】
次に、反転現像を行うために、図3(a)に示すように、半導体レーザを用いた露光器8を用いて透明電極2のストライプ状の配線パターンに直交するように、後の工程において形成するカソード電極間の溝に該当する部分(図9の11参照)を選択的に露光を行った。露光器の波長は、電荷発生層に含まれる電荷発生剤の吸収波長である780nmであった。露光量は0.3mW/cm2、露光スポット径は10μm、露光幅30μmである。電荷移動層4の表面電位Vo=−400V、露光電位Vi=−40Vの静電潜像9(図3(b)参照)を形成した。
【0069】
次に、図3(b)に示すように、現像剤として黒色着色材料であるチャンネルブラックを7%及び電子受容性物質であるモノアゾ染料の金属錯体を用いた帯電制御剤を2%混練したポリエステル樹脂を、体積中心粒径4μmまで粉砕することにより平均帯電量−11μC/gとし、現像バイアスVb=−150Vを印加して現像を行い、隔壁部分(露光部)に現像剤10を付着させた。
【0070】
続いて、図4(a)に示すように、キセノンフラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で現像剤10を非接触定着させることにより隔壁11を形成した。
【0071】
次に、図4(b)に示すように、シャドーマスク18のマスク孔181をレッドの発光層部分(図9のR)に合わせるようにシャドーマスク18を隔壁11の上に位置合わせして設置した。レッド発光層120としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムにドーパントとして4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM、ドーピング濃度2.5wt%)を35nm共蒸着、電子輸送層13としてAlq3を35nm蒸着により形成した。
【0072】
最後に、電子輸送層13上にAl:Liを共蒸着により30nm、その後アルミニウムのみを150nm蒸着することにより第2電極14を形成した。グリーン発光層の形成は、シャドーマスク18をずらしてグリーン発光層を形成する箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光層120を形成するのと同様にグリーン発光層121、電子輸送層13、第2電極14を蒸着により形成した。トリス(8ーキノリノール)アルミニウムをホストに、ドーパントとして2,9―ジメチルキナクリドン(ドーピング濃度3wt%)を用いて35nm厚に共蒸着させてグリーン発光層121を形成した。
【0073】
続いて、グリーン発光層121の上にトリス(8ーキノリノール)アルミニウムを35nm厚に蒸着させることにより電子輸送層13を形成した後
、Al:Liを30nm厚に共蒸着し、その後アルミニウムのみを150nm蒸着することにより第2電極14を形成した。
【0074】
ブルー発光層形成についても同様に、シャドーマスク18をずらしてブルー発光層を形成する箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光層120を形成するのと同様にブルー発光層122、電子輸送層13、第2電極14を蒸着により形成した。ブルーの発光層122には、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを35nm厚に蒸着し、さらにレッド、グリーンと同様な材料を用いて、電子輸送層13、第2電極14を蒸着により形成した。
【0075】
1ピクセル270×270μm、サブピクセル70μm、スペース20μm、画素数水平320×垂直240ドットのカラー表示が可能な有機ELパネルを得た(図5(a)参照)。係る有機ELパネルにおいては、黒色着色材料を添加した現像剤を用いたため隔壁が黒色であり、コントラストは300Lux下で80:1であった。
(第2の実施形態)
次に、本発明の有機ELパネル及びその製造方法の第2の実施形態について説明する。
【0076】
図10(a)の平面図に示すように、厚さ1.1mmのガラス等からなる透明基板1にスパッタによりITO膜を130nm成膜したのちリソグラフィーとウェットエッチングにより透明電極2をストライプ状に形成した。透明電極2のシート抵抗は12Ω/cm2であり、また、透明電極2の上にRGB3色を塗り分けるため、第1の実施形態とは異なって、透明電極2の配線幅は70μm、透明電極2のスペースは15μmとした。
【0077】
次に、銅フタロシアニンとブチラール樹脂を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THFに溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透明電極2の上に塗布することにより膜厚150nmの電荷発生層3を形成した。
【0078】
続いて、N,N‘−ジフェニル−N、N’−ビス(α―ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンとポリカーボネートとを重量比で2.5:1となるよう秤量した後、これらをジクロロメタンに溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製した。この分散塗液をスピンコートにより電荷発生層3の上に塗布することにより、膜厚200nmの電荷移動層4を形成した(図2(a)参照)。
【0079】
上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層4)を形成した透明基板1に対して、図2(b)に示すように、スコロトロン等の非接触式帯電器5を用いて電荷移動層4の表面を表面電位Vo=−400Vに帯電させた。スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3KV、定電流制御500μA、グリッド電圧Vg=−400Vであった。
【0080】
次に、反転現像を行うために、図3(a)に示すように、半導体レーザ等の露光器8を用いて、透明電極2のストライプ状の配線パターンに直交し、所望の形状を有する隔壁を形成するために電荷発生層3に対して選択的に露光を行った。
【0081】
各画素を図10(a)の平面図に示されるような形状とするため、隔壁もクランク状とする。露光器の波長、露光量、露光スポット径、露光幅は第1の実施形態と同様である。電荷移動層4の表面に表面電位Vo=−400V、露光電位Vi=−50Vの静電潜像9(図3(b)参照)を形成した。
【0082】
次に、現像剤として黒色着色材料であるチャンネルブラックを7%、電子受容性物質であるモノアゾ染料の金属錯体を用いた帯電制御剤を2%混練したポリエステル樹脂を、体積中心粒径4μmまで粉砕することにより平均帯電量−11μC/gとした。この現像剤を用いて、図3(b)のように、現像バイアスVb=−150Vを印加して現像を行い、隔壁部分(露光部)に現像剤10を付着させた。
【0083】
続いて、図4(a)に示すように、キセノンフラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で現像剤10を非接触定着させることにより隔壁11を形成した。隔壁11の高さは7μmであった。
【0084】
次に、図4(b)に示すように、シャドーマスク18のマスク孔181をレッド発光層部分に合わせるように(透明電極2の配線パターン上に)シャドーマスク18を隔壁11の上に位置合わせして設置した。
【0085】
次に、図5(a)に示すように、レッド発光層120としてトリス(8ーキノリノール)アルミニウム(Alq3)にドーパントとして4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p− ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM、ドーピング濃度2.5wt%)を35nm厚に共蒸着し、電子輸送層13としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムを蒸着により35nm厚に形成した。
【0086】
グリーン発光層121の形成は、シャドーマスク18をずらしてグリーン発光層121を形成する箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光層120を形成するのと同様に発光層12、電子輸送層13を蒸着により形成した。トリス(8ーキノリノール)アルミニウムをホストに、ドーパントとして2,9―ジメチルキナクリドン(ドーピング濃度3wt%)を用いて35nm厚に共蒸着してグリーン発光層121を形成した。
【0087】
続いて、グリーン発光層121の上にトリス(8ーキノリノール)アルミニウムを35nm厚に蒸着させることにより電子輸送層13を形成した。
【0088】
ブルー発光層122の形成についても同様に、シャドーマスク18をずらしてブルー発光層122を形成する箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光層120を形成するのと同様に発光層12、電子輸送層13を蒸着により形成した。ブルー発光層122として、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを35nm厚に成膜し、さらにレッド発光層120、グリーン発光層121の形成時と同様な材料を用いて、電子輸送層13を蒸着により形成した。
【0089】
最後に、カソードである第2電極14として、Al:Liを共蒸着により30nmの膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを100nm厚に蒸着した。
【0090】
このとき、透明基板1の上にシャドーマスク18を用いず一様に蒸着を行っても隔壁11の段差により第2電極14は分離され、第2電極14はショートすることはなく、容易にカソード電極パターンが作成される。
【0091】
以上の工程により、1ピクセル270×270μm、サブピクセル70μm、スペース20μm、画素数水平320×垂直240ドットのカラー表示が可能な有機ELパネルを得た。コントラストは300Lux下で90:1であった。
【0092】
なお、本方法によれば、露光の自由度が大きく、複雑なパターンを有する隔壁を用途・目的に応じて自由に作成することができるため、図10(b)の平面図に示されるように、市松模様に配置された陰極である第2電極14を接続するバス電極15を用い、RGBをデルタ配列に配置した有機ELパネルを作成することも可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の有機ELパネル及びその製造方法の第3の実施形態について説明する。
【0093】
厚さ1.1mmのガラス等の透明基板1にスパッタによりITO膜を130nm成膜したのちリソグラフィーとウェットエッチングによりストライプ状の透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は、15Ω/cm2、配線幅は250μm、スペース20μmであった。
【0094】
次に、無金属フタロシアニンとブチラール樹脂とを重量比で3.0:1となるよう秤量し、THFに溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透明電極2の上に塗布することにより膜厚150nmの電荷発生層3を形成した。
【0095】
続いて、N,N’−ジフェニル−N、N’−ビス(α―ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンとポリカーボネートとを重量比で2.5:1となるよう秤量した後、これらをジクロロメタンに溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3の上に塗布することにより膜厚200nmの電荷移動層4を形成した(図2(a)参照)。
【0096】
上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層4)を形成した透明基板1に、図2(b)に示すように、スコロトロン等の非接触式帯電器5を用いて電荷移動層4の表面を表面電位Vo=−400Vに帯電させた。スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3KV、定電流制御500μA、グリッド電圧Vg=−400Vであった。
【0097】
次に、図3(a)に示すように、半導体レーザ等の露光器8を用いて透明電極2の配線パターンに直交するように、後の工程において発光層を形成する箇所の電荷発生層3を選択的に露光した(正現像)。露光器の波長及び露光スポット径露光幅は第1の実施形態と同様である。露光量は0.3mW/cm2及び0.1mW/cm2とした。電荷移動層4の表面電位Vo=−400V、露光電位Viは、露光量が0.3mW/cm2のときはVi=−40V、露光量が0.1mW/cm2のときはVi=−100Vの静電潜像が形成された。
【0098】
次に、黒色着色材料であるチャンネルブラックを8%、磁性粉Fe34を17%、正帯電性帯電制御剤である第4級アンモニウム塩2%を含有させた現像剤を、体積中心粒径4μmまで粉砕することにより平均帯電量10μC/gとした。係る球状の現像剤を用いて、現像バイアスVb=−200Vを印加して現像を行い、隔壁部分(露光部)に現像剤10を付着させた。
【0099】
続いて、図7(a)に示す方法を用いて、現像剤をハロゲンランプを内在したマグネットローラの外周にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をコートしたヒートローラ16を用いて定着して隔壁11とした。隔壁11の高さは3μm及び45μm、幅8μmであった。このスチレンーアクリル共重合体は、定着プロセススピード30mm/sec時の定着温度120℃である。
【0100】
次に、レッド発光層120としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムにドーパントとして4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM、ドーピング濃度3wt%)を30nm厚に共蒸着させた。
【0101】
このとき、図7(b)に示すように、透明基板1を蒸着源から一定角度をつけ、蒸着流が図中の矢印Xのように透明基板1に対して斜めになるように斜方蒸着を行った。続いて、ブルーの発光材料の蒸着を行った。ブルーの発光材料の蒸着は、透明基板1を蒸着源からレッド蒸着時とは反対の方向となるよう配置し、透明基板1に対して蒸着流が図中の矢印Yのようにレッド蒸着時とは逆の方向から入射するようにする。ジフェニルビニルビフェニルを30nm厚に蒸着することによりブルー発光層122を形成した。
【0102】
続いて、グリーン発光材料の蒸着を行った。グリーンの発光材料の蒸着には、トリス(8ーキノリノール)アルミニウムを用いた。この場合、他の2色の発光層に対して電子輸送層として働くため、透明基板1の直下に蒸着源を配置し、全ての発光層上に40nm厚の蒸着を行うことによりグリーン発光層121を形成した。
【0103】
最後に、シャドーマスクを用いずAl:Liを共蒸着により30nmの膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを100nm厚に蒸着して、カソードである第2電極14を形成した。第2電極14は低い隔壁110及び高い隔壁111により各色毎に分離されている。
【0104】
以上の工程により、1ピクセル270×270μm、サブピクセル70μm、スペース25μm、画素数が水平320×垂直240ドットのカラー表示が可能な有機ELパネルを得た。コントラストは、300Lux下で100:1であった。
(第4の実施形態)
最後に、本発明の第4の実施形態として、緑単色発光用の有機ELパネル及びその製造方法について説明する。
【0105】
基板として厚さ0.7mmのガラス等の透明基板1を用い、透明基板1の上にスパッタによりITO膜を150nm形成し、リソグラフィーとウェットエッチングにより、アノードである透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は10Ω/cm2、配線幅300μm、スペース幅30μmであった。
【0106】
次に、銅フタロシアニンとブチラール樹脂を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THF(テトラヒドロフラン)に溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透明電極2の上に塗膜、乾燥して膜厚150nmの薄膜からなる電荷発生層3(正孔注入層)を形成した。
【0107】
続いて、N,N’−ジフェニルーN、N’−ジ(3―メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンとポリカーボネートを重量比で2.5:1となるよう秤量し、ジクロロメタンに溶かし固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。THFに溶かした分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3の上に成膜することにより膜厚200nmの薄膜からなる電荷輸送層4を形成した(図2(a)参照)。
【0108】
上記有機層(電荷発生層3及び電荷輸送層4)を形成した透明基板1を、図6(a)に示すように、帯電ローラを用いた接触式帯電器6を用いて帯電させた。帯電ローラへの印加電圧は−600V、定電圧制御で透明基板1への表面電位Voは−400Vであった。
【0109】
次に、図3(a)に示すように、半導体レーザ等の露光器8を用いて、透明電極2の配線パターンに直交するように、後の工程において作成するカソード電極間の溝以外の部分(後の工程において所望の発光層を形成する箇所)に対して選択的にパターン露光を行った。露光器の波長は、電荷発生層3に含まれる電荷発生剤の吸収波長である780nmであった。露光量、露光スポット径、露光幅は第1の実施形態と同様で、潜像電位Vi=−40Vの静電潜像を得た。
【0110】
次に、図6(b)に示すように、現像剤10としては、バインダ樹脂としてスチレン−アクリル共重合体を用い、重合時に黒色着色材料であるチャンネルブラック8%、正帯電性帯電制御剤であるニグロシン染料2%を包含させた体積中心粒径6μm、平均帯電量8μC/gの球形の重合現像剤を用いた。
【0111】
この現像剤10を用いて、現像バイアス電位Vb=−160Vを現像剤担持体25に印加し、図3(b)に示すように、現像を行った。
【0112】
次に、図4(a)に示すように、キセノンフラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で現像剤10を電荷移動層4の上に非接触定着させて隔壁11を形成した。その上に、図5(b)に示すように、グリーン発光層121として、ホストにトリス(8−キノリノール)アルミニウム、ドーパントとしてキナクリドン(ドーピング濃度2.5wt%)を25nm厚に共蒸着し、続いて、電子輸送層13としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムを30nm厚に蒸着した。
【0113】
次に、カソードである第2電極14としてMg:Agを二源からの共蒸着により200nm厚に形成した。以上の工程により、ドットピッチ300×300μm、スペース30μm、画素数256×64ドットのグリーン発光層121のみを有する有機ELパネルを得た。コントラストは300Lux下で100:1であった。
(比較例)
上記実施形態と比較するために、比較例として、図12(b)に示す方法を用いて、従来の有機ELパネルを作製した。
【0114】
厚さ1.1mmのガラス等の透明基板1の上に膜厚120nmのITO薄膜をスパッタにより形成し、シート抵抗が15Ω/cm2、配線幅250μm、スペース20μmのアノードであるストライプ状の透明電極2を作成した。その上に正孔注入、輸送層として、N,N’−ジフェニル −N、N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル −4,4’−ジアミンを50nm厚に真空蒸着により形成し有機層34とした。
【0115】
次に、シャドーマスク37を透明電極2パターンと直交するようにマスク孔をレッドの領域に位置合わせし有機層34の上に設置した。レッドの発光材料として、トリス(8−キノリノール)アルミニウムに4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランを3wt%ドーピングするように25nm共蒸着を行い、発光層35を形成した。
【0116】
続いて、発光層35の上に、図示は省略するが、電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムを30nm厚に蒸着した。さらに、電子輸送層の上にAl:Liを共蒸着により30nm厚に堆層させた後、アルミニウムのみを120nm厚に蒸着することによりカソード電極を形成した。
【0117】
続いて、グリーン発光層、ブルー発光層、及びこれらの電子輸送層、カソード電極もシャドーマスク37をスライドさせて、レッド発光層の形成時と同様に成膜した。グリーン発光層としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウムにドーパントとしてキナクリドンを3w%含むように25nm厚に共蒸着し、続いて電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムを30nm厚に蒸着した。
【0118】
さらに、Al:Liを共蒸着により30nmの膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを120nm厚に蒸着することによりカソード電極を形成した。
【0119】
ブルー発光層として、ジフェニルビニルビフェニルを25nm厚に蒸着し、続いて電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムを30nm厚に蒸着し、続いてAl:Liを共蒸着により30nmの膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを120nm厚に蒸着することによりカソード電極を形成した。
【0120】
RGB各3色の色分離には、図12(b)に示すように、シャドーマスク37をスライドさせて行っただけであり、隔壁は存在しない。
【0121】
図12(b)に示す色分離方法では、ドットピッチ80μm、スペース40μm以下ではマスクの位置合わせが困難であり、且つ、蒸着時の回り込みで色ずれが発生してしまい、パネル作成は困難であった。そのため、回り込みを防ぐためマスクを既に形成された有機層34に接触させたところ、マスクによる有機層34のキズ等が発生し、不良画素が多くなった。また、この方式では本発明のような黒色顔料を含む隔壁が陰極間に無く、陰極からの反射光を抑えることができないため、300Lux下でのコントラストは10:1であった。
【0122】
【発明の効果】
上述のように、本発明の有機ELパネル及びその製造方法によれば、ドライプロセスを用いて形成した隔壁により、色分離、パターン形成、陰極分離等の工程も、いずれもドライプロセスを利用して行っており、ダークスポットの発生、成長を防ぐことができ、生産性の向上を図ることができる。また、隔壁の幅を10〜40μmの幅に微細加工することができるため、画素数を増やすことが可能となり画像の分解能を向上させることができる。また、隔壁の幅が10〜40μmであること、すなわち隣接する発光層間の距離が10〜40μmであることにより、発光層を確実に分離することができるとともに、開口率を大きくすることができるため画素が微細化された高精細表示パネルが実現できる、という効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態に係る有機ELパネルを示す模式断面図である。
【図2】本発明の基本的な実施形態に係る有機ELパネルの製造工程を説明する模式断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を示す模式断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す模式断面図である。
【図5】(a)は、図4に続く製造工程により得られる有機ELパネルの模式断面図であり、(b)は、(a)とは異なる形態として得られる有機ELパネルの模式断面図である。
【図6】(a)は、図2(b)に示される工程の代替工程を説明する模式断面図であり、(b)は、図3(b)に示される工程に用いられる現像装置による現像工程を説明する模式断面図である。
【図7】(a)は、図4(a)に示される工程の代替工程を説明する模式断面図であり、(b)は、図4(b)に示される工程の代替工程を説明する模式断面図である。
【図8】図6(b)に示される装置の代替装置を説明する模式断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る有機ELパネルにおける透明電極、隔壁及び発光層の平面パターンを示す平面図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る有機ELパネルにおける透明電極、隔壁及び発光層の平面パターンを示す平面図であり、(b)は、本発明の第2実施形態の変形例に係る有機ELパネルにおける透明電極、隔壁及び発光層の平面パターンを示す平面図である。
【図11】従来の有機ELパネルの製造工程を説明する模式断面図である。
【図12】(a)は、図11に続く製造工程を示す模式断面図である。(b)は、従来の有機ELパネルの別の製造方法による蒸着工程を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 透明電極
3 電荷発生層
4 電荷移動層
5 非接触式帯電器
6 接触式帯電器
7 表面電荷
8 露光器
9 静電潜像
10 現像剤
11、31 隔壁
12 発光層
13 電子輸送層
14 第2電極
15 バス電極
16 ヒートローラ
18、37 シャドーマスク
20 蒸着源
21 ホッパ
22 現像室
23 撹拌部材
24 現像剤供給部材
25 現像剤担持体
26 薄層形成部材
27 現像器
28 マグネットローラ
29 現像器
30 定着器
32 有機発光層
33 カソード電極
37 シャドーマスク
110 低い隔壁
111 高い隔壁
120 レッド発光層
121 グリーン発光層
122 ブルー発光層
180 マスク部
181 エッチング部(マスク孔)
211 蒸発流
310 オーバーハング部

Claims (7)

  1. 透明基板上に光透過性材料からなる第1電極を形成する工程と、前記第1電極上に電荷発生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を帯電させた後、前記電荷発生層を選択的に露光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像に対応する現像剤パターンを前記電荷移動層上に画素分離用の隔壁として形成する工程と、前記隔壁間に発光層及び第2電極を形成する工程とを有することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  2. 前記発光層及び前記第2電極は、少なくとも前記電荷移動層の一部が露出するような所定のパターンを有するマスクを前記隔壁上に設置した後、真空蒸着により形成される請求項記載の有機ELパネルの製造方法。
  3. 前記電荷移動層上の前記発光層及び前記第2電極は、順に斜方蒸着により形成される請求項記載の有機ELパネルの製造方法。
  4. 前記現像剤は、ポリエステル、アクリル、及びスチレン−アクリル共重合体のうち少なくとも1以上の材料に帯電制御剤を含有するものである請求項又は記載の有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記現像剤は、黒色材料を含有するものであり、前記黒色材料を含む現像剤を用いて黒色の隔壁を形成する請求項又は記載の有機ELパネルの製造方法。
  6. 前記現像剤は、磁性粉を含有する請求項又は記載の有機ELパネルの製造方法。
  7. 基板上に光透過性材料からなるアノード電極を形成する工程と、前記アノード電極上に電荷発生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を帯電する工程と、前記電荷発生層の所定領域を露光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像を現像して現像剤パターンを形成する工程と、前記現像剤パターンを前記電荷移動層上に定着させることにより画素分離用の隔壁を形成する工程と、前記隔壁の間に発光層、電子輸送層及びカソード電極を順に形成する工程とを有することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
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