JP2001060494A - 有機elパネル及びその製造方法 - Google Patents

有機elパネル及びその製造方法

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JP2001060494A
JP2001060494A JP2000180003A JP2000180003A JP2001060494A JP 2001060494 A JP2001060494 A JP 2001060494A JP 2000180003 A JP2000180003 A JP 2000180003A JP 2000180003 A JP2000180003 A JP 2000180003A JP 2001060494 A JP2001060494 A JP 2001060494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機ELパネルの隔壁をレジストを用いて形成
する場合、レジストの残留現像液、エッチング液、微量
水分が有機発光層やカソード電極の界面を劣化させ、ダ
ークスポットと呼ばれる非発光点が発生する。このダー
クスポットが発生すると、パネルの寿命を長くすること
が困難で、また、分離不足を起こさないために隔壁の面
積が大きくなり、開口率を大きくすることができず微細
化が困難であるという問題が生じていた。 【解決手段】電荷移動層4を帯電させた後、電荷発生層
3を選択的に露光器8により露光して電荷移動層4の上
に静電潜像9を形成し、静電潜像9を定着器を用いて隔
壁とする。このように、ドライプロセスを用いて形成し
た隔壁により、色分離、パターン形成、陰極分離等の工
程も、ドライプロセスで行っており、ダークスポットの
発生、成長を防ぐことができ、生産性の向上を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流の注入によっ
て発光する有機化合物材料のエレクトロルミネッセンス
(以下、ELという)を利用した有機ELパネル及びそ
の製造方法に関し、特に、画素分離用の隔壁を備えた有
機ELパネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画素分離用の隔壁を備えた有機ELパネ
ルが特開平9−102393号公報及び特開平8−31
5981号公報に開示されている。この公報に示される
有機ELパネルの製造方法においては、図11(a)に
示されるように、透明基板1上に、酸化スズインジウム
(以下、ITOという)等からなるアノードとしての透
明電極2をストライプ状に形成した後、フォトリソグラ
フィ法を用いて透明電極2と透明基板1上で直交するよ
うに電気絶縁性の分離用の隔壁31を設ける。隔壁31
は下部に逆テーパ状の形状を有し、上部にオーバーハン
グ部310を有する。
【0003】次に、図11(b)に示すように、透明基
板1の隔壁31が設置されている側から成膜用のシャド
ーマスク37を用いてオーバーハング部310下にも回
り込むように、一つの色に対応する有機発光材料を透明
基板1に対して図中P、Qの矢印のように角度を付けて
蒸着し、これを色毎に繰り返して有機発光層32を形成
する。さらに、図12(a)に示すように、成膜用マス
ク37を隔壁31の上からはずした後、図中Sの矢印の
ように、透明基板1に対してほぼ垂直の方向からカソー
ド電極材料を蒸着してカソード電極33を形成する。隔
壁31はオーバーハング部310を有するため、カソー
ド電極33を隔壁31の両側で電気的に絶縁することが
出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
(a)に示すように、隔壁31はレジストを逆テーパ状
に形成することにより得られ、隔壁31を用いて画素及
び陰極の分離を行う。レジストを用いる場合、レジスト
の残留現像液、エッチング液、微量水分が有機発光層3
2やカソード電極33の界面を劣化させる。
【0005】その結果、ダークスポットと呼ばれる非発
光点が発生する。このダークスポットが発生すると、パ
ネルの寿命を長くすることが困難となる。また、逆テー
パの形状を呈する隔壁31のオーバーハング部310は
厚さ方向の露光量の違いからくる現像速度の差を利用し
て形成される。
【0006】このため、オーバーハング部310の大き
さが不安定で分離不足を生じやすい。分離不足が生じる
と、カソード電極33とアノードである透明電極2との
間がショートして非発光素子が形成されるばかりでな
く、ショートによる熱によりパネルを破壊してしまう場
合がある。
【0007】また、係る表示パネルにおいては分離不足
を起こさないために隔壁31に一定以上の幅が必要であ
り、非発光部である隔壁31の面積が大きくなるため、
開口率を大きくすることができず微細化が困難であると
いう問題が生じていた。
【0008】従って、本発明の目的のひとつは、微細化
が可能であり且つ生産性の向上を図ることができる有機
ELパネル及びその製造方法を提供することである。ま
た、本発明の他の目的は、より微細化され且つ高画質の
装置として得られる有機ELパネル及びその製造方法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明者らは、有機ELパネルの微細化及びその
生産工程のおける生産性の向上に関して鋭意研究を重ね
た。その結果、本発明者らは、画素分離用の隔壁の形成
方法として、透明電極上に形成される電荷発生層及び電
荷移動層のうち、電荷移動層を帯電させた後、電荷発生
層を選択的に露光して電荷移動層上に所定のパターンを
有する静電潜像を形成し、現像剤を用いて前記静電潜像
を現像した後定着させることにより隔壁を形成する着想
を得、以下のような本発明の有機ELパネル及びその製
造方法に想到した。
【0010】即ち、本発明の有機ELパネルは、透明基
板上に形成された光透過性材料からなる第1電極と、前
記第1電極を覆う電荷発生層及びその上の電荷移動層
と、前記電荷移動層の上に所定のパターンに形成された
現像剤パターンからなる隔壁と、前記隔壁の間に形成さ
れた発光層及び第2電極を有することを特徴とし、前記
隔壁の幅が10〜40μmであり、あ前記第2電極は、
前記隔壁が黒色である、というものである。
【0011】次に、本発明の有機ELパネルの製造方法
は、透明基板上に光透過性材料からなる第1電極を形成
する工程と、前記第1電極上に電荷発生層及び電荷移動
層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を帯電させた
後、前記電荷発生層を選択的に露光することにより前記
電荷移動層上に所定のパターンを有する静電潜像を形成
する工程と、前記静電潜像に対応する現像剤パターンを
前記電荷移動層上に画素分離用の隔壁として形成する工
程と、前記隔壁間に発光層及び第2電極を形成する工程
とを有することを特徴とし、前記発光層及び前記第2電
極は、少なくとも前記電荷移動層の一部が露出するよう
な所定のパターンを有するマスクを前記隔壁上に設置し
た後、真空蒸着により形成されるか、或いは、前記電荷
移動層上の前記発光層及び前記第2電極は、順に斜方蒸
着により形成され、前記現像剤は、ポリエステル、アク
リル、及びスチレン−アクリル共重合体のうち少なくと
も1以上の材料に帯電制御剤を含有するものである、或
いは、黒色材料を含有するものであり、前記黒色材料を
含む現像剤を用いて黒色の隔壁を形成する、或いは、磁
性粉を含有する、という形態を採るものである。
【0012】次に、本発明の有機ELパネルのより具体
的な製造方法は、基板上に光透過性材料からなるアノー
ド電極を形成する工程と、前記アノード電極上に電荷発
生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移
動層を帯電する工程と、前記電荷発生層の所定領域を露
光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを
有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像を現像
して現像剤パターンを形成する工程と、前記現像剤パタ
ーンを前記電荷移動層上に定着させることにより画素分
離用の隔壁を形成する工程と、前記隔壁の間に発光層、
電子輸送層及びカソード電極を順に形成する工程とを有
することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の基本的な実施形態
を図1〜8を参照して説明する。
【0014】本実施形態に係る有機ELパネルは、図1
に示されるように、ガラス基板等の透明基板1上に、I
TO、酸化スズ薄膜等のアノードとしての透明電極2が
形成されている。透明電極2の上には電荷発生層3及び
電荷移動層4が設置されている。また、電荷移動層4の
上には複数の隔壁11が並列に形成されており、隔壁1
1の間に発光層12が形成され、発光層12上には電子
輸送層13を介してカソードである第2電極14が形成
されている。すなわち、電荷発生層3、電荷移動層4、
発光層12、及び電子輸送層13を介して透明電極2と
第2電極14とが対向するように形成されている。
【0015】また、発光層12は、レッド発光層12
0、グリーン発光層121、ブルー発光層122から構
成される。
【0016】なお、図1においては有機ELパネルが3
色のカラーにより構成される場合を例にとり説明した
が、有機ELパネルが単色パネルであってもよく、その
場合発光層12は同色のみである。
【0017】電荷発生層3及び電荷移動層4は共に有機
樹脂からなり、電荷発生層3が感光層となる。電荷発生
層3は、ブチラール樹脂に無金属、銅、チタニル、バナ
ジル等フタロシアニン化合物やペリレン系、多環キノン
系、スクアリリウム色素やアズレニウム色素等の電荷発
生剤等を含有している。
【0018】また、電荷移動層4は、ポリカーボネート
樹脂にN,N’−ジフェニル −N、N’−ジ(3−メ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル −4,4’−
ジアミン(TPDと略記)、N,N’−ジフェニル −
N、N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニ
ル−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記)等のジア
ミン誘導体や、4,4’,4” −トリス(3−メチル
フェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミンなどの
アリールアミン系、オキサジアゾール、オキサゾール、
ピラゾリン等複素環式化合物、ヒドラゾン系化合物、縮
合多環式化合物等の化合物を分散した塗液を用いて成膜
される。
【0019】電荷発生層3及び電荷移動層4はディッピ
ングにより、若しくはスピンコート法等を用いて透明電
極2の上に形成される。電荷発生層3及び電荷移動層4
の厚さは、キャリアの移動度、光を透明基板1側から取
り出すように有機ELパネルが構成されていること等を
考慮すると、できるだけ薄い方が好ましいが、薄すぎる
とピンホール等で絶縁破壊を起こすため、0.1〜5μ
m程度であるのが好ましい。
【0020】また、隔壁11は絶縁体材料から構成さ
れ、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、アク
リル等の樹脂から形成されている。また、隔壁11を形
成する際に、樹脂にFe34やMnO・Fe23、Zn
O・Fe23に代表されるマグネタイト、フェライト等
の磁性粉を混錬することにより、隔壁11を黒色にする
こともできる。
【0021】或いは、磁性粉の代わりに、ファーネスブ
ラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケ
ッチェンブラックに代表されるカーボンブラック等の黒
色材料を微量混錬することにより隔壁を黒色にすること
もできる。このように、画素間のスペース部である隔壁
11を黒色にすることにより、ディスプレイとしてのコ
ントラストを向上させることができる。
【0022】発光層12は、ホストにトリス(8−キノ
リノール)アルミニウムに代表される8−ヒドロキシキ
ノリン金属錯体、1,4−ビス(2−メチルスチリル)
ベンゼン等のジスチリルベンゼン誘導体、ビススチリル
アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体
等を用いて形成される。グリーンの光を発する発光層1
21は、ホストとともに、ドーパントとして、キナクリ
ドン、2,9−ジメチルキナクリドン等キナクリドン誘
導体、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルア
ミノクマリン(クマリン540)等クマリン誘導体を用
い、ホストとドーパントとを共蒸着させることにより形
成される。
【0023】レッド発光層120は、ドーパントとし
て、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジ
メチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCMと略
記)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−〔2−
(9−ユロリジル)エテニル〕−4H−チオピラン等ジ
シアノメチレンピラン色素、フェノキサゾン誘導体、ス
クアリリウム色素等を用い、ホストとドーパントとを共
蒸着させることにより形成される。ブルー発光層122
は、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフ
ェニル等のジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルベ
ンゼン誘導体、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペ
ンタフェニルシクロペンタジエン、テトラフェニルブタ
ジエン誘導体、ペリレン誘導体等を蒸着することにより
形成される。
【0024】電子輸送層13は、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネ
シウム等の8−ヒドロキシキノリン金属錯体、オキサジ
アゾール誘導体、ペリレン誘導体等電子をキャリアとす
る材料を用いて形成される。
【0025】また、本実施形態においてはカソードであ
る第2電極14は、Mg:AgやAl:Liを合金また
は共蒸着法を用いて真空蒸着を行い形成される。
【0026】次に、本実施形態に係る有機ELパネルの
製造工程について、図2〜図8を参照して説明する。
【0027】まず、図2(a)に示すように、ガラス等
の透明基板1の上に、ITO、酸化スズ薄膜等の光透過
性材料からなる透明電極2を形成する。薄膜形成方法
は、スパッタリング法、電子ビーム法、化学反応法等い
ずれを用いてもよい。
【0028】続いて、透明電極2の上に電荷発生層(正
孔注入層)3及び電荷移動層(正孔輸送層)4で構成さ
れる有機材料を形成する。電荷発生層3は、ブチラール
樹脂に前述した電荷発生剤を分散することにより得られ
た塗液を用いて成膜することにより形成される。
【0029】また、電荷移動層4は、前述したように、
ポリカーボネート樹脂にTPD、α―NPD等のジアミ
ン誘導体や、4,4’,4” −トリス(3−メチルフ
ェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミンなどのア
リールアミン系、オキサジアゾール、オキサゾール、ピ
ラゾリン等複素環式化合物、ヒドラゾン系化合物、縮合
多環式化合物等の化合物を分散した塗液を用いて成膜す
ることにより形成する。
【0030】電荷発生層3及び電荷移動層4の形成方法
は、ディッピングによる方法、若しくはスピンコート法
どちらを用いてもよい。電荷発生層3及び電荷移動層4
はバインダ樹脂に正孔注入輸送材料を分散させて形成さ
せることにより、透明電極2とこれらの有機層(電荷発
生層3及び電荷移動層4)との密着性を高めることがで
きるため、材料の凝集や膜質の変化がない。これにより
電界集中による絶縁破壊やショートを防ぐことができ、
パネルの耐熱性が向上し長寿命化を図ることができる。
【0031】次に、図2(b)に示すように、電荷発生
層3及び電荷移動層4からなる有機層を形成した基板
に、スコロトロン等のコロナ放電を用いる非接触式帯電
器5を用いて電荷移動層4表面の帯電を行う。非接触式
帯電器5の代わりに、図6(a)に示すように、ブラシ
やブレード、ローラ帯電等の接触式帯電器6を用いても
良い。電荷移動層4の表面電位の最適帯電電位Voは、
有機感光層である電荷発生層3の膜厚や移動度により異
なるが、例えば、負帯電現像剤を用いて反転現像を行う
場合、−300〜−1000V程度である。以上の工程
により、電荷移動層4の表面に表面電荷7を形成する。
【0032】続いて、図3(a)に示すように、半導体
レーザやLED等からなる露光器8を用いて、隔壁11
となる部分の電荷発生層3を選択的に露光するか、若し
くは隔壁11となる部分以外の領域を遮光パターンとす
るフォトマスクを介して隔壁11となる部分の電荷発生
層3を選択的に露光する。半導体レーザを用いての露光
は、フォトマスクを用いる場合に比べて、自由な形状の
隔壁が得られ、且つ、微細に走査できるので非常に有用
である。図3(a)は、正現像である例を示している。
反転現像の場合、隔壁11となる部分以外の電荷発生層
3を選択的に露光する一方、正現像の場合、隔壁11と
なる部分の電荷発生層3を選択的に露光する。露光器8
から発射される光の波長は電荷発生層3の吸収波長であ
る780nm前後である。
【0033】正現像の場合、図3(a)に示されるよう
に、露光器8から発射されたレーザ光等が電荷発生層3
まで到達することにより、電荷発生層3内で正孔と電子
が発生し、電荷移動層4の表面電位(電荷移動層4表面
が帯電することにより生じる電位Vo)に基づく電界に
より正孔が電荷移動層4に注入されて電荷移動層4内を
移動し、電荷移動層4表面まで到達する。
【0034】ここで、図3(b)に示すように、光が発
射された部分においては電荷移動層4表面に達した正孔
が電荷移動層4表面の帯電電荷と結合することにより表
面電荷7が消滅し、潜像電位Viを有し、所定のパター
ンからなる静電潜像9が形成される。ここで、静電潜像
9とは、潜像電位Viを有し、所定のパターンからなる
電荷をいう。なお、正現像の場合、後の工程において、
電荷移動層4表面において表面電荷7が消滅した部分に
隔壁11が形成される。
【0035】図3(a)に続いて、図3(b)に示すよ
うに、静電潜像9に対して現像剤10を用いて現像を行
う。現像剤10は、帯電制御剤(CCA)を混練したポ
リエステル、スチレンーアクリル共重合体、アクリル等
のバインダ樹脂を適当な粒径まで粉砕することにより得
られたものを用いる。
【0036】現像剤10を一様に帯電させた後、現像す
るための現像器27の一例を図6(b)に示す。現像器
27は図6(b)に示されるように、現像剤10を貯留
するホッパ21、現像剤10の帯電と静電潜像9を形成
した有機層への現像とを行う現像室22を有している。
ホッパ21内の現像剤10は、撹拌部材23によって撹
拌され、回転駆動する(図6(b)においては反時計方
向に回転する)現像剤供給部材24によって、反時計方
向に回転するマグネトローラ式若しくは弾性ゴム材料か
らなる現像剤担持体25に供給される。現像剤担持体2
5に供給された現像剤10は、薄層形成部材26によっ
て規制され、数層程度の均一な薄層となる。
【0037】薄層形成部材26は、シリコーン、ウレタ
ン等の高分子材料やステンレス等の金属薄板から形成さ
れている。薄層となった帯電制御剤を含む現像剤10
は、現像剤担持体25の回転にしたがって現像剤担持体
25と有機層の対向部分まで運ばれ、電荷移動層4の表
面電位Vo、潜像電位Viと現像剤担持体25に印加さ
れている現像バイアス電位Vbとの電位差に基づく電界
により、電荷移動層4表面の静電潜像9に移動し像を形
成する(図3(b)参照)。現像剤担持体25と電荷移
動層4とは接触していてもよいし、近接した距離であれ
ば、現像剤10は電界により電荷移動層4へと飛翔する
ので、100〜300μm程度離れていても現像するこ
とができる。
【0038】このように、現像剤担持体25と電荷移動
層4とを接触させずに現像を行うことにより、現像され
ていない部分へのカブリやチリを減少させることができ
る。現像プロセスとしては、電荷移動層4の電位と現像
剤10の帯電とが逆極性である正現像法、電荷移動層4
の電位と現像剤との帯電極性が同極性である反転現像法
の2つのうちどちらを用いてもよい。
【0039】次に、図4(a)に示すように、電荷移動
層4表面の静電潜像9に移動して像を形成した現像剤1
0 を、定着器30を用いて電荷移動層4表面に定着さ
せる。定着器30にはキセノンフラッシュランプが設置
されており、定着器30と電荷移動層4とを接触させる
ことなく現像剤10を電荷移動層4に定着させることに
より隔壁11を形成する。
【0040】または、図7(a)に示すように、所定の
パターンを有する静電潜像9に対して、ハロゲンランプ
を内在したアルミ素管の外周にポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)
等フッ素系化合物等離型性を有する材料をコートして形
成されたヒートローラ16を用いて、現像剤10を電荷
移動層4表面に定着させてもよい。定着温度は、用いる
現像剤中のバインダ樹脂の種類によって異なるが、通常
100〜140℃である。静電潜像9は用途・目的に応
じて自在な形に形成できるため、静電潜像9を用いて現
像を行うことによりいかなる形の表示パネルやサブピク
セルの配置にも対応することができる。
【0041】続いて、図4(b)に示すように、シャド
ーマスク18を透明電極2の延在方向と直交するように
配置し、真空蒸着法により、有機材料からなる発光層1
2及び電子輸送層13、カソードである第2電極14を
順に成膜する。シャドーマスク18はSUS、銅ニッケ
ル等のメッキされた金属材料から作成されており、複数
のストライプ状のマスク部180と、マスク部180間
に設置されたエッチング部(マスク孔)181とを有し
ている。
【0042】カラー有機ELパネルに用いるカラーパネ
ル用のシャドーマスクは一般に2色分のサブピクセル+
スペース幅150〜250μmの間隔おきに1色のサブ
ピクセル幅(エッチング部181の幅)60〜100μ
mがエッチング加工されている。一方、単色ドットパネ
ル用のシャドーマスクの場合、マスク部180の幅が2
00〜300μmでエッチング加工されており、エッチ
ング部(マスク孔)181の幅は15〜30μmであ
る。
【0043】例えば、レッド発光層120、グリーン発
光層121、ブルー発光層122をそれぞれ形成する場
合、成膜しようとするサブピクセル、例えば、レッドピ
クセルにシャドーマスク18のエッチング部(マスク
孔)181が位置するように、隔壁11上にシャドーマ
スク18を設置後(図4(b)参照)、図5(a)に示
すように、レッド発光層120、電子輸送層(ETL)
13、第2電極14を順に蒸着し成膜する。
【0044】次に、シャドーマスク18を1サブピクセ
ル分(1色分)ずらしてグリーン発光層121、電子輸
送層(ETL)13、第2電極14を順に蒸着し成膜す
る。
【0045】最後に、マスクを1サブピクセル分ずらし
てブルー発光層122、電子輸送層(ETL)13、第
2電極14を順に蒸着し成膜する。これらの発光層12
及び電子輸送層13は前述した3色材料を用いて形成す
る。カソードである第2電極14は、Mg:AgやA
l:Liを合金または共蒸着法を用いて真空蒸着を行う
ことにより形成する。以上の工程により、発光パターン
及び陰極が隔壁11により分離された有機ELパネルを
得る。
【0046】上記方法によると、従来用いられている真
空蒸着でマスクをスライドさせる方法と比較して、シャ
ドーマスク18と透明基板1との間の距離が常に一定と
なることから、マスクが基板に接触することによる傷の
発生等物理的な画素欠陥を少なくすることができる。
【0047】さらに、ショートの発生やマスクの歪みや
位置ずれによる材料の回り込みを低減することができる
ため、色ずれ・位置ずれが発生せずエッジのシャープな
パネルを得ることができる。そのうえ、分離不足を起こ
すことがなくなる。以上により高い寸法精度、位置精度
を確保することができる。
【0048】また、真空蒸着時に分離用隔壁11をガイ
ドとして用いることができるため、マスクの位置合わせ
が容易となり、製造時に必要とされる労力を少なくする
ことができる。
【0049】また、前述した図4(b)に示される工程
における真空蒸着法により発光層12、電子輸送層1
3、第2電極14を順に成膜する方法の代わりに、図7
(b)に示すような斜方蒸着によりこれらを形成するこ
ともできる。斜方蒸着により発光層12等を形成する場
合、分離用の隔壁11をシャドーマスク18のように用
い、透明基板1を蒸着源20から一定角度をつけ、蒸発
流211が透明基板1に対して斜めに入射するように蒸
着を行うことにより色分離及び陰極分離を行う。
【0050】この場合、透明電極2上に電荷発生層3、
電荷移動層4を塗膜し、帯電器を用いて電荷移動層4表
面を一様に帯電させる工程までは、シャドーマスク18
を用いる方法と基本的に同様である。次に、半導体レー
ザを用いてITOの透明電極パターンに直交するよう
に、後の工程後において所望の分離用の隔壁11となる
箇所を選択的に露光を行い静電潜像9を形成する。
【0051】RGB3色塗り分けのためには、図7
(b)に示されるように、分離用隔壁の高さを変えると
色分離が容易となる。このような隔壁の高さを変える方
法としては、露光量を変えて露光電位Viに差を持たせ
るか、若しくは低い方の隔壁となる部分への露光デュー
ティを小さくするか、或いは現像バイアスを変えること
により現像剤10の現像効率を変えることにより行って
もよい。また、上記方法を組み合わせて隔壁を作成して
もよい。隔壁として、RGB1画素の両側に低い隔壁1
10を2本と、各色のスペース部(ここではRとG、G
とBのサブピクセル間)に高い隔壁111を設ける。
【0052】隔壁の高さは各材料の蒸着流の入射角によ
り決定される。しかしながら、隔壁が低すぎると入射角
が浅くなり膜厚ムラや各色エッジ部の切れが悪くなるた
め混色が発生しやすい。一方、隔壁が高すぎると蒸着流
の制御が困難である。このことから、サブピクセル幅:
隔壁の高さの比を0.5〜10にするのがよい。
【0053】また、隔壁を利用して斜方蒸着により色分
離を行う場合に磁性紛を添加した現像剤を用いて現像を
行い隔壁を作成することにより、磁力を利用することに
より現像剤10の幅・高さをより精密に制御できるた
め、画質を向上させることができる。この様にして作製
された高さの異なる隔壁をシャドーマスクとして利用し
蒸着を行う。
【0054】前述したレッド又はブルーの発光材料を透
明電極付き基板と蒸着源に角度をもたせ、低い隔壁11
0と高い隔壁111との間に(例えば矢印X方向から)
斜方蒸着を行う。
【0055】次に、レッド、ブルーのうち、先に蒸着を
しなかった材料を反対の方向(例えば矢印Y方向から)
から透明基板1と蒸着源に角度をもたせ低い隔壁110
と高い隔壁111との間に斜方蒸着を行う。
【0056】最後に、グリーンの発光材料を蒸着する。
この場合、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等
に代表される電子輸送性の緑色材料を用いた場合、グリ
ーン発光層121は、レッド発光層120、ブルー発光
層122に対しては電子輸送層として用いることができ
るため、既にレッド、ブルーの蒸着が行われた基板に対
して一様にグリーンの発光材料の蒸着を行う。最後に、
前述したようにAl:Li等の第2電極14を一様に蒸
着する。
【0057】また、図3(b)に示される工程におい
て、現像剤10中に含まれるバインダ樹脂にFe34
MnO・Fe23、ZnO・Fe23に代表されるマグ
ネタイト、フェライト等の磁性粉を混錬して用いてもよ
い。磁性粉を加えた現像剤10を用いて現像を行う場
合、ヒートローラ内部に磁性をもたせたマグネットロー
ラを用いるか、若しくはフラッシュランプ使用時に電荷
移動層4近傍に磁石を設置し、現像剤を引きつける。こ
れにより分離用隔壁11の微細化や高さの調整を図るこ
とができる。
【0058】マグネットローラを用いる場合は、図6
(b)に示される現像器27における現像剤担持体25
の代わりに、図8に示すように、マグネットローラ28
を用い、マグネットローラ28を回転させることによ
り、磁性粉を添加した現像剤10を電子移動層4表面に
供給する現像器29を用いて現像を行う。この場合、マ
グネットローラ28の磁石を現像剤10に近接させるこ
とにより、現像剤10の幅、高さをより精密に制御する
ことができる。
【0059】また、磁性粉は黒色着色顔料としても用い
られていることから、磁性粉をバインダ樹脂に添加した
現像剤10を用いて黒色の隔壁11を形成することによ
り、ディスプレイとしての画質のコントラストを向上さ
せることができる。或いは、磁性粉の代わりに、ファー
ネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック
等の黒色材料を微量混錬することにより、隔壁を黒色に
することもできる。
【0060】以上の工程により得られた本実施形態に係
る有機ELパネルにおいては、隔壁の幅が10〜40μ
mであること、すなわち隣接する発光層間の距離が10
〜40μmであることが望ましい。ここで、隔壁11の
幅が10μm未満である場合には、発光層12を十分に
分離することができないため、画質の低下が考えられ
る。
【0061】一方、隔壁11の幅が40μmより大きい
場合には、開口率が小さくなるため画素の高精細化が困
難となることが考えられる。しかしながら、本実施形態
に係る有機ELパネルにおいては、隔壁の幅が10〜4
0μmであること、すなわち隣接する発光層間の距離が
10〜40μmであることにより、発光層を確実に分離
することができるとともに、開口率を大きくすることが
できるため画素が微細化された高精細表示パネルが実現
できる。
【0062】また、本実施形態に係る有機ELパネルの
製造方法においては、色分離、パターン形成、陰極分離
等が簡便に行うことができる。さらに、これらの工程は
いずれもドライプロセスを利用するものであるため、ダ
ークスポットの発生、成長を防ぐことができ、生産性の
向上を図ることができる。また、隔壁の幅を10〜40
μmの幅に微細加工することができるため、画素数を増
やすことが可能となり画像の分解能を向上させることが
できる。
【0063】なお、有機ELパネルの発光層の形成方法
において、電荷発生層を選択的に露光し、電荷移動層上
に形成された静電潜像を現像して発光パターンを形成す
る技術が特開平11−126687号公報に開示されて
いるが、同公報は、隔壁のないELパネルを対象とする
ものであり、本発明の隔壁を備えた有機ELパネルの製
造方法を示唆する記載は見当たらない。単に静電潜像を
利用する点にのみ共通点があるに過ぎない。
【0064】以下、基本的な本実施形態に係る有機EL
パネル及び有機ELパネルの製造方法の、より具体的な
実施形態について、図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)本発明の第1の実施形態として、カ
ラー有機ELパネル及びその製造方法について説明す
る。
【0065】図9の平面図に示すように、厚さ1.1m
mのガラス等からなる透明基板1にスパッタによりIT
O膜を130nm成膜したのちリソグラフィーとウェッ
トエッチングにより複数のストライプ状の透明電極2を
形成した。透明電極2のシート抵抗は、12Ω/c
2、配線幅は240μm、スペース20μmであっ
た。
【0066】次に、無金属フタロシアニンとブチラール
樹脂を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THFに
溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散
塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透
明電極2の上に塗布することにより膜厚150nmの電
荷発生層3を形成した。続いて、N,N’−ジフェニル
−N、N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミンとポリカーボネートを重量
比で2.5:1となるよう秤量した後、これらをジクロ
ロメタンに溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製
した。この分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3
の上に塗布することにより膜厚200nmの電荷移動層
4を形成した(図2(a)参照)。
【0067】上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層
4)を形成した透明基板1に、図2(b)に示すよう
に、スコロトロン等のコロナ放電を用いる非接触式帯電
器5を用いて表面電位Vo=−400Vに帯電させた。
スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3KV、定電
流制御500μA、グリッド電圧Vg=−400Vであ
った。
【0068】次に、反転現像を行うために、図3(a)
に示すように、半導体レーザを用いた露光器8を用いて
透明電極2のストライプ状の配線パターンに直交するよ
うに、後の工程において形成するカソード電極間の溝に
該当する部分(図9の11参照)を選択的に露光を行っ
た。露光器の波長は、電荷発生層に含まれる電荷発生剤
の吸収波長である780nmであった。露光量は0.3
mW/cm2、露光スポット径は10μm、露光幅30
μmである。電荷移動層4の表面電位Vo=−400
V、露光電位Vi=−40Vの静電潜像9(図3(b)
参照)を形成した。
【0069】次に、図3(b)に示すように、現像剤と
して黒色着色材料であるチャンネルブラックを7%及び
電子受容性物質であるモノアゾ染料の金属錯体を用いた
帯電制御剤を2%混練したポリエステル樹脂を、体積中
心粒径4μmまで粉砕することにより平均帯電量−11
μC/gとし、現像バイアスVb=−150Vを印加し
て現像を行い、隔壁部分(露光部)に現像剤10を付着
させた。
【0070】続いて、図4(a)に示すように、キセノ
ンフラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で
現像剤10を非接触定着させることにより隔壁11を形
成した。
【0071】次に、図4(b)に示すように、シャドー
マスク18のマスク孔181をレッドの発光層部分(図
9のR)に合わせるようにシャドーマスク18を隔壁1
1の上に位置合わせして設置した。レッド発光層120
としてトリス(8−キノリノール)アルミニウムにドー
パントとして4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−
(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DC
M、ドーピング濃度2.5wt%)を35nm共蒸着、
電子輸送層13としてAlq3を35nm蒸着により形
成した。
【0072】最後に、電子輸送層13上にAl:Liを
共蒸着により30nm、その後アルミニウムのみを15
0nm蒸着することにより第2電極14を形成した。グ
リーン発光層の形成は、シャドーマスク18をずらして
グリーン発光層を形成する箇所へマスク孔181の位置
合わせを行い、レッド発光層120を形成するのと同様
にグリーン発光層121、電子輸送層13、第2電極1
4を蒸着により形成した。トリス(8ーキノリノール)
アルミニウムをホストに、ドーパントとして2,9―ジ
メチルキナクリドン(ドーピング濃度3wt%)を用い
て35nm厚に共蒸着させてグリーン発光層121を形
成した。
【0073】続いて、グリーン発光層121の上にトリ
ス(8ーキノリノール)アルミニウムを35nm厚に蒸
着させることにより電子輸送層13を形成した後、A
l:Liを30nm厚に共蒸着し、その後アルミニウム
のみを150nm蒸着することにより第2電極14を形
成した。
【0074】ブルー発光層形成についても同様に、シャ
ドーマスク18をずらしてブルー発光層を形成する箇所
へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光層1
20を形成するのと同様にブルー発光層122、電子輸
送層13、第2電極14を蒸着により形成した。ブルー
の発光層122には、4,4’−ビス(2,2−ジフェ
ニルビニル)ビフェニルを35nm厚に蒸着し、さらに
レッド、グリーンと同様な材料を用いて、電子輸送層1
3、第2電極14を蒸着により形成した。
【0075】1ピクセル270×270μm、サブピク
セル70μm、スペース20μm、画素数水平320×
垂直240ドットのカラー表示が可能な有機ELパネル
を得た(図5(a)参照)。係る有機ELパネルにおい
ては、黒色着色材料を添加した現像剤を用いたため隔壁
が黒色であり、コントラストは300Lux下で80:
1であった。 (第2の実施形態)次に、本発明の有機ELパネル及び
その製造方法の第2の実施形態について説明する。
【0076】図10(a)の平面図に示すように、厚さ
1.1mmのガラス等からなる透明基板1にスパッタに
よりITO膜を130nm成膜したのちリソグラフィー
とウェットエッチングにより透明電極2をストライプ状
に形成した。透明電極2のシート抵抗は12Ω/cm2
であり、また、透明電極2の上にRGB3色を塗り分け
るため、第1の実施形態とは異なって、透明電極2の配
線幅は70μm、透明電極2のスペースは15μmとし
た。
【0077】次に、銅フタロシアニンとブチラール樹脂
を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THFに溶か
しミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分散塗料
を作製した。この分散塗料をスピンコートにより透明電
極2の上に塗布することにより膜厚150nmの電荷発
生層3を形成した。
【0078】続いて、N,N‘−ジフェニル−N、N’
−ビス(α―ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミンとポリカーボネートとを重量比で2.
5:1となるよう秤量した後、これらをジクロロメタン
に溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製した。こ
の分散塗液をスピンコートにより電荷発生層3の上に塗
布することにより、膜厚200nmの電荷移動層4を形
成した(図2(a)参照)。
【0079】上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層
4)を形成した透明基板1に対して、図2(b)に示す
ように、スコロトロン等の非接触式帯電器5を用いて電
荷移動層4の表面を表面電位Vo=−400Vに帯電さ
せた。スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3K
V、定電流制御500μA、グリッド電圧Vg=−40
0Vであった。
【0080】次に、反転現像を行うために、図3(a)
に示すように、半導体レーザ等の露光器8を用いて、透
明電極2のストライプ状の配線パターンに直交し、所望
の形状を有する隔壁を形成するために電荷発生層3に対
して選択的に露光を行った。
【0081】各画素を図10(a)の平面図に示される
ような形状とするため、隔壁もクランク状とする。露光
器の波長、露光量、露光スポット径、露光幅は第1の実
施形態と同様である。電荷移動層4の表面に表面電位V
o=−400V、露光電位Vi=−50Vの静電潜像9
(図3(b)参照)を形成した。
【0082】次に、現像剤として黒色着色材料であるチ
ャンネルブラックを7%、電子受容性物質であるモノア
ゾ染料の金属錯体を用いた帯電制御剤を2%混練したポ
リエステル樹脂を、体積中心粒径4μmまで粉砕するこ
とにより平均帯電量−11μC/gとした。この現像剤
を用いて、図3(b)のように、現像バイアスVb=−
150Vを印加して現像を行い、隔壁部分(露光部)に
現像剤10を付着させた。
【0083】続いて、図4(a)に示すように、キセノ
ンフラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で
現像剤10を非接触定着させることにより隔壁11を形
成した。隔壁11の高さは7μmであった。
【0084】次に、図4(b)に示すように、シャドー
マスク18のマスク孔181をレッド発光層部分に合わ
せるように(透明電極2の配線パターン上に)シャドー
マスク18を隔壁11の上に位置合わせして設置した。
【0085】次に、図5(a)に示すように、レッド発
光層120としてトリス(8ーキノリノール)アルミニ
ウム(Alq3)にドーパントとして4−ジシアノメチ
レン−2−メチル−6−(p− ジメチルアミノスチリ
ル)−4H−ピラン(DCM、ドーピング濃度2.5w
t%)を35nm厚に共蒸着し、電子輸送層13として
トリス(8−キノリノール)アルミニウムを蒸着により
35nm厚に形成した。
【0086】グリーン発光層121の形成は、シャドー
マスク18をずらしてグリーン発光層121を形成する
箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、レッド発光
層120を形成するのと同様に発光層12、電子輸送層
13を蒸着により形成した。トリス(8ーキノリノー
ル)アルミニウムをホストに、ドーパントとして2,9
―ジメチルキナクリドン(ドーピング濃度3wt%)を
用いて35nm厚に共蒸着してグリーン発光層121を
形成した。
【0087】続いて、グリーン発光層121の上にトリ
ス(8ーキノリノール)アルミニウムを35nm厚に蒸
着させることにより電子輸送層13を形成した。
【0088】ブルー発光層122の形成についても同様
に、シャドーマスク18をずらしてブルー発光層122
を形成する箇所へマスク孔181の位置合わせを行い、
レッド発光層120を形成するのと同様に発光層12、
電子輸送層13を蒸着により形成した。ブルー発光層1
22として、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニ
ル)ビフェニルを35nm厚に成膜し、さらにレッド発
光層120、グリーン発光層121の形成時と同様な材
料を用いて、電子輸送層13を蒸着により形成した。
【0089】最後に、カソードである第2電極14とし
て、Al:Liを共蒸着により30nmの膜厚に成膜
し、その後アルミニウムのみを100nm厚に蒸着し
た。
【0090】このとき、透明基板1の上にシャドーマス
ク18を用いず一様に蒸着を行っても隔壁11の段差に
より第2電極14は分離され、第2電極14はショート
することはなく、容易にカソード電極パターンが作成さ
れる。
【0091】以上の工程により、1ピクセル270×2
70μm、サブピクセル70μm、スペース20μm、
画素数水平320×垂直240ドットのカラー表示が可
能な有機ELパネルを得た。コントラストは300Lu
x下で90:1であった。
【0092】なお、本方法によれば、露光の自由度が大
きく、複雑なパターンを有する隔壁を用途・目的に応じ
て自由に作成することができるため、図10(b)の平
面図に示されるように、市松模様に配置された陰極であ
る第2電極14を接続するバス電極15を用い、RGB
をデルタ配列に配置した有機ELパネルを作成すること
も可能である。 (第3の実施形態)次に、本発明の有機ELパネル及び
その製造方法の第3の実施形態について説明する。
【0093】厚さ1.1mmのガラス等の透明基板1に
スパッタによりITO膜を130nm成膜したのちリソ
グラフィーとウェットエッチングによりストライプ状の
透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は、1
5Ω/cm2、配線幅は250μm、スペース20μm
であった。
【0094】次に、無金属フタロシアニンとブチラール
樹脂とを重量比で3.0:1となるよう秤量し、THF
に溶かしミキサーで分散させ、固形分比率3wt%の分
散塗料を作製した。この分散塗料をスピンコートにより
透明電極2の上に塗布することにより膜厚150nmの
電荷発生層3を形成した。
【0095】続いて、N,N’−ジフェニル−N、N’
−ビス(α―ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミンとポリカーボネートとを重量比で2.
5:1となるよう秤量した後、これらをジクロロメタン
に溶かし固形分比率2wt%の分散塗料を作製した。こ
の分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3の上に塗
布することにより膜厚200nmの電荷移動層4を形成
した(図2(a)参照)。
【0096】上記有機層(電荷発生層3及び電荷移動層
4)を形成した透明基板1に、図2(b)に示すよう
に、スコロトロン等の非接触式帯電器5を用いて電荷移
動層4の表面を表面電位Vo=−400Vに帯電させ
た。スコロトロンワイヤの印加電圧はDC約−3KV、
定電流制御500μA、グリッド電圧Vg=−400V
であった。
【0097】次に、図3(a)に示すように、半導体レ
ーザ等の露光器8を用いて透明電極2の配線パターンに
直交するように、後の工程において発光層を形成する箇
所の電荷発生層3を選択的に露光した(正現像)。露光
器の波長及び露光スポット径露光幅は第1の実施形態と
同様である。露光量は0.3mW/cm2及び0.1m
W/cm2とした。電荷移動層4の表面電位Vo=−4
00V、露光電位Viは、露光量が0.3mW/cm2
のときはVi=−40V、露光量が0.1mW/cm2
のときはVi=−100Vの静電潜像が形成された。
【0098】次に、黒色着色材料であるチャンネルブラ
ックを8%、磁性粉Fe34を17%、正帯電性帯電制
御剤である第4級アンモニウム塩2%を含有させた現像
剤を、体積中心粒径4μmまで粉砕することにより平均
帯電量10μC/gとした。係る球状の現像剤を用い
て、現像バイアスVb=−200Vを印加して現像を行
い、隔壁部分(露光部)に現像剤10を付着させた。
【0099】続いて、図7(a)に示す方法を用いて、
現像剤をハロゲンランプを内在したマグネットローラの
外周にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をコー
トしたヒートローラ16を用いて定着して隔壁11とし
た。隔壁11の高さは3μm及び45μm、幅8μmで
あった。このスチレンーアクリル共重合体は、定着プロ
セススピード30mm/sec時の定着温度120℃で
ある。
【0100】次に、レッド発光層120としてトリス
(8−キノリノール)アルミニウムにドーパントとして
4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチ
ルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM、ドーピン
グ濃度3wt%)を30nm厚に共蒸着させた。
【0101】このとき、図7(b)に示すように、透明
基板1を蒸着源から一定角度をつけ、蒸着流が図中の矢
印Xのように透明基板1に対して斜めになるように斜方
蒸着を行った。続いて、ブルーの発光材料の蒸着を行っ
た。ブルーの発光材料の蒸着は、透明基板1を蒸着源か
らレッド蒸着時とは反対の方向となるよう配置し、透明
基板1に対して蒸着流が図中の矢印Yのようにレッド蒸
着時とは逆の方向から入射するようにする。ジフェニル
ビニルビフェニルを30nm厚に蒸着することによりブ
ルー発光層122を形成した。
【0102】続いて、グリーン発光材料の蒸着を行っ
た。グリーンの発光材料の蒸着には、トリス(8ーキノ
リノール)アルミニウムを用いた。この場合、他の2色
の発光層に対して電子輸送層として働くため、透明基板
1の直下に蒸着源を配置し、全ての発光層上に40nm
厚の蒸着を行うことによりグリーン発光層121を形成
した。
【0103】最後に、シャドーマスクを用いずAl:L
iを共蒸着により30nmの膜厚に成膜し、その後アル
ミニウムのみを100nm厚に蒸着して、カソードであ
る第2電極14を形成した。第2電極14は低い隔壁1
10及び高い隔壁111により各色毎に分離されてい
る。
【0104】以上の工程により、1ピクセル270×2
70μm、サブピクセル70μm、スペース25μm、
画素数が水平320×垂直240ドットのカラー表示が
可能な有機ELパネルを得た。コントラストは、300
Lux下で100:1であった。 (第4の実施形態)最後に、本発明の第4の実施形態と
して、緑単色発光用の有機ELパネル及びその製造方法
について説明する。
【0105】基板として厚さ0.7mmのガラス等の透
明基板1を用い、透明基板1の上にスパッタによりIT
O膜を150nm形成し、リソグラフィーとウェットエ
ッチングにより、アノードである透明電極2を形成し
た。透明電極2のシート抵抗は10Ω/cm2、配線幅
300μm、スペース幅30μmであった。
【0106】次に、銅フタロシアニンとブチラール樹脂
を重量比で3.0:1となるよう秤量し、THF(テト
ラヒドロフラン)に溶かしミキサーで分散させ、固形分
比率3wt%の分散塗料を作製した。この分散塗料をス
ピンコートにより透明電極2の上に塗膜、乾燥して膜厚
150nmの薄膜からなる電荷発生層3(正孔注入層)
を形成した。
【0107】続いて、N,N’−ジフェニルーN、N’
−ジ(3―メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンとポリカーボネートを重量比で2.
5:1となるよう秤量し、ジクロロメタンに溶かし固形
分比率3wt%の分散塗料を作製した。THFに溶かし
た分散塗料をスピンコートにより電荷発生層3の上に成
膜することにより膜厚200nmの薄膜からなる電荷輸
送層4を形成した(図2(a)参照)。
【0108】上記有機層(電荷発生層3及び電荷輸送層
4)を形成した透明基板1を、図6(a)に示すよう
に、帯電ローラを用いた接触式帯電器6を用いて帯電さ
せた。帯電ローラへの印加電圧は−600V、定電圧制
御で透明基板1への表面電位Voは−400Vであっ
た。
【0109】次に、図3(a)に示すように、半導体レ
ーザ等の露光器8を用いて、透明電極2の配線パターン
に直交するように、後の工程において作成するカソード
電極間の溝以外の部分(後の工程において所望の発光層
を形成する箇所)に対して選択的にパターン露光を行っ
た。露光器の波長は、電荷発生層3に含まれる電荷発生
剤の吸収波長である780nmであった。露光量、露光
スポット径、露光幅は第1の実施形態と同様で、潜像電
位Vi=−40Vの静電潜像を得た。
【0110】次に、図6(b)に示すように、現像剤1
0としては、バインダ樹脂としてスチレン−アクリル共
重合体を用い、重合時に黒色着色材料であるチャンネル
ブラック8%、正帯電性帯電制御剤であるニグロシン染
料2%を包含させた体積中心粒径6μm、平均帯電量8
μC/gの球形の重合現像剤を用いた。
【0111】この現像剤10を用いて、現像バイアス電
位Vb=−160Vを現像剤担持体25に印加し、図3
(b)に示すように、現像を行った。
【0112】次に、図4(a)に示すように、キセノン
フラッシュランプ等の定着器30を用いて120℃で現
像剤10を電荷移動層4の上に非接触定着させて隔壁1
1を形成した。その上に、図5(b)に示すように、グ
リーン発光層121として、ホストにトリス(8−キノ
リノール)アルミニウム、ドーパントとしてキナクリド
ン(ドーピング濃度2.5wt%)を25nm厚に共蒸
着し、続いて、電子輸送層13としてトリス(8−キノ
リノール)アルミニウムを30nm厚に蒸着した。
【0113】次に、カソードである第2電極14として
Mg:Agを二源からの共蒸着により200nm厚に形
成した。以上の工程により、ドットピッチ300×30
0μm、スペース30μm、画素数256×64ドット
のグリーン発光層121のみを有する有機ELパネルを
得た。コントラストは300Lux下で100:1であ
った。 (比較例)上記実施形態と比較するために、比較例とし
て、図12(b)に示す方法を用いて、従来の有機EL
パネルを作製した。
【0114】厚さ1.1mmのガラス等の透明基板1の
上に膜厚120nmのITO薄膜をスパッタにより形成
し、シート抵抗が15Ω/cm2、配線幅250μm、
スペース20μmのアノードであるストライプ状の透明
電極2を作成した。その上に正孔注入、輸送層として、
N,N’−ジフェニル −N、N’−ビス(α−ナフチ
ル)−1,1’−ビフェニル −4,4’−ジアミンを
50nm厚に真空蒸着により形成し有機層34とした。
【0115】次に、シャドーマスク37を透明電極2パ
ターンと直交するようにマスク孔をレッドの領域に位置
合わせし有機層34の上に設置した。レッドの発光材料
として、トリス(8−キノリノール)アルミニウムに4
−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチル
アミノスチリル)−4H−ピランを3wt%ドーピング
するように25nm共蒸着を行い、発光層35を形成し
た。
【0116】続いて、発光層35の上に、図示は省略す
るが、電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)ア
ルミニウムを30nm厚に蒸着した。さらに、電子輸送
層の上にAl:Liを共蒸着により30nm厚に堆層さ
せた後、アルミニウムのみを120nm厚に蒸着するこ
とによりカソード電極を形成した。
【0117】続いて、グリーン発光層、ブルー発光層、
及びこれらの電子輸送層、カソード電極もシャドーマス
ク37をスライドさせて、レッド発光層の形成時と同様
に成膜した。グリーン発光層としては、トリス(8−キ
ノリノール)アルミニウムにドーパントとしてキナクリ
ドンを3w%含むように25nm厚に共蒸着し、続いて
電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニ
ウムを30nm厚に蒸着した。
【0118】さらに、Al:Liを共蒸着により30n
mの膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを120n
m厚に蒸着することによりカソード電極を形成した。
【0119】ブルー発光層として、ジフェニルビニルビ
フェニルを25nm厚に蒸着し、続いて電子輸送層とし
てトリス(8−キノリノール)アルミニウムを30nm
厚に蒸着し、続いてAl:Liを共蒸着により30nm
の膜厚に成膜し、その後アルミニウムのみを120nm
厚に蒸着することによりカソード電極を形成した。
【0120】RGB各3色の色分離には、図12(b)
に示すように、シャドーマスク37をスライドさせて行
っただけであり、隔壁は存在しない。
【0121】図12(b)に示す色分離方法では、ドッ
トピッチ80μm、スペース40μm以下ではマスクの
位置合わせが困難であり、且つ、蒸着時の回り込みで色
ずれが発生してしまい、パネル作成は困難であった。そ
のため、回り込みを防ぐためマスクを既に形成された有
機層34に接触させたところ、マスクによる有機層34
のキズ等が発生し、不良画素が多くなった。また、この
方式では本発明のような黒色顔料を含む隔壁が陰極間に
無く、陰極からの反射光を抑えることができないため、
300Lux下でのコントラストは10:1であった。
【0122】
【発明の効果】上述のように、本発明の有機ELパネル
及びその製造方法によれば、ドライプロセスを用いて形
成した隔壁により、色分離、パターン形成、陰極分離等
の工程も、いずれもドライプロセスを利用して行ってお
り、ダークスポットの発生、成長を防ぐことができ、生
産性の向上を図ることができる。また、隔壁の幅を10
〜40μmの幅に微細加工することができるため、画素
数を増やすことが可能となり画像の分解能を向上させる
ことができる。また、隔壁の幅が10〜40μmである
こと、すなわち隣接する発光層間の距離が10〜40μ
mであることにより、発光層を確実に分離することがで
きるとともに、開口率を大きくすることができるため画
素が微細化された高精細表示パネルが実現できる、とい
う効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態に係る有機ELパネ
ルを示す模式断面図である。
【図2】本発明の基本的な実施形態に係る有機ELパネ
ルの製造工程を説明する模式断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を示す模式断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す模式断面図である。
【図5】(a)は、図4に続く製造工程により得られる
有機ELパネルの模式断面図であり、(b)は、(a)
とは異なる形態として得られる有機ELパネルの模式断
面図である。
【図6】(a)は、図2(b)に示される工程の代替工
程を説明する模式断面図であり、(b)は、図3(b)
に示される工程に用いられる現像装置による現像工程を
説明する模式断面図である。
【図7】(a)は、図4(a)に示される工程の代替工
程を説明する模式断面図であり、(b)は、図4(b)
に示される工程の代替工程を説明する模式断面図であ
る。
【図8】図6(b)に示される装置の代替装置を説明す
る模式断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る有機ELパネル
における透明電極、隔壁及び発光層の平面パターンを示
す平面図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る有
機ELパネルにおける透明電極、隔壁及び発光層の平面
パターンを示す平面図であり、(b)は、本発明の第2
実施形態の変形例に係る有機ELパネルにおける透明電
極、隔壁及び発光層の平面パターンを示す平面図であ
る。
【図11】従来の有機ELパネルの製造工程を説明する
模式断面図である。
【図12】(a)は、図11に続く製造工程を示す模式
断面図である。(b)は、従来の有機ELパネルの別の
製造方法による蒸着工程を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極 3 電荷発生層 4 電荷移動層 5 非接触式帯電器 6 接触式帯電器 7 表面電荷 8 露光器 9 静電潜像 10 現像剤 11、31 隔壁 12 発光層 13 電子輸送層 14 第2電極 15 バス電極 16 ヒートローラ 18、37 シャドーマスク 20 蒸着源 21 ホッパ 22 現像室 23 撹拌部材 24 現像剤供給部材 25 現像剤担持体 26 薄層形成部材 27 現像器 28 マグネットローラ 29 現像器 30 定着器 32 有機発光層 33 カソード電極 37 シャドーマスク 110 低い隔壁 111 高い隔壁 120 レッド発光層 121 グリーン発光層 122 ブルー発光層 180 マスク部 181 エッチング部(マスク孔) 211 蒸発流 310 オーバーハング部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に形成された光透過性材料か
    らなる第1電極と、前記第1電極を覆う電荷発生層及び
    その上の電荷移動層と、前記電荷移動層の上に所定のパ
    ターンに形成された現像剤パターンからなる隔壁と、前
    記隔壁の間に形成された発光層及び第2電極を有するこ
    とを特徴とする有機ELパネル。
  2. 【請求項2】 前記隔壁の幅が10〜40μmである請
    求項1記載の有機ELパネル。
  3. 【請求項3】 前記第2電極は、前記隔壁が黒色である
    請求項1又は2記載の有機ELパネル。
  4. 【請求項4】 透明基板上に光透過性材料からなる第1
    電極を形成する工程と、前記第1電極上に電荷発生層及
    び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移動層を
    帯電させた後、前記電荷発生層を選択的に露光すること
    により前記電荷移動層上に所定のパターンを有する静電
    潜像を形成する工程と、前記静電潜像に対応する現像剤
    パターンを前記電荷移動層上に画素分離用の隔壁として
    形成する工程と、前記隔壁間に発光層及び第2電極を形
    成する工程とを有することを特徴とする有機ELパネル
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記発光層及び前記第2電極は、少なく
    とも前記電荷移動層の一部が露出するような所定のパタ
    ーンを有するマスクを前記隔壁上に設置した後、真空蒸
    着により形成される請求項4記載の有機ELパネルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記電荷移動層上の前記発光層及び前記
    第2電極は、順に斜方蒸着により形成される請求項4記
    載の有機ELパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記現像剤は、ポリエステル、アクリ
    ル、及びスチレン−アクリル共重合体のうち少なくとも
    1以上の材料に帯電制御剤を含有するものである請求項
    4、5又は6記載の有機ELパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記現像剤は、黒色材料を含有するもの
    であり、前記黒色材料を含む現像剤を用いて黒色の隔壁
    を形成する請求項4、5又は6記載の有機ELパネルの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記現像剤は、磁性粉を含有する請求項
    4、5又は6記載の有機ELパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に光透過性材料からなるアノー
    ド電極を形成する工程と、前記アノード電極上に電荷発
    生層及び電荷移動層を順に形成する工程と、前記電荷移
    動層を帯電する工程と、前記電荷発生層の所定領域を露
    光することにより前記電荷移動層上に所定のパターンを
    有する静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像を現像
    して現像剤パターンを形成する工程と、前記現像剤パタ
    ーンを前記電荷移動層上に定着させることにより画素分
    離用の隔壁を形成する工程と、前記隔壁の間に発光層、
    電子輸送層及びカソード電極を順に形成する工程とを有
    することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100501228B1 (ko) * 2002-11-21 2005-07-18 엘지전자 주식회사 유기 전계발광소자 및 그의 제조 방법
JP2010067349A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Casio Comput Co Ltd 発光装置及び発光装置の製造方法
JP2015222728A (ja) * 2013-09-02 2015-12-10 大日本印刷株式会社 トップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法

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