JP3636606B2 - シリコンウエーハの熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコンウエーハの熱処理方法に関し、特に簡易な方法でシリコンウエーハ表面のCOP密度を低減させ、同時にヘイズを減少させることができる熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウエーハの酸化膜耐圧等の電気特性を改善するためには、デバイスが作製されるウエーハの表層部を無欠陥層とする必要がある。シリコンウエーハの表層部には結晶成長時に導入されるCOP(Crystal Originated Particle)と呼ばれる正八面体構造の結晶欠陥が存在し、このCOPが電気特性を劣化させる原因となっている。
【0003】
酸化膜耐圧を改善させるためには、水素アニール、すなわちシリコンウエーハを高温で水素ガス雰囲気下、数時間の熱処理を施すのが有効であることが報告されている(例えば、特公平5−18254号公報、特開平6−295912号公報)。通常この様な水素アニールは、水素ガス雰囲気下において、1〜10℃/minの昇温速度で昇温し、950℃〜シリコンの融点以下の温度で数時間保持した後、2〜5℃/minの降温速度で降温することにより熱処理が行われる。しかし、この熱処理方法では熱処理に長時間を要するという欠点がある。
【0004】
そこで、この熱処理時間の短縮等のため急速加熱・急速冷却装置(Rapid Thermal Annealer、以下RTA装置と略称することがある)を用いた熱処理方法が提案されている。例えば、本発明者らは、先に特願平10−82606号において、シリコンウエーハに対してRTA装置を用いて還元性雰囲気下で熱処理をする方法を示し、特にシリコンウエーハ表面のCOP密度を低減することができる熱処理方法を提案した。
【0005】
この方法は、シリコンウエーハを還元性雰囲気下1200℃〜シリコンの融点以下の温度範囲で1〜60秒間熱処理するというもので、この場合還元性雰囲気を100%水素、あるいは水素とアルゴンの混合雰囲気とし、熱処理時間を1〜30秒とするのが一層好ましいとしている。
そして、この方法によれば、シリコンウエーハ表面のCOP密度は顕著に減少し、電気特性である酸化膜耐圧(Time Zero Dielectric Breakdown:TDDB)も著しく改善されることが判っている。
【0006】
しかし、この方法では、熱処理後のウエーハ表面のヘイズと呼ばれる面粗さが悪化することがあるという問題があった。ここでヘイズとは表面粗さの指標であり、ウエーハ表面における数〜数十nm程度の周期性を持つうねりである。主にレーザを用いたパーティクルカウンタで、ウエーハ全面をレーザでスキャンし、その乱反射強度を測定することにより、ウエーハ全面のヘイズレベルとして準定量的に評価される表面粗さである。
【0007】
近年、MOS構造のトランジスターの集積度が上がるにつれて、それに附随してMOS構造の酸化膜直下のキャリアの移動度を向上させる必要がでてきた。CPU(中央処理装置)の駆動周波数がますます高くなり、それに附随してメモリーの書き込みおよび読み出しの速度も当然高速化が求められ、キャリアの移動度の向上が重要な課題になっている。
【0008】
そして、酸化膜耐圧やキャリアの移動度等の電気特性に大きな影響を与える因子としてウエーハ表面のヘイズ等の表面粗さがデバイスの性能と信頼性に密接に関わっていることが知られており(Shinya yamakawa et.al.,J.Appl.Phys.79,911,1996参照)、ウエーハ表面のヘイズは大きな問題とされていた。
【0009】
そこで発明者らは、この問題を解決する方法として、特願平10−176693号において、RTA熱処理を複数段に分割して行なう方法を提案した。この方法は、前段階の熱処理をCOPの低減を目的として行ない。後段階の熱処理をヘイズ等のウエーハ表面の面粗さを改善するために行なうというものである。
【0010】
この方法は、COPを低減しつつヘイズを充分に改善することができるため非常に有益な方法である。しかし、複数段の高温熱処理をRTA装置において行なわなくてはならないため、工程の煩雑さを招くという欠点があった。工程の煩雑化はスループットの低下によりコストアップにつながるため、更なる改善が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みて為されたもので、より簡易な方法でウエーハ表面のCOPとヘイズを低減することができる、シリコンウエーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載した発明は、急速加熱・急速冷却装置を用いて、水素100%あるいは、水素とアルゴン、水素と窒素、水素とアルゴンと窒素との混合ガス還元性雰囲気下で、デバイスが作製される前のシリコンウエーハを熱処理する方法において、熱処理における1200℃〜シリコンの融点の温度範囲内の最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とし、熱処理における700℃未満の降温速度を、最高温度から700℃までの降温速度よりも速くすることを特徴とするシリコンウエーハの熱処理方法である。
【0013】
このように、急速加熱・急速冷却装置を用いて、水素を含む還元性雰囲気下で、シリコンウエーハを熱処理する方法において、熱処理における最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とするだけの簡単な方法で、ウエーハ表面のCOPを低減しつつ、ヘイズを改善することができる。
【0014】
この場合、熱処理における700℃未満の降温速度を、最高温度から700℃までの降温速度よりも速くすることが好ましい。
このように、熱処理における700℃未満の降温速度を、最高温度から700℃までの降温速度よりも速くすることにより、熱処理時間を全体として短縮して熱処理の効率を一層向上させることができる。
【0015】
この場合、前記水素を含む還元性雰囲気が水素100%あるいは水素とアルゴンおよび/または窒素との混合ガス雰囲気であることが好ましい。
このような熱処理雰囲気とすれば、確実にウエーハ表面のCOP密度を低減させ、ヘイズを改善することができる。
【0016】
さらに、このような本発明の熱処理方法によれば、簡易な方法でウエーハ表面のCOP密度が低減し、ヘイズが小さくなるので、酸化膜耐圧、キャリア移動度等の電気的特性が向上し、極めて高品質で有用なシリコンウエーハを高生産性で得ることができる。
【0017】
以下、本発明につきさらに詳細に説明する。
本発明者らは、従来より簡単な方法で、シリコンウエーハ表面に存在するCOPの密度を減少させ酸化膜耐圧を向上させると共に、ヘイズを小さくしてキャリア移動度を向上させることができる熱処理条件につき、種々実験的に研究した。その結果、本発明者らは、熱処理における最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下の比較的低速にすれば、COP密度を減少させつつヘイズも小さくすることができることを発見し、種々研究を重ねて本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
従来、水素を含む還元性雰囲気下で熱処理してウエーハ表面を改質する効果は、RTA装置を用いる用いないを問わず、主としてその熱処理の最高温度とその温度での保持時間により決定されるものと考えられており、最高温度までの昇温速度や最高温度からの降温速度はさほど考慮されていなかった。
【0019】
特に、RTA装置を用いた場合は、通常の抵抗加熱式の熱処理炉に比べて昇降温に要する時間が極めて短いため、昇降温速度がウエーハ表面に対する影響については全く考慮されず、通常は、30〜60℃/secの昇降温速度が用いられていた。
【0020】
そこで本発明者らは、特願平10−82606号で開示された熱処理方法を用いてシリコンウエーハを熱処理する実験を行った。その結果、RTA装置を用いた熱処理であっても、熱処理の最高温度からの降温速度が異なると熱処理後のウエーハの表面状態、特にヘイズレベルが大きく異なることを発見した。
【0021】
本発明者らは、シリコンウエーハの熱処理における適切な降温条件を確定するために下記のような実験を行なった。
チョクラルスキー法により得られたシリコンウエーハに、RTA装置を用いて、100%水素雰囲気下で1200℃、10秒の熱処理を行い、熱処理の最高温度から降温する際の降温速度を変化させた場合についてウエーハ表面のヘイズを測定した。
【0022】
熱処理にはRTA装置(急速加熱・急速冷却装置、シュティアック マイクロテック インターナショナル社製SHS−2800型)を使用した。
シリコンウエーハはチョクラルスキー法により製造されたシリコンインゴットを一般的に行われている方法でスライスして鏡面加工された、直径6インチ、結晶方位<100>のものを用いた。
またヘイズの測定は、パーティクルカウンタであるLS−6030(日立電子エンジニアリング社製商品名)を用い、測定電圧700Vレンジで測定した。
【0023】
測定結果を図1に示す。図1は降温速度とヘイズとの関係を示した図である。図1の縦軸は、ヘイズレベルを示しており、単位はbitsである。
【0024】
図1より、降温速度が遅ければ遅いほど、ウエーハ表面のヘイズレベルは低減されることが判る。例えば降温速度を20℃/secとした場合、ヘイズレベルは50bits以下となり、これはデバイス特性上、問題のないレベルである。また、降温速度を5℃/secとした場合は25bitsと極めて小さい値となることが判る。
【0025】
加えて本発明者らは、熱処理における降温速度と降温中の温度域との関係について詳細に調査した。上記と同様の熱処理実験において、最高温度1200℃からの降温速度を5℃/secとし、降温中に所定の温度に達したところで降温速度を60℃/secに速めて降温を行った。そして、上記と同様に熱処理後のウエーハ表面のヘイズを測定した。測定結果を図2に示す。
【0026】
図2は、降温速度を高速に切り換えた温度とウエーハ表面のヘイズとの関係を示した図である。図2に示すように、1200〜750℃付近までの温度領域で降温速度を高速に切り換えると、ウエーハ表面のヘイズレベルは低速降温速度を維持した場合より悪化しまう。ところが、700℃未満の温度領域まで降温してから高速に切り換えた場合は、その後に降温速度を速めてもウエーハ表面のヘイズには、全く影響がないことが判る。
【0027】
すなわち、ウエーハ表面のヘイズは熱処理における最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とすることにより十分に改善することができ、700℃未満の温度域の降温速度には依存しないのである。
【0028】
このような現象が生じる原因の詳細は不明であるが、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、例えば、1200℃以上の高温で水素を含む還元性雰囲気の熱処理を行うと、その表面にステップ形状が生じ易くなる。
【0029】
このステップは、ウエーハの初期の面方位とは異なる面方位が原子レベルで発生したものであるが、最高温度で生じたステップは、降温速度が速い場合はその形状が維持されてしまう。しかし、降温速度が遅くなればなるほどマイグレーションの効果により表面のエネルギーが安定化する方向に向うため平坦化される。その結果、降温速度により熱処理後のヘイズレベルに差が発生するものと考えられる。
【0030】
従って、熱処理最高温度から700℃程度までゆっくり降温すれば、それ以下の温度ではマイグレーションは全く生じなくなるので、降温速度を速めて急冷してもウエーハのヘイズレベルには影響しないものと考えられる。
【0031】
以上の研究から、急速加熱・急速冷却装置を用いて、水素を含む還元性雰囲気下で、シリコンウエーハを熱処理する方法において、熱処理における最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とするといった簡易な方法により、ウエーハ表面のCOPとヘイズを改善することができることが判った。この本発明の方法は、前述の特願平10−176693号における複数段熱処理のように、高温熱処理自体の条件を変化させるわけではなく、単に降温速度、すなわち冷却強度を変化させるだけなので、極めて簡便な熱処理方法となる。
【0032】
また、本発明の熱処理方法は、降温速度をやや遅くするので、熱処理効率の低下が懸念されるが、仮に最高温度1200℃から降温する場合について考えると、通常30〜60℃/secで降温する場合に室温まで降温するのに、約20〜40秒間かかっていたのが、20℃/secで降温する場合は約60秒間弱であり、5℃/secで降温する場合であっても、4分間弱しか要しない。RTA装置を用いない通常の熱処理法(例えば、抵抗加熱方式)が、1サイクルの熱処理に7〜8時間を要することと比較すると、ウエーハの仕込み枚数にも関係するが、本発明の方法による熱処理により、1枚当りの処理時間を短縮することができる。
【0033】
しかも、熱処理時間の短縮化を図りたい場合は、熱処理における700℃未満の降温速度を、最高温度から700℃までの降温速度よりも速くすれば良い。例えば、最高温度1200℃から700℃までは降温速度5℃/secで降温した後、700℃未満では60℃/secで降温すれば、降温に2分間弱しか要しないのに全温度域にわたって5℃/secで降温したのと同程度のヘイズレベルのウエーハ表面を得ることができる。また、700℃になったところで、ランプ電源をOFFにすることにより70℃/sec以上の降温速度も可能である。
【0034】
一方、熱処理時の雰囲気については、水素100%あるいは水素とアルゴンおよび/または窒素との混合ガス雰囲気を使用することができる。水素濃度を高くするとウエーハ表面のCOPやヘイズ等の面粗さを改善する効果は高いものになり、アルゴンあるいは窒素の濃度を増加すると取り扱いが容易になるという長所がある。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず本発明で用いられるシリコンウエーハの急速加熱・急速冷却装置としては、熱放射によるランプ加熱器のような装置を挙げることができる。また、市販されているものとして、例えばシュティアック マイクロテック インターナショナル社製、SHS−2800のような装置を挙げることができ、これらは特別複雑なものではなく、高価なものでもない。
【0036】
ここで、本発明で用いたシリコン単結晶ウエーハの急速加熱・急速冷却装置(RTA装置)の一例を示す。図3は、RTA装置の概略図である。
図3の熱処理装置10は、石英からなるチャンバー1を有し、このチャンバー1内でウエーハを熱処理するようになっている。加熱は、チャンバー1を上下左右から囲繞するように配置される加熱ランプ2によって行う。このランプはそれぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。
【0037】
ガスの供給側は、不図示の水素ガス供給源、アルゴン供給源及び窒素ガス供給源が接続されており、任意の混合比でこれらを混合してチャンバー1内に供給することができるようにされている。
ガスの排気側は、オートシャッター3が装備され、外気を封鎖している。オートシャッター3は、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウエーハ挿入口が設けられている。また、オートシャッター3にはガス排気口が設けられており、炉内雰囲気圧力を調整できるようになっている。
【0038】
そして、ウエーハ8は石英トレイ4に形成された3点支持部5の上に配置される。トレイ4のガス導入口側には、石英製のバッファ6が設けられており、導入ガスがウエーハ8に直接当たるのを防ぐことができる。
また、チャンバー1には不図示の温度測定用特殊窓が設けられており、チャンバー1の外部に設置されたパイロメータ7により、その特殊窓を通してウエーハ8の温度を測定することができる。
【0039】
以上のような熱処理装置10によって、ウエーハを急速加熱・急速冷却する処理は次のように行われる。
まず、熱処理装置10に隣接して配置される、不図示のウエーハハンドリング装置によってウエーハ8を挿入口からチャンバー1内に入れ、トレイ4上に配置した後、オートシャッター3を閉める。チャンバー1内は所定の水素を含む還元性雰囲気で満たされる。
【0040】
そして、加熱ランプ2に電力を供給し、ウエーハ8を例えば1100〜シリコンの融点、特には1300℃以下の所定の温度に昇温する。この際、目的の温度になるまでに要する時間は例えば20秒程度である。次にその温度において所定時間保持することにより、ウエーハ8に高温熱処理を加えることができる。
【0041】
所定時間経過し高温熱処理が終了したなら、ランプ2の出力を下げウエーハ8の温度を下げる。本発明の熱処理方法は、熱処理における最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とする方法であるが、この方法を実施する際には、パイロメータ7でウエーハ8の温度を測定しつつ、従来20〜40秒間程度の時間をかけ降温速度30〜60℃/secで降温していたのを、ランプ2の出力を適当に調整して降温速度を20℃/sec以下に低めるだけで良い。従って、従来から使用されているRTA装置にほとんど改造を加えずに、本発明の方法を実施することができる。
最後に、ウエーハの降温が終了したらウエーハハンドリング装置によってウエーハを取り出すことにより、熱処理を完了する。
【0042】
降温時間を短縮したい時は、パイロメータ7で測定したウエーハ8の温度が700℃未満になったら、例えばランプ2の出力をOFFにしてウエーハ8を急冷するようにすれば良い。あるいは、ウエーハハンドリング装置によってウエーハ8を取り出して室温の空間に移動させることによっても、700℃未満の降温速度を速めて降温時間を短縮することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
チョクラルスキー法により得られたシリコンウエーハに、RTA装置を用いて、100%水素雰囲気下で1200℃、10秒の熱処理を行った。熱処理の最高温度から降温する際の降温速度は、本発明の方法に従って20℃/secとした。そして、熱処理後のシリコンウエーハ表面のヘイズを測定した。
【0044】
熱処理には前述のRTA装置(急速加熱・急速冷却装置、シュティアック マイクロテック インターナショナル社製SHS−2800型)を使用した。
シリコンウエーハはチョクラルスキー法により製造されたシリコンインゴットを一般的に行われている方法でスライスして鏡面加工された、直径6インチ、結晶方位<100>のものを用いた。
【0045】
またヘイズの測定は、パーティクルカウンタであるLS−6030(日立電子エンジニアリング社製商品名)を用い、測定電圧700Vレンジで測定し、ヘイズレベルを単位bitsで表した。
【0046】
測定の結果、実施例1のウエーハのヘイズレベルは約49bitsであり、これは、高速冷却の場合に比べ格段に改善されているとともに、デバイス作製上問題とならないレベルである。また、熱処理時間においても、従来方法において60℃/secで降温した場合より、40秒弱多く要しただけであり、生産性に大きな影響を与えるものではないし、抵抗加熱方式に比べて生産性を向上させることができる。
【0047】
(実施例2)
実施例1の熱処理において、最高温度1200℃から700℃までの降温速度を5℃/secとし、700℃未満の降温速度を60℃/secとして、シリコンウエーハに熱処理を施した。それ以外の条件は、実施例1と同様にして熱処理、ヘイズ測定を行った。
【0048】
測定の結果、実施例2のウエーハのヘイズレベルは約25bitsであり、ヘイズレベルは著しく改善され、将来におけるデバイスの高集積化にも十分対応できるものとなっている。
【0049】
(比較例)
実施例1の熱処理において、最高温度1200℃からの降温速度を50℃/secとしてシリコンウエーハに熱処理を施した。それ以外の条件は、実施例1と同様にして熱処理、ヘイズ測定を行った。
測定の結果、比較例のウエーハのヘイズレベルは95bitsと大きなものであり、ウエーハの酸化膜耐圧やキャリアの移動度等の電気特性の低下が予想される。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、本発明の技術的範囲に包含される。
【0051】
例えば上記実施形態では、ウエーハのCOPを低減しつつウエーハ表面のヘイズを改善できる効果について中心に説明したが、本発明の熱処理方法の効果はヘイズを改善できるのみならず、ウエーハ表面のP−V値(山と谷の最大値)やその他の形式で表わされるウエーハの表面状態をも改善できるものであり、ウエーハ表面の平坦度を改善できるものである。
【0052】
また、上記では直径6インチのシリコンウエーハに熱処理を施したが、本発明はウエーハ直径によらず適用できることは言うまでもなく、今後の8〜16インチ、あるいはそれ以上の大直径ウエーハにも充分適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はシリコンウエーハを熱処理する方法において、熱処理の降温速度に改良を加えることにより、ウエーハ表面のCOP等の欠陥を消滅させるという効果とヘイズを改善する効果とを併せ持つ熱処理を非常に簡便に行うことができ、従来に比べて高品質のシリコンウエーハを簡単かつ低コストで得ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】RTA装置による熱処理における降温速度とヘイズとの関係を示した図である。
【図2】降温速度を高速に切り換えた温度とウエーハ表面のヘイズとの関係を示した図である。
【図3】シリコンウエーハを急速加熱・急速冷却できる装置の一例を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1…チャンバー、 2…加熱ランプ、 3…オートシャッター、
4…石英トレイ、 5…3点支持部、 6…バッファ、 7…パイロメータ、
8…ウエーハ、 10…熱処理装置。
Claims (1)
- 急速加熱・急速冷却装置を用いて、水素100%あるいは、水素とアルゴン、水素と窒素、水素とアルゴンと窒素との混合ガス還元性雰囲気下で、デバイスが作製される前のシリコンウエーハを熱処理する方法において、熱処理における1200℃〜シリコンの融点の温度範囲内の最高温度から700℃までの降温速度を20℃/sec以下とし、熱処理における700℃未満の降温速度を、最高温度から700℃までの降温速度よりも速くすることを特徴とするシリコンウエーハの熱処理方法。
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