JP3636341B2 - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、点灯管の安定性を向上した高圧放電ランプおよび照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高圧放電ランプとしては、東芝レビュー第37巻第2号第101頁ないし第105頁に記載の高圧ナトリウムランプの構成が知られている。この高圧ナトリウムランプは、外管内に発光管およびこの発光管を始動点灯させる点灯管を有し、発光管を支持する発光管支持体に点灯管も支持して、発光管および点灯管を固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記高圧放電ランプの場合、発光管が点灯すると発光管の熱で発光管支持体が加熱され、この発光管支持体が加熱されることにより、点灯管が加熱されて点灯管が破損するおそれがある。
【0004】
また、たとえば振動の多い場所で用いた場合、点灯管を十分に支持しきれず点灯管が脱落するおそれがある問題を有している。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、点灯管の安定性を向上した高圧放電ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の高圧放電ランプは、発光管と;この発光管を始動点灯させる点灯管と;
発光管を支持する一対の発光管支持体と;点灯管の周囲を保持して固定する保持部を有し、この保持部と一対の発光管支持体との間にそれぞれ配置されて保持部と発光管支持部とを固定する中間に熱伝導性の小さな低熱伝導性部材が設けられた脚部を有する保持体と;を具備したもので、保持体に熱伝導性の小さな低熱伝導性部材が設けられた脚部を用いることにより、発光管により発光管支持体が加熱されても、この発光管支持体の熱は低熱伝導性部材により点灯管には伝導しにくいため、点灯管が熱により損傷することがなくなり、点灯管の安定性が向上する。
【0007】
請求項2記載の高圧放電ランプは、請求項1記載の高圧放電ランプにおいて、保持体は、この発光管支持体にバネ性を持って点灯管を固定する保持部を有するもので、保持体はバネ性を持って点灯管を固定する保持部を有しているため、振動などを与えても保持部により点灯管を確実に保持し、点灯管の安定性が向上する。
【0008】
請求項3記載の高圧放電ランプは、請求項1または2記載の高圧放電ランプにおいて、発光管は、消費電力100W以上の高圧ナトリウムランプであるもので、発光管は高熱になりやすいが、それぞれの作用により点灯管の安定性が向上する。
【0009】
請求項4記載の照明装置は、請求項1ないし3いずれか記載の高圧放電ランプと;この高圧放電ランプを収納する器具本体とを具備したもので、それぞれの作用を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の照明装置を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は高圧ナトリウムランプを示す一部を切り欠いた側面図、図2は点灯管の保持状態を示す側面図、図3は点灯管の保持状態を示す平面図、図4は道路用照明装置の外観を示す斜視図である。
【0012】
図4に示すように、道路用照明装置1は、ポール2の先端に取り付けられ、たとえば高速道路あるいは一般道路に沿って配設されている。
【0013】
そして、この道路用照明装置1は、平面ほぼ長円形状の器具本体3を有し、この器具本体3の基端にはポール2に取り付けるためのポール支持部4,4が形成されている。また、器具本体3の先端側には下面に向けた開口5が形成され、器具本体3の内面にはこの開口5に対向して照射された光を開口5方向に向けて反射する複数の反射板6,7が取り付けられるとともに、これら反射板6,7の基端側にはランプソケット8がランプソケット取付板9を介して取り付けられており、このランプソケット取付板9にも基端側へ照射された光を反射する反射板10が取り付けられている。なお、ランプソケット8には、高圧放電ランプである消費電力が100W以上、たとえば360Wの高圧ナトリウムランプ11が着脱自在に取り付けられる。
【0014】
また、開口5にはほぼ半球状の透光性部材としてのグローブ12が枠体13に保持されて開口5の先端側の器具本体3に設けられた蝶番14により開閉可能に取り付けられ、開口5の基端側の器具本体3に設けられたラッチ15にて、グローブ12および枠体13が開口5を閉塞した状態で、枠体13が器具本体3に保持される。さらに、器具本体3には、枠体13を器具本体3に閉塞した状態で水密にシールするパッキン16が取り付けられている。
【0015】
また、高圧ナトリウムランプ11は、図1に示すように、硬質ガラスで形成された電球状の外管21を有し、この外管21の基端には口金22が取り付けられ、この口金22はシェル23とアイレット端子24とを有するエジソンタイプの捩込形口金である。
【0016】
また、外管21内には発光管25が収容され、この発光管25は透光性の多結晶アルミナまたは単結晶アルミナなどのモノシリックチューブのセラミックチューブ26の端部に、図示しない電極が取り付けられた導電構体28,29がそれぞれ挿入され、これら導電構体28,29はセラミックチューブ26から外部に突出されている。
【0017】
さらに、このような発光管25には、発光金属であるナトリウム(Na)、水銀(Hg)および始動ガスとして不活性ガスである希ガスのキセノン(Xe)ガスが封入されている。そして、ナトリウムと水銀はナトリウムアマルガムの状態で封入され、点灯時にはナトリウムがほぼ完全に蒸発した状態となり、液体では存在しないようにする。なお、水銀は用いなくてもよい。
【0018】
また、発光管25の上側に位置する導電構体28は、ニオビウム(Nb)やタンタル(Ta)などの耐熱性金属のバルブホルダ31を介して発光管支持体である導電性のサポートワイヤ32,32に機械的に連結されている。
【0019】
一方、発光管25の下側に位置する導電構体29は、絶縁性を有するセラミックプレート33に取り付けられ、このセラミックプレート33は取付部材34にてサポートワイヤ32,32に機械的に取り付けられている。
【0020】
さらに、セラミックプレート33の下部には、発光管25に導電構体29が接続されて電気的に並列に接続され、バイメタルなどを有する始動回路を内蔵した点灯管36が配設され、この点灯管36は保持体37にてサポートワイヤ32に固定されている。また、保持体37は、一部に切り欠きを有しバネ性を有して点灯管36を保持するC字状の保持部としてのリング部38を有し、このリング部38は脚部39でサポートワイヤ32に機械的に固定され、これらそれぞれの脚部39には低熱伝導性部材であるセラミック40を有し、サポートワイヤ32からの熱をリング部38に伝導しにくくなっている。
【0021】
また、点灯管36には導電線41が接続され、サポートワイヤ32の下端部およびこの導電線41は、それぞれ封着支持線42,43に溶接されており、これら封着支持線42,43は外管21の基端側に形成されたステム44に封着されるとともに、外部導線により口金22のシェル23およびアイレット端子24にそれぞれ接続されている。
【0022】
また、ほぼコ字状に折曲されて形成された始動補助導体としての近接導体45がサポートワイヤ32に固定され、この近接導体45は発光管25と平行して配置されている。なお、近接導体45は、たとえばニオビウムやタンタルなどの耐熱性金属ワイヤで構成されている。
【0023】
さらに、点灯管36の周囲にはコイル状にヒータ46が配設されている。
【0024】
また、ステム44近傍には、リングゲッタ47が取り付けられている。
【0025】
次に、動作について説明する。
【0026】
まず、高圧ナトリウムランプ11の始動時には点灯管36内部のバイメタルがグロー状態で加熱され、点灯管36内のバイメタルが動作することでキック電圧を発生し、このキック電圧によるパルスが交流波形に重畳され、高圧ナトリウムランプ11を始動、点灯する。
【0027】
そして、高圧ナトリウムランプ11が熱くなってサポートワイヤ32を熱しても、保持体37のセラミック40は低熱伝導性であるため、リング部38に熱が伝わらず、点灯管36に熱的損傷を与えにくい。
【0028】
さらに、発光管25の始動不良時に、ヒータ46によって点灯管36を加熱し、点灯管36内のバイメタルを閉じた状態を維持することによって始動パルスを停止させるパルス自動停止形の高圧ナトリウムランプ11においては点灯管36の保持の少なくとも一部にセラミック40を用いることでパルス停止中、すなわちヒータ46が点灯管36を加熱中にヒータ46の熱がサポートワイヤ32などの金属部品を介する熱伝導による破損をなくすことができる。
【0029】
また、点灯管36は収縮方向に付勢されたバネ性を有するリング部38で保持されているため、振動があってもリング部38から点灯管36がはずれることはない。
【0030】
ここで、発光管25に代えてヒータを用いた連続加熱試験と、消費電力360Wの発光管25を点灯させるライフ試験と、振動を与える振動試験の結果について表1を参照して説明する。
【0031】
なお、ランプ1は点灯管36の保持に完全なリング状のものを用いて保持し、セラミック40を有さない保持体37を用いないでマウントしたもの、ランプ2は点灯管36の保持に完全なリング状のものを用いて保持し、セラミック40を有した保持体37を用いてマウントしたもの、ランプ3は点灯管36の保持に一部を切り欠いたリング状のものを用いて保持し、セラミック40を有さない保持体37を用いないでマウントしたもの、ランプ4は点灯管36の保持に一部を切り欠いたリング状のものを用いて保持し、セラミック40を有した保持体37を用いてマウントしたものを使用した。なお、その他の構成については同一にしている。
【0032】
【表1】
そして、実験によれば、セラミック40を用いたものでは、点灯管36が熱による悪影響を受けず熱による損傷を受けにくいので、発光管25を点灯し続けても点灯管36は損傷しないので、始動が不可能になるなどの状態を避けることができる。
【0033】
また、一部を切り欠いたリング状の保持体37を用いることにより、バネ性を有して点灯管36を保持するので、振動により点灯管36が落下することを防止でき、たとえば効果の道路に照明装置1を用いても、振動により点灯管36が外れないので長寿命化して信頼性が向上し、特に高速道路では有効である。
【0034】
なお、リング部38はC字状のものに限らず、スパイラル状のスプリングにしても同様の効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の高圧放電ランプによれば、一対の発光管支持部に固定される保持体の脚部の中間に熱伝導性の小さな低熱伝導性部材を用いることにより、発光管により発光管支持体が加熱されても、この発光管支持体の熱は低熱伝導性部材により点灯管には伝導しにくいため、点灯管が熱により損傷することがなくなり、点灯管の安定性を向上できる。
【0036】
請求項2記載の高圧放電ランプによれば、請求項1記載の高圧放電ランプに加え、保持体はバネ性を持って点灯管を固定する保持部を有しているため、振動などを与えても保持部により点灯管を確実に保持し、点灯管の安定性を向上できる。
【0037】
請求項3記載の高圧放電ランプによれば、請求項1または2記載の高圧放電ランプに加え、発光管は消費電力100W以上の高圧ナトリウムランプであるので、発光管は高熱になりやすいが、それぞれの効果により点灯管の安定性を向できる。
【0038】
請求項4記載の照明装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の高圧放電ランプを収納する器具本体とを具備したので、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の高圧ナトリウムランプを示す一部を切り欠いた側面図である。
【図2】同上点灯管の保持状態を示す側面図である。
【図3】同上点灯管の保持状態を示す平面図である。
【図4】同上道路用照明装置の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
3 器具本体
11 高圧放電ランプとしての高圧ナトリウムランプ
25 発光管
32 発光管支持体としてのサポートワイヤ
36 点灯管
37 保持体
38 保持部としてのリング部
Claims (4)
- 発光管と;
この発光管を始動点灯させる点灯管と;
発光管を支持する一対の発光管支持体と;
点灯管の周囲を保持して固定する保持部を有し、この保持部と一対の発光管支持体との間にそれぞれ配置されて保持部と発光管支持部とを固定する中間に熱伝導性の小さな低熱伝導性部材が設けられた脚部を有する保持体と;
を具備したことを特徴とする高圧放電ランプ。 - 保持体は、この発光管支持体にバネ性を持って点灯管を固定する保持部を有することを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
- 発光管は、消費電力100W以上の高圧ナトリウムランプであることを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ。
- 請求項1ないし3いずれか記載の高圧放電ランプと;
この高圧放電ランプを収納する器具本体と;
を具備したことを特徴とする照明装置。
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JP26739697A JP3636341B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 高圧放電ランプおよび照明装置 |
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JPH11111221A JPH11111221A (ja) | 1999-04-23 |
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