JP3635934B2 - 浄水装置の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分離膜を濾剤とする浄水装置の洗浄方法に関し、詳しくは、分離膜の目詰まりにより低下した濾過流量を回復させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、分離膜を用いた浄水処理は、限外濾過膜を利用した廃水処理や、逆浸透膜を利用した超純水製造といった工業分野から、中空糸膜フィルタと呼ばれる限外濾過膜を利用した浄水器のような家庭用品まで広く利用されている。しかしながら、分離膜を用いた濾過では目詰まり物質による濾過流量の低下が問題である。そこで分離膜表面に付着堆積する目詰まり物質を除去して濾過流量を回復するための様々の方法が提案されている。
【0003】
このような方法の一つは物理的な洗浄方法であり、例えば実開昭56−2996号公報にて開示されているような、流水により膜表面の付着物を洗い流して除去する方法が提案されている。更にこれを工夫したもので、特開平3−72990号公報に開示されているように、分離膜に下流から上流へ浄水を逆流させて付着物を洗い流す方法も提案されている。
【0004】
また他の方法として化学的な方法があり、例えば特開昭52−120978号公報に開示されているような、分離膜表面に付着する目詰まり物質を薬剤と反応させて除去する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の通り付着物を洗い流す物理的な洗浄方法では、分離膜への付着物が鉄錆のように粒子状の無機物の場合には洗浄効果が高いが、実際は分離膜への付着物は有機物やゲル状の物質と混在して粘着しており、このような場合は洗い流すだけでは洗浄効果が小さく濾過流量が殆ど回復しないという欠点があった。
【0006】
また、薬剤により付着物を除去する化学的な洗浄方法は分離膜表面の有機物等の粘着物を分解除去することが可能なため、洗浄効果が高いという利点はあるものの、本来必要な分離膜モジュールの設備のほかに、洗浄剤投入工程、洗浄工程、すすぎ工程等の一連の洗浄工程を行うための装置構成が必要となり、装置が複雑になる上、配管や洗浄設備等も耐薬品性を高くする必要があり、コストが高くなるという欠点がある。このように装置機構が複雑になるため大型化し、価格も高くなってしまうため、浄水器等の家庭用品においては、分離膜を有する分離膜式浄水カートリッジを使い捨てにすることが一般的であり、分離膜を洗浄再生できるものは存在しなかった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で且つ効果的に濾過流量を回復することができる浄水装置の洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の浄水装置1の洗浄方法は、原水流入口2と、浄水流出口3と、原水流入口2と浄水流出口3との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜5を有する分離膜式浄水カートリッジ4とを具備し、分離膜式浄水カートリッジ4に、分離膜式浄水カートリッジ4内に洗浄剤を投入する薬剤投入口6を設けた浄水装置1の洗浄方法において、浄水装置1から分離膜式浄水カートリッジ4を脱離し、薬剤投入口6から酸化剤を含む洗浄剤を含有する洗浄液を分離膜式浄水カートリッジ4内に投入して分離膜5表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジ4から排水することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項2に記載の浄水装置1の洗浄方法は、原水流入口2と、浄水流出口3と、原水流入口2と浄水流出口3との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜5を有する分離膜式浄水カートリッジ4とを具備し、分離膜式浄水カートリッジ4に、分離膜式浄水カートリッジ4内に洗浄剤を投入する薬剤投入口6を設けた浄水装置1の洗浄方法において、浄水装置1から分離膜式浄水カートリッジ4を脱離し、薬剤投入口6から酸化剤を含む洗浄剤とこの洗浄剤の溶媒を分離膜式浄水カートリッジ4内に投入して分離膜5表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジ4から排水することを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項3に記載の浄水装置1の洗浄方法は、請求項1又は2の構成に加えて、酸化剤として、塩素系酸化剤及び酸素系酸化剤から選択される少なくとも一種以上のものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に本発明の浄水装置1の一例を示す。この浄水装置1は、浄水器本体8の底部に、浄水処理の対象である原水を外部から浄水装置1内に導入する導入口である原水流入口2が設けられ、また浄水器本体8の上部には、浄水流出管10を延設すると共にその先端に浄水流出口3を開口して設け、浄水装置1にて原水が浄水処理されることにより生成された浄水をこの浄水流出管10を通じて浄水流出口3から外部に導出するようにしている。この浄水流出口3には、浄水流出管10からの浄水の流量を計量する流量チェッカー11を設けるものである。この流量チェッカー11は、その外面中央部に、流量チェッカー11にて計量される浄水の流量が一定の値を下回った時点で色が変化する表示窓を設け、この表示窓の色の変化により、後述する分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄時期を知らせるようにするものである。
【0015】
また浄水器本体8内部には、中空糸膜からなる分離膜5を内蔵する分離膜式浄水カートリッジ4と、活性炭等の、分離膜5以外の濾材26を内蔵する非分離膜式浄水カートリッジ7とを備えるものである。
【0016】
分離膜式浄水カートリッジ4は、図2(b)に示すように、上部に吐出口18を開口して設けると共に、下部に流入口20を開口して設けるものである。ここで流入口20は、この分離膜式浄水カートリッジ4を洗浄する際に洗浄剤を投入するための薬剤投入口6と兼用して設けるものである。また吐出口18にはその開口部周縁の全周に亘る筒状の開口突片19を上方に突出させて形成するものである。また分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20には、この流入口20の周縁の全周に亘る筒状の開口突片21を下方に突出させて形成し、またこの流入口20の周囲からは、流入口20を囲む筒状の嵌合突片27を下方に突出させて形成するものである。この嵌合突片27にはその内周の全周に亘る嵌合溝28を凹設すると共に、嵌合突片27の内周における所定の2箇所に、上下方向に向けてガイド溝31を凹設する。このガイド溝31は、その上部を嵌合溝28に接続すると共に、下部を下方に開口して設けるものである。このような形状に形成される分離膜式浄水カートリッジ4の内部には、中空糸膜からなる分離膜5を、分離膜式浄水カートリッジ4内部を吐出口18側と流入口20側とに仕切るようにして設けるものである。
【0017】
また非分離膜式浄水カートリッジ7は、図2(b)に示すように、上部に吐出口22を開口して設けると共に、下部に流入口24を開口して設けるものである。ここで吐出口22にはその開口部周縁の全周に亘る筒状の開口突片23を上方に突出させて形成するものである。またこの開口突片23は、分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20の開口突片21内に嵌合される形状に形成するものである。また非分離膜式浄水カートリッジ7上部の、吐出口22の側方における所定の2箇所には、分離膜式浄水カートリッジ4の嵌合溝28内に嵌合される嵌合凸部29を、側方に向けて突出させて設けるものである。ここでこの嵌合凸部29は後述するように分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを接続する際に、ガイド溝31に相当する個所に配置されるように形成するものである。また非分離膜式浄水カートリッジ7の流入口24にはその開口部の周縁の全周に亘る筒状の開口突片30を下方に突出させて設けるものである。このような形状に形成される非分離膜式浄水カートリッジ7の内部には、分離膜以外の濾剤26として活性炭を充填するものであるが、分離膜以外の浄水濾剤26としては活性炭以外に、多孔質セラミック、イオン交換樹脂等、あるいはこれらの分離膜以外の濾剤26を複数種組み合わせたものを用いることもできるものである。
【0018】
上記のようにして構成される分離膜式浄水カートリッジ4と、非分離膜式浄水カートリッジ7は、互いに接続させた状態で、浄水器本体8内に着脱自在に収容されるものである。分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7を接続する際は、分離膜式浄水カートリッジ4下部の嵌合突片27のガイド溝31と、非分離膜式浄水カートリッジ7上部の嵌合凸部29とを位置合わせした状態で、嵌合凸部29をガイド溝31内に押し込むと共に、非分離膜式浄水カートリッジ7の吐出口22周縁の開口突片23を分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20の開口突片21内に押し込んで嵌合させるものである。そして嵌合凸部29が嵌合溝28内に配置されるまで押し込まれると共に、非分離膜式浄水カートリッジ7の吐出口22周縁の開口突片23が分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20の嵌合突片21内に嵌合された状態で、分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを互いに逆方向に回転し、嵌合凸部29を嵌合溝28内でスライドさせてガイド溝31が形成されていない箇所まで移動させることにより、図2(a)に示すように、分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを接続するものである。またこのように接続された分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを分離する場合は、分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを互いに逆方向に回転させて、分離膜式浄水カートリッジ4下部の嵌合突片27のガイド溝31と、非分離膜式浄水カートリッジ7上部の嵌合凸部29との位置を合わせ、この状態で分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを互いに逆方向に引っ張ることにより、嵌合凸部29をガイド溝31に沿って嵌合溝28から脱離させて、分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを分離するものである。
【0019】
一方、浄水器本体8内には、原水流入口2に連通する流入配管9を設け、この流入配管9の先端には、非分離膜式浄水カートリッジ7の下部形状に対応する形状の、浄水カートリッジ受け台14を設けるものである。この浄水カートリッジ受け台14は、外周全周に亘って、非分離膜式浄水カートリッジ7の下部の外周形状に対応する筒状の形状の受け片16を上方に向けて立設すると共に、非分離膜式浄水カートリッジ7の流入口24の開口突片30が嵌入される接続孔15を上下方向に開口して設け、この接続孔15には、接続孔15の周縁の全周に亘る筒状の嵌合突片17を下方に向けて突設するものである。ここでこの浄水カートリッジ受け台14は、非分離膜式浄水カートリッジ7の下部を浄水カートリッジ受け台14の受け片16に嵌合した場合に、非分離膜式浄水カートリッジ7の流入口24の開口突片30が接続孔15に挿入されると共に浄水カートリッジ受け台14の嵌合突片17内に嵌合されるように形成するものである。そしてこの浄水カートリッジ受け台14の嵌合突片17の下端部を、流入配管9の端部開口内に嵌合させて接続することにより、接続孔15と流入配管9とを連通させるものである。このとき浄水カートリッジ受け台14は、嵌合突片17の下端部が流入配管9の端部開口内でスライドすることにより上下昇降自在となるように設けるものである。またこの浄水カートリッジ受け台14の下方には、浄水カートリッジ受け台14を上方に付勢するコイルバネ34を、嵌合突片17の周囲を囲うように配設するものである。また浄水器本体8内には、浄水流出管10に連通する吐出配管12を設け、この吐出配管12の先端には、分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19が嵌入される接続孔13を下方に開口して設けるものである。
【0020】
そして浄水器本体8内に、分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7を取着する際は、上述したようにして分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7とを接続し、この状態で、浄水カートリッジ受け台14を下方に押し込みながら、非分離膜式浄水カートリッジ7の下部を浄水カートリッジ受け台14の受け片16に嵌合させると共に非分離膜式浄水カートリッジ7の流入口24の開口突片30を浄水カートリッジ受け台14の接続孔15内に挿入してこの開口突片30を接続孔15の嵌合突片17内に嵌合させる。この状態で分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19を吐出配管12の接続孔13の下方に配置し、浄水カートリッジ受け台14を上方へスライドさせながら、分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19を吐出配管12の接続孔13に嵌入させる。このとき浄水カートリッジ受け台14はコイルバネ34により上方に付勢されているので、互いに接続された分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7は、浄水カートリッジ受け台14、並びに吐出配管12の接続孔13にて保持されて、図1に示すように、浄水器本体8内に取着されるものである。そして分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7を浄水器本体8から脱離させる場合には、浄水カートリッジ受け台14を下方に押し下げながら、互いに接続された分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7を下方に押し下げて、分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19を吐出配管12の接続孔13から脱離させ、更に浄水カートリッジ受け台14から非分離膜式浄水カートリッジ7の下部を引き抜くものである。
【0021】
上記のようにして浄水装置1を構成すると、分離膜式浄水カートリッジ4を浄水装置1から脱離させて取外し、この取外した分離膜式浄水カートリッジ4内に、薬剤投入口6を兼ねる流入口20から分離膜5洗浄用の洗浄剤を投入して分離膜5の洗浄を行うことができるものであり、分離膜式浄水カートリッジ4を分離膜5の洗浄容器と兼用させ、特に複雑な装置を必要とすることなく分離膜5の化学的な洗浄を行うことができるものであって、分離膜式浄水カートリッジ4を使い捨てすることなく長期間に亘って使用することができ、経済的なものである。
【0022】
また、分離膜5以外の濾剤を内蔵する非分離膜式浄水カートリッジ7も浄水装置1から着脱自在に備えるため、分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7を、それぞれの濾剤の濾過性能の寿命の違いに合わせて別個に交換し、あるいは分離膜式浄水カートリッジ4だけを取り出して分離膜5の洗浄を行うことができるものであって、取り扱い性に優れ、かつ経済的なものである。
【0023】
上記のようにして構成される浄水装置1にて水の浄化処理を行う際は、まず水道の蛇口等の給水源と、浄水装置1の原水流入口2との間を、ホース等で接続し、浄水器本体8内に分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7を取着した状態で、浄水処理の対象である水道水等の原水を、給水源から浄水装置1の原水流入口2へ送り込む。この原水流入口2に送りこまれた原水は、流入配管9を通じて非分離膜式浄水カートリッジ7へ送られ、非分離膜式浄水カートリッジ7内に充填されている活性炭26にて濾過されて、残留塩素、かび臭、トリハロメタン、農薬等が除去される。非分離膜式浄水カートリッジ7内にて濾過された原水は、続いて分離膜式浄水カートリッジ4内へ送られ、分離膜式浄水カートリッジ4内の中空糸膜からなる分離膜5を通過することにより濾過されて、微細な濁りや細菌等が除去される。このように原水を、非分離膜式浄水カートリッジ7内及び分離膜式浄水カートリッジ4内を通過させて濾過することにより、原水が浄水処理されて、浄水が生成されるものである。そして生成された浄水は、吐出配管12を通じて浄水流出管10へ導かれ、浄水流出口3から浄水装置1外へ導出されるものである。
【0024】
上記のように構成される浄水装置1の洗浄方法について以下に説明する。上記のように構成される浄水装置1を使用していくに従って、分離膜式浄水カートリッジ4の中空糸膜からなる分離膜5が目詰まりして、濾過流量が低下し、浄水装置1から導出される浄水の流量が低下することとなる。このように濾過流量が低下した時点で、分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄を行い、浄水装置1から導出される浄水の流量を回復させるものである。ここで分離膜式浄水カートリッジ4の分離膜5の濾過流量が低下して、浄水装置1から導出される浄水の流量が一定の値よりも低下すると、流量チェッカー11の表示窓の色が変化するものであり、この表示窓の色の変化により、分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄時期を知らせるものである。
【0025】
分離膜式浄水カートリッジ4を洗浄する際は、まず浄水装置1から分離膜式浄水カートリッジ4及び非分離膜式浄水カートリッジ7を脱離してから分離膜式浄水カートリッジ4と非分離膜式浄水カートリッジ7を分離し、分離膜式浄水カートリッジ4内の残水を排水する。次に上部に分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19の外周形状に対応した形状の凹部33を上方に開口させた設置台32を用意し、図3に示すように、分離膜式浄水カートリッジ4を上下逆向きに配置して、分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18の開口突片19をこの設置台32の凹部33内に嵌入することにより、分離膜式浄水カートリッジ4を設置台32上に固定すると共に、設置台32の凹部33にて分離膜式浄水カートリッジ4の吐出口18を塞ぐ。このとき、洗浄時の薬剤投入口6と兼用される分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20は、上方に配置されることとなる。このとき使用する設置台32は、後述する洗浄剤を内部に保存する薬剤ケースと兼用して形成することができる。
【0026】
次に、洗浄剤として、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウム等の塩素系酸化剤を用い、この洗浄剤を、残留塩素濃度が50〜10000mg/リットルとなるように水に溶解させて洗浄液を調製する。そしてこの洗浄液を、薬剤投入口6と兼用される分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20から投入して、分離膜式浄水カートリッジ4内の分離膜5を洗浄液にて浸漬させ、分離膜5表面の付着堆積物を洗浄剤と反応させて分解する。このような状態で1〜12時間放置した後、分離膜式浄水カートリッジ4内の洗浄液を排水する。ここで一回の排水操作のみでは、洗浄液の排水が不充分となって、再度目詰まりを起こす可能性があるため、洗浄液の排水後、分離膜式浄水カートリッジ4内を数回水ですすぐことが好ましい。
【0027】
また、分離膜式浄水カートリッジ4内の分離膜5を洗浄液にて浸漬させる際には、洗浄剤と、洗浄剤の溶媒である水を、薬剤投入口6と兼用される分離膜式浄水カートリッジ4の流入口20から分離膜式浄水カートリッジ4内に別々に投入して、分離膜式浄水カートリッジ4内にて洗浄液を調製するようにすることもできる。ここで分離膜式浄水カートリッジ4内で調製される洗浄液中の残留塩素濃度が上記の場合と同様に、50〜10000mg/リットルとなるように、水と洗浄剤の分量を調整するものである。そしてこのようにして分離膜式浄水カートリッジ4内で調製された洗浄液にて分離膜式浄水カートリッジ4内の分離膜5を浸漬させた状態で、1〜12時間放置して、分離膜5表面の付着堆積物を洗浄剤と反応させて分解した後、分離膜式浄水カートリッジ4内の洗浄液を排水する。ここで上記の場合と同様に、一回の排水操作のみでは、洗浄液の排水が不充分となって、再度目詰まりを起こす可能性があるため、洗浄液の排水後、分離膜式浄水カートリッジ4内を数回水ですすぐことが好ましい。
【0028】
上記のようにして分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄を行う場合の、浄水装置1により生成され、浄水装置1外へ導出される浄水の積算流量に対する、分離膜式浄水カートリッジ4による一定時間あたりの濾過流量を示すグラフの例を、図4に示す。ここで浄水の積算流量は、浄水装置1にて初めて原水の浄水処理を開始した時点からの、浄水装置1にて生成されて浄水装置1外へ導出された浄水の積算量を、リットル単位で示したものであり、また分離膜式浄水カートリッジ4による一定時間あたりの濾過流量は、原水流入口2に1kg/cm2の水圧で水を通過させるようにした際の単位時間あたりの、分離膜5を通過する水の流量を、リットル/分の単位で示したものである。そして、分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄は、分離膜式浄水カートリッジ4による濾過流量が、浄水装置1の使用初期の濾過流量である2.8リットル/分の半分である1.4リットル/分となった時点で行ったものである。この図4に示されるように、積算流量が2000リットルとなった時点で濾過流量は浄水装置1の使用初期の半分となり、分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄を行わない場合はこの時点が分離膜式浄水カートリッジ4の寿命となって、分離膜式浄水カートリッジ4の交換を行わなければならないものであるが、分離膜式浄水カートリッジ4の洗浄を繰り返し洗浄して用いるようにすると、積算流量が6000リットル以上になっても浄水処理を行うことができ、分離膜式浄水カートリッジ4を使い捨てする場合の3倍以上の寿命となることが判る。
【0029】
また洗浄剤としては、上記に示したような塩素系酸化剤だけではなく、過炭酸塩、過ほう酸塩、過硫酸塩等の酸素系酸化剤を用いることができる。このような場合、洗浄液中の酸素系酸化剤の有効酸素濃度が、100〜10000mg/リットルの濃度の過酸化水素の有効酸素濃度に相当するように、洗浄液中の酸素系酸化剤の濃度を調整するものである。
【0030】
また洗浄剤として、塩素系酸化剤と酸素系酸化剤を混合させたものを用いても良いものである。
【0031】
上記のように、洗浄剤として酸化剤を用いると、分離膜5表面の付着堆積物を酸化分解して除去し、分離膜5の濾過流量を回復させる効果が高いものであり、更に分離膜5の除菌も同時に行うことができて、衛生面においての利点も併せ持つものである。
【0032】
以上、本発明の実施の形態の一例として、原水を濾過処理のみにて処理することにより浄水を生成する浄水装置1、及びこの浄水装置1の洗浄方法を挙げたが、本発明は、分離膜5を用いる浄水処理を行うものであれば適用することができるものであり、例えばアルカリイオン整水器や、浴槽水を循環浄化させる浴水処理装置等の浄水装置1であって、水を濾過する分離膜5を備えるものに適用することができるものである。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の浄水装置の洗浄方法は、原水流入口と、浄水流出口と、原水流入口と浄水流出口との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜を有する分離膜式浄水カートリッジとを具備し、分離膜式浄水カートリッジに、分離膜式浄水カートリッジ内に洗浄剤を投入する薬剤投入口を設けた浄水装置の洗浄方法において、浄水装置から分離膜式浄水カートリッジを脱離し、薬剤投入口から酸化剤を含む洗浄剤を含有する洗浄液を分離膜式浄水カートリッジ内に投入して分離膜表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジから排水するため、分離膜表面の付着堆積物を酸化分解して除去し、分離膜の濾過流量を回復させる効果が高いものであり、更に分離膜の除菌も同時に行うことができて、衛生面においての利点も併せ持つものである。
【0036】
また本発明の請求項2に記載の浄水装置の洗浄方法は、原水流入口と、浄水流出口と、原水流入口と浄水流出口との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜を有する分離膜式浄水カートリッジとを具備し、分離膜式浄水カートリッジに、分離膜式浄水カートリッジ内に洗浄剤を投入する薬剤投入口を設けた浄水装置の洗浄方法において、浄水装置から分離膜式浄水カートリッジを脱離し、薬剤投入口から酸化剤を含む洗浄剤とこの洗浄剤の溶媒を分離膜式浄水カートリッジ内に投入して分離膜表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジから排水するため、分離膜表面の付着堆積物を酸化分解して除去し、分離膜の濾過流量を回復させる効果が高いものであり、更に分離膜の除菌も同時に行うことができて、衛生面においての利点も併せ持つものである。
【0037】
また本発明の請求項3に記載の浄水装置の洗浄方法は、請求項1又は2の構成に加えて、酸化剤として、塩素系酸化剤及び酸素系酸化剤から選択される少なくとも一種以上のものを用いるため、分離膜表面の付着堆積物を塩素系酸化剤や酸素系酸化剤にて酸化分解して除去し、分離膜の濾過流量を回復させる効果が高いものであり、更に分離膜の除菌も同時に行うことができて、衛生面においての利点も併せ持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)は分離膜式浄水カートリッジと非分離膜式浄水カートリッジとを接続した様子を示す正面図、(b)は分離膜式浄水カートリッジと非分離膜式浄水カートリッジとを分離させた状態を示す正面の断面図である。
【図3】分離膜式浄水カートリッジを設置台上に固定した状態を示す正面の断面図である。
【図4】浄水装置の積算流量に対する分離膜の濾過流量を示すグラフである。
【符号の説明】
1 浄水装置
2 原水流入口
3 浄水流出口
4 分離膜式浄水カートリッジ
5 分離膜
6 薬剤投入口
7 非分離膜式浄水カートリッジ
8 浄水器本体
20 流入口
21 開口突片
22 吐出口
23 開口突片
Claims (3)
- 原水流入口と、浄水流出口と、原水流入口と浄水流出口との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜を有する分離膜式浄水カートリッジとを具備し、分離膜式浄水カートリッジに、分離膜式浄水カートリッジ内に洗浄剤を投入する薬剤投入口を設けた浄水装置の洗浄方法において、浄水装置から分離膜式浄水カートリッジを脱離し、薬剤投入口から酸化剤を含む洗浄剤を含有する洗浄液を分離膜式浄水カートリッジ内に投入して分離膜表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジから排水することを特徴とする浄水装置の洗浄方法。
- 原水流入口と、浄水流出口と、原水流入口と浄水流出口との間の流路に着脱自在に配設され、内部に分離膜を有する分離膜式浄水カートリッジとを具備し、分離膜式浄水カートリッジに、分離膜式浄水カートリッジ内に洗浄剤を投入する薬剤投入口を設けた浄水装置の洗浄方法において、浄水装置から分離膜式浄水カートリッジを脱離し、薬剤投入口から酸化剤を含む洗浄剤とこの洗浄剤の溶媒を分離膜式浄水カートリッジ内に投入して分離膜表面の付着堆積物と洗浄剤とを反応させた後、洗浄液を分離膜式浄水カートリッジから排水することを特徴とする浄水装置の洗浄方法。
- 酸化剤として、塩素系酸化剤及び酸素系酸化剤から選択される少なくとも一種以上のものを用いて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浄水装置の洗浄方法。
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