JP3635901B2 - 前方散乱光受光光学系及びその製造方法 - Google Patents

前方散乱光受光光学系及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、微粒子計測装置や微粒子カウント式濁度計などに用いられる前方散乱光受光光学系及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微粒子計測装置や微粒子カウント式濁度計などの測定方式には、大きく分けて光遮断方式と光散乱方式とがある。
光遮断方式は、試料に向けて光源から照射された光ビームの通過光量を試料の後方に設置した受光素子で電気信号に変換し、微粒子によって光ビームが遮断されたことに伴って受光素子の出力信号に現れるパルス信号をカウンタによって数える。パルスの波高値は微粒子の粒径に対応するので、指定粒径毎にしきい値を設けておけば、粒径区分毎の微粒子個数濃度を測定することができる。
【0003】
このような光遮断方式は、粒径が1μm 以下の粒子に対する感度が小さいという欠点をもっているが、数十μm から数百μm という大きな粒子までの広い範囲にわたって測定することができ、光学系も比較的安価に作製することができるという長所をもっている。
一方、光散乱方式は、試料に向けて光源から照射された光ビームが微粒子によって散乱された散乱光のパルスを受光素子でパルス電気信号に変換し、カウンタによって計数する。この方式には、光源と試料とを結ぶ光軸に対してある一定の角度をもつ位置で散乱光をレンズ系によって集光し、その光量を電気信号に変換して計測する側方散乱光方式と、光軸上の試料の後方にビームストップ部材を配置して直接光を除外して前方散乱光のみをレンズ系によって集光し、その光量を電気信号に変換して計測する前方散乱光方式とがある。両者とも、観測領域外からの散乱光や迷光の影響を避けるために観測領域に対応するレンズ系の結像位置にピンホールが配置される。観測領域はこのピンホールの大きさ、受光素子の受光面積、それらの相互位置などによって規定される。この方式においても光遮断方式と同様に、指定粒径毎にしきい値を設けておけば、粒径区分毎の微粒子個数濃度を測定することができる。
【0004】
側方散乱光方式は、散乱光の光量が少ないため、光遮断方式に比べて出力の高い光源と高価な受光系を必要とするが、サブミクロン以下の粒子を計測できることが特長である。
これに対して、前方散乱光方式は、光源と試料とを結ぶ光軸が受光系の光軸と一致しており、観測領域外の、例えばフローセルと試料との境界などからの散乱光や迷光が発生し易く、測定可能な粒子径はサブミクロン程度が下限である。しかし、光ビームの光軸上に全ての部材が配置できるため、側方散乱光方式に比べて構造が単純になり、光学系の組立及び調整が簡単であり、安価となることが特長である。したがって、サブミクロン粒子から数μm までの粒子を計数する装置の場合には、前方散乱光方式が採用されることが多い。
【0005】
ここで、前方散乱光方式の構成と問題点などを更に詳しく説明する。
図5は、従来技術による前方散乱光方式の前方散乱光受光光学系の一例を示す構成図であり、本発明の出願人が出願している特願平9-54612 号に記載している濁度測定装置の前方散乱光受光光学系の構成図である。
光源1から照射された光ビーム2がフローセル3の試料流路31を流れる試料に照射されると、試料中に存在する微粒子が光ビーム2を散乱する。直進した光ビーム2はフローセル3の後方に配置されたビームストップ部材4のビームストップ部41に照射され、その光の大部分がそこで遮蔽される。試料中に存在する微粒子がピンホール部材6のピンホール61の大きさなどで規定される観測領域を通過すると、光ビーム2が散乱され、その散乱光がレンズ系5で集光されて、ピンホール61を通過し、受光素子7に到達してその光量に応じた電気信号に変換され、パルス信号として出力される。ピンホール61は観測領域以外からの散乱光や迷光を除去するために設けられている。その効果の詳細な説明は「課題を解決するための手段」の項で後述する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ビームストップ部材4は、図6に示すような形状をしており、他の構成部材と位置決めして組み立てるためのリング状の外周部と、中央部に照射される光ビーム2を吸収するために必要なビームストップ部411 と、それを保持するための保持部412 とで構成されている。図6(a)は、ビームストップ部と保持部とが同じ幅に形成されたビームストップ部兼保持部41を有するビームストップ部材4であり、微粒子からの散乱光のかなりの部分を保持部が遮断してしまうという欠点をもっている。(b)は散乱光の遮断を少なくするために保持部412 を細くしたビームストップ部材4aであり、散乱光の遮断が大幅に低減する。(c)は上下左右の対称性を改善するために十文字型の保持部412 を配したビームストップ部材4bである。
【0007】
このようなビームストップ部材4, 4a及び4bは、保持部の分だけ散乱光が遮断され、受光素子7が受光する光量がその分だけ低減する。更に、光学系の光軸とビームストップ部材4, 4a及び4bの中心とを正確に位置合わせすることが面倒であり、その調整工程に工数がかかる。
この調整工程を省略するために、レンズの中央に孔を穿ってビームストップ部411 に相当する円形の部材を埋め込む方法も実施されているが、穿孔加工のコストが高いという問題点をもっている。
【0008】
また、前方散乱光方式は迷光などが多く、受光素子7で観測される散乱光パルスのS/N比が側方散乱光方式のそれより小さい。図7はその例を示す信号波形図であり、サブミクロン以下の粒子の散乱光によるパルス7S1 はノイズ7S2 に比べて小さく、信号がノイズに埋もれてしまう。信号を大きくするために光ビーム2を強くすると、図8のように、迷光などによる直流成分7S3 が増加し、粒子からの散乱光によるパルス7S1aが飽和してしまうこともある。
【0009】
この発明の課題は、上述の問題点を解決して、S/N比が大きく、かつコストが安い前方散乱光受光光学系を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、試料流路を有する透明なフローセルと、試料流路の中央部に集光された光ビームを照射する光源と、フローセルの後方に配置され、かつ光ビームを遮光するビームストップ部を有して試料流路からの散乱光のみを通過させるビームストップ部材と、ビームストップ部材を通過した散乱光を集光するレンズ系と、光ビーム方向での試料流路の中央位置に対応するレンズ系の結像位置にピンホールを有するピンホール部材と、ピンホールを通過した散乱光の光量を計測する受光素子とを備えた前方散乱光受光光学系において、レンズ系が、最も光源側に配置されかつ平面側を光源側に向けている平凸レンズと、その後方に配置された2つのアクロマティックレンズとで構成され、平凸レンズの平面側の中央にビームストップ部のみのビームストッブ部材が接着されている(請求項1の発明)。
【0011】
ビームストップ部のみのビームストッブ部材を平凸レンズの平面側に接着することによって、加工工程、組立工程及び調整工程が簡単になり、信号となる散乱光を最大限に集光することができる。
請求項1の発明において、ビームストッブ部材が有底円筒形部材あるいは逆円錐状の凹みを有する円形の部材であり、その部材の底部が平凸レンズに接着されている(請求項2の発明)。
【0012】
光ビームを受ける部分に凹みを有するこのようなビームストッブ部材は、簡単な加工で作製でき、かつ迷光の原因となる光ビームの反射分を少なくする。
また、請求項1の発明において、ピンホール部材を正確に位置決めし、かつ受光素子の光軸を光路に合わせた状態で受光素子の位置を調節させるガイド部を有するピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダと、ピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダの光軸を光路に合わせた状態でピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダを挿入させ、かつピンホール部材のピンホール位置を正確に位置決めするガイド部を有し、かつレンズ位置を正確に位置決めするレンズホルダとを備えている(請求項3の発明)。
【0013】
このようなホルダは、光学系の組立作業を容易にし、組立精度を向上させ、かつ調整工程を容易にする。
更に、請求項1の発明において、ピンホールの大きさが、ピンホール部材上に形成される影で、試料流路のビームストップ部材側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさより小さく作製されており、受光素子の受光面上に形成される影で、試料流路の光源側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさが受光素子の受光面の大きさより大きくなるように、受光素子が位置決めされている(請求項4の発明)。
【0014】
上記のように、ピンホールの大きさを決め、受光素子の位置を調整することによって、受光素子の出力する信号の直流成分が大幅に低減する。
このように直流成分が大幅に低減することは、この発明の発明者が、従来技術による前方散乱光受光光学系、例えば図5に示すような光学系を検討した結果、直流成分7S3 の原因となる迷光などの大部分は、フローセルの試料に接触する壁面部分、すなわち図9に示した前方境界381 及び後方境界382 、で発生した散乱光に起因していることを究明したことに基づいている。これらの散乱光が受光素子に到達しないようにすることによって、直流成分7S3 を大幅に低減することができるのである。
【0015】
図9において、ピンホール位置6Pは、フローセル3の試料流路31の中央(以下ではセル中央と略称する)からの散乱光21の結像位置に設定されている。前方境界381 はセル中央よりレンズ系5から離れているから、前方境界381 で散乱された散乱光22はピンホール位置6Pよりレンズ系5側に結像し、ピンホール位置6Pでは拡がりつつある状態にある。一方、後方境界382 はセル中央よりレンズ系5に近いから、後方境界382 で散乱された散乱光23はピンホール位置6Pより後方に結像し、ピンホール位置6Pではまだ十分収束していない状態にある。
【0016】
図10はピンホール位置6Pにおけるこれらの散乱光の拡がり状態を示し、(a)は前方境界381 からの散乱光22の形状図、(b)はセル中央からの散乱光21の形状図、(c)は後方境界382 からの散乱光23の形状図である。なお、図中にはピンホールの外周62も示した。
なお、図10においては、散乱光22の内径221 すなわちビームストップ部41の影の直径と、散乱光23の内径231 すなわちビームストップ部41の影の直径とはほぼ同じに示されているが、実際には、散乱光23の内径231 の方が大きくなる。
【0017】
また、ピンホール位置6Pより後方にある受光素子の位置においては、散乱光22は更に拡がるが、散乱光23は収束して小さくなる。また、散乱光21は収束状態から拡がってくる。図11はこのような状態を示し、図10と同様に、(a)は散乱光22の形状図、(b)は散乱光21の形状図、(c)は散乱光23の形状図である。なお、図11はピンホール部材がない場合に相当する。
【0018】
図10及び図11から次の結論を導くことができる。
散乱光22の内径223 を受光素子の受光面の直径より大きくすれば散乱光22を受光素子が検出することを回避することができる。そのような状態は受光素子の位置を調節することによって実現可能である。すなわち、ピンホール部材と受光素子との距離を離していけば確実にこの条件を満たすことができる。
【0019】
しかし、散乱光23は、受光素子の受光面に近い位置で結像するので受光素子の受光面の大きさによってその検出を回避することはできない。したがって、散乱光23の検出を確実に回避するためには、ピンホールが必要であり、しかも、ピンホールの直径62を散乱光23の内径231 より小さくすることが必要になる。
図12は、上記の条件を満足するように設定した状態における受光素子の受光面における散乱光の拡がりを示し、(a)は散乱光22の形状図、(b)は散乱光21の形状図、(c)は散乱光23の形状図である。なお、図中には受光素子の受光面の外周71も示した。
【0020】
次には、請求項1に記載の前方散乱光受光光学系の製造方法としては、ビームストップ部材及び平凸レンズを位置決めする治具を用い、ビームストップ部材の底面を上に向けて治具にセットする工程と、ビームストップ部材の底面に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、平凸レンズの平面側を下にし、かつ平凸レンズを治具で位置決めして、紫外線硬化型接着剤を塗布されたビームストップ部材の底面上に平凸レンズを搭載する工程と、少なくとも平凸レンズの側からは紫外線を照射する工程とを有する製造方法とする(請求項5の発明)。
【0021】
治具を用い、かつ紫外線硬化型接着剤により接着することによって、ビームストップ部材を平凸レンズの平面側に正確に位置決めして、加熱せずに短時間に十分な強度で接着することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の特長は要約すると次の4点になる。
1) ビームストップ部のみのビームストップ部材を、レンズ系の最前部に配置した平凸レンズの平面側の中央部に接着していること。
2) ビームストップ部材付きレンズ系を収納するホルダと、ピンホール部材及び受光素子を収納するホルダとの2つのホルダを使い、両者の光軸を合わせて相互に挿入・組立可能とし、各部材を正確に位置合わせして容易に組立調整できる構造としていること。
【0023】
3) 受光素子が試料流路の前方壁面及び後方壁面からの散乱光を受光することを回避するために、ピンホールの大きさを制限し、受光素子の位置を調節すること。
4) ビームストップ部材を平凸レンズの平面側の中央部に接着する方法として、接着剤には紫外線硬化型接着剤を使用し、ビームストップ部材と平凸レンズとを正確に位置合わせする治具を用い、室温で短時間に正確かつ確実に接着する方法を採用すること。
【0024】
以下に、実施例を用いてこの発明を説明する。なお、従来技術と同じ機能を有する部分については同じ符号を用いた。
〔第1の実施例〕
図1はこの発明による前方散乱光受光光学系の実施例の要部の構造を示す断面図である。
【0025】
基本的な構成は従来例を示した図5と同じであるので、従来例と異なる点を中心にして説明する。
ビームストップ部材4cは、従来例の場合のビームストップ部のみに相当し、反射を少なくするために表面を黒色アルマイト処理されたアルミからなり、光ビームを遮蔽して散乱光のみがレンズ系に届くような大きさに設定されている。しかし、この大きさが大きくなるほどレンズ系で集光される散乱光が少なくなるので、その大きさは必要最小限度に止められている。このビームストップ部材4cはレンズ系の最前部に配置される平凸レンズ52の平面側の中央部に接着剤42、例えば紫外線硬化型接着剤、によって接着されている。図2はビームストップ部材と平凸レンズ52とを接着した状態を示すもので、(a)は底有円筒形のビームストップ部材4cの場合を示す平面図、(b)はその側面図、(c)は逆円錐形の凹みを有する円形のビームストップ部材4dの場合を示す平面図、(d)はその側面図である。ビームストップ部材4c及び4dの前面に凹みが形成されているのは、光ビームの反射をできるだけ少なくして迷光の要因となる反射光を少なくするためである。ビームストップ部材4cあるいは4dの接着には、その位置精度を確保するために、ビームストップ部材4cあるいは4dと平凸レンズ52とが位置決めできる治具を使用し、接着剤42として紫外線硬化型接着剤を用い、両者を位置決めして接着剤を介して接触させた状態で平凸レンズ52側から紫外線を照射して接着剤42を硬化させる。この作業は常温で実施できるので位置合わせ及び紫外線照射のための治具は常温仕様のものでよい。なお、接着をより完全にするために、ビームストップ部材側からも紫外線を照射することは有効である。
【0026】
ビームストップ部材4cが接着された平凸レンズ52及び2つのアクロマティックレンズは、レンズホルダ51に正確に位置決めされて保持されている。すなわち、平凸レンズ52はレンズホルダ51の左側から嵌め込まれてレンズ押えA56によって固定されている。レンズホルダ51の右側からは、まずアクロマティックレンズA53が嵌め込まれ、次いでスペーサ55が挿入され、アクロマティックレンズB54が嵌め込まれ、最後にレンズ押えB57が挿入されてレンズ系が完成する。このレンズホルダ51には、後述するピンホールホルダ兼受光素子ホルダ67がレンズホルダ51の光軸と光軸を一致させた状態で挿入される円筒状のガイド部が形成されている。
【0027】
ピンホールホルダ兼受光素子ホルダ67には、図9のセル中央からの散乱光21の結像位置に相当するピンホール位置6Pにピンホール部材6が固定されており、その後方には、受光素子7がレンズホルダ51の光軸と一致する光軸上を移動できるように形成された円筒状のガイド部に挿入されている。受光素子7は図12(a)の状態が確保できる位置に調節されて固定されている。
【0028】
なお、ピンホール部材6のピンホールの大きさは、試料流路の後方壁面からの散乱光23を完全に遮蔽する大きさ、すなわちピンホール位置における散乱光23の内径231 より小さい大きさ、に設定されている。しかし、観測領域からの散乱光をできるだけ多くするために、ピンホール位置における散乱光22の内径221 よりは大きく設定されている。散乱光22の一部がピンホールを通過しても、前述したように、受光素子7の位置を調節することによって散乱光22が受光素子7に受光されないようにすることができるからである。
【0029】
〔第2の実施例〕
この実施例は、ビームストップ部材4cの位置決め接着方法に関するものであり、レンズ系がレンズホルダ51に組み込まれた後でビームストップ部材4cを接着する方法を示すものである。
図3はこの方法に使用するビームストップ部材固定用治具9の外観を示す斜視図である。治具9の上部の凹みはレンズホルダ51を挿入するためのガイド部であり、その底面の中央部にビームストップ部材4cをセットするビームストップ部材設置部91が円形の凹みとして形成されている。この設置部91に底面を上に向けてビームストップ部材4cを挿入し、ディスペンサで紫外線硬化型接着剤をビームストップ部材4cの底面に塗布する。次いで、平凸レンズ52を下にしてレンズホルダ51を、治具9の上部の凹みに挿入し、図4に示したように、ビームストップ部材4c上に平凸レンズ52を接着剤を介して重ね合わせる。この状態で上面からレンズ系を通して紫外線92を照射し、接着剤を硬化させてビームストップ部材4cを平凸レンズ52の平面側の中央部に接着する。
【0030】
この接着方法はビームストップ部材4dの場合にも全く同様に実施できる。また、レンズホルダ51に平凸レンズ52のみを固定した状態で実施することもできる。更に、上部の凹みの内径を平凸レンズ52の外径に合わせれば、レンズホルダなしで平凸レンズ52にビームストップ部材4cあるいは4dを接着することもできる。
【0031】
【発明の効果】
この発明によれば、試料流路を有する透明なフローセルと、試料流路の中央部に集光された光ビームを照射する光源と、フローセルの後方に配置され、かつ光ビームを遮光するビームストップ部を有して試料流路からの散乱光のみを通過させるビームストップ部材と、ビームストップ部材を通過した散乱光を集光するレンズ系と、光ビーム方向での試料流路の中央位置に対応するレンズ系の結像位置にピンホールを有するピンホール部材と、ピンホールを通過した散乱光の光量を計測する受光素子とを備えた前方散乱光受光光学系において、レンズ系が、最も光源側に配置されかつ平面側を光源側に向けている平凸レンズと、その後方に配置された2つのアクロマティックレンズとで構成され、平凸レンズの平面側の中央にビームストップ部のみのビームストッブ部材が接着されているので、加工工程、組立工程及び調整工程が簡単になり、信号となる散乱光を最大限に集光することができる。したがって、S/N比が大きく、コストが安い前方散乱光受光光学系を提供することができる(請求項1の発明)。
【0032】
請求項1の発明において、ビームストッブ部材が有底円筒形部材あるいは逆円錐状の凹みを有する円形の部材であり、その部材の底部が平凸レンズに接着されているので、ビームストッブ部材は、簡単な加工で作製でき、かつ迷光の原因となる光ビームを反射分を少なくする。したがって、よりS/N比が大きい前方散乱光受光光学系を提供することができる(請求項2の発明)。
【0033】
また、請求項1の発明において、ピンホール部材を正確に位置決めし、かつ受光素子の光軸を光路に合わせた状態で受光素子の位置を調節させるガイド部を有するピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダと、ピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダの光軸を光路に合わせた状態でピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダを挿入させ、かつピンホール部材のピンホール位置を正確に位置決めするガイド部を有し、かつレンズ位置を正確に位置決めするレンズホルダとを備えているので、光学系の組立作業が容易になり、組立精度が向上し、かつ調整工程も容易になる。したがって、S/N比がより大きく、コストがより安い前方散乱光受光光学系を提供することができる(請求項3の発明)。
【0034】
更に、請求項1の発明において、ピンホールの大きさが、ピンホール部材上に形成される影で、試料流路のビームストップ部材側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさより小さく作製されており、受光素子の受光面上に形成される影で、試料流路の光源側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさが、受光素子の受光面の大きさより大きくなるように、受光素子が位置決めされているので、受光素子の出力する信号の直流成分を大幅に低減することができる。したがって、S/N比が更に優れた前方散乱光受光光学系を提供することができる(請求項4の発明)。
【0035】
請求項1に記載の前方散乱光受光光学系の製造方法としては、ビームストップ部材及び平凸レンズを位置決めする治具を用い、ビームストップ部材の底面を上に向けて治具にセットする工程と、ビームストップ部材の底面に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、平凸レンズの平面側を下にし、かつ平凸レンズを治具で位置決めして、紫外線硬化型接着剤を塗布されたビームストップ部材の底面上に平凸レンズを搭載する工程と、少なくとも平凸レンズの側からは紫外線を照射する工程とを有する製造方法とするので、ビームストップ部材を平凸レンズの平面側に正確に位置決めして、加熱せずに短時間に十分な強度で接着することができる。したがって、治具としては常温仕様の安価な治具が使用でき、作業時間も短くて済むので、製作コストが安くなる(請求項5の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による前方散乱光受光光学系の実施例の要部の構造を示す断面図
【図2】実施例におけるビームストップ部材の形状例を示し、(a)は有底円筒形部材を平凸レンズに接着した状態を示す平面図、(b)はその側面図、(c)は逆円錐状の凹みを有する円形部材の場合の平面図、(d)はその側面図
【図3】この発明による前方散乱光受光光学系の製造方法に用いる治具の実施例を示す斜視図
【図4】前方散乱光受光光学系の製造方法の実施例を示す側面図
【図5】従来技術による前方散乱光受光光学系の一例を示す構成図
【図6】従来のビームストップ部材の例を示し、(a)はビームストップ部と保持部が同じ幅の場合を示す平面図、(b)は幅の異なる例を示す平面図、(c)は十文字の保持部を有する例を示す平面図
【図7】ノイズの大きい信号波形図
【図8】粒子からの散乱光の信号が飽和した信号波形図
【図9】散乱光の発生位置による散乱光の拡がり状態を示す説明図
【図10】ピンホール位置における散乱光の拡がりを示し、(a)は前方境界からの散乱光の形状図、(b)はセル中央からの散乱光の形状図、(c)は後方境界からの散乱光の形状図
【図11】ピンホールがない状態における受光素子の受光面における散乱光の拡がりを示し、(a)は前方境界からの散乱光の形状図、(b)はセル中央からの散乱光の形状図、(c)は後方境界からの散乱光の形状図
【図12】ピンホールが有る状態における受光素子の受光面における散乱光の拡がりを示し、(a)は前方境界からの散乱光の形状図、(b)はセル中央からの散乱光の形状図、(c)は後方境界からの散乱光の形状図
【符号の説明】
1 光源
2 光ビーム
21 セル中央からの散乱光
212, 214, 214a 散乱光21の外径
22 前方境界からの散乱光
221, 223, 223a 散乱光22の内径
23 後方境界からの散乱光
231 散乱光23の内径
3 フローセル
31 試料流路
381 前方境界 382 後方境界
4, 4a, 4b, 4c, 4d ビームストップ部材
41 ビームストップ部(兼保持部)
411 ビームストップ部 412 保持部
42 接着剤
5 レンズ系
51 レンズホルダ 52 平凸レンズ
53 アクロマティックレンズA
54 アクロマティックレンズB
55 スペーサ 56 レンズ押えA
57 レンズ押えB
6 ピンホール部材
61 ピンホール 6P ピンホール位置
62 ピンホールの外径
67 ピンホールホルダ兼受光素子ホルダ
7 受光素子
7S, 7Sa 信号波形
7S1, 7S1a 散乱光によるパルス
7S2 ノイズ 7S3 迷光による直流成分
71 受光面の外周
8 試料
9 ビームストップ部材固定用治具
91 ビームストップ部材設置部
92 紫外線

Claims (5)

  1. 試料流路を有する透明なフローセルと、試料流路の中央部に集光された光ビームを照射する光源と、フローセルの後方に配置され、かつ光ビームを遮光するビームストップ部を有して試料流路からの散乱光のみを通過させるビームストップ部材と、ビームストップ部材を通過した散乱光を集光するレンズ系と、光ビーム方向での試料流路の中央位置に対応するレンズ系の結像位置にピンホールを有するピンホール部材と、ピンホールを通過した散乱光の光量を計測する受光素子とを備えた前方散乱光受光光学系において、
    レンズ系が、最も光源側に配置されかつ平面側を光源側に向けている平凸レンズと、その後方に配置された2つのアクロマティックレンズとで構成され、
    平凸レンズの平面側の中央にビームストップ部のみのビームストップ部材が接着されている
    ことを特徴とする前方散乱光受光光学系。
  2. ビームストップ部材が有底円筒形部材あるいは逆円錐状の凹みを有する円形の部材であり、その部材の底部が平凸レンズに接着されていることを特徴とする請求項1に記載の前方散乱光受光光学系。
  3. ピンホール部材を正確に位置決めし、かつ受光素子の光軸を光路に合わせた状態で受光素子の位置を調節させるガイド部を有するピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダと、
    ピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダの光軸を光路に合わせた状態でピンホール部材ホルダ兼受光素子ホルダを挿入させ、かつピンホール部材のピンホール位置を正確に位置決めするガイド部を有し、かつレンズ位置を正確に位置決めするレンズホルダと
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の前方散乱光受光光学系。
  4. ピンホールの大きさが、ピンホール部材上に形成される影で、試料流路のビームストップ部材側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさより小さく作製されており、
    受光素子の受光面上に形成される影で、試料流路の光源側の壁面からの散乱光によるビームストップ部の影の大きさが受光素子の受光面の大きさより大きくなるように、受光素子が位置決めされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の前方散乱光受光光学系。
  5. 請求項1に記載の前方散乱光受光光学系の製造方法であって、
    ビームストップ部材及び平凸レンズを位置決めする治具を用い、
    ビームストップ部材の底面を上に向けて治具にセットする工程と、
    ビームストップ部材の底面に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、
    平凸レンズの平面側を下にし、かつ平凸レンズを治具で位置決めして、紫外線硬化型接着剤を塗布されたビームストップ部材の底面上に平凸レンズを搭載する工程と、
    少なくとも平凸レンズの側からは紫外線を照射する工程と
    を有することを特徴とする前方散乱光受光光学系の製造方法。
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