JP3635478B2 - 偶数気筒用電気火花点火装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば自動車用ガソリンエンジンの偶数気筒の点火をするための偶数気筒用電気火花点火装置、特にそのイグニッションコイルの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。この電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は本発明者が平成7年8月1日に出願したものと類似の技術である。
図において、二気筒を同時に点火させる偶数気筒用電気火花点火装置は点火用の電源1とイグニッションコイル駆動回路2と三つのイグニッションコイルと各イグニッションコイルの両端に設けられた二組の点火プラグと(図示省略)とで構成されている。
偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路2はスイッチング素子であるトランジスタQ1〜トランジスタQ12並びにダイオードD1〜ダイオードD6で構成されている。
【0003】
トランジスタQ1〜トランジスタQ6はPNP形パワートランジスタで、トランジスタQ7〜トランジスタQ12はNPN形パワートランジスタである。トランジスタQ1〜トランジスタQ12のベースは制御電圧が印加される入力端子IN1〜入力端子IN12にそれぞれ接続されている。トランジスタQ1〜トランジスタQ6のエミッタは電源1にそれぞれ接続され、トランジスタQ7〜トランジスタQ12のエミッタはそれぞれ接地されている。
【0004】
トランジスタQ1〜トランジスタQ3のコレクタはダイオードD1〜ダイオードD3のアノードにそれぞれ接続され、ダイオードD1〜ダイオードD3のカソードはトランジスタQ7〜トランジスタQ9のコレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタQ4〜トランジスタQ6のコレクタはダイオードD4〜ダイオードD6のアノードにそれぞれ接続され、ダイオードD4〜ダイオードD6のカソードはトランジスタQ10〜トランジスタQ12のコレクタにそれぞれ接続されている。
【0005】
ダイオードD1のカソードとダイオードD6のカソードは第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を介して接続されている。ダイオードD2のカソードとダイオードD5のカソードは第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を介して接続されている。ダイオードD3のカソードとダイオードD4のカソードは第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を介して接続されている。なお、図示しないが、第1〜第3の各イグニッションコイルの二次巻線の両端にはそれぞれ点火プラグが接続されている。
【0006】
このイグニッションコイル駆動回路は二気筒を同時に点火させる6気筒の偶数気筒用電気火花点火装置に用いられるもので、各イグニッションコイルに交互に逆向きの電流を流し、常に燃焼する側に負の電圧を発生させようとするもので、3つのイグニッションコイルに対してそれぞれ独立したHブリッヂ回路で構成されている。また、ダイオードD1〜ダイオードD6を加えることで、トランジスタQ1〜トランジスタQ6を保護し、各イグニッションコイルに大きな起電力が得られるようにしたものである。
【0007】
従来の偶数気筒用電気火花点火装置は上記のように構成され、例えば、入力端子IN1と入力端子IN10に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ10をオンさせると、電流はトランジスタQ1からダイオードD1、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ10の方向に流れる。そこで、トランジスタQ1よりトランジスタQ10をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ4方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0008】
次に、入力端子IN2と入力端子IN11に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ11をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD2、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ11の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ11をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0009】
更に、入力端子IN3と入力端子IN12に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ3とトランジスタQ12をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ3からダイオードD3、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ12の方向に流れ、トランジスタQ3よりトランジスタQ12をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0010】
また、入力端子IN4と入力端子IN7に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ4とトランジスタQ7をオンさせると、電流はトランジスタQ4からダイオードD6、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ7の方向に流れる。そこで、トランジスタQ4よりトランジスタQ7をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ1方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に上記とは逆方向の高電圧が発生し、接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0011】
更に、入力端子IN5と入力端子IN8に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ5とトランジスタQ8をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ5からダイオードD5、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ8の方向に流れ、トランジスタQ5よりトランジスタQ8をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0012】
また更に、入力端子IN6と入力端子IN9に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ6とトランジスタQ9をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ6からダイオードD4、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ9の方向に流れ、トランジスタQ6よりトランジスタQ9をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は、1つのイグニッションコイルの一次巻線に正方向の電流と逆方向の電流を流すため、例えば第1のイグニッションコイルに対してトランジスタQ1、トランジスタQ4、トランジスタQ7及びトランジスタQ10という4個のトランジスタが必要であり、第1から第3までの3つのイグニッションコイルがあるときには、トランジスタは12個必要となり、比較的高価なパワートランジスタを数多く使用しており、装置の価格が高くなるという問題点があり、特に気筒数の多いエンジンに使用するものではこの問題が顕著であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は、電源に一端がそれぞれ接続された制御電圧によって駆動される第1及び第2のスイッチ手段と、第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第3のスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第4のスイッチ手段と、第1のイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と第3のスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と第4のスイッチ手段との接続点とを備え、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備えてなるものである。
【0015】
本発明においては、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備え、第1のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせ及び第2のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせにより、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線に流れる電流を急激に変化させることができるので、二気筒以上の偶数気筒のエンジンに使用させるため、イグニッションコイルを追加する場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えと、それに対して2個のスイッチ手段を増やせば済むこととなった。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
(構成)
図1は本発明の実施形態1に係る偶数気筒用気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
図において、偶数気筒用電気火花点火装置は点火用の電源1とイグニッションコイル駆動回路2と3つのイグニッションコイルと各イグニッションコイルの両端に設けられた二組の点火プラグとを有する点火装置(図示省略)とで構成されている。
イグニッションコイル駆動回路2はスイッチング素子であるトランジスタQ1〜トランジスタQ8並びにダイオードD1〜ダイオードD6で構成されている。
【0017】
トランジスタQ1及びトランジスタQ2はPNP形パワートランジスタで、トランジスタQ3〜トランジスタQ8はNPN形パワートランジスタである。トランジスタQ1〜トランジスタQ8のベースは制御電圧が印加される入力端子IN1〜入力端子IN8にそれぞれ接続されている。トランジスタQ1及びトランジスタQ2のエミッタは電源1にそれぞれ接続され、トランジスタQ3〜トランジスタQ8のエミッタはそれぞれ接地されている。
【0018】
第1のスイッチ手段であるトランジスタQ1のコレクタはダイオードD1,D2,D3のアノードに、第2のスイッチ手段であるトランジスタQ2のコレクタはダイオードD4,D5,D6のアノードにそれぞれ接続されている。ダイオードD1のカソードは第3のスイッチ手段であるトランジスタQ3のコレクタに接続され、ダイオードD2のカソードはトランジスタQ4のコレクタに接続され、ダイオードD3のカソードはトランジスタQ5のコレクタに接続されている。
また、ダイオードD4のカソードはトランジスタQ8のコレクタに接続され、ダイオードD5のカソードはトランジスタQ7のコレクタに接続され、ダイオードD6のカソードは第4のスイッチ手段であるトランジスタQ6のコレクタに接続されている。
【0019】
ダイオードD1のカソードとダイオードD6のカソードは第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を介して接続されている。ダイオードD2のカソードとダイオードD5のカソードは第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を介して接続されている。ダイオードD3のカソードとダイオードD4のカソードは第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を介して接続されている。なお、図示しないが、第1〜第3の各イグニッションコイルの二次巻線の両端にはそれぞれ点火プラグが接続されている。
【0020】
(動作)
次に、上記実施形態の動作を図1を参照しながら説明する。
まず、入力端子IN1と入力端子IN6に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ6をオンさせると、電流はトランジスタQ1からダイオードD1、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ6の方向に流れる。そこで、トランジスタQ1よりトランジスタQ6をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ2方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0021】
次に、同じく入力端子IN1と入力端子IN7に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ7をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ1からダイオードD2、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ7の方向に流れ、トランジスタQ1よりトランジスタQ7をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0022】
更に、同じく入力端子IN1と入力端子IN8に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ8をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ1からダイオードD3、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ8の方向に流れ、トランジスタQ1よりトランジスタQ8をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0023】
また、入力端子IN2と入力端子IN3に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ3をオンさせると、電流はトランジスタQ2からダイオードD6、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ3の方向に流れる。そこで、トランジスタQ2よりトランジスタQ3をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ1方向に流れ込もうとするが、ダイオードD1は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に上記とは逆方向の高電圧が発生し、接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0024】
更に、同じく入力端子IN2と入力端子IN4に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ4をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD5、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ4の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ4をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0025】
また更に、同じく入力端子IN2と入力端子IN5に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ5をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD4、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ5の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ5をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0026】
上記のようにトランジスタQ1とトランジスタQ6、トランジスタQ7又はトランジスタQ8のオン・オフの組み合わせ、並びにトランジスタQ2とトランジスタQ3、トランジスタQ4又はトランジスタQ5のオン・オフの組み合わせにより、点火を繰り返し行う。
ただし、各負荷の駆動回路は完全に独立していないので、2個以上の負荷である例えば第1と第2のイグニッションコイルの一次巻線L1、L2を同時に駆動することはできない。
【0027】
なお、トランジスタQ1又はトランジスタQ2にコレクタ側から電流が流れ込むのを阻止し、トランジスタQ1又はトランジスタQ2を破壊するのを防いだり、その際にイグニッションコイルにより大きな起電力を発生させるために設けられたダイオードD1〜ダイオードD6は、トランジスタQ3〜トランジスタQ8のコレクタ−エミッタ間耐圧よりも高い耐圧となっている。
上記実施形態では、バイポーラトランジスタによるイグニッションコイル駆動回路を示したが、本発明ではこれに限定されることなくMOSFET等の半導体スイッチを用いて回路を構成してもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、トランジスタQ1とトランジスタQ6、トランジスタQ7又はトランジスタQ8のオン・オフの組み合わせおいて、トランジスタQ6〜トランジスタQ8を先にオフしたが、トランジスタQ1とトランジスタQ6〜トランジスタQ8を同時にオフするようにしてもよく、トランジスタQ2とトランジスタQ3、トランジスタQ5又はトランジスタQ6のオン・オフの組み合わせおいて、トランジスタQ3〜トランジスタQ6を先にオフしたが、トランジスタQ1とトランジスタQ3〜トランジスタQ6を同時にオフするようにしてもよい。
【0029】
(効果)
以上のように、例えば1個のイグニッションコイルが追加接続されるときには、トランジスタQ1のコレクタに、コレクタが直列に接続されてエミッタが接地される追加された1個のトランジスタQ4と、第2のトランジスタQ2のコレクタに、コレクタが直列に接続されてエミッタが接地される追加された1個のトランジスタQ7と、追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2の両端が接続されるトランジスタQ1と該トランジスタQ1に追加されたトランジスタQ4との接続点及びトランジスタQ2と該トランジスタQ2に追加されたトランジスタQ7との接続点とを備え、トランジスタQ1と追加されたトランジスタQ7とのオン・オフの組み合わせ及びトランジスタQ2と追加されたトランジスタQ4とのオン・オフの組み合わせにより、追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2に流れる電流を急激に変化させることができるので、例えば二気筒から四気筒のエンジンに気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路を使用した場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えるとそれに対し、2個のトランジスタQ3、Q7を増やせば済み、従来の4個のトランジスタを増やす必要があったのに比べて2個削減でき、製作費の大幅なコストダウンが図れる。
なお、この実施形態のように2つのイグニッションコイルが追加されたときには、4個のトランジスタQ4、Q5、Q7、Q8を増やせば足りる。
【0030】
また、トランジスタQ1とイグニッションコイルの一次巻線L1との間、トランジスタQ2とイグニッションコイルの一次巻線L1との間、トランジスタQ1と追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2、L3との間及びトランジスタQ2と追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2、L3との間にそれぞれイグニッションコイル側をカソードにして挿入されたダイオードD1〜D6を備え、トランジスタQ1と組み合わせられたトランジスタQ6、Q7又はQ8をトランジスタQ1よりわずかだけ早くオフしたときにイグニッションコイルの一次巻線L1、L2又はL3に流れている電流がトランジスタQ2に流れ込むの阻止し、トランジスタQ2と組み合わせられたトランジスタQ3、Q4又はQ5をトランジスタQ2よりわずかだけ早くオフしたときにイグニッションコイルの一次巻線L1、L2又はL3に流れている電流がトランジスタQ1に流れ込むのを阻止するようにしたので、トランジスタQ1及びトランジスタQ2を保護し、各イグニッションコイルに大きな起電力を生じさせることができるという効果を有する。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備え、第1のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせ及び第2のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせにより、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線に流れる電流を急激に変化させることができるので、二気筒以上の偶数気筒のエンジンに使用させるため、イグニッションコイルを追加する場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えとそれに対し、2個のスイッチ手段を増やせば済み、従来の4個のスイッチ手段を増やす必要があったのに比べて2個削減でき、製作費の大幅なコストダウンが図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
【図2】従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
【符号の説明】
1 電源
2 イグニッションコイル駆動回路
Q1〜Q8 トランジスタ
D1〜D6 ダイオード(スイッチ手段)
IN1〜IN8 入力端子
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば自動車用ガソリンエンジンの偶数気筒の点火をするための偶数気筒用電気火花点火装置、特にそのイグニッションコイルの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。この電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は本発明者が平成7年8月1日に出願したものと類似の技術である。
図において、二気筒を同時に点火させる偶数気筒用電気火花点火装置は点火用の電源1とイグニッションコイル駆動回路2と三つのイグニッションコイルと各イグニッションコイルの両端に設けられた二組の点火プラグと(図示省略)とで構成されている。
偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路2はスイッチング素子であるトランジスタQ1〜トランジスタQ12並びにダイオードD1〜ダイオードD6で構成されている。
【0003】
トランジスタQ1〜トランジスタQ6はPNP形パワートランジスタで、トランジスタQ7〜トランジスタQ12はNPN形パワートランジスタである。トランジスタQ1〜トランジスタQ12のベースは制御電圧が印加される入力端子IN1〜入力端子IN12にそれぞれ接続されている。トランジスタQ1〜トランジスタQ6のエミッタは電源1にそれぞれ接続され、トランジスタQ7〜トランジスタQ12のエミッタはそれぞれ接地されている。
【0004】
トランジスタQ1〜トランジスタQ3のコレクタはダイオードD1〜ダイオードD3のアノードにそれぞれ接続され、ダイオードD1〜ダイオードD3のカソードはトランジスタQ7〜トランジスタQ9のコレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタQ4〜トランジスタQ6のコレクタはダイオードD4〜ダイオードD6のアノードにそれぞれ接続され、ダイオードD4〜ダイオードD6のカソードはトランジスタQ10〜トランジスタQ12のコレクタにそれぞれ接続されている。
【0005】
ダイオードD1のカソードとダイオードD6のカソードは第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を介して接続されている。ダイオードD2のカソードとダイオードD5のカソードは第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を介して接続されている。ダイオードD3のカソードとダイオードD4のカソードは第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を介して接続されている。なお、図示しないが、第1〜第3の各イグニッションコイルの二次巻線の両端にはそれぞれ点火プラグが接続されている。
【0006】
このイグニッションコイル駆動回路は二気筒を同時に点火させる6気筒の偶数気筒用電気火花点火装置に用いられるもので、各イグニッションコイルに交互に逆向きの電流を流し、常に燃焼する側に負の電圧を発生させようとするもので、3つのイグニッションコイルに対してそれぞれ独立したHブリッヂ回路で構成されている。また、ダイオードD1〜ダイオードD6を加えることで、トランジスタQ1〜トランジスタQ6を保護し、各イグニッションコイルに大きな起電力が得られるようにしたものである。
【0007】
従来の偶数気筒用電気火花点火装置は上記のように構成され、例えば、入力端子IN1と入力端子IN10に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ10をオンさせると、電流はトランジスタQ1からダイオードD1、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ10の方向に流れる。そこで、トランジスタQ1よりトランジスタQ10をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ4方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0008】
次に、入力端子IN2と入力端子IN11に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ11をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD2、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ11の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ11をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0009】
更に、入力端子IN3と入力端子IN12に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ3とトランジスタQ12をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ3からダイオードD3、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ12の方向に流れ、トランジスタQ3よりトランジスタQ12をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0010】
また、入力端子IN4と入力端子IN7に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ4とトランジスタQ7をオンさせると、電流はトランジスタQ4からダイオードD6、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ7の方向に流れる。そこで、トランジスタQ4よりトランジスタQ7をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ1方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に上記とは逆方向の高電圧が発生し、接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0011】
更に、入力端子IN5と入力端子IN8に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ5とトランジスタQ8をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ5からダイオードD5、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ8の方向に流れ、トランジスタQ5よりトランジスタQ8をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0012】
また更に、入力端子IN6と入力端子IN9に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ6とトランジスタQ9をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ6からダイオードD4、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ9の方向に流れ、トランジスタQ6よりトランジスタQ9をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は、1つのイグニッションコイルの一次巻線に正方向の電流と逆方向の電流を流すため、例えば第1のイグニッションコイルに対してトランジスタQ1、トランジスタQ4、トランジスタQ7及びトランジスタQ10という4個のトランジスタが必要であり、第1から第3までの3つのイグニッションコイルがあるときには、トランジスタは12個必要となり、比較的高価なパワートランジスタを数多く使用しており、装置の価格が高くなるという問題点があり、特に気筒数の多いエンジンに使用するものではこの問題が顕著であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路は、電源に一端がそれぞれ接続された制御電圧によって駆動される第1及び第2のスイッチ手段と、第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第3のスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第4のスイッチ手段と、第1のイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と第3のスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と第4のスイッチ手段との接続点とを備え、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備えてなるものである。
【0015】
本発明においては、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備え、第1のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせ及び第2のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせにより、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線に流れる電流を急激に変化させることができるので、二気筒以上の偶数気筒のエンジンに使用させるため、イグニッションコイルを追加する場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えと、それに対して2個のスイッチ手段を増やせば済むこととなった。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
(構成)
図1は本発明の実施形態1に係る偶数気筒用気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
図において、偶数気筒用電気火花点火装置は点火用の電源1とイグニッションコイル駆動回路2と3つのイグニッションコイルと各イグニッションコイルの両端に設けられた二組の点火プラグとを有する点火装置(図示省略)とで構成されている。
イグニッションコイル駆動回路2はスイッチング素子であるトランジスタQ1〜トランジスタQ8並びにダイオードD1〜ダイオードD6で構成されている。
【0017】
トランジスタQ1及びトランジスタQ2はPNP形パワートランジスタで、トランジスタQ3〜トランジスタQ8はNPN形パワートランジスタである。トランジスタQ1〜トランジスタQ8のベースは制御電圧が印加される入力端子IN1〜入力端子IN8にそれぞれ接続されている。トランジスタQ1及びトランジスタQ2のエミッタは電源1にそれぞれ接続され、トランジスタQ3〜トランジスタQ8のエミッタはそれぞれ接地されている。
【0018】
第1のスイッチ手段であるトランジスタQ1のコレクタはダイオードD1,D2,D3のアノードに、第2のスイッチ手段であるトランジスタQ2のコレクタはダイオードD4,D5,D6のアノードにそれぞれ接続されている。ダイオードD1のカソードは第3のスイッチ手段であるトランジスタQ3のコレクタに接続され、ダイオードD2のカソードはトランジスタQ4のコレクタに接続され、ダイオードD3のカソードはトランジスタQ5のコレクタに接続されている。
また、ダイオードD4のカソードはトランジスタQ8のコレクタに接続され、ダイオードD5のカソードはトランジスタQ7のコレクタに接続され、ダイオードD6のカソードは第4のスイッチ手段であるトランジスタQ6のコレクタに接続されている。
【0019】
ダイオードD1のカソードとダイオードD6のカソードは第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を介して接続されている。ダイオードD2のカソードとダイオードD5のカソードは第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を介して接続されている。ダイオードD3のカソードとダイオードD4のカソードは第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を介して接続されている。なお、図示しないが、第1〜第3の各イグニッションコイルの二次巻線の両端にはそれぞれ点火プラグが接続されている。
【0020】
(動作)
次に、上記実施形態の動作を図1を参照しながら説明する。
まず、入力端子IN1と入力端子IN6に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ6をオンさせると、電流はトランジスタQ1からダイオードD1、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ6の方向に流れる。そこで、トランジスタQ1よりトランジスタQ6をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ2方向に流れ込もうとするが、ダイオードD6は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0021】
次に、同じく入力端子IN1と入力端子IN7に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ7をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ1からダイオードD2、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ7の方向に流れ、トランジスタQ1よりトランジスタQ7をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0022】
更に、同じく入力端子IN1と入力端子IN8に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ1とトランジスタQ8をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ1からダイオードD3、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ8の方向に流れ、トランジスタQ1よりトランジスタQ8をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに負の高電圧、また他方の点火プラグに正の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0023】
また、入力端子IN2と入力端子IN3に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ3をオンさせると、電流はトランジスタQ2からダイオードD6、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1を通ってトランジスタQ3の方向に流れる。そこで、トランジスタQ2よりトランジスタQ3をわずかだけ早くオフすると、イグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流がトランジスタQ1方向に流れ込もうとするが、ダイオードD1は電流の向きが逆方向であるので、そのような電流の流れ込みは阻止される。
従って、第1のイグニッションコイルの一次巻線L1に流れている電流が急激に変化するので、第1のイグニッションコイルの二次巻線に上記とは逆方向の高電圧が発生し、接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0024】
更に、同じく入力端子IN2と入力端子IN4に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ4をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD5、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2を通ってトランジスタQ4の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ4をわずかだけ早くオフさせると、第2のイグニッションコイルの一次巻線L2に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0025】
また更に、同じく入力端子IN2と入力端子IN5に、駆動するための制御電圧を印加し、対応するトランジスタQ2とトランジスタQ5をオンさせた場合には、電流はトランジスタQ2からダイオードD4、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3を通ってトランジスタQ5の方向に流れ、トランジスタQ2よりトランジスタQ5をわずかだけ早くオフさせると、第3のイグニッションコイルの一次巻線L3に流れている電流が急激に変化して二次巻線に接続されている一方の点火プラグに正の高電圧、また他方の点火プラグに負の高電圧が印加し、二組の点火プラグに火花を発生させる。
【0026】
上記のようにトランジスタQ1とトランジスタQ6、トランジスタQ7又はトランジスタQ8のオン・オフの組み合わせ、並びにトランジスタQ2とトランジスタQ3、トランジスタQ4又はトランジスタQ5のオン・オフの組み合わせにより、点火を繰り返し行う。
ただし、各負荷の駆動回路は完全に独立していないので、2個以上の負荷である例えば第1と第2のイグニッションコイルの一次巻線L1、L2を同時に駆動することはできない。
【0027】
なお、トランジスタQ1又はトランジスタQ2にコレクタ側から電流が流れ込むのを阻止し、トランジスタQ1又はトランジスタQ2を破壊するのを防いだり、その際にイグニッションコイルにより大きな起電力を発生させるために設けられたダイオードD1〜ダイオードD6は、トランジスタQ3〜トランジスタQ8のコレクタ−エミッタ間耐圧よりも高い耐圧となっている。
上記実施形態では、バイポーラトランジスタによるイグニッションコイル駆動回路を示したが、本発明ではこれに限定されることなくMOSFET等の半導体スイッチを用いて回路を構成してもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、トランジスタQ1とトランジスタQ6、トランジスタQ7又はトランジスタQ8のオン・オフの組み合わせおいて、トランジスタQ6〜トランジスタQ8を先にオフしたが、トランジスタQ1とトランジスタQ6〜トランジスタQ8を同時にオフするようにしてもよく、トランジスタQ2とトランジスタQ3、トランジスタQ5又はトランジスタQ6のオン・オフの組み合わせおいて、トランジスタQ3〜トランジスタQ6を先にオフしたが、トランジスタQ1とトランジスタQ3〜トランジスタQ6を同時にオフするようにしてもよい。
【0029】
(効果)
以上のように、例えば1個のイグニッションコイルが追加接続されるときには、トランジスタQ1のコレクタに、コレクタが直列に接続されてエミッタが接地される追加された1個のトランジスタQ4と、第2のトランジスタQ2のコレクタに、コレクタが直列に接続されてエミッタが接地される追加された1個のトランジスタQ7と、追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2の両端が接続されるトランジスタQ1と該トランジスタQ1に追加されたトランジスタQ4との接続点及びトランジスタQ2と該トランジスタQ2に追加されたトランジスタQ7との接続点とを備え、トランジスタQ1と追加されたトランジスタQ7とのオン・オフの組み合わせ及びトランジスタQ2と追加されたトランジスタQ4とのオン・オフの組み合わせにより、追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2に流れる電流を急激に変化させることができるので、例えば二気筒から四気筒のエンジンに気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路を使用した場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えるとそれに対し、2個のトランジスタQ3、Q7を増やせば済み、従来の4個のトランジスタを増やす必要があったのに比べて2個削減でき、製作費の大幅なコストダウンが図れる。
なお、この実施形態のように2つのイグニッションコイルが追加されたときには、4個のトランジスタQ4、Q5、Q7、Q8を増やせば足りる。
【0030】
また、トランジスタQ1とイグニッションコイルの一次巻線L1との間、トランジスタQ2とイグニッションコイルの一次巻線L1との間、トランジスタQ1と追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2、L3との間及びトランジスタQ2と追加されたイグニッションコイルの一次巻線L2、L3との間にそれぞれイグニッションコイル側をカソードにして挿入されたダイオードD1〜D6を備え、トランジスタQ1と組み合わせられたトランジスタQ6、Q7又はQ8をトランジスタQ1よりわずかだけ早くオフしたときにイグニッションコイルの一次巻線L1、L2又はL3に流れている電流がトランジスタQ2に流れ込むの阻止し、トランジスタQ2と組み合わせられたトランジスタQ3、Q4又はQ5をトランジスタQ2よりわずかだけ早くオフしたときにイグニッションコイルの一次巻線L1、L2又はL3に流れている電流がトランジスタQ1に流れ込むのを阻止するようにしたので、トランジスタQ1及びトランジスタQ2を保護し、各イグニッションコイルに大きな起電力を生じさせることができるという効果を有する。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備え、第1のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせ及び第2のスイッチ手段と順次追加されたスイッチ手段とのオン・オフの組み合わせにより、順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線に流れる電流を急激に変化させることができるので、二気筒以上の偶数気筒のエンジンに使用させるため、イグニッションコイルを追加する場合、イグニッションコイルが追加される数が1つ増えとそれに対し、2個のスイッチ手段を増やせば済み、従来の4個のスイッチ手段を増やす必要があったのに比べて2個削減でき、製作費の大幅なコストダウンが図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
【図2】従来の偶数気筒用電気火花点火装置のイグニッションコイル駆動回路の回路図である。
【符号の説明】
1 電源
2 イグニッションコイル駆動回路
Q1〜Q8 トランジスタ
D1〜D6 ダイオード(スイッチ手段)
IN1〜IN8 入力端子
Claims (2)
- 電源と、該電源に入力側が接続されたイグニッションコイル駆動回路と、該イグニッションコイル駆動回路の出力側に一次巻線が接続された複数のイグニッションコイルと、該各イグニッションコイルの二次巻線の両端にそれぞれ設けられた点火プラグとからなる偶数気筒用電気火花点火装置において、
前記イグニッションコイル駆動回路は、前記電源に一端がそれぞれ接続された制御電圧によって駆動される第1及び第2のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第3のスイッチ手段と、前記第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地された制御電圧によって駆動される第4のスイッチ手段と、第1のイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される前記第1のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段との接続点及び前記第2のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段との接続点とを備え、
前記イグニッションコイル駆動回路の出力側に所望数のイグニッションコイルが追加接続されるときには、さらに前記第1のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、前記第2のスイッチ手段の他端に、一端が直列に接続されて他端が接地される所望数追加された制御電圧によって駆動されるスイッチ手段と、前記順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線の両端が接続される前記第1のスイッチ手段と該第1のスイッチ手段に順次追加されたスイッチ手段との接続点及び前記第2のスイッチ手段と該順次追加されたスイッチ手段との接続点とを備えてなることを特徴とする偶数気筒用電気火花点火装置。 - 前記第1のスイッチ手段、前記第2のスイッチ手段、前記第3のスイッチ手段、前記第4のスイッチ手段及び所望数追加されたスイッチ手段はそれぞれトランジスタから構成され、更に、前記第1のスイッチ手段と前記イグニッションコイルの一次巻線との間、前記第2のスイッチ手段と前記イグニッションコイルの一次巻線との間、前記第1のスイッチ手段と前記順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線との間及び前記第2のスイッチ手段と前記順次追加されたイグニッションコイルの一次巻線との間にそれぞれ前記イグニッションコイル側をカソードにして挿入されたダイオードを備えたことを特徴とする請求項1記載の偶数気筒用電気火花点火装置。
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