JP3634605B2 - 回転電極を用いた薄膜形成方法 - Google Patents

回転電極を用いた薄膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電極を用いた薄膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アモルファスシリコン等の薄膜を比較的高い圧力で形成する薄膜形成方法としては、反応容器内に平行平板型電極を設置したプラズマCVD法が知られている。この方法においては、一方の電極に高周波または直流電力を印加し、他方の電極を接地し、これらの電極間でプラズマを発生させ、発生したプラズマ中に反応ガスを供給し、反応ガスを分解することにより基板上に所望の薄膜を形成させている。
【0003】
高速でかつ大きな面積の薄膜を形成することができる薄膜形成方法として、特開平9−104985号公報では、回転電極を用いた薄膜形成方法が提案されている。このような回転電極を用いた薄膜形成方法によれば、回転電極の回転によりプラズマ空間に反応ガスを効率よく供給することができるので、反応ガスの利用効率を大幅に向上させることができるとともに、速い速度で均一な薄膜を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の回転電極を用いる薄膜形成方法においては、回転電極自体にも薄膜が形成されるため、異なる種類の薄膜を形成しようとすると、コンタミネーションが生じ、膜質が低下した。
【0005】
従って、コンタミネーションの影響を抑えて異なる種類の薄膜を形成するためには、薄膜の種類に応じて複数個の回転電極を用意する必要があり、コスト並びに設置面積の増大につながる。
【0006】
本発明の目的は、回転電極を用いた薄膜形成方法において、回転電極によるコンタミネーションの影響を受けることなく、薄膜の堆積または薄膜の処理を行うことができ、また同一の回転電極を用いて複数種の薄膜の堆積または薄膜の処理を行うことができる薄膜形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜形成方法は、円筒状の回転電極に高周波または直流電力を印加することにより、基板と回転電極の間にプラズマを発生させ、プラズマの物理的作用または化学的作用を利用して基板上に薄膜を堆積または基板上の薄膜を処理する薄膜形成方法であり、回転電極表面の円周方向に分割して設定される複数の領域において、各領域に応じて定められた異なるプロセスが実施され、複数の領域のうち同一のプロセスが行われる領域がn個であるとき、回転電極に電力のパルスを印加する周期が、回転電極の回転周期の1/nであることを特徴とする薄膜形成方法である。
【0008】
本発明に従えば、回転電極の表面を、円周方向に分割して複数の領域を設定し、各領域において異なる薄膜形成におけるプロセスを実施する。各領域において実施されるプロセスとしては、回転電極に高周波または直流電力を印加して回転電極と基板の間にプラズマを発生させることができるので、プラズマを用いたプロセスが一般的に実施される。このようなプロセスとしては、薄膜の堆積及び薄膜の処理が挙げられる。薄膜の堆積としては、後述するようなCVD法による薄膜堆積やスパッタリング法による薄膜堆積が挙げられる。薄膜の処理としては、ドーピング元素のプラズマを用いる半導体薄膜へのドーピング処理や、水素プラズマ処理、希ガスプラズマ処理、及び水素プラズマ処理と希ガスプラズマ処理の併用処理などが挙げられる。
【0009】
本発明に従う好ましい実施形態においては、回転電極表面上の複数の領域の中の所定の領域が基板表面の近傍を移動しながら通過する間の所定期間内、回転電極に電力を印加して基板と回転電極の間にプラズマを発生させ、所定の領域に対して定められた薄膜の堆積または薄膜の処理が行われる。
【0010】
すなわち、本発明の好ましい実施形態に従う薄膜形成方法は、反応容器内でプラズマを発生させ、プラズマの物理的作用または化学的作用を利用して基板上に薄膜を堆積または基板上の薄膜を処理する薄膜形成方法であり、回転することにより基板表面の近傍を移動しながら通過する表面を有する回転電極を準備する工程と、回転電極表面の円周方向に分割して設定される複数の領域の中の所定の領域が基板表面の近傍を移動しながら通過する間の所定期間内、回転電極に電力を印加して基板と回転電極の間にプラズマを発生させ、所定の領域に対して定められた薄膜の堆積または薄膜の処理を行う工程とを備える薄膜形成方法である。
【0011】
上記薄膜形成方法において、回転電極表面上の複数の領域のうち同一のプロセスが行われる領域がn個であるとき、回転電極に電力パルスを印加する周期Tpは、回転電極の回転周期Trの1/nである。従って、この場合、回転電極が1回転する間に、n回電力パルスが印加される。
【0012】
本発明においては、複数の領域における回転電極表面の形状、及び回転電極表面の材質等がそれぞれ異なっていてもよい。また、回転電極表面の曲率が異なることにより、基板表面を通過する際の基板表面との間隔が異なっていてもよい。これにより、各領域におけるプラズマの条件等を変化させることが可能になる。
【0013】
本発明の第1の局面に従えば、薄膜形成におけるプロセスとして、プラズマ中に反応ガスを供給して分解するプラズマCVD法による薄膜の堆積が行われる。プラズマCVD法により薄膜を堆積する場合、上述のようにプラズマ中に反応ガスを供給する必要がある。例えば、シリコン薄膜を形成する場合、反応ガスとして、シラン、高次シランなどのガスが用いられる。また、シリコン薄膜にドーピングする場合には、Bを含むボロンガスやPを含むホスフィンガス等が用いられる。本発明において堆積する薄膜は、シリコン薄膜に限定されるものではなく、プラズマCVD法により堆積することができる薄膜であれば特に限定されるものではない。シリコン薄膜以外に、例えば、C(ダイヤモンド及びダイヤモンド状薄膜を含む)、SiC、SiO、Si、Al、AlNなどの薄膜を堆積させることができる。プラズマ中に供給する反応ガスは、これらの堆積する薄膜に応じて適宜選択される。
【0014】
また、一般にプラズマ中には、反応ガス以外に希釈ガスが供給される。このような希釈ガスとしては、水素ガス、希ガス、または水素ガスと希ガスの混合ガスが挙げられる。希ガスとしては、He、Ne、Ar、Kr、及びXeなどが挙げられる。
【0015】
反応容器内の反応ガスの分圧としては、0.01Torr以上が好ましく、より好ましくは0.1〜50Torrであり、さらに好ましくは5〜50Torrである。
【0016】
反応容器内の全圧は1Torr以上が好ましく、さらに好ましくは100Torr〜1atmであり、さらに好ましくは約1atmである。
水素ガスを含有させる場合には、水素ガスの分圧として、1Torr以上が好ましく、より好ましくは1〜50Torrである。
【0017】
回転電極表面の複数の領域において、プラズマCVD法により同一の薄膜を堆積する領域がn個ある場合、上述のように、回転電極に電力パルスを印加する周期Tpは、回転電極の回転周期Trの1/nであることが好ましい。例えば、複数の領域のうち1つの領域で同一薄膜をプラズマCVD法により堆積する場合、回転電極が1回転する間に1回の電力パルスが回転電極に印加される。この電力パルスが印加されるタイミングは、プラズマCVD法により薄膜を堆積させる領域が、基板表面の近傍を移動しながら通過する間の所定期間内である。このようなタイミングで、電力パルスを回転電極に印加することにより、回転電極表面のこの特定の領域が基板近傍を通過するときにのみ、回転電極表面と基板間でプラズマが発生し、プラズマCVD法による薄膜の堆積が行われる。従って、回転電極表面のこの特定の領域のみで、該領域に対応した薄膜が堆積され、回転電極表面の他の領域は、該薄膜の堆積に関与しないので、それらの領域の電極表面に該薄膜が堆積することがなく、コンタミネーションの発生を防止することができる。また、電力がパルス状に印加されるので、反応ガスの過剰な分解が抑えられ、薄膜形成に関与しない分離した微粒子(フレーク)の析出を抑制することができる。
【0018】
本発明の第1の局面においては、回転電極と基板との間に、プラズマ発生領域とその他の領域を空間的に分離するための仕切り壁を設けてもよい。このような仕切り壁を設け、反応ガスをこの仕切り壁の内側のプラズマ発生領域に供給する。通常、反応ガスは、希ガス等により希釈した状態で仕切り壁の内側に供給する。このような仕切り壁を設け、反応ガスをこの仕切り壁の内側に供給することにより、プラズマ発生領域に集中的に反応ガスを供給することができ、反応ガスの利用効率を向上することができる。また薄膜の堆積に関与しない分離した微粒子の析出を低減させることができる。また、この場合において、仕切り壁の外側のプラズマが発生しない領域には、希釈ガス等が供給されるが、その圧力は、反応ガスが存在する仕切り壁の内側のプラズマ発生領域の圧力よりもわずかに高くしておくことが好ましい。例えば、0.005気圧〜0.2気圧程度高くしておくことが好ましい。これにより、反応ガスが仕切り壁の外側に流出するのを防止することができ、さらに反応ガスの利用効率を高めることができる。
【0019】
また、本発明の第1の局面においては、回転電極にパルス状に印加される電力と同期して、反応ガスをパルス状に供給してもよい。この場合、回転電極と基板との間に反応ガスが直接供給されるように、反応ガス供給管の先端が回転電極と基板との間の近傍に配置されていることが好ましい。
【0020】
本発明の第1の局面に従えば、1つの回転電極を用いて、複数種類の薄膜を堆積させることができる。従って、例えば太陽電池におけるp型半導体層、i型半導体層、及びn型半導体層の積層構造の形成に適用することができる。このような場合、回転電極表面の複数の領域は、p型半導体の薄膜を堆積するための領域、i型半導体の薄膜を堆積するための領域、及びn型半導体の薄膜を堆積するための領域を含むように設定される。
【0021】
本発明の第2の局面に従えば、回転電極表面の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域において、薄膜の処理が行われる。このような薄膜の処理としては、プラズマとして水素プラズマまたは/及び希ガスプラズマを発生させ、そのプラズマを薄膜に照射する処理が挙げられる。水素プラズマは、水素ガスを含む雰囲気中でプラズマを発生させることにより発生させることができる。また、希ガスプラズマは、希ガスを含む雰囲気中でプラズマを発生させることにより発生することができる。このような水素プラズマ及び希ガスプラズマの処理により、例えば、半導体薄膜の膜質の改善等を図ることができる。
【0022】
また、半導体薄膜に対して、ドーパントガスを含む雰囲気中でプラズマを発生させ、これを照射することにより、半導体薄膜のドーピング処理を行うことができる。
【0023】
本発明の第2の局面に従う薄膜処理は、1つの回転電極を用いて本発明に従い堆積した薄膜に対し行うことができるものである。従って、1つの回転電極を用いて、薄膜を堆積した後、この堆積した薄膜を処理することができる。
【0024】
本発明の第3の局面に従えば、薄膜の堆積または薄膜の処理が、プラズマの近傍に配置されたターゲット材料をプラズマでスパッタリングするスパッタリング法により行われる。
【0025】
ターゲット材料は、スパッタリングを行う領域の回転電極表面の上に設けることができる。従って、異なるターゲット材料を、回転電極表面の異なる領域に設けることにより、異なる種類の薄膜を堆積することができ、また異なる薄膜の処理を行うことができる。回転電極表面上のターゲット材料は、塗布やコーティングにより形成してもよいし、別体のターゲット材料をねじ止めなどの固定方法で回転電極表面上に取り付けてもよい。
【0026】
このようにターゲット材料を所定領域の回転電極表面上に設け、該領域が基板近傍に位置したときに回転電極に電力を印加することにより、該領域の回転電極表面と基板との間でプラズマを発生させ、このプラズマにより電極表面上のターゲット材料をスパッタリングし、薄膜の堆積または薄膜の処理を行うことができる。従って、回転電極表面上の所定の領域に異なるターゲット材料を設置し、回転電極に印加するパルス状の電力のタイミングを調整することにより、所望のターゲット材料を用いて、所望の薄膜の堆積または所望の薄膜の処理を行うことができる。
【0027】
また、本発明の第3の局面においては、ターゲット材料として、プラズマの近傍に配置された線状のターゲット材料を用いてもよい。この場合において、異なる薄膜の堆積または薄膜の処理を行うには、線状のターゲット材料をプロセス毎に交換する必要がある。
【0028】
本発明の第3の局面においては、第1の局面及び第2の局面と同様に、スパッタリングを行う領域の回転電極表面が基板表面の近傍を通過する間の所定期間内、回転電極に電力を印加する。回転電極表面の複数の領域のうち同一のスパッタリングを行う領域がn個含まれる場合には、回転電極に電力パルスを印加する周期Tpが、回転電極の回転周期Trの1/nとなるように設定することが好ましい。nが1である場合には、回転電極が1回転する間に、電力パルスが1回印加される。
【0029】
また、第3の局面における薄膜の処理としては、例えば半導体薄膜のドーパントをターゲット材料として用い、半導体薄膜にドーピングを行う処理が挙げられる。
本発明の第3の局面においても、プラズマの原料ガスとしては、水素ガス、希ガス、または水素ガスと希ガスの混合ガスが挙げられる。
【0030】
本発明の第3の局面において用いられるターゲット材料としては、シリコンなどの半導体、半導体のドーパントとして用いられる材料、ITO、SnO等の透明導電体、Ag、Alなどの金属等が挙げられる。これらの材料は、半導体装置の製造において頻繁に用いられる材料である。従って、本発明の薄膜形成方法は、半導体装置等の製造工程において有用な薄膜形成方法である。
【0031】
本発明の第4の局面に従えば、薄膜の堆積が、異なる種類の薄膜を堆積して積層しアロイ薄膜または超格子構造薄膜を形成するための薄膜の堆積である。また、異なる種類の薄膜に対応するターゲット材料は、該薄膜を堆積する対応の領域の回転電極表面上に設けられている。
【0032】
上記本発明の第1の局面〜第3の局面においては、通常、回転電極を回転させながら所定の領域において同一のプロセスを繰り返すことにより薄膜の堆積または薄膜の処理を行っている。これに対し、第4の局面では、回転電極が1回転する間に、複数の異なるプロセスを行う。第4の局面に従えば、回転電極が1回転する間に、異なる種類の薄膜を堆積して積層することにより、アロイ薄膜または超格子構造薄膜を形成する。例えば、Si薄膜とC薄膜を非常に薄い膜厚で交互に堆積させることにより、SiCアロイ薄膜を形成することができる。このような薄膜の堆積は、ターゲット材料を回転電極表面上の対応の領域に設ける上記第3の局面と同様のスパッタリング法により行うことができる。
【0033】
第4の局面において、シリコン系アロイ薄膜またはシリコン系超格子構造薄膜を形成する場合、ターゲット材料の一つとしてシリコンを含む材料を用いることができ、他のターゲット材料の少なくとも一つとしてシリコンのバンドギャップを広くする元素または狭くする元素を含む材料を用いることができる。シリコンのバンドギャップを広くする元素としては、例えば、C(炭素)が挙げられ、シリコンのバンドギャップを狭くする元素としては、例えば、Ge(ゲルマニウム)が挙げられる。
【0034】
第4の局面において、アロイ薄膜及び超格子構造薄膜における積層構造の1周期の膜厚は、薄膜堆積の速度及び回転電極の回転速度等により調整することができる。このような積層構造における1周期の膜厚を調整することにより、実質的にアロイとなっている薄膜から、いわゆる超格子構造薄膜まで、自由に制御することができる。
【0035】
以下、本発明の第1の局面〜第4の局面に共通する事項について説明する。
本発明において、回転電極に高周波を印加する場合の高周波の周波数としては、13.56MHz以上が好ましく、さらに好ましくは150MHz以上である。
【0036】
本発明において、高周波の投入電力密度としては、10W/cm以上が好ましく、より好ましくは10〜100W/cm以上であり、さらに好ましくは30〜100W/cmである。
【0037】
また、本発明において直流電力を回転電極に印加する場合には、従来の直流電力によるプラズマCVD法条件を参考にして設定することができる。
本発明において、薄膜を堆積させる際の基板温度は、室温(20℃)〜500℃が好ましく、より好ましくは室温(20℃)〜300℃である。
【0038】
本発明において、回転電極と基板との間の距離は、0.01〜1mm程度が好ましい。しかしながら、堆積させる薄膜の種類、薄膜の堆積方法、及び薄膜の処理等に応じて適宜設定される。
【0039】
本発明において、回転電極の回転周期は、特に限定されるものではなく、堆積する薄膜の種類、薄膜の堆積方法、及び薄膜の処理方法等により適宜設定されるが、一般には、回転周期Trとして、0.005〜1秒程度が好ましい。
【0040】
本発明において、回転電極にパルス状に印加される電力のデューティー比及びパワーの絶対値を変化させることにより、堆積させる薄膜の膜厚及び膜質、並びに薄膜の処理状態を制御することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の薄膜形成方法を説明するための側面図である。円筒状の回転電極1の中心には回転軸1bが設けられており、回転軸1bが回転することにより回転電極1が図1に矢印で示す方向に回転する。
【0042】
図3は、図1に示す回転電極1を備える薄膜形成装置の一例を示す概略断面図である。回転電極1は、チャンバー8内に設けられている。基板2は、基板ホルダー4の上に載せられている。回転電極1の回転軸1bには、回転電極1に高周波を印加するための高周波電源5が接続されている。チャンバー8にはガス供給管6及びガス排出管7が設けられており、ガス供給管6からは希ガスなどで希釈された反応ガスがチャンバー8内に供給され、チャンバー8内のガスはガス排出管7により排出される。
【0043】
図1に戻り、回転電極1に高周波が印加されることにより、回転電極1の表面1aと基板2との間にプラズマ3が発生する。
本発明の第1の局面に従えば、このようにして発生したプラズマ3に反応ガスを供給することにより、プラズマCVD法による薄膜の堆積が行われる。
【0044】
本発明の第2の局面に従えば、プラズマ3として水素プラズマまたは希ガスプラズマ等を発生し、そのプラズマを基板2上の薄膜に照射することにより薄膜のプラズマ処理が行われる。
【0045】
本発明の第3の局面に従えば、プラズマ3の近傍に、ターゲット材料を配置し、このターゲット材料をプラズマ3でスパッタリングすることにより、スパッタリング法による薄膜の堆積または薄膜の処理が行われる。
【0046】
本発明の第4の局面に従えば、回転電極1の表面1aの上の分割された複数の領域の上に異なる種類の薄膜に対応するターゲット材料を配置し、このターゲット材料をプラズマ3でスパッタリングすることにより、異なる種類の薄膜を堆積して積層しアロイ薄膜または超格子構造薄膜を形成する。
【0047】
薄膜の堆積または薄膜の処理を基板2上のより広い面積で行うためには、基板2を回転電極1に対して相対的に移動させながら薄膜の堆積または薄膜の処理を行う。
【0048】
本発明においては、回転電極1の表面1aの円周方向に分割して複数の領域が設定される。例えば、図1に示すように、領域Pa及び領域Pbが設定される。本発明においては、この領域Paと領域Pbで異なるプロセスが実施される。
【0049】
図2は、図1に示す回転電極1の表面1a上の領域Pa及び領域Pbが、基板2の表面近傍を通過する際、回転電極1に高周波を印加してプラズマ3を発生させるための電力パルスの印加のタイミングチャートを示している。図2において、Trは回転電極1の回転周期であり、Tpはパルス状に印加する電力パルスの印加の周期である。Tonは、電力パルスが印加されている時間を示し、Toffは電力パルスが印加されていない時間を示している。また、Tdは、開始時点から電力パルスを印加するまでの位相差を示している。
【0050】
図1に示す回転電極1においては、表面1aに領域Pa及び領域Pbが設定されており、領域Paと領域Pbは互いに180度回転した位置となっている。図2に示すタイミングチャートでは、開始時点からTd経過したとき、高周波または直流電力のパルスが印加される。印加時間はTonである。このとき、回転電極1は図1に示す状態であり、領域Paが基板2の表面近傍を通過する状態となっている。従って、領域Paと基板2との間でプラズマ3が発生し、薄膜の堆積または薄膜の処理などの所定のプロセスが行われる。
【0051】
次に、Tpの期間が経過すると、回転電極1の領域Pbが基板2に近づき基板2の表面近傍を通過する状態となる。ここで、図2に示すように、再び電力パルスが印加され、領域Pbと基板2との間にプラズマ3が発生する。このプラズマ3を用いて、領域Paと異なるプロセスが実施される。電力をパルス状に印加する方法としては、種々の方法を適用することができる。例えば、回転電極の位置をセンサー等で検出し、回転電極が所定の位置にある間電力を印加するように制御する方法などが挙げられる。
【0052】
以上のように、本発明では異なるプロセスが回転電極1の表面1aの別の領域で行われるので、回転電極によるコンタミネーションの影響を受けることなく、薄膜の堆積または薄膜の処理等を行うことができる。
【0053】
図2に示すタイミングチャートでは、回転電極1が1回転する間に、領域Paと領域Pbとでプラズマを合計2回発生させているが、通常回転電極の1回転の間で行われる薄膜の堆積等のプロセスでは、十分な膜厚の薄膜を堆積することができない場合が多いので、領域Paを用いた薄膜堆積等のプロセスを連続して繰り返した後に、領域Pbを用いた薄膜堆積等のプロセスを繰り返して行う場合が多い。このような場合には、図2に示すタイミングチャートにおいて、回転電極1の回転周期Trにおいて、1番目の電力パルスの印加のみを行い、電力パルスの印加の周期を図2に示すTpの2倍にして、領域Paを用いたプロセスを複数回繰り返す。その後、位相差を図2に示すTd+Tpとし、領域Pbが基板2に近接した状態で電力パルスが印加されるようにし、領域Pbを用いたプロセスのみを複数回繰り返す。
【0054】
図1及び図2に示す実施例では、回転電極1の表面1aに、領域Pa及び領域Pbの2つの領域を設定しているが、後述の実施例で示すように、3つの領域及び4つの領域を設定してもよいし、さらにはそれ以上の領域を設定してもよい。
【0055】
図2に示す位相差Td、電力パルスの印加周期Tp、電力パルスの印加期間Ton、電力パルスを印加しない期間Toff等は、これらの領域の数等に応じて適宜変更されるものである。また、デューティー比(Ton/Tp)は、薄膜の堆積における膜厚制御や薄膜の処理における膜質制御等を考慮して適宜設定される。
【0056】
本発明の第1の局面に従い、プラズマCVD法により領域Paと領域Pbにおいて異なる薄膜を堆積させる場合には、プラズマ3中に供給する反応ガスを切り換えることにより行うことができる。例えば、反応ガスAを用いて領域Paのみでプラズマ3が発生させるように電力パルスを印加し、この薄膜堆積を繰り返して複数回行って薄膜Aを形成した後、反応ガスを切り換えて反応ガスBを用い領域Pbのみでプラズマ3が発生するように電力パルスを印加し、複数回薄膜を堆積させて薄膜Bを形成することができる。
【0057】
本発明の第2の局面では、プラズマの原料ガスを切り換えることにより、異なるプラズマ処理を行うことができる。すなわち、領域Paでプラズマ3を発生させるときには、例えばガスAを用いてガスAによるプラズマ処理を行い、領域Pbのみでプラズマ3を発生させるときにはガスBを用いてガスBによるプラズマ処理を行うことができる。
【0058】
本発明の第3の局面においては、プラズマの近傍に配置するターゲット材料を代えることにより、スパッタリング法により異なる薄膜を堆積することができる。すなわち、領域Paのみを用いてプラズマ3を発生させるときのターゲット材料と、領域Pbのみを用いてプラズマ3を発生させるときのターゲット材料とを異ならせる。この場合、上述のようにターゲット材料を対応する領域の上に設置しておくことにより、使用する領域に応じて自動的にターゲット材料を変更することができる。具体的には、図1に示す回転電極1の領域Pa及び領域Pbのそれぞれの上に、それぞれに対応するターゲット材料を設置する。
【0059】
本発明の第4の局面においては、領域Pa及び領域Pbの上に異なる種類の薄膜に対応するターゲット材料を設置し、異なる種類の薄膜を交互に堆積して積層しアロイ薄膜または超格子構造薄膜を形成する。第4の局面においては、堆積すべき薄膜の膜厚が非常に薄いので、回転電極を1回転する間に領域Paで薄膜を堆積した後、領域Pbで薄膜を堆積させることができる。このような場合、図2に示すようなタイミングチャートで印加することができる。
【0060】
【実施例】
以下、具体的な実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
本発明の第1の局面に従い、アモルファスシリコン太陽電池の光電変換層を形成した。回転電極としては、直径100mm、回転軸方向の長さ(幅)100mmのアルミニウム製の円筒状の回転電極を用いた。従って、回転電極は円周方向に連続した電極表面を有している。本実施例では、回転電極の表面の円周方向に、3つの領域Pa、Pb、及びPcを設定した。領域Pa、領域Pb、及び領域Pcは、互いに120度ずれた場所に位置している。
【0061】
透明導電膜を表面に有したガラス基板の上に、上記の回転電極を用いて、p型のa−SiC:H100Å、i型のa−Si:H3000Å、及びn型のa−Si:H300Åを順次形成した。
【0062】
まず回転電極の領域Paを用いて、p型のa−SiC:Hを形成した。成膜時間は30秒であった。回転電極の回転周期Tr、回転電極が1回転する間に電力パルスを印加する回数n、電力パルスの印加周期Tp、電力パルスの印加の位相差Td、電力パルスを印加する期間Ton、並びにその他の薄膜形成条件等は表1の通りである。回転電極に印加する高周波は、150MHzの周波数とした。
【0063】
【表1】
Figure 0003634605
【0064】
次に、領域Pbを用いて、i型のa−Si:Hを形成した。成膜時間は2分であった。薄膜形成条件等は表2に示す通りである。
【0065】
【表2】
Figure 0003634605
【0066】
次に、領域Pcを用いて、n型のa−Si:Hを形成した。成膜時間は30秒であった。薄膜形成条件等は表3に示す通りである。
【0067】
【表3】
Figure 0003634605
【0068】
以上のようにして3種類の薄膜を堆積し、アモルファスシリコン太陽電池の光電変換層を形成した。薄膜形成後の回転電極の表面を観察したところ、3つの領域Pa、Pb、及びPcの3ヵ所に、薄膜が堆積した跡が見られたが、それら以外の場所には全く薄膜堆積の痕跡が認められなかった。従って、上記の3種類の薄膜は、それぞれ回転電極表面の別個の領域でプラズマ発生することにより形成されていることが確認された。
【0069】
得られた光電変換層からアモルファスシリコン太陽電池を作製し、その性能を評価したところ、安定化後で9%の光電変換効率を示した。従って、非常に良好な太陽電池を作製することができた。
【0070】
実施例2
本発明の第3の局面に従い、スパッタリング法により微結晶シリコン太陽電池の光電変換層を形成した。回転電極としては、実施例1と同様の回転電極を用い、図4に示すように、回転電極1の表面1aの領域Paの位置にP(リン)ドープシリコンからなるターゲット材料10を設置し、領域Paから120度時計周り方向にずれた領域Pbの上に、ノンドープのシリコンからなるターゲット材料11を設置し、領域Paから時計周り方向に240度ずれた領域Pcの上に、B(ボロン)ドープシリコンからなるターゲット材料12を設置した。それぞれのターゲット材料10〜12の幅は回転電極1の幅と同じにし、円周方向の長さは、20mmとした。
【0071】
表面に凹凸形状を有する金属基板の上に、n型微結晶Si層300Å、i型微結晶Si層20000Å、p型微結晶Si層100Åを、以下のようにして、順次形成した。
【0072】
まず、領域Paでプラズマを発生させて、該プラズマによりPドープSiのターゲット材料10をスパッタリングし、n型微結晶Si層を形成した。成膜時間は30秒であった。薄膜形成条件は表4に示す通りである。
【0073】
【表4】
Figure 0003634605
【0074】
次に、領域Pbでプラズマを発生させ、該プラズマによりノンドープSiのターゲット材料11をスパッタリングし、i型微結晶Si層を形成した。成膜時間は5分であった。薄膜形成条件は表5に示す通りである。
【0075】
【表5】
Figure 0003634605
【0076】
次に、領域Pcの領域でプラズマを発生させ、該プラズマによりBドープSiのターゲット材料12をスパッタリングし、p型微結晶Si層を形成した。成膜時間は30秒であった。薄膜形成条件は表6に示す通りである。
【0077】
【表6】
Figure 0003634605
【0078】
以上のようにして得られた光電変換層を用いて太陽電池を作製し、その性能を評価したところ、安定後の光電変換効率が8.5%であり、良好な特性を示した。
【0079】
なお、本実施例では、回転電極表面上に同じ種類のターゲット材料を一つ配置しているが、同じ種類のターゲット材料を複数個配置し、回転電極が1回転する間に同じ種類のターゲット材料の数だけ電力パルスを印加させてもよい。例えば、図4において、ターゲット材料10と同じターゲット材料を領域Paと180度反対側に設け、同様にターゲット材料11及び12についてもそれぞれ180度反対側に同じターゲット材料を設け、回転電極が1回転する間に、同じターゲット材料の領域でそれぞれプラズマが発生するように、電力パルスを2回印加させてもよい。
【0080】
また、ターゲット材料の円周方向の長さ、電力パルスを印加する時間等の条件は、適宜設定することができる。
また、回転電極表面上に配置するターゲット材料の種類は、本実施例のように3種類に限定されるものではなく、それ以上の種類のターゲット材料を配置してもよい。
【0081】
実施例3
本発明の第4の局面に従い、p型微結晶SiCアロイ薄膜をスパッタリング法で形成した。回転電極としては、上記実施例1と同様の回転電極を用い、図5に示すように、この回転電極1の表面1aの領域Paの上にノンドープSiからなるターゲット材料13を配置し、領域Paから90度時計周り方向にずれた領域Pbの上にはBドープSiからなるターゲット材料14を配置し、領域Paから180度時計周り方向にずれた領域Pcの上には、ノンドープSiからなるターゲット材料15を配置し、領域Paから270度時計周り方向にずれた領域Pdの上には、ノンドープCからなるターゲット材料16を配置した。
【0082】
本実施例では、回転電極1が1回転する間に、電力パルスを4回印加し各領域でプラズマを発生させ、薄膜を堆積させた。ガラス基板上に、表7に示す薄膜形成条件で、p型微結晶SiC層1000Åを形成した。成膜時間は100秒であった。
【0083】
【表7】
Figure 0003634605
【0084】
表7に示すように、nは4であり、回転電極1回転の間に、各領域Pa〜Pdにおいてプラズマを発生させ、対応のターゲット材料13〜16をスパッタリングすることにより薄膜を形成している。また、回転電極の回転周期Trが1秒であるので、回転電極が100回転することによりこの薄膜が形成されたことになり、回転電極1回転で形成される膜厚は約10Åとなる。従って、この約10Åの積層構造が繰り返されることにより薄膜が形成されている。この約10Åの1周期の積層構造は、ノンドープSi層、BドープSi層、ノンドープSi層、ノンドープC層が順次積層され形成されている。1つの層の膜厚が非常に薄いため、この繰り返し構造からなる積層膜は、実質的にはSiCアロイ薄膜と同等であると考えることができる。
【0085】
本実施例では、回転電極が1回転する間に各領域においてプラズマが発生するように4回電力パルスを印加しているが、回転電極1回転の間に領域Pa〜領域Pdにおいて順次プラズマを発生させるものであるので、電力をパルス状に印加せずに、連続して電力を印加しプラズマの発生を連続させてもよい。この場合、各領域間には、ターゲット材料が設置されていない部分が存在するので、この部分では雰囲気ガスによるプラズマ処理が行われる。このようなプラズマ処理が生じないようにすることが必要であれば、各ターゲット材料の円周方向の長さを長くし、隣接するターゲット材料と接するように各ターゲット材料を配置すればよい。
【0086】
実施例4
本発明の第3の局面に従い、金属薄膜をスパッタリング法により形成した。回転電極としては、実施例1と同様の回転電極を用い、図6に示すように、プラズマ3の発生領域の近傍に、線状のターゲット17を配置した。
【0087】
まず、ターゲット材料17として、Ag線(線径10mm)を用い、表8に示す薄膜形成条件で10秒間成膜を行い、厚み約500ÅのAg膜をガラスからなる基板上に形成した。次に、ターゲット材料17として、同じ線径のAl線を用い、表9に示す薄膜形成条件で、1分間成膜を行い、厚み約6000ÅのAl膜をAg膜の上に形成した。
【0088】
【表8】
Figure 0003634605
【0089】
【表9】
Figure 0003634605
【0090】
上記の金属薄膜形成後、回転電極1を観察したところ、領域Paには、Agが付着しており、領域Pbの上にはAlが付着していた。従って、それぞれの金属薄膜の形成の際、回転電極1の表面1a上の互いに離れた領域Pa及び領域Pb上でプラズマが発生し、薄膜が形成されたことがわかる。
【0091】
実施例5
本発明の第1の局面に従い、アモルファスシリコン太陽電池の光電変換層をCVD法により形成した。回転電極としては、実施例1と同様の回転電極を用いた。図7に示すように、回転電極1の表面1aと基板2との間に発生するプラズマ3に直接反応ガスを吹き付けることができるように、反応ガス供給管18を設け、その先端18aをプラズマ3の発生領域の近傍に配置した。また反応ガスは、電力パルスの印加に同期して、パルス状に供給した。
【0092】
透明導電膜が表面に形成されているガラス基板の上に、p型a−SiC:H100Å、i型a−Si:H3000Å、及びn型a−Si:H300Åを順次形成して積層した。
【0093】
まず、領域Paでプラズマを発生させ、p型a−SiC:Hを形成した。成膜時間は30秒であった。薄膜形成条件は、表10に示す通りである。反応ガスは、印加電力に同期して、プラズマ3に供給されるようにパルス状に反応ガス供給管18の先端18aから吹き付けて供給した。
【0094】
【表10】
Figure 0003634605
【0095】
次に、領域Pbでプラズマを発生させ、i型a−Si:Hを形成した。成膜時間は2分であった。薄膜形成条件は、表11に示す通りである。反応ガスは、印加電力に同期して、プラズマ3に供給されるようにパルス状に反応ガス供給管18の先端18aから吹き付けて供給した。
【0096】
【表11】
Figure 0003634605
【0097】
次に、領域Pcでプラズマを発生させ、n型a−Si:Hを形成した。成膜時間は30秒であった。薄膜形成条件は、表12に示す通りである。反応ガスは、印加電力に同期して、プラズマ3に供給されるようにパルス状に反応ガス供給管18の先端18aから吹き付けて供給した。
【0098】
【表12】
Figure 0003634605
【0099】
以上のようにして薄膜を形成した後、回転電極の表面を観察したところ、領域Pa、領域Pb、及び領域Pcのそれぞれの箇所に成膜の痕跡が認められたが、それら以外の場所は全く成膜の痕跡が認められず、各成膜が回転電極表面上の離れた別個の領域でのプラズマ発生により形成されたことがわかる。
【0100】
得られた光電変換層を用いてアモルファスシリコン太陽電池を作製し、その性能を評価したところ、安定後において9%の光電変換効率を示し、非常に良好な特性の太陽電池が得られた。また、実施例1では30%であった反応ガス利用効率が70%に向上した。
【0101】
実施例6
本発明の第1の局面に従い、アモルファスシリコン太陽電池の光電変換層をCVD法により形成した。回転電極としては、上記実施例1と同様のものを用いた。図8に示すように、回転電極1の表面1aと基板2との間に、プラズマ3の発生領域(放電領域)とその他の領域(非放電領域)を空間的に分離するための仕切り壁20及び21を設けた。また仕切り壁20に孔を形成し、この孔に、反応ガス供給管19の先端19aを配置した。反応ガス供給管19の先端19aから供給された反応ガスは、仕切り壁20及び21の内側に供給される。仕切り壁20及び21の材質としては、ステンレスを用いた。
【0102】
透明導電膜を表面に有するガラス基板の上に、p型a−SiC:H100Å、i型a−Si:H3000Å、及びn型a−Si:H300Åを順次堆積した。なお、仕切り壁20及び21は、p型層、i型層、n型層の形成の際にそれぞれ取り換えて別のものを用いた。
【0103】
図9は、本実施例において用いた薄膜形成装置を示す概略断面図である。図9に示すように、チャンバー8内にガスを供給するガス供給管6及びチャンバー8内のガスを排出するガス排出管7が設けられている。仕切り壁20及び21の内側の放電領域には、反応ガス供給管19によりガスを供給し、仕切り壁20及び21の外側のチャンバー8には、ガス供給管6からガスを供給した。反応ガス供給管19及びガス供給管6からは、以下の各表に示すように、それぞれ別個のガスを供給した。
【0104】
まず、領域Paでプラズマを発生させ、p型a−SiC:Hを堆積させた。成膜時間は10秒であった。薄膜形成条件等は、表13に示す通りである。
【0105】
【表13】
Figure 0003634605
【0106】
次に、領域Pbでプラズマを発生させ、i型a−Si:Hを堆積させた。成膜時間は1分であった。薄膜形成条件等は、表14に示す通りである。
【0107】
【表14】
Figure 0003634605
【0108】
次に、領域Pcでプラズマを発生させ、n型a−Si:Hを堆積させた。成膜時間は10秒であった。薄膜形成条件等は、表15に示す通りである。
【0109】
【表15】
Figure 0003634605
【0110】
薄膜形成後、回転電極の表面を観察したところ、領域Pa、領域Pb、及び領域Pcの上にそれぞれ薄膜形成の痕跡が認められたが、それら以外の場所は全く痕跡が認められず、各薄膜は回転電極表面上の離れた別個の領域で発生したプラズマにより形成されていることが確認された。
【0111】
得られた光電変換層を用いてアモルファスシリコン太陽電池を作製し、その性能を評価したところ、安定化後において9%の光電変換率を示し、非常に良好な特性を示した。
【0112】
また、本実施例における薄膜の堆積は、実施例1に比べると、ほぼ同等の薄膜形成条件で、成膜時間が短くなっていることがわかる。これは、反応ガスをプラズマ放電領域に直接供給することにより、反応ガスの利用効率が向上したことによるものと考えられる。
【0113】
実施例7
本発明の第1の局面及び第2の局面に従い、多結晶シリコン薄膜をCVD法により形成した。回転電極としては、図10に示すような領域Pa、領域Pb、及び領域Pcで表面形状の異なる略円筒状の回転電極を用いた。直径は100mmであり、回転軸方向の長さ(幅)は100mmである。領域Paにおいては、高さ1mm程度の回転軸方向に連続して延びる凸部が多数形成され、これによって電極表面に凹凸が形成されている。領域Pbにおいては、通常の円筒の表面を有している。領域Pcは、曲面で形成されているが、該曲面の曲率半径が、領域Pbの曲率半径の2倍程度大きな曲率半径で形成されている。また、領域Pcが基板2と対向したときに、基板との距離が領域Pbの場合よりも長くなるように表面形状が形成されている。
【0114】
まず、領域Paでプラズマを発生させ、ガラス基板の表面を、Arプラズマで前処理した。処理時間は2分であった。処理条件は表16に示す通りである。なお、領域Paでは、表面の凹凸のため、強いArプラズマの処理が行われ、この後に形成する多結晶シリコンの種形成が生じ易くなる。
【0115】
【表16】
Figure 0003634605
【0116】
次に、領域Pbでプラズマを発生させ、多結晶シリコン薄膜を形成した。膜厚は40000Åとなるように形成した。成膜時間は10分であった。薄膜形成条件等は表17に示す通りである。
【0117】
【表17】
Figure 0003634605
【0118】
次に、領域Pcでプラズマを発生させ、水素プラズマによる後処理を行った。処理時間は2分であった。処理条件は、表18に示す通りである。なお、領域Pcにおいては、基板とのギャップ間隔が大きくなるため、プラズマが拡がり易くなり、実質的にイオン衝撃の少ないソフトな水素プラズマ処理が可能となる。
【0119】
【表18】
Figure 0003634605
【0120】
以上のようにして形成した多結晶シリコン膜は、粒径が5〜6ミクロンと非常に良質な多結晶シリコン膜であった。
本実施例では、領域Pcを曲率半径の大きな曲面としているが、領域Pcの表面を完全な平面とし、後処理においては、回転電極を回転させずに、この平面である領域Pcを、基板上に対向させた状態で固定し、プラズマを発生させて水素プラズマ処理を行ってもよい。
【0121】
以上のように、本発明は薄膜の堆積及び薄膜の処理に適用することができるものであり、これらの薄膜の堆積及び薄膜の処理を、同一の回転電極を用い、各プロセスにおいてコンタミネーションを生じることなく薄膜の堆積及び薄膜の処理を行うことができる。本発明において形成する薄膜は、上記各実施例で示したものに限定されるものではなく、ITO、SnO、ZnOのような透明導電膜、SiO、Siなどの絶縁膜、AlN、Alなどのセラミック材料、CuInSeのような半導体薄膜、TiN、ZrOのような表面コーティング材料など種々の薄膜形成に適用することができる。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、回転電極によるコンタミネーションの影響を受けることなく、薄膜の堆積または薄膜の処理等を行うことができる。
また、本発明に従えば、同一の回転電極を用いて複数種の薄膜の堆積または薄膜の処理等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う薄膜形成方法を説明するための側面図。
【図2】本発明における電力パルスの印加のタイミングを示すタイミングチャート。
【図3】本発明に従う薄膜形成方法を実施するための薄膜形成装置の一例を示す概略断面図。
【図4】本発明の第3の局面に従う一実施例に用いる回転電極を示す側面図。
【図5】本発明の第4の局面に従う一実施例において用いる回転電極を示す側面図。
【図6】本発明の第3の局面に従う他の実施例において用いる回転電極及びターゲット材料を示す側面図。
【図7】本発明の第1の局面に従う一実施例において用いる回転電極を示す側面図。
【図8】本発明の第1の局面に従う他の実施例において用いる回転電極及び反応ガス供給管を示す側面図。
【図9】図8に示す回転電極及び反応ガス供給管を設置した薄膜形成装置の一例を示す概略断面図。
【図10】本発明の第1の局面及び第2の局面に従う実施例において用いる回転電極を示す側面図。
【符号の説明】
1…回転電極
1a…回転電極の表面
1b…回転電極の回転軸
Pa〜Pd…回転電極表面の領域
2…基板
3…プラズマ
4…基板ホルダー
5…高周波電源
6…ガス供給管
7…ガス排出管
8…チャンバー
10〜16…ターゲット材料
17…線状のターゲット材料
18…反応ガス供給管
18a…反応ガス供給管の先端
19…反応ガス供給管
19a…反応ガス供給管の先端
20,21…仕切り壁
22…回転電極表面に形成される凸部
23…回転電極表面に形成される曲率半径の大きな曲面

Claims (19)

  1. 円筒状の回転電極に高周波または直流電力を印加することにより、基板と回転電極の間にプラズマを発生させ、プラズマの物理的作用または化学的作用を利用して基板上に薄膜を堆積または基板上の薄膜を処理する薄膜形成方法であって、
    前記回転電極表面の円周方向に分割して設定される複数の領域において、各領域に応じて定められた異なるプロセスが実施され、前記複数の領域のうち同一のプロセスが行われる領域がn個であるとき、前記回転電極に前記電力のパルスを印加する周期が、前記回転電極の回転周期の1/nであることを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記異なるプロセスが、前記回転電極に前記電力を印加することにより前記プラズマを発生させて行う薄膜の堆積または薄膜の処理である請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記回転電極表面上の複数の領域の中の所定の領域が前記基板表面の近傍を移動しながら通過する間の所定期間内、前記回転電極に前記電力を印加して前記基板と前記回転電極の間にプラズマを発生させ、前記所定の領域に対して定められた薄膜の堆積または薄膜の処理を行う請求項1または2に記載の薄膜形成方法。
  4. 反応容器内でプラズマを発生させ、プラズマの物理的作用または化学的作用を利用して基板上に薄膜を堆積または基板上の薄膜を処理する薄膜形成方法であって、
    回転することにより前記基板表面の近傍を移動しながら通過する表面を有する円筒状の回転電極を準備する工程と、
    前記回転電極の表面の円周方向に分割して設定される複数の領域の中の所定の領域が前記基板表面の近傍を移動しながら通過する間の所定期間内、前記回転電極に前記電力を印加して前記基板と前記回転電極の間にプラズマを発生させ、前記所定の領域に対して定められた薄膜の堆積または薄膜の処理を行う工程とを備え
    前記複数の領域のうち同一のプロセスが行われる領域がn個であるとき、前記回転電極に前記電力のパルスを印加する周期が、前記回転電極の回転周期の1/nである薄膜形成方法。
  5. 前記複数の領域において、回転電極表面の形状、前記基板表面を通過する際の前記基板表面との間隔、または回転電極表面の材質のうち少なくとも一つが異なる請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  6. 前記薄膜の堆積がプラズマ中に反応ガスを供給して分解するプラズマCVD法による薄膜の堆積である請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  7. 前記反応ガスが、水素ガス、希ガス、または水素ガスと希ガスの混合ガスにより希釈されている請求項に記載の薄膜形成方法。
  8. 前記反応ガスが、シリコン薄膜を形成するための反応ガスであり、シランもしくは高次シラン、またはドーパントガスを含む請求項またはに記載の薄膜形成方法。
  9. 前記回転電極と前記基板との間に、プラズマ発生領域とその他の領域を空間的に分離するための仕切り壁が設けられており、反応ガスがこの仕切り壁の内側のプラズマ発生領域に供給される請求項のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  10. 前記回転電極に前記電力がパルス状に印加されており、これと同期して前記反応ガスがパルス状に供給される請求項のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  11. 前記複数の領域が、p型半導体の薄膜を堆積するための領域、i型半導体の薄膜を堆積するための領域、及びn型半導体の薄膜を堆積するための領域を含む請求項1〜1のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  12. 前記薄膜の処理が、プラズマとして水素プラズマまたは/及び希ガスプラズマを発生させ、そのプラズマを薄膜に照射する処理である請求項1〜1のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  13. 前記薄膜の堆積または薄膜の処理が、プラズマの近傍に配置されたターゲット材料をプラズマでスパッタリングするスパッタリング法による薄膜の堆積または薄膜の処理である請求項1〜1のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  14. 前記ターゲット材料が、スパッタリングを行う領域の回転電極表面の上に設けられている請求項1に記載の薄膜形成方法。
  15. 前記ターゲット材料が、プラズマの近傍に配置された線状のターゲット材料である請求項1に記載の薄膜形成方法。
  16. 前記プラズマの原料ガスが、水素ガス、希ガス、または水素ガスと希ガスの混合ガスである請求項1〜1のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  17. 前記ターゲット材料が、半導体、半導体のドーパント、透明導電体、または金属である請求項1〜1のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  18. 前記薄膜の堆積が、異なる種類の薄膜を堆積して積層しアロイ薄膜または超格子構造薄膜を形成するための薄膜の堆積であり、前記異なる種類の薄膜に対応するターゲット材料が、該薄膜を堆積する対応の領域の回転電極表面上に設けられている請求項1、1または1に記載の薄膜形成方法。
  19. 前記薄膜の堆積が、シリコン系アロイ薄膜またはシリコン系超格子構造薄膜を形成するための薄膜の堆積であり、ターゲット材料の一つがシリコンを含み、他のターゲット材料の少なくとも一つがシリコンのバンドギャップを広くする元素または狭くする元素を含む請求項1に記載の薄膜形成方法。
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