JP3634398B2 - 青果物鮮度保持用フィルムおよびその包装体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、花弁、果実、野菜等の青果物の鮮度低下を抑制するための鮮度保持包装用フィルムに関する。更に詳しくは、青果物を密封包装し、系内のガス組成を適性に維持するための鮮度保持包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、青果物の鮮度低下を抑制する方法の1つとして、青果物の貯蔵雰囲気環境ガス組成をコントロールするCA貯蔵(Contorolled Atmosphere)が一般的に行われており、現在リンゴの長期貯蔵等で実用化されている。また、CA貯蔵の1つとして、包装袋内をフィルム密封包装と青果物の呼吸作用を利用して低酸素、高炭酸ガス濃度に保つ、いわゆるMA(Modified Atmosphere )貯蔵も広く行われている。
【0003】
かかる青果物の鮮度低下を抑制する方法として、MA貯蔵する場合、包装袋内を適切なガス組成にコントロールするために、包装用フィルムとして、青果物の呼吸量に合わせた適度な酸素、炭酸ガス透過性フィルムを選択することが必要となる。かかるフィルムの選択は、フィルムのガス透過性がフィルムの厚みに反比例することを利用して、フィルムの厚みを変えることにより行われている。
【0004】
例えば、最も代表的な熱可塑性樹脂であるポリエチレンフィルムの場合、フィルムの厚さが30μで、酸素透過度が、23℃において5000〜10000cc/m2 ・24hrs・atm程度得られるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる酸素透過度の範囲は、呼吸量の小さい青果物や低温保存により呼吸量が低下している内容物の場合において、上記MA効果が十分発揮され、鮮度保持効果が得られるのものである。しかし、内容物として、呼吸量が非常に激しい青果物、例えば青ウメ、ブロッコリー、きのこ等の場合には、内容物の呼吸量が激しいため、上記酸素透過度をもつフィルムでは包装袋内の酸素濃度が急激に低下し、内容物の呼吸障害が発生するため、青果物の悪臭、障害等により商品性を失い好ましくない。
【0006】
また、かかる場合に、フィルムの23℃における酸素透過度を通常10000cc/m2 ・24hrs・atm以上にすることが必要であることは本発明者等の実験により明らかになっている。しかし、かかる酸素透過度を得るためのフィルム厚は、最も一般的な熱可塑性樹脂であるポリエチレンの場合で30μ以下が必要となる。しかし、青果物を包装する包装体として使用する場合には、フィルムとして通常単層フィルムを使用するため、30μ以下のフィルム厚では、フィルムの強度が弱くなり、青果物充填時におけるフィルムの破袋、青果物包装体として輸送する場合にフィルムの破袋が生じてしまう。よって、30μ以下の青果物用のフィルムを製造するのは、フィルム強度の点から実質的に困難であるという問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上述のような実情に基づいて創作されたものであり、本発明の目的は、内容物として呼吸量が非常に激しい青果物等を包装する場合のフィルムとして、フィルム厚が30μ以下であり、かつ高い酸素透過度を有し、かつ強度及び製膜安定性に優れたフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、シングルサイト触媒により重合されたエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いることにより、厚さ30μ以下のフィルムが安定して製膜でき、かつ、高い酸素透過度をもつ十分な強度を有した、優れたMA効果を発揮する青果物鮮度保持包装用フィルムが得られることを見出し、本発明に想到したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムであって、かつ該フィルム厚が30μ以下、更に好ましくは、15〜25μであるように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明は、前記フィルムが23℃において酸素透過度が10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmであるように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
更に、本発明の包装体は、上記本発明のエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いて形成した構成としたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
本発明の青果物鮮度保持包装用フィルムは、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムで構成しているため、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムは、分子量分布が狭いという特徴を有することより、フィルムの成形性が良好となり、30μ以下の薄いフィルムが安定して製膜することが可能となる。
【0013】
さらに、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体は、ヒートシール強度に優れたフィルムを得ることができる。すなわち、本発明のフィルムを用いて形成した包装体は、ヒートシール強度に優れるため、強いラミネート強度のフィルムが得られ、高い破袋強度が得られる。また、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体は、コモノマー量で融点をコントロールできるので、低温シール性にも優れたフィルムを得ることができる。
【0014】
よって、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムは、30μ以下の厚みでフィルムを製膜した際にも、製膜安定性に優れ、かつヒートシール強度が強いため、青果物充填・包装時に十分なフィム強度が得られる。また、かかるフィルム厚は、呼吸量が非常に大きい青果物を包装する際の酸素透過度10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmを有するため、青果物鮮度保持に必要なフィルムが得られる。
【0015】
また、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体は、透明性がよいので、きれいなフィルムが得られ、又、耐寒衝撃性もよいので、冷蔵保存用のMA包装フィルムとしても好適に使用できる。
【0016】
さらに、本発明のフィルムを用いて形成した包装体は、低温シール性およびヒートシール強度に優れるため、フィルムをシールするためのシール層が不要であり、従って、包装体に用いる積層体の層構成の簡略化が可能となる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の鮮度保持包装用フィルムについて詳細に説明する。
本発明の鮮度保持包装用フィルムは、シングルサイト触媒(SSC)を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いた構成としてある。
【0018】
ここで、シングルサイト触媒(メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触媒を含む)とは、活性点が均一(シングルサイト)であるという特徴を持つ。このシングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されることもある。
【0019】
ここで、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれた遷移金属〔チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)〕に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基または置換フルオニル基が1乃至2結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイソ原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものが挙げられる。
【0020】
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等が挙げられる。
【0021】
ここで、アルキルアルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
【0022】
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成される。例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで得られる。
【0023】
また、上記シングルサイト触媒を担持させる無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。
【0024】
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等が挙げられ、また、これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。
【0025】
また、重合条件は、通常、重合温度;−100〜250℃、重合期間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm2 である。
【0026】
更に、エチレンと共重合されるコモノマーであるαオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等が挙げられる。これらのαオレフィンは単独で使用してもよく、二以上組合わせて使用しても良い。また、αオレフィンの混合率は、1〜50モル%とすることが好ましい。
【0027】
なお、本発明のエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムに、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、染料、顔料、などを適宜添加してもよい。
【0028】
上記シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量;5×103 〜5×106 、密度;0.89〜0.95(g/cm3 )、メルトインデックス〔MI〕;0.1〜50である。
【0029】
フィルムの形成方法は特に限定されないが、例えば、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。これらのフィルムは適宜延伸して使用してもよい。
【0030】
上記シングルサイト触媒を利用して重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いると、フィルム厚が30μ以下のフィルムが安定して製膜可能となる。かかるフィルム厚が30μ以上では、フィルムが安定して製膜可能であっても、酸素透過度が23℃において10000cc/m2 ・24hrs・atm以下となり、内容物として、特に呼吸量が激しい青果物、例えば青ウメ、ブロッコリー、きのこ等を包装した場合、フィルム内の酸素濃度が急激に低下し、内容物の呼吸障害が発生して悪臭・障害等により商品性を失い、青果物鮮度保持用フィルムとしての機能をもたなくなるからである。
【0031】
よって、フィルムの厚みは、酸素透過度との関係において重要であり、必要とされるガス透過性によりフィルムの厚みを適宜選択することが必要である。特に呼吸量が激しい青果物、例えば青ウメ、ブロッコリー、きのこ等の青果物鮮度保持用フィルムの場合には、フィルムの酸素透過度が23℃において10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmが必要となる。かかる酸素透過度を得るためには、フィルムの厚みを15〜25μとするのが好ましい。15μ以下では、シングルサイト触媒を利用して重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムの製膜が可能といっても、包装に適するフィルム強度が得られなく、また25μ以上では酸素透過度が23℃において10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmを好適に得られないからである。
【0032】
次に、本発明の包装体について説明する。
本発明の包装体は、上述した本発明のフィルム用いて包装体を形成した構成としてある。
【0033】
本発明に使用するフィルムとしては、シングルサイト触媒を利用して重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムの単層が好ましい。かかるフィルムは単層で所望の酸素透過度23℃において10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmが得られるからである。また、かかるフィルムは、低温シール性およびヒートシール強度に優れるため、かかるフィルム単層であっても強いシール強度を有する包装体を得ることが出来る。また、衝撃強度も強く、包装体として使用した際には高い破袋強度が得られる。
【0034】
なお、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いると、このシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムは、分子量分布が狭く、低分子量物の含有量が非常に少ないため、内容物への移臭がなく、従って官能的にも良好な包装体が得られる。
【0035】
また、使用するフィルムとして、フィルム全体の酸素透過度が23℃において10000〜25000cc/m2 ・24hrs・atmとなるようであればエチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを含む積層体であってもよい。または、低密度ポリエチレン(LDPE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とのブレンドであってもよい。
【0036】
また、上記包装体は、従来公知の製袋方法により製袋でき、包装形態は、三方、ピロー、ガセット等の任意の形態に加工可能である。更に、該フィルムによる包装袋の密封方法としてはヒートシール密封がより望ましいが、密封が完全であれば輪ゴム止め等の方法を用いてもよい。
【0037】
更に、本発明のフィルムに必要に応じて印刷等を施してもよい。印刷方法は、従来公知のグラビア印刷、フレキソ印刷等でよく、印刷インキとしては、エチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムに適した既知のものが用いられる。なお、印刷適性を付与するために該フィルム表面に予めコロナ処理を施しておいてもよい。
【0038】
また、本発明のフィルムに防曇処理等を施してもよい。これは、一般に含水性食品を包装する食品包装用フィルムにおいては食品中に含有される水分、あるいは食品表面に付着した水分によって、包装フィルム内面に水滴による曇りを生じ外観等に悪影響を及ぼすからである。
【0039】
防曇剤の種類は特に限定されるものではないが、従来公知の防曇剤として例えば非イオン界面活性剤が用いられる。具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン、オキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等が挙げられる。このうち脂肪酸エステルの酸基についてはラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が一般的であるが、防曇効果の発現効果によって、上記各酸基のついた脂肪酸エステルが用いられる。また、エーテルについては一般のエチレンオキサイドの付加モル数によって防曇効果が調節できるが、通常は4〜10モルの付加モル数のものが用いられる。また、各脂肪酸エステル同士の混合、さらには脂肪酸エステルとエーテル同士の混合も本発明において適用できる。
【0040】
また、上記非イオン界面活性剤の全体に対する混合割合は、0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%が好適である。これは非イオン活性剤が5重量%より多いと防曇効果は良好であるがフィルムにべとつきが生じ、製膜後の製袋時におけるヒートシール性等に影響を及ぼすからである。また、0.1重量%より少ないと所望の防曇効果を発現させることができないからである。
【0041】
以下、具体的実験例を示し本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例〕
実施例1サンプルの作製
従来公知のインフレーションにより、メタロセン触媒により重合したポリエチレン(d=0.92、MI=2)を厚さ15μで作製した。フィルムの23℃における酸素透過度は16000cc/m2 ・24hrs・atmであった。
【0042】
〔比較例〕
比較例1サンプルの作製
従来公知のインフレーションにより、直鎖低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)モアテック0238N、d=0.92、MI=2)を厚さ30μで作製した。フィルムの23℃における酸素透過度は8000cc/m2 ・24hrs・atmであった。
【0043】
比較例2のサンプルの作製
従来公知のインフレーションにより、直鎖低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)モアテック0238N、d=0.92、MI=2)を厚さ15μで作製した。フィルムの23℃における酸素透過度は16000cc/m2 ・24hrs・atmであった。
【0044】
実験1
実施例1および比較例1サンプルのフィルムで内寸200×300mmのパウチを作成し(パウチ表面積0.12m2 )、青ウメ1Kgを密封包装し、20℃で5日間保存した後に内部ガス組成および青ウメの品質変化を調べた。
【0045】
上記実験1の結果を下記表1に示す。
【0046】
【0047】
表1から明らかなように本実施例1サンプルでは、パウチ内を最適な酸素濃度に保つことが可能であり、青ウメの黄化、褐変防止に効果的であって、かつ過剰の低酸素による内容物の悪臭の発生はなかったことがわかる。これに対して比較例サンプル1ではパウチ内の酸素濃度が低いために青ウメに褐変と悪臭が発生し商品性が著しく低下することが認められた。
【0048】
実験2
実施例1および比較例2サンプルのフィルムで内寸200×300mmのパウチを作成し(パウチ表面積0.12m2 )、青ウメ1Kgを密封包装した後に10Kg詰め段ボール箱に10袋詰めてトラックにて20℃×48時間の輸送テストを実施した。
【0049】
上記実験2の結果を下記表2に示す。
【0050】
【0051】
表2から明らかなように本実施例1サンプルでは青ウメの充填・包装時、更にはトラックにて20℃×48時間輸送した後でもフィルムは破れなく、フィルムの破袋強度は高いことがわかる。これに対して比較例2サンプルでは青ウメの充填・包装時において、更にはトラックにて20℃×48時間輸送した後のそれぞれにおいてフィルムが破れることがわかり、フィルムの破袋強度は低いことが認められた。
【0052】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。
すなわち、本発明は、青果物鮮度保持用フィルムとして、エチレン単独重合体またはエチレン−αオレフィン共重合体フィルムを用いたことにより、30μ以下の薄いフィルムでかつ強度に優れたフィルムが安定して製膜可能であり、また、その結果、従来よりも高い酸素透過度が得れることとなり、内容物として呼吸量の激しい青果物例えば青ウメ、ブロッコリー、キノコ類等のMA包装用フィルムとして使用できるという効果を奏する。また、これにより従来より長期間にわたり、上記青果物の鮮度を維持することが可能となる。
Claims (2)
- 包装用フィルムを使用し、これを製袋してなる包装袋内に青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる成果物を密閉包装した包装体であって、その包装袋を構成する包装用フィルムのフィルム密閉包装と、青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物の呼吸作用とを利用して、その包装袋内を低酸素、高炭酸ガス濃度に保って、青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物の鮮度低下を抑制する貯蔵方式に用いる包装袋を構成する鮮度保持包装用フィルムであり、更に、該鮮度保持包装用フィルムが、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレンとプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはデセンからなるαオレフィンとの共重合体のフィルムからなり、更に、そのフィルムの膜厚が15〜25μであって、かつ、そのフィルムの23℃における酸素透過度が10000〜25000cc/m2・24 hrs・atmからなることを特徴とする青果物鮮度保持用フィルム。
- シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン単独重合体またはエチレンとプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはデセンからなるαオレフィンとの共重合体のフィルムからなり、更に、そのフィルムの膜厚が15〜25μであって、かつ、そのフィルムの23℃における酸素透過度が10000〜25000cc/m2・24hrs・atmからなる青果物鮮度保持用包装フィルムを使用して製袋した包装袋内に、青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物を密閉包装し、次いで、その包装袋を構成する青果物鮮度保持用包装フィルムのフィルム密閉包装と、青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物の呼吸作用とを利用して、その包装袋内を低酸素、高炭酸ガス濃度に保って、上記の青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物の鮮度低下を抑制する貯蔵方式を用いて、上記の青ウメ、ブロッコリ−またはきのこからなる青果物の鮮度を保持することを特徴とする青果物包装体。
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