JP3634191B2 - 化粧塗装箔およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧塗装箔およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の外壁や内壁などの基材表面に化粧を施す方法としては、たとえば、基材表面に直接塗料を塗布して化粧塗膜を形成したり、壁紙,ポリ塩化ビニル製の化粧シートなどの化粧材を基材表面に貼着させり、化粧塗膜あるいは化粧材の表面にさらに耐衝撃性や耐候性等に優れた保護用塗膜を設けるような方法が用いられている。
【0003】
そして、化粧塗膜あるいは保護用塗層を形成する方法としては、従来、化粧材や化粧塗膜の表面に刷毛、ローラー或いはスプレーなどを用いて液状の塗料を塗布する方法が一般的であったが、昨今では、特開平7−125496号公報や特開平9−314037号公報に開示されているような転写フィルムあるいは塗装用シートと称する保護層となる塗膜を予めシート状あるいはフィルム状に作製しておき、このシート状あるいはフィルム状の塗膜を基材表面あるいは化粧材表面に固着する方法、特開平2−108599号公報に開示されているような転写箔を基材表面あるいは化粧材表面に固着する方法等が行われている。
【0004】
しかしながら、液状の塗料を用いる方法では、液状塗料の塗布作業に熟練を要する、異なる塗料毎に刷毛などの塗装用具を洗浄または交換する必要がある等の問題があるとともに、塗料の乾燥等に時間がかかると言う問題がある。
【0005】
一方、転写フィルムあるいは塗装用シートを用いる方法および転写箔を用いる方法では、上記の液状塗料のような問題はないが、転写フィルムあるいは塗装用シートを用いる方法の場合、保護層用の塗膜として固着されるシート状あるいはフィルム状の塗膜が紫外線硬化性樹脂で形成されているため、紫外線硬化型接着剤を用いて基材表面あるいは化粧材表面にシート状あるいはフィルム状の塗膜を接着せざるを得ない。したがって、紫外線照射装置を備えていない現場施工では、接着剤を用いて接着させることができず、固着力の弱い粘着剤による固着に頼らざるを得ない。
【0006】
また、このシート状あるいはフィルム状の塗膜に化粧性を持たせて化粧材として使用しようとした場合、微妙な模様などの表現が難しいと言う問題もある。
他方、転写箔を用いる方法の場合、転写時に表面側の保護層となる剥離層の裏面側にインクを用いて印刷することによって装飾層を形成するようにしているが、剥離層を耐候性および耐磨耗性等に優れた紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂を硬化させて形成すると、インクが弾いたりするため、微妙な模様などを装飾層に施すことが難しい。
【0007】
したがって、剥離層が紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂で形成された転写箔は、実用に至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みて、建築物の外壁や内壁などの基材表面等の被化粧面に現場施工で簡単に化粧を施すことができるとともに、耐候性や耐磨耗性等の物理的性質に優れ、微細な模様の表現も可能な化粧塗装箔およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる化粧塗装箔(以下、「請求項1の化粧塗装箔」と記す)は、離型シートの離型面にインキによって印刷され、離型面に対して離型性を有する印刷層と、熱硬化性樹脂塗料、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料、紫外線硬化性樹脂塗料からなる群より選ばれた1種の硬化性樹脂塗料が前記印刷層の表面を覆うように塗布後硬化されて形成された塗膜層とからなる箔本体を備える構成とした。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明にかかる化粧塗装箔(以下、「請求項2の化粧塗装箔」と記す)は、請求項1の化粧塗装箔において、塗膜層の表面に塗膜層に対して易剥離を有する保護フィルムが添設されている構成とした。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明にかかる化粧塗装箔(以下、「請求項3の化粧塗装箔」と記す)は、請求項1または請求項2の化粧塗装箔において、硬化性樹脂塗料として無溶剤型樹脂組成物を用いるようにした。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明にかかる化粧塗装箔(以下、「請求項4の化粧塗装箔」と記す)は、請求項1〜請求項3のいずれかの化粧塗装箔において、塗膜層中に紫外線吸収剤が含れている構成とした。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明にかかる化粧塗装箔の製造方法(以下、「請求項5の製造方法」と記す)は、離型シートの離型面にインキによって印刷され、離型面に対して離型性を有する印刷層の離型面と反対側の面に、印刷層を離型シートに添設した状態で、熱硬化性樹脂塗料、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料、紫外線硬化性樹脂塗料からなる群より選ばれた1種の硬化性樹脂塗料を塗布する塗料塗布工程と、塗布された硬化性樹脂塗料を硬化させて塗膜層を形成する塗膜層形成工程とを備えている構成とした。
【0014】
本発明の請求項6に記載の発明にかかる化粧塗装箔の製造方法(以下、「請求項6の製造方法」と記す)は、請求項5の製造方法において、塗料塗布工程と塗膜層形成工程との間に、塗布された未硬化状態の硬化性樹脂塗料表面に保護フィルムを添設し、保護フィルムの添設面形状を硬化性樹脂塗料表面に転写する工程を備え、塗膜層形成工程を、硬化性樹脂塗料表面への保護フィルムの添設状態で行うようにした。
【0015】
また、本発明において、印刷層は、一層でも構わないし、下塗層の上に上塗り層や、中間層および上塗り層等2層以上から構成されていても構わない。
印刷層の形成方法は、特に限定されないが、たとえば、ダイコーター、ロールコーター、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の方法が挙げられる。
【0016】
印刷層に用いるインキとしては、離型シートの離型面に印刷可能で、各種接着剤に対して接着性を備えているものであれば、特に限定されないが、たとえば、アクリル樹脂系のもの、フッ素樹脂系のもの、無機系のものなどが挙げられ、耐候性を考慮するとフッ素樹脂系のものが好ましい。
【0017】
離型シートとしては、印刷層が容易に剥離するものであれば、特に限定されないが、例えば、上質紙、コート紙、キャストコート紙、アート紙などの紙基体、合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニルなどのフイルム状合成樹脂シート、ポリエチレンのようなポリオレフィン樹脂で片面あるいは両面にラミネートを施したラミネート紙等や、これらをベース層としてこのベース層の離型面側に離型剤によって離型層を形成したもの、コロナ処理等によって離型性を調整したもの等が挙げられる。すなわち、印刷層に対して適度の接着性があり、剥離時に容易に剥離できるように離型性を調整できていればよい。
【0018】
離型シートの厚さは、特に限定されないが、通常10〜150μm、好ましくは20〜100μmである。
塗膜層を形成する硬化性樹脂組成物としては、塗装時に印刷層のインクとマイグレートすることなく、印刷層への塗着性に優れるとともに、印刷層の保護を図ることができれば、特に限定されないが、紫外線による劣化等を考慮すると、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料が好ましく、環境面を考慮すると、請求項3の化粧塗装箔のように、無溶剤型のものが好ましい。
【0019】
無溶剤型の硬化性樹脂塗料としては、公知のものが使用できるが、たとえば、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基などの2重結合を有する光重合性のオリゴマー(たとえば、ウレタンアクリレート樹脂など)と、モノマー(たとえば、トリプロピレングリコールジアクリレートなど)の単体もしくは混合物を種成分とするものが好ましい。
さらに、塗膜層中には、請求項4の化粧塗装箔のように、紫外線吸収剤を含有させることが好ましく、必要に応じて従来から塗料に用いられる公知の顔料やその他の充填剤を添加することも可能である。
【0020】
塗膜層の形成方法は、特に限定されないが、たとえば、バーコート法、ロールコート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法、ファウンテンコート法、あるいはスリットダイコート法等によって印刷層表面に硬化性樹脂組成物を所定の厚さに塗布する工程を経たのち、硬化性樹脂組成物に熱を加えたり、紫外線,電子線,放射線等を照射する方法が挙げられる。
【0021】
塗膜層の厚さは、特に限定されないが、5μm〜300μm程度が好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
すなわち、塗膜層の厚さが厚すぎると、化粧塗装箔の可撓性が悪くなり、凹凸のある基材面の場合、化粧塗装箔を基材面に巧く沿わせることができなくなる恐れがあり、薄すぎると、印刷層の保護効果が不十分となる恐れがある。
【0022】
保護フィルムとしては、塗膜層に対する易剥離性を有し、塗膜層を構成する樹脂とマイグレートしにくい材料であれば、特に限定されないが、たとえば、ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムが挙げられ、これらの樹脂フィルムをベースとして塗膜層側の面に離型剤を塗布された離型層を備えたものでも構わない。
【0023】
保護フィルムの厚さは、塗膜層を保護できれば、特に限定されないが、通常20〜100μm程度である。
硬化性樹脂塗料を硬化させるのに用いる紫外線照射装置、電子線照射装置、放射線照射装置としては、特に限定されず、公知のものが適宜用いられる。
【0024】
本発明の製造方法において、塗膜層の樹脂として電子線硬化性樹脂を用いる場合、用いられる電子線照射装置は、特にその方式を限定するものではなく、例えばバンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、およびカーテンビーム方式のような電子線照射装置を使用することが出来、これらの中でも比較的安価で電子線の照射出力の大きい、カーテンビーム方式が好ましい。塗布膜厚によって必要加速電圧を選択する。電子線照射雰囲気は、窒素燃焼ガスその他、酸素やオゾン等を含有しない不活性ガス中とする。
【0025】
また、電子線照射の際の加速電圧は100〜500k Vであることが好ましい。電子線の透過率を上げるため、250k V以上のほうがより好ましい。電子線の吸収線量は、電子線硬化性樹脂組成物に所望の硬化を施すことができるものであればよく、特に限定するものではないが、一般的には、0.1〜6Mradであり、好ましくは0.2〜4Mradである。吸収線量が0.1Mrad未満の場合には、電子線照射量による電子線硬化性樹脂組成物の硬化が不十分になることがある。また吸収線量が6Mradを越えると、シート状基材を劣化させたり、変色させることがあり、またエネルギーの無駄でもある。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は本発明にかかる化粧塗装箔の1つの実施の形態をあらわしている。
【0027】
図1に示すように、この化粧塗装箔1は、離型シート2と、印刷層3および塗膜層4とからなる箔本体7と、保護フィルム5とを備えている。
離型シート2は、ベース層21と、ベース層21の一側面に離型剤を塗布固定するかコロナ処理することによって離型性を調整された離型層22とを備えている。
【0028】
印刷層3は、離型層22の表面に先ず下地層31が印刷されたのち、化粧層32が印刷されている。
塗膜層4は、図2に示すように、紫外線吸収剤を含む無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料が印刷層3の表面に塗装され、印刷層3上で硬化されているとともに、表面がエンボス模様の凹凸面となっている。また、その厚さが10μm〜100μm程度となっている。
【0029】
保護フィルム5は、塗膜層4の表面に添設されていて、塗膜層4に対して易剥離性を備えているとともに、塗膜層4側の面に塗膜層4の表面の凹凸に嵌合する凹凸を有する凹凸面となっている。
【0030】
つぎに、この化粧塗装箔1の製造方法を図3を参照しつつ詳しく説明する。
この化粧塗装箔1は、図3(a)に示すように、まず、離型シート2の表面に離型層22に対する離型性を備えた印刷インキで下地層31を印刷したのち、図3(b)に示すように、この下地層31に化粧層32を印刷し、印刷層3を形成する。
【0031】
つぎに、図3(c)に示すように、塗膜層4となる透明な紫外線吸収剤を含む無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´を化粧層32の上から塗布する。
無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´が未硬化の状態で、図3(d)に示すように、一方の面にエンボス模様の凹凸が設けられるとともに、無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´の硬化物に対して易剥離性を備えた保護フィルム5を、凹凸面側が無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´に密着するように積層する。
【0032】
そして、このようにして得た積層物を電子線照射装置内に入れ、電子線照射を行い無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´を硬化させて図1に示すような印刷層3と塗膜層4とを備える化粧塗装箔1を得る。
上記のようにして得た化粧塗装箔1は、離型シート2を剥がすとともに、露出した印刷層3の下地層31に接着剤を塗布するか、基材表面に接着剤を塗布したのち、下地層31を基材表面に密着するように添設し、接着剤を介して基材表面に接着一体化する。
【0033】
つぎに、保護フィルム5を塗膜層4から剥離することによってエンボス模様調をした木目調の箔本体7を基材表面を覆うように固着することができる。
すなわち、この化粧塗装箔1は、上記のような構成をしており、以下のような優れた効果を備えている。
【0034】
▲1▼ 接着面が各種接着剤との接着性に優れたインキによって形成された印刷層3であるので、離型シート2を剥がすだけで既存の接着剤で容易に化粧塗装箔1を基材表面に接着一体化させることができる。
また、印刷層3が離型シート2上に印刷形成されたのち、硬化性樹脂塗料4´を印刷層3の表面を覆うように塗布後、硬化させて塗膜層4が形成されるようになっているので、微細なパターンの印刷が可能で、意匠性(立体感・形状、色調、多彩感等)の高いものとすることができる。
【0035】
(2) 塗膜層4が、不揮発分100%の無溶剤型の電子線硬化性樹脂塗料4´から形成されているので、シックハウス症候群の原因となるVOC(Volatile Organic Compound :揮発性有機化合物) の発生がなく、室内の建材や家具などの化粧塗膜として好適に使用することができる。
(3) 塗膜層4が、無溶剤型電子線硬化性樹脂塗料4´で形成されている場合は、紫外線硬化性樹脂塗料を用いた場合のように、塗膜層の黄変等の問題がなく、また、紫外線吸収剤を含んでいるので、紫外線による印刷層3、特に、化粧層32の劣化も防ぐことができ、より耐久性に優れたものとなる。
【0036】
▲4▼ 塗膜層4が、保護フィルム5で被覆されているので、箔本体7の基材表面への接着が完了まで、保護フィルム5を塗膜層4に添設させた状態にしておけば、保管時や搬送時あるいは接着作業時に塗膜層4に傷が付いたりする事故を防ぐことができる。
▲5▼ 塗膜層4の厚さが10μm〜100μmと厚膜であるため、机の天板等の家具の表面化粧材としても使用することができる。
【0037】
一方、上記化粧塗装箔1の製造方法は、以下のような優れた効果を備えている。
▲1▼ 電子線照射により電子線硬化性樹脂塗料4´を硬化させるようにしたので、保護フィルム5が着色されていても、電子線硬化性樹脂塗料4´を硬化させて化粧塗装箔1を製造することができる。
【0038】
▲2▼ エンボス模様の凹凸を備えた保護フィルム5を用いるようにしたので、電子線硬化性樹脂4´を硬化させるだけで、塗膜層4表面をエンボス模様の凹凸面にすることができる。
【0039】
本発明にかかる化粧塗装箔は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、塗膜層が透明塗料で形成され、印刷層の化粧層が塗膜層越しに視認されることによって化粧性を付与していたが、塗膜層を顔料が含まれた樹脂塗料によって形成し、塗膜層によって化粧性を付与するようにしても構わない。すなわち、この場合、印刷層は下地層のみでも構わない。
上記の実施の形態では、保護フィルムにエンボス模様の凹凸を設け、この凹凸形状を転写することによって塗膜層4の表面をエンボス模様調の凹凸形状にしていたが、平滑な保護フィルムを用いれば、光沢のある塗膜層とすることもできる。
【0040】
さらに、上記の実施の形態では、離型シート2を一旦取り除き、印刷層3を露出させた後、接着剤を介して基材表面に化粧塗装箔1を接着一体化させるようになっているが、離型シート2を一旦取り除いて露出させた印刷層3に接着剤や粘着剤を予め塗布して接着剤層や粘着剤層を予め形成し、この接着剤層や粘着剤層に再び離型シートを添わせた状態にしておけば、離型シートを取り除くだけで基材表面に容易に固着することができる。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0042】
(実施例1)
厚さ32μmの未処理ポリエステルフィルム(東洋紡社製)の表面に剥離補助層を設けた離型シートの離型面全面に、隠蔽性を有するフッ素樹脂系の着色インキを用いて厚さ4μmの下地層をベタ印刷した。
【0043】
つぎに、この下地層の上にフッ素樹脂系インキを用いて木目調の化粧層を4μmの厚さでグラビア印刷した。
化粧層の上に透明の無溶剤型の電子線硬化性樹脂塗料(サンユーペイント社製のウレタンアクリレート樹脂とトリプロピレンクリコールジアクリレートの混合物を主成分とするもの)をグラビアコート法で75μmの厚みになるように塗布した。
【0044】
この電子線硬化性樹脂塗料の上に、すりガラス調の凹凸面を有する厚さ32μmのポリエステルエンボスフィルム(東洋紡社製)を保護フィルムとして凹凸面側が電子線硬化性樹脂塗料に沿うように添設した状態で、窒素ガス雰囲気の電子線照射装置(日新電機社製カーテンビーム方式)中に入れ、250kVの加速電圧で4Mradの電子線を照射し、電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて化粧塗装箔を得た。
そして、化粧塗装箔の離型シートを剥がし、露出した印刷層にアクリル系樹脂接着剤を塗布し、接着剤を介して基材である木質ボードの表面に接着一体化したのち、保護フィルムを取り除いて、化粧ボードを得た。
【0045】
得られた化粧ボードは、化粧塗装箔の箔本体によって艶消しされた木目調に化粧されており、しかも、表面が電子線硬化性樹脂からなる塗膜によって形成されていて、耐候性,耐磨耗性に優れたものであった。
【0046】
(実施例2)
実施例1の下地層の上に化粧層を設けず、下地層のみの印刷層とするとともに、この印刷層にチタン顔料を含む着色された無溶剤型の電子線硬化性樹脂塗料(サンユーペイント社製のウレタンアクリレート樹脂とトリプロピレンクリコールジアクリレートの混合物を主成分とするもの)をダイコーター法で100μmの厚みになるように塗布した。
【0047】
この電子線硬化性樹脂塗料の上に、エンボス調の凹凸面を有する厚さ50μmのポリエステルエンボスフィルム(東洋紡社製)を保護フィルムとして凹凸面側が電子線硬化性樹脂塗料に沿うように添設した状態で、窒素ガス雰囲気の電子線照射装置(日新電機社製)中に入れ、250kVの加速電圧で6Mradの電子線を照射し、電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて化粧塗装箔を得た。
そして、化粧塗装箔の離型シートを剥がし、露出した印刷層にアクリル系樹脂接着剤を塗布し、接着剤を介して基材である木質ボードの表面に接着一体化したのち、保護フィルムを取り除いて、化粧ボードを得た。
【0048】
得られた化粧ボードは、化粧塗装箔の箔本体によってエンボス調に化粧されており、しかも、表面が電子線硬化性樹脂からなる塗膜によって形成されていて、耐候性,耐磨耗性に優れたものであった。
【0049】
【発明の効果】
本発明にかかる化粧塗装箔は、以上のように構成されているので、建築物の外壁や内壁などの基材表面等の被化粧面に現場施工で簡単に化粧を施すことができるとともに、耐候性や耐磨耗性等の物理的性質に優れ、微妙な模様の表現も可能で、意匠性の高いものとすることができる。
【0050】
また、請求項2の化粧塗装箔のようにすれば、箔本体の基材表面への接着が完了まで、保護フィルムを塗膜層に添設させた状態にしておけば、保管時や搬送時あるいは接着作業時に塗膜層に傷が付いたりする事故を防ぐことができる。
請求項3の化粧塗装箔のようにすれば、シックハウス症候群の原因となるVOC(Volatile Organic Compound :揮発性有機化合物) の発生がなく、室内の建材や家具などに用いても安全である。
【0051】
請求項4の化粧塗装箔のようにすれば、紫外線による印刷層の劣化も防ぐことができ、より耐久性に優れたものとなる。
一方、本発明にかかる化粧塗装箔の製造方法は、離型シートの離型面にインキによって印刷された印刷層に硬化性樹脂塗料を塗布したのち、硬化させるようにしたので、ダイコーター、ロールコーター、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の剪定力、機械的外力のかかる塗布方法によっても化粧塗装箔の製造が可能である。
【0052】
また、請求項6の製造方法のようにすれば、硬化性樹脂を硬化させるだけで、塗膜層表面を保護フィルムの面形状に沿った形状とすることができる。すなわち、エンボス模様、艶消し面、鏡面等のいろいろな面の塗膜層を保護フィルムを替えることによって自由に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる化粧塗装箔の1つの実施の形態をあらわす断面図である。
【図2】図1の化粧塗装箔の要部拡大断面図である。
【図3】本発明にかかる化粧塗装箔の製造方法を工程順に説明する説明図である。
【符号の説明】
1 化粧塗装箔
2 離型シート
3 印刷層
31 下地層
32 化粧層
4 塗膜層
4´ 電子線硬化性樹脂塗料
5 保護フィルム
7 箔本体

Claims (6)

  1. 離型シートの離型面にインキによって印刷され、離型面に対して離型性を有する印刷層と、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料、紫外線硬化性樹脂塗料からなる群より選ばれた1種の硬化性樹脂塗料が前記印刷層の表面を覆うように塗布後硬化されて形成された塗膜層とからなる箔本体を備える化粧塗装箔。
  2. 塗膜層の表面に塗膜層に対して易剥離を有する保護フィルムが添設されている請求項1に記載の化粧塗装箔。
  3. 前記硬化性樹脂塗料が、無溶剤型の電子線硬化性樹脂塗料である請求項1または請求項2に記載の化粧塗装箔。
  4. 塗膜層中に紫外線吸収剤を含む請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の化粧塗装箔。
  5. 離型シートの離型面にインキによって印刷され、離型面に対して離型性を有する印刷層の離型面と反対側の面に、印刷層を離型シートに添設した状態で、電子線硬化性樹脂塗料、放射線硬化性樹脂塗料、紫外線硬化性樹脂塗料からなる群より選ばれた1種の硬化性樹脂塗料を塗布する塗料塗布工程と、塗布された硬化性樹脂塗料を硬化させて塗膜層を形成する塗膜層形成工程とを備えている化粧塗装箔の製造方法。
  6. 塗料塗布工程と塗膜層形成工程との間に、塗布された未硬化状態の硬化性樹脂塗料表面に保護フィルムを添設し、保護フィルムの添設面形状を硬化性樹脂塗料表面に転写する工程を備え、塗膜層形成工程を、硬化性樹脂塗料表面への保護フィルムの添設状態で行う請求項5に記載の化粧塗装箔の製造方法。
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