JP3633809B2 - 医療用低圧吸引排出装置用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として外科治療において、手術後の胸部等の体腔から液体及び気体を排出させるための、医療用低圧吸引排出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用低圧吸引排出装置は開胸術後、内圧を一定に保つために使用されることが多く、その形態には、3ボトル法を用いたディスポーザブルタイプと、ポンプを内蔵した器械タイプとが存在する。どちらのタイプも吸引圧力を調整し得るべく構成された調圧部と、患者からの体腔内に留置された排液チューブに接続し排液を貯留する集液部から成るものである。調圧部の構成はディスポーザブルタイプと器械タイプでは異なるが、集液部の構成は同一と言ってもよい。
【0003】
従来から集液部は、体腔内からの排液を貯留する1個または2個以上からなる排液室の他に、滅菌蒸留水等の無菌水を定量注入することにより調圧部と体腔内とを気体流通的に連通する事を阻止することを目的の1つとした水封室から構成されており、体腔内に外気が入ることのなよう安全な構造となっている。
しかしながら体腔内に急激に強い陰圧が発生する場合があり、この場合、水封室に注入された無菌水が排液室へ勢いよく移行してしまい、患者の衛生上好ましくない状態が起こり得ることが確認されている。移行する無菌水は体腔内の陰圧の発生の仕方によっては飛沫状になり移行するケースもある。
【0004】
この問題を解決する手段として、水封室と集液室とを連通する、鉛直に配置された細管の上部に、拡径した空間を有し、移行する無菌水を一時的に貯水し勢いを減衰させるものや、特開昭62−107843号公報のように、拡径した空間の細管側連通口と集液室側連通口とを結ぶ直線上に邪魔板を配置することにより移行する無菌水の向きを強制的に変え、移行を阻止するものが開示され実用化されている。
しかし、細管を拡径しただけのものでは移行を防ぎきることができず、特開昭62−107843号公報のように拡径した室内に邪魔板を設けたものにおいても、無菌水が急流の場合には邪魔板にあたることにより飛沫となり移行してしまう可能性が残っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の医療用低圧吸引排出装置用容器のこのような問題点を解決すべく種々の検討の結果なされたもので、水封室の無菌水が集液室へ移行する事のない、安全性の高い医療用低圧吸引排出装置用容器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、体腔内に留置された排液チューブ等を接続する手段を持った接続口を上部に設けた排液室と、同じく医療用低圧吸引排出装置の調圧部からの配管を接続または調圧部と接続する手段を有する接続口を上部に設けた水封室から成り、各室が隔壁にて仕切られた容器において、排液室の上部と水封室の下部とを連通する通路が、水封室下部から容器上部に向けて鉛直方向に配置された細管と、細管上部に比較的広い空間を有する形に設けられた一次貯水室と、一次貯水室上部に連通口にて連通され、該連通口の対面に排液室との連通口を設けた比較的広い空間を有する二次貯水室が少なくとも設けられ、かつ、細管、一次貯水室、二次貯水室さらに排液室をつなぐ連通口で同一室内にあるものが、互いに同一鉛直線上に存在しないことを特徴とする医療用低圧吸引排出装置用容器である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は本発明による医療用低圧吸引排出装置用容器の一実施例を示す概略図であり、1個または2個以上の排液室(1)と水封室(2)から構成され、排液室(1)には、1個または2個以上の接続口(8a)があり、胸腔内等からの排液チューブ等と接続される。水封室(2)には、調圧部との接続口(8b)があり、調圧部に接続されるものである。調圧部との接続は、チューブを介して接続する場合や調圧部に直接接続される場合がある。
【0008】
水封室(2)には滅菌蒸留水等の無菌水(6)を注入し、排液室(1)と水封室(2)の上部空間が互いに気体流通的に連通する事を阻止する目的がある。この水封室(2)と排液室(1)とを連通する経路には細管(3)があり、細管(3)上部に連通口(7a)を経て、比較的広い内部空間を有する一次貯水室(4)があり、一次貯水室(4)の上方には連通口(7b)を介して二次貯水室(5)があって、この二次貯水室(5)も比較的広い内部空間を有する。二次貯水室(5)は上部において、排液室(1)と連通口(7c)を介して連通しており、細管(3),一次貯水室(4),二次貯水室(5),排液室(1)はすべて連通口を介して気体流通的に連通している。なお、各連通口は互いに同一鉛直線上に無いことが移行防止の面から重要である。
以下に水封室(2)に注入される無菌水(6)が水封室(2)から排液室(1)側へ移行する経路に沿って説明をする。
【0009】
水封室(2)は下部端から細管(3)に連通しており、通常の使用状態においては、無菌水(6)は水封室(2)下部と細管(3)下部にまたがって貯留しており、水封室(2)上部と排液室(1)とが気体流通的に連通することを阻止すると共に、細管(3)は調圧部による吸引圧力すなわち水封室(2)と、体腔内すなわち排液室(1)との差圧を示すゲージとして利用されるのが一般的であり、排液室(1)側の圧が水封室(2)側の圧よりも強い陰圧になれば細管(3)内を無菌水(6)が上昇していくことになる。ここで、排液室(1)側の圧が水封室(2)側の圧に比べ過度な陰圧になれば、無菌水(6)は細管(3)内を上昇し、最終的には排液室(1)へと移行してしまうこととなる。これを防ぐため、細管(3)上部に一次貯水室(4)を設け、無菌水(6)を一時的に貯水することによりそれ以降への移行を防ぐ。従って、一次貯水室(4)の内部容積は、無菌水(6)の注入量よりも大きな容積であることが望ましい。
【0010】
排液室(1)側の過度な陰圧が徐々に起こる場合においては一次貯水室(4)のみで移行を防ぐことが可能であると思われるが、過度な陰圧が急激に発生した場合には、無菌水(6)の移行は急流となり排液室(1)へと移行しやすくなる。これに対する防護手段として邪魔板を設けた例があったが、急流が邪魔板にある際に発生する飛沫が排液室(1)へと移行する場合があり十分な対策ではなかったことは先に述べた。
【0011】
一般に、排液室(1)側の過度な陰圧が急激に発生した場合には、無菌水(6)は一次貯水室(4)内で激しい飛沫を発生することとなり、飛沫は容易に一次貯水室(4)以降へと移行する。この飛沫の移行を防ぐために連通口(7b)を介して比較的広い空間を有する二次貯水室(5)を設ける。飛沫の移行を防ぐためには一次貯水室(4)から二次貯水室(5)への連通口(7b)の内径を出来る限り小さくすることが望ましく、φ10mm以下であることが好ましい。これにより、一次貯水室(4)内で発生した飛沫が二次貯水室(5)へと移行することを防ぐ砦の一つとするものである。これは他の連通口に関しても同様である。
【0012】
一次貯水室(4)からの連通口(7b)を経て二次貯水室(5)へと移行してきた飛沫は、狭い連通口(7b)から急激に広い空間である二次貯水室(5)へと移行してきたことにより速度が減衰、また二次貯水室(5)の内壁面に衝突し、それ以降への無菌水の移行を防ぐことができるものである。従って、二次貯水室(5)の内部容積は可能な限り広いことが望ましい。
また、飛沫は細管(3)が一次貯水室(4)に連通する連通口(7a)の真上にて発生するため、連通口(7a)と一次貯水室(4)から二次貯水室(5)への連通口(7b)の位置関係は同一鉛直線上には無いことが重要であり、可能であれば一次貯水室(4)において対角に位置することが望ましい。
【0013】
一次貯水室(4)からの連通口(7b)と排液室(1)への連通口(7c)においても、互いに同一鉛直線上に無いことが重要であり、二次貯水室(5)の対角位置に設け、距離をできるだけ長くすることが望ましい。
距離をできるだけ長くする意味において、二次貯水室(5)は、比較的広い空間を有し互いに連通口にて連通している複数個の空間からなることがより効果的であり、有効な手段である。しかし、多くの場合、医療用低圧吸引排出装置用容器としては、医療用低圧吸引排出装置の大きさによって大きさを制限されることがほとんどであり、現実的には二次貯水室(5)は1つの空間であることが好ましいが、スペースに余裕が持てる場合には、二次貯水室(5)は複数個の空間から構成されることが望ましい。
【0014】
【発明の効果】
本発明による医療用低圧吸引排出装置用容器を用いれば、体腔内の急激な陰圧が発生した時にも無菌水が集液室へ移行することがなく、安全性が高く極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による医療用吸引排出装置用容器の一実施例の側断面構成図。
【符号の説明】
1.排液室
2.水封室
3.細管
4.一次貯水室
5.二次貯水室
6.無菌水
7a.連通口(細管と一次貯水室との連通口)
7b.連通口(一次貯水室と二次貯水室との連通口)
7c.連通口(二次貯水室と排液室との連通口)
8a.接続口(体腔内からの排液チューブ等を接続する側)
8b.接続口(調圧部に接続する側)
Claims (1)
- 体腔内に留置された排液チューブ等を接続する手段を持った接続口を上部に設けた排液室と、同じく医療用低圧吸引排出装置の調圧部からの配管を接続または調圧部と接続する手段を有する接続口を上部に設けた水封室から成り、各室が隔壁にて仕切られた容器において、排液室の上部と水封室の下部とを連通する通路が、水封室下部から容器上部に向けて鉛直方向に配置された細管と、細管上部に比較的広い空間を有する形に設けられた一次貯水室と、一次貯水室上部に連通口にて連通され、該連通口の対面に排液室との連通口を設けた比較的広い空間を有する二次貯水室が少なくとも設けられ、かつ、細管、一次貯水室、二次貯水室さらに排液室をつなぐ連通口で同一室内にあるものが、互いに同一鉛直線上に存在しないことを特徴とする医療用低圧吸引排出装置用容器。
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JP00268099A JP3633809B2 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 医療用低圧吸引排出装置用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00268099A JP3633809B2 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 医療用低圧吸引排出装置用容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000197694A JP2000197694A (ja) | 2000-07-18 |
JP3633809B2 true JP3633809B2 (ja) | 2005-03-30 |
Family
ID=11536025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00268099A Expired - Lifetime JP3633809B2 (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 医療用低圧吸引排出装置用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3633809B2 (ja) |
-
1999
- 1999-01-08 JP JP00268099A patent/JP3633809B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000197694A (ja) | 2000-07-18 |
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