JP3633706B2 - 車群走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は車群の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路利用効率の向上や運転者の負担軽減などを図るため、先頭車両に複数の後続車両が1列に連なる接近追走を行う車群の自動運転に関する制御技術として従来から、図30のような4つの方式が知られている(『スーパースマートビークルシステムの開発と関連技術に関する調査研究報告書』 財団法人機械システム振興協会 平成5年3月発行)。図30(a)〜図30(d)において、1は車群の先頭車両(プラトーンリーダと称する)、2は先頭車両に連なる後続車両を表す。
【0003】
図30(a)の方式では、各後続車両2は直前の先行車両との車間距離を計測し、これら計測値に基づいて、望ましい車間距離(目標値)を維持するようにアクセルおよびブレーキを制御する。図30(b)の方式では、前後の車両間に車々通信が採用され、各後続車両2は直前の先行車両との車間距離(計測値)と同じく先行車両からの走行情報とから、望ましい車間距離を維持するようにアクセルおよびブレーキを制御する。
【0004】
図30(c)の方式では、車群全体の車々間通信により、各後続車両2は直前の先行車両の走行情報に加えて先頭車両1からも走行情報が与えられ、これらを直前の先行車両との車間距離(計測値)に絡めて、望ましい車間距離を維持するようにアクセルおよびブレーキを制御する。図30(d)の方式では、車群の走行状態を総合的に管理する集中司令室3が設けられ、各車両は直前の先行車両と車々間通信で走行情報をやり取りしながら、集中司令室3の誘導指令に従ってアクセルおよびブレーキを制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図30(a),図30(b)の方式では、先頭車両1に連なる各後続車両2において、自車のアクセルおよびブレーキを制御する車間調整に先行車両の速度変動が影響するため、車群の車両台数が多くなると、これらの車間距離に疎密波(例えば、制動時などのショックウエーブ)が大きく発生する可能性があった。この疎密波は各車両の性能や特性に差がある場合に大きく現れやすい。そのため、疎密波の分だけ車間距離の目標値を余計に設定せざるを得ないという不具合があった。
【0006】
図30(c),図30(d)の方式では、先頭車両1の走行情報も含めて制御するので、車間距離の疎密波はある程度小さく抑えられるが、複雑な通信を要するという不具合があった。また、図30(d)の方式では、車間調整を行いながら車群の走行状態を総合的に管理しなければならず、これに各車両の特性や性能を把握することも必要なため、集中指令室3を含む制御系の設計が非常に難しいという不具合もあった。
【0007】
この発明はこのような問題点に着目してなされたもので、複雑な通信を用いることなく、原理的に車間距離の疎密波を発生しない車群走行制御装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図31のように先頭車両に複数台の後続車両が連なる車群の走行制御装置において、先頭車両に仮想枠の先端位置の誘導信号を受信する手段aと、自車の仮想枠を設定する手段bと、その仮想枠内の基準位置を設定する手段dと、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段rと、仮想枠先端位置とその枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段eと、車体全長上の基準位置を測定点として実際の現在位置を検知する手段fと、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるようにアクセルおよびブレーキを制御する手段gと、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段cを設け、各後続車両に直前の先行車両から送信されるその仮想枠後端位置と実際の現在位置および車体上の基準位置を受信する手段hと、自車の仮想枠を設定する手段iと、その仮想枠内の基準位置を設定する手段kと、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段sと、直前の先行車両の仮想枠後端位置を自車の仮想枠先端位置とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段mと、直前の先行車両との車間距離を計測する手段tと、直前の先行車両からの受信情報と車間距離の計測値および自車の車体全長の基準位置とから実際の現在位置を求める手段nと、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるように自車のアクセルおよびブレーキを制御する手段pと、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段jを設け、車群の外部から先頭車両へその仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段qを設ける。
【0009】
第2の発明では、第1の発明における先頭車両の実際の現在位置を検知する手段fとしてGPS受信装置を設ける。
【0010】
第3の発明では、第1の発明における後続車両の実際の現在位置を求める手段nは、Lfi;自車における車体前端の車間距離の計測起点から車体全長上の基準位置までの距離、Vi−1;直前の先行車両における実際の現在位置、Lbi−1;直前の先行車両における車体全長上の基準位置から車体後端の車間距離の計測対象点までの距離、mi;直前の先行車両との車間距離の計測値、Vi;自車の実際の現在位置Viとして、Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを計算する手段で構成する。
【0011】
第4の発明では、第1の発明における先頭車両の仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段qとして、仮想枠先端を経時的に位置指定する基地局と、その指令を道路に沿って先頭車両に通信する送信装置を設ける。
【0012】
第5の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、制御精度として実際の現在位置と現在の目標位置との標準偏差を求める手段と、その偏差値に応じて仮想枠の長さを補正する手段を備える。
【0013】
第6の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、人為的に設定値を変化させる手段を備える。
【0014】
第7の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、車速を検出する車速センサと、仮想枠の設定値を車速に応じた長さに補正する手段を備える。
【0015】
第8の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、自車の総重量を検出する荷重センサと、仮想枠の設定値を自車の総重量に応じた長さに補正する手段を備える。
【0016】
第9の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、自車のタイヤと路面との摩擦係数を求める手段と、仮想枠の設定値を摩擦係数に応じた長さに補正する手段を備える。
【0017】
第10の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、路面の傾斜を検出する勾配センサと、仮想枠の設定値を路面の勾配に応じた長さに補正する手段を備える。
【0018】
第11の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、エンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、車速を検出する車速センサと、これらの検出信号から下坂走行を判定する手段と、その下坂判定時に仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を備える。
【0019】
第12の発明では、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段b,iは、雨滴を感知する雨感知センサと、その検出信号に基づいて降雨状態を判定すると仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を備える。
【0020】
【作用】
第1の発明によれば、先頭車両は車群の外部から仮想枠先端位置の誘導信号を受信すると、自車の車体全長上の基準位置を計測点として実際の現在位置を検知する一方で、仮想枠先端位置と仮想枠内の基準位置とから現在の目標位置を求め、実際の現在位置を現在の目標位置と一致させるようにアクセルおよびブレーキを介して自車の加減速を制御する。これと同時に仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する。
【0021】
各後続車両は直前の先行車両から受信する仮想枠後端位置を自車の仮想枠先端位置とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置とから現在の目標位置を求める一方、直前の先行車両からの受信情報と車間距離の計測値と自車の車体全長上の基準位置とから自車の実際の現在位置を求める。自車の実際の現在位置は自車の車体全長上の基準位置から先行車両の車体全長上の基準位置までの距離に先行車両の実際の現在位置を加える値として得られる。そして、実際の現在位置を現在の目標位置と一致させるようにアクセルおよびブレーキを介して自車の加減速を制御する。これと同時に自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する。
【0022】
したがって、各車両の仮想枠は1列に連結され、車群の外部からの誘導信号により、先頭車両の仮想枠先端位置移動すると1列の連結状態の維持しながら全体が一緒に移動する。各車両は自車の仮想枠内で目標位置の移動に伴って走行制御されるため、車群を構成する車両台数が多くなっても、外部から先頭車両への誘導信号を受けて順次後側へ簡単な車々間通信を行うのみで、車間距離の変動(疎密)を小さく抑えられる。
【0023】
第2の発明によれば、各車両毎にGPS受信装置により自車の現在位置を検知できる。GPS受信装置として既存のカーナビゲーションの利用も可能になる。第3の発明によれば、自車の現在位置はVi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miの簡単な計算処理により得られる。ここで、自分の車体全長上の基準位置を車体前端の車間距離の計測起点に設定すると、Lfiは0になる。また、先行車両の車体全長上の基準位置を車体後端の車間距離の計測対象点に設定すると、Lbi−1は0になる。
【0024】
第4の発明によれば、送信装置が道路に沿って基地局の誘導信号を通信するため、道路に沿う広い誘導範囲を1つの基地局で賄うことが可能になる。
【0025】
第5の発明によれば、各車両毎に車群走行制御の精度にバラツキを生じても、標準偏差に応じて仮想枠の設定値が補正されるため、車間距離を詰めて走行する車群の安全性を確保できる。
【0026】
第6の発明によれば、積載量など車両の動特性変化に対処して仮想枠の長さなど設定値を人為的に調整できる。例えば、車両の積荷状態のときに仮想枠の長さを大きく設定することにより、車間距離を空荷状態のときよりも大きく取って安全に走行することが可能になる。
【0027】
第7の発明によれば、先頭車両の仮想枠先端位置の誘導信号がその単位あたりの移動量(車速指令)が変化しても、各車両毎に自車の仮想枠の設定値が車速に応じた長さに補正されるため、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0028】
第8の発明によれば、積載量などから車両の総重量が変化しても、各車両毎に仮想枠の長さが補正されるため、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0029】
第9の発明によれば、天候などの要因でタイヤと路面との摩擦係数が変化しても、各車両毎に仮想枠の設定値が摩擦係数に応じた長さに補正されるため、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0030】
第10の発明によれば、各車両毎に仮想枠の設定値が路面の勾配に応じた長さに補正されるため、登坂走行時に車間距離を縮め、下坂走行時に車間距離を大きく取って走行することが可能になる。
【0031】
第11の発明によれば、下坂に際して各車両毎に仮想枠の設定値の長さが大きく補正されるため、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0032】
第12の発明によれば、路面摩擦力が低下する雨天走行時に各車両毎に仮想枠の設定値が降雨状態に応じた長さに大きく補正されるため、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は車群走行制御システムを説明する概要図、図2は先頭車両30(プラトーンリーダ)の制御系の構成を表すブロック図、図3は各後続車両31の制御系の構成を表すブロック図である。これら車群の走行を誘導する道路施設として位置指定局1(基地局)およびその誘導指令を道路に沿って通信する送信装置2(漏洩波ケーブルなど)が設置される。各車両30,31にはぞれぞれ自車の加減速を自動的に制御するため、エンジンのアクセル開度および車両のブレーキ状態を調整するアクチュエータ7,6が設けられ、各車両毎に所定の仮想枠およびその枠内の基準位置(仮想枠先端位置から離間距離で与える)と、車体全長上の基準位置が設定される。
【0034】
先頭車両30は位置指定局1の送信装置2から誘導指令として仮想枠先端位置P0の指定信号を受信する車載受信機3と、自車の仮想枠を格納する仮想枠設定手段9と、仮想枠内の基準位置☆を格納する枠内基準位置設定手段12と、自車の車体全長上の基準位置●としてその設定位置から車体後端の車間基準の計測対象点までの距離Lb0を格納する基準距離Lb1設定手段10aと、仮想枠先端位置P0とその枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pw0を確定する目標位置決定手段4を備える。
【0035】
また、車体全長上の基準位置●を測定点として実際の現在位置V0を検知するGPS受信装置5と、実際の現在位置V0と現在の目標位置Pw0とからこれらの偏差△0=V0−Pw0が0になるように自車のアクセルアクチュエータおよびブレーキアクチュエータを制御するPID制御器8と、仮想枠先端位置P0に仮想枠の長さL0を加える自車の仮想枠後端位置P0+L0をGPS受信装置5の位置情報(実際の現在位置V0)および車体全長上の基準距離Lb0と一緒に1台目の後続車両31へ通信するための車載送信機11とが設けられる。なお、GPS受信装置5として車両に搭載のカーナビゲーションシステムの位置情報を利用しても良い。
【0036】
1台目の後続車両31は先頭車両の送信情報(仮想枠後端位置P0+L0,実際の現在位置V0,車体全長上の基準距離Lb0)を受信する車載受信機3と、自車の仮想枠を格納する仮想枠設定手段9と、その仮想枠内の基準位置☆を格納する枠内基準位置設定手段12と、自車の車体全長上の基準位置●としてその設定位置から車体後端の車間距離の計測対象点までの距離Lb1を格納する基準距離Lb1設定手段10aと、同じく車体全長上の基準位置●としてその設定位置から車体前端の車間距離の計測起点までの距離Lf1を格納する基準距離Lf1設定手段10bと、直前の先行車両の仮想枠後端位置P0+L0を自車の仮想枠先端位置P1とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pw1を確定する目標位置決定手段4を備える。
【0037】
また、直前の先行車両との車間距離m1を計測する手段としてのレーザレーダ装置20と、直前の先行車両からの実際の現在位置V0および基準距離Lb0と車間距離の計測値m1および自車の車体全長の基準距離Lf1とから自車の実際の現在位置V1=Lf1+V0+Lb0+m1を求め、その現在位置V1と現在の目標位置Pw1との偏差△1=V1−Pw1が0になるように自車のアクセルアクチュエータ7およびブレーキアクチュエータ6を制御するPID制御器8と、自車の仮想枠先端位置P1に仮想枠の長さL1を加える自車の仮想枠後端位置P1+L1を実際の現在位置V1および車体全長上の基準位置Lb1と一緒に2台目の後続車両へ通信する車載送信機10が設けられる。
【0038】
2台目の後続車両31は1台目の後続車両の送信情報(仮想枠後端位置P1+L1,実際の現在位置V1,車体全長上の基準距離Lb1)を受信する車載受信機3と、自車の仮想枠を格納する仮想枠設定手段9と、その仮想枠内の基準位置☆を格納する枠内基準位置設定手段12と、自車の車体全長上の基準位置●としてその設定位置から車体後端の車間距離の計測対象点までの距離Lb2を格納する基準距離Lb2設定手段10aと、同じく車体全長上の基準位置●としてその設定位置から車体前端の車間距離の計測起点までの距離Lf2を格納する基準距離Lf2設定手段10bと、1台目の後続車両の仮想枠後端位置P1+L1を自車の仮想枠先端位置P2とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pw1を確定する目標位置決定手段4を備える。
【0039】
また、1台目の後続車両31との車間距離m2を計測する手段としてのレーザレーダ装置20と、1台目の後続車両の実際の現在位置V1およびその基準距離Lb1と車間距離の計測値m2および自車の車体全長上の基準距離Lf2とから自車の実際の現在位置V2=Lf2+V1+Lb1+m2を求め、その現在位置V2と現在の目標位置Pw1との偏差△1=V1−Pw1が0になるように自車のアクセルアクチュエータ7およびブレーキアクチュエータ6を制御するPID制御器8と、自車の仮想枠先端位置P2に仮想枠の長さL2を加える自車の仮想枠後端位置P2+L2を実際の現在位置V2および車体全長上の基準位置Lb2と一緒に3台目の後続車両31へ通信する車載送信機11が設けられる。
【0040】
3台目以降の後続車両31も1台目および2段目と同様に構成され、直前の先行車両から受信する仮想枠後端位置Pi−1+Li−1(iは先頭車両を0とする車群の車両番号を表す)を自車の仮想枠先端位置とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pwiを求める一方、直前の先行車両からの受信情報と自車の車体全長上の基準距離Lfiおよびレーザレーダ装置20に拠る車間距離の計測値miとから自車の実際の現在位置Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを求め、実際の現在位置Viを現在の目標位置Pwiと一致させるようにアクセルおよびブレーキを介して自車の加減速を制御する。これと同時に自車の仮想枠先端位置Piに仮想枠の長さLiを加える自車の仮想枠後端位置Pi+1=Pi+Liを自車の実際の現在位置Viおよび車体全長上の基準位置Lbiと一緒につぎの後続車両31へ送信する。
【0041】
図4は先頭車両30の制御内容を説明するフローチャート、図5は各後続車両31の制御内容を説明するフローチャートである。図4において、位置指定局1から車群の誘導指令として経時的に変化する先頭車両の仮想枠先端位置P0を送信装置2を介して通信する(ステップ1)。先頭車両30はその仮想枠先端位置P0を受信すると、この仮想枠先端位置P0と枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pw0を求める一方、車体全長上の基準位置●を計測点してGPS受信装置5により、自車の実際の現在位置V0を検知する(ステップ2〜ステップ4)。そして、現在の目標位置Pw0と実際の現在位置V0との偏差△0を求め、△0=0になるように自車のアクセルおよびブレーキを制御する(ステップ5〜ステップ7)。これと同時に仮想枠先端位置P0に仮想枠の長さL0を加える自車の仮想枠後端位置P0+L0を実際の現在位置V0および車体全長上の基準距離Lbiと一緒に1台目の後続車両31へ送信する(ステップ8〜ステップ11)。
【0042】
図5において、i台目の後続車両31は直前の先行車両から自車の仮想枠先端位置Pi=Pi−1+Li−1,車体全長上の基準距離Lbi−1,実際の現在位置Vi−1を受信すると、自車の仮想枠先端位置Piと枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pwiを求める(ステップ12,ステップ13)一方、直前の先行車両の基準距離Lbi−1および実際の現在位置Vi−1と自車の車体全長上の基準距離Lfiおよびレーザレーダ装置20に拠る車間距離の計測値miとから自車の実際の現在位置Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを求める(ステップ14〜ステップ16)。そして、実際の現在位置Viを現在の目標位置Pwiと一致させるようにアクセルおよびブレーキを介して自車の加減速を制御する(ステップ17〜ステップ19)。これと同時に自車の仮想枠先端位置Piに仮想枠の長さLiを加える自車の仮想枠後端位置Pi+1=Pi+Liを自車の実際の現在位置Viおよび車体全長上の基準位置Lbiと一緒につぎの後続車両へ送信する(ステップ20〜ステップ23)。
【0043】
このようにして、各車両を仮想枠で車群に組み、各車両は自車の仮想枠内で実際の現在位置Viが現在の目標位置Pwiに一致するように速度(加減速)を制御することにより、位置指定局1からの誘導指令を受けて先頭車両30の仮想枠先端位置P0が移動すると、各後続車両31も先行車両の仮想枠後端位置Pi−1+Li−1を自車の仮想枠先端位置Piとみなして仮想枠と一緒に追走する。したがって、車群を構成する車両台数が多くなっても、先頭車両30への基地局通信と簡単な車々間通信のみで、原理的には車間距離の変動(疎密)を発生しない車群走行を実現できる。なお、各後続車両の車体全長上の基準位置●を車体前端の車間距離の計測起点に設定すると、基準距離Lfiが0のため、実際の現在位置ViはVi=Vi−1+Lbi−1+miで得られ、同じく車体全長上の基準位置●を車体後端の車間距離の計測対象点に設定すると、基準距離Lbiが0のため、実際の現在位置ViはVi=Lfi+Vi−1+miで得られる。
【0044】
各車両の仮想枠はそれぞれ車体の全長や車両性能などから適正に設定されるが、車両の動特性変化に応じて制動距離は変化する。制動距離については、制動距離をS[m],空走時間をt0[s],制動初期速度をv0[m/s],減速度をα[m/s2 ]とすると、S=t0・v0+(v0 2 /2α)になる。ここで、減速度αは、ブレーキ力をFb[N],車両総重量Wを[kg],重力加速度をg[m/s2 ],路面の傾きをθ[rad]とすると、α=(Fb /W)−g・sinθで表される。また、ブレーキ力Fbは、各車輪の荷重をwi[kg],タイヤと路面との摩擦係数をμbとすると、Fb=μb・wiで表される。これらの関係式から制動距離の式を書き直すと、S=t0・v0+1/2・[v0 2 ・W/(μb・wi−W・g・sinθ)]になる。
【0045】
そのため、図6,図7においては、各車両に自車の車速を検出する車速センサ13が設けられ、仮想枠設定手段9は自車の設定値を車速センサ13の検出値に応じた長さL0,Liに変更する補正機能が付加される。そして、先頭車両30が位置指定局1からの誘導指令を受信すると、図8,図9のように各車両毎に仮想枠の設定値を車速に応じた長さL0,Liに変更する処理(ステップ8,ステップ9、ステップ21,ステップ22)を行い、これに基づき図4,図5と同じく車々間通信と自車の加減速を制御する。位置指定局1の誘導指令は道路状況(高速道路と一般道路との差など)に応じて先頭車両30への仮想枠先端位置P0の単位時間あたりの移動量(つまり、車速)を変化させることが考えられるが、そのような場合にも各車両は仮想枠の設定値が車速に応じた長さL0,Liに調整されるため、いつも安全な車間距離を適切に維持することが可能になる。
【0046】
図10,図11においては、各車両に自車の総重量を検出する荷重センサ14が設けられ、仮想枠設定手段9は自車の設定値を荷重センサ14の検出値に応じた長さL0,Liに変更する補正機能が付加される。そして、先頭車両30が位置指定局1からの誘導指令を受信すると、図12,図13のように各車両毎に仮想枠の設定値を自車の総重量に応じた長さL0,Liに変更する処理(ステップ8,ステップ9、ステップ21,ステップ22)を行い、これに基づいて図4,図5と同じく車々間通信と自車の加減速を制御する。トラックなど商用車では、積荷状態と空荷状態で車両の総重量が大きく変化するが、このように仮想枠の長さL0,Liを補正することにより、いつも安全な車間距離(積荷時に大きく、空荷時に小さく)を維持できる。
【0047】
図14,図15においては、各車両にタイヤと路面との摩擦係数を把握する摩擦係数推定手段15が設けられ、仮想枠設定手段9は自車の設定値を摩擦係数に応じた長さL0,Liに変更する補正機能が付加される。そして、先頭車両30が位置指定局1からの誘導指令を受信すると、図16,図17のように各車両毎に仮想枠の設定値を摩擦係数に応じた長さL0,Liに変更する処理(ステップ8,ステップ9、ステップ21,ステップ22)を行い、これに基づいて図4,図5と同じく車々間通信と自車の加減速を制御する。摩擦係数の推定手段15としては、摩擦係数の推定法(三菱自動車 テクニカルレビュー1993 NO.5 『環境認識技術とシャシ制御への応用』参照)に拠るか、路面摩擦力を測定するμセンサ(社団法人自動車技術会 学術講演会前刷集953 1995ー5 『路面摩擦力によるABS制御方式M−ABS装着車の性能について』参照)を採用する。
【0048】
図18,図19においては、タイヤと路面との摩擦係数を把握する推定手段に代えて、雨滴を感知する雨感知センサ16が設けられ、仮想枠設定手段9は雨感知センサ16で降雨状態を判定すると、自車の仮想枠の設定値を降雨状態に応じた長さL0,Liに大きく変更する補正機能が付加される。そして、先頭車両30が位置指定局1からの誘導指令を受信すると、図20,図21のように各車両毎に雨感知センサ16で降雨状態かどうか判定し、仮想枠の設定値を降雨状態に応じた長さL0,Liに大きく変更する処理(ステップ8,ステップ9、ステップ21,ステップ22)を行い、これに基づいて図4,図5と同じく車々間通信と自車の加減速を制御する。
【0049】
図22,図23においては、各車両にエンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度センサ17と、車速を検出する車速センサ13と、これらの検出値から下坂走行を判定する手段18が設けられ、仮想枠設定手段9は下坂判定時に自車の仮想枠の長さL0,Liを大きく変更する補正機能が付加される。そして、先頭車両30が位置指定局1からの誘導指令を受信すると、図24,図25のように各車両毎にアクセル開度と車速とから下坂走行を判定すると、仮想枠の設定値を下坂用の長さL0,Liに変更する処理(ステップ8〜ステップ10、ステップ122〜ステップ24)を行い、これに基づいて図4,図5と同じく車々間通信と自車の加減速を制御する。
【0050】
図示しないが、各車両毎に路面の傾斜状態を検出する勾配センサを設け、仮想枠設定手段は勾配センサの検出値に応じて仮想枠の長さを登坂時に縮め、下坂走時に大きく変更できるようにしても良い。また、各車両毎に仮想枠の設定値を人為的に変化させる調整部を設け、仮想枠設定手段はその要求値に応じて仮想枠の長さなどを変更できるようにしても良い。
【0051】
各車両において、既述のように実際の現在位置●を現在の目標位置☆と一致させる制御が行われるが、この制御精度はまた車両毎にバラツキを生じる可能性がある。そのため、図26,図27においては、実際の現在位置●と現在の目標位置☆との偏差△i から自車の制御精度を検出する手段19が設けられ、仮想枠設定手段9は自車の設定値を制御精度に応じた長さL0,Liに変更する補正機能が付加される。
【0052】
図28,図29はこれらの補正処理を含む制御動作を説明するフローチャートを表す。図28において、位置指定局1から車群の誘導指令として先頭車両30の仮想枠先端位置P0を送信装置2を介して通信する(ステップ1)。先頭車両30はこの仮想枠先端位置P0と枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pw0を求める一方、車体全長上の基準位置●を計測点してGPS受信装置5により、自車の実際の現在位置V0を検知する(ステップ2〜ステップ4)。
【0053】
そして、現在の目標位置Pw0と実際の現在位置V0との偏差△0を求め、△0=0になるように自車のアクセルおよびブレーキを制御する(ステップ5〜ステップ7)。また、その制御精度として標準偏差(偏差△1の単位時間あたりの平均値)を計算し、仮想枠の設定値を標準偏差に応じた長さL0に変更する処理(ステップ8,ステップ9)を行い、仮想枠先端位置P0に仮想枠の長さL0を加える自車の仮想枠後端位置P0+L0を実際の現在位置V0および車体全長上の基準距離Lbiと一緒に1台目の後続車両31へ送信する(ステップ10〜ステップ12)。
【0054】
図29において、i台目の後続車両31は直前の先行車両から自車の仮想枠先端位置Pi=Pi−1+Li−1,車体全長上の基準距離Lbi−1,実際の現在位置Vi−1を受信すると、自車の仮想枠先端位置Piと枠内の基準位置☆とから現在の目標位置Pwiを求める(ステップ12,ステップ13)一方、直前の先行車両の基準距離Lbi−1および実際の現在位置Vi−1と自車の車体全長上の基準距離Lfiおよびレーザレーダ装置20に拠る車間距離の計測値miとから自車の実際の現在位置Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを求める(ステップ14〜ステップ16)。
【0055】
そして、実際の現在位置Viを現在の目標位置Pwiと一致させるようにアクセルおよびブレーキを介して自車の加減速を制御する(ステップ17〜ステップ19)。また、その制御精度として標準偏差(偏差△iの単位時間あたりの平均値)を計算し、仮想枠の設定値を標準偏差に応じた長さLiに変更する処理(ステップ21,ステップ22)を行い、自車の仮想枠先端位置Piに仮想枠の長さLiを加える自車の仮想枠後端位置Pi+1=Pi+Liを自車の実際の現在位置Viおよび車体全長上の基準位置Lbiと一緒につぎの後続車両へ送信する(ステップ23〜ステップ25)。
【0056】
なお、図6〜図25の各実施形態はそれぞれ単独でも車群走行の安全性を高める効果を得られるが、これらを統合する実施形態として、車両の制動距離に関する既述の書き直し式S=t0・v0+1/2・[v0 2 ・W/(μb・wi−W・g・sinθ)]から、各車両毎に必要な制動距離を計算し、仮想枠の設定値をそれぞれ制動距離の変化量に応じた長さL0,Liに変更するようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】
第1の発明によれば、先頭車両に複数台の後続車両が連なる車群の走行制御装置において、先頭車両に仮想枠の先端位置の誘導信号を受信する手段と、自車の仮想枠を設定する手段と、その仮想枠内の基準位置を設定する手段と、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段と、仮想枠先端位置とその枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段と、車体全長上の基準位置を測定点として実際の現在位置を検知する手段と、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるようにアクセルおよびブレーキを制御する手段と、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段を設け、各後続車両に直前の先行車両から送信されるその仮想枠後端位置と実際の現在位置および車体上の基準位置を受信する手段と、自車の仮想枠を設定する手段と、その仮想枠内の基準位置を設定する手段と、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段と、直前の先行車両の仮想枠後端位置を自車の仮想枠先端位置とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段と、直前の先行車両との車間距離を計測する手段と、直前の先行車両からの受信情報と車間距離の計測値および自車の車体全長の基準位置とから実際の現在位置を求める手段と、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるように自車のアクセルおよびブレーキを制御する手段と、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段を設け、車群の外部から先頭車両へその仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段を設けたので、車群は車両位置でなく各車両の仮想枠を基準に組まれるため、車両の台数が多くなっても、外部から先頭車両への誘導信号を受けて順次後側へ簡単な車々間通信を行うのみで、車間距離の変動(疎密)を小さく抑えられる。
【0058】
第2の発明によれば、第1の発明における各車両の現在位置を検知する手段としてGPS受信装置を設けたので、各車両毎にGPS情報から自車の現在位置を検知できる。
【0059】
第3の発明によれば、第1の発明における後続車両の実際の現在位置を求める手段は、Lfi;自車における車体前端の車間距離の計測起点から車体全長上の基準位置までの距離、Vi−1;直前の先行車両における実際の現在位置、Lbi−1;直前の先行車両における車体全長上の基準位置から車体後端の車間距離の計測対象点までの距離、mi;直前の先行車両との車間距離の計測値、Vi;自車の実際の現在位置として、Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを計算する手段で構成したので、GPS受信装置などに拠らず、後続車両の現在位置は簡単に確定できる。
【0060】
第4の発明によれば、第1の発明における先頭車両の仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段として、仮想枠先端を経時的に位置指定する基地局と、その指令を道路に沿って先頭車両に通信する送信装置を設けたので、道路に沿う広い誘導範囲を1つの基地局で賄うことが可能になる。
【0061】
第5の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、制御精度として実際の現在位置と現在の目標位置との標準偏差を求める手段と、その偏差値に応じて仮想枠の長さを補正する手段を備えたので、各車両毎に車群走行制御の精度にバラツキを生じても、車間距離を詰めて走行する車群の安全性を確保できる。
【0062】
第6の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、人為的に設定値を変化させる手段を備えたので、積載量など車両の動特性変化に対処して仮想枠の長さなど設定値を人為的に調整できる。
【0063】
第7の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、車速を検出する車速センサと、仮想枠の設定値を車速に応じた長さに補正する手段を備えたので、先頭車両の仮想枠先端位置の誘導信号がその単位あたりの移動量(車速指令)が変化しても、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0064】
第8の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、自車の総重量を検出する荷重センサと、仮想枠の設定値を自車の総重量に応じた長さに補正する手段を備えたので、積載量などから車両の総重量が変化しても、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0065】
第9の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、自車のタイヤと路面との摩擦係数を求める手段と、仮想枠の設定値を摩擦係数に応じた長さに補正する手段を備えたので、天候などの要因でタイヤと路面との摩擦係数が変化しても、安全な制動距離を適切に確保できる。
【0066】
第10の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、路面の傾斜を検出する勾配センサと、仮想枠の設定値を路面の勾配に応じた長さに補正する手段を備えたので、登坂走行時に車間距離を縮め、下坂走行時に車間距離を大きく取って走行することが可能になる。
【0067】
第11の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、エンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、車速を検出する車速センサと、これらの検出信号から下坂走行を判定する手段と、その下坂判定時に仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を備えたので、下坂走行時に安全な制動距離を適切に確保できる。
【0068】
第12の発明によれば、第1の発明における各車両の仮想枠を設定する手段は、雨滴を感知する雨感知センサと、その検出信号に基づいて降雨状態を判定すると仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を備えたので、路面摩擦力が低下する雨天走行時に安全な制動距離を適切に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を説明する概要図である。
【図2】同じく先頭車両の制御系を表すブロック図である。
【図3】同じく後続車両の制御系を表すブロック図である。
【図4】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図5】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図6】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図7】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図8】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図9】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図10】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図11】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図12】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図13】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図14】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図15】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図16】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図17】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図18】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図19】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図20】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図21】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図22】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図23】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図24】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図25】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図26】別の実施形態を表す先頭車両におけるブロック図である。
【図27】同じく後続車両におけるブロック図である。
【図28】同じく先頭車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図29】同じく後続車両の制御内容を説明するフローチャートである。
【図30】従来技術の説明図である。
【図31】この発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 位置指定局
2 送信装置
3 車載受信機
4 目標位置決定手段
5 GPS受信装置
6 ブレーキアクチュエータ
7 アクセルアクチュエータ
8 PID制御器
9 仮想枠設定手段
10a 車体全長上の基準距離(Lb0またはLbi)設定手段
10b 車体全長上の基準位置(Lfi)設定手段
11 車載送信機
12 仮想枠内の基準位置設定手段
13 車速センサ
14 荷重センサ
15 摩擦係数推定手段
16 雨感知センサ
17 アクセル開度センサ
19 制御精度検出手段
20 レーザレーダ装置
Claims (12)
- 先頭車両に複数台の後続車両が連なる車群の走行制御装置において、先頭車両に仮想枠の先端位置の誘導信号を受信する手段と、自車の仮想枠を設定する手段と、その仮想枠内の基準位置を設定する手段と、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段と、仮想枠先端位置とその枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段と、車体全長上の基準位置を測定点として実際の現在位置を検知する手段と、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるようにアクセルおよびブレーキを制御する手段と、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段を設け、各後続車両に直前の先行車両から送信されるその仮想枠後端位置と実際の現在位置および車体上の基準位置を受信する手段と、自車の仮想枠を設定する手段と、その仮想枠内の基準位置を設定する手段と、自車の車体全長上の基準位置を設定する手段と、直前の先行車両の仮想枠後端位置を自車の仮想枠先端位置とみなしてこれと自車の仮想枠内の基準位置とから現在の目標位置を確定する手段と、直前の先行車両との車間距離を計測する手段と、直前の先行車両からの受信情報と車間距離の計測値および自車の車体全長の基準位置とから実際の現在位置を求める手段と、実際の現在位置を現在の目標位置に一致させるように自車のアクセルおよびブレーキを制御する手段と、自車の仮想枠先端位置に仮想枠の長さを加える自車の仮想枠後端位置を自車の実際の現在位置および車体全長上の基準位置と一緒につぎの後続車両へ送信する手段を設け、車群の外部から先頭車両へその仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段を設けたことを特徴とする車群走行制御装置。
- 先頭車両の実際の現在位置を検知する手段として、GPS受信装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 後続車両の実際の現在位置を求める手段は、Lfi;自車における車体前端の車間距離の計測起点から車体全長上の基準位置までの距離、Vi−1;直前の先行車両における実際の現在位置、Lbi−1;直前の先行車両における車体全長上の基準位置から車体後端の車間距離の計測対象点までの距離、mi;直前の先行車両との車間距離の計測値、Vi;自車の実際の現在位置として、Vi=Lfi+Vi−1+Lbi−1+miを計算する手段で構成したことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 先頭車両の仮想枠先端位置の誘導信号を送信する手段として、仮想枠先端を経時的に位置指定する基地局と、その指令を道路に沿って先頭車両に通信する送信装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、制御精度として実際の現在位置と現在の目標位置との標準偏差を求める手段と、その標準偏差に応じて仮想枠の長さを補正する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、人為的に設定値を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、車速を検出する車速センサと、仮想枠の設定値を車速に応じた長さに補正する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、自車の総重量を検出する荷重センサと、仮想枠の設定値を自車の総重量に応じた長さに補正する手段を設けたこと特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、自車のタイヤと路面との摩擦係数を求める手段と、仮想枠の設定値を摩擦係数に応じた長さに補正する手段を設けたこと特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、路面の傾斜を検出する勾配センサと、仮想枠の設定値を路面の勾配に応じた長さに補正する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、エンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、車速を検出する車速センサと、これらの検出信号から下坂走行を判定する手段と、その下坂判定時に仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を設けたこと特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
- 各車両の仮想枠を設定する手段は、雨滴を感知する雨感知センサと、その検出信号に基づいて降雨状態を判定すると仮想枠の設定値の長さを大きく補正する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車群走行制御装置。
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