JP2000099890A - 車群走行制御装置 - Google Patents

車群走行制御装置

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JP2000099890A
JP2000099890A JP10270731A JP27073198A JP2000099890A JP 2000099890 A JP2000099890 A JP 2000099890A JP 10270731 A JP10270731 A JP 10270731A JP 27073198 A JP27073198 A JP 27073198A JP 2000099890 A JP2000099890 A JP 2000099890A
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virtual frame
control system
group
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JP10270731A
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Sukenori Kobayashi
祐範 小林
Taketoshi Kawabe
武俊 川邊
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UD Trucks Corp
Nissan Motor Co Ltd
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UD Trucks Corp
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先頭車両に複数台の後続車両が一列縦隊に連な
る車群の走行制御装置において、車群の走行状況が変化
(たとえば、先頭車両の車群抜け)しても、これに対処
する形で車群走行を継続できるようにする。 【解決手段】車群の先頭車両としての走行制御と車々間
通信を実行する第1の制御系20、同じく後続車両とし
ての走行制御と車々間通信を実行する第2の制御系2
1、自車の追走すべき先行車両の有無を判断する手段
9、その判断結果に基づいて、先行車両が無のときは自
車が車群の先頭車両として第1の制御系20を、先行車
両が有のときは自車が車群の後続車両として第2の制御
系21を選択的に作動させる手段10、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車群の走行制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】道路利用効率の向上や運転者の負担軽減
などを図るため、先頭車両に複数の後続車両が1列に連
なる接近追走を行う車群の自動運転に関する制御技術と
して従来から、図16のような4つの方式が知られてい
る(『スーパースマートビークルシステムの開発と関連
技術に関する調査研究報告書』 財団法人機械システム
振興協会 平成5年3月発行)。図16(a)〜図16
(d)において、30は車群の先頭車両(プラトーンリ
ーダと称する)、31は先頭車両30に連なる後続車両
を表す。
【0003】図16(a)の方式では、各後続車両31
は直前の先行車両との車間距離を計測し、これら計測値
に基づいて、望ましい車間距離(目標値)を維持するよ
うにアクセルおよびブレーキを制御する。図16(b)
の方式では、前後の車両間に車々間通信が採用され、各
後続車両31は直前の先行車両との車間距離(計測値)
と同じく先行車両からの走行情報とから、望ましい車間
距離を維持するようにアクセルおよびブレーキを制御す
る。
【0004】図16(c)の方式では、車群全体の車々
間通信により、各後続車両31は直前の先行車両の走行
情報に加えて先頭車両30からも走行情報が与えられ、
これらを直前の先行車両との車間距離(計測値)に絡め
て望ましい車間距離を維持するようにアクセルおよびブ
レーキを制御する。図16(d)の方式では、車群の走
行状態を総合的に管理する集中司令室32が設けられ、
各車両は直前の先行車両と車々間通信で走行情報をやり
取りしながら、集中司令室32の誘導指令に従ってアク
セルおよびブレーキを制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図16
(a),図16(b)の方式では、先頭車両30に連な
る各後続車両31において、自車のアクセルおよびブレ
ーキを制御する車間調整に先行車両の速度変動が影響す
るため、車群の車両台数が多くなると、これらの車間距
離に疎密波(例えば、制動時などのショックウエーブ)
が大きく発生する可能性があった。この疎密波は各車両
の性能や特性に差がある場合に大きく現れやすい。その
ため、疎密波の分だけ車間距離の目標値を余計に設定せ
ざるを得ないという不具合があった。
【0006】図16(c),図16(d)の方式では、
先頭車両30の走行情報も含めて制御するので、車間距
離の疎密波はある程度小さく抑えられるが、複雑な通信
を要するという不具合があった。また、図16(d)の
方式では、車間調整を行いながら車群の走行状態を総合
的に管理しなければならず、これに各車両の特性や性能
を把握することも必要なため、集中指令室32を含む制
御系の設計が難しいという不具合もあった。
【0007】このため、車群の走行制御システムにおい
て、先行車両との車間距離を一定に保つように自車のア
クセルおよびブレーキを制御するのでなく、先頭車両に
一列縦隊で連結する仮想枠を設定し、仮想枠毎にこれを
基準に自車のアルセルおよびブレーキを制御するように
したものがある(特願平8ー61097号など)。これ
によると、先頭車両を除く先行車両の挙動(加減速)が
後続車両へ伝播せず、車群を構成する車両台数が多くな
っても、原理的には車間距離の疎密波を発生しない車群
走行が実現できるようになる。
【0008】このような先願例にあっては、先頭車両お
よび各後続車両にはそれぞれ自車の役割に応じた制御系
が搭載されるにすぎないため、車群の走行状況が変化し
ても、先頭車両と後続車両との間で臨機応変に役割を交
替できないという不具合が考えられる。たとえば、先頭
車両が何らかの原因で車群から抜けると、その時点から
後続車両の追走制御が成り立たず、車群走行はもはや継
続できなくなってしまうのである。
【0009】この発明は、このような課題を解決するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、先頭車
両に複数台の後続車両が一列縦隊に連なる車群の走行制
御装置において、車群の先頭車両としての走行制御と車
々間通信を実行する第1の制御系、同じく後続車両とし
ての走行制御と車々間通信を実行する第2の制御系、自
車の追走すべき先行車両の有無を判断する手段、その判
断結果に基づいて、先行車両が無のときは自車が車群の
先頭車両として第1の制御系を、先行車両が有のときは
自車が車群の後続車両として第2の制御系を選択的に作
動させる手段、を備える。
【0011】第2の発明では、第1の発明における、第
1の制御系として、目標の車速を設定する手段、実際の
車速を検出する手段、実際の車速を目標の車速に一致さ
せるようにアクセルおよびブレーキを制御する手段、車
々間通信で擬制的な偏差を後続車両へ送信する手段、を
備えるとともに、第2の制御系として、車々間通信で前
方車両の偏差を受信する手段、前方の車間距離を計測す
る手段、仮想枠を設定する手段、車体の全長を設定する
手段、前方の車間距離と車体の全長と前方車両から受信
する偏差とから実際の仮想枠の長さを求め、実際の仮想
枠の長さと設定の仮想枠の長さと実際の仮想枠の長さと
の偏差を求め、この偏差が0になるようにアクセルおよ
びブレーキを制御する手段、その偏差を車々間通信で後
続車両へ送信する手段、を備える。
【0012】第3の発明では、第2の発明における、自
車の追走すべき先行車両の有無を判断する手段は、車々
間通信の受信と前方の車間距離の計測について、これら
の1つでも適正に得られないときは先行車両の無を、い
ずれもが適正に得られるときのみ先行車両の有を判断す
るように設定する。
【0013】第4の発明では、第2の発明における、仮
想枠を設定する手段は、所定のパラメータに応じて仮想
枠の設定長さを補正する手段、を備える。
【0014】
【作用】第1の発明では、自車の追走すべき先行車両の
有無から、自車が先頭車両か後続車両かの判断がなさ
れ、この判断結果に基づいて第1の制御系と第2の制御
系が選択的に作動する。そのため、自車の追走すべき先
行車両が無のときは、第1の制御系の作動により、車群
の先頭車両として、同じく先行車両が有のときは、第2
の制御系の作動により、車群の後続車両として走行可能
になる。つまり、各車両で臨機応変に自車の役割が交替
可能なため、車群の走行状況が変化しても、これに対処
する形で車群走行を継続することができる。
【0015】第2の発明では、自車の追走すべき先行車
両が無のときは、先頭車両として第1の制御系が選択的
に作動する。これにより、自車のアクセルおよびブレー
キは実際の車速を目標の車速に一致させる(これらの偏
差が0になる)ように制御される。また、自車の疑似的
な偏差を後続車両へ送信する車各間通信が行われる。自
車の追従すべき先行車両が有のときは、後続車両として
第2の制御系が選択的に作動する。これにより、自車の
アクセルおよびブレーキは実際の仮想枠の長さと設定の
仮想枠の長さとの偏差が0になるように制御される。ま
た、先行車両からの偏差を受信するとともに自車の偏差
を後続車両へ送信する車各間通信が行われる。第2の制
御系においては、実際の仮想枠の長さを求めるのに前方
の車間距離が計測されるが、その計測値は前方車両の偏
差を含むから、車体前端(車間距離の計測起点)から自
車の仮想枠先端位置までの距離を確定するのに前方車両
(直前の先行車両)の偏差が使われる。つまり、車間距
離の計測値から直前の先行車両の偏差は除去され、これ
に自車の車体全長を加える距離として実際の仮想枠の長
さが与えられる。そのため、後続車両は前方車両の偏差
の変動に関係なく、実際の仮想枠の長さを設定の仮想枠
の長さに維持しようとする追走制御を行うため、車群を
構成する車両台数が多くなっても、簡単な車々間通信を
行うのみで、原理的には車間距離の変動(疎密波)が発
生しない車群走行を実現できる。
【0016】第3の発明では、車々間通信の受信と前方
の車間距離の計測に基づいて、自車の追走すべき先行車
両の有無を適確に判断できる。たとえば、第2の制御系
においては、前方車両の偏差(受信情報)と前方の車間
距離の計測データは追走制御を行うのに使用され、これ
らの1つでも適正に得られないときは、制御そのものが
成り立たなくなるが、第1の制御系がそれに替わって作
動するため、車群の先頭車両として後続車両を先導でき
ることになる。
【0017】第4の発明では、設定の仮想枠の長さは固
定でなく、所定のパラメータに応じて補正されるため、
車群の走行条件に対応する車間距離を適正に確保でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は車群走行制御システムを説
明する概要図、図2は各車両(先頭車両および各後続車
両)の制御系の構成を表すブロック図であり、車群の先
頭車両40としての速度制御と車々間通信を実行する第
1の制御系20と、同じく後続車両41としての追走制
御と車々間通信を実行する第2の制御系21と、を備え
る。各車両40,41にはそれぞれアクセルおよびブレ
ーキを要求に応じて作動させるアクチュエータ7,8が
設けられる。
【0019】第1の制御系20は、目標の車速vd0
設定する手段11(車速設定手段)と、実際の車速v0
を検出する車速センサ12と、実際の車速v0を目標の
車速vd0との偏差ev0=vd0−v0を求め、この偏差
ev0が0になるようにアクセルおよびブレーキを制御
するPID制御器13と、1台目の後続車両へ擬制的な
偏差△0を通信する車載送信機5と、を備える。
【0020】第2の制御系21は、直前の先行車両の偏
差△i-1(iは先頭車両を0とする車群の車両順位を表
す)を受信する車載受信機1と、自車の仮想枠の長さS
iを設定する手段3(仮想枠設定手段)と、自車の車体
全長VL1を設定する手段2(車長設定手段)と、直前
の先行車両との車間距離miを計測するレーダ装置4
と、車間距離m1と直前の先行車両の偏差△i-1とからこ
れらの差m1−△i-1を自車の車体前端(車間距離の計測
起点)から自車の仮想枠先端位置Piまでの距離kiとし
て求め、この距離kiに自車の車体全長VLiを加える実
際の仮想枠の長さLiと設定の仮想枠の長さSiとの偏差
iを求め、この偏差が△i=0になるように自車のアク
セルアクチュエータ7およびブレーキアクチュエータ8
を制御するPID制御器6と、自車の偏差△iをつぎの
後続車両41へ通信する車載送信機5と、を備える。偏
差△iは、Si>Liのときは+△i(図1の△1参照)、
i<Liのときは−△i(図1の△2参照)として、正負
の符号を付けてつぎの後続車両41へ送信される。
【0021】たとえば、1台目の後続車両41(i=
1)において、第2の制御系21が作動すると、先頭車
両40から受信する疑似的な偏差△0と先頭車両との車
間距離m1とから、これらの差m1−△0を自車の車体前
端(車間距離の計測起点)から自車の仮想枠先端位置P
1までの距離k1として求め、この距離k1に自車の車体
全長VL1を加える実際の仮想枠の長さL1と設定の仮想
枠の長さS1との偏差△1を求め、この偏差が△1=0に
なるように自車のアクセルアクチュエータ7およびブレ
ーキアクチュエータ8を制御すると共に、自車の偏差△
1を2台目の後続車両41(i=2)へ通信する。な
お、この例では先頭車両40の擬制的な偏差△0=0の
ため、ki=miになる。
【0022】2台目の後続車両41については、第2の
制御系21が作動すると、1台目の後続車両41から受
信する偏差△1と先頭車両との車間距離m2とから、これ
らの差m2−△1を自車の車体前端(車間距離の計測起
点)から自車の仮想枠先端位置P2までの距離k2として
求め、この距離k2に自車の車体全長VL2を加える実際
の仮想枠の長さL2と設定の仮想枠の長さS2との偏差△
2を求め、この偏差が△2=0になるように自車のアクセ
ルアクチュエータ7およびブレーキアクチュエータ8を
制御すると共に、自車の偏差△2を3台目の後続車両4
1(i=3)へ通信するのである。
【0023】そして、図2のように自車の追走すべき先
行車両の有無を判断する手段9(車両有無判断手段)
と、この判断結果に基づいて、先行車両が無のときは自
車が車群の先頭車両40として第1の制御系20を、先
行車両が有のときは自車が車群の後続車両41として第
2の制御系21を選択的に作動させる手段10(制御切
替手段)と、が設けられる。車両有無判断手段9は、車
載受信機1の信号(直前の先行車両の送信情報△i-1
およびレーダ装置4の信号(前方の車間距離mi)につ
いて、これらの1つでも適正に得られないときは先行車
両の無を、いずれもが適正に得られるときのみ先行車両
の有を判断するようになっている。
【0024】図3は車群走行中に各車両40,41で行
われる制御内容を説明するフローチャートであり、所定
の制御周期で繰り返し実行される。ステップ1では車載
受信機1で直前の先行車両の送信情報△i-1が適正に得
られるかどうかを判定する。ステップ2ではレーダ装置
4で前方の車間距離miが適正に得られるかどうかを判
定する。これらの判定のいずれもがyesのときにのみ
ステップ3へ進み、第2の制御系21の処理動作を選択
的に実行する。1つでも判定がnoのときはステップ1
1へ飛び、第1の制御系20の処理動作を選択的に実行
する。
【0025】第1の制御系20においては、目標の車速
vd0を設定するとともに車速センサの出力(検出信
号)から実際の車速v0を読み込む(ステップ11,ス
テップ12)。そして、実際の車速v0を目標の車速v
0との偏差ev0=vd0−v0を求め、この偏差ev0
が0になるようにアクセルおよびブレーキへの要求信号
(指令)を出力する一方、1台目の後続車両(i=1)
へ擬制的な偏差△0を通信する(ステップ13〜ステッ
プ15)。
【0026】第2の制御系21においては、前方の車間
距離m1(レーダ装置4の計測値)と直前の先行車両の
偏差△i-1(車々間通信の受信情報)とから、これらの
差m1−△i-1を自車の車体前端(車間距離の計測起点)
から自車の仮想枠先端位置Piまでの距離kiとして求め
る(ステップ3)。そして、自車の車体全長VLiを設
定すると共に、この車体全長Vdiを距離kiに加える実
際の仮想枠の長さLiを求める(ステップ5)。また、
目標にすべき仮想枠の長さSiを設定し、実際の仮想枠
の長さLiと設定の仮想枠の長さSiとの偏差△i=Si
iを求め、この偏差△iが0になるようにアクセルおよ
びブレーキへの要求信号を出力する一方、自車の偏差△
iをつぎの後続車両41へ通信する(ステップ6〜ステ
ップ9)。
【0027】そして、ステップ10において、PID制
御器13の出力(ステップ8の要求信号)またはPID
制御器6の出力(ステップ14の要求信号)に応じて自
車のアクセルアクチュエータ7またはブレーキアクチュ
エータ9を作動させるのである。
【0028】このように、先頭車両40に連なる各後続
車両41の仮想枠は、直前の先行車両の仮想枠後端位置
を自車の仮想枠先端位置Piとみなして1列縦隊に連結
され、先頭車両40が目標の車速vd0を維持するよう
に走行すると、自車に設定の長さSiを保ちながら先頭
車両40と一体に移動する。各後続車両41は実際の仮
想枠の長さLiと設定の仮想枠の長さSiとの偏差△i
0になるようにアクセルおよびブレーキを制御するの
で、自車の仮想枠の移動を追走する。
【0029】その場合、実際の仮想枠の長さLiを求め
るのに前方の車間距離miが計測されるが、その計測値
iは直前の先行車両の偏差△i-1を含むから、車体前端
(車間距離の計測起点)から自車の仮想枠先端位置Pi
までの距離kiを確定するのに直前の先行車両から受信
される偏差△i-1が使われる。つまり、車間距離miから
直前の先行車両の偏差△i-1は除去され、これに自車の
車体全長VLiを加える距離として実際の仮想枠の長さ
iは与えられる。
【0030】このため、各後続車両41は先行車両の偏
差△i-1の変動に関係なく、自車の仮想枠先端位置Pi
基準に実際の仮想枠の長さLiを設定の仮想枠の長さSi
に維持しようとする追走制御を行うため、車群を構成す
る車両台数が多くなっても、簡単な車々間通信を行うの
みで、原理的には車間距離の変動(疎密波)が発生しな
い車群走行を実現できる。
【0031】車群の先頭車両40と後続車両41との関
係は一定でなく、自車の追走すべき先行車両の有無か
ら、自車が先頭車両40か後続車両41かの判断がなさ
れ、この判断結果に基づいて、第1の制御系20と第2
の制御系21が選択的に作動する。そのため、自車の追
走すべき先行車両が無のときは、第1の制御系20の作
動により、車群の先頭車両40として、同じく先行車両
が有のときは、第2の制御系21の作動により、車群の
後続車両41として走行可能になる。つまり、各車両4
0,41は臨機応変に自車の役割を交替可能なため、車
群の走行状況が変化(たとえば、先頭車両40の車群抜
け)しても、これに対処する形で車群走行を継続するこ
とができる。
【0032】自車の追走すべき先行車両の有無は、車々
間通信の受信と前方の車間距離の計測とから適確に判断
できる。また、第2の制御系21において、前方車両の
偏差△i-1(受信情報)と前方の車間距離mi(レーダ装
置4の計測データ)は追走制御を行うのに必要であり、
これらの1つでも適正に得られないときは、追走制御そ
のものが成り立たなくなるが、そのようなときは第1の
制御系20が第2の制御系21に替わって作動するた
め、車群の後続車両41を先導できることになる。
【0033】各車両40,41の仮想枠はそれぞれ車体
全長VLiや車両性能などから適正に設定されるが、車
両の動特性変化に応じて制動距離は変化する。制動距離
については、制動距離をS[m],空走時間をt
0[s],制動初期速度をv0[m/s],減速度をα
[m/s2]とすると、S=t0・v0+(v0 2/2α)
になる。ここで、減速度αは、ブレーキ力をF
b[N],車両総重量をW[kg],重力加速度をg
[m/s2],路面の傾きをθ[rad]とすると、α
=(Fb/W)−g・sinθで表される。また、ブレー
キ力Fbは、各車輪の荷重をwi[kg],タイヤと路面
との摩擦係数をμbとすると、Fb=μb・wiで表され
る。これらの関係式から制動距離の式を書き直すと、S
=t0・v0+1/2・[v0 2・W/(μb・wi−W・g
・sinθ)]になる。
【0034】そのため、図4および図5においては、仮
想枠設定手段3に車速センサ12の出力v0(検出信
号)に応じて設定の仮想枠の長さSiを調整する補正機
能(ステップ6,ステップ7)が付加される。そして、
仮想枠のそのときの長さSiに基づいて、図3と同じく
車々間通信と自車の加減速を制御する。第1の制御系2
0に設定の車速vd0は道路状況(高速道路と一般道路
との差など)に応じて変化させることが考えられるが、
そのような場合にも第2の制御系21に設定の仮想枠の
長さSiが車速v0に応じて調整されるため、車群走行の
低速時に道路の利用効率を高める一方で、高速時に安全
な車間距離を保てるという効果が得られる。
【0035】図6および図7においては、自車の総重量
iを検出する荷重センサ14が設けられ、仮想枠設定
手段3に設定の仮想枠の長さSiを車両の総重量Wiに応
じて調整する補正機能(ステップ6,ステップ7)が付
加される。そして、仮想枠のそのときの長さSiに基づ
いて、図3と同じく車々間通信と自車の加減速を制御す
る。トラックなど商用車では、積荷状態と空荷状態で車
両の総重量Wiが大きく変化するが、このように仮想枠
の長さSiを補正することにより、車両の慣性質量に応
じた車間距離(積荷時に大きく、空荷時に小さく)を確
保できる。
【0036】図8および図9においては、自車のタイヤ
と路面との間に作用する摩擦係数μiの推定手段15が
設けられ、仮想枠設定手段3に設定の仮想枠の長さSi
を摩擦係数μiに応じて調整する補正機能(ステップ
6,ステップ7)が付加される。そして、仮想枠のその
ときの長さSiに基づいて、図3と同じく車々間通信と
自車の加減速を制御する。
【0037】摩擦係数μiの推定手段15としては、摩
擦係数μiの推定法(三菱自動車 テクニカルレビュー
1993 NO.5 『環境認識技術とシャシ制御への
応用』参照)に拠るか、路面摩擦力を測定するμセンサ
(社団法人自動車技術会 学術講演会前刷集953 1
995ー5 『路面摩擦力によるABS制御方式M−A
BS装着車の性能について』参照)を採用する。
【0038】図10および図11においては、摩擦係数
μiの推定手段15に代えて、雨滴を感知する雨感知セ
ンサ16が設けられ、仮想枠設定手段3に設定の仮想枠
の長さSiを降雨状態に応じて調整する補正処理(ステ
ップ6,ステップ7)が付加される。そして、仮想枠の
そのときの長さSiに基づいて、図3と同じく車々間通
信と自車の加減速を制御する。これだと、複雑な推定法
に拠らず、路面摩擦力の変化を簡便に判定できる。
【0039】図12および図13においては、エンジン
のアクセル開度θiを検出するアクセル開度センサ17
と、その検出信号θiと車速センサ12の検出信号v0
から降坂走行を判断する手段18が設けられ、仮想枠設
定手段3に降坂走行の判断を受けると、その判断に応じ
て設定の仮想枠の長さSiを調整する補正機能(ステッ
プ6〜ステップ9)が付加される。そして、仮想枠のそ
のときの長さSiに基づいて、図3と同じく車々間通信
と自車の加減速を制御する。
【0040】図示しないが、アクセル開度センサ17お
よび降坂判定手段18の代わりに路面の傾斜状態を検出
する勾配センサを設け、設定の仮想枠の長さSiを路面
の勾配(降坂勾配や登坂勾配)に応じて補正するように
しても良い。また、設定の仮想枠の長さSiを人為的に
調整する操作手段を設け、その要求値に応じて設定の仮
想枠の長さSiを変更できるようにしても良い。
【0041】第2の制御系21において、既述のように
実際の仮想枠の長さLiを設定の仮想枠の長さSiに一致
させる車群の追走制御が行われるが、この制御精度は車
両毎にバラツキを生じる可能性がある。そのため、図1
4および図15においては、実際の仮想枠の長さLi
設定の仮想枠の長さSiとの偏差△iから自車の制御精
度を検出する手段19(制御精度検出手段)が設けら
れ、仮想枠設定手段3に設定の仮想枠の長さSiを制御
精度に応じて調整する補正機能(ステップ11,ステッ
プ12)が付加される。
【0042】図4〜図15の各実施形態はそれぞれ単独
でも車群走行の安全性を高める効果を得られるが、これ
らを統合する実施形態として、車両の制動距離に関する
既述の式S=t・v+1/2・[v 2・W/(μ
b・wi−W・g・sinθ)]から、各車両毎に必要
な制動距離を計算し、設定の仮想枠の長さSiをそれぞ
れ制動距離Sの変化量に応じて補正するようにしても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を説明する概要図である。
【図2】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図3】同じく制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図4】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図5】同じく制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図6】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図7】同じく制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図8】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図9】同じく制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図10】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図11】同じく制御内容を説明するフローチャートで
ある。
【図12】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図13】同じく制御内容を説明するフローチャートで
ある。
【図14】同じく各車両の制御系を表すブロック図であ
る。
【図15】同じく制御内容を説明するフローチャートで
ある。
【図16】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 車載受信機 2 車長設定手段 3 仮想枠設定手段 4 レーダ装置 5 車載送信機 6 第2の制御系のPID制御器 7 アクセルアクチュエータ 8 ブレーキアクチュエータ 9 車両有無判断手段 10 車両制御切り替え手段 11 車速設定手段 12 車速センサ 13 第1の制御系のPID制御器 14 荷重センサ 15 摩擦係数推定手段 16 雨感知センサ 17 アクセル開度センサ 18 降坂走行判定手段 19 制御精度検出手段 40 先頭車両 41 後続車両
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川邊 武俊 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D044 AA45 AC16 AC26 AC59 AD12 AD21 AE04 AE14 AE21 3G093 AA01 BA23 CB10 DB05 DB16 EB01 EB04 FA07 FB05 5H180 AA01 BB04 CC14 EE13 LL01 LL04 LL09 5H301 AA01 BB20 CC03 GG19 JJ01 LL03 LL07 LL11 LL14 QQ08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先頭車両に複数台の後続車両が一列縦隊に
    連なる車群の走行制御装置において、車群の先頭車両と
    しての走行制御と車々間通信を実行する第1の制御系、
    同じく後続車両としての走行制御と車々間通信を実行す
    る第2の制御系、自車の追走すべき先行車両の有無を判
    断する手段、その判断結果に基づいて、先行車両が無の
    ときは自車が車群の先頭車両として第1の制御系を、先
    行車両が有のときは自車が車群の後続車両として第2の
    制御系を選択的に作動させる手段、を備えたことを特徴
    とする車群走行制御装置。
  2. 【請求項2】第1の制御系として、目標の車速を設定す
    る手段、実際の車速を検出する手段、実際の車速を目標
    の車速に一致させるようにアクセルおよびブレーキを制
    御する手段、車々間通信で擬制的な偏差を後続車両へ送
    信する手段、を備えるとともに、第2の制御系として、
    車々間通信で前方車両の偏差を受信する手段、前方の車
    間距離を計測する手段、仮想枠を設定する手段、車体の
    全長を設定する手段、前方の車間距離と車体の全長と前
    方車両から受信する偏差とから実際の仮想枠の長さを求
    め、実際の仮想枠の長さと設定の仮想枠の長さとの偏差
    を求め、この偏差が0になるようにアクセルおよびブレ
    ーキを制御する手段、その偏差を車々間通信で後続車両
    へ送信する手段、を備えたことを特徴とする請求項1に
    記載の車群走行制御装置。
  3. 【請求項3】自車の追走すべき先行車両の有無を判断す
    る手段は、車々間通信の受信と前方の車間距離の計測に
    ついて、これらの1つでも適正に得られないときは先行
    車両の無を、いずれもが適正に得られるときのみ先行車
    両の有を判断するように設定したことを特徴とする請求
    項2に記載の車群走行制御装置。
  4. 【請求項4】仮想枠を設定する手段は、所定のパラメー
    タに応じて仮想枠の設定長さを補正する手段、を備えた
    ことを特徴とする請求項2に記載の車群走行制御装置。
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