JP3473356B2 - 自動運転車両の走行制御装置 - Google Patents

自動運転車両の走行制御装置

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JP3473356B2
JP3473356B2 JP30049897A JP30049897A JP3473356B2 JP 3473356 B2 JP3473356 B2 JP 3473356B2 JP 30049897 A JP30049897 A JP 30049897A JP 30049897 A JP30049897 A JP 30049897A JP 3473356 B2 JP3473356 B2 JP 3473356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動運転車両の走
行制御装置に係り、特に、先行車に追従して走行する自
動運転車両の車速を制御する装置として好適な自動運転
車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平7−32974
6号に開示される如く、自動運転車両が知られている。
上記従来の自動運転車両は所定の制御区間を走行する。
制御区間には、所定パターンで変化する目標車速が設定
されている。上記従来の自動運転車両は、車速を目標車
速に一致させるためのフィードバック制御(以下、車速
F/B制御と称す)を実行する。このため、上記従来の
自動運転車両は、所定の制御区間内を、その車速をほぼ
所定パターンで変化させながら走行することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複数の自動
運転車両を隊列走行させるシステムにおいては、先頭車
両の加減速に対応して後続車両を加減速させることが必
要である。また、隊列走行中における車間距離を十分に
短縮するためには、車間距離の伸縮幅を抑制すべく、複
数の自動運転車両を同様に加減速させることが必要であ
る。
【0004】しかし、上述した車速F/B制御の制御精
度は、自動運転車両の重量等、個々の車両の状態に影響
される。このため、例えば、複数の自動運転車両の積載
荷重が異なるような場合は、全ての車両で同様に車速F
/B制御を実行しても、それらの車両が同様に加減速し
ないことがある。従って、上記従来の自動運転車両を隊
列走行させた場合、目標車速の変更に伴って先行車と後
続車との間に確保されている車間距離に大きな伸縮が生
ずることがある。このため、上記従来の自動運転車両に
よっては、車間距離を十分に詰めた隊列走行を実現する
ことが困難であった。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、先行車との車間距離を大きく伸縮させるこなく
自動運転車両を先行車に追従して走行させる自動運転車
両の走行制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載される如く、複数の自動運転車両を所定の走行パ
ターンに従って隊列走行させるシステムにおいて、先行
車に追従して走行する自動運転車両の車速制御を実行す
る走行制御装置であって、自動運転車両の車速相関値を
目標値に近づけるための第1の制御指令値を演算する車
速相関値フィードバック手段と、前記先行車との車間距
離を目標車間距離に近づけるための第2の制御指令値を
演算する車間距離フィードバック手段と、前記第1の制
御指令値と前記第2の制御指令値とに重み付けを行っ
て、それらを前記車速制御に反映させる車速制御手段
と、を備え 前記車速制御手段は、 前記複数の自動運転
車両を出発地を発車してから目的地に停止するまでに等
加速度走行、等速走行、及び等減速度走行を順に行って
隊列走行させる場合に、 前記等加速度走行において、
動運転車両の速度が前記出発地を発車後前記等速走行時
の速度よりも低い所定速度に達するまでは、前記第2の
制御指令値の影響が前記第1の制御指令値の影響よりも
大きく前記車速制御に反映されるように前記重み付けを
行い、 自動運転車両の速度が前記所定速度に達してから
自動運転車両が前記等速走行を開始するまでは、前記第
1の制御指令値の影響が前記第2の制御指令値の影響よ
りも大きく前記車速制御に反映されるように前記重み付
けを行う、自動運転車両の走行制御装置により達成され
る。
【0007】本発明において、自動運転車両の車速は、
車速相関値が目標値に近づくように制御される(以下、
この制御を車速F/B制御と称す)と共に、先行車との
車間距離が目標車間距離に近づくように制御される(以
下、この制御を車間距離F/B制御と称す)。また、車
速F/B制御と車間距離F/B制御とは重み付けされた
で車速制御に反映される。上記の処理によれば、先行
車との車間距離を目標車間距離の近傍に維持しつつ、高
精度な車速制御を実行することができる。また、本発明
において、車速F/B制御と車間距離F/B制御とへの
重み付けは、自動運転車両の加減速状態に応じて行われ
る。複数の自動運転車両が隊列走行している場合、自動
運転車両に要求される加減速状態が変化した直後は、車
両重量の相違等に起因して車間距離に伸縮が生じ易い。
この場合、車速を精度良く制御することに比して、車間
距離を目標車間距離に一致させることが重要である。自
動運転車両の加減速状態が安定している場合は、車間距
離に大きな伸縮が生じ難い。従って、かかる状況下で
は、加減速状態が変化した直後に比して、車速を目標車
速に一致させることの重要性が増大する。 そこで、本発
明では、発車後(等加速度走行開始後)しばらくは車速
F/B制御よりも車間距離F/B制御を優先し、等加速
度走行が安定した後は車間距離F/B制御よりも車速F
/B制御を優先する。これにより、等加速度走行の開始
直後では車間距離を精度良く目標車間距離近傍に制御す
ることができると共に、等加速度走行の後期では加速度
を精度良く目標加速度に制御することができる。
【0008】尚、本発明において、車速相関値には、車
速が含まれる他、自動運転車両の加速度および減速度が
含まれる。上記の目的は、請求項2に記載する如く、
数の自動運転車両を所定の走行パターンに従って隊列走
行させるシステムにおいて、先行車に追従して走行する
自動運転車両の車速制御を実行する走行制御装置であっ
て、自動運転車両の車速相関値を目標値に近づけるため
の第1の制御指令値を演算する車速相関値フィードバッ
ク手段と、 前記先行車との車間距離を目標車間距離に近
づけるための第2の制御指令値を演算する車間距離フィ
ードバック手段と、 前記第1の制御指令値と前記第2の
制御指令値とに重み付けを行って、それらを前記車速制
御に反映させる車速制御手段と、 を備え、 前記車速制御
手段は、 前記複数の自動運転車両を出発地を発車してか
ら目的地に停止するまでに等加速度走行、等速走行、及
び等減速度走行を順に行って隊列走行させる場合に、
記等速走行において、 自動運転車両の前記等速走行開始
後の走行距離が前記等速走行が行われる距離全体よりも
短い第一の所定距離に達するまでは、前記第2の制御指
令値の影響が前記第1の制御指令値の影響よりも大きく
前記車速制御に反映されるように前記重み付けを行い、
自動運転車両の前記等速走行開始後の走行距離が前記第
一の所定距離に達してから自動運転車両が前記等減速度
走行を開始するまでは、前記第1の制御指令値の影響が
前記第2の制御指令値の影響よりも大きく前記車速制御
に反映されるように前記重み付けを行う、自動運転車両
の走行制御装置により達成される。
【0009】本発明において、自動運転車両の車速は、
車速相関値が目標値に近づくように車速F/B制御され
ると共に、先行車との車間距離が目標車間距離に近づく
ように車間距離F/B制御される。また、車速F/B制
御と車間距離F/B制御とは重み付けされた上で車速制
御に反映される。上記の処理によれば、先行車との車間
距離を目標車間距離の近傍に維持しつつ、高精度な車速
制御を実行することができる。 また、本発明において、
車速F/B制御と車間距離F/B制御との重み付け
は、自動運転車両の加減速状態に応じて行われる。複数
の自動運転車両が隊列走行している場合、自動運転車両
に要求される加減速状態が変化した直後は、車両重量の
相違等に起因して車間距離に伸縮が生じ易い。この場
合、車速を精度良く制御することに比して、車間距離を
目標車間距離に一致させることが重要である。自動運転
車両の加減速状態が安定している場合は、車間距離に大
きな伸縮が生じ難い。従って、かかる状況下では、加減
速状態が変化した直後に比して、車速を目標車速に一致
させることの重要性が増大する。そこで、本発明では、
等速走行開始後しばらくは車速F/B制御よりも車間距
離F/B制御を優先し、等速走行が安定した後は車間距
離F/B制御よりも車速F/B制御を優先する。これに
より、等速走行の開始直後では車間距離を精度良く目標
車間距離近傍に制御することができると共に、等速走行
の後期では車速を精度良く目標車速に制御することがで
きる。
【0010】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
複数の自動運転車両を所定の走行パターンに従って隊列
走行させるシステムにおいて、先行車に追従して走行す
る自動運転車両の車速制御を実行する走行制御装置であ
って、 自動運転車両の車速相関値を目標値に近づけるた
めの第1の制御指令値を演算する車速相関値フィードバ
ック手段と、 前記先行車との車間距離を目標車間距離に
近づけるための第2の制御指令値を演算する車間距離フ
ィードバック手段と、 前記第1の制御指令値と前記第2
の制御指令値とに重み付けを行って、それらを前記車速
制御に反映させる車速制御手段と、 を備え、 前記車速制
御手段は、 前記複数の自動運転車両を出発地を発車して
から目的地に停止するまでに等加速度走行、等速走行、
及び等減速度走行を順に行って隊列走行させる場合に、
前記等減速度走行において、 自動運転車両の前記等減速
度走行開始後の走行距離が前記等減速度走行が行われる
距離全体よりも短い第二の所定距離に達するまでは、前
記第2の制御指令値の影響が前記第1の制御指令値の影
響よりも大きく前記車速制御に反映されるように前記重
み付けを行い、 自動運転車両の前記等減速度走行開始後
の走行距離が前記第二の所定距離に達してから自動運転
車両が前記目的地に停止するまでは、前記第1の制御指
令値の影響が前記第2の制御指令値の影響よりも大きく
前記車速制御に反映されるように前記重み付けを行う、
自動運転車両の走行制御装置により達成される。 本発明
において、自動運転車両の車速は、車速相関値が目標値
に近づくように車速F/B制御されると共に、先行車と
の車間距離が目標車間距離に近づくように車間距離F/
B制御される。また、車速F/B制御と車間距離F/B
制御とは重み付けされた上で車速制御に反映される。上
記の処理によれば、先行車との車間距離を目標車間距離
の近傍に維持しつつ、高精度な車速制御を実行すること
ができる。 また、本発明において、車速F/B制御と車
間距離F/B制御との重み付けは、自動運転車両の加
減速状態に応じて行われる。複数の自動運転車両が隊列
走行している場合、自動運転車両に要求される加減速状
態が変化した直後は、車両重量の相違等に起因して車間
距離に伸縮が生じ易い。この場合、車速を精度良く制御
することに比して、車間距離を目標車間距離に一致させ
ることが重要である。自動運転車両の加減速状態が安定
している場合は、車間距離に大きな伸縮が生じ難い。従
って、かかる状況下では、加減速状態が変化した直後に
比して、車速を目標車速に一致させることの重要性が増
大する。そこで、本発明では、等減速度走行開始後しば
らくは車速F/B制御よりも車間距離F/B制御を優先
し、等減速度走行が安定した後は車間距離F/B制御よ
りも車速F/B制御を優先する。これにより、等減速度
走行の開始直後では車間距離を精度良く目標車間距離近
傍に制御することができると共に、等減速度走行の後期
では車速を精度良く目標車速に制御することができる。
また、請求項に記載する如く、上記請求項1乃至3の
いずれか一項記載の自動運転車両の走行制御装置におい
て、自動運転車両が前記等減速度走行を開始た時点で
車間距離に重畳している目標車間距離に対する誤差を検
出する車間誤差検出手段と、自動運転車両の前記等減速
度走行時における前記目標値を、前記誤差に基づいて修
正する目標値修正手段と、を備える自動運転車両の走行
制御装置により達成される。
【0011】本発明において、自動運転車両の減速
走行が開始された時点では、車間距離に誤差が重畳して
いる場合がある。この場合、以後、自動運転車両が先行
車と同様に減速度走行を継続すると、車間距離に誤差
が重畳したまま自動運転車両および先行車が停車状態に
到る。本発明においては、減速度走行時における車速
F/B制御の目標値が、減速度走行開始時に生じてい
た誤差に基づいて修正される。車速F/B制御の目標値
が上記の如く修正されると、自動運転車両が減速度走
行する過程で、減速度走行開始時に生じていた誤差を
消滅させることができるため、隊列を構成する全ての自
動運転車両を正確に定められた位置に停車させることが
できる
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る自動交通システムのインフラ施設を模式的に表した図
を示す。インフラ施設は、レーンマーカ10を備えてい
る。レーンマーカ10は本線12および待機線14に沿
って敷設されている。本線12は、後述する自動運転車
両が乗客を輸送するために走行するレーンである。ま
た、待機線14は、余剰車両を待機させるためのレーン
である。
【0013】本線12は、直線部16,18およびルー
プ部20,22を備えている。直線部16には、第1駅
24、第2駅26および第3駅28が所定間隔をあけて
順に設けられている。一方、直線部18には、第4駅3
0、第5駅32および第6駅34が所定間隔をあけて順
に設けられている。本実施例において、自動運転車両
は、複数台で隊列を組んで本線12を走行する。以下、
この隊列を車両隊列と称す。車両隊列は、図1において
時計回り方向に本線12を進行する。車両隊列は、第1
駅24または第2駅26から乗り込んだ乗客を第2駅2
6または第3駅28に輸送する。車両隊列は、第3駅2
8で全ての乗客を降車させた後、無人状態でループ部2
0を走行する。また、車両隊列は、第4駅30または第
5駅32から乗り込んだ乗客を第5駅32または第6駅
34に輸送し、無人状態でループ部22を走行する。車
両隊列は、上記の走行規則に従って乗客の輸送を行う。
【0014】第1駅24乃至第6駅34のそれぞれ、お
よび、待機線14の出口近傍には、路車間通信機36〜
48が配設されている。路車間通信機36〜48は、通
信線50を介して管制センタ52に接続されている。路
車間通信機36〜48は、管制センタ52と個々の自動
運転車両との間で路車間通信を行うための送受信機であ
る。
【0015】第1駅24と第2駅26との間には、本線
12に沿って基準マーカ54、通過検知機56および停
止指示マーカ58が配設されている。同様に、第2駅2
6と第3駅28との間、第4駅30と第5駅32との
間、および、第5駅32と第6駅32との間にも、本線
12に沿って基準マーカ54、通過検知機56および停
止指示マーカ58が配設されている。
【0016】基準マーカ54は、所定距離離間して配設
された一対の磁気ネイルで構成されている。基準マーカ
54を構成する一対の磁気ネイルは、同方向(例えばN
極)に着磁されている。通過検知機56は、車両隊列の
通過を検知する装置である。通過検知機56は、車両隊
列の通過を検知すると、その情報を管制センタ52に供
給する。
【0017】停止指示マーカ58は、単一の磁気ネイル
で構成されている。停止指示マーカ58を構成する磁気
ネイルには、基準マーカ54を構成する磁気ネイル(例
えばN極)と異なる方向に着磁された(例えばS極)磁
気ネイルが用いられている。停止指示マーカ58は、駅
間を走行中の車両隊列が次の駅に停車するために減速を
開始すべき位置に配設されている。
【0018】図2は、本実施例の自動交通システムの電
気的な構造を表すブロック構成図を示す。尚、図2にお
いて、上記図1に示す構成部分と同一の部分には、同一
の符号を付してその説明を省略または簡略する。図2に
示す如く、管制センタ52には管制コンピュータ60が
設置されている。管制コンピュータ60には、通過検知
機56および路車間通信機36〜48が接続されてい
る。
【0019】管制コンピュータ60は、通過検知器56
から供給される情報に基づいて、駅間における車両隊列
の通過状況を検知する。また、管制コンピュータ60
は、各駅に配設される路車間通信機36〜48から供給
される情報に基づいて各駅における車両隊列の発車状況
を検知する。管制コンピュータ60は、これらの検知内
容に基づいて、各駅に停車している車両隊列の発車の可
否を判断する。
【0020】管制コンピュータ60は、路車間通信機3
6〜48を介して各駅に停車している自動運転車両と路
車間通信を行う。路車間通信では、管制コンピュータ6
0から自動運転車両に対して、個々の車両のID情報
(隊列番号、隊列内における車両の番号等)、ドアの
開閉指示、および、発車指示等がダウンリンクされ
る。また、路車間通信では、自動運転車両から管制セン
タ52に対して (i)車両のID情報、(ii)車両の状態
(故障状態)、および、 (iii)ドアの開閉完了に関する
状態等がアップリンクされる。
【0021】自動運転車両には、車両システム62が搭
載されている。車両システム62は、電子制御ユニット
64(以下、ECU64と称す)を備えている。ECU
64には、各駅に配設される路車間通信機36〜48と
通信を行うための路車間通信機66が配設されている。
また、ECU64には、同一の車両隊列に属する他の自
動運転車両と車々間通信を行うための車々間通信機68
が配設されている。
【0022】同一の車両隊列に属する複数の自動運転車
両は、車々間通信機68を用いて、それぞれ先行車およ
び後続車と通信を行う。車々間通信では、先行車から後
続車に向けて車両のID情報、車両の走行位置およ
び車速、減速開始タイミング(減速要求)、および、
車両の状態(故障状態)等の情報が提供される。ま
た、車々間通信では、後続車から先行車に向けて (i)車
両のID情報、(ii)車両の走行位置および速度、およ
び、 (iii)車両の状態(故障状態)等の情報が提供され
る。尚、個々の自動運転車両が、その車両の走行位置お
よび車速を検出する手法、および、減速開始タイミング
を検知する手法については、後に詳細に説明する。
【0023】図3は、自動運転車両に搭載される車々間
通信機68の通信領域を示す。図3に示す如く、自動運
転車両には、先行車との通信を確保するための車々間通
信機68と、後続車との通信を確保するための車々間通
信機68とが搭載されている。ところで、本実施例のシ
ステムにおいて、自動運転車両の進行方向は時計回り方
向に固定されている。このため、先行車との通信を確保
するためには、車両の前方に配設される車々間通信機6
8が、車両の中心軸に対して右側に偏った通信領域を有
していることが有利である。同様に、後続車との通信を
確保するためには、車両の後方に配設される車々間通信
機68が、車両の中心軸に対して右側に偏った通信領域
を有していることが有利である。
【0024】図3に示す如く、本実施例のシステムで
は、自動運転車両の前方および後方に、上記の要求を満
たす通信領域が確保されるように車々間通信機68が配
設される。このため、本実施例のシステムによれば、車
両隊列を構成する個々の自動運転車両の間で、確実に車
々間通信を行うことができる。本実施例において、各駅
に配設される路車間通信機36〜46と各車両に配設さ
れる路車間通信機66との間、および、各車両に配設さ
れる車々間通信機68の間では、通信機器の故障を検知
するための通信が行われる。以下、この通信を故障検知
通信と称す。故障検知通信は、以下の手順で実行され
る。
【0025】相互に通信可能な2つの通信機器の一方
(以下、通信機Aと称す)から他方の通信機器(以下、
通信機Bと称す)に向けて任意のデータを送信する。 通信機Bは、受信したデータを通信機Aに返送する。 通信機Aは、送信したデータと、返送されてきたデー
タとを比較し、両者が一致しない場合に通信機器に故障
が生じていると判定する。
【0026】上記の処理により通信機器の故障が判定さ
れない場合は、更に以下の処理が実行される。 通信機Bから通信機Aに向けて任意のデータを送信す
る。 通信機Aは、受信したデータを通信機Bに返送する。 通信機Bは、送信したデータと、返送されてきたデー
タとを比較し、両者が一致しない場合に通信機器に故障
が生じていると判定する。
【0027】上記の処理により通信機器の故障が判定さ
れると、その状態が管制センタ52に記憶され、以後、
通信機器の故障に対するフェールセーフ処理が実行され
る。一方、上記の処理により通信機器の故障が判定され
ない場合は、通信機器が正常であるとして、通常の制御
が実行される。上記の処理によれば、路車間通信機36
〜46,66および車々間通信機68に故障が生じた場
合に、その状態を速やかに検知することができる。
【0028】本実施例において、車両システム62は、
駆動モータ70を備えている。駆動モータ70は、自動
運転車両の駆動源として用いられる機構である。駆動モ
ータ70は、ECU64から供給されるモータ指示値M
に応じた駆動トルクを発生する。車両システム62は、
ブレーキアクチュエータ72を備えている。ブレーキア
クチュエータ72は、車両において任意の制動力を発生
させることができる。ブレーキアクチュエータ72は、
ECU64から供給されるブレーキ指示値Bに応じた制
動力を発生する。
【0029】車両システム62は、位置検知センサ7
4、および、車輪パルス発生機76を備えている。車輪
パルス発生機76は、自動運転車両の車輪に所定の回転
角が生ずる毎にパルス信号を発生する。車輪に所定の回
転角が生ずる間に自動運転車両が走行する距離は、車輪
の外径等によりほぼ一律に決定される。ECU64は、
自動運転車両が各駅を発車した後、車輪パルス発生機7
6が発するパルス信号の数をカウントすることで、駅か
らの走行距離を検知する。
【0030】位置検知センサ74は、基準マーカ54お
よび停止指示マーカ58が発する磁界を検知するセンサ
である。基準マーカ54は、上述の如く一対の磁気ネイ
ルによって構成されている。このため、位置検知センサ
74は、自動運転車両が基準マーカ54を通過する際に
所定の間隔をあけて2つのパルス信号を出力する。本実
施例において、ECU64は、上述の如く車輪パルス発
生機76が発生するパルス信号に基づいて車両の走行距
離を検出する。ところで、車輪パルス発生機76がパル
ス信号を発する間隔と、その間に車両が走行する距離と
の関係は、例えば車輪の外径が変化することにより変化
する。また、車輪の外径は、例えば車両の積載重量が変
化することにより変動する。
【0031】このため、車輪パルス発生機76がパルス
信号を発する間隔と、その間に車両が走行する距離との
関係は、厳密には常に一定ではない。従って、自動運転
車両の走行距離を精度良く検出するためには、車輪パル
ス発生機76がパルス信号を発する間隔と、その間に車
両が走行する距離との関係を正確に検知することが必要
である。
【0032】本実施例において、ECU64は、位置検
知センサ74が、基準マーカ54に反応して2つのパル
ス信号を発生する間に、車輪パルス発生機76がいくつ
のパルス信号を発生するかをカウントする。そして、そ
のカウント数に基づいて、車輪パルス発生機76がパル
ス信号を発生する間隔と、車両の走行距離との関係を正
確に検知する。従って、ECU64によれば、パルス発
生機76の出力信号に基づいて正確に自動運転車両の走
行距離を検出することができる。
【0033】車両システム62は、障害物検知センサ7
8を備えている。障害物検知センサ78は、自動運転車
両の前方に存在する障害物を検知するためのセンサであ
る。ECU64は、障害物検知センサ78の出力信号に
基づいて、車両の前方に障害物が存在するか否かを判定
する。図4は、本実施例のシステムに用いられる自動運
転車両の一例の斜視図を示す。図4に示す如く、本実施
例のシステムに用いられる自動運転車両には、その外周
を取り巻くようにリフレクタ80が装着されている。自
動運転車両の全周にリフレクタ80が装着されている
と、他の自動運転車両に搭載される障害物検知センサ7
8は、容易かつ確実にその自動運転車両を認識すること
ができる。このため、本実施例のシステムによれば、例
えば、本線12中に故障した自動運転車両が停車してい
る場合に、その後方から走行してくる他の自動運転車両
に、故障車の存在を確実に認識させることができる。
【0034】車両システム62は、操舵アクチュエータ
82を備えている。操舵アクチュエータ82は、自動運
転車両の操舵角を制御する機構である。操舵アクチュエ
ータ82は、ECU64から供給される操舵指示値に基
づいて、車両の操舵角を制御する。車両システム62
は、横位置検知センサ84を備えている。横位置検知セ
ンサ84は、レーンマーカ20を撮影するカメラにより
構成される。ECU64は、横位置検知センサ84から
供給される画像データに基づいて、レーンマーカ10に
対する自動運転車両の横位置等を検出する。
【0035】車両システム62は、ヨーレートセンサ8
6を備えている。ヨーレートセンサ86は、自動運転車
両のヨーレート(重心軸回りの角速度)に応じて電気信
号を出力する。ECU64は、ヨーレートセンサ86の
出力信号に基づいて、車両のヨーレートを検出する。車
両システム62は、操舵角度センサ88を備えている。
ECU64は、操舵角度センサ88の出力信号に基づい
て、ステアリングホイルの操舵角度を検出する。ECU
64は、上述した横位置検知センサ84、ヨーレートセ
ンサ86、および、操舵角度センサ88の出力信号に基
づいて、自動運転車両がレーンマーカ10に沿って走行
するように、操舵アクチュエータ82に供給する操舵指
示値を演算する。
【0036】車両システム62は、車両ドア開閉アクチ
ュエータ90を備えている。車両ドアアクチュエータ9
0は、自動運転車両のドアを開閉するアクチュエータで
ある。自動運転車両のドアの開閉は、自動運転車両が駅
に停車している際に、管制センタ52からの指令により
行われる。すなわち、管制センタ52は、自動運転車両
が駅に停車した後、路車間通信により、適当なタイミン
グでECU64にドアの開閉を指示する。ECU64
は、管制センタ52からドアの開閉が指示されると、車
両ドア開閉アクチュエータ90に対して駆動信号を供給
する。車両ドア開閉アクチュエータ90は、ECU64
から駆動信号が供給されることにより自動運転車両のド
アを開閉させる。
【0037】車両システム62は、ドア状態検知センサ
92を備えている。ドア状態検知センサ92は、自動運
転車両のドアが全開状態であることを表示する出力信
号、および、そのドアが全閉状態であることを表示する
出力信号を発生するセンサである。ECU64は、車両
ドア開閉アクチュエータ90に対して開動作を要求する
駆動信号を供給した後、ドア状態検知センサ92から全
開状態を表示する信号が出力された時点でドアが正常に
開いたことを認識する。また、ECU64は、車両ドア
開閉アクチュエータ90に対して開動作を要求する駆動
信号を供給した後、ドア状態検知センサ92から全閉状
態を表示する信号が出力された時点でドアが正常に閉じ
たことを認識する。
【0038】ECU64は、上述の如く、ドアの開閉完
了に関する情報を管制センタ52にアップリンクする。
管制センタ52は、その通信によりドアの閉動作が完了
したことを認識すると、自動運転車両に対して発車指示
をダウンリンクする。自動運転車両は、その発車指示を
受けて駅を発車する。次に、本実施例の自動交通システ
ムにおいて、車両隊列が乗客を輸送する際の走行パター
ンについて説明する。本実施例において、車両隊列は、
上述の如く、本線12の直進部16,18を走行する際
に乗客の輸送を行う。車両隊列は、直進部16,18に
設置された駅間を、所定パターンで車速Vを変化させな
がら走行する。
【0039】図5は、車両隊列94が駅を発車して次の
駅に停車するまでの車速Vのパターンと、車両隊列94
の走行距離Sとの関係を示す。車両隊列94は、3台の
自動運転車両96により、すなわち、先頭車両96、第
1後続車両98、および、第2後続車両100により構
成されている。尚、3台編成は、車両隊列94の編成例
の1つである。
【0040】また、図6は、車両隊列94の車速Vと、
時間tとの関係を示す。尚、図6において、時刻tSTA
および時刻tSTP は、それぞれ、車両隊列94が駅を発
車した時刻、および、車両隊列94が次の駅に停車した
時刻である。図5および図6に示す如く、車両隊列94
は、駅を発車した後、車速Vが所定速度V0 (例えば3
5km/h)に到達するまで一定の加速度a0 (例えば0.
05G)で加速を続ける。車速Vが所定速度V0 に到達
すると、その後、車速Vを所定速度V0 に維持して等速
走行を行う。そして、一定の減速度d0 (例えば−0.
05G)で減速することで、次の駅に停車する。
【0041】本実施例の自動運転車両によれば、加速度
aが目標加速度atgに一致するようにモータ指示値Mを
フィードバック制御(以下、この制御を加速度F/B制
御と称す)することで、等加速度走行を実現することが
できる。従って、車両隊列94が駅を発車した後、例え
ば、3台の自動運転車両96〜100のそれぞれに、目
標加速度atgをa0 として上記の加速度F/B制御を実
行させれば、車両隊列94を一定の加速度a0 で加速さ
せることができる。
【0042】しかしながら、自動運転車両96〜100
には出力特性のバラツキが存在する。また、自動運転車
両96〜100には、異なる荷重が積載される場合があ
る。このため、3台の自動運転車両96〜100が、同
様に加速度F/B制御を実行しても、それぞれの自動運
転車両96〜100に発生する加速度aは必ずしも同一
にならない。
【0043】車両隊列94に等加速度走行が要求される
区間で3台の自動運転車両96〜100がそれぞれ異な
る加速度aを発生すると、車間距離に大きな伸縮が生ず
る。このため、加速度F/B制御のみでは、車間距離を
十分に詰めた隊列走行を実現することが困難である。本
実施例の自動運転車両によれば、車速Vが目標車速Vtg
に一致するようにモータ指示値Mをフィードバック制御
(以下、この制御を車速F/B制御と称す)すること
で、等速走行を実現することができる。従って、車両隊
列94の車速Vが所定速度V0 に達した後、例えば、3
台の自動運転車両96〜100のそれぞれに、目標車速
VtgをV0 として上記の車速F/B制御を実行させれ
ば、車両隊列94を一定の速度V0 で走行させることが
できる。
【0044】しかしながら、自動運転車両96〜100
は、出力特性のバラツキや積載荷重の相違に起因して、
異なる慣性を示すことがある。このため、3台の自動運
転車両96〜100が、同様に車速F/B制御を実行し
ても、それぞれの自動運転車両96〜100の車速Vは
必ずしも同一にならない。車両隊列94に等速走行が要
求される区間で3台の自動運転車両96〜100がそれ
ぞれ異なる車速Vを示すと、車間距離に大きな伸縮が生
ずる。このため、車速F/B制御のみでは、車間距離を
十分に詰めた隊列走行を実現することが困難である。
【0045】車両が一定の減速度d0 で減速する場合、
その減速度d0 と、車両の初速VST A と、任意の時刻t
における車速Vと、減速が開始されてから時刻tまでに
車両が走行した距離Sdとの間には、次式の関係が成立
する。 V2 −VSTA 2 =2d0 ・Sd ・・・(1) 車両隊列94は、所定速度V0 で走行している状況下で
減速を開始する。従って、車両隊列94が減速を開始す
る時点で、その初速VSTA はV0 である。このため、車
両隊列94が減速を開始した後、一定の減速度d0 で減
速する過程では、車速Vと走行距離Sdとの間に次式の
関係が成立する。
【0046】 V2 −V0 2 =2d0 ・Sd ・・・(1) すなわち、 V=√(V0 2 +2d0 ・Sd) ・・・(2) 本実施例のシステムにおいては、車速Vが“0”となる
時期と同期して車両隊列94が次の駅に到達するよう
に、車両隊列94を減速させる必要がある。上記(1)
式より、等減速度走行が開始された後、車速Vが“0”
となるまでに車両隊列94が走行する距離S0 (以下、
減速距離S0 と称す)は、次式の如く表すことができ
る。
【0047】 S0 =−V0 2 /(2・d0 ) ・・・(3) 従って、本実施例のシステムにおいては、次の駅までの
距離が減速距離S0 となった時点で車両隊列94の等減
速度走行を開始することで、一定の減速度d0を維持し
つつ、車両隊列94を正確に次の駅で停車させることが
できる。本実施例のシステムにおいて、停止指示マーカ
58は、次の駅までの距離が減速距離S 0 に一致する位
置に埋設されている。
【0048】先頭車両96は、停止指示マーカ58の発
する磁界を検知した時点で、等減速度走行の要求を検知
すると共に、車々間通信により第1後続車両98に等減
速度走行の開始を要求する。等減速度走行の要求は、車
々間通信により、第1後続車両98から更に第2後続車
両100に伝達される。このため、本実施例のシステム
によれば、先頭車両96が次の駅から減速距離S0 の地
点に到達した時点で、全ての自動運転車両96〜100
に対して、ほぼ同時に等減速度走行を要求することがで
きる。
【0049】本実施例の自動運転車両によれば、等減速
度走行の開始後における走行距離Sdに対して上記
(2)式の関係を満たす車速Vを目標車速Vtg(Sd)
とし、かつ、現実の車速Vがその目標車速Vtg(Sd)
に一致するようにブレーキ指示値Bをフィードバック制
御(以下、この制御を制動車速F/B制御と称す)する
ことで、減速度dを一定値d0 に維持することができ
る。従って、3台の自動運転車両96〜100に、等減
速走行の要求を検知した後、それぞれ上記の制動車速F
/B制御を実行させることによれば、一定の減速度d0
を維持しつつ車両隊列94を正確に次の駅に停車させる
ことができる。
【0050】しかしながら、自動運転車両96〜100
は、車両の個体差や積載荷重の相違等に起因して、異な
る制動特性を示すことがある。このため、3台の自動運
転車両96〜100が、同様に制動車速F/B制御を実
行しても、それぞれの自動運転車両96〜100の減速
度dは必ずしも同一にならない。車両隊列94に等減速
度走行が要求される区間で3台の自動運転車両96〜1
00がそれぞれ異なる減速度dを発生すると、車間距離
に大きな伸縮が生ずる。このため、制動車速F/B制御
のみでは、車間距離を十分に詰めた隊列走行を実現する
ことが困難である。
【0051】上述の如く、本実施例のシステムでは、車
両隊列94を構成する自動運転車両96〜100に、加
速度F/B制御、車速F/B制御および制動車速F/B
制御を実行させるだけでは、車間距離を十分に詰めた隊
列走行を実現することができない。本実施例のシステム
は、車間距離を十分に詰めた隊列走行を実現すべく、先
頭車両を除く全ての自動運転車両に、上述した各種のフ
ィードバック制御と共に、先行車との車間距離Lを目標
車間距離Ltgに一致させるためのフィードバック制御
(以下、車間距離F/B制御)を実行させる点に特徴を
有している。
【0052】図7は、上記の機能を実現すべく自動運転
車両のECU64が実行する制御ルーチンのフローチャ
ートを示す。図7に示すルーチンは、自動運転車両が駅
から発車する毎に起動される。図7に示すルーチンが起
動されると、先ずステップ110の処理が実行される。
ステップ110では、自車のID情報に基づいて、自車
が車両隊列の先頭車両であるか否かが判別される。車両
隊列の先頭車両は、他の自動運転車両との車間距離を考
慮することなく走行することができる。本ステップ11
0で、自車が先頭車両であると判別される場合は、次に
ステップ112の処理が実行される。
【0053】ステップ112では、等加速度走行を実現
するためのモータ指示値Mが演算される。本ステップ1
12において、モータ指示値Mは、加速度F/B制御の
手法で演算される。モータ指示値Mは、具体的には次式
に従って演算される。 M=KAP・Δa+KAD・ dΔa/dt +KAI・∫Δadt ・・・(4) 上記(4)式において、Δaは、加速度の目標値atgと
現実の加速度aとの偏差、すなわち、所定値a0 と加速
度aとの偏差“a0 −a”である。また、上記(4)式
において、KAP、KADおよびKAIは、偏差Δaの比例項
(P項)、微分項(D項)および積分項(I項)に所定
の重み付けを行うための定数である。上記(4)式によ
れば、加速度aを速やかに目標値a0 に一致させるうえ
で好適なモータ指示値Mを求めることができる。
【0054】ステップ114では、車速Vが所定値V0
に到達したか否かが判別される。その結果、V≧V0
成立しないと判別される場合は、再び上記ステップ11
2の処理が実行される。一方、V≧V0 が成立すると判
別される場合は、次にステップ116の処理が実行され
る。上記の処理によれば、車速Vが所定値V0 に到達す
るまで先頭車両を等加速度走行させることができる。
【0055】ステップ116では、等速走行を実現する
ためのモータ指示値Mが演算される。本ステップ114
において、モータ指示値Mは、車速F/B制御の手法で
演算される。モータ指示値Mは、具体的には次式に従っ
て演算される。 M=KVP・ΔV+KVD・ dΔV/dt +KVI・∫ΔVdt ・・・(5) 上記(5)式において、ΔVは、車速の目標値Vtgと現
実の車速Vとの偏差、すなわち、所定値V0 と車速Vと
の偏差“V0 −V”である。また、上記(5)式におい
て、KVP、KVDおよびKVIは、偏差ΔVの比例項(P
項)、微分項(D項)および積分項(I項)に所定の重
み付けを行うための定数である。上記(5)式によれ
ば、車速Vを正確に目標値V0 に一致させるうえで好適
なモータ指示値Mを求めることができる。
【0056】ステップ118では、減速要求が生じたか
否か、具体的には、停止指示マーカ58の発する磁界が
検出されたか否かが判別される。その結果、減速要求が
生じていないと判別される場合は、再び上記ステップ1
16の処理が実行される。一方、減速要求が生じている
と判別される場合は、次にステップ120の処理が実行
される。上記の処理によれば、先頭車両の車速Vが所定
値V0 に到達した後、先頭車両が停止指示マーカ58に
到達するまでの間、適正に先頭車両を等速走行させるこ
とができる。
【0057】ステップ120では、等減速度走行を実現
するためのブレーキ指示値Bが演算される。本ステップ
120において、ブレーキ指示値Bは、制動車速F/B
制御の手法で演算される。ブレーキ指示値Bは、具体的
には次式に従って演算される。 B=KBVP ・ΔV(Sd)+KBVD ・ d{ΔV(Sd)}/dt +KBVI ・∫{ΔV(Sd)}dt ・・・(6) 上記(6)式において、ΔV(Sd)は、上記(2)式
の関係を満たす車速V、すなわち、等減速度走行中にお
ける車速目標値Vtg(Sd)と、現実の車速Vとの偏差
“Vtg(Sd)−V”である。また、上記(6)式にお
いて、KBVP 、KBVD およびKBVI は、偏差ΔV(S
d)の比例項(P項)、微分項(D項)および積分項
(I項)に所定の重み付けを行うための定数である。上
記(6)式によれば、車両を一定の減速度d0 で減速さ
せながら次の駅に停車させるうえで好適なブレーキ指示
値Bを求めることができる。
【0058】ステップ122では、車速Vが“0”とな
ったか否か、すなわち、車両が駅に停車したか否かが判
別される。その結果、V=0が成立しないと判別される
場合は、再び上記ステップ120の処理が実行される。
一方、V=0が成立すると判別される場合は、今回のル
ーチンが終了される。本ルーチン中、上記ステップ11
0で、自車が車両隊列の先頭車両でないと判別された場
合は、次にステップ124の処理が実行される。
【0059】ステップ124では、先行車両との車間距
離を大きく伸縮させることなく車両を等加速度走行させ
るためのモータ指示値Mが演算される。本ステップ12
4において、モータ指示値Mは、加速度F/B制御の手
法および車間距離F/B制御の手法の双方を用いて演算
される。モータ指示値Mは、具体的には次式に従って演
算される。
【0060】 M={KA・(KAP・Δa+KAD・ dΔa/dt +KAI・∫Δadt) +KL・(KLP・ΔL+KLD・ dΔL/dt +KLI・∫ΔLdt)} /(KA+KL) ・・・(7) 上記(7)式において、ΔLは目標車間距離Ltgと現実
の車間距離Lとの偏差“Ltg−L”である。尚、本実施
例の自動運転車両は、駅間を走行している間、常に車々
間通信により先行車の位置(前駅からの走行距離)を検
知する。自動運転車両は、上記の如く検知した先行車の
位置と自車の位置(前駅からの走行距離)との差を求め
ることにより車間距離Lを検出する。
【0061】上記(7)式において、KLP、KLDおよび
KLIは、偏差ΔLの比例項(P項)、微分項(D項)お
よび積分項(I項)に所定の重み付けを行うための定数
である。更に、上記(7)式において、KAおよびKL
は、加速度F/B制御の手法で演算される制御指令値
と、車間距離F/B制御の手法で演算される制御指令値
とに所定の重み付けを行うための係数である。
【0062】本実施例において、係数KAと係数KLと
の比率は、後述の如く、等加速度走行の過程で適宜適正
な値に変更される。上記(7)式によれば、先行車との
車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍に維持しつつ、後
続車両の加速度aを速やかに目標値a0 に一致させるう
えで好適なモータ指示値Mを求めることができる。ステ
ップ126では、車速Vが所定値V0 に到達したか否か
が判別される。その結果、V≧V0 が成立しないと判別
される場合は、再び上記ステップ124の処理が実行さ
れる。一方、V≧V0 が成立すると判別される場合は、
次にステップ128の処理が実行される。上記の処理に
よれば、車速Vが所定値V0 に到達するまで後続車両を
等加速度走行させることができる。
【0063】ステップ128では、先行車両との車間距
離を大きく伸縮させることなく車両を等速走行させるた
めのモータ指示値Mが演算される。本ステップ128に
おいて、モータ指示値Mは、車速F/B制御の手法およ
び車間距離F/B制御の手法の双方を用いて演算され
る。モータ指示値Mは、具体的には次式に従って演算さ
れる。
【0064】 M={KV・(KVP・ΔV+KVD・ dΔV/dt +KVI・∫ΔVdt) +KL・(KLP・ΔL+KLD・ dΔL/dt +KLI・∫ΔLdt)} /(KV+KL) ・・・(8) 上記(8)式において、KVおよびKLは、車速F/B
制御の手法で演算される制御指令値と、車間距離F/B
制御の手法で演算される制御指令値とに所定の重み付け
を行うための係数である。本実施例において、係数KV
と係数KLとの比率は、後述の如く、等速走行の過程で
適宜適正な値に変更される。上記(8)式によれば、先
行車との車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍に維持し
つつ、後続車両の車速Vを正確に目標値V0 に一致させ
るうえで好適なモータ指示値Mを求めることができる。
【0065】ステップ130では、減速要求が生じたか
否か、具体的には、先行車から減速要求の発生が報知さ
れたか否かが判別される。その結果、減速要求が生じて
いないと判別される場合は、再び上記ステップ128の
処理が実行される。一方、減速要求が生じていると判別
される場合は、次にステップ132の処理が実行され
る。上記の処理によれば、車速Vが所定値V0 に達した
後、減速要求が検知されるまでの期間中、車両を適正に
等速走行させることができる。
【0066】ステップ132では、先行車両との車間距
離を大きく伸縮させることなく車両を等減速度走行させ
るためのブレーキ指示値Bが演算される。本ステップ1
32において、ブレーキ指示値Bは、制動車速F/B制
御の手法および車間距離F/B制御の手法の双方を用い
て演算される。ブレーキ指示値Bは、具体的には次式に
従って演算される。
【0067】 B=[KBV・〔KBVP ・ΔV(Sd)+KBVD ・ d{ΔV(Sd)}/dt +KBVI ・∫{ΔV(Sd)}dt〕 +KL・(KLP・ΔL+KLD・ dΔL/dt +KLI・∫ΔLdt)] /(KV+KL) ・・・(9) 上記(9)式において、KBVおよびKLは、制動車速F
/B制御の手法で演算される制御指令値と、車間距離F
/B制御の手法で演算される制御指令値とに所定の重み
付けを行うための係数である。本実施例において、係数
KBVと係数KLとの比率は、後述の如く、等減速度走行
の過程で適宜適正な値に変更される。上記(9)式によ
れば、先行車との車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍
に維持しつつ、車両を一定の減速度d0 で減速させなが
ら次の駅に停車させるうえで好適なブレーキ指示値Bを
求めることができる。
【0068】ステップ134では、車速Vが“0”とな
ったか否か、すなわち、車両が駅に停車したか否かが判
別される。その結果、V=0が成立しないと判別される
場合は、再び上記ステップ132の処理が実行される。
一方、V=0が成立すると判別される場合は、今回のル
ーチンが終了される。上記の処理によれば、一の駅から
発車した先頭車両を適正に次の駅まで走行させることが
できる。また、上記の処理によれば、一の駅から発車し
た後続車両を、先行車との車間距離を大きく伸縮させる
ことなく適正に次の駅まで走行させることができる。従
って、上記の処理によれば、車間距離を十分に詰めた隊
列走行を実現することができる。
【0069】次に、図8乃至図12を参照して、係数K
Aと係数KLとの比率、係数KVと係数KLとの比率、
および、係数KBVと係数KLとの比率を変更する手法に
ついて説明する。図8(A)は、等加速度走行中におけ
る車速Vのタイムチャートを示す。また、図8(B)
は、等加速度走行中における係数KAおよび係数KLの
タイムチャートを示す。
【0070】等加速度走行が開始された直後は、先行車
と後続車両との個体差や積載荷重の相違に起因して、車
間距離に大きな伸縮が生じ易い。従って、等加速度走行
が開始された直後は、車間距離Lを目標車間距離Ltgに
一致させることを、加速度aを目標加速度atgに一致さ
せることに比して重視することが適切である。本実施例
において係数KLは、図8に示す如く、等加速度走行が
開始された後、車速Vが所定速度VAに達するまでの間
(期間A)、1.0に比して大きな値Highに維持され
る。一方、期間Aの間、係数KAは1.0に比して小さ
な値Lowに維持される。
【0071】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、車間距離F/B制御の影響が、加速度F/B制御の
影響に比して大きく反映される。従って、本実施例の自
動運転車両によれば、後続車両として用いられた際に、
等加速度走行の開始直後から車間距離Lを精度良く目標
車間距離Ltgの近傍に制御することができる。等加速度
走行が開始された後、車速Vがある程度上昇すると、先
行車の挙動および後続車両の挙動が安定し、車間距離L
が伸縮し難い状態が形成される。このような状況下で
は、良好な乗り心地を確保する観点より、加速度aを目
標加速度atgに一致させることを、車間距離Lを目標車
間距離Ltgに一致させることに比して重視することが適
切である。
【0072】本実施例において係数KLは、図8に示す
如く、車速Vが所定速度VAに達した後所定値Highから
所定値Low に変更され、その後、車速Vが所定速度VB
(>VA)に達するまでの間(期間B)所定値Low に維
持される。一方、係数KAは車速Vが所定速度VAに達
した後所定値Low から所定値Highに変更され、その後、
期間Bの間所定値Highに維持される。
【0073】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、加速度F/B制御の影響が、車間距離F/B制御の
影響に比して大きく反映される。従って、本実施例の自
動運転車両によれば、後続車両として用いられた際に、
期間Bにおいて、車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍
に維持しつつ、加速度aを精度良く目標加速度a0 の近
傍に制御することができる。
【0074】等加速度走行が開始された後、十分な時間
が経過すると、車両の加速度aおよび車間距離Lは、そ
れぞれ目標加速度atgおよび目標車間距離Ltgの近傍で
安定する。このような状況下では、加速度aを目標加速
度atgに一致させること、および、車間距離Lを目標車
間距離Ltgに一致させることを均等に重視することが適
切である。
【0075】本実施例において係数KLは、図8に示す
如く、車速Vが所定速度VBに達した後所定値Low から
1.0に変更され、その後、車速Vが所定速度V0 (>
VB)に達するまでの間(期間C)1.0に維持され
る。一方、係数KAは車速Vが所定速度VBに達した後
所定値Highから1.0に変更され、その後、期間Bの間
1.0に維持される。
【0076】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、加速度F/B制御の影響と、車間距離F/B制御の
影響とが等しく反映される。従って、本実施例の自動運
転車両によれば、後続車両として用いられた際に、等加
速度走行の後期において車間距離Lおよび加速度aを、
精度良く目標車間距離Ltgおよび目標加速度a0 の近傍
に制御することができる。
【0077】図9(A)は、等速走行中および等減速度
走行中における車速Vの変化と、車両の走行距離Sとの
関係を示す。また、図9(B)は、等速走行中および等
減速度走行中における係数KAおよび係数KLの変化
と、車両の走行距離Sとの関係を示す。本実施例におい
て、等速走行が開始される前後では、モータ指示値Mの
制御パラメータが車両の加速度aから車速Vに変更され
る。後続車両の特性や積載重量が、先行車のそれらと相
違している状況下では、上記の如く制御パラメータが変
更された後に、先行車の車速Vと後続車両の車速Vとが
異なる変化を示す場合がある。
【0078】より具体的には、先行車および後続車両が
同時に等速走行を開始した後に、先行車の車速Vと後続
車両の車速Vとに異なるオーバーシュート量、或いは、
異なるアンダーシュート量が発生し、それらの車速V
が、所定速度V0 に収束する過程で異なる変化を示す場
合がある。このような状況下で、先行車と後続車両との
隊列を適正に維持するためには、車間距離Lを目標車間
距離Ltgに一致させることを、車速Vを目標車速V0
一致させることに比して重視することが有効である。
【0079】本実施例において係数KLは、図9に示す
如く、等速走行が開始された後、すなわち、車速Vが所
定速度V0 に到達した後、走行距離Sが所定値SDに達
するまでの間(期間D)所定値Highに維持される。一
方、期間Dの間、係数KVは所定値Low に維持される。
上記の設定によれば、後続車両の車速Vには、車間距離
F/B制御の影響が、車速F/B制御の影響に比して大
きく反映される。従って、本実施例の自動運転車両によ
れば、後続車両として用いられた際に、等速走行の開始
直後から車間距離Lを精度良く目標車間距離Ltgの近傍
に制御することができる。
【0080】等速走行が開始された後、車両がある程度
の距離を走行すると、先行車および後続車両の挙動が安
定し、車間距離Lが伸縮し難い状態が形成される。この
ような状況下では、良好な乗り心地を確保する観点よ
り、車速Vを目標車速V0 に一致させることを、車間距
離Lを目標車間距離Ltgに一致させることに比して重視
することが適切である。
【0081】本実施例において係数KLは、図9に示す
如く、走行距離Sが所定値SDに達した後所定値Highか
ら所定値Low に変更され、その後、走行距離Sが所定値
SE(>SD)に達するまでの間(期間E)所定値Low
に維持される。一方、係数KVは走行距離Sが所定値S
Dに達した後所定値Low から所定値Highに変更され、そ
の後、期間Eの間所定値Highに維持される。
【0082】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、車速F/B制御の影響が、車間距離F/B制御の影
響に比して大きく反映される。従って、本実施例の自動
運転車両によれば、後続車両として用いられた際に、期
間Eにおいて、車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍に
維持しつつ、車速Vを精度良く目標車速V0 の近傍に制
御することができる。
【0083】等速走行が開始された後、車両が十分な距
離を走行すると、車速Vおよび車間距離Lが、それぞれ
目標車速V0 および目標車間距離Ltgの近傍で安定す
る。かかる状況下では、車速Vを目標車速V0 に一致さ
せること、および、車間距離Lを目標車間距離Ltgに一
致させることを等しく重視することが適切である。本実
施例において係数KLは、図9に示す如く、走行距離S
が所定値SEに達した後所定値Low から1.0に変更さ
れ、その後、走行距離Sが所定値SFに達するまで、よ
り具体的には、後続車両に対して減速要求が生ずるまで
(期間F)1.0に維持される。一方、係数KVは走行
距離Sが所定値SEに到達した後所定値Highから1.0
に変更され、その後、期間Fの間1.0に維持される。
【0084】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、加速度F/B制御の影響と、車間距離F/B制御の
影響とが等しく反映される。従って、本実施例の自動運
転車両によれば、後続車両として用いられた際に、等速
走行の後期において車間距離Lおよび車速Vを、精度良
く目標車間距離Ltgおよび目標車速V0 の近傍に制御す
ることができる。
【0085】本実施例において、後続車両は、先行車か
ら減速要求が伝達された後、等減速度走行を開始する。
等減速度走行が開始される以前は、駆動モータ70の発
生するトルクにより車速Vが制御される。これに対し
て、等減速度走行が開始された後は、ブレーキアクチュ
エータ72の発生する制動力により車速Vが制御され
る。
【0086】後続車両の特性や積載重量が、先行車のそ
れらと相違している状況下では、上記の如く車速Vを制
御する機構が変更された後に、先行車と後続車両とが異
なる減速度を示すことがある。このような状況下で、先
行車と後続車両との隊列を適正に維持するためには、車
間距離Lを目標車間距離Ltgに一致させることを、車速
Vを目標車速Vtg(Sd)に一致させることに比して重
視することが有効である。
【0087】本実施例において係数KLは、図9に示す
如く、等減速度走行が開始された後、走行距離Sが所定
値SGに達するまでの間(期間G)所定値Highに維持さ
れる。一方、期間Gの間、係数KBVは所定値Low に維持
される。上記の設定によれば、後続車両の車速Vには、
車間距離F/B制御の影響が、制動車速F/B制御の影
響に比して大きく反映される。従って、本実施例の自動
運転車両によれば、後続車両として用いられた際に、等
減速度走行の開始直後から車間距離Lを精度良く目標車
間距離Ltgの近傍に制御することができる。
【0088】等減速度走行が開始された後、車両がある
程度の距離を走行すると、先行車および後続車両の挙動
が安定し、車間距離Lが伸縮し難い状態が形成される。
車両隊列を構成する複数の自動運転車両を適正な位置に
停止させるためには、等減速度走行の過程で、自動運転
車両の車速Vを精度良く目標車速Vtg(Sd)に一致さ
せることが重要である。従って、等減速度走行が開始さ
れた後、車両がある程度の距離を走行した後は、車速V
を目標車速Vtg(Sd)に一致させることを、車間距離
Lを目標車間距離Ltgに一致させることに比して重視す
ることが適切である。
【0089】本実施例において係数KLは、図9に示す
如く、走行距離Sが所定値SGに達した後所定値Highか
ら所定値Low に変更され、その後、車両が停止するまで
(期間H)所定値Low に維持される。一方、係数KBVは
走行距離Sが所定値SGに達した後所定値Low から所定
値Highに変更され、その後、期間Hの間所定値Highに維
持される。
【0090】上記の設定によれば、後続車両の車速Vに
は、制動車速F/B制御の影響が、車間距離F/B制御
の影響に比して大きく反映される。従って、本実施例の
自動運転車両によれば、後続車両として用いられた際
に、車間距離Lを目標車間距離Ltgの近傍に維持しつ
つ、車両の停止位置を正確に制御することができる。図
10乃至図12は、係数KL、KVおよびKBVを、車両
の加減速状態に応じて上記の如く変更すべくECU64
が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。図1
0乃至図12に示すルーチンは、車両隊列の後続車両が
駅を発車する毎に起動される。図10乃至図12に示す
ルーチンが起動されると、先ずステップ136の処理が
実行される。
【0091】ステップ136では、係数KLに所定値Hi
ghがセットされると共に、係数KAに所定値Low がセッ
トされる。ステップ138では、車速Vが所定値VAに
達したか否かが判別される。本ステップ138の処理
は、V≧VAが成立すると判別されるまで繰り返し実行
される。その結果、V≧VAが成立すると判別される
と、次にステップ140の処理が実行される。
【0092】ステップ140では、次式に従って係数K
Lおよび係数KAが演算される。 KL=High−α・t ・・・(10) KA=Low +α・t ・・・(11) 上記(10)式および(11)式に示す“t”は、上記
ステップ138の条件が成立した後の経過時間である。
また、上記(10)式および(11)式に示す“α”
は、係数KL,KAの変化率を定める定数である。
【0093】ステップ142では、係数KLが所定値Lo
w に到達したか否か、または、係数KAが所定値Highに
到達したか否かが判別される。その結果、上記の条件が
成立しないと判別される場合は、再び上記ステップ14
0の処理が実行される。一方、上記の条件が成立すると
判別される場合は、次にステップ144の処理が実行さ
れる。
【0094】ステップ144では、係数KLが所定値Lo
w に固定されると共に、係数KAが所定値Highに固定さ
れる。ステップ146では、車速Vが所定値VBに達し
たか否かが判別される。本ステップ146の処理は、V
≧VBが成立すると判別されるまで繰り返し実行され
る。その結果、V≧VBが成立すると判別されると、次
にステップ146の処理が実行される。
【0095】ステップ146では、次式に従って係数K
Lおよび係数KAが演算される。 KL=Low +β・t ・・・(12) KA=High−β・t ・・・(13) 上記(12)式および(13)式に示す“t”は、上記
ステップ146の条件が成立した後の経過時間である。
また、上記(12)式および(13)式に示す“β”
は、係数KL,KAの変化率を定める定数である。
【0096】ステップ150では、係数KLが1.0に
到達したか否か、または、係数KAが1.0に到達した
か否かが判別される。その結果、上記の条件が成立しな
いと判別される場合は再び上記ステップ148の処理が
実行される。一方、上記の条件が成立すると判別される
場合は、次にステップ152の処理が実行される。ステ
ップ152では、係数KLおよびKAが1.0に固定さ
れる。本ステップ152の処理が終了すると、次に図1
1に示すステップ154の処理が実行される。
【0097】ステップ154では、車速Vが所定値V0
に達したか否かが判別される。本ステップ154の処理
は、V≧V0 が成立すると判別されるまで繰り返し実行
される。その結果、V≧V0 が成立すると判別される
と、次にステップ156の処理が実行される。ステップ
156では、係数KLに所定値Highがセットされ、係数
KAが“0”にリセットされ、かつ、係数KVに所定値
Low がセットされる。
【0098】ステップ158では、車両の走行距離Sが
所定値SDに達したか否かが判別される。本ステップ1
58の処理は、S≧SDが成立すると判別されるまで繰
り返し実行される。その結果、S≧SDが成立すると判
別されると、次にステップ160の処理が実行される。
ステップ160では、上記ステップ140と同様の手法
により係数KLおよび係数KAが演算される。
【0099】ステップ162では、係数KLが所定値Lo
w に到達したか否か、または、係数KVが所定値Highに
到達したか否かが判別される。その結果、上記の条件が
成立しないと判別される場合は、再び上記ステップ16
0の処理が実行される。一方、上記の条件が成立すると
判別される場合は、次にステップ164の処理が実行さ
れる。
【0100】ステップ164では、係数KLが所定値Lo
w に固定されると共に、係数KVが所定値Highに固定さ
れる。ステップ166では、車両の走行距離Sが所定値
SEに達したか否かが判別される。本ステップ166の
処理は、S≧SEが成立すると判別されるまで繰り返し
実行される。その結果、S≧SEが成立すると判別され
ると、次にステップ168の処理が実行される。
【0101】ステップ168では、上記ステップ148
と同様の手法により係数KLおよびKVが演算される。
ステップ170では、係数KLが1.0に到達したか否
か、または、係数KVが1.0に到達したか否かが判別
される。その結果、上記の条件が成立しないと判別され
る場合は再び上記ステップ168の処理が実行される。
一方、上記の条件が成立すると判別される場合は、次に
ステップ172の処理が実行される。
【0102】ステップ172では、係数KLおよびKA
が1.0に固定される。本ステップ172の処理が終了
すると、次に図12に示すステップ174の処理が実行
される。ステップ174では、減速要求が検出されたか
否かが判別される。本ステップ174の処理は、減速要
求が検出されたと判別されるまで繰り返し実行される。
その結果、減速要求が検出されたと判別されると、次に
ステップ176の処理が実行される。
【0103】ステップ176では、係数KLに所定値Hi
ghがセットされ、係数KVが“0”にリセットされ、か
つ、係数KBVに所定値Low がセットされる。ステップ1
78では、車両の走行距離Sが所定値SGに達したか否
かが判別される。本ステップ178の処理は、S≧SG
が成立すると判別されるまで繰り返し実行される。その
結果、S≧SGが成立すると判別されると、次にステッ
プ180の処理が実行される。
【0104】ステップ180では、上記ステップ140
と同様の手法により係数KLおよび係数KBVが演算され
る。ステップ182では、係数KLが所定値Low に到達
したか否か、または、係数KBVが所定値Highに到達した
か否かが判別される。その結果、上記の条件が成立しな
いと判別される場合は、再び上記ステップ180の処理
が実行される。一方、上記の条件が成立すると判別され
る場合は、次にステップ184の処理が実行される。
【0105】ステップ184では、係数KLが所定値Lo
w に固定されると共に、係数KBVが所定値Highに固定さ
れる。ステップ186では、車速Vが“0”であるか否
か、すなわち、車両が停止しているか否かが判別され
る。本ステップ186の処理は、V=0が成立すると判
別されるまで繰り返し実行される。その結果、V=0が
成立すると判別されると、次にステップ188の処理が
実行される。
【0106】ステップ188では、係数KLおよびKBV
が共に“0”にリセットされる。本ステップ188の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。上記図
10乃至図12に示すルーチンによれば、車間距離F/
B制御の重みを定める係数KL、加速度F/B制御の重
みを定める係数KA、車速F/B制御の重みを定める係
数KV、および、制動車速F/B制御の重みを定める係
数KBVを上記図8および図9に示す如く変化させること
ができる。従って、本実施例の自動運転車両を後続車両
として車両隊列を構成すれば、十分に車間距離を詰めた
隊列走行を実現することができる。
【0107】尚、上記の実施例においては、車速Vおよ
び加速度aが前記請求項1乃至3記載の「車速相関値」
に相当していると共に、ECU64が、上記ステップ1
24〜134において、加速度F/B制御、車速F/B
制御、および、制動車速F/B制御の手法で制御指令値
を演算することにより前記請求項1乃至3記載の「車速
相関値フィードバック手段」が、車間距離F/B制御の
手法で制御指令値を演算することにより前記請求項1
至3記載の「車間距離フィードバック手段」が、また、
それらのステップで演算されたモータ指示値Mおよびブ
レーキ指示値Bを用いて駆動モータ70およびブレーキ
アクチュエータ72を駆動することにより前記請求項1
乃至3記載の「車速制御手段」が、それぞれ実現されて
いる。
【0108】また、上記の実施例においては、ECU6
4が上記ステップ136〜188の処理を実行すること
により前記請求項1乃至3記載の「重み付け」が実現さ
れている。ところで、上記の実施例においては、係数K
L,KA,KV,KBVを所定値High、Low および1.0
の何れかに設定することとしているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、係数KL,KA,KV,KBV
にはこれらと異なる値を設定してもよい。
【0109】次に、図13乃至図15を参照して、本発
明の第2実施例について説明する。本実施例の自動交通
システムは、車両隊列の後続車両に、上記図7に示すル
ーチン、および、上記図10乃至12に示すルーチンと
共に、図15に示すルーチンを実行させることにより実
現することができる。本実施例の自動交通システムにお
いて、乗客の乗降位置は各駅で正確に定められている。
従って、複数の自動運転車両を隊列走行させる場合に
は、先頭車両のみならず、後続する全ての車両を正確に
定められた位置に停車させることが必要である。
【0110】図13は、第1実施例の自動運転車両によ
って、等速減速度走行の過程で実現される車速Vと走行
距離Sとの関係を示す。複数の自動運転車両で隊列走行
を行う場合は、車両隊列の先頭車両96が停止指示マー
カ58に到達した時点で、先頭車両96と第1後続車両
98との車間距離Lに、目標車間距離Ltgに対して誤差
ΔLが重畳することがある。
【0111】第1実施例のシステムでは、先頭車両96
が停止指示マーカ58に到達した後、車両隊列を構成す
る全ての自動運転車両は同様に等減速度走行を開始す
る。この際、第1後続車両98は、先頭車両96が停止
指示マーカ58に到達した後、所定の減速距離S0 だけ
走行して停止するように制御される。このため、先頭車
両96が停止指示マーカ58に到達した時点で車間距離
Lに重畳していた誤差ΔLは、図13に示す如く、車両
隊列が減速する過程で変化することなく維持される。従
って、第1実施例の自動運転車両によっては、このよう
な状況下で、車両隊列を構成する全ての自動運転車両を
正確に既定の停止位置に停止させることが困難であっ
た。
【0112】図14は、本実施例の自動運転車両を第1
後続車両98とした場合に、等速減速度走行の過程で実
現される車速Vと走行距離Sとの関係を示す。本実施例
の自動運転車両は、減速要求が生じた時点で車間距離L
に重畳している誤差ΔLを検出し、等減速度走行の過程
で誤差ΔLを消滅させる機能を備えている。従って、本
実施例の自動運転車両によれば、先頭車両98が停止指
示マーカ58に到達した時点で車間距離Lに誤差ΔLが
重畳していても、車両隊列を構成する全ての車両を正確
に既定の位置に停止させることができる。
【0113】以下、上記の機能を実現するための具体的
処理の内容について説明する。上記(1)式に示す如
く、車両の減速度d0 と、車速V、初速V0 、および、
減速が開始された後の走行距離Sdとの間には“V2
0 2 =2d0 ・Sd”で表される関係が成立する。従
って、所定距離S0 前方で車両を停止させるための減速
度dS0、すなわち、所定距離S0 前方で車速Vを“0”
とするための減速度dS0は、上記の関係式にV=0およ
びSd=S0 を代入して、次式の如く求めることができ
る。
【0114】 dS0=−V0 2 /(2・S0 ) ・・・(14) 上記(2)式に示す如く、車両が一定の減速度d0 で減
速する際の車速Vは、初速V0 および走行距離Sdを用
いて、“V=√(V0 2 +2d0 ・Sd)”と表すこと
ができる。従って、車両を上記(14)式で表される減
速度dS0で減速させるための目標車速Vtg(Sd)は、
次式の如く表すことができる。
【0115】 Vtg(Sd)=√{V0 2 −2・Sd・V0 2 /(2・S0 )} =V0 √(1−Sd/S0 ) ・・・(15) 図14に示す如く、減速要求が生じた時点で車間距離L
が目標車間距離Ltgに比してΔLだけ短い場合に、等減
速度走行の過程で誤差ΔLを消滅させるためには、第1
後続車両96を、その後S0 −ΔLだけ走行した位置で
停車させることが必要である。車両をS0 −ΔLだけ前
方で停車させるための目標車速Vtg(S)は、上記(1
5)式における“S0 ”に“S0 −ΔS”を代入して、
次式の如く表すことができる。
【0116】 Vtg(Sd)=V0 √{1−Sd/(S0 −ΔL)} ・・・(16) 本実施例の自動運転車両は、自車が車両隊列の先頭車両
である場合は、上記(15)式に従って等速度走行時に
おける目標車速Vtg(Sd)を演算する。また、本実施
例の自動運転車両は、自車が後続車両である場合は、上
記(16)式に従って等速度走行時における目標車速V
tg(Sd)を演算する。このため、本実施例の自動運転
車両によれば、減速要求が生じた時点での誤差ΔLに影
響されることなく、車両隊列を構成する全ての車両を正
確に既定の位置に停止させることができる。
【0117】図15は、上記の機能を実現すべく自動運
転車両のECU64が実行する制御ルーチンのフローチ
ャートを示す。図15に示すルーチンは、その処理が終
了する毎に繰り返し起動される。図15に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ190の処理が実行され
る。ステップ190では、減速要求が発生したか否かが
判別される。本ステップ190の処理は、減速要求の発
生が認められるまで繰り返し実行される。その結果、減
速要求の発生が認められると、次にステップ192の処
理が実行される。
【0118】ステップ192では、自車が先頭車両であ
るか否かが判別される。その結果、自車が先頭車両であ
ると判別される場合は、次にステップ194の処理が実
行される。ステップ194では、上記ステップ190で
減速要求の発生が認められた後の走行距離Sdが検出さ
れる。
【0119】ステップ196では、上記ステップ190
で検出された走行距離Sdを上記(15)式に代入する
ことにより、等減速度走行時における目標車速Vtg(S
d)が演算される。本ステップ196で演算される目標
車速Vtg(Sd)は、上記図7に示すステップ120の
処理、すなわち、先頭車両のブレーキ指示値を演算する
処理に反映される。
【0120】ステップ198では、車速Vが“0”であ
るか否か、すなわち、車両が停止したか否かが判別され
る。その結果、V=0が成立しないと判別される場合
は、再び上記ステップ194の処理が実行される。一
方、V=0が成立すると判別される場合は、今回のルー
チンが終了される。本ルーチン中、上記ステップ192
で自車が先頭車両でないと判別された場合は、次にステ
ップ200の処理が実行される。
【0121】ステップ200では、車間距離Lに重畳し
ている誤差ΔLが検出される。誤差ΔLは、具体的に
は、次式に従って演算される。尚、次式に示すΔL(先
行車)は先行車と、先々行車との間の車間距離Lに重畳
している誤差である。 ΔL=Ltg+ΔL(先行車)−L ・・・(17) 車両隊列の先頭車両には車間距離Lの誤差が生ずること
はない。このため、第1後続車両では、本ステップ20
0で、次式に従って誤差ΔLが演算される。
【0122】 ΔL=Ltg−L ・・・(18) 本実施例の自動運転車両は、本ステップ200で演算し
た誤差ΔLを後続車両に通信する。後続車両は、上記の
如く先行車から通信される誤差ΔLを上記(17)式に
示すΔL(先行車)に代入して自車の誤差ΔLを演算す
る。先頭車両と第1後続車両との車間距離Lが目標車間
距離Ltgに一致している場合は、第1後続車両から目標
車間距離Ltgだけ後方の位置が第2後続車両の正規の位
置となる。この場合、第1後続車両と第2後続車両との
間に確保すべき車間距離は、目標車間距離Ltgに一致す
る。
【0123】先頭車両と第1後続車両との車間距離Lが
目標車間距離Ltgに比してΔL(先行車)だけ短縮され
ている場合は、第1後続車両から“Ltg+ΔL(先行
車)”だけ後方の位置が第2後続車両の正規の位置とな
る。この場合、第1後続車両と第2後続車両との間に確
保すべき車間距離は、“Ltg+ΔL(先行車)”とな
る。従って、かかる状況下では、第1後続車両と第2後
続車両との間の車間距離Lに重畳している誤差ΔLを、
ΔL={Ltg+ΔL(先行車)}−Lと、すなわち、上
記(17)式で表される値と認識することが適切であ
る。
【0124】本実施例において、上記(17)式によれ
ば、車両隊列を構成する全ての自動運転車両について、
正規の位置に対する誤差を検出することができる。この
ため、個々の自動運転車両が、上記ステップ200で検
出された誤差ΔLを消滅させるように等減速度走行を実
行すると、車両隊列を構成する全ての自動運転車両は、
正確に次の駅で既定の位置に停止する。
【0125】ステップ202では、上記ステップ190
で減速要求の発生が認められた後の車両の走行距離Sd
が検出される。ステップ204では、上記ステップ20
0で検出された誤差ΔLと、上記ステップ202で検出
された走行距離Sdとを上記(16)式に代入すること
により、等減速度走行時における目標車速Vtg(Sd)
が演算される。本ステップ204で演算される目標車速
Vtg(Sd)は、上記図7に示すステップ132の処
理、すなわち、後続車両のブレーキ指示値を演算する処
理に反映される。
【0126】ステップ206では、車速Vが“0”であ
るか否か、すなわち、車両が停止したか否かが判別され
る。その結果、V=0が成立しないと判別される場合
は、再び上記ステップ202の処理が実行される。一
方、V=0が成立すると判別される場合は、今回のルー
チンが終了される。上記ステップ204で演算される目
標車速Vtg(Sd)によれば、車両を等減速度走行させ
ることができると共に、減速要求が生じた時点で生じて
いた誤差ΔLを、等減速度走行の過程で消滅させること
ができる。従って、本実施例の自動運転車両によれば、
車両隊列を構成する全ての車両が正確に既定の位置に停
止する自動運転システムを実現することができる。
【0127】尚、上記の実施例においては、ECU64
が、上記ステップ200の処理を実行することにより前
記請求項記載の「車間誤差検出手段」が、上記ステッ
プ204の処理を実行することにより前記請求項記載
の「目標値修正手段」が、それぞれ実現されている。
【0128】
【発明の効果】上述の如く、請求項1乃至3記載の発明
によれば、先行車との車間距離を目標車間距離の近傍に
維持しつつ、高精車速制御を行うことができる。こ
のため、本発明に係る走行制御装置を搭載する自動運転
車両によれば、車間距離を十分に詰めた隊列走行を実現
することができる。
【0129】また、請求項1乃至3記載の発明によれ
ば、自動運転車両が車間距離を大きく伸縮させることな
く先行車に追従するように、車速F/B制御と車間距離
F/B制御との重み付けを適切に変化させることができ
る。このため、本発明に係る走行制御装置を搭載する自
動運転車両によれば、目標車速が変動する状況下でも車
間距離を十分に詰めた隊列走行を実現することができ
る。
【0130】また、請求項記載の発明によれば、
度走行開始時に車間距離に重畳していた誤差を、自動
運転車両が減速度走行する過程で消滅させることがで
きる。このため、本発明に係る走行制御装置によれば、
停車時における車間距離が正確に目標車間距離に一致す
るように自動運転車両を隊列走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の自動交通システムのイン
フラ施設を模式的に表した図である。
【図2】本発明の第1実施例の自動交通システムの電気
的な構成を表すブロック図である。
【図3】自動運転車両に搭載される車々間通信機の通信
領域を表す図である。
【図4】自動運転車両の一例の斜視図である。
【図5】駅間を走行する車両隊列の車速Vを走行距離S
との関係で表した図である。
【図6】駅間を走行する車両隊列の車速Vを時間tとの
関係で表した図である。
【図7】自動運転車両において実行されるメインルーチ
ンのフローチャートである。
【図8】車両隊列の等加速度走行中に後続車両で用いら
れる係数KL,KAが変更される様子を表す図である。
【図9】車両隊列の等速走行中および等減速度走行中に
後続車両で用いられる係数KL,KV,KBVが変更され
る様子を表す図である。
【図10】自動運転車両において各種フィードバック制
御の制御ゲインを定める係数KL,KA,KVおよびK
BVを変更するために実行される制御ルーチンのフローチ
ャート(その1)である。
【図11】自動運転車両において各種フィードバック制
御の制御ゲインを定める係数KL,KA,KVおよびK
BVを変更するために実行される制御ルーチンのフローチ
ャート(その2)である。
【図12】自動運転車両において各種フィードバック制
御の制御ゲインを定める係数KL,KA,KVおよびK
BVを変更するために実行される制御ルーチンのフローチ
ャート(その3)である。
【図13】第1実施例の自動運転車両で構成される車両
隊列が等減速度走行する際に実現される車速Vと走行距
離Sとの関係を表す図である。
【図14】第2実施例の自動運転車両で構成される車両
隊列が等減速度走行する際に実現される車速Vと走行距
離Sとの関係を表す図である。
【図15】第2実施例の自動運転車両において等減速度
走行時における目標車速Vtg(Sd)を演算すべく実行
される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 レーンマーカ 12 本線 14 待機線 16,18 直進部 20,22 ループ部 36,38,40,42,44,46,48 路車間通
信機 52 管制センタ 54 基準マーカ 56 通過検知器 58 停止指示マーカ KL 車間距離F/B制御の制御ゲインを定める係数 KA 加速度F/B制御の制御ゲインを定める係数 KG 車速F/B制御の制御ゲインを定める係数 KBV 制動車速F/B制御の制御ゲインを定める係数 Vtg(Sd) 等減速度走行時における目標車速 V0 等速走行時における目標車速(等減速度走行開始
時の初速) S 車両の走行距離 Sd 等速度走行開始後の車両の走行距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B61H 13/30 B61H 13/30 F02D 29/02 F02D 29/02 D (56)参考文献 特開 平7−17294(JP,A) 特開 平8−301084(JP,A) 特開 平8−268192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/16 G08G 1/00 B60K 31/00 B60R 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の自動運転車両を所定の走行パター
    ンに従って隊列走行させるシステムにおいて、先行車に
    追従して走行する自動運転車両の車速制御を実行する走
    行制御装置であって、 自動運転車両の車速相関値を目標値に近づけるための第
    1の制御指令値を演算する車速相関値フィードバック手
    段と、 前記先行車との車間距離を目標車間距離に近づけるため
    の第2の制御指令値を演算する車間距離フィードバック
    手段と、 前記第1の制御指令値と前記第2の制御指令値とに重み
    付けを行って、それらを前記車速制御に反映させる車速
    制御手段と、 を備え 前記車速制御手段は、 前記複数の自動運転車両を出発地を発車してから目的地
    に停止するまでに等加速度走行、等速走行、及び等減速
    度走行を順に行って隊列走行させる場合に、 前記等加速度走行において、 自動運転車両の速度が前記出発地を発車後前記等速走行
    時の速度よりも低い所定速度に達するまでは、前記第2
    の制御指令値の影響が前記第1の制御指令値の影響より
    も大きく前記車速制御に反映されるように前記重み付け
    を行い、 自動運転車両の速度が前記所定速度に達してから自動運
    転車両が前記等速走行を開始するまでは、前記第1の制
    御指令値の影響が前記第2の制御指令値の影響よりも大
    きく前記車速制御に反映されるように前記重み付けを行
    う、 ことを特徴とする自動運転車両の走行制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の自動運転車両を所定の走行パター
    ンに従って隊列走行させるシステムにおいて、先行車に
    追従して走行する自動運転車両の車速制御を実行する
    行制御装置であって、自動運転車両の車速相関値を目標値に近づけるための第
    1の制御指令値を演算する車速相関値フィードバック手
    段と、 前記先行車との車間距離を目標車間距離に近づけるため
    の第2の制御指令値を演算する車間距離フィードバック
    手段と、 前記第1の制御指令値と前記第2の制御指令値とに重み
    付けを行って、それらを前記車速制御に反映させる車速
    制御手段と、 を備え、 前記車速制御手段は、 前記複数の自動運転車両を出発地を発車してから目的地
    に停止するまでに等加速度走行、等速走行、及び等減速
    度走行を順に行って隊列走行させる場合に、 前記等速走行において、 自動運転車両の前記等速走行開始後の走行距離が前記等
    速走行が行われる距離全体よりも短い第一の所定距離に
    達するまでは、前記第2の制御指令値の影響が前記第1
    の制御指令値の影響よりも大きく前記車速制御に反映さ
    れるように前記重み付けを行い、 自動運転車両の前記等速走行開始後の走行距離が前記第
    一の所定距離に達してから自動運転車両が前記等減速度
    走行を開始するまでは、前記第1の制御指令値の影響が
    前記第2の制御指令値の影響よりも大きく前記車速制御
    に反映されるように前記重み付けを行う、 ことを特徴と
    する自動運転車両の走行制御装置。
  3. 【請求項3】 複数の自動運転車両を所定の走行パター
    ンに従って隊列走行させるシステムにおいて、先行車に
    追従して走行する自動運転車両の車速制御を実行する
    行制御装置であって、自動運転車両の車速相関値を目標値に近づけるための第
    1の制御指令値を演算する車速相関値フィードバック手
    段と、 前記先行車との車間距離を目標車間距離に近づけるため
    の第2の制御指令値を演算する車間距離フィードバック
    手段と、 前記第1の制御指令値と前記第2の制御指令値とに重み
    付けを行って、それらを前記車速制御に反映させる車速
    制御手段と、 を備え、 前記車速制御手段は、 前記複数の自動運転車両を出発地を発車してから目的地
    に停止するまでに等加速度走行、等速走行、及び等減速
    度走行を順に行って隊列走行させる場合に、 前記等減速度走行において、 自動運転車両の前記等減速度走行開始後の走行距離が前
    記等減速度走行が行われる距離全体よりも短い第二の所
    定距離に達するまでは、前記第2の制御指令値の影響が
    前記第1の制御指令値の影響よりも大きく前記車速制御
    に反映されるように前記重み付けを行い、 自動運転車両の前記等減速度走行開始後の走行距離が前
    記第二の所定距離に達してから自動運転車両が前記目的
    地に停止するまでは、前記第1の制御指令値の影響が前
    記第2の制御指令値の影響よりも大きく前記車速制御に
    反映されるように前記重み付けを行う、 ことを特徴とす
    る自動運転車両の走行制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項記載の自
    動運転車両の走行制御装置において、 自動運転車両が前記等減速度走行を開始した時点で車間
    距離に重畳している目標車間距離に対する誤差を検出す
    る車間誤差検出手段と、 自動運転車両の前記等減速度走行時における前記目標値
    を、前記誤差に基づいて修正する目標値修正手段と、 を備えることを特徴とする自動運転車両の走行制御装
    置。
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